◎ プリンス・トーク・イヴェント~安齋肇+湯浅学

【Prince Talk Event At Small Place】

クローズド。

『空耳アワー』ホストでもおなじみの人気イラストレーター、安齋肇さんと、音楽評論家、湯浅学さんが、プリンスのことを好き勝手にしゃべるというトーク・イヴェントが、2012年1月27日(金)、渋谷宇田川町の「アップリンク・ファクトリー」で行われた。ここは、かつて、映画『ソウル・パワー』のDVD発売記念イヴェントを行ったところだ。前日に、日本一のプリンス・マニア、ツナさんからこういうのがあると情報が入り、急遽一緒に行くことになった。

僕はその前に、渋谷西武でラルフ・ロールの「ソウル・スナックス」をのぞきに行っていて、ちょっと遅れてしまった。7時15分くらいに着いた。まあ、どうせ、安齋さんのことだから、遅刻して7時半くらいから始まるだろう、とタカを括っていたのだ。そうしたら、なんと、会場ではすでにイヴェントは始まり、安齋さんはすでにそこにいた! ツナさんがなんと一番前の席をプリンス・マニア軍団とともに取っておいてくれ、そこに座った。入っていくときに、安齋さんに「これは、これは…」みたいないじられ方をしたので、思わず「遅刻しなかったんだ…」と言うと、「騙されたんだよ」と。どうやら、7時開始のイヴェントで、5時に集合と言われていたらしい。「おかしいと思ったんだけどさあ」とイヴェント後にワイングラス片手にポツリと言った。

湯浅さんは活躍はもちろん存知あげているが、多分、お会いするのは初めてだと思うので、終了後名刺交換などしたが、彼がこんなにプリンスが好きとは知らなかった。

今回のイヴェントは、プリンスがテレビに出た映像や、最近のライヴ映像などをかけながら、それを見つつ、安齋さん、湯浅さんが好き勝手にしゃべるというもの。テレビの副音声のようなものだ。

この日の映像を集めていたのは、青林工藝舍という出版社で編集の仕事をされている浅川満寛さん。ネットに落ちていたものを、丹念に集めて、DVDに焼いて持ってきた。

「なんでこんなイヴェントをやったかというと、僕がものすごくプリンスが好きで、プリンスのことを話したいんだけど、僕の回りに誰もいないんですよ。今でもプリンス好きな人ってここ(会場)にしかいないような感じで(笑)、安齋さんとプリンスの話をしたかった」と湯浅さん。すると、安齋さん「(プリンスのファンが少なくて)堕落してるねえ! ダメだよね!」。

最初に昨年8月のスイス公演の映像から、「ゴールド」と「パープル・レイン」。最近のオーディエンスはみんなスマートフォンやデジカメを持っていて、それぞれ1-2分、あるいはもう少し長く撮影し、それをユーチューブにアップする。そうした複数ある映像を、なんと全部取り込んで、どこかの「編集小僧」が、プロ顔負けの編集をするのだ。一体カメラ何台あるのか。冒頭の映像など、多数のカメラからの映像があって、テレビを見ているみたい、というか、その場にいる気にさえなってきた。こう好き勝手に撮って、編集までして、さらにそれをネットにアップして楽しめる。まるで、グレイトフル・デッドのような感じだ。

で、映像見ながら、ああだ、こうだ、彼らがいちいち茶々をいれるので、楽しい。友達のリヴィングでお酒を飲みながら、プリンスのライヴ映像を見て、あーだこうだ、言ってる感じだ。安齋さんは冒頭から赤ワインで飛ばしている。

そして、曲によっては、彼らが「ここが見所」「ここに注目」などという感じで、いろいろと説明してくれるので、これまたおもしろい。たとえば、3曲目のビートルズの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープ」では、途中からプリンスがステージを乗っ取る形になるのだが、そこをおもしろおかしく安齋さんたちが盛り上げるので、えらくおもしろくなる。

湯浅さん、安齋さんの語録、記憶の中から。

プリンスというのは「付き合うのはやだけど、そばにいたい(笑)」(安齋)。

アルバム『コントラヴァージー』に封入されていたプリンスのほぼヌードのポスターを取り出し、詳細に解説。「これ、トイレに貼れないでしょう」(湯浅)

「(そのポスターを)友達が来るたんびに見せていたので、ついには折れ筋が切れた」(安齋)

「プリンスがローリング・ストーンズの前座で猛烈なブーイングを受け、プリンスがトイレで泣いた。そこをデイヴィッド・ボウイに見られ、慰められた。っていう話があるが、それは、ウソだと思う(爆笑)」(安齋)

(ポスター見ながら)「プリンス、ボタン好きだよね」(湯浅)

