【ソウル・サーチン・ザ・セッション:舞台裏では・・・】
サプライズ。
楽屋でケイリブに僕が言った。「ねえ、この薔薇、どこかディーヴァに見つからないようにおいといてよ」 「う〜む、そうだな、じゃあ、冷蔵庫にいれておこう」 「それはいい」
岡さんにいろんな色の薔薇を10本ほど買ってきてもらっていた。まあ、いわゆる仕込というやつですが。10本くらいあれば、演出にはなるかな、と思い。青い薔薇はとても綺麗だ。なんとか、ケイリブが小さな冷蔵庫の中に薔薇を押し込む。「折らないようにね」 幸い冷蔵庫は空だった。
そして、ディーヴァのトークが終わり、歌へ。後半から1本、また1本と薔薇がステージで歌うディーヴァの元に渡される。そして、曲が終わると、一斉に何人ものお客さんが片手に薔薇を持ち立ち上がって、ステージに押し寄せた。
「オー・マイ・ゴッド! ドント(やめて、うそでしょう?)」とつぶやいた。ピアノの前で見ていたケイリブが驚いた表情を見せた。「一体どうなってるんだ? 冷蔵庫にはこんなにいれてなかったぞ」 バックでパーカッションをプレイしていたゲイリーが前に出て、抱えきれなくなっていた薔薇をファンから受け取った。両手一杯、さらに、ゲイリーが持ち、ディーヴァは一言メッセージを。「ルーサー、ディス・イズ・フォー・ユー」 そして、ルーサーのことを一言述べ、ステージを降りた。その間も拍手は鳴り止まない。ケイリブが一言もらした。「ホワット・ア・サプライズ(なんというサプライズだ)」。
そして、ショーがすべて終わって、ケイリブが尋ねてきた。「おい、薔薇、あんなに冷蔵庫にいれていたっけ?」 「いや、10本だけだよ」 「どうしたんだ?」 ということで、ブログで前日に呼びかけたことを明かした。ケイリブが言った。「そうか、じゃあ、マサハル、君は薔薇を買う必要、なかったな(笑)」 「ははは」
それにしても盛りだくさんでした。笑いあり、感動あり、涙あり。こんなに密度濃くていいんだろうか。(笑) 僕としては、まったくの新しい試みで一体どうなるか興味津々だった高山広さんの一人芝居が圧倒的に支持され、大好評だったのでひじょうに嬉しかった。熱演でした。彼は小さなワイアレス・マイクを使ったのだが、これは普段はブルースアレーにはなかったので、わざわざ準備してもらった。これで彼は両手を使えるので思う存分演技ができるわけだ。
実は木曜日に音のリハーサルの後、同じスタジオで高山さんにほぼ完成品を見せてもらった。その時点では、原稿というか台本をちらちら見ながら、演技してくれたのだが、後半は僕もかなりぐっときて、「これはいける」と確信した。そして、本番ではぐっとおしゃれな衣装に身を包みルーサーを演じてくれた。ベストに帽子に。すばらしい。機会があったら、ぜひどこかで再演をお願いしたい。一度リハで見ていても、最後はさすがにやられた。ストーリーの組み立てが実にうまい。
「感動を与えるのに、知識の量は関係ないですね(笑)」と松尾さんのコメント。というのは高山さんは、僕と会うまでルーサーのことは知らなかった。僕がいくつかの紙資料とCDを何枚かお渡しして、「ご自由にお作りください」と言ってできてきたのがこれだった。
それにしても、リハでは台本を見ながら、途中、つっかえたりもしていたのに、本番では完璧に完成しているのだから、さすがプロだ。また、リハでは「ねえ、みなさん」と観客に尋ねるシーンがあったが、本番では見事に観客から拍手が巻き起こり、感動した。高山さん、そして、観客のみなさん、ありがとうございます。
(続く)
■ソウル・サーチャーズで堂々ギターとヴォーカルを担当してくれたガッツのライヴが今日(7月4日)、あります。ブルースアレー、7時半。
http://gats.tv/
http://www.bluesalley.co.jp/
■関連アーティストのウェッブ一覧を明日掲載します。
(2006年7月1日土曜、目黒ブルースアレー=「ソウル・サーチン・ザ・セッション VOL.1〜トリビュート・トゥ・ルーサー・ヴァンドロス」)
ENT>MUSIC>LIVE>Soul Searchin’: The Session Vol.1
