◎東京ジャズ(パート2):渡辺香津美~ジャズ・クルセイダーズ・ライヴ
2010年9月7日 音楽◎東京ジャズ(パート2):渡辺香津美~ジャズ・クルセイダーズ・ライヴ
【Watanabe Kazumi, Jazz Crusaders At Tokyo Jazz】
歴史。
3日にわたって行われた東京ジャズ。最終日午後、日本が誇るギタリスト、渡辺香津美とジャズ・クルセイダーズを見た。
前者は、1980年に渡辺香津美が発表した代表作『トチカ』のメンバーを30年ぶりに集め、再現しようというもの。マイク・マイニエリ・プロデュースで、ドラムにオマー・ハキム、ベースにマーカス・ミラーという高校時代からの同級生仲間を配し、ウォーレン・バーンハートという重鎮もいれたセット。30年の間に、みなそれぞれ立派に成長し、スーパー・ミュージシャンに育っているところがすごい。オマーはアルバム・リリース後のツアーに参加している。今から30年前、まだ無名だが、才能あふれる若者をピックアップしたところは、まさに慧眼だ。
ライヴ・パフォーマンスは、もう文句のつけどころがない完成度の高いもの。レコードを聴いているかのような安定感だ。MCで、「マーカスは(『トチカ』を録音するときに)当時、自転車でスタジオにやってきた。その彼がこんなにビッグになって、親としては嬉しい気持ちだ」といったようなことを語ったが、あれから30年を経て、こうして同じステージに立てるのだから素晴らしい。それは、オマー・ハキムも同じこと。(オマー・ハキムとライヴ前に少し話ができたので、そのあたりの様子はまた後ほど。とてもおもしろかった)
東京ジャズ3日間のオオトリを務めたのが、ジョー・サンプルとウェイン・ヘンダーソンを中心にしたジャズ・クルサイダーズ。1974年以来、オフィシャルにはそれぞれ別の道を歩んでいたジョーとウェインだが、今年になってリユニオンを発表。その前に、単発で同じステージに立ったことはあるようだが、今回の東京ジャズが実質的な初ステージになるようだ。ドラムスのモヤース・ルーカスは、ウェイン・ヘンダーソンとライヴをやったことがあり、元々のウェインのドラマーが今回スケジュールがあわずに、誘われたという。今回彼らとステージに立つのは初。ベースはしばらく前からジョーと接点があった。当初の予定では、サックスのウイルトン・フェルダーが参加だったが、病気になり、急遽、ジェラルド・オルブライトが参加。クルセイダーズは彼にとってあこがれの存在だったので、大変光栄だと述べている。
ウェインは車椅子で登場、杖をついていた。足が悪いらしい。ウェインがジョーを指して「ジョーはファンキーな奴だ」というが、どう見てもウェインのほうがファンキーだ。(笑) ウェインによれば、お互いジョーが5歳でウェインが4歳の時から友人。ウェインの母親の姉妹がジョーの家の隣に住んでいたとかで、本当にご近所づきあいだったという。
セットリストは大変興味深いが、「スクラッチ」に関して、これには2ヴァージョンがあり、ゴスペル調のアレンジのものと、ファンキーなものがあり、1967年と1977年のライヴでもやっている、という。この日は、ゴスペル調のアレンジで披露すると言って演奏した。
曲間で、このバンドの音楽ディレクターであるジョーが、盛んにドラマーのほうか、ミュージシャン全体か、「俺を見ろ、俺を見ろ」と合図していたのが印象的だった。目と目で合図をしあい、テンポや曲のニュアンスをやりとりしなければならないのだ。
「ストリート・ライフ」は、ウェインが入って初めて聴いた。これはとても珍しい。ウェインのトロンボーンは、前回、ブルーノートで見たときよりも、若干「骨太」な印象が薄かった。体調のせいもあるのかもしれない。
最後、メンバー紹介をするときに、ウェインは、「俺の子供時代の恋人だ(my childhood sweetheart)」と何度も言ったのだが、ジョーはスルー。あのやりとりがおもしろかった。
ジョーとウェインが1974年に袂を分かったのは、その2人の性格からすると、当然というか自然の成り行きな気がする。それが、30年以上を経て、同じステージに立ったのだから、両者とも大人になったということだろうか。久々に再会しお互い昔話などをしつつ、楽しいひとときを過ごしたようだ。
(この東京ジャズについては、続く)
■ クルセイダーズ1
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000AU1M7U/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ジャズ・クルセイダーズ DVD
