【アレサにインスピレーションをもらった日】

インスピレーション。

いくつも見所はあるのだが、ちょっとした飛び入りもおもしろかった。第一弾は、イクミ・ストリートが「シンク」を歌っているときにおもむろにアタッシュケースを持って登場した黒いスーツにサングラスの男二人。そう、ブルース・ブラザースだ。サム・ムーアのライヴで知り合った二人で、ブルース・ブラザースのコピーをする「3BCB(スリー・ビー・シー・ビー)」(ブルース・ブラザース・バンド、コピー・バンドの略)のナニワ・エルウッドとジェイク・ダモン。ぱっと出てきて、ちょろっと踊って、曲が終わったら、あっという間に舞台を去った。その去り際も見事。(笑) 

もうひとりが、アンコール曲「フリーウェイ・オブ・ラヴ」でステージに上がったマクサン。しばらく前の日記で紹介したが、もともと1970年代に活躍したブラックロックグループの先駆け的存在「マクサン」のリード・シンガー。ちょうど、2番から歌ったのだが、その声の迫力はすごかった。並大抵ではない。

曲を終えて僕がマクサンを紹介すると、彼女はマイクをとってこう話し始めた。「私はアレサに18歳の時に会ったことがあるの。(おそらく30年以上前のことと思われる) アレサの姉、アーマ(・フランクリン=2002年64歳で死去)が私の友達で、私の誕生日を祝ってくれる、っていうの。その時私はデトロイトのクラブでボビー・ブルー・ブランドのバンドにいて、ジョージ・クリントンのパーラメント/ファンカデリックの前座だった。アーマが『誕生日に何が欲しい?』というので、私は『あなたのお姉さんに会いたい』って言った。そしたら、彼女は『OK』といって、彼女の家に連れて行ってくれた。12月で雪が降っていた。大きなうちに行くと彼女がいて、私のひざはもうガクガク。アレサが『何か歌ってよ。ちょっと気分がブルーなので、私をハッピーにさせて』と言った。大きくて立派なベーゼンドルファーのピアノがあって、そこで私は『エヴリバディー・ウォンツ・トゥ・ノウ・ホワイ・アイム・シンギング・ブルーズ』を歌ったの。アレサはそれを聴いて、『いいわね、あなたは、ずっとプロとして歌い続けていくべきよ』と私に言ってくれた。私が人生の中でもっともインスピレーションをもらった瞬間だったわ。彼女がカリフォルニアに移ってからも、私のライヴがあると会いに来てくれたわ。私はそれ以来ずっと歌い続けてきて、今日、こうしてアレサのトリビュートで歌うことができて本当に光栄に思います。ありがとう」

すでにアンコールを終えての時点だったこと、終了予定時刻を大幅に押していたので、ゆっくり話ができなかったが、時間があれば、「アレサ話」をしてもらいたかった。いい話だ。

さて、ショーの中で、ブレンダ、ユリ、マルと3人が並ぶと本当にドリーム・ガールズだ。(笑) そして、今回のライヴで僕が個人的に感じたことは、バック・コーラスのおもしろさだ。この点については、また明日。

(この項つづく)

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