◎メイヤー・ホーソーン(パート1)~ソウルに敬意を表して~新しい時代のブルーアイドソウル 

【Mayer Hawthorne Live: New Age Of Blue-Eyed Soul】

ソウル。

「ブルー・アイド・ソウル・センセーション」と騒がれたのは昨年。アメリカのインディ音楽シーンでちょっとした話題を集めていたシンガー、メイヤー・ホーソーン。昨年のライヴを見逃していたので、二度目の来日で初鑑賞。

いやあ、予想以上によかった。一言で言えば、白人でソウル好きな若者が、かつてのソウルにリスペクトを持って、それを消化し、自分のものにして、おしゃれに見せた、といったところか。イギリスのスタイル・カウンシル、フィラデルフィアのダリル・ホールあたりがソウルを解釈して、自分のものにして、その結果良質の「ブルー・アイド・ソウル」になったという感じだった。バンドがまたしっかりしていて驚いた。

東京1日しかないために、1-2セットとも超満員。観客は若いクラブに行きそうな人たちが多かった。来年はきっと最低2日のライヴになりそうだ。

全員グレイのスーツで、しかし、足元はスニーカーというおしゃれさん。全体的にモータウン風曲調がポップに響く。テンポの速い曲では、ちょっとメイヤーとギター、ベースが揃ってステップを踏みながらやって見せ、ソウルショーっぽいプレゼンテーションにもなる。

モータウン風もあるが、ちょっとスタックス風も。みな60年代を思わせる。そのせいか、各曲が短くて実にいい。なんか、ポップだ。それにしても全曲、60年代、70年代のソウル風。どうしてここまで徹底できるのか、すごく興味を持った。しかし、やっぱり、一番はモータウンの影響かな。そして、その中でもスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズが一番強い。あと、ハイ・ヴォイスのあたりは、カーティス・メイフィールドを思わせる。

ギターを持って歌う姿も、ちょっと振りをつけながら歌う姿が、いかにもソウル好きな白人がかわいくやっている感じがして好感が持てる。

日本人やイギリス人のソウル好きがライヴをやるとこうなる、という感じがして、日本人でこういうスタイルのバンドがいれば面白いのにな、と思った。ダリル・ホールがソウルバンドをやるとき、スタイル・カウンシル、あるいは、インコグニート、ブランニュー・ヘヴィーズあたりが同路線なのだろう。そうしたら、西寺郷太さんが「めちゃくちゃ、よかったですね。こういうのやりたいんですよ」大興奮しながら口角泡を飛ばした。偶然会ったゴスペラーズ黒沢さんも「いやあ、よかった、よかった。ほんとおしゃれだよねえ」と興奮中。

ライヴが始まる前かかっていたCDがアル・グリーンの「ゴッド・ブレスド・アワ・ラヴ」、そして、ライヴ・アンコール後もアル・グリーンだった。(曲名失念) このあたりもこだわりがあるのかな。

ということで、ちょっとだけ本人に会うことにした。

(明日につづく)

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■メンバー

メイヤー・ホーソーン / Mayer Hawthorne(Vocals)
クインシー・マクラリー / Quincy McCrary(Keyboards)
クリスチャン・ヴンダリッヒ / Christian Wunderlich(Guitar)
ジョー・エイブラムス / Joe Abrams(Bass)
クエンティン・ジョセフ / Quentin Joseph(Drums)

■セットリスト
Setlist : Mayer Hawthorne, Billboard Live Tokyo, November 16, 2011

CD God Bless Our Love / Al Green
show started 19:03
00.Intro
01.Maybe So
02.Gangster Love
03.Maker Her Mine
04.Easy Lovin’
05.The Walk
06.Shiny And New
07.Wish Would Rain
08.No Strings
09.Dreaming
10.I’ve Got A Crush On You [Standard-George Gershwin]
11.One Track Mind
12.Work To Do [Isley Brothers]
13.Just Ain’t Gonna Work Out
14.A Long Time
15.The Ills
Enc. Love Is Alright
Show ended 20:08

(2011年11月16日水曜、ビルボードライブ東京、メイヤー・ホーソーン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hawthorn, Mayer
2011-

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