We Want More Moore, Not Some Moore
2006年11月15日(ネタばれになります。これからご覧になる方はご注意ください)
【もっとムーアを】
サヴァイヴァー。
伝説のソウルマン、サム・ムーア、東京に参上。サムの来日は1969年、1970年、そして、1980年(ひょっとして1981年)以来、4回目。もちろん、サムのソロとしては初。御年71歳、果たしてどこまで歌えるのか。どこまで踊れるのか。伝説のソウル・サヴァイヴァーの今日の姿はいかに。興味は尽きない。しかし、結論から言えば、これはなかなかのソウル・ショウだった。
いやあ、声も良く出ていた。こんなに出るとは思わなかった。おおまかに分けると、サム&デイヴ時代のヒット、新作『オーヴァーナイト・センセーショナル』からの曲、間で女性シンガーが2曲、サム&デイヴ時代のヒット、という流れ。オープニング3曲はバンド演奏で、本人はでてこない。3曲目のインスト「ホールド・オン・アイム・カミン」の途中からサム、おもむろに登場。いきなり観客が立ち上がる。
これが終わり始まった曲のイントロは、エディー・フロイドで大ヒットした「ノック・オン・ウッド」。声を出すと、あの独特の甲高い声がよく出ている。バンドは、ドラムス、ギター、ベース、キーボード、パーカッション、管楽器4人、女性コーラス2人の計11人。個々のメンバーの技量がどうということではなく、でてくる音が、ソウルバンドでいい感じだ。
数は多くないが、熱狂的なサム・ファンが見受けられた。ブルース・ブラザースそっくりの黒スーツに黒サングラスの2人組み。また音楽関係者もこの日は多数いた。おもしろかったのは、コール&レスポンスで「ブレイム・イット・オン・ザ・レイン」を観客に歌わせたとき。その中の男性客がゴスペルでも歌っているのか、けっこううまく、最後には「lord have mercy」などと歌ったところ、サムに大受け。歌に自信がある人はこの「ブレイム・イット・オン・ザ・サン」のサビの部分を覚えて行きましょう。歌わせてもらえます。(笑)
新作からの「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」を終えると、サムは言った。「もう1曲、続けて雨の歌を歌おう。これは・・・」 音楽監督のベース奏者イヴァン・ボドリーが「新作からの1曲です」と助け舟。 「新作かい? そうか、知らなかった。まあ、とにかく歌うよ(笑)」 新作から4曲を歌い終えて、サムは小休止。ここまで約42分のオンステージだった。
2曲はエレーン(黒髪の女性)がエタ・ジェームスの「テル・ママ」を、もうひとりのキャロウェイ(金髪の女性)1曲「クレイジー」を歌う。その「クレイジー」の後半からサムがバックコーラスとして入ってきた。
「ソウル・シスター」「アイ・キャント・ターン・ユー・ルーズ」などの往年のヒットはさすがに歌いなれているだけに、サム節が歌にも、それほど激しくは踊らないが、ちょっとした仕草にも、でてくる。
泣けるのが、サム&デイヴとしての究極の悲しみのバラード「ホエン・サムシングス・ロング・ウィズ・マイ・ベイビー(邦題、僕のベイビーに何か)」。バンド演奏も押さえ気味で、淡々とサムが歌う。やはり、傍らにデイヴがいて欲しいと思うが、ここは、サムの歌声だけでもよしとしよう。サムは時に、マイクから離れて、歌う。会場の視線がサム一点に集中する瞬間だ。
最後、奥さんでマネージャーのジョイスが、サムに白のガウンを被せた。さすがにジェームス・ブラウンのように、振りほどきはしなかったが(笑)・・・。
そして最後、新作に収録され、ビリー・プレストンがオルガンで入っている「ユー・アー・ソー・ビューティフル」が歌われた。歌い終えたサムが最後に小さな声で一言だけ言った。"Goodnight Billy"(おやすみ、ビリー(・プレストン)。これまた、ぐっときた。観客が立ち上がり、スタンディングオヴェーションの中、サムはステージを降りた。ソウル・サヴァイヴァー、まさに生き延びてきたその歴史を垣間見た。
ライヴが終わってしばらくしてから、彼はサイン会のために出てきた。もっとサム・ムーアを見たい、そして、聴きたい。よくここまでサヴァイヴ(生き延びた)してくれた、と感謝したい。
■過去関連記事
October 21, 2006
Sam Moore Suddenly Will Coming To Japan
http://blog.soulsearchin.com/archives/001341.html
August 23, 2006
Sam Moore’s First Solo Album In 34 Years
サム・ムーアの新作について
http://blog.soulsearchin.com/archives/001216.html
2004/02/17 (Tue)
Only The Strong Survive: The Soul Movie
映画『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』内容紹介と映画評。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040217.html
