★◆本間将人さん、サックスを語る
2012年8月25日 音楽★◆本間将人さん、サックスを語る
【Honma Masato Talks About Sax】
サックス。
フィール・ザ・フローのライヴ後、メンバーたちと雑談しているときに、サックスの本間さんとサックス談義になった。ちょうど、ブルース・アレイの会場のテレビモニターにスムーズ・ジャズ系のアーティストのライヴ映像が流れていて、サックスの話になった。
サックスのマウスピースは、最近は「ラバー」と呼ばれる合成樹脂でできたマウスが人気になっていて、ラバーで吹くとやわらかい音、音色になるという。以前から主流だった金属のもの(「メタル」と呼ばれる)はエッジの効いた鋭い音が出るのが特徴だそう。
本間さん自身はマイケル・ブレッカーや、デイヴィッド・サンボーンが好きなので普段は金属マウスで吹くが、このフィール・ザ・フローのときもメタル(金属)で吹いていた。
このマウスピースも実は微妙に消耗品で、唇を震わせるために、マウスピース自体が振動し続けている。なので、10年、20年経つと磨耗するという。そこでそうなったら、再度メッキをするそうだ。
金属かラバーかの違いは、本間さんはよく聴くと分るというが、一般の人はほとんどその違いはわからないだろう、という。
「一度、NHKのスタジオでラバーで録音しているときに、白髪のプロデューサーが、それを聴いて僕のところに来て、『本間君、メタル(金属のマウスピース)持ってる?』と言われたことがあって、ものすごくびっくりしましたけど、それくらいかなあ」と思い出す。特にシンガーのトラックをレコーディングするときに、メタルかラバーかを指定されることはまずないそうだ。
同じサックス、まったく同じ楽器を吹いても人によって出てくる音は変わってくる。それが徐々にそのプレイヤーの個性となってくるわけだ。たとえば、デイヴィッド・サンボーンの音は今は一瞬聴いただけでそれとわかる。とは言うものの、その個性が最初からあったわけではない。どれくらい年月を経ると、自分の個性ある音は出来るのだろうか、と本間さんにきいてみた。
タンギング。
サックスの個性というのは、本間さんによると、「タンギング」という舌の使い方によって生まれるという。言ってみれば、この「タンギング」で音のはこび、発音などが微妙に変わり、いろいろな音色を出せるようになる。
マウスピースの中に段のようなものがあり、それを「バッフルが高い」、段がないものを「バッフルなし」などと表現するそうだが、それでまた音が違ってくる。渡辺貞夫さんや、フィル・ウッズ、キャノンボール・アダレーはバッフルなし、デイヴィッド・サンボーン、マイケル・ブレッカー、ケニーGなどはバッフルが高い、そうだ。
本間さんは現在33歳で13歳から吹いていて20年以上やっているが、まだこれが自分の音という境地までは達してないかもしれない、という。
本間さんは高校生の頃、本田雅人さんのサックスが大好きで徹底してコピーしていたという。するとあるとき師匠の先生が、「本田雅人は本田雅人ひとりしかいないんだよ」と言われ、以来コピーするのを辞めたそうだ。
本間さんは、いま、ジャム・カンパニー名義のグループでサックスを中心としたインスト・バンドをやっていてそのアルバムも出ている。これは「メロディーを大切にして、インスト音楽でお客さんを惹き付けよう」というグラシャスの小林社長のコンセプトを体言しようとしているバンドだそうだ。
歌うこと。
本間さんは、「サックスを吹くということは、歌を歌うことと同じなんです。その息づかい、呼吸、歌っぽく吹けないとなかなか人には聴いてもらえません」と言う。
サックス奏法でいつも話題になるのが、ケニーGなどがよくやる「サークル・ブレッシング」という循環呼吸で永遠にひとつの音を鳴らし続ける方法。本間さんは、「僕は鼻炎なんで、あれができないんですよ。一時期練習しましたけど。洗面器に水を張ってストローで息を吐いて水をぶくぶくさせながら、鼻で息を吸う練習をするんです。なかなか難しいですよ」と解説してくれた。
その流れでケニーGの話になり、ケニーGは、本当は超ドジャズが大好きなんだけど、それは絶対に一般受けしないので、誰にでも受け入れられるああいう音楽を完璧に割り切ってやってるんだ、ということを教わった。ケニーGは、金儲けが大変上手で、スターバックスの株も同社の創始期に投資目的で入手し、その後スタバが大ブームになってから売却し大きな利益を得たというのは有名な話だ。
本間さんは自宅に簡単なリハ・スタジオを作り、そこにドラムスを買いたいそうでいろいろ考えてるところだったが、ちょうどこの日のドラムの岸田さんが戻ってきて、しばしドラム談義にも花がさいていた。
そんな取りとめもない音楽談義をしていたら、それを横で聞いていたスクープのコーイチローさんが、「これで、明日のブログまたひとつネタができましたね」と言うので、さっそく書いてみました。
■ジャム・カンパニー、2012年9月14日(金)横浜モーションブルーでライヴ
http://www.motionblue.co.jp/schedule/detail.php?id=1967
■本間さん率いるジャム・カンパニーのデビュー作
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003UV706S/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■2作目
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B005DOXWKI/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■本当はドジャズが好きなケニーGの『エッセンシャル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000EBDCXW/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>MUSIC>INSTRUMENTAL>Sax