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000FUU0KA/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ 渡辺香津美 トチカ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005LCIC/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ セットリスト、渡辺香津美@国際フォーラム・A、2010年9月5日(日)
Setlist: Watanabe Kazumi @ Kokusai Forum, Forum A, Sep.5th,2010
show started 19:33
01. Liquid Fingers ~ Cokumo Island
02. Impressions
03. Half Blood
04. Tochika ~ Marcus Solo ~ Sayonara
05. Ensyu Tsumabe Gaeshi
06. Unicorn
Enc. Manhattan Flu Dance
Show ended 20:48
■ メンバー
Watanabe Kazumi (guitar)
Omar Hakim (drums)
Marcus Miller (bass)
Mike Mainieri (vibraphone)
Warren Bernhardt (keyboards)
■ セットリスト ジャズ・クルセイダーズ@国際フォーラム・A、2010年9月5日(日)
Setlist: Jazz Crusaders @ Kokusai Forum, Forum A, Sep.5th,2010
show started 21:04
01. On Broadway
02. Sunset In The Mountains
03. The Thing
04. Scracth
05. Snowflake
06. Street Life
07. Weather Beat
08. Way Back Home
09. New Time Shuffle
Show ended 22:10
■ メンバー
Joe Sample (piano)
Wayne Henderson (trombone)
Gerald Albright (sax)
Moyes Lucus Jr. (drums)
Grady Reginold Sullivan Jr. (bass)
ENT>MUSIC>LIVE> Tokyo Jazz 2010>Watanabe, Kazumi
ENT>MUSIC>LIVE>Tokyo Jazz 2010>Jazz Crusaders
【Watanabe Kazumi, Jazz Crusaders At Tokyo Jazz】
歴史。
3日にわたって行われた東京ジャズ。最終日午後、日本が誇るギタリスト、渡辺香津美とジャズ・クルセイダーズを見た。
前者は、1980年に渡辺香津美が発表した代表作『トチカ』のメンバーを30年ぶりに集め、再現しようというもの。マイク・マイニエリ・プロデュースで、ドラムにオマー・ハキム、ベースにマーカス・ミラーという高校時代からの同級生仲間を配し、ウォーレン・バーンハートという重鎮もいれたセット。30年の間に、みなそれぞれ立派に成長し、スーパー・ミュージシャンに育っているところがすごい。オマーはアルバム・リリース後のツアーに参加している。今から30年前、まだ無名だが、才能あふれる若者をピックアップしたところは、まさに慧眼だ。
ライヴ・パフォーマンスは、もう文句のつけどころがない完成度の高いもの。レコードを聴いているかのような安定感だ。MCで、「マーカスは(『トチカ』を録音するときに)当時、自転車でスタジオにやってきた。その彼がこんなにビッグになって、親としては嬉しい気持ちだ」といったようなことを語ったが、あれから30年を経て、こうして同じステージに立てるのだから素晴らしい。それは、オマー・ハキムも同じこと。(オマー・ハキムとライヴ前に少し話ができたので、そのあたりの様子はまた後ほど。とてもおもしろかった)
東京ジャズ3日間のオオトリを務めたのが、ジョー・サンプルとウェイン・ヘンダーソンを中心にしたジャズ・クルサイダーズ。1974年以来、オフィシャルにはそれぞれ別の道を歩んでいたジョーとウェインだが、今年になってリユニオンを発表。その前に、単発で同じステージに立ったことはあるようだが、今回の東京ジャズが実質的な初ステージになるようだ。ドラムスのモヤース・ルーカスは、ウェイン・ヘンダーソンとライヴをやったことがあり、元々のウェインのドラマーが今回スケジュールがあわずに、誘われたという。今回彼らとステージに立つのは初。ベースはしばらく前からジョーと接点があった。当初の予定では、サックスのウイルトン・フェルダーが参加だったが、病気になり、急遽、ジェラルド・オルブライトが参加。クルセイダーズは彼にとってあこがれの存在だったので、大変光栄だと述べている。
