○ハイチ~天災と人災とヴードゥー:日曜午後のうんちく
2010年1月25日 音楽 コメント (1)【Haiti~Voodoo~A Chat On The Sunday Afternoon】
うんちく。
毎週日曜日午後、『ソウル・ブレンズ』のコーナー出演のためにインターFMに行くが、その直前の番組でDJをしているのが、鎌倉生まれのサーファー、ジョージ・カックルさんだ。カックルさんは、レイ・チャールズの伝記『レイ・チャールズ物語~わが心のジョージアを出した出版社から、『ロックンサーフィンメッセージ』という本を出していて、いわば「出版社メイト」。「レーベル・メイト」とは言うが、「出版社メイト」とは言わないか。(笑) 『レイ・チャールズ物語』のときも少し手伝っていただいた。
昨日も、彼が終わったあとロビーにいて雑談になった。そこで話題になったのが、ヘイティ=ハイチのこと。カックルさん、ここら辺の植民地事情に詳しく、一時期ジャマイカなどに興味を持って、あのあたりをよく調べて勉強した、という。僕も今回の大地震で初めてハイチがアメリカ大陸で最貧国だということ、また同時に、それが人災と天災が重なり大きな悲劇が生まれているということも知った。
そのあたりのことはアメリカ在住の冷泉彰彦(れいぜい あきひこ)氏の次の記事に詳しい。
「見捨てられた国、ハイチの悲劇」 配信日:2010-01-16
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report3_1909.html
これを読むと、本当に国の指導者というのはその国の命運を握るのだなあ、という当たり前のことを、痛切に感じる。そしてとんでもない歴史を歩んできたその国民を気の毒に思う。独裁者のでたらめという人災に、誰もが予期せぬ天災がかぶさり、どうしようもなくなる。
カックルさんの見方では、「同じ島でも東側のドミニカは、スペイン領で、ハイチはフランス領だった。スペイン領はそれほどアフリカからの奴隷をいれてこなかったが、ハイチはものすごい量の奴隷をいれた。フランスのやり方があんまりひどかったので、その奴隷たちは反旗を翻し、革命みたいになるが、結局、フランスと賠償金でもめ、それがあの国を苦しめた。逆に奴隷制度がゆるかったドミニカはハイチほどひどくならなかったんだよ。ハイチには法律みたいなものはあっても無いようなでたらめで、上からの(衛星)写真みると、西側(ハイチ側)は、山も丸坊主、何にもルールがないからどんどん木を伐採してる。東側は、けっこう木があるんだよね。きっぱり、あるなしがわかるから興味深い」という。
ルールがなく、どんどん木を伐採したから、保水できず、ハリケーンのときに大洪水が起き、また天災に見舞われる。しかし、これはよく考えてみると人災の延長にあることかもしれない。
さて、ハイチについて、たとえば軽くウィッキぺディアあたりで情報を仕入れたが(それでもものすごい量)、カックルさんの情報はそのあたりにはでていないものでもっとおもしろい。ハイチではヴードゥー教が主流だが(ヴードゥーについても少し調べないと、話がついていけない)、そんな中で、その地ではふぐの毒を人間の体を仮死化するために、使うという。ふぐの毒を服されたものは、医師が診ても死んだように見えるそうだ。そしてハイチの人々は、その解毒剤も持っていて、一旦、棺か墓場にいれても、それによって生き返らせることができるそうだ。ハイチでは火葬ではないので、そうやって秘密裏に人を死んだことにもできるらしい。日本ではふぐの毒で死んだとしたら、そのまま火葬してしまうが、ひょっとしたら、死んでないかもしれない、とカックルさんは言う。
ヴードゥー教はハイチから、アメリカ・ニューオーリンズに流れていく。僕はヴードゥーの話は、ジョー・サンプル教授から聞いた。その流れで、僕がニューオーリンズのヴードゥー・クイーン、マリー・ラヴォーの話を持ち出すと、カックルさんは「ニューオーリンズでは、フレンチ・クオーターに行くより先にマリー・ラヴォーの墓に行ったよ(笑)」と言う。「ニューオーリンズではね、お墓の棺がみんな地上より上にあるんだよ。普通は土の中に埋めるだろ。なぜかっていうと、あそこは湿地帯で、土に埋めてもどんどん上に上がってきちゃうからなんだ」 さすが、地球市民、世界の旅人カックルさん、いろんなことでうんちくがある。
ハイチ大地震が起こってから、フージーズのワイクリフ・ジョンが大変積極的に募金を募っている。彼はハイチ出身で、すぐにツイッターでさまざまな情報を提供し始めている。こういうときのツイッター、有事のツイッターはラジオ以上に、特に世界規模で有効だ。
【ユニセフのハイチ募金】
クレジット・カード、インターネット・バンキング、コンビニなどからいくらからでも募金できます。カードなどの場合、最初に4000円と表示が出ますが、その横のボックスに任意の金額を書き込めば自分の好きな金額を募金できます。
http://www.unicef.or.jp/children/children_now/haiti/sek_hait10.html
■ マリー・ラヴォーについて~ジョー・サンプル教授の話し
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040507.html
■ その「Xマーク・ザ・スポット」が収録されているジョー・サンプルの『ピーカン・トゥリー』(2002年)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000060NH8/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ レイ・チャールズ自伝 『わが心のジョージア~レイ・チャールズ物語』(デイヴィッド・リッツ著 吉岡正晴訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4900901490/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ジョージ・カックルのロックンサーフィンメッセージ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4900901547/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>ESSAY>
NEWS>Haiti
うんちく。
