【イメージの共有】

ミュージシャンシップ。

7月1日の『ソウル・サーチン・ザ・セッション』でも、ゴスペラーズの黒沢薫さんと見事なデュエットを聴かせたマル(英語表記は、小文字でmaru)が自らのバンドとともにライヴを行った。「マル&キム・プレゼンツ・ディーヴァ・ライヴ」という複数アーティスト(4組)が登場するイヴェント。彼女のフルライヴを見るのは2月末以来。結論から言うと、「お見事」「素晴らしい」, I’m proud of you っていう感じだ。今まで見た彼女の中で一番よかった。声もよくでているし、いい声でうまい。そして、トークも曲にのせた語りもおもしろい。

マルというシンガーを一言で言えば、「日本のジル・スコット」あるいは、「日本のニュークラシック・ソウル系ディーヴァ」など。こういうタイプを徹底的に追及している日本のシンガーってほかにいるのかなあ。ここまでできれば、このジャンルのシーンの牽引車となって欲しいと思う。

バンドも相変わらず素晴らしいグルーヴを出している。スロー・グルーヴ、アップ・テンポの曲、どれも飽きない。音がソウルなのに、日本語が実にうまくはまっている。

このバンドの良いところは、ミュージシャンたちが基本的には自分たちが進む音楽的方向性へのイメージをかなりのレヴェルで共有している点だ。ヴェクトルがグルーヴ感を持って一つの方向に向いている。だから、タイトになっていく。イメージが共有できるミュージシャン同士の間には、真のミュージシャンシップが生まれる。そして、真のミュージシャンシップからリアル・ミュージックが創造される。

ドラムス、ギター、ベースのリズム隊がとてもよく、それを音楽ディレクターのポチくんがうまくまとめている。ところで、ナイル・ロジャースばりのカッティングを冒頭から聴かせるギターは誰だろうと思ったら、エイドリアナ・エヴァンスでバックをつけていたロス在住のタクくんだった。エイドリアナの時よりはるかによいパフォーマンスを見せていた。ソウシくんのベースとあわせて、ナイル&バーナードか。(笑) 

日本語のオリジナルもどれもいいが特に圧巻は、うまく語りをいれている「少しだけ」。彼女のテーマが「女性上位」だそうだが、恋した女心を描いた作品で、バックコーラスが「I’m just a woman」と入るところが実にソウルフルでいい。これを聴いて彼女はまず女性ファンを獲得すると思った。

ジル・スコット〜マリーナ・ショウ〜アリシア・キーズのカヴァー・メドレーも見事。今、これを書きながら、マリーナ・ショウ・ヴァージョンをひっぱりだして聴き返した。アリシアはちょっとだけテンポが早かったような気がしたが、これにのせてのメンバー紹介もよかったので、よしとしよう。歌いっぷりの堂々。しゃべりっぷりの堂々。存在感の堂々。どど〜とシーンをひっぱってってください。

■ライヴ情報など

次回、このバンドで青山でやるので、興味ある方はぜひ。なお5アーティストが出るいわゆる「対バン形式」なので、タイムスケジュールはまだわかりません。40分から60分くらいはやると思われます。

2006年9月7日(木) 
会場: 月見る君想う http://www.moonromantic.com/
開場18:00開演18:30
イヴェントタイトル 「SHAKE EVERYTHING YOU’VE GOT!!!」
出演者:さかいゆう/maru/13 SOULS/DOPE NOTES/Rustic Renaissance
前売り¥2000 当日 ¥2500(共にドリンク代別)

■マル・ブログ

http://plaza.rakuten.co.jp/marumusicvox/

2006年8月19日にオープンの彼女の新しいウェッブ↓
http://www.marudiva.com/
今後のライヴ予定などは、こちらで。

■過去関連記事

February 22, 2006
Jeffrey Osborne Live At Cotton Club
マルとの初遭遇。「まりこ」がマルのこと。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200603/2006_02_22.html

March 03, 2006
Maru’s Live: "Ooh Ooh Song" To Her Own Show
マルのフルライヴ。セットリストもあり。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200603/2006_03_03.html

■メンバー

maru (ヴォーカル)
Pochi 林田裕一 (キーボード、音楽ディレクター)
Tak 田中拓也 (ギター)
Soshi 内田壮志 (ベース)
Hiroki 村上広樹 (ドラムス)
Nene 音音(ねね) (コーラス)
Kayo 青山佳代 (コーラス)

■Setlist (# denotes Maru and friend’s original)

show started 20:19
01. Intro (A riff of "Survivor")
02. Can’t Stop This Love (including "Black Wannabe") #
03. Walkin’ #
04. 少しだけ #
05. Medley(5-7): Long Walk (Jill Scott)
06. Lovin’ You Was Like A Party (Marlena Shaw)
07. How Come You Don’t Call Me (Prince, Alicia Keys)
08. Fly # (With guest singer Takemoto Keiichi)
09. 守りたいから #
show ended 21:19

(2006年8月19日土曜、渋谷プラグ=マル・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>maru
2006-159

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