◎ サム・ムーア (パート2)~観客をも取り込む名人芸
2011年7月30日 音楽◎サム・ムーア (パート2)~観客をも取り込む名人芸
【Virtuoso Of Soul: Sam Moore】
手練手管。
ギター、ドラムス、ベース、キーボード、コーラス4人、ホーン4人という12人編成バンド。インストゥルメンタルに続いてアレサの「ロック・ステディー」で観客を十分に暖めてから、サム・ムーア御大の登場だ。
ブルーノート・セカンドも超満員。カウンター前に補助席も出ている。この日、僕は「スタックス」のTシャツを着て、会場にやってきた。ステージに向かう通路で僕を見つけたサムは、そのTシャツをまじまじと眺めて、にやっとした。サムもTシャツにジャケットだ。
それにしても、「ホールド・オン、アイム・カミング」のホーンのリフや、「ソウル・マン」のギター・リフは、本当にそれが聞こえてきた瞬間から、上がる。そして、これらの作品はもう40年以上も前にこの世に生まれた楽曲だ。ソウル・クラシックと呼ぶにふさわしい。そういうソウル・クラシックを何曲も持ち、何十年後も海外でさえもライヴが出来るというのは、実に素晴らしい。
サムは1935年(昭和10年)10月12日生まれの現在75歳。イノシシ年。現役バリバリだ。声の張りもつやも遜色ない。サム&デイヴとしてのヒットや、昔の60年代のソウル・ヒットを次々と矢次早に歌う。
この日は、トウキョウ・レディー・ソウル・ナンバー・ワンことブレンダ・ヴォーンがコーラスの一角に参加。レイ・チャールズの「ナイト・タイム…」などで、サムとのかけあいを見せた。
ライヴ・ステージに生きるサム・ムーア。そのすごさを垣間見たのが、「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」のところ。ギター、ベースのイントロが続き、その間、フリートークが入るが、それが長くなれば、バンドは延々とそのイントロを繰り返す。観客とおもしろいやりとりがあれば、サムはいくらでも観客をいじる。そして、気が向くと、いきなり I can’t stand the rain と歌に入るのだ。その歌声が入った瞬間から、バンドがフォローして曲の中にはいっていく。サムはどこでも、いつでも、曲に入れる。あのあたりは、ライヴ百戦錬磨(ひゃくせんれんま)のヴェテランならではの手練手管(てれんてくだ)だ。
この日セカンドでは、「ホエン・サムシングス・イズ・ロング…」が歌われ、「ユー・アー・ソー・ビューティフル」はファースト最後だけ。セカンドの最後は、ジャッキー・ウィルソンの「ハイアー&ハイアー」。イントロはコーラス隊のアカペラから入るというなかなかのアレンジだった。このイントロ・アカペラのアイデアは、サムのアイデアだという。
27日は、翌日28日がコーラスの一人、キャラウェイが誕生日ということで、サプライズでバースデイ・ケーキが途中でプレゼントされ、キャラウェイは感激。
「ファンキー・ブロードウェイ」「アイ・サンキュー」(観客に「アイ・サンキュー」と歌わせる)「ソウル・マン」の流れるような流れは、もう鉄板、完璧だ。サムは、実に役者。歌、パフォーマンス、語り、すべてがソウルの名人芸を体言している。こういうものは、これからなかなか見られないから、本当に貴重だ。
■メンバー
Sam Moore(vo),
Ivan Bodley(b),
Omar Martinez(ds,per,vo)
James Dower(key),
Mark Newman(g,vo),
Callaway(vo),
Naomi Margolin(vo),
Tabitha Fair(vo)
Brenda Vaughn (vo)
Larry Etkin(tp),
William Harris(sax),
Kiyoshi Ohno(sax),
Taisei Aoki(tb)
■セットリスト
Setlist: Blue Note Tokyo, July 27, 2011 First set
Show started
01.Peter Gun Theme (Instrumental) (Henry Mancini)
02.Rock Steady (Aretha Franklin) (Tabitha)
03.Hold On, I’m Coming (Sam & Dave)
04.Let The Good Times Roll (Louis Jordan)
05.Knock On Wood (Eddie Floyd)
06.I Can’t Stand The Rain (Ann Peebles, Sam Moore) (Tabitha)
07.Don’t Play That Song (Ben E King) (Callaway)
08.Get Out My Life, Woman (Lee Dorsey / Allen Tousaint)
09.Night Time Is The Right Time (Ray Charles) (Brenda)
10.That Lucky Old Sun (Frankie Laine / Ray Charles)
11.I’ve Got News For You (Ray Charles)
12.I Can’t Stand Up For Falling Down (Sam & Dave, Elvis Costello)