【Honma Masato Talks About Sax】
サックス。
フィール・ザ・フローのライヴ後、メンバーたちと雑談しているときに、サックスの本間さんとサックス談義になった。ちょうど、ブルース・アレイの会場のテレビモニターにスムーズ・ジャズ系のアーティストのライヴ映像が流れていて、サックスの話になった。
サックスのマウスピースは、最近は「ラバー」と呼ばれる合成樹脂でできたマウスが人気になっていて、ラバーで吹くとやわらかい音、音色になるという。以前から主流だった金属のもの(「メタル」と呼ばれる)はエッジの効いた鋭い音が出るのが特徴だそう。
本間さん自身はマイケル・ブレッカーや、デイヴィッド・サンボーンが好きなので普段は金属マウスで吹くが、このフィール・ザ・フローのときもメタル(金属)で吹いていた。
このマウスピースも実は微妙に消耗品で、唇を震わせるために、マウスピース自体が振動し続けている。なので、10年、20年経つと磨耗するという。そこでそうなったら、再度メッキをするそうだ。
金属かラバーかの違いは、本間さんはよく聴くと分るというが、一般の人はほとんどその違いはわからないだろう、という。
「一度、NHKのスタジオでラバーで録音しているときに、白髪のプロデューサーが、それを聴いて僕のところに来て、『本間君、メタル(金属のマウスピース)持ってる?』と言われたことがあって、ものすごくびっくりしましたけど、それくらいかなあ」と思い出す。特にシンガーのトラックをレコーディングするときに、メタルかラバーかを指定されることはまずないそうだ。
同じサックス、まったく同じ楽器を吹いても人によって出てくる音は変わってくる。それが徐々にそのプレイヤーの個性となってくるわけだ。たとえば、デイヴィッド・サンボーンの音は今は一瞬聴いただけでそれとわかる。とは言うものの、その個性が最初からあったわけではない。どれくらい年月を経ると、自分の個性ある音は出来るのだろうか、と本間さんにきいてみた。
タンギング。
サックスの個性というのは、本間さんによると、「タンギング」という舌の使い方によって生まれるという。言ってみれば、この「タンギング」で音のはこび、発音などが微妙に変わり、いろいろな音色を出せるようになる。
マウスピースの中に段のようなものがあり、それを「バッフルが高い」、段がないものを「バッフルなし」などと表現するそうだが、それでまた音が違ってくる。渡辺貞夫さんや、フィル・ウッズ、キャノンボール・アダレーはバッフルなし、デイヴィッド・サンボーン、マイケル・ブレッカー、ケニーGなどはバッフルが高い、そうだ。
本間さんは現在33歳で13歳から吹いていて20年以上やっているが、まだこれが自分の音という境地までは達してないかもしれない、という。
本間さんは高校生の頃、本田雅人さんのサックスが大好きで徹底してコピーしていたという。するとあるとき師匠の先生が、「本田雅人は本田雅人ひとりしかいないんだよ」と言われ、以来コピーするのを辞めたそうだ。
本間さんは、いま、ジャム・カンパニー名義のグループでサックスを中心としたインスト・バンドをやっていてそのアルバムも出ている。これは「メロディーを大切にして、インスト音楽でお客さんを惹き付けよう」というグラシャスの小林社長のコンセプトを体言しようとしているバンドだそうだ。
歌うこと。
本間さんは、「サックスを吹くということは、歌を歌うことと同じなんです。その息づかい、呼吸、歌っぽく吹けないとなかなか人には聴いてもらえません」と言う。
サックス奏法でいつも話題になるのが、ケニーGなどがよくやる「サークル・ブレッシング」という循環呼吸で永遠にひとつの音を鳴らし続ける方法。本間さんは、「僕は鼻炎なんで、あれができないんですよ。一時期練習しましたけど。洗面器に水を張ってストローで息を吐いて水をぶくぶくさせながら、鼻で息を吸う練習をするんです。なかなか難しいですよ」と解説してくれた。
その流れでケニーGの話になり、ケニーGは、本当は超ドジャズが大好きなんだけど、それは絶対に一般受けしないので、誰にでも受け入れられるああいう音楽を完璧に割り切ってやってるんだ、ということを教わった。ケニーGは、金儲けが大変上手で、スターバックスの株も同社の創始期に投資目的で入手し、その後スタバが大ブームになってから売却し大きな利益を得たというのは有名な話だ。
本間さんは自宅に簡単なリハ・スタジオを作り、そこにドラムスを買いたいそうでいろいろ考えてるところだったが、ちょうどこの日のドラムの岸田さんが戻ってきて、しばしドラム談義にも花がさいていた。
そんな取りとめもない音楽談義をしていたら、それを横で聞いていたスクープのコーイチローさんが、「これで、明日のブログまたひとつネタができましたね」と言うので、さっそく書いてみました。
■ジャム・カンパニー、2012年9月14日(金)横浜モーションブルーでライヴ
http://www.motionblue.co.jp/schedule/detail.php?id=1967
■本間さん率いるジャム・カンパニーのデビュー作
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003UV706S/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■2作目
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B005DOXWKI/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■本当はドジャズが好きなケニーGの『エッセンシャル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000EBDCXW/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>MUSIC>INSTRUMENTAL>Sax
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