【『フィリー・ソウル・ナイト』舞台裏にて】
仲間。
フィリー・ソウル・サーチャーズは前日にじっくりリハーサルをしたが、確認の意味も含めて、当日のリハーサル後、彼らは楽屋控え室に入るや、携帯用のくるくる巻けるシート様になっているキーボード(カシオ製)を広げ、軽くそれを弾きながらハーモニーの練習をし始めた。小さなテーブルに下敷きのような、まるでおもちゃのキーボード(鍵盤)を置いて、そこに小さなスピーカーが接続され、一応ちゃんと、しょぼい音(笑)だが、音がでる。僕は初めて見たが、これは笑えた。楽しい。これで練習か。さすが。
大きなケイリブがこのおもちゃのキーボードを操り、コードを弾きながら「誓い」(You Make Me Feel Brand New)を5人が歌う。コーラスをつけながら、ゲイリーは膝やテーブルを叩いて、パーカッションを演奏。
歌が好きな仲間たちが、5人集まって好きな曲を歌っているその様はまさに、これぞ「ストリート・コーナー・シンフォニー」。僕はこの様子にミニ感激した。
ガッツビーでおなじみの「愛がすべて」も全員コーラスで練習。ちょうど、軽いスナック、チキンなどが到着し、それらをもぐもぐしながら、しっかり歌う。これを聴きながら、1曲くらい、全員ステージ・センターに立ってマイクスタンドを囲みアカペラの曲をやってもらってもよかったかもと思った。まあ、「エンド・オブ・ザ・ロード」の最後の部分は、手拍子だけでアカペラになって、受けたが。もっと出来ただろう。
「誓い」は本番になると、彼らはちゃんと振りをつけ、ゲイリーは最近流行りのカフーンというドラムのような音が出るパーカッションを叩いてリズムを作る。さすが。
「次の曲はハロルド・メルヴィン&ブルーノーツというグループがヒットさせた曲だ。だが、おもしろいことに、ハロルド・メルヴィンはリード・ヴォーカルを歌っていない。リードを歌っているのはテディ・ペンダーグラスというシンガーです」 こう説明されてグリニスが「二人の絆(If You Don’t Know Me By Now)」を歌う。グリニスは、「never, never, never」の部分を思い切りアドリブを効かせ熱唱。観客からもやんやの喝采が集まった。こんなのは、リハではまったく見せなかった。さすが。
ケイリブのMCはなかなか冴えていた。いくつか曲の解説をしながら、曲に進む。「この曲は、夫Aと妻Bの話。でも、夫Aと妻Bには、別にそれぞれ妻Aと夫Bがいる。曲の主人公の男の名前はわからないが、女性の名前はジョーンズです・・・」。そして、「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」が始まる。途中で、ミー・ア〜〜ンド・・・ミセス、ミセス・・・カワサキ・・・なんてアドリブをいれて受ける。いじりかた最高だ。さすが。
今回のメドレーを含めて12曲のセットリストに最初は、ガッツビーの「愛がすべて」と「ユー・レイズ・ミー・アップ」は入っていなかった。「愛がすべて」は、日本で人気があることを説得していれてもらった。(笑) ケイリブにとっては、「これは(フィリー・)ソウルではない」という感覚らしい。それはそれでわかる。彼はこれを「ポップ・ソング」と呼ぶ。
しかし、そんなことを言っていたケイリブのMCはガッツビーをネタに大いに笑いを取るものにしていて、客席からも超受けていた。さすが。
「ユー・レイズ・ミー・アップ」は、もちろんフィリー・ソウルではないのだが、この「フィラデルフィア美術館展」のイメージ・テーマ・ソングになっていたので、主催者から「どうしても、これだけは」というリクエストをもらっていた。最初ケイリブに言うと「ジョッシュ・グローヴァン? 知ってるけど、フィリー・ソウルじゃないぞ。マジか?(笑)」との返事。紆余曲折あり、いろいろ話して説得。最終的にセットリストのどこに置くかかなり悩んだが、アンコールにすることにした。
彼らはレコード(ジョッシュ・グローヴァンのもの)にあわせながら、何度か歌ううちに、どのラインを誰が歌うか決め、結局5人でリードをまわすことにした。この5人リード回しは、「サイドショー」でも行われたが、これが実にヴォーカル・グループとしての魅力の幅を出すことになった。そして、彼ら自身は若干不満はあったようだが、セカンドのアンコールでこれが歌われると、多くの観客を感動させてしまったのだ。恐るべしフィリー・ソウル・サーチャーズ。(笑) さすが。
通りすがりの人が、最初は興味本位でコンコースに立ち止まる。しかし、耳慣れた曲が歌われていると、通路に張られたロープの内側に入ってライヴを楽しんでいく。無料ライヴならではだ。
なお、フィリー・ソウル・サーチャーズのメンバーの立ち位置は、舞台向かって左キーボード担当がケイリブ・ジェームス、その右がアージー・パイン、歌・センター・男性がグリニス・マーティン、左がポーラ・ジョンソン、そして、一番右パーカッションがゲイリー・スコットだ。
