○ 結成50年ア・カペラの超大物パースエージョンズ奇跡の初来日

【Persuasions Will Do First Japan Gig】

初来日。

1962年に結成されてから半世紀、ア・カペラ・グループとして多くの後輩グループから尊敬の念を持たれている超ヴェテラン、パースエージョンズの初来日が決まった。2012年12月26日(水)から29日(土)まで4日間、丸の内コットンクラブに登場。1日2ステージを行なう。予約受付は2012年10月13日(土)から。

パースエージョンズのオリジナル・メンバーの一人、ジェシー・スイート・ジョー・ラッセルが今年の5月に死去したが、コットンはその死去以前からずっと来日交渉を続けていたという。

今回の来日メンバーは次の5人。
Jimmy Hayes (b,vo), ジミー・ヘイズ
Jayotis Washington (baritone vo), ジョイオーティス・ワシントン
Dave Revels (second tenor / lead vo), デイヴ・レヴェルズ
Richard Hidlebird (second tenor / baritone vo ) リチャード・ヒドルバード
Cliff Dawson Cliff Dawson (first tenor vo),クリフ・ドーソン

来日詳細はこちら。
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/2012/1226_persuasions/

ジミーとジョイオーティスが1962年結成以来のメンバー。オリジナルのジェシーが今年5月死去、またトゥーボことハーバート・ロードは1988年に死去している。

デイヴは、イギリス・ロンドン出身。ヴェテランでこれまでにドリフターズ、ベンEキング、プラターズなどに参加してきたという。パースエージョンズがリリースしたU2、ビートルズのトリビュート・アルバムに参加。ライヴにも参加していたらしい。

パースエージョンズは、後輩のア・カペラ・グループ、テイク6、ナチュラリー7、ヴォーカル・グループ、ボーイズ・トゥ・メン、パースエーダーズなどに多大な影響を与えたア・カペラ界の大御所。特に彼らが歌うヒット「ルッキング・フォー・アン・エコー」は、「ア・カペラを歌うためにエコーのある場所を探して」というア・カペラ界のアンセム、テーマ的存在になって多くのア・カペラ・グループがこれをカヴァーする。

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歴史。

パースエージョンズは、ジェシー・“スイート・ジョー”・ラッセル(1939年9月25日ノース・キャロライナ出身)、ジェリー・ローソン(1944年生まれ=フロリダ出身。リード・シンガー)、ジョイオーティス・ワシントン、ハーバート・“トゥーボ”・ロード(1944年~1988年)、ジミー・“ブラ”・ヘイズ(ヴァージニア州出身、ベース担当)とともに1962年頃にニューヨーク・ハーレムで結成された。ジェリーはお店のガードマン(万引き監視員)、ジミーはエレヴェーター・オペレーター、ジョーは肉屋、ジョイオーティスは配管工、ターボは靴のセールスマン。

ジミーが鼻歌まじりに歌いながらエレヴェーターを運転していたところに、ジェリーが乗り、「歌うのか」と声をかけたのがきっかけ。ジェリーがジョーを、ジョーがトゥーボを紹介し、5人が集まったという。当初はバンドを雇おうと思ったが大きな仕事のときに、ギタリストが来なかったため、以後、あてにならないミュージシャンを使うのはやめて、ア・カペラ一本で行こうと、ずっとア・カペラ・グループとしてやることになる。彼らはしばしば地元のバスケット・ボールのコートなどで歌っていた。地元のクラブや、ディオンヌ・ワーウィックの前座なども勤めるようになる。

大きなブレイクは1969年。なんとロックのフランク・ザッパに認められ、彼の誘いでロスアンジェルスに飛び、そこでファースト・アルバムをレコーディング、リリースした。『ア・カペラ』というアルバムだ。フランク・ザッパは、「電話越しでさえ、連中は何か特別だってわかるさ」とまで言う。後に、フランクに捧げるという意味で『フランクリー・ア・カペラ』というアルバムも出した。その後、キャピトルと契約、3枚のアルバムをリリース。1974年にはA&Mから2枚(内1枚は日本でも発売された)、そのほかにMCAなどからもアルバムを出し、1977年にはエレクトラから『チーピン』というアルバムを出す。(これも日本発売された) そのほかにインディ・レーベルで30枚近くの作品を出している。

