◎ジノ・ヴァネリ・ライヴ

【Gino Vannelli Live: 59/59】

ロックンロール。

なんと13年ぶりの来日ということで音楽ファンの話題を集めていたカナダ出身のジノ・ヴァネリのライヴ。初来日は1991年。日本では、いわゆる「AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)」という言葉で紹介されることが多いが、これは日本製英語。アメリカでは、しいてこれに相当するジャンルを言う言葉としては「AC」(アダルト・コンテンポラリー)になる。そして、ライヴを見た感想は、AOR、ACというよりロック・アーティストのライヴという印象だった。

ドラムス、ギター、ベース、キーボードにサックスとトランペット、これにジノ・ヴァネリ本人という計7人編成。トランペットは日本在住ミュージシャン、湯本さん。

驚いたのは、その声が実に力強いということ。そして、サウンドはロック。日本で言うAORのイメージとはまったく違う。声が太くよく通る。しかし、ミックスのせいか、声の低音部分が異様に出すぎで、ハウリング寸前まで低音がでていて、中音域はとても聞きやすかったが、ちょっと圧迫感があった。それにしてもレコード(CD)のイメージとライヴのイメージがこれほど違うとは思わなかった。なんとなく、マイケル・フランクス風のイメージを持っていたのだが、それは僕の大きな間違いだった。

会場は、熱心なヴァネリ・ファンで満杯。中には、アルバム・ジャケットを掲げて、ヴァネリにアピールする人も。アンコール「ピープル・ガッタ・ムーヴ」では観客が総立ちになった。一番のお目当て楽曲「アイ・ジャスト・ウォナ・ストップ」はもう少し丁寧にレコード(CD)に忠実にやって欲しかったなあ。雰囲気が、エルヴィス・プレスリーとイギリスのジャミロクワイのジェイソン・ケイを足して2で割ったようなところもちょっと感じられた。

エネルギーに満ちたライヴだったが、アンコール含めて59分はちょっと短かった。僕はセカンドは見られなかったが、ファーストでやらなかった曲を4曲ほどやったそう。このファーストに4曲足してワンセットでもちょうどいいかもしれない。

1952年6月16日生まれの現在59歳。59歳で59分のライヴ。現在はポートランド在住で、ミュージシャンはみなポートランドの仲間たちだそう。そして熱狂的ファンはこのステージに号泣。いずれの回もファンの熱狂振りは素晴らしかったようで、ジノ本人は大変ご満悦で来年また戻ってきたいとステージでも言っていた。

■ジノ・ヴァネリ/アルティメート・コレクション

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■メンバー

Gino Vannelli(vo),
Patrick Lamb(sax),
Greg Goebel(key)
Jay Koder(g),
Damian Erskine(b),
Reinhardt Melz(ds)
湯本淳希(tp)

■セットリスト ジノ・ヴァネリ@2011年9月19日月曜コットンクラブ
Setlist : Gino Vannelli

show started 16:59
01. Openning:Crazy Life
02. Stay With Me
03. Wild Horses
04. Living Inside Myself
05. Black Cars
06. A Good Thing
07. Appaloosa
08. I Just Wanna Stop
09. Brother To Brother
Enc. People Gotta Move
Show ended 17:58

(2011年9月19日月曜・祝日、丸の内コットンクラブ、ジノ・ヴァネリ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Vannelli, Gino
2011-125

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