(フィリー・ソウルについて、もう少し続くかも)
■Setlist : Metro Music Oasis Vol.13 〜 Philly Soul Night In Ginza @Ginza Station, Metro, Concourse, Oasis : October 5, 2007
『メトロ・ミュージック・オアシス VOL.13〜フィラデルフィア美術館展・開催記念コンサート』
セットリスト : フィリー・ソウル・ナイト 〜 ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズ
second set show started 18:33
live started 18:36
1. Mighty Love [Spinners 1974]
2. When Will I See You Again [Theree Degrees 1974]
3. If You Don’t Know Me By Now [Harold Melvin & Bluenotes 1972]
4. (Philly Vocal Group Medley)
--. You Make Me Feel Brand New [Stylistics 1974]~
--. Sideshow [Blue Magic 1974] ~
--. La La Means I Love You [Delfonics 1968]~
--. Betcha By Golly Wow [Stylistics 1972]
5. Can’t Give You Anything But My Love [Stylistics 1975]
6. Me & Mrs. Jones [Billy Paul 1972]
7. End Of The Road [Boys II Men 1992]
8. Ain’t No Stoppin’ Us Now [MacFadden & Whitehead 1979]
Enc. You Raise Me Up [Josh Grovan 2004]
show ended 19:48
(2007年10月5日金曜、東京メトロ・ミュージック・オアシス、銀座駅コンコース内オアシス=ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズ・ライヴ)
2007-127
仲間。
フィリー・ソウル・サーチャーズは前日にじっくりリハーサルをしたが、確認の意味も含めて、当日のリハーサル後、彼らは楽屋控え室に入るや、携帯用のくるくる巻けるシート様になっているキーボード(カシオ製)を広げ、軽くそれを弾きながらハーモニーの練習をし始めた。小さなテーブルに下敷きのような、まるでおもちゃのキーボード(鍵盤)を置いて、そこに小さなスピーカーが接続され、一応ちゃんと、しょぼい音(笑)だが、音がでる。僕は初めて見たが、これは笑えた。楽しい。これで練習か。さすが。
大きなケイリブがこのおもちゃのキーボードを操り、コードを弾きながら「誓い」(You Make Me Feel Brand New)を5人が歌う。コーラスをつけながら、ゲイリーは膝やテーブルを叩いて、パーカッションを演奏。
歌が好きな仲間たちが、5人集まって好きな曲を歌っているその様はまさに、これぞ「ストリート・コーナー・シンフォニー」。僕はこの様子にミニ感激した。
ガッツビーでおなじみの「愛がすべて」も全員コーラスで練習。ちょうど、軽いスナック、チキンなどが到着し、それらをもぐもぐしながら、しっかり歌う。これを聴きながら、1曲くらい、全員ステージ・センターに立ってマイクスタンドを囲みアカペラの曲をやってもらってもよかったかもと思った。まあ、「エンド・オブ・ザ・ロード」の最後の部分は、手拍子だけでアカペラになって、受けたが。もっと出来ただろう。
「誓い」は本番になると、彼らはちゃんと振りをつけ、ゲイリーは最近流行りのカフーンというドラムのような音が出るパーカッションを叩いてリズムを作る。さすが。
「次の曲はハロルド・メルヴィン&ブルーノーツというグループがヒットさせた曲だ。だが、おもしろいことに、ハロルド・メルヴィンはリード・ヴォーカルを歌っていない。リードを歌っているのはテディ・ペンダーグラスというシンガーです」 こう説明されてグリニスが「二人の絆(If You Don’t Know Me By Now)」を歌う。グリニスは、「never, never, never」の部分を思い切りアドリブを効かせ熱唱。観客からもやんやの喝采が集まった。こんなのは、リハではまったく見せなかった。さすが。