グレイトフル・デッドやU2、ビートルズなどの楽曲を取り上げたトリビュート作品なども出している。

1982年、映画『ET』のなかで、彼らの「Papa Oom Mow Mow」(パパ・ン・マー・マー)が使用された。

「Papa Oom Mow Mow」
http://youtu.be/CaUcRS4Jr6g

メンバーのうち、ハーバート・“トゥーボ”・ロードは、1988年12月8日、ツアー中に44歳の若さで死去。彼の遺灰は本人の希望でサンフランシスコ湾に撒かれた。

その後彼らは4人組としてグループを続け、ライヴ会場では必ずトゥーボをグループのメンバーとして紹介していた。

1990年10月、映画監督スパイク・リーがア・カペラにスポットを当てたドキュメンタリー映画『ドゥ・イット・ア・カペラ』を製作、この中でもパースエージョンズがフィーチャーされ、彼らの傑作「ルッキン・フォー・アン・エコー」が歌われる。

その後、1990年代中期にやはり彼らのファンで映画監督のフレッド・パーンズという人物が彼らを主人公にしたドキュメンタリー『スプレッド・ザ・ワード:ザ・パースエージョンズ・シング・ア・カペラ』を製作、これは、後にPBSでテレビ放映された。

1996年、元ドリフターズのバーナード”B.J.”ジョンソンが加入。さらに1999年3月、ファースト・テナーにレイモンド・X・サンダースが加入、一時期6人組となった。

今回の来日はジョイオーティスとジミー以外の二人が新メンバー。

2003年に、オリジナルのリード・シンガー、ジェリー・ローソンがグループを脱退。ジェリーは自身のグループ、トーク・オブ・ザ・タウンを結成した。

2009年、グループは、「ドゥー・ワップ殿堂」入りを果たした。

深海。

トム・ウエイツは彼らについてこう言った。「彼らは本当に深い深い深海にもぐっている。僕なんかボートに乗ってるただの釣り人だよ」

「彼らの存在は、ボクシング界で言えば、モハメド・アリのようなものだ。無敵で革新的で、オリジナルで、そして、素晴らしい」(LAウイークリー)

「パースエージョンズのスタイルは、情熱と知性の完璧な結婚だ」(グリル・マーカス)

まさに後に輩出するテイク6、ナチュラリー・7らのア・カペラ・グループの大先駆者だ。

パースエージョンズ・サイト
http://www.thepersuasions.info/index.html

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スパイク・リー監督『ドゥ・イット・ア・カペラ』からパースエージョンズの「ルッキング・フォー・アン・エコー」

http://youtu.be/GQl7dGHogPI



たぶん、左から2番目の赤っぽいセーターを着ている人物がジョー。これは1990年の作品だが、その2年前にターボを失っているので、ここでは4人組。この映像ではでてこないが、別の曲では最後、シルエットが映し出され、ターボへのトリビュートがなされる。

スパイク・リーとジョーやメンバーとは、同じ地区ベッド=スタイに住んでいて顔なじみ。

同映画から「アップ・オン・ザ・ルーフ」。冒頭にスパイク・リーのインタヴュー
http://youtu.be/E-n3jEQlwQ8


向かって左から2番目がジョー・ラッセル

All I Have To Do Is Dream (Everly Brothers)
5人が映っている1974年の映像。後ろの段、中央がジョー・ラッセル

http://youtu.be/hamL-QU8fZI



司会者は、モーリス・リチャード(Maurice Richard "Maury" Povich)。エヴァリー・ブラザースのカヴァーの後に歌うゴスペル曲は、"Somewhere to Lay My Head"。ここでは、ウイリー・ダニエルズというメンバーが入っている。

1971年の映像。バッファロー・ソルジャー

http://youtu.be/hGlZQQFqmcc


最初のナレーションと全体的なリードはジェリー・ローソン。ナレーション後のヴォーカルがジョー・ラッセル。

オールディーズ・メドレー 
http://youtu.be/ilrVyeM4v-E



しかし、彼らの古い映像がたくさん出てくるので驚く。Sincerely – A Thousand Miles Away – etc

「レット・イット・ビー」がゴスペルに変身
http://youtu.be/hDT8SfBH28U

2012年4月19日にWFDU-FMのイヴェントでジョーを除いたメンバーがジョーに捧げたパフォーマンス

http://youtu.be/rxgFW5vzyHM



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『ドゥ・イット・アカペラ』映画サウンドトラック

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ジョー・ラッセル(パースエージョンズ)、死去~名門ア・カペラ・グループの一員
2012年05月10日(木)
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続・パースエージョンズ・トリビュート
2012年05月12日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11247440195.html

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