◎ フランク・マッコム・トリオ~ハービー・ミーツ・スティーヴィー
2012年3月12日 音楽◎フランク・マッコム・トリオ~ハービー・ミーツ・スティーヴィー
【Frank McComb: Herbie Meets Stevie】
魅力。
昨年(2011年)3月、震災直前に来日してからちょうど1年ぶりのフランク・マッコムのコットンでのライヴは、彼もインドネシアで行われた「ジャヴァ・ジャズ・フェス」帰り。コットン3日、モーション・ブルー1日行った。2004年初来日以来、何度も来日してすっかり日本びいきのフランクは固定ファンも獲得。
さて、時間ぎりぎりにセンターの空いてる席に座ったら隣は、柴田敏弥(敏孝)さん、神谷エリさん、向こうにはまた高田真さん。
いきなり、ローズでの長めのイントロから「キューピッドズ・アロー」でその渋い喉を聴かせる。キーボード・プレイももちろんいいのだが、やはり、半分は歌って欲しいところ。(笑) と思ったら、この日はずいぶんとフランクは歌った。途中に長いソロをいれたものもあるが、一応、全曲歌った。
どの曲もオリジナルからかなりスタイル、雰囲気を変えて独自のアレンジで、くずして歌う。ここまで自身の曲を自分で新しいものに出来るというのはアレンジの才能なのだろう。
おもしろいのは、ローズを弾いていると、ちょっとハービー・ハンコック風だが、それにあわせて歌い始めるとスティーヴィー・ワンダー風になるところ。まるでハービー・ミーツ・スティーヴィーという感じだ。
キーボードは実に力強くアドリブのタッチに、よくベースのアンソニーとドラムスのロニーがきっちりついてくる。このトリオは昨年も一緒だったが、もうまさに阿吽(あうん)の呼吸で、フランクがどこで何をしようが対応してくる。
彼らは楽譜に書かれたことだけでなく、そこに3人のその瞬間瞬間のミュージシャンシップから生まれる空気とグルーヴをプレイする。だから、楽譜以上の演奏がでてくるわけだ。このあたりが、実に力強い。
フランクの魅力ってなんだろうと改めて考えた。やはりこの強力なキーボード・プレイと、このしなやかで柔軟性のある歌声だ。ときにスティーヴィー、ときにダニーを思わせるこの声は、それだけで武器だ。
フランクは、ジャカルタのジャヴァ・ジャズ・フェスが終わった後、宿泊先のホテルのラウンジでジャム・セッションをしていた。ちょうど、フランクの持ち歌でもあるスティーヴィーの「スーパースター(ホエア・アー・ユー・ホエン・アイ・ニード・ユー)」を歌っていたら、スティーヴィー本人とジョージ・デュークがやってきて、そのままジョイント・セッションになったという。それまで、そのセッションを見てる人はそれほどではなかったが、スティーヴィーとジョージが来たら、いきなり大変な人だかりとなり、みんなが携帯で写真や動画を撮り始めたという。フランクによると、まだ自分も見ていないので、動画などあったら、フランクのサイトに送ってくれ、と呼びかけているそうだ。
その動画がアップされた。
http://www.youtube.com/watch?v=Fot43PgbjLo
画面左下にフランク、中央にスティーヴィー(立って歌う)、右の奥にジョージ・デューク。フランクは「スーパーウーマン」を歌っていたが、そこにスティーヴィーが参加。
そんなわけで、今回のフランクのステージは、いつになく、ダニー色よりスティーヴィー・ワンダー色が強かったような気がする。
また、アコースティック・ピアノで3曲(下記セットリスト3~5)ほど歌ったが、これもなかなかよかった。この間は、ベースとドラムスは、いい感じでフランクのソロを楽しんでいるようだ。
昨年もやっていたが、「スーパースティション」は、よりハードに、後半の盛り上がりがすごい。そして、これも昨年同様だが、アンコールの「ドゥ・ユー・リメンバー・ラヴ」も徐々に盛り上がり、後半では、スティーヴィーの「ユーヴ・ガット・バッド・ガール」を入れ込んだ。フランク、アンソニー、ロビーの3人が一体となり、強烈なソウル玉となって観客に降り注ぐ。
途中のMCで日本のみんながいつもサポートしてくれて感謝している、自分はマネージャーもレコード会社もない。全部自分でやっている。こうやってここコットンクラブに来られるのは、みなさんのおかげだ。だから、津波・地震にやられた日本のみなさんのために、今日は自分のCD、普通は2000円以上するものを1000円でお分けして、後でサインもする、とアナウンス。
ライヴ後さっそくサイン会を始めたが、1000円のCDは、本人のアルバムだが、なんと自分でカラーコピーのジャケットをつけて自分で焼いたCDだったので受けた。(笑)
だが、サインもして、写真も撮って、サーヴィス精神旺盛だ。
今回のライヴは、ヴォーカルが多かったので、何かとても聞き易かった。
コットンクラブのサイト。ライヴ映像がアップされています
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/120307_frank/
■フランク・マッコム「ラヴ・ラヴ・ラヴ」動画
http://youtu.be/CocoZhYhYXw
■フランク・マッコム過去記事(一部)
(2004年の初来日からかなり追っかけてます)
2011年03月09日(水)
フランク・マッコム・ライヴ~新作『ニュー・ビギニング』を従えて
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10824696197.html
(過去記事全一覧はここに)
2004/02/16 (Mon)