サプライズ。
楽屋でケイリブに僕が言った。「ねえ、この薔薇、どこかディーヴァに見つからないようにおいといてよ」 「う〜む、そうだな、じゃあ、冷蔵庫にいれておこう」 「それはいい」
岡さんにいろんな色の薔薇を10本ほど買ってきてもらっていた。まあ、いわゆる仕込というやつですが。10本くらいあれば、演出にはなるかな、と思い。青い薔薇はとても綺麗だ。なんとか、ケイリブが小さな冷蔵庫の中に薔薇を押し込む。「折らないようにね」 幸い冷蔵庫は空だった。
そして、ディーヴァのトークが終わり、歌へ。後半から1本、また1本と薔薇がステージで歌うディーヴァの元に渡される。そして、曲が終わると、一斉に何人ものお客さんが片手に薔薇を持ち立ち上がって、ステージに押し寄せた。
「オー・マイ・ゴッド! ドント(やめて、うそでしょう?)」とつぶやいた。ピアノの前で見ていたケイリブが驚いた表情を見せた。「一体どうなってるんだ? 冷蔵庫にはこんなにいれてなかったぞ」 バックでパーカッションをプレイしていたゲイリーが前に出て、抱えきれなくなっていた薔薇をファンから受け取った。両手一杯、さらに、ゲイリーが持ち、ディーヴァは一言メッセージを。「ルーサー、ディス・イズ・フォー・ユー」 そして、ルーサーのことを一言述べ、ステージを降りた。その間も拍手は鳴り止まない。ケイリブが一言もらした。「ホワット・ア・サプライズ(なんというサプライズだ)」。
そして、ショーがすべて終わって、ケイリブが尋ねてきた。「おい、薔薇、あんなに冷蔵庫にいれていたっけ?」 「いや、10本だけだよ」 「どうしたんだ?」 ということで、ブログで前日に呼びかけたことを明かした。ケイリブが言った。「そうか、じゃあ、マサハル、君は薔薇を買う必要、なかったな(笑)」 「ははは」
それにしても盛りだくさんでした。笑いあり、感動あり、涙あり。こんなに密度濃くていいんだろうか。(笑) 僕としては、まったくの新しい試みで一体どうなるか興味津々だった高山広さんの一人芝居が圧倒的に支持され、大好評だったのでひじょうに嬉しかった。熱演でした。彼は小さなワイアレス・マイクを使ったのだが、これは普段はブルースアレーにはなかったので、わざわざ準備してもらった。これで彼は両手を使えるので思う存分演技ができるわけだ。
実は木曜日に音のリハーサルの後、同じスタジオで高山さんにほぼ完成品を見せてもらった。その時点では、原稿というか台本をちらちら見ながら、演技してくれたのだが、後半は僕もかなりぐっときて、「これはいける」と確信した。そして、本番ではぐっとおしゃれな衣装に身を包みルーサーを演じてくれた。ベストに帽子に。すばらしい。機会があったら、ぜひどこかで再演をお願いしたい。一度リハで見ていても、最後はさすがにやられた。ストーリーの組み立てが実にうまい。
「感動を与えるのに、知識の量は関係ないですね(笑)」と松尾さんのコメント。というのは高山さんは、僕と会うまでルーサーのことは知らなかった。僕がいくつかの紙資料とCDを何枚かお渡しして、「ご自由にお作りください」と言ってできてきたのがこれだった。
それにしても、リハでは台本を見ながら、途中、つっかえたりもしていたのに、本番では完璧に完成しているのだから、さすがプロだ。また、リハでは「ねえ、みなさん」と観客に尋ねるシーンがあったが、本番では見事に観客から拍手が巻き起こり、感動した。高山さん、そして、観客のみなさん、ありがとうございます。
(続く)
■ソウル・サーチャーズで堂々ギターとヴォーカルを担当してくれたガッツのライヴが今日(7月4日)、あります。ブルースアレー、7時半。
http://gats.tv/
http://www.bluesalley.co.jp/
■関連アーティストのウェッブ一覧を明日掲載します。
(2006年7月1日土曜、目黒ブルースアレー=「ソウル・サーチン・ザ・セッション VOL.1〜トリビュート・トゥ・ルーサー・ヴァンドロス」)
ENT>MUSIC>LIVE>Soul Searchin’: The Session Vol.1
コメント