13.Funky Broadway (Wilson Pickett)
14.I Thank You (Sam & Dave)
15.Soul Man – Dance To The Music – A riff of Shaft –A riff of Mustang Sally (Sam & Dave)(Sly & Family Stone)
16.You Are So Beautiful (Billy Preston, Sam Moore)
■セットリスト
Setlist: Blue Note Tokyo, July 27, 2011 Second set
Show started 21:43
01.Peter Gun Theme (Instrumental) (Henry Mancini)
02.Rock Steady (Aretha Franklin)
03.Hold On, I’m Coming (Sam & Dave)
04.Let The Good Times Roll (Louis Jordan)
05.Knock On Wood (Eddie Floyd)
06.I Can’t Stand The Rain (Ann Peebles, Sam Moore)
07.Don’t Play That Song (Ben E King)
08.Get Out My Life, Woman (Lee Dorsey / Allen Tousaint)
09.Night Time Is The Right Time (Ray Charles)
10.That Lucky Old Sun (Frankie Laine / Ray Charles)
11.Come On, Come Over (Jaco Pastourius)
11.When Something Is Wrong With My Baby (Sam& Moore)
12.Funky Broadway (Wilson Pickett)
13.I Thank You (Sam & Dave)
14.Soul Man – Dance To The Music – A riff of Shaft –A riff of Mustang Sally (Sam & Dave)(Sly & Family Stone)
15.Higher & Higher (Jackie Wilson)
Show ended 23:05
(2011年7月27日水曜、ブルーノート東京、サム・ムーア・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2011-
【Virtuoso Of Soul: Sam Moore】
手練手管。
ギター、ドラムス、ベース、キーボード、コーラス4人、ホーン4人という12人編成バンド。インストゥルメンタルに続いてアレサの「ロック・ステディー」で観客を十分に暖めてから、サム・ムーア御大の登場だ。
ブルーノート・セカンドも超満員。カウンター前に補助席も出ている。この日、僕は「スタックス」のTシャツを着て、会場にやってきた。ステージに向かう通路で僕を見つけたサムは、そのTシャツをまじまじと眺めて、にやっとした。サムもTシャツにジャケットだ。
それにしても、「ホールド・オン、アイム・カミング」のホーンのリフや、「ソウル・マン」のギター・リフは、本当にそれが聞こえてきた瞬間から、上がる。そして、これらの作品はもう40年以上も前にこの世に生まれた楽曲だ。ソウル・クラシックと呼ぶにふさわしい。そういうソウル・クラシックを何曲も持ち、何十年後も海外でさえもライヴが出来るというのは、実に素晴らしい。
サムは1935年(昭和10年)10月12日生まれの現在75歳。イノシシ年。現役バリバリだ。声の張りもつやも遜色ない。サム&デイヴとしてのヒットや、昔の60年代のソウル・ヒットを次々と矢次早に歌う。
この日は、トウキョウ・レディー・ソウル・ナンバー・ワンことブレンダ・ヴォーンがコーラスの一角に参加。レイ・チャールズの「ナイト・タイム…」などで、サムとのかけあいを見せた。
ライヴ・ステージに生きるサム・ムーア。そのすごさを垣間見たのが、「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」のところ。ギター、ベースのイントロが続き、その間、フリートークが入るが、それが長くなれば、バンドは延々とそのイントロを繰り返す。観客とおもしろいやりとりがあれば、サムはいくらでも観客をいじる。そして、気が向くと、いきなり I can’t stand the rain と歌に入るのだ。その歌声が入った瞬間から、バンドがフォローして曲の中にはいっていく。サムはどこでも、いつでも、曲に入れる。あのあたりは、ライヴ百戦錬磨(ひゃくせんれんま)のヴェテランならではの手練手管(てれんてくだ)だ。
この日セカンドでは、「ホエン・サムシングス・イズ・ロング…」が歌われ、「ユー・アー・ソー・ビューティフル」はファースト最後だけ。セカンドの最後は、ジャッキー・ウィルソンの「ハイアー&ハイアー」。イントロはコーラス隊のアカペラから入るというなかなかのアレンジだった。このイントロ・アカペラのアイデアは、サムのアイデアだという。