Second Coming Of Donny Hathaway? : Frank McComb Is Keep On Runnin’ Like Forrest Gump
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040216.html
(フランクのインタヴューも含めたいい紹介の記事)
2009年12月26日(土)
フランク・マッコム・ライヴ@モーション・ブルー
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10419667061.html
December 29, 2007
Frank McComb & Gatz Live: Back To Back
【「もっと歌って」のフランク・マッコム・ライヴ】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002232.html
December 07, 2006
Frank McComb Live At Cotton Club
http://blog.soulsearchin.com/archives/001440.html
■ニュー・ビギニング (最新作)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004H7I46Y/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■ザ・トゥルース (名盤)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001924R2/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■メンバー
Frank McComb (keyboards, piano, vocal)
Anthony Crawford (bass)
Robert Miller (drums)
■セットリスト
Setlist : Frank McComb, Cotton Club, March 8, 2012
Show started 21:32
1. Cupid’s Arrow
2. Inspire A Life
3. Gotta Find A Way
4. Time And Time Again
5. Left Alone
6. Superstition
Enc. Do You Remember Love – a riff of You’ve Got Bad Girl
Show ended 22:53
(2012年3月8日木曜、丸の内コットンクラブ、フランク・マッコム・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>McComb, Frank
【Frank McComb: Herbie Meets Stevie】
魅力。
昨年(2011年)3月、震災直前に来日してからちょうど1年ぶりのフランク・マッコムのコットンでのライヴは、彼もインドネシアで行われた「ジャヴァ・ジャズ・フェス」帰り。コットン3日、モーション・ブルー1日行った。2004年初来日以来、何度も来日してすっかり日本びいきのフランクは固定ファンも獲得。
さて、時間ぎりぎりにセンターの空いてる席に座ったら隣は、柴田敏弥(敏孝)さん、神谷エリさん、向こうにはまた高田真さん。
いきなり、ローズでの長めのイントロから「キューピッドズ・アロー」でその渋い喉を聴かせる。キーボード・プレイももちろんいいのだが、やはり、半分は歌って欲しいところ。(笑) と思ったら、この日はずいぶんとフランクは歌った。途中に長いソロをいれたものもあるが、一応、全曲歌った。
どの曲もオリジナルからかなりスタイル、雰囲気を変えて独自のアレンジで、くずして歌う。ここまで自身の曲を自分で新しいものに出来るというのはアレンジの才能なのだろう。
おもしろいのは、ローズを弾いていると、ちょっとハービー・ハンコック風だが、それにあわせて歌い始めるとスティーヴィー・ワンダー風になるところ。まるでハービー・ミーツ・スティーヴィーという感じだ。
キーボードは実に力強くアドリブのタッチに、よくベースのアンソニーとドラムスのロニーがきっちりついてくる。このトリオは昨年も一緒だったが、もうまさに阿吽(あうん)の呼吸で、フランクがどこで何をしようが対応してくる。
彼らは楽譜に書かれたことだけでなく、そこに3人のその瞬間瞬間のミュージシャンシップから生まれる空気とグルーヴをプレイする。だから、楽譜以上の演奏がでてくるわけだ。このあたりが、実に力強い。
フランクの魅力ってなんだろうと改めて考えた。やはりこの強力なキーボード・プレイと、このしなやかで柔軟性のある歌声だ。ときにスティーヴィー、ときにダニーを思わせるこの声は、それだけで武器だ。
フランクは、ジャカルタのジャヴァ・ジャズ・フェスが終わった後、宿泊先のホテルのラウンジでジャム・セッションをしていた。ちょうど、フランクの持ち歌でもあるスティーヴィーの「スーパースター(ホエア・アー・ユー・ホエン・アイ・ニード・ユー)」を歌っていたら、スティーヴィー本人とジョージ・デュークがやってきて、そのままジョイント・セッションになったという。それまで、そのセッションを見てる人はそれほどではなかったが、スティーヴィーとジョージが来たら、いきなり大変な人だかりとなり、みんなが携帯で写真や動画を撮り始めたという。フランクによると、まだ自分も見ていないので、動画などあったら、フランクのサイトに送ってくれ、と呼びかけているそうだ。
その動画がアップされた。
