Kishita Kohshi: The Moment Time Freezed
2006年7月19日【木下航志、時を止めた瞬間】
フリーズ。
いまだに『ソウル・サーチン・ザ・セッションVol.1〜トリビュート・トゥ・ルーサー・ヴァンドロス』への感想をもらう。感謝してもしきれない。ありがとうございます。こんなメールをSさんからいただいた。
それは、一部の最後を飾った木下航志くんのライヴ・パフォーマンスについてだ。Sさんは、けっこう音楽好き。さまざまなジャンルを聴くが、やはりソウル、R&B系は一番のおきにいりのようだ。ルーサー・ヴァンドロスもリアルタイムで聴いてきたので、『ザ・セッション』自体すべて気に入った、とのことだったが、中でも、航志くんのライヴには今回、特に感銘を受けた、という。
「彼が『スーパースター』を歌い始めた瞬間、凍りついた感じがしました。そして、会場全体がひとつになって、彼を凝視し、全員のエネルギーのヴェクトルが彼に向かったように感じました。会場全体を覆うなんともいえない緊張感。ミュージシャンと観客の間にぴーんと張りつめたものがありました。過去に同じような緊張感を一度だけ経験したことがありました。それは、サンフランシスコでレイ・チャールズのライヴを見た時のことです。その時、レイは『ジョージア・オン・マイ・マインド』と『イエスタデイ』を歌ったのですが、その時の観客もまさにひとつになって、レイに対して恐るべき集中力で耳を傾けていました。航志くんの『スーパースター』を聴いて、その時と同じくらい背筋がぞくぞくとしました。それぐらいすばらしかった。観客を磁石のように、しかも、有無を言わさず惹きつけてしまう航志くんというのは、ほんとうにとてつもない存在だと思います。一体この子は将来、どうなって、どこへ行ってしまうのでしょう」
実は、まだ書いてなかったが、本番前のリハーサルの時にも似たようなことが起こっていたのだ。リハの時は、スタッフも出演者もそれぞれの持ち場で、いろいろなことをやっているので、本当にがやがやしているもの。そんな中で音をだして、正しくでているかなどをチェックしながら、ある者は楽器の音だしをし、ある者は歌ったりしている。
そして、航志くんがケイリブとともに「スーパースター」を歌い始めたところ、少々大げさに言えば、みんなの手が止まったのだ。それを見た僕も、一瞬立ちすくんだ。プロデューサーの永島さんから「かなりいいできだよ」とは聴いていたのだが、まさかここまで作り上げるとは、とびっくりしていた。それで、その感想を一言、彼が観客の前で歌う時にちらっともらしてしまったほどだった。本番では、高山広さんの感動の『ヘヴンズ・スタジオ〜ルーサー物語』が終わった後。あの後を受けて、歌えるのは航志くんしかいない。あの流れは完璧だったと思う。
シンガーは、他人の曲を自分のものにしてこそ、シンガー。その曲の理解力、解釈力、それはミュージシャンとしての力、実力だ。ルーサーも、アレサも、カヴァーのセンスが抜群だった。そして航志くんも、「スーパースター」をしっかりと自分のものにしていた。
航志くんには、あの「スーパースター」という楽曲が、ものすごくあっていたのだろうと思う。航志くんは、「きっとあの時、音楽の神様が降りてきたのだと思います」とこともなげに言う。音楽の神か、ルーサーが降りてきて、時をフリーズしたのだろう。そんな瞬間に立ち会えた人は幸福だ。
■木下航志、『ソウル・ブレンズ』でその「スーパースター」をローズ1本で歌います。7月23日(日曜)インターFM(76.1)、ゲスト枠午後3時半くらいから。これは要エアチェックです。
ENT>MUSIC>ARTIST>Kishita, Kohshi
フリーズ。
いまだに『ソウル・サーチン・ザ・セッションVol.1〜トリビュート・トゥ・ルーサー・ヴァンドロス』への感想をもらう。感謝してもしきれない。ありがとうございます。こんなメールをSさんからいただいた。
それは、一部の最後を飾った木下航志くんのライヴ・パフォーマンスについてだ。Sさんは、けっこう音楽好き。さまざまなジャンルを聴くが、やはりソウル、R&B系は一番のおきにいりのようだ。ルーサー・ヴァンドロスもリアルタイムで聴いてきたので、『ザ・セッション』自体すべて気に入った、とのことだったが、中でも、航志くんのライヴには今回、特に感銘を受けた、という。
「彼が『スーパースター』を歌い始めた瞬間、凍りついた感じがしました。そして、会場全体がひとつになって、彼を凝視し、全員のエネルギーのヴェクトルが彼に向かったように感じました。会場全体を覆うなんともいえない緊張感。ミュージシャンと観客の間にぴーんと張りつめたものがありました。過去に同じような緊張感を一度だけ経験したことがありました。それは、サンフランシスコでレイ・チャールズのライヴを見た時のことです。その時、レイは『ジョージア・オン・マイ・マインド』と『イエスタデイ』を歌ったのですが、その時の観客もまさにひとつになって、レイに対して恐るべき集中力で耳を傾けていました。航志くんの『スーパースター』を聴いて、その時と同じくらい背筋がぞくぞくとしました。それぐらいすばらしかった。観客を磁石のように、しかも、有無を言わさず惹きつけてしまう航志くんというのは、ほんとうにとてつもない存在だと思います。一体この子は将来、どうなって、どこへ行ってしまうのでしょう」
実は、まだ書いてなかったが、本番前のリハーサルの時にも似たようなことが起こっていたのだ。リハの時は、スタッフも出演者もそれぞれの持ち場で、いろいろなことをやっているので、本当にがやがやしているもの。そんな中で音をだして、正しくでているかなどをチェックしながら、ある者は楽器の音だしをし、ある者は歌ったりしている。
そして、航志くんがケイリブとともに「スーパースター」を歌い始めたところ、少々大げさに言えば、みんなの手が止まったのだ。それを見た僕も、一瞬立ちすくんだ。プロデューサーの永島さんから「かなりいいできだよ」とは聴いていたのだが、まさかここまで作り上げるとは、とびっくりしていた。それで、その感想を一言、彼が観客の前で歌う時にちらっともらしてしまったほどだった。本番では、高山広さんの感動の『ヘヴンズ・スタジオ〜ルーサー物語』が終わった後。あの後を受けて、歌えるのは航志くんしかいない。あの流れは完璧だったと思う。
シンガーは、他人の曲を自分のものにしてこそ、シンガー。その曲の理解力、解釈力、それはミュージシャンとしての力、実力だ。ルーサーも、アレサも、カヴァーのセンスが抜群だった。そして航志くんも、「スーパースター」をしっかりと自分のものにしていた。
航志くんには、あの「スーパースター」という楽曲が、ものすごくあっていたのだろうと思う。航志くんは、「きっとあの時、音楽の神様が降りてきたのだと思います」とこともなげに言う。音楽の神か、ルーサーが降りてきて、時をフリーズしたのだろう。そんな瞬間に立ち会えた人は幸福だ。
■木下航志、『ソウル・ブレンズ』でその「スーパースター」をローズ1本で歌います。7月23日(日曜)インターFM(76.1)、ゲスト枠午後3時半くらいから。これは要エアチェックです。
ENT>MUSIC>ARTIST>Kishita, Kohshi
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