【マーヴァ・ホイットニー・ライヴ〜30年以上待ちつづけたその日】

夢。

ジェームス・ブラウン・ファミリーの中には多くの女性シンガーがいる。ファンキー・ディーヴァと呼ばれる彼女たちは、みなブラウンのショーの中で、何曲か場所をもらいファンキーな曲を歌ったりする。そんなディーヴァの中で、リン・コリンズ、ヴィッキー・アンダーソンと並んでもっとも人気が高いのがマーヴァ・ホイットニーだ。その彼女が初来日。しかも、バックを日本のJBズ、オーサカ=モノレールがつける。

1時間DJが盛り上げ、午後8時、オーサカの演奏から。「100万回、(マーヴァのレコードを)聴きました」とリーダー中田さんは、100万回くらい繰り返した。一旦バンドが下がり、また20分程度のDJタイム。これはなくして、いきなりマーヴァにつないだほうがいいと思う。バンドで上がったテンションがぐっと下がってしまった。トータルすると正味2時間近くあるのだから、ここは一気呵成で頼む。

マーヴァは今年62歳。声の調子が心配されたが、前半は少々緊張気味だったが、ミディアムからアップテンポのジャンプナンバーになると、往年のマーヴァ節を聴かせた。やはり、「アイ・メイド・ア・ミステーク」とか、「アンワインド・ユアセルフ」などのが〜んとくる作品は迫力たっぷりだ。ただスロー・バラードは、若干音をはずしたりして、微妙なところだった。

彼女には仲がとてもよかった友達(シスター)がいた。みんな亡くなってしまったが、その中でも最近のリン・コリンズの死去は大きな痛手になったようだ。(また3ヶ月前に夫を亡くしたことも話していた) そこで、リン・コリンズの作品「ウィール・オブ・ライフ」をトリビュートの意味も込めて歌った。

オーサカとのジョイントで、こうしてマーヴァの姿を拝めただけで、充分意義があったということだろう。観客は昔からのソウルファンと新しいソウルファンが適度に混ざっていて、クワトロは超満員。4時間近く立ち続けてさすがに疲れました。(笑) 

マーヴァは、ライヴ後すぐに下に降りて、ファンのためにサイン会。昔のアナログを持ってきている人も多く、サイン会はかなりの時間続いた。若い人の間からは、「感動したわ〜」などという声が聞こえた。

マーヴァはステージでこんなことを言っていた。「夢を持っていたら、その夢を持ち続けなさい。いつかそれは実現する。私にとって、これ(来日公演)はまさに夢が実現するようなもの。30年以上も待ちつづけた日だわ」  彼女は先週行ったインタヴューで、「私はジェームス・ブラウンのところから離れた後、不遇の時代を経験してきた。でも、結局生き延びてきて、いつの日にかこのような日が来ることを待っていた」と、今回の来日について語った。

35年以上も前のレコードに熱狂した、もちろん、そのレコードがリリースされた時にはまだ生まれていなかった、しかも、ファー・イーストの若者がそのレコードを100万回も聴いて、ついにその彼女を呼び寄せたのだ。彼女のそれほど多くないレコードは、まさに彼女のもの(it’s her thing)。35年以上の時と場所が超えて、今、ひとつのソウルになった。マーヴァのソウル・サーチンと中田さんのソウル・サーチンが一点に結びついた瞬間であった。

■ライヴは、この後、沖縄(9日=金曜)、北海道(11日=日曜)の2回あります。

■オーサカ=モノレール公式ウェッブ
http://www.osakamonaurail.com/index.html

Setlist

show started 20:00
01. Intro
02. Down And Out
03. Give It Up Or Turn It A Loose
04. Runble’n Struggle
05. New New Type Thing
06. Evil
07. Mother Popcorn
show ended 20:20

DJ play by Paris

show started 20:38
01. It’s My Thing (Inst)
02. Intro
(Marva Whitney)
03. Things Got To Get Better (Get Together)
04. I Made A Mistake Because It’s Only You
05. Your Love Was Good For Me
06. Kansas City
07. In The Middle (Inst)
08. The Popcorn (Inst)
09. Tighten Up
(Marva Whitney)
10. Daddy Don’t
11. This Girl’s In Love With You
12. Wheel Of Life
13. What Do I Have To Do To Prove My Love To You
14. He’s The One
15. It’s My Thing
Enc.1. Unwind Yourself
Enc.2. I Am What I Am
Enc.3. Sunny -- Ending
show ended 22:16

(2006年6月8日木曜、渋谷クワトロQuatro=マーヴァ・ホイットニー・ウィズ・オーサカ=モノレール・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Whitney, Marva With Osaka Monaurail
2006-116

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