【ロン・ミラー作品〜「愛はかげろうのように」の意味】

自分。

この曲の歌詞を書いたのはロン・ミラー、彼はこれを書いたとき、シャーリーンと付き合っていたという。レコーディングした後、別れ、その後シャーリーンは別の男性と結婚。さらに離婚、また結婚している。

途中で歌われる「アンボーン・チャイルド(生まれなかったこども)」は、当時ちょっとした論議をまきおこした。歌の主人公はこの子を中絶したのか否か。これは、微妙だが、作者たちは中絶したのではなく、単純に生まれなかったというつもりだったらしい。

ソウル・サーチャーは、この歌で歌われる「パラダイス」を今風に「セレブな生活、人生」と意訳してみた。物質社会、マテリアル・ワールドと同意だ。

今、子育てに忙しく、夫にも不満たらたらな若い女性に向かって、この年配の女性は語りかける

どんなにぜいたくな生活をし、いいものに囲まれても、決して自分自身が居心地がよかったことはなかった。本当の自分は探せなかった。それをあなたに伝えたい。ある意味で、自分探しのテーマと言えるかもしれない。

結婚式では使わないでね。(笑) 訳詞は、叶姉妹に捧げるヴァージョンでおおくりしよう。

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"I’ve Never Been To Me" 
「愛はかげろうのように」(叶姉妹に捧げる・ヴァージョン)
歌:シャーリーン
作詞:ロン・ミラー 作曲:ケン・ハーシュ

ねえ、あなた、あなたはいつも不満たらたらで、ちゃんとした母親ではないって自分の人生を呪ってるわね

あなたは決して手に入れられないものを欲しがってるんでしょう

でもね、私が今、あなたにこうしてアドヴァイスしているように、昔、誰かが私にアドヴァイスをしてくれればよかったのにって思ってるの

ジョージアにも行った、カリフォルニアにも行った、行きたいところは世界中どこでも旅した

牧師の手を取り、太陽の下で愛し合ったこともある

でも、もう行くところも尽きたし、やさしい友達からも逃げ出したいと思った 

なぜなら、私自身自由になりたいと願ったから
私は、夢のようなセレブな人生を送ってきた
でも、決して本当の自分を見つけることはできなかった

ねえ、あなた、行かないで最後まで話を聴いて
なぜ私が今だに独り身でいるか教えてあげたいの
あなたの瞳にかつての私を重ねてしまうから
幾千もの嘘で涙に濡れた心をあなたに教えたい

ニースにも行った、ギリシャの小島にも行った
シャンペーン片手に地中海でのヨット・クルーズもした
モンテカルロではジーン・ハーロー(1930年代に活躍したセクシー女優)気取りで、自分の容姿をみんなに見せびらかしたわ
そのおかげで王様たちと寝て、とても普通の女性が見られないような世界も目撃した
私は夢のようなセレブな人生を送ってきた、でも、決して本当の私自身を見出すことはなかった

(語り)
ねえ、セレブな人生(パラダイス)ってなんだと思う?

それはね、すべて嘘で固められた世界なの。人々に求める幻想であり、こうなればいいと思う場所もまた幻想

(お金持ちという人種も幻想なら、豪邸もまた幻想)

じゃあ、真実はどこにあると思う?
それはね、今あなたが抱いている小さなベイビーであり、今朝ちょっとした言い争いをした夫だったりするのよ
そんな夫と今夜も愛しあう、それが真実、それが愛なのよ 
(語りここまで)

生まなかった子供のことを思って泣いたこともある
もしその子が生まれていれば、私の人生も完璧なものになっていたかもしれない
でも、私は甘美な人生を選んだのよ
そのときは、そんな甘い人生がほろ苦くなるなんて夢にも思わなかったわ
私は、ちょっとずる賢く体を売ってセレブな人生を送ってきた
でも、そのおかげで自由になるためには、ずいぶんと回り道をしてしまった

ねえ、あなた、私はいやというほどセレブな人生を送ってきた、それは贅沢で豪華絢爛な人生だった
でも、一度たりとも決して本当の私自身を見出すことはできなかった
本当は自分がどう生きたかったのか決してわからなかった

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ENT>MUSIC>SONGS>Heaven Help Us All
ENT>MUSIC>SONGWRITER>Miller, Ron

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