(前日からの続き)
【自由度の高いロバータ・フラックのライヴ】
自由度。
ロバータ・フラックのライヴがミュージシャンとして自由度が高いものだと昨日書いた。例えば、セットリストの3曲目で彼女は「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」(マリーナ・ショウでも有名)を歌う。しかし、この冒頭にスライ・ストーンの「ファミリー・アフェアー」をいれた。おそらく、これはロバータの気分でちょっとこれをやってみようと思ったのだろう。ひょっとして前日にもやっていたかもしれないが、とてもアドリブ性が高いアレンジだった。
同曲の最後の部分にマーヴィンの曲をいれた。これも「フィール・ライク・・・」からの流れでぱっと付け足したものだと思う。歌詞の面からもつながりが感じられる。
ライヴ後、客席にでてきたミュージシャンの何人かと話す機会があった。一番よくしゃべってくれたのが、ベースのトレス・ギルバート。現在アトランタ・GA(ジー・エー=ジョージア州のこと)在住。ロバータ・バンドには初参加。しかも、月曜に初めてリハをやったので、この日がまだセカンド・デイだった。
ロバータの曲はほとんど知っているのか、と尋ねると、「いやあ、ロバータは自分の持ち歌だけで150曲くらいあるんじゃないかな。全部はとてもじゃないけど、覚えていない。15−20曲分の楽譜があるが、ロバータは楽譜がない曲もやる。それに楽譜とキーが違ったりするんだ。アレンジもレコードとは大幅に変えていたりするしね」
「事前に決めたセットリスト自体はあるの?」と尋ねると、「あることは、あるけど、ロバータはすぐに変えるよ(笑)」という。案の定。ロバータはほぼステージ中央のピアノにすわり、彼女のピアノから曲が始まっていくので、ステージをほぼ手中に収める。彼女が思いついて始めた曲を、ミュージシャンたちはついていかなければならない。そのあたりの自由度、アドリブ性の高いところが、スティーヴィーやジェームス・ブラウンのライヴに似ている。
「では、もしまだ自分が知らない曲が始まったらどうするの?」と聞いた。トレスはこう答えた。「僕の秘密を教えようか。(笑) ちょうど僕の位置からはキーボードのモリスの手が見える。そこで、モリスが弾くコードを見て、取るんだ。そして、そのコードをベースで弾いていくというわけさ。僕は、ひとたびコードがわかれば、何でも弾ける。それに、知っている曲であれば、キーがいくら変わっても弾けるんだ」
バックコーラスのひとり、トニー・テリー。最初は昔ヒットをだしたトニーとはわからず、ただ聴いていたが、彼が歌った作品を聴いて、声質がダニー・ハザウェイ、時にルーサー・ヴァンドロスを思わせるなあ、と感じていた。そして、彼にもダニー、ルーサー、スティーヴィー、そして、マーヴィンの流れを感じた。それは、果たしてロバータ・フラックとともに歌っているからか。しかし、トニーとロバータのかけあいによる「セイヴ・ザ・チルドレン」はよかったなあ。また聴きたい。
トニーによれば、「ロバータのバンドにはここ数年、出たり入ったりだが、参加している。2005年、2000年にも来日したよ。ところで、最近、アルバムを作ったんだ。ゴスペル・アルバムだ、ぜひ聴いてくれ」とのこと。
ところで、この日は会場に『ソウル・サーチン』でも歌ってくれたディーヴァ・グレイ、マクサン、そして、マルまで来ていた。そういえば、ディーヴァはロバータのライヴでは歌っていないが、レコード(CD)で何曲かバックをつけていた。久々に会ったディーヴァに、1月のライヴの記録用映像はまだかと催促された。すっかり渡したと思っていた。(笑)
■セットリストなどは、昨日付けの日記に
(2007年4月17日火曜、東京ブルーノート=ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
2007-48
【自由度の高いロバータ・フラックのライヴ】
自由度。
ロバータ・フラックのライヴがミュージシャンとして自由度が高いものだと昨日書いた。例えば、セットリストの3曲目で彼女は「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」(マリーナ・ショウでも有名)を歌う。しかし、この冒頭にスライ・ストーンの「ファミリー・アフェアー」をいれた。おそらく、これはロバータの気分でちょっとこれをやってみようと思ったのだろう。ひょっとして前日にもやっていたかもしれないが、とてもアドリブ性が高いアレンジだった。
同曲の最後の部分にマーヴィンの曲をいれた。これも「フィール・ライク・・・」からの流れでぱっと付け足したものだと思う。歌詞の面からもつながりが感じられる。
ライヴ後、客席にでてきたミュージシャンの何人かと話す機会があった。一番よくしゃべってくれたのが、ベースのトレス・ギルバート。現在アトランタ・GA(ジー・エー=ジョージア州のこと)在住。ロバータ・バンドには初参加。しかも、月曜に初めてリハをやったので、この日がまだセカンド・デイだった。
ロバータの曲はほとんど知っているのか、と尋ねると、「いやあ、ロバータは自分の持ち歌だけで150曲くらいあるんじゃないかな。全部はとてもじゃないけど、覚えていない。15−20曲分の楽譜があるが、ロバータは楽譜がない曲もやる。それに楽譜とキーが違ったりするんだ。アレンジもレコードとは大幅に変えていたりするしね」
「事前に決めたセットリスト自体はあるの?」と尋ねると、「あることは、あるけど、ロバータはすぐに変えるよ(笑)」という。案の定。ロバータはほぼステージ中央のピアノにすわり、彼女のピアノから曲が始まっていくので、ステージをほぼ手中に収める。彼女が思いついて始めた曲を、ミュージシャンたちはついていかなければならない。そのあたりの自由度、アドリブ性の高いところが、スティーヴィーやジェームス・ブラウンのライヴに似ている。
「では、もしまだ自分が知らない曲が始まったらどうするの?」と聞いた。トレスはこう答えた。「僕の秘密を教えようか。(笑) ちょうど僕の位置からはキーボードのモリスの手が見える。そこで、モリスが弾くコードを見て、取るんだ。そして、そのコードをベースで弾いていくというわけさ。僕は、ひとたびコードがわかれば、何でも弾ける。それに、知っている曲であれば、キーがいくら変わっても弾けるんだ」
バックコーラスのひとり、トニー・テリー。最初は昔ヒットをだしたトニーとはわからず、ただ聴いていたが、彼が歌った作品を聴いて、声質がダニー・ハザウェイ、時にルーサー・ヴァンドロスを思わせるなあ、と感じていた。そして、彼にもダニー、ルーサー、スティーヴィー、そして、マーヴィンの流れを感じた。それは、果たしてロバータ・フラックとともに歌っているからか。しかし、トニーとロバータのかけあいによる「セイヴ・ザ・チルドレン」はよかったなあ。また聴きたい。
トニーによれば、「ロバータのバンドにはここ数年、出たり入ったりだが、参加している。2005年、2000年にも来日したよ。ところで、最近、アルバムを作ったんだ。ゴスペル・アルバムだ、ぜひ聴いてくれ」とのこと。
ところで、この日は会場に『ソウル・サーチン』でも歌ってくれたディーヴァ・グレイ、マクサン、そして、マルまで来ていた。そういえば、ディーヴァはロバータのライヴでは歌っていないが、レコード(CD)で何曲かバックをつけていた。久々に会ったディーヴァに、1月のライヴの記録用映像はまだかと催促された。すっかり渡したと思っていた。(笑)
■セットリストなどは、昨日付けの日記に
(2007年4月17日火曜、東京ブルーノート=ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
2007-48
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