★ジャスミン・カラ&フレンズ・トークス~デビュー作は2日で録音
2012年6月15日 音楽★ジャスミン・カラ&フレンズ・トークス~デビュー作は2日で録音
【Jasmine Kara & Friends Talks】
ワンテイク。
初来日のジャスミンとそのご一行は大いに日本を楽しんでいったようだ。なにより、性格もよく気持ちのよい若いミュージシャンたちのほとんどが初来日ということで、おおはしゃぎだったという感じだ。
ライヴ後に楽屋であいさつをしているときに、いろいろと話を聴いた。
ジャスミンのデビュー作は、2年前にたった二日で録音したという。しかも、バンドの演奏とジャスミンの歌は、同時に「せーの」で始めてレコーディングした。バンドと歌の録音が同時という意味だ。最近は、バンドを先にとってから、ヴォーカルは後から録音することが多いので、珍しい。そして、ジャスミンのヴォーカルはすべてワンテイク、つまり、最初のレコーディングのものが使われている、という。
マーシャル・チェスが何曲かジャスミンに聞かせて、そこからジャスミンが12曲ほど選んだそうだ。
そして、そんなレコーディング・メンバーがほぼそのまま来日。
ブルーズ。
ギターのクリスは、まだ26歳だが、その若さに似合わず渋いブルーズ・ギターのフレーズを存分に弾く。一体どうやってこの古い60年代のブルーズ・サウンドを習得したのか。
クリスが言う。「僕の父がバンドマンで、こういう曲をたくさんやっていたんだ。父がレコードをたくさん持っていて、好き勝手に聞いていて、覚えた。好きなギタリストは、多すぎて言えない。ジョニー・ギター・ワトソン、アルバート・キング、BBキング、Tボーン・ウォーカー、フレディー・キング、ジミ・ヘンドリックス、スティーヴ・レイ・ヴォーン…」
お父さんは、ブルーズ・ドラマーだったそうで、クリスがギターを弾くようになると一緒にバンド活動をしたこともある。「だけど、もうやらないよ。すぐに喧嘩になっちゃうんだ。(笑) 一度なんかライヴのあと、3週間も口を聞かなかったことさえあるよ(笑)」
だが、彼のギターはかなり本格的だった。そんな彼もフルタイムではミュージシャンとしてはまだ食べていけないそうで、昼間はIT系のセールスマンをしている。
スウェーデンのストックホルムにはブルーノートくらいのライヴハウスがあるが、そこでアーティストが一日やると、もう半年はできないという。人口が少ないからだ。スウェーデン全土で800万人の人口。それと比べると東京で4日間ライヴが出来るというのは、すごいことだろう。
ヴォーカル。
ヴォーカルのジェスパーは、ネオ・ソウル系のR&Bシンガーが大好きで、エリック・ロバートソンがデンマークに来たときには、そのバンドを手配して、自らコーラスもてがけた。ラッサーン・パターソンなどのブッキングもてがけたという。
ジェスパーが一番影響を受けたのはダニー・ハザウェイだそうだ。なるほど、よくわかる。日曜のライヴ後はもう声が枯れていたが、なんと金曜日に東京でクラブに行き、朝方まで大声でしゃべってしまったために、声が枯れてしまったという。
次作。
ジャスミンたちはすでに次の作品のレコーディングにかかっている、という。12-3曲、トラックは録音し終えていて、あとはジャスミンのヴォーカルを録音するだけになっている。おそらく、帰国後すぐにレコーディングに入るだろう。
基本的にはファーストと同じ路線だが、ファーストにはなかったジャスミンのオリジナルが加わるようだ。
ジャスミンのハイパーアクティヴなキャラクターについて、メンバーはこう語る。
「デビュー・アルバムを出すときに、レコード会社が1ページくらいのバイオグラフィーが欲しいとジャスミンに言った。そうしたら、ジャスミンはどんどん書き綴って、それが長くなり、結局、一冊の本を書き上げてしまったほどなんだよ。(笑) 彼女のクリエイティヴな才能は計り知れない。いくらでも、なんでも書ける。どこでも曲のアイデアが浮かぶんだ。飛行機に乗ってても、空港でも、ライヴが終わった後でも、東京で街に出ても、曲の構想が思い浮かぶみたいだよ」
オリジナル曲(「アイ・ラヴ・ユー」今回ライヴで披露した未発表曲のひとつ)を、今年3月(2012年3月)のマーシャル・チェスの70歳の誕生日パーティーで歌ったところ、マーシャルがものすごく気に入り、「これはエタ・ジェームスに歌わせたかった」とベタ惚れしたという。ジャスミンのソングライターとしての才能もこれから花開くことになるのだろう。
次作には、東京で受けた影響の見られる作品も生まれるかもしれない。
徹夜。
最終日日曜のライヴのあと、メンバーはレコード会社のスタッフに連れられて、下北沢のソウルバー「リトル・ソウル・カフェ」に出向いて、なんと朝まで遊んでいたそうだ。帰国便が朝早く、ホテル集合が6時とかで、その頃までいたとか。きっと機内では爆睡できたことだろう。
デビュー作は、60年代の名門R&Bレーベル、チェス・レコードの作品ばかりをカヴァー。まさに古めのソウル、R&Bファンから、最近のエイミー・ワインハウスなどが気に入っている若いファン層にもアピールしている。
