【不可能な指令: 音を文字にせよ】
不可能。
即興演奏というのは、まったくあらかじめ楽譜などない。もちろんこういうメロディーで、こういうコード進行でという決まりもない。その瞬間に演奏家にひらめいたものが、頭から神経を経て指先に伝わり、その指先がなにがしかのキーを叩く。そして、叩かれた鍵盤がピアノの音をだす。深町純はその即興演奏を行う。それが時にメロディアスに、力強く、あるいは繊細に、しっとりと、あるいはグルーヴ感あふれて。
また、即興に限らず、ライヴの雰囲気は文字ではどうしても伝えられない。ライヴのその会場の空気感、温度、湿度、匂い、ざわめき、演奏家の演奏に対する観客の反応、音色、メロディー、その展開の早さ、遅さ、タッチの弱さ、強さ。しょせん、音楽は文字にではできない。せいぜい書けるのは、その演奏を見て聴いて書き手が何を感じたか、程度だ。1時間なり2時間のライヴから生まれる膨大な情報量からすれば、感想文で書く1000文字などほんのささいな一握りの情報量としかいいようがない。セットリスト(演奏した曲目表)などライヴの総情報量からすれば、取るに足りないものだ。
だが、読み手側に音楽を聴く力、文字を読み取る力があれば、そうした些細な情報からイメージを広げることができることもある。そして、そのライヴに行きたくても行けなかった人が、そんな情報からこのライヴはこんなだったのではないだろうか、などとイメージを広げられ、また行った人が、あ〜あそこはああだったと記憶をなぞることができれば、それは仮に些細な情報でも、意味はでてくるだろう。
深町純の即興演奏は、どう転んでも文字にできない。どうすればいいんだろう。(笑) 別にしなくてもいいか。(笑) ただ聴きに行けばいいだけの話だ。音楽を文字にするのは、元々不可能ではあるが、特にこの深町ピアノについて書くということは、まさに不可能な指令だ。
彼は、事前にミュージックチャージを決めていない。聴いた後、気に入った分だけの金額を払えばいいという。だが、「その封筒にいくらいれるかは、(聴く側の)あなたの文化レヴェルが問われていると思ってください」と言う。「あなたがたが僕(の演奏)を評価するのではなく、僕があなたがたの文化レヴェルを評価しているのです」と。
今日のトークネタのひとつ。「サッカーのFIFA(サッカー連盟)の加盟国は、国連加盟国より多いんだってね」 うちに戻って調べてみました。国連加盟国は現在191、そして、FIFAは207協会。だそうで、これはこれですごい数ですね。へえ〜という感じだった。
ところで、演奏に関して言えば、御題拝借作品の2曲目が、韓国のドラマあたりに使われそうなマイナー調のメロディーでひじょうにすばらしかった。御題拝借にしてはとても珍しく3分を超える大作になった。深町さんにもいいメロディーができた感触があったのだろう。
■関連ウェッブ
前回のライヴ評
May 28, 2006
Fukamachi Jun #65: Performer Knows How Do Audiences Feel
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_05_28.html
April 30, 2006
Fukamachi Jun Live #64
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_04_30.html(ここに過去記事一覧があります)
アートカフェ・オフィシャル・ウェッブ
http://artcafe1107.com/
深町純オフィシャル・ウェッブ
http://www.bekkoame.ne.jp/~cisum/
■Setlist
1st Set
show started 19:39
01. 2006年6月17日19時39分の作品 (11.07)
02. 2006年6月17日20時02分の作品 (14.52)
03. 2006年6月17日御題拝借作品1. (2.25) 夏の始まり(アルペジオ=分散和音から)
04. 2006年6月17日御題拝借作品2. (3.14)
05. 2006年6月17日御題拝借作品3.(1.45)
show ended 20:43
(approximately performing time 33:23 of 64 minutes show)(.5216)
2nd Set
show started 21.12
01. 二人で (ミュー[Myu}さんの歌と) (5.57)
02. ゆっくり歩く (ミューさんの歌と) (2.30)
03. Amazing Grace (ミューさんの歌と) (6.22)
04. 2006年6月17日21時46分の作品 (13.31)
show ended 22:00
(approximately performing time: 39.24 of 48 minutes show)(.5902)
■過去の音楽比率(ライヴ全体の中での音楽の割合を表します)(単位は%)
2005年11月 第一部 41.70 第二部 51.82
2005年12月 第一部 39.86 第二部 58.91
2006年01月 第一部 58.81 第二部 67.23
2006年02月 第一部 38.4 第二部 49.7
2006年03月 第一部 50.9 第二部 92.7
2006年04月 第一部 53.1 第二部 57.3
2006年05月 第一部 45.15 第二部 82.08
2006年06月 第一部 52.16 第二部 59.02
(2006年6月17日土曜、恵比寿アートカフェ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2006-124
不可能。