ウェインは車椅子で登場、杖をついていた。足が悪いらしい。ウェインがジョーを指して「ジョーはファンキーな奴だ」というが、どう見てもウェインのほうがファンキーだ。(笑) ウェインによれば、お互いジョーが5歳でウェインが4歳の時から友人。ウェインの母親の姉妹がジョーの家の隣に住んでいたとかで、本当にご近所づきあいだったという。
セットリストは大変興味深いが、「スクラッチ」に関して、これには2ヴァージョンがあり、ゴスペル調のアレンジのものと、ファンキーなものがあり、1967年と1977年のライヴでもやっている、という。この日は、ゴスペル調のアレンジで披露すると言って演奏した。
曲間で、このバンドの音楽ディレクターであるジョーが、盛んにドラマーのほうか、ミュージシャン全体か、「俺を見ろ、俺を見ろ」と合図していたのが印象的だった。目と目で合図をしあい、テンポや曲のニュアンスをやりとりしなければならないのだ。
「ストリート・ライフ」は、ウェインが入って初めて聴いた。これはとても珍しい。ウェインのトロンボーンは、前回、ブルーノートで見たときよりも、若干「骨太」な印象が薄かった。体調のせいもあるのかもしれない。
最後、メンバー紹介をするときに、ウェインは、「俺の子供時代の恋人だ(my childhood sweetheart)」と何度も言ったのだが、ジョーはスルー。あのやりとりがおもしろかった。
ジョーとウェインが1974年に袂を分かったのは、その2人の性格からすると、当然というか自然の成り行きな気がする。それが、30年以上を経て、同じステージに立ったのだから、両者とも大人になったということだろうか。久々に再会しお互い昔話などをしつつ、楽しいひとときを過ごしたようだ。
(この東京ジャズについては、続く)
■ クルセイダーズ1
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000AU1M7U/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ジャズ・クルセイダーズ DVD
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000FUU0KA/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ 渡辺香津美 トチカ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005LCIC/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ セットリスト、渡辺香津美@国際フォーラム・A、2010年9月5日(日)
Setlist: Watanabe Kazumi @ Kokusai Forum, Forum A, Sep.5th,2010
show started 19:33
01. Liquid Fingers ~ Cokumo Island
02. Impressions
03. Half Blood
04. Tochika ~ Marcus Solo ~ Sayonara
05. Ensyu Tsumabe Gaeshi
06. Unicorn
Enc. Manhattan Flu Dance
Show ended 20:48
■ メンバー
Watanabe Kazumi (guitar)
Omar Hakim (drums)
Marcus Miller (bass)
Mike Mainieri (vibraphone)
Warren Bernhardt (keyboards)
■ セットリスト ジャズ・クルセイダーズ@国際フォーラム・A、2010年9月5日(日)
Setlist: Jazz Crusaders @ Kokusai Forum, Forum A, Sep.5th,2010
show started 21:04
01. On Broadway
02. Sunset In The Mountains
03. The Thing
04. Scracth
05. Snowflake
06. Street Life
07. Weather Beat
08. Way Back Home
09. New Time Shuffle
Show ended 22:10
■ メンバー
Joe Sample (piano)
Wayne Henderson (trombone)
Gerald Albright (sax)
Moyes Lucus Jr. (drums)
Grady Reginold Sullivan Jr. (bass)
ENT>MUSIC>LIVE> Tokyo Jazz 2010>Watanabe, Kazumi
ENT>MUSIC>LIVE>Tokyo Jazz 2010>Jazz Crusaders
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