■ デビュー作 (日本盤ライナーで、ジャスミン・カラの詳細バイオ、カヴァー曲のオリジナルの解説を書きました)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007UOQZNA/soulsearchiho-22/ref=nosim
■メンバー
Jasmine Kara(vo)
ジャスミン・カラ(ヴォーカル)
Jesper Lagercrantz(back vo)
ジェスパー・ラーゲルクランツ(バックヴォーカル)
Petter "Professor P" Bergander(key,org)
ペッテル“プロフェッサーP” ベリガンデー(キーボード、オルガン)
Tore "Big T" Berglund(sax)
トーレ“ビッグT”ベリルンド (サックス)
Magnus Wiklund(tb)
マグヌス・ヴィークルンド(トロンボーン)
Chris "Lil’ Chris" Shorooi(g)
クリス“リル・クリス”ショルーイ(ギター)
Joacim "Mad Midget" Otterbjörk(b)
ヨアキム“マッド・ミジェット”オッテルビヨルク(ベース)
Andreas "Mean Machinery" Henriksson(ds)
アンドレアス“ミーン・マシーナリー”ヘンリクソン(ドラムス)
■ セットリスト
show started 20:09
01.Liberation Conversation
02.Fire
03.Are You Doing Me Wrong
04.My Babe
05.In The Basement
06.I Love U (new)
07.Ordinary Joe
08.Must I Holler
09.Try My Love Again
10.Grits Ain’t Groceries
11.My Party
12.Ain’t No More Room
13.What Could Have Been (new-Jasmin original)
14.Liberation Conversation [repeat]
Enc. Open The Door To Your Heart [Darrell Banks]
Show ended 21:15
(2012年6月10日日曜、ブルーノート東京、ジャスミン・カラ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kara, Jasmine
2012-
【Jasmine Kara & Friends Talks】
ワンテイク。
初来日のジャスミンとそのご一行は大いに日本を楽しんでいったようだ。なにより、性格もよく気持ちのよい若いミュージシャンたちのほとんどが初来日ということで、おおはしゃぎだったという感じだ。
ライヴ後に楽屋であいさつをしているときに、いろいろと話を聴いた。
ジャスミンのデビュー作は、2年前にたった二日で録音したという。しかも、バンドの演奏とジャスミンの歌は、同時に「せーの」で始めてレコーディングした。バンドと歌の録音が同時という意味だ。最近は、バンドを先にとってから、ヴォーカルは後から録音することが多いので、珍しい。そして、ジャスミンのヴォーカルはすべてワンテイク、つまり、最初のレコーディングのものが使われている、という。
マーシャル・チェスが何曲かジャスミンに聞かせて、そこからジャスミンが12曲ほど選んだそうだ。
そして、そんなレコーディング・メンバーがほぼそのまま来日。
ブルーズ。
ギターのクリスは、まだ26歳だが、その若さに似合わず渋いブルーズ・ギターのフレーズを存分に弾く。一体どうやってこの古い60年代のブルーズ・サウンドを習得したのか。
クリスが言う。「僕の父がバンドマンで、こういう曲をたくさんやっていたんだ。父がレコードをたくさん持っていて、好き勝手に聞いていて、覚えた。好きなギタリストは、多すぎて言えない。ジョニー・ギター・ワトソン、アルバート・キング、BBキング、Tボーン・ウォーカー、フレディー・キング、ジミ・ヘンドリックス、スティーヴ・レイ・ヴォーン…」
お父さんは、ブルーズ・ドラマーだったそうで、クリスがギターを弾くようになると一緒にバンド活動をしたこともある。「だけど、もうやらないよ。すぐに喧嘩になっちゃうんだ。(笑) 一度なんかライヴのあと、3週間も口を聞かなかったことさえあるよ(笑)」
だが、彼のギターはかなり本格的だった。そんな彼もフルタイムではミュージシャンとしてはまだ食べていけないそうで、昼間はIT系のセールスマンをしている。
スウェーデンのストックホルムにはブルーノートくらいのライヴハウスがあるが、そこでアーティストが一日やると、もう半年はできないという。人口が少ないからだ。スウェーデン全土で800万人の人口。それと比べると東京で4日間ライヴが出来るというのは、すごいことだろう。
ヴォーカル。
