【デニスとアリ・オリ、『ソウル・ブレンズ』にやってきた】

大興奮。

日曜午後3時20分、来るべき男たちがまだ来ていない。インターFMの番組『ソウル・ブレンズ』に彼らは来ることになっていた。3時半からが彼らの出番だ。通常は20分ほど前に来て、軽く打ち合わせをしてからスタジオに入るのだが・・・。前週木曜に来日し、金曜からコットン・クラブでライヴを行っていたテンプテーションズ・レヴューからデニス・エドワーズとアリ・オリ・ウッドソンが、番組にゲストででてくれることになっていたのだ。さすがにスタッフは焦り気味で、何度も携帯でやりとりをしている。

3時25分、表通りに大きな体格のデニスとアリが到着。体をわさわさ揺らしながら、局内に入ってきた。デニスは黄色のスーツ、アリはゼブラ柄のスーツ、そのままステージから飛び出てきたような感じだ。

とりあえずソファに座る。「昨日(土曜)、(恵比寿の)ソウル・バー、アリ・オリに行ったんですって」とアリ・オリに聞いた。「そうなんだ、そうなんだ、友達が連れてってくれた」といいながら、何かをバッグの中から出そうとする。そして出したのが、「アリ・オリ」のショップカード。これをデニスに手渡す。「おおおっ、ソウル・バー、アリ・オリか」とデニスが驚く。アリ・オリは自分の名前がついたお店ができていて、殊のほか嬉しい様子だ。

3時30分。DJオッシーがテンプスの「パパ・ウォズ・ア・ローリング・ストーン」をブースの向こうでかける。デニスとアリ・オリの2人がスタジオ内に入る。DJマーヴィンが興奮気味に自己紹介。マーヴィンはめったにあがらないのに、この日はさすがにナーヴァスになっているようだ。ハスキーなデニスの声、そして太いアリ・オリの声。じつにラジオのりのいい声だ。

「日本ではみんなお辞儀をする。これは素晴らしい習慣だ」(デニス) 「今回のライヴの会場はちょっと小さくて、来たい人が全員来れないかもしれないが、逆にここでのライヴはみんな近くていいよ」(デニス) 「(休みの日)今回は秋葉原に行くぞ〜」(アリ・オリ) 「日本の好きな食べ物は、蕎麦!」(アリ・オリ)

この「テンプテーションズ・レヴュー・フィーチャリング・デニス・エドワーズ」というグループの成り立ちについてデニスはこう語ったくれた。「元々はラッフィン、ケンドリックスと一緒に(1990年頃)やったところがきっかけだ。だが、残念なことにラッフィン、そして、ケンドリックスが他界してしまった。そこで、その後いろいろなメンバーに声をかけて、現在の形になったんだ」

「ぜひまたきてください」というマーヴィンのあいさつとともに、番組内でゲスト枠最後の曲、テンプスの「レディー・ソウル」がかかった。マイクがオフになり、曲がスピーカーから流れてくると、アリ・オリ、CDにあわせて一緒に歌い出すではないか。おおおっ、生アリ・オリ! デニスもアリ・オリもみんなごきげんだ。 

そして、みんなで記念撮影タイム。5時からライヴなので4時には出ないといけない。そのバタバタの合間に、オッシーがデニスのソロとテンプスのアリ・オリが入ったアナログ・アルバムを持ってきて、サインを頼んだ。もちろん、彼らはすぐに書いてくれる。オッシー「いやあ、サインを頼む手が震えましたよ」。

別れ際、アリ・オリはDJチーちゃん(女性)にハグ&キス。おお、さすがだ。(笑) そして、それを見ていたマーヴィンと僕、「さすがに、アリ・オリは『レディーズ・マン』だな(笑)」。

本番が終わり、マーヴィンが言う。「だって、僕は子供の頃テンプテーションズのヒット曲を聴いて育ったんだよ。同じデトロイト出身で、テンプスはスター中のスターだ。僕にとっては憧れの大スターだよ。そのメンバーが今こうして僕の目の前でしゃべっているっていうのは、本当に素晴らしい。正直、汗たくさんかいたよ!(笑) この仕事をしてて本当によかった。デニスはずっと僕の目を見てしゃべるんだよね。僕はこの録音を故郷の家族に送るよ!(笑)」

彼らは4時の時報とともに嵐があっという間にどこかへ行くかのように去っていった。スタジオに大興奮を残していったテンプテーションズだった。

(テンプスの項、つづく)

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