http://www.youtube.com/watch?v=Fot43PgbjLo
画面左下にフランク、中央にスティーヴィー(立って歌う)、右の奥にジョージ・デューク。フランクは「スーパーウーマン」を歌っていたが、そこにスティーヴィーが参加。
そんなわけで、今回のフランクのステージは、いつになく、ダニー色よりスティーヴィー・ワンダー色が強かったような気がする。
また、アコースティック・ピアノで3曲(下記セットリスト3~5)ほど歌ったが、これもなかなかよかった。この間は、ベースとドラムスは、いい感じでフランクのソロを楽しんでいるようだ。
昨年もやっていたが、「スーパースティション」は、よりハードに、後半の盛り上がりがすごい。そして、これも昨年同様だが、アンコールの「ドゥ・ユー・リメンバー・ラヴ」も徐々に盛り上がり、後半では、スティーヴィーの「ユーヴ・ガット・バッド・ガール」を入れ込んだ。フランク、アンソニー、ロビーの3人が一体となり、強烈なソウル玉となって観客に降り注ぐ。
途中のMCで日本のみんながいつもサポートしてくれて感謝している、自分はマネージャーもレコード会社もない。全部自分でやっている。こうやってここコットンクラブに来られるのは、みなさんのおかげだ。だから、津波・地震にやられた日本のみなさんのために、今日は自分のCD、普通は2000円以上するものを1000円でお分けして、後でサインもする、とアナウンス。
ライヴ後さっそくサイン会を始めたが、1000円のCDは、本人のアルバムだが、なんと自分でカラーコピーのジャケットをつけて自分で焼いたCDだったので受けた。(笑)
だが、サインもして、写真も撮って、サーヴィス精神旺盛だ。
今回のライヴは、ヴォーカルが多かったので、何かとても聞き易かった。
コットンクラブのサイト。ライヴ映像がアップされています
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/120307_frank/
■フランク・マッコム「ラヴ・ラヴ・ラヴ」動画
http://youtu.be/CocoZhYhYXw
■フランク・マッコム過去記事(一部)
(2004年の初来日からかなり追っかけてます)
2011年03月09日(水)
フランク・マッコム・ライヴ~新作『ニュー・ビギニング』を従えて
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10824696197.html
(過去記事全一覧はここに)
2004/02/16 (Mon)
Second Coming Of Donny Hathaway? : Frank McComb Is Keep On Runnin’ Like Forrest Gump
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040216.html
(フランクのインタヴューも含めたいい紹介の記事)
2009年12月26日(土)
フランク・マッコム・ライヴ@モーション・ブルー
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10419667061.html
December 29, 2007
Frank McComb & Gatz Live: Back To Back
【「もっと歌って」のフランク・マッコム・ライヴ】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002232.html
December 07, 2006
Frank McComb Live At Cotton Club
http://blog.soulsearchin.com/archives/001440.html
■ニュー・ビギニング (最新作)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004H7I46Y/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■ザ・トゥルース (名盤)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001924R2/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■メンバー
Frank McComb (keyboards, piano, vocal)
Anthony Crawford (bass)
Robert Miller (drums)
■セットリスト
Setlist : Frank McComb, Cotton Club, March 8, 2012
Show started 21:32
1. Cupid’s Arrow
2. Inspire A Life
3. Gotta Find A Way
4. Time And Time Again
5. Left Alone
6. Superstition
Enc. Do You Remember Love – a riff of You’ve Got Bad Girl
Show ended 22:53
(2012年3月8日木曜、丸の内コットンクラブ、フランク・マッコム・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>McComb, Frank
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