ヴォーカルのジェスパーは、ネオ・ソウル系のR&Bシンガーが大好きで、エリック・ロバートソンがデンマークに来たときには、そのバンドを手配して、自らコーラスもてがけた。ラッサーン・パターソンなどのブッキングもてがけたという。
ジェスパーが一番影響を受けたのはダニー・ハザウェイだそうだ。なるほど、よくわかる。日曜のライヴ後はもう声が枯れていたが、なんと金曜日に東京でクラブに行き、朝方まで大声でしゃべってしまったために、声が枯れてしまったという。
次作。
ジャスミンたちはすでに次の作品のレコーディングにかかっている、という。12-3曲、トラックは録音し終えていて、あとはジャスミンのヴォーカルを録音するだけになっている。おそらく、帰国後すぐにレコーディングに入るだろう。
基本的にはファーストと同じ路線だが、ファーストにはなかったジャスミンのオリジナルが加わるようだ。
ジャスミンのハイパーアクティヴなキャラクターについて、メンバーはこう語る。
「デビュー・アルバムを出すときに、レコード会社が1ページくらいのバイオグラフィーが欲しいとジャスミンに言った。そうしたら、ジャスミンはどんどん書き綴って、それが長くなり、結局、一冊の本を書き上げてしまったほどなんだよ。(笑) 彼女のクリエイティヴな才能は計り知れない。いくらでも、なんでも書ける。どこでも曲のアイデアが浮かぶんだ。飛行機に乗ってても、空港でも、ライヴが終わった後でも、東京で街に出ても、曲の構想が思い浮かぶみたいだよ」
オリジナル曲(「アイ・ラヴ・ユー」今回ライヴで披露した未発表曲のひとつ)を、今年3月(2012年3月)のマーシャル・チェスの70歳の誕生日パーティーで歌ったところ、マーシャルがものすごく気に入り、「これはエタ・ジェームスに歌わせたかった」とベタ惚れしたという。ジャスミンのソングライターとしての才能もこれから花開くことになるのだろう。
次作には、東京で受けた影響の見られる作品も生まれるかもしれない。
徹夜。
最終日日曜のライヴのあと、メンバーはレコード会社のスタッフに連れられて、下北沢のソウルバー「リトル・ソウル・カフェ」に出向いて、なんと朝まで遊んでいたそうだ。帰国便が朝早く、ホテル集合が6時とかで、その頃までいたとか。きっと機内では爆睡できたことだろう。
デビュー作は、60年代の名門R&Bレーベル、チェス・レコードの作品ばかりをカヴァー。まさに古めのソウル、R&Bファンから、最近のエイミー・ワインハウスなどが気に入っている若いファン層にもアピールしている。
■ デビュー作 (日本盤ライナーで、ジャスミン・カラの詳細バイオ、カヴァー曲のオリジナルの解説を書きました)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007UOQZNA/soulsearchiho-22/ref=nosim
■メンバー
Jasmine Kara(vo)
ジャスミン・カラ(ヴォーカル)
Jesper Lagercrantz(back vo)
ジェスパー・ラーゲルクランツ(バックヴォーカル)
Petter "Professor P" Bergander(key,org)
ペッテル“プロフェッサーP” ベリガンデー(キーボード、オルガン)
Tore "Big T" Berglund(sax)
トーレ“ビッグT”ベリルンド (サックス)
Magnus Wiklund(tb)
マグヌス・ヴィークルンド(トロンボーン)
Chris "Lil’ Chris" Shorooi(g)
クリス“リル・クリス”ショルーイ(ギター)
Joacim "Mad Midget" Otterbjörk(b)
ヨアキム“マッド・ミジェット”オッテルビヨルク(ベース)
Andreas "Mean Machinery" Henriksson(ds)
アンドレアス“ミーン・マシーナリー”ヘンリクソン(ドラムス)
■ セットリスト
show started 20:09
01.Liberation Conversation
02.Fire
03.Are You Doing Me Wrong
04.My Babe
05.In The Basement
06.I Love U (new)
07.Ordinary Joe
08.Must I Holler
09.Try My Love Again
10.Grits Ain’t Groceries
11.My Party
12.Ain’t No More Room
13.What Could Have Been (new-Jasmin original)
14.Liberation Conversation [repeat]
Enc. Open The Door To Your Heart [Darrell Banks]
Show ended 21:15
(2012年6月10日日曜、ブルーノート東京、ジャスミン・カラ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kara, Jasmine
2012-
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