ケイリブのMCはなかなか冴えていた。いくつか曲の解説をしながら、曲に進む。「この曲は、夫Aと妻Bの話。でも、夫Aと妻Bには、別にそれぞれ妻Aと夫Bがいる。曲の主人公の男の名前はわからないが、女性の名前はジョーンズです・・・」。そして、「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」が始まる。途中で、ミー・ア〜〜ンド・・・ミセス、ミセス・・・カワサキ・・・なんてアドリブをいれて受ける。いじりかた最高だ。さすが。
今回のメドレーを含めて12曲のセットリストに最初は、ガッツビーの「愛がすべて」と「ユー・レイズ・ミー・アップ」は入っていなかった。「愛がすべて」は、日本で人気があることを説得していれてもらった。(笑) ケイリブにとっては、「これは(フィリー・)ソウルではない」という感覚らしい。それはそれでわかる。彼はこれを「ポップ・ソング」と呼ぶ。
しかし、そんなことを言っていたケイリブのMCはガッツビーをネタに大いに笑いを取るものにしていて、客席からも超受けていた。さすが。
「ユー・レイズ・ミー・アップ」は、もちろんフィリー・ソウルではないのだが、この「フィラデルフィア美術館展」のイメージ・テーマ・ソングになっていたので、主催者から「どうしても、これだけは」というリクエストをもらっていた。最初ケイリブに言うと「ジョッシュ・グローヴァン? 知ってるけど、フィリー・ソウルじゃないぞ。マジか?(笑)」との返事。紆余曲折あり、いろいろ話して説得。最終的にセットリストのどこに置くかかなり悩んだが、アンコールにすることにした。
彼らはレコード(ジョッシュ・グローヴァンのもの)にあわせながら、何度か歌ううちに、どのラインを誰が歌うか決め、結局5人でリードをまわすことにした。この5人リード回しは、「サイドショー」でも行われたが、これが実にヴォーカル・グループとしての魅力の幅を出すことになった。そして、彼ら自身は若干不満はあったようだが、セカンドのアンコールでこれが歌われると、多くの観客を感動させてしまったのだ。恐るべしフィリー・ソウル・サーチャーズ。(笑) さすが。
通りすがりの人が、最初は興味本位でコンコースに立ち止まる。しかし、耳慣れた曲が歌われていると、通路に張られたロープの内側に入ってライヴを楽しんでいく。無料ライヴならではだ。
なお、フィリー・ソウル・サーチャーズのメンバーの立ち位置は、舞台向かって左キーボード担当がケイリブ・ジェームス、その右がアージー・パイン、歌・センター・男性がグリニス・マーティン、左がポーラ・ジョンソン、そして、一番右パーカッションがゲイリー・スコットだ。
(フィリー・ソウルについて、もう少し続くかも)
■Setlist : Metro Music Oasis Vol.13 〜 Philly Soul Night In Ginza @Ginza Station, Metro, Concourse, Oasis : October 5, 2007
『メトロ・ミュージック・オアシス VOL.13〜フィラデルフィア美術館展・開催記念コンサート』
セットリスト : フィリー・ソウル・ナイト 〜 ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズ
second set show started 18:33
live started 18:36
1. Mighty Love [Spinners 1974]
2. When Will I See You Again [Theree Degrees 1974]
3. If You Don’t Know Me By Now [Harold Melvin & Bluenotes 1972]
4. (Philly Vocal Group Medley)
--. You Make Me Feel Brand New [Stylistics 1974]~
--. Sideshow [Blue Magic 1974] ~
--. La La Means I Love You [Delfonics 1968]~
--. Betcha By Golly Wow [Stylistics 1972]
5. Can’t Give You Anything But My Love [Stylistics 1975]
6. Me & Mrs. Jones [Billy Paul 1972]
7. End Of The Road [Boys II Men 1992]
8. Ain’t No Stoppin’ Us Now [MacFadden & Whitehead 1979]
Enc. You Raise Me Up [Josh Grovan 2004]
show ended 19:48
(2007年10月5日金曜、東京メトロ・ミュージック・オアシス、銀座駅コンコース内オアシス=ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズ・ライヴ)
2007-127
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