2004/06/24 (Thu)
Talk About "Only The Strong Survive" At Relocated Soul Bar Sugar Hill
同映画日本での公開決まる。
http://www.soulsearchin.com//entertainment/soulbars/diary20040624.html
2004/11/07 (Sun)
"Only The Strong Survive": Some Questions & Answers
イヴェントでの質疑応答。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041107.html
July 18, 2006
Two Interesting Compilation Album Has Released: "Atlantic Unearthed: Soul Brothers" & "Atlantic Unearthed: Soul Sisters"
サム&デイヴ時代の曲を含むアルバム
http://blog.soulsearchin.com/archives/001146.html
■公演は金曜まで。
2006年11月13日(月)〜11月17日(金)
【 SAM MOORE(vo) - Premium Soul Legend Nights - 】
サム・ムーア 〜プレミアム・ソウル・レジェンド・ナイツ〜
ミュージック・チャージ:¥13,650(税込)
ライヴ:午後8:00(本公演は、1日1ショウのみ)
http://www.bluenote.co.jp/art/20061113.html
■Setlist @ Bluenote Tokyo, 11/14/2006
Sam Moore サム・ムーア・セットリスト
original artist with year hit in the ( )
show started 20:07
01. Soul Finger (Instrumental) (Bar Kays - 1967)
02. Peter Gunn (Instrumental) (Henry Mancini - 1959, From "Blues Brothers"-1980)
03. Hold On, I’m Coming (Instrumental) (Sam & Dave - 1966)
------Sam on the stage
04. Knock On Wood (Eddie Floyd - 1966)
05. Soul Sister, Brown Sugar (Sam & Dave - 1969)
06. Come On, Come Over (Jaco Pastorius with Sam & Dave - 1976)
07. Rainy Night In Georgia (Brook Benton - 1970) (Sam Moore & Conway Twitty - 1994)
------From Sam Moore’s New Album "Overnight Sensational"
08. None Of Us Are Free (2006) (Ray Charles - 1993, Lynyrd Skynyrd - 1997)
09. I Can’t Stand The Rain (2006) (Ann Peebles -1973, Tina Turner - 1984)
10. Blame It On The Rain (2006) (Milli Vanilli - 1989)
11. Ain’t No Love (2006) (Paul Carrack - 2003)
------Featuring female singers
12. Tell Mama (Elaine Caswell) (Etta James - 1967)
13. Crazy (Calloway) (Gnarls Barkley - 2006)
------All The Classic Section
14. I Can’t Turn You Loose (Otis Redding - 1965)
15. When Something’s Wrong With My Baby (Sam & Dave - 1967)
16. I Thank You (Sam & Dave - 1968)
17. Medley: Soul Man (Sam & Dave - 1967) / Dance To The Music (Sly & Family Stone - 1968) / Mustang Sally (Wilson Pickett - 1967)
18. You Are So Beautiful (2006) (Joe Cocker, Billy Preston-1974)
show ended 21:44
(2006年11月14日火曜、東京ブルーノート=サム・ムーア・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2006-210
