◎シック・ナイル・ロジャーズ、バーナード・エドワーズの命日にライヴ~12月年末カウントダウンに再来日を発表

【Nile Rodgers : Live On Bernard’s Passing Day】

命日初日。

ファーストが押したということで、ちょっと遅れてまずナイル・ロジャーズが楽屋から一人ででてきて、観客のファンとあいさつをしながら、少しずつステージに。ファンから握手を求められたりして、なかなかステージまでいけない。そして、やっとステージにたどり着くと、楽屋出口で待機していたミュージシャンたちが、全員白のスーツに身を包み、ニューオーリーンズ風鼓笛隊のごとく、列を成して音を出しながら、ステージに向かう。いよいよシックのライヴの始まりだ。

ベースとドラム、その他の楽器が一気に音を出すと、もう1曲目にもかかわらず、そして初日もかかわらず満席の観客は総立ち。パーティーが始まった。

昨年の2度の来日を含め、通算13回目の来日。なんと前回は4月18日が最終日だったが、今回は初日が4月18日。4月18日は、もちろん、盟友親友バーナード・エドワーズの命日だ。

昨年は癌の手術をしてから初めてのライヴ・ツアーで、周囲も心配したが、今年は元気いっぱいの様子。冒頭でファンにあいさつをしながらステージにあがるだけでなく、ライヴ終了後も、逆サイド(入って奥側)からファンにもみくちゃにされながら、一人一人と話をしながら、楽屋までゆっくりと戻っていく。大サーヴィスぶりだ。

そして、楽屋に戻り、一息つくと、すぐに上の階でサイン会。ファンとのふれあいが本当に好きなんだな、と思う。

オリジナル。

ナイルが観客に尋ねる。「今日、初めてシックを見る人?」 すると何人かが手を上げた。1割もいないのではないか。まあ、恥ずかしくて手を上げなかったのかもしれないが、それでも、3割も「初めてのシック(ハジシク)」はいない様子。それだけリピーターが多いということだ。そして、続けて言った。「みなさんはごぞんじないかもしれませんが、今日ここで僕たちがプレイしている曲はすべて僕が、あるいは僕とパートナーのバーナードで、書いた曲なのです。僕たちはカヴァー・バンドじゃないんです。オリジナル・プレイヤーがプレイしています」

ヒット曲メドレーはとにかく盛り上がる。

この日ちょっとしたハプニングがあった。12曲目の「オープン・アップ」が終わった後、ラルフが歌う「レッツ・ダンス」に行くところで、フォラミとキムの女性シンガーが着替えて戻ってくるはずだったが、着るものにトラブルがあり、なかなか帰ってこなかった。そこで、ナイルやミュージシャンたちが遊びで適当にジャムセッションを始めた。

すると、2曲ほどほんのリフを弾いた後、ナイルがアース・ウィンド&ファイアーの「サン・ゴッデス(太陽の女神)」を弾き始めた。するとキーボードのリッチ・ヒルトンがそれをサポート、けっこうプレイした後、今度はサックスのビル・ホロマンが「ファンタジー」のメロディーを弾き出し、これまたけっこうプレイした。いわば、セットリストにはない「おまけ」だったのだが、けっこう受けた。

ライヴ・アンコールのところでナイルは言った。「今日、やった曲は僕たちが書いた曲だが、アース・ウィンド&ファイアーの曲は例外だ」と言ってまたまた受けていた。

彼らのライヴを見ていると、彼らの大ヒット曲「ウィ・アー・ファミリー」を地で行くように感じる。つまり、バンド・メンバーも、オーディエンスも、そして、ブルーノートのお店のスタッフも、シックの関係者もみな、ひとつのファミリーという感じがしてくる。みんな仲良く難しいこと考えずに、音楽を楽しもう、パーティーだ、って感じで、その「ファミリー」っぽさに、とても心温まる感じがする。きっと、それは、ナイル・ロジャーズ本人の「ウィ・アー・ファミリー」のスピリットがメンバーにも、そしてオーディエンスにもスタッフにも伝わっていくからなのだろう。

大発表。

ナイルのMCのなかで、大ニュースが発表された。今年の年末から年始にかけて、カウントダウンを含め約一週間再度来日するという。詳細は後日発表されるが、いずれにせよ、ブルーノートの今年のカウントダウンはシックになるということだ。

◎ライヴは土曜日まで、ブルーノート東京
http://www.bluenote.co.jp/jp/artist/nile-rodgers/

■過去ナイル・ロジャーズ関連記事

ナイル・ロジャーズ、1日だけのブルーノート・ライヴ
2011年05月31日(火)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10907507216.html
(前回来日記事)

ナイル・ロジャーズ、万感の思いを込めて15周年ライヴ・スタート
2011年04月14日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10860777137.html
(前々回来日記事)

ナイル・ロジャーズ来日記念特集~過去ナイル関連記事
2011年04月15日(金)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10861031113.html
(過去記事一覧)

■ナイル・ロジャーズ 『エヴリバディ・ダンス』最新ベスト・ヒット集(ライナーノーツ・吉岡正晴) 

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■メンバー

Nile Rodgers(g,vo)
ナイル・ロジャーズ(ギター、ヴォーカル)
Kimberly Davis(vo)
キンバリー・デイヴィス(ヴォーカル)
Folami(vo)
フォラミ(ヴォーカル)
Bill Holloman(sax)
ビル・ホロマン(サックス)
Steve Jankowski(tp)
スティーヴ・ヤンコウスキ(トランペット)
Rich Hilton(key)
リッチ・ヒルトン(キーボード)
Selan Lerner(key)
セラン・リーナー(キーボード)
Jerry Barnes(b)
ジェリー・バーンズ(ベース)
Ralph Roll(ds)
ラルフ・ロール(ドラムス)

■ セットリスト ナイル・ロジャーズ、2012年4月18日水曜、ブルーノート東京
Setlist: Nile Rodgers, April 18, 2012

Nile appeared 21:48
show started 21:52
01.Intro (as the band walked through the crowd)
02.Hangin’
03.Everybody Dance
04.Dance, Dance, Dance (Yowsah, Yowsah, Yowsah)
05.I Want Your Love (Kim) (A riff of I Want To Take You Higher)
06.I’m Coming Out
07.Upside Down
08.He’s The Greatest Dance
09.We’re Family
10.Soup For One - Lady (Here Me Tonight) – Soup For One
11.Like A Virgin
12.Open Up
00.while waiting for Folami and Kim, they jammed Stella By Starlight – Giant Steps – Sun Goddess – Fantasy
13.Let’s Dance (Ralph)
14.Lost In Music (new, this year) (Folami)
15.Notorious (new, this year)
16.Thinking Of You
17.Chic Cheer
18.My Forbidden Lover – a riff of Beyonce’s Crazy In Love
19.Le Freak
00.Before encore, while introducing members, Ralph sings Biggie’s “One More Chance”, “Juicy”
20.Goodtimes – Rapper’s Delight – Goodtimes
21.Hangin’(as the band walked through the crowd)
Show ended 23:33
Nile left crowd 23:43

(2012年4月18日水曜、東京ブルーノート、ナイル・ロジャーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Rodgers, Nile
2012-

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