ドキュメンタリー。

鬼才マーティン・スコセシーが音頭を取り、ブルース音楽の魅力を探るテレビ用ドキュメンタリー映画がアメリカで28日夜から7夜連続で、PBS系列から放送される。タイトルは『ザ・ブルーズ』で、7人の監督がそれぞれのコンセプトでアメリカ文化の中におけるブルーズについて、ドキュメンタリーを制作した。全体の統括監督がスコセシー。

7本の映画のタイトルと監督は次の通り。

『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』(マーティン・スコセシー監督)
『ザ・ソウル・オブ・ア・マン』(ヴィム・ヴェンダーズ監督)
『ザ・ロード・トゥ・メンフィス』(リチャード・ピアース監督)
『ウォ−ミング・バイ・ザ・デヴィルズ・ファイアー』(チャールズ・バーネット監督)
『ザ・ゴッドファーザーズ・アンド・ソンズ』(マーク・レヴィン監督)
『レッド・ホワイト&ブルーズ』(マイク・フィギス監督)
『ピアノ・ブルーズ』(クリントン・イーストウッド監督)

7人の監督はそれぞれの切り口でブルーズを自由に描くが、ひとつだけ統一したテーマがある。それは、偏狭的な民族音楽のひとつであったブルーズがいかにしてユニヴァーサルな言葉になったか、という点だ。

詳細は次のホームページ。
http://www.pbs.org/theblues/

どれもタイトルだけでそそられるが、やはり、7本目のクリント・イーストウッドの作品は面白そうだ。イーストウッドはこれまでに、『プレイ・ミスティー・フォー・ミー』『バード』など音楽を扱った作品も多く、特に熱心なジャズファンとして知られ、多くの音楽を効果的に使っている。その彼が直接音楽ドキュメンタリーを撮ったのだから興味深い。

「ブルーズはいつも僕の人生の一部だった。そして、ピアノもまたいつも僕の人生の中にあった。なにしろ、母がファッツ・ウォーラー(ジャズの有名なピアニスト)のレコードを家に持ってきて以来のことだからね」とイーストウッドは言う。

一方ヴィム・ヴェンダースは、「そうした音楽には、僕が今まで読んだ本や、見た映画で知った以上の真実が絶対にあるはずだ。自分が感動した音楽をドキュメントするのではなく、詩を描くように描いてみたい」と語っている。



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