■白人系ヒットをよく知っているブラザー、マーヴィンD~『レッツ・ダンス』紹介

【Marvin’s Roommate】

3対1。

昨日の『ソウル・ブレンズ』内「ソウル・サーチン」では、冒頭4月1日がマーヴィン・ゲイの命日ということで、マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイング・オン」をかけながら、マーヴィンの話をした。その後、先月末やっと発売されたDJオッシー選曲・監修のディスコ・オムニバス『レッツ・ダンス』をご紹介。

これは、けっこう白人系のダンス・ヒットが多いのだが、おもしろいのがDJマーヴィン・デンジャーフィールドは、黒人なのに意外と白人系のヒットもよく知っているということ。スティーヴ・ミラーの「アブラカダブラ」をBGMでかけたが、歌詞を覚えていて、歌ったほど。そして、「うん、これ、踊れるよ!」

って、踊れる曲ばっかり選ばれたコンピです。(笑)

なぜマーヴィンがこうした白人系も知っているのか。

それは、実は彼の米軍時代のルームメイトに白人がいたからだ。1980年代初期、軍の寮は一部屋四人で3人がブラック、1人だけジムという男が白人だった。みんなそれぞれ好きなタイプの音楽があったが、ブラックの3人は皆ブラック・ミュージック、ソウル、R&Bを自分のラジカセ(ブーンボックス)でかける。ところが白人のジムはフォリナーだジャーニーだの白人ロックをかける。まあ、当たり前だ。

そこで、彼らは大体昼間から夕方にかけてはブラックが好きな曲をかけ、夜就寝まではジムが好きな白人の曲をかけることにしていた、と決めた。

仕事は朝5時から1時くらいまで。午後はブラック・ミュージック、夜はロック。それで、マーヴィンたちはジムがかけるロックを聴きたくなくても耳にして、親しんだというのだ。

マーヴィンの雑多な音楽趣味はこの頃に形成されたわけだ。

昨日かけた「ワン・ナイト・イン・バンコック」は、1984年ロンドンで始まったミュージカル『チェス』の一番人気曲。アバのメンバー、ビョルンとベニーらが書いた。このミュージカルは、ロシア人とアメリカ人のチェスの王者を賭けた戦いと、そのマネージャーが相手の選手と恋に落ちるというラヴ・トライアングルを描いた作品で、その後現在まで世界各地で公演が続く大ヒット作品。

これはマーヴィンも知っていた。しかし、もう1曲「ホリデイ・ラップ」は、マーヴィンはあまり知らなかった。不思議なことにこのオランダ産のディスコは、アメリカではリリースされておらず、まったく話題にもなっていないのだ。そのかわりヨーロッパでは各国で大ヒットを記録している。

ところで、マーヴィン、黒人の仲間内ではこういう白人系を聴いて知ってるということはおくびにも出さなかったそうだ。「そりゃそうだよ~~」とマーヴィン。黒人でこういう白人もの聴いていたら、やっぱり恥ずかしかったみたい。(笑) 

■『レッツ・ダンス』

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■マーヴィン・ゲイ~傑作アルバム

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RADIO>SOUL BLENDS
ALBUM>Let’s Dance

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