【What Goes Around Comes Around】

原点回帰。

拙著『ソウル・サーチン』(音楽之友社)は、2000年7月に発売された。初版だけで、好評のためか出版元も品切れだが、2刷りにはならず、今ではヤフオクなどでときにとてつもなく高い値段がついている。

実は、僕の手元にもほとんどないので、ヤフオクなどで安い値段で出ていると、適宜買ったりしている。ずいぶん前、もう半年以上前に、どこからか買ったものを、そのまま放っておいたが、ちょっと必要があって、封を切った。

すると、な、な、なんと、そこの裏表紙に、ボ・ボ・僕のサインが書かれてるではないか。いやあ、めぐり巡って、作者のところに戻ってくるんだ。

ただこのサインにはだれそれさんという宛名がない。ただサインしたのかなあ。記憶がない。で、日付はある。2000年10月15日。

そこで、古い手帳をひっぱりだしてみた。な~~るほど。この日、僕は自由が丘のマルディ・グラで、この『ソウル・サーチン』の発売記念トークイヴェントを、友人の守島さんのご尽力で行っている。たぶん、ここで本を持参された方にサインしたのであろう。それとも、即売会してたかなあ。記憶がない。

いやあ、しかし、10年かけて、よ~く、僕のところに戻ってきたなあ。(笑)海に投げた(流した)ボトルが、戻ってくるみたいなものですかね。

別に売った人に対して、怒ってないですよ、ラヴです、ラヴ。オール・フォー・ラヴ! 

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/427623302X/soulsearchiho-22/ref=nosim/

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10年。

で、この『ソウル・サーチン』、2000年7月に出てから、今年の7月でちょうど10年になるんですね。

この10年の間に随分と状況は変わっている。何より、第一章で取り上げたジョン・ホワイトヘッド。彼こそが、僕に「ソウル・サーチン」という言葉を1988年に教えてくれた人物だが、彼も亡くなった。その相棒、ジーン・マクファーデンも亡くなった。

第2章はハーヴィー・フークワの目から描いたマーヴィン・ゲイ・ストーリーでもあるが、そのマーヴィンの伝記を昨年(2009年)、筆者の翻訳で出せた。マーヴィン物語を、これで、ある意味で表と裏で立体的に捉えられるかもしれない。

第3章、マイケル・マッサーで触れたモハメド・アリを巡る動きでは、1974年の「キンシャサの奇跡」が、1996年に映画となり、2010年にそのサイド・プロジェクトでもあるライヴの様子が映画になった。ここで焦点を当てたホイットニー・ヒューストンは、結婚から離婚、ドラッグ中毒から復活へと、マッサー以上のソウル・サーチンをした。

第4章、ナイル・ロジャースは隔年のようにやってきて、今年(2010年)の来日も決まった。

第5章、ウーマック&ウーマックで登場するテディー・ペンダーグラスは2010年1月に亡くなった。

第6章、ミニー・リパートンの冒頭とエンディングに登場する六本木のソウル・バー、ジョージズは、ミッドタウンの開発で、六本木から西麻布に引っ越した。

第7章のナタリー・コールは、持病が悪化し、苦労をしている。

ということで、改訂版でも出さなければならないなあ、と思っている今日この頃だ。

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