【もっとムーアを】
サヴァイヴァー。
伝説のソウルマン、サム・ムーア、東京に参上。サムの来日は1969年、1970年、そして、1980年(ひょっとして1981年)以来、4回目。もちろん、サムのソロとしては初。御年71歳、果たしてどこまで歌えるのか。どこまで踊れるのか。伝説のソウル・サヴァイヴァーの今日の姿はいかに。興味は尽きない。しかし、結論から言えば、これはなかなかのソウル・ショウだった。
いやあ、声も良く出ていた。こんなに出るとは思わなかった。おおまかに分けると、サム&デイヴ時代のヒット、新作『オーヴァーナイト・センセーショナル』からの曲、間で女性シンガーが2曲、サム&デイヴ時代のヒット、という流れ。オープニング3曲はバンド演奏で、本人はでてこない。3曲目のインスト「ホールド・オン・アイム・カミン」の途中からサム、おもむろに登場。いきなり観客が立ち上がる。
これが終わり始まった曲のイントロは、エディー・フロイドで大ヒットした「ノック・オン・ウッド」。声を出すと、あの独特の甲高い声がよく出ている。バンドは、ドラムス、ギター、ベース、キーボード、パーカッション、管楽器4人、女性コーラス2人の計11人。個々のメンバーの技量がどうということではなく、でてくる音が、ソウルバンドでいい感じだ。
数は多くないが、熱狂的なサム・ファンが見受けられた。ブルース・ブラザースそっくりの黒スーツに黒サングラスの2人組み。また音楽関係者もこの日は多数いた。おもしろかったのは、コール&レスポンスで「ブレイム・イット・オン・ザ・レイン」を観客に歌わせたとき。その中の男性客がゴスペルでも歌っているのか、けっこううまく、最後には「lord have mercy」などと歌ったところ、サムに大受け。歌に自信がある人はこの「ブレイム・イット・オン・ザ・サン」のサビの部分を覚えて行きましょう。歌わせてもらえます。(笑)
新作からの「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」を終えると、サムは言った。「もう1曲、続けて雨の歌を歌おう。これは・・・」 音楽監督のベース奏者イヴァン・ボドリーが「新作からの1曲です」と助け舟。 「新作かい? そうか、知らなかった。まあ、とにかく歌うよ(笑)」 新作から4曲を歌い終えて、サムは小休止。ここまで約42分のオンステージだった。
2曲はエレーン(黒髪の女性)がエタ・ジェームスの「テル・ママ」を、もうひとりのキャロウェイ(金髪の女性)1曲「クレイジー」を歌う。その「クレイジー」の後半からサムがバックコーラスとして入ってきた。
「ソウル・シスター」「アイ・キャント・ターン・ユー・ルーズ」などの往年のヒットはさすがに歌いなれているだけに、サム節が歌にも、それほど激しくは踊らないが、ちょっとした仕草にも、でてくる。
泣けるのが、サム&デイヴとしての究極の悲しみのバラード「ホエン・サムシングス・ロング・ウィズ・マイ・ベイビー(邦題、僕のベイビーに何か)」。バンド演奏も押さえ気味で、淡々とサムが歌う。やはり、傍らにデイヴがいて欲しいと思うが、ここは、サムの歌声だけでもよしとしよう。サムは時に、マイクから離れて、歌う。会場の視線がサム一点に集中する瞬間だ。
最後、奥さんでマネージャーのジョイスが、サムに白のガウンを被せた。さすがにジェームス・ブラウンのように、振りほどきはしなかったが(笑)・・・。
そして最後、新作に収録され、ビリー・プレストンがオルガンで入っている「ユー・アー・ソー・ビューティフル」が歌われた。歌い終えたサムが最後に小さな声で一言だけ言った。"Goodnight Billy"(おやすみ、ビリー(・プレストン)。これまた、ぐっときた。観客が立ち上がり、スタンディングオヴェーションの中、サムはステージを降りた。ソウル・サヴァイヴァー、まさに生き延びてきたその歴史を垣間見た。
ライヴが終わってしばらくしてから、彼はサイン会のために出てきた。もっとサム・ムーアを見たい、そして、聴きたい。よくここまでサヴァイヴ(生き延びた)してくれた、と感謝したい。
■過去関連記事
October 21, 2006
Sam Moore Suddenly Will Coming To Japan
http://blog.soulsearchin.com/archives/001341.html
August 23, 2006
Sam Moore’s First Solo Album In 34 Years
サム・ムーアの新作について
http://blog.soulsearchin.com/archives/001216.html
2004/02/17 (Tue)
Only The Strong Survive: The Soul Movie
映画『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』内容紹介と映画評。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040217.html
2004/06/24 (Thu)