「イラストレーターの湯村輝彦さんは、プリンスのこと嫌いなの。『あいつは、ボタンが多いから』って。(笑) 子供の頃、(湯村さんは)ボタンを縦に踏んづけて、ものすごく痛かったらしい。それ以来、ボタンが大嫌いになったんだって(会場爆笑)」(安齋)

「プリンスはでかいボタンの洋服多い。だから、湯村さんの敵なんだよ」(湯浅)

「背が小さいことへのコンプレックスはあるよね。プリンスって爆笑問題の田中くらいしかないんだよ」(湯浅)

「だから、田中がメイクして歌ってると思ってね(爆笑)」(安齋)

「メイシオ! って声かけるけど、(プリンスより)年上だよね」

さすがに、こういうのだとユーストリームはできない。まさに、こうしたクローズドなトーク・イヴェントだけでできることだ。結局10時過ぎまで3時間以上の熱いトークとなった。しかし、プリンス好きの仲間たちと映像みながら、あーだこーだ言ってくのは楽しい。

以前、ツナさん安齋さんと僕の3人でトーク・ショーを新宿のロフトでやったが、久々にあのときのことを思い出した。もう6年も前なんだ。

■過去関連記事・プリンス・トークショー

March 20, 2006
Prince Talk Event Vol.3 Report
http://blog.soulsearchin.com/archives/000905.html

March 21, 2006
Prince Talk Event Vol.3 (Part 2) : Mr. Anzai, Banzaii!!
http://blog.soulsearchin.com/archives/000906.html

July 10, 2006
Prince Talk Event Vol.4
http://blog.soulsearchin.com/archives/001138.html

July 11, 2006
Prince Talk Event Vol.4: Mr. Anzai Talks About Prince
http://blog.soulsearchin.com/archives/001139.html

ツナさんが今回のセットリストを作ったので、それをさっそくご紹介しよう。

■セットリスト~(製作・ツナ):プリンス・トーク・ショー(湯浅学、安齋肇、浅川満寛)2012年1月27日(金)@渋谷アップリンク

event started 19:00
01. Gold, 2011/08/17のスイス公演の映像(Welcome 2 Americaヨーロッパツアー最終日)(数々のオーディエンスショットを編集)
02.Purple Rain, 2011/08/17のスイス公演の映像(Welcome 2 Americaヨーロッパツアー最終日)
03. While My Guitar Gently Weeps(プリンスの途中からのステージの乗っ取り方に爆笑)2004/03/15のRock’N’ Roll Hall of Fame
04. I Wanna Be Your Lover 1980/01/26のAmerican Bandstandディック・クラークに対してふてくされた表情で応対
05. Why You Wanna Treat Me So Bad? 1980/01/26のAmerican Bandstandディック・クラークに対してふてくされた表情で応対
06.I Wanna Be Your Lover 1980/01/06のThe Midnight Special(ラムちゃん)←正月からダメだろうw
07. Party Up 1981/02/21のSaturday Night Live
08. 1999 1983/01/28のSolid Gold
09. Purple Rain(なんでスタンドマイク置いてあるの?)1985/01/28のAmerican Music Awards、このあとに「ウィ・アー・ザ・ワールド」のレコーディングが行われるが、プリンスは参加しなかった
10. Come Together(Beatlesのカヴァー)2011/06/30のフランスでのコンサートでカメラマンがステージから落ちるところを助けるシーン(僕がちょうどトイレに行って、一番いいところを見逃した)
11. KISSのPV
12. Gett Offでの酒池肉林 1991/09/05のMTV Video Music Awards
13. Betcha By Golly WowのPV
14.Baby I’m A Star(会場のお客さんからのリクエスト)1985/02/26のグラミー
Event ended 22:10

■湯浅・安齋対談が14ページにわたって収録されている漫画誌「アックス」84号

アックス 第84号posted with amazlet at 12.01.29青林工藝舎 Amazon.co.jp で詳細を見る

同社ウェッブ
http://www.seirinkogeisha.com/

■"あの貴公子" についてのトーク・イヴェント!
2012.01.23
安齋肇と湯浅学のパープル新年会
渋谷の夜で、画伯と音楽評論家の湯浅学さんが
延々トークしながらビデオを見たりするパープル新年会です。
どなた様もお気軽にご参加下さい!
< 出 演 > 安齋 肇(イラストレーター)、湯浅 学(音楽評論家)
< 司 会 > 浅川満寛(青林工藝舍)
■ 日 時:2012年1月27日(金) / OPEN 18:30、START 19:00
■ 会 場:UPLINK FACTORY(渋谷区宇田川町37-18 トツネビル 2F)

■安齋肇ウェッブ
http://www.office-123.com/harold/news.html
■アップリンク・ウェッブ
http://www.uplink.co.jp/factory/log/004276.php

(ツナさんのご協力を得ました。改めて感謝です)

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