即興演奏というのは、まったくあらかじめ楽譜などない。もちろんこういうメロディーで、こういうコード進行でという決まりもない。その瞬間に演奏家にひらめいたものが、頭から神経を経て指先に伝わり、その指先がなにがしかのキーを叩く。そして、叩かれた鍵盤がピアノの音をだす。深町純はその即興演奏を行う。それが時にメロディアスに、力強く、あるいは繊細に、しっとりと、あるいはグルーヴ感あふれて。
また、即興に限らず、ライヴの雰囲気は文字ではどうしても伝えられない。ライヴのその会場の空気感、温度、湿度、匂い、ざわめき、演奏家の演奏に対する観客の反応、音色、メロディー、その展開の早さ、遅さ、タッチの弱さ、強さ。しょせん、音楽は文字にではできない。せいぜい書けるのは、その演奏を見て聴いて書き手が何を感じたか、程度だ。1時間なり2時間のライヴから生まれる膨大な情報量からすれば、感想文で書く1000文字などほんのささいな一握りの情報量としかいいようがない。セットリスト(演奏した曲目表)などライヴの総情報量からすれば、取るに足りないものだ。
だが、読み手側に音楽を聴く力、文字を読み取る力があれば、そうした些細な情報からイメージを広げることができることもある。そして、そのライヴに行きたくても行けなかった人が、そんな情報からこのライヴはこんなだったのではないだろうか、などとイメージを広げられ、また行った人が、あ〜あそこはああだったと記憶をなぞることができれば、それは仮に些細な情報でも、意味はでてくるだろう。
深町純の即興演奏は、どう転んでも文字にできない。どうすればいいんだろう。(笑) 別にしなくてもいいか。(笑) ただ聴きに行けばいいだけの話だ。音楽を文字にするのは、元々不可能ではあるが、特にこの深町ピアノについて書くということは、まさに不可能な指令だ。
彼は、事前にミュージックチャージを決めていない。聴いた後、気に入った分だけの金額を払えばいいという。だが、「その封筒にいくらいれるかは、(聴く側の)あなたの文化レヴェルが問われていると思ってください」と言う。「あなたがたが僕(の演奏)を評価するのではなく、僕があなたがたの文化レヴェルを評価しているのです」と。
今日のトークネタのひとつ。「サッカーのFIFA(サッカー連盟)の加盟国は、国連加盟国より多いんだってね」 うちに戻って調べてみました。国連加盟国は現在191、そして、FIFAは207協会。だそうで、これはこれですごい数ですね。へえ〜という感じだった。
ところで、演奏に関して言えば、御題拝借作品の2曲目が、韓国のドラマあたりに使われそうなマイナー調のメロディーでひじょうにすばらしかった。御題拝借にしてはとても珍しく3分を超える大作になった。深町さんにもいいメロディーができた感触があったのだろう。
■関連ウェッブ
前回のライヴ評
May 28, 2006
Fukamachi Jun #65: Performer Knows How Do Audiences Feel
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_05_28.html
April 30, 2006
Fukamachi Jun Live #64
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_04_30.html(ここに過去記事一覧があります)
アートカフェ・オフィシャル・ウェッブ
http://artcafe1107.com/
深町純オフィシャル・ウェッブ
http://www.bekkoame.ne.jp/~cisum/
■Setlist
1st Set
show started 19:39
01. 2006年6月17日19時39分の作品 (11.07)
02. 2006年6月17日20時02分の作品 (14.52)
03. 2006年6月17日御題拝借作品1. (2.25) 夏の始まり(アルペジオ=分散和音から)
04. 2006年6月17日御題拝借作品2. (3.14)
05. 2006年6月17日御題拝借作品3.(1.45)
show ended 20:43
(approximately performing time 33:23 of 64 minutes show)(.5216)
2nd Set
show started 21.12
01. 二人で (ミュー[Myu}さんの歌と) (5.57)
02. ゆっくり歩く (ミューさんの歌と) (2.30)
03. Amazing Grace (ミューさんの歌と) (6.22)
04. 2006年6月17日21時46分の作品 (13.31)
show ended 22:00
(approximately performing time: 39.24 of 48 minutes show)(.5902)
■過去の音楽比率(ライヴ全体の中での音楽の割合を表します)(単位は%)
2005年11月 第一部 41.70 第二部 51.82
2005年12月 第一部 39.86 第二部 58.91
2006年01月 第一部 58.81 第二部 67.23
2006年02月 第一部 38.4 第二部 49.7
2006年03月 第一部 50.9 第二部 92.7
2006年04月 第一部 53.1 第二部 57.3
2006年05月 第一部 45.15 第二部 82.08
2006年06月 第一部 52.16 第二部 59.02
(2006年6月17日土曜、恵比寿アートカフェ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2006-124
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