(ネタばれになります。ライヴをこれからご覧になる方は充分ご注意ください)

【ジャム&ルイスの金粉が降り注ぐミント・コンディションのライヴ】

金粉。

2000年8月以来約6年ぶりの来日というミネアポリスのミント・コンディションのライヴ。前回見たかどうか、東京のどこの会場だったかあまり記憶がない。よくサウンズ・オブ・ブラックネスと混同してしまうのだが。

何はともあれ、お初にせよ、二度目にせよ、結論を一言で言えば、ものすごくよかった!! これほどまでにたっぷり楽しませてくれるとは思わなかった。もう一度じっくり見てみたいと思った。

まず、今回来日している彼らは5人組で、ドラム以外の4人が正式メンバー。正式メンバーのギター奏者が今回事務的な理由で来日できずに、ギターレスの編成になっていたという。もっともサポートのドラマーも、彼らとはずっと演奏してきているだけに、ほとんどメンバーも同然の、息のあった演奏を見せた。バンドが自作曲をしっかり自分たちで演奏し歌い、聞かせるというところが、当たり前ながら見事だった。こういうバンドはいい。しかも、ヴォーカルもしっかりしている。

迫力ありつつシュアなドラムス、さらにキーボード2台でサウンドを形作り、ベースが屋台骨を支える。そして、リード・ヴォーカルのストークリー・ウィリアムスがまた、ミニ・マイケル・ジャクソンのように動き、踊り、熱くシャウトするのでたまらなくいい。

最初から6曲目までノンストップで、ミディアムからアップテンポまで聞かせ一気に観客のソウルをつかんだ。いいライヴは最初の5分でわかるが、彼らもほんの冒頭でこれはいいバンドだというのが瞬時にわかった。スローテンポの曲でもベースがはね、じつにグルーヴ感あふれる。

1曲だけロックぽい作品、またジャズ風インストゥルメンタル・ジャム、そして、R&B、ファンクと多様性を見せ、なによりもヴォーカルのストークリーの徹底したエンタテインメントぶりが見事だ。ばねのある動きが聞く者を動かす。また、ヴォーカル・テクニックでも時に、ボビー・マクファーリンかアル・ジャロウかと思わせられるほど多彩な声を聴かせる。初期作品からのメドレー(下記セットリストで10,11,12)では、ノーマイクでアカペラを聴かせ観客をうならせた。ラウル・ミドン並にマウス・トロンボーンまで聴かせる。見事だ。

ベース奏者リッキーは、アースのヴァーディン・ホワイトにつぐエンタメ系ベース奏者だ。楽しい。なんてったって、ベース持ちながら、ジャームス・ブラウンばりに股割(スプリット)をやって見せるのだ。

このセルフ・コンテインド・グループは、演奏も熱ければヴォーカルも熱い。常にミュージシャンの沸点を演じている。そして、大ヒット曲「ブレイキン・マイ・ハート」では、すべてが最高の沸点に到達した。その瞬間、僕はジャム&ルイスの金粉が彼らに降り注いでいるのを見た。本編最後のこの曲が終わった時、珍しく立ち上がって拍手してしまった。

付け加えると、この日の観客はみなミント・コンディションを見にやってきている音楽ファンがほとんどだったように思えた。ひじょうにいいリアクションだった。

(ミント・コンディション、ライヴは土曜と日曜まで。丸の内コットンクラブ。)

■コットンクラブ
http://www.cottonclubjapan.co.jp/ccj/top.html
ミント・コンディション
¥ 8,400 (税込)
6.24(sat):7:00 p.m. & 9:30 p.m.
6/25(sun.):5:00p.m.&8:00p.m.

■ミント・コンディション来日メンバー
Stokley Williams(Lead vocal, ds),
Jeffrey Allen(key,sax,back vo),
Lawrence El(key,back vo),
Ricky Kinchen(bass,back vo),
Terry Wesley(drums)
Homer O’dell(g,back vo),=都合により今回は欠席

■ミント・コンディション公式ウェッブ(英語)
http://www.mintconditionmusic.com/main.htm

■Setlist
show started 21:35
01. Intro
02. Sista
03. So Fine
04. Whoaa
05. You Don’t Have To Hurt No More
06. Call Me
07. I’m Ready
08. Drum Solo (by Stokley & Terry Wesley) -- Instrumental Jam (Mintal)
09. Runaway
10. Someone To Love --
11. U Send Me Swingin’ --
12. Forever In Your Eyes (above 3 songs medley)
13. What You Bring To The Party
13. Breakin’ My Heart (Pretty Brown Eyes)
Enc.1. What Kind Of Man Would I Be
Enc.2. Swole
show ended 23:21

(2006年6月23日金曜、丸の内コットン・クラブ=ミント・コンディション・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Mint Condition
2006-129

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