毎週日曜日午後、『ソウル・ブレンズ』のコーナー出演のためにインターFMに行くが、その直前の番組でDJをしているのが、鎌倉生まれのサーファー、ジョージ・カックルさんだ。カックルさんは、レイ・チャールズの伝記『レイ・チャールズ物語~わが心のジョージアを出した出版社から、『ロックンサーフィンメッセージ』という本を出していて、いわば「出版社メイト」。「レーベル・メイト」とは言うが、「出版社メイト」とは言わないか。(笑) 『レイ・チャールズ物語』のときも少し手伝っていただいた。
昨日も、彼が終わったあとロビーにいて雑談になった。そこで話題になったのが、ヘイティ=ハイチのこと。カックルさん、ここら辺の植民地事情に詳しく、一時期ジャマイカなどに興味を持って、あのあたりをよく調べて勉強した、という。僕も今回の大地震で初めてハイチがアメリカ大陸で最貧国だということ、また同時に、それが人災と天災が重なり大きな悲劇が生まれているということも知った。
そのあたりのことはアメリカ在住の冷泉彰彦(れいぜい あきひこ)氏の次の記事に詳しい。
「見捨てられた国、ハイチの悲劇」 配信日:2010-01-16
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report3_1909.html
これを読むと、本当に国の指導者というのはその国の命運を握るのだなあ、という当たり前のことを、痛切に感じる。そしてとんでもない歴史を歩んできたその国民を気の毒に思う。独裁者のでたらめという人災に、誰もが予期せぬ天災がかぶさり、どうしようもなくなる。
カックルさんの見方では、「同じ島でも東側のドミニカは、スペイン領で、ハイチはフランス領だった。スペイン領はそれほどアフリカからの奴隷をいれてこなかったが、ハイチはものすごい量の奴隷をいれた。フランスのやり方があんまりひどかったので、その奴隷たちは反旗を翻し、革命みたいになるが、結局、フランスと賠償金でもめ、それがあの国を苦しめた。逆に奴隷制度がゆるかったドミニカはハイチほどひどくならなかったんだよ。ハイチには法律みたいなものはあっても無いようなでたらめで、上からの(衛星)写真みると、西側(ハイチ側)は、山も丸坊主、何にもルールがないからどんどん木を伐採してる。東側は、けっこう木があるんだよね。きっぱり、あるなしがわかるから興味深い」という。
ルールがなく、どんどん木を伐採したから、保水できず、ハリケーンのときに大洪水が起き、また天災に見舞われる。しかし、これはよく考えてみると人災の延長にあることかもしれない。
さて、ハイチについて、たとえば軽くウィッキぺディアあたりで情報を仕入れたが(それでもものすごい量)、カックルさんの情報はそのあたりにはでていないものでもっとおもしろい。ハイチではヴードゥー教が主流だが(ヴードゥーについても少し調べないと、話がついていけない)、そんな中で、その地ではふぐの毒を人間の体を仮死化するために、使うという。ふぐの毒を服されたものは、医師が診ても死んだように見えるそうだ。そしてハイチの人々は、その解毒剤も持っていて、一旦、棺か墓場にいれても、それによって生き返らせることができるそうだ。ハイチでは火葬ではないので、そうやって秘密裏に人を死んだことにもできるらしい。日本ではふぐの毒で死んだとしたら、そのまま火葬してしまうが、ひょっとしたら、死んでないかもしれない、とカックルさんは言う。
ヴードゥー教はハイチから、アメリカ・ニューオーリンズに流れていく。僕はヴードゥーの話は、ジョー・サンプル教授から聞いた。その流れで、僕がニューオーリンズのヴードゥー・クイーン、マリー・ラヴォーの話を持ち出すと、カックルさんは「ニューオーリンズでは、フレンチ・クオーターに行くより先にマリー・ラヴォーの墓に行ったよ(笑)」と言う。「ニューオーリンズではね、お墓の棺がみんな地上より上にあるんだよ。普通は土の中に埋めるだろ。なぜかっていうと、あそこは湿地帯で、土に埋めてもどんどん上に上がってきちゃうからなんだ」 さすが、地球市民、世界の旅人カックルさん、いろんなことでうんちくがある。
ハイチ大地震が起こってから、フージーズのワイクリフ・ジョンが大変積極的に募金を募っている。彼はハイチ出身で、すぐにツイッターでさまざまな情報を提供し始めている。こういうときのツイッター、有事のツイッターはラジオ以上に、特に世界規模で有効だ。
【ユニセフのハイチ募金】
クレジット・カード、インターネット・バンキング、コンビニなどからいくらからでも募金できます。カードなどの場合、最初に4000円と表示が出ますが、その横のボックスに任意の金額を書き込めば自分の好きな金額を募金できます。
http://www.unicef.or.jp/children/children_now/haiti/sek_hait10.html
■ マリー・ラヴォーについて~ジョー・サンプル教授の話し
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040507.html
■ その「Xマーク・ザ・スポット」が収録されているジョー・サンプルの『ピーカン・トゥリー』(2002年)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000060NH8/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ レイ・チャールズ自伝 『わが心のジョージア~レイ・チャールズ物語』(デイヴィッド・リッツ著 吉岡正晴訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4900901490/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ジョージ・カックルのロックンサーフィンメッセージ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4900901547/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>ESSAY>
NEWS>Haiti
コメント
ますますソウルが好きになります。
インターFMでソウル関連のイベントあったら楽しいだろうなと思いました☆
ふぐの話はびっくりしました!!
ハイチへの募金、どこにすればいいか迷ってまだしてませんでした。
ユニセフがいいのかな。ありがとうございます。