◎ウィスパーズ~R&Bヴォーカル・グループの伝統と粋

【Whispers: Tradition and Class By Itself ; Typical R&B Vocal Group】

粋。

2011年年末のコットン・クラブは、R&Bヴォーカル・グループ、ウィスパーズ。ウィスパーズの初来日は1988年3月、横浜ベイサイド・クラブの杮落とし。その後1999年5月、渋谷オンエアー。2005年12月、2006年12月、コットン・クラブ。その後、2008年7月のコットンが一度発表されたもののキャンセルになり、結局ちょうど5年ぶり5回目の来日となる。

今回は、コットン・クラブがおもしろい企画をやっていた。ファースト・ステージ限定、ツイッター限定だが、その日のウィスパーズの衣装の色を当ててもらうというもの。入口で「ツイッターを見ました」というと、何種類かの色のカードが出され、そこから一枚を選び、その日のステージ衣装とその予想が当たると、ミュージック・チャージが5000円キャッシュバックされるという。初日は1名当選が出たそうだ。ウィスパーズやテンプテーションズは緑、青、赤、白、パープルなど本当に原色など多彩で楽しい。

テンプテーションズやこのウィスパーズなどのR&Bヴォーカル・グループは、衣装も、靴も派手で、彼らがステージに上がった瞬間からエンタテインメント・ショーがきっちり始まるので、見てる側もそれだけで上がる。歌もきっちり、踊りもきっちりで、ちゃんと仕事をしている。その仕事ぶりは、まさにソウル界の伝統と粋を余すところなく見せ付ける。

彼らが登場した短いビデオが流され、その中でドン・コーネリアスの紹介でウィスパーズが呼び込まれ、彼らがステージに。いきなり、振りのついたステップで歌う。しかし、今回驚いたのは、メンバーのニコラスが終始椅子に座っていたこと。座っていながらも体はゆらしながらやっていたが、どうやら腰を痛めたようで、ここしばらくはずっとスツールに腰掛けながらのパフォーマンスになっているそうだ。

キーボード3人、ベース、ドラムス、ギターの6人編成バンド。バンドも多くが長くやっているので、タイトで決まっている。双子のウォーレスとスコッティーは本当によく似ているので、何度見てもわからなくなる。(笑) この日は、客席から見て向かって左(下手)側にいたのが、ウォルターで右側がスコッティー。MCはウォルターが担当。ウォルター&スコッティー兄弟は、日本では「ソウル界のスーパー・マリオ」と呼ばれている。確かに、よく雰囲気が似ている。ひげがニコラス、スキンヘッドがリヴェール・ディグリーだ。

歌と踊りは、このワールド・クラスのウィスパーズなら文句なし。大体彼らのヒットが、ほぼノンストップで、スローもミディアムもアップも流れて歌われるので、テンションがまったく下がらない。このノンストップ・メドレー形式はソウル・ショーの基本だ。完全なパッケージになっている。

二人のリードを中心に残りがハーモニーをつけ、さらに振り付けもあり、見て聴いて楽しませる。しかし、彼らはヒット曲がもっとあるので、違うヒットも聴きたい。

ディスコ世代には、「アンド・ザ・ビート・ゴーズ・オン」「イッツ・ア・ラヴ・シング」あたりは、もう直球ど真ん中。客席も総立ちになり盛り上がる。アンコールの「ロック・ステディー」もあげあげだ。

ちなみに大晦日のカウントダウンでは、最後観客をステージに上げ、みんながステージの上で踊って大騒ぎになったそうだ。

■「ロック・ステディー」で大団円。
http://youtu.be/rPJz3syNbtE




■過去関連記事

December 18, 2006
Whispers Live At Cotton Club: Nice Christmas Gift
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200612/2006_12_18.html

■ウィスパーズ 『イマジネーション』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004VQZ5/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ベスト (これは選曲し、詳しいライナーノーツを書いたのですが、どうやら廃盤のようです。ちょっと値段が高くなってますね。77分ぎりぎりまで入れたので、けっこうお買い得です)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005GY1I/soulsearchiho-22/ref=nosim/"

■メンバー  ウィスパーズ

Walter Scott (vo)
Wallace “Scotty” Scott (vo)
Nicholas Caldwell (vo)
Leaveil Degree (vo)

Dewayne Sweet (key)
David Michael Mendez (key)
Emilio Conesa (g)
Jamie Brewer (b)
Dante Roberson (ds)

■ セットリスト:ウィスパーズ コットン・クラブ 2011年12月29日木曜、
Setlist : Whispers @Cotton Club, December 29, 2011

Show started 20:04
00.Video – Intro
01.Keep On Lovin’ Me
02.(Let’s Go) All The Way
03.(Olivia) Lost And Turned Out
04.In The Mood
05.Butta (introducing members)
06.And The Beat Goes On
07.My Heart Your Heart
08.Just Gets Better With Time
09.Love Is Where You Find It
10.In The Raw
11.Lady
12.It’s A Love Thing
13.  (If You Just) Say Yes
Enc. Rock Steady
Show ended 21:17

(2011年12月29日木曜、丸の内コットン・クラブ、ウィスパーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Whispers
2011-175

コメント