Talk About "Only The Strong Survive" At Relocated Soul Bar Sugar Hill
同映画日本での公開決まる。
http://www.soulsearchin.com//entertainment/soulbars/diary20040624.html
2004/11/07 (Sun)
"Only The Strong Survive": Some Questions & Answers
イヴェントでの質疑応答。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041107.html
July 18, 2006
Two Interesting Compilation Album Has Released: "Atlantic Unearthed: Soul Brothers" & "Atlantic Unearthed: Soul Sisters"
サム&デイヴ時代の曲を含むアルバム
http://blog.soulsearchin.com/archives/001146.html
■公演は金曜まで。
2006年11月13日(月)〜11月17日(金)
【 SAM MOORE(vo) - Premium Soul Legend Nights - 】
サム・ムーア 〜プレミアム・ソウル・レジェンド・ナイツ〜
ミュージック・チャージ:¥13,650(税込)
ライヴ:午後8:00(本公演は、1日1ショウのみ)
http://www.bluenote.co.jp/art/20061113.html
■Setlist @ Bluenote Tokyo, 11/14/2006
Sam Moore サム・ムーア・セットリスト
original artist with year hit in the ( )
show started 20:07
01. Soul Finger (Instrumental) (Bar Kays - 1967)
02. Peter Gunn (Instrumental) (Henry Mancini - 1959, From "Blues Brothers"-1980)
03. Hold On, I’m Coming (Instrumental) (Sam & Dave - 1966)
------Sam on the stage
04. Knock On Wood (Eddie Floyd - 1966)
05. Soul Sister, Brown Sugar (Sam & Dave - 1969)
06. Come On, Come Over (Jaco Pastorius with Sam & Dave - 1976)
07. Rainy Night In Georgia (Brook Benton - 1970) (Sam Moore & Conway Twitty - 1994)
------From Sam Moore’s New Album "Overnight Sensational"
08. None Of Us Are Free (2006) (Ray Charles - 1993, Lynyrd Skynyrd - 1997)
09. I Can’t Stand The Rain (2006) (Ann Peebles -1973, Tina Turner - 1984)
10. Blame It On The Rain (2006) (Milli Vanilli - 1989)
11. Ain’t No Love (2006) (Paul Carrack - 2003)
------Featuring female singers
12. Tell Mama (Elaine Caswell) (Etta James - 1967)
13. Crazy (Calloway) (Gnarls Barkley - 2006)
------All The Classic Section
14. I Can’t Turn You Loose (Otis Redding - 1965)
15. When Something’s Wrong With My Baby (Sam & Dave - 1967)
16. I Thank You (Sam & Dave - 1968)
17. Medley: Soul Man (Sam & Dave - 1967) / Dance To The Music (Sly & Family Stone - 1968) / Mustang Sally (Wilson Pickett - 1967)
18. You Are So Beautiful (2006) (Joe Cocker, Billy Preston-1974)
show ended 21:44
(2006年11月14日火曜、東京ブルーノート=サム・ムーア・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2006-210
コメント