27日は、翌日28日がコーラスの一人、キャラウェイが誕生日ということで、サプライズでバースデイ・ケーキが途中でプレゼントされ、キャラウェイは感激。
「ファンキー・ブロードウェイ」「アイ・サンキュー」(観客に「アイ・サンキュー」と歌わせる)「ソウル・マン」の流れるような流れは、もう鉄板、完璧だ。サムは、実に役者。歌、パフォーマンス、語り、すべてがソウルの名人芸を体言している。こういうものは、これからなかなか見られないから、本当に貴重だ。
■メンバー
Sam Moore(vo),
Ivan Bodley(b),
Omar Martinez(ds,per,vo)
James Dower(key),
Mark Newman(g,vo),
Callaway(vo),
Naomi Margolin(vo),
Tabitha Fair(vo)
Brenda Vaughn (vo)
Larry Etkin(tp),
William Harris(sax),
Kiyoshi Ohno(sax),
Taisei Aoki(tb)
■セットリスト
Setlist: Blue Note Tokyo, July 27, 2011 First set
Show started
01.Peter Gun Theme (Instrumental) (Henry Mancini)
02.Rock Steady (Aretha Franklin) (Tabitha)
03.Hold On, I’m Coming (Sam & Dave)
04.Let The Good Times Roll (Louis Jordan)
05.Knock On Wood (Eddie Floyd)
06.I Can’t Stand The Rain (Ann Peebles, Sam Moore) (Tabitha)
07.Don’t Play That Song (Ben E King) (Callaway)
08.Get Out My Life, Woman (Lee Dorsey / Allen Tousaint)
09.Night Time Is The Right Time (Ray Charles) (Brenda)
10.That Lucky Old Sun (Frankie Laine / Ray Charles)
11.I’ve Got News For You (Ray Charles)
12.I Can’t Stand Up For Falling Down (Sam & Dave, Elvis Costello)
13.Funky Broadway (Wilson Pickett)
14.I Thank You (Sam & Dave)
15.Soul Man – Dance To The Music – A riff of Shaft –A riff of Mustang Sally (Sam & Dave)(Sly & Family Stone)
16.You Are So Beautiful (Billy Preston, Sam Moore)
■セットリスト
Setlist: Blue Note Tokyo, July 27, 2011 Second set
Show started 21:43
01.Peter Gun Theme (Instrumental) (Henry Mancini)
02.Rock Steady (Aretha Franklin)
03.Hold On, I’m Coming (Sam & Dave)
04.Let The Good Times Roll (Louis Jordan)
05.Knock On Wood (Eddie Floyd)
06.I Can’t Stand The Rain (Ann Peebles, Sam Moore)
07.Don’t Play That Song (Ben E King)
08.Get Out My Life, Woman (Lee Dorsey / Allen Tousaint)
09.Night Time Is The Right Time (Ray Charles)
10.That Lucky Old Sun (Frankie Laine / Ray Charles)
11.Come On, Come Over (Jaco Pastourius)
11.When Something Is Wrong With My Baby (Sam& Moore)
12.Funky Broadway (Wilson Pickett)
13.I Thank You (Sam & Dave)
14.Soul Man – Dance To The Music – A riff of Shaft –A riff of Mustang Sally (Sam & Dave)(Sly & Family Stone)
15.Higher & Higher (Jackie Wilson)
Show ended 23:05
(2011年7月27日水曜、ブルーノート東京、サム・ムーア・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2011-
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