【オーティス・クレイ・ライヴ】

雨。

「O.V.ライト、アルバート・キング、君がいなくなって寂しいよ。ウィルソン・ピケット、I get lonely...」 物故者の名前が続く。ジョニー・テイラー、リトル・ミルトン、タイロン・デイヴィス・・・。シカゴのソウルマン、オーティス・クレイの歌う「ニックル&ア・ネイル」(O.V.ライトのヒット)の中でのことだ。オーティス・クレイのライヴが始まった6時11分は、野外音楽堂だけに、まだまだ明るい。それに夏の夕方、時折、ポツリ、ポツリと小さな雨粒が腕に触れてくる。

今年から、タイトルが「ブルーズ」だけでなく、「ブルーズ&ソウル」となったイヴェント。オーティスは最後に登場。『ソウル・ブレンズ』が5時に終わってから向かったので、どうしても6時過ぎになったが、オーティスが始まる前に到着できた。会場は圧倒的に年齢層が高い。平均40代から50代か。雲行きが若干心配だ。

日本では78年のライヴ・アルバムが伝説的な評価を得て以来、高い人気を誇るシカゴのオーティス・クレイ。声もよく出ていてひじょうにソウルフルなバックバンドとともに、すばらしいパフォーマンスを見せてくれた。久々の本格的ディープソウルを味わった。

「アルバム『リスペクト・ユアセルフ』から、レイ・プライス、クリス・クリストファーソン、アル・グリーンや、タイロン・デイヴィスなどが歌った作品です」と言って歌い始めたのが、スローの「フォー・ザ・グッド・タイムス」。しっとりとして実にいい。また、ポツリ。

かなり長尺のバラードから、彼の最大のヒット「トライング・トゥ・リヴ・・・」へ。イントロから一挙に盛り上がる。まさに歌に魂を込めるソウル・シンガー、オーティス・クレイ。この頃になると、夜の帳(とばり)が落ち始めた。この本編最後となったこの曲、なんとなく、終わり方が変な感じ、唐突だったが、なぜなのだろう。

バックはドラムス、ギター、ベース、キーボード2、3管(トランペット、サックス、トロンボーン)、コーラス2という大所帯。キーボードにシカゴの名アレンジャー、トム・トム84、またタイロン・デイヴィスなどのプロデューサーとして知られるウィリー・ヘンダーソンなどもいた。テレサ・デイヴィスは、確かタイロンの妹でグループをやっていたはず。バンドもかっこいい。

最後は出演者が何人か集まり、「ノック・オン・ウッド」を大合唱。ただしアンコールを含めて1時間8分ほどは少々短い。複数アーティストが出るとは言え、前前日の川崎ではもうちょっと長くやったそうなので、残念だった。

結局、最後まで雨らしい雨は降らなかった。

2002/12/18 (Wed)
Otis Clay: Soul Hero In Japan
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200212/diary20021218.html

■Members

Theresa Davis (Background vocals)
Dianne Madison (Background vocals)
Bennie Brown (Hammond B-3=Organ=, Keyboards)
Thomas (Tom Tom) Washington (Piano)
John Randolph (Guitar)
Bernard Reed (Bass)
Mark Clay (Drums)
Willie Henderson (Baritone Sax)
Stephen Hawkins (Trumpet)
Willie Woods (Trombone)

Setlist

show started 18:11
01. Nickel And A Nail
02. I Can Take You To Heaven Tonight
03. If I Could Reach Out
04. When Hearts Grow Cold
05. Show Wasn’t Me
06. For The Good Times
07. Trying To Live My Life Without You -- Love Bones
Enc. Knock On Wood (Otis & Others)
show ended 19:19

(2006年7月23日日曜、日比谷野外音楽堂=オーティス・クレイ・ライヴ=ジャパン・ブルーズ&ソウル・カーニヴァル2006)

ENT>MUSIC>LIVE>Clay, Otis
ENT>MUSIC>LIVE>FESTIVAL>Japan Blues & Soul Carnival ’06
2006-143

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