【アレサ・フランクリン・アット・モントルー】

1971年。

3月26日に行われる『ソウル・サーチン:ザ・セッション VOL.2〜ア・トリビュート・トゥ・アレサ・フランクリン』のために、いろいろ資料を集めて見たり、読んだりしているが、ニューヨークのソウルメイトK氏から、アレサの1971年のライヴ映像を送ってもらった。このころのアレサはどれもすごいのだが、これもすごい。

1971年6月12日にスイスのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴを撮ったもの。収録されている曲は、次のとおり。

Aretha Franklin: Montreux Jazz Festival
(June 12, 1971)

00. Backstage scene (01:50)
01. You Make Me Feel Like A Natural Woman (04:16) (1967)
02. I Say A Little Prayer For You (03:30) (1968)
03. Call Me (06:20) (1970)
04. Brand New Me (04:05) (1972- LP Young Gifted And Black)
05. Share Your Love With Me (03:55) (1969)
06. Don’t Play That Song (02:55) (1970)
07. Bridge Over Troubled Water (05:35) (1971)
08. Dr. Feel Good (07:00) (1967)
09. Spirit In The Dark (06:20) (1970)
10. Reach Out And Touch Somebody’ Hand (04:30)(1971)

メンバーは次のとおり。

Aretha Franklin (vocal, piano)
King Curtis (musical director)
Cornell Dupree (guitar + large brass)
Jerry Jemmott (bass)
Truman Thomas (organ)
Bernard Purdie (drums)
Sweethearts Of Soul : Margaret Branch, Ann Clark, Pat Smith (chorus)

ご存知のように「モントルー・フェス」は、比較的多数の映像資料が残っている。そのすべてが、一般発売されているわけではないが、資料映像として、かなりの量があるようだ。順に権利がクリアされれば、リリースされるのだろう。これまでにマーヴィン・ゲイやジェームス・ブラウンのものなどがリリースされている。

さてこの時のライヴの見所は、音楽ディレクターにキング・カーティスがいる点だ。もちろんファンキーなサウンド作りには定評があり、アレサもすっかりカーティスが作る音を気に入っていたわけだが、そのキング・カーティスはこれから2ヵ月後の8月14日、ニューヨーク自宅前で、暴漢に刺殺されてしまう。ちょうど、キング・カーティスは、彼のアパートでアレサとサム・ムーアとともにレコーディングの打ち合わせをすることになっていたが運命的な事件となった。一説によると、サムとアレサはその事件の直後に現場にいて、病院に搬送したとか。

重いドラムスは、バーナード・パーディー、ギターはコーネル・デュプリー。これから4ヶ月前の1971年2月に行われた『ライヴ・アット・フィルモア』のメンバーとほぼ同じ。なによりも、アレサの自信に満ち溢れたライヴ・パフォーマンス、その若々しさもありながら、風格にも驚かされる。このとき、アレサはまだ29歳である。

4曲目で歌われる「ブラン・ニュー・ミー」はそれほど有名な曲ではないが、もともとシングル「明日に架ける橋」のB面に収録された作品。1970年11月2日に録音された。シングルは1971年3月にリリースされるが、この曲がアルバムに収録されるのは、1972年1月発売の傑作『ヤング・ギフテッド・アンド・ブラック』である。いい曲だ。

映像は約50分だが、圧巻。『ソウル・サーチン』でも、なんとかここから1、2曲映像をご紹介できればいいなあと考えている。正式なDVD化も望みたいところ。

ENT>ANNOUNCEMENT>Soul Searchin: The Session
ENT>ARTISTS>Franklin, Aretha

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