◎日野皓正ライヴ~古典を壊したいとアグレシヴに日々戦う
2012年10月11日 音楽◎日野皓正ライヴ~古典を壊したいとアグレシヴに日々戦う
【Hino Terumasa Wants To Destory Old School Classic】
破壊。
世界の日野皓正が、DJホンダらを従えてアルバムを作ったユニット、Hファクターとして、グルーヴ感あふれる思い切り実験的なライヴを見せた。第一印象は「もしマイルス・デイヴィスが生きていたら、こんなことをやったんじゃないだろうか」ということ。今までの既成のジャズの概念を完全に打ち破り、斬新な突拍子もないことを次々とやっている。DJホンダは、日野の息子ジーノから紹介されたという。
客層は以前からの日野ファンのためか年齢層が高い人が多いが、若い人もぼちぼちいる。DJホンダやジーノのファンなのだろうか。
ピアノ、ギター2人(1人はマサ小浜)、ベース2人(アコースティックとエレキ)、DJ、そして日野皓正(トランペット、パーカッション)という布陣。ドラムスはおらず、そのリズムはDJホンダが司る。事前に日野さんと打ち合わせをして打ち込んで作ったものだという。
ロンドンあたりのアンダーグラウンド・クラブで煙もうもうの中で深夜までやっているかのようなライヴだ。
6人のリアル・ミュージシャンに1人のDJ。なんとなく、デジタルとアナログががっぷり四つで交差するような感じも受けた。そして曲によって実にファンキーでグルーヴ感あふれ、日野皓正のトランペットが「Can you dance?」と尋ねているかのようだった。もちろんこちらの答えは「Yes we can」なのだが、会場の客は静かだった。彼はトランペットを持ちながらステージ中央でファンキーに踊ってみせたりさえする。先鋭的で前衛的。
スペーシーなサウンドにロック、ジャズ、ソウル、ファンク、アフリカンなどさまざまな要素が入り込み、実験的な側面も多々ある。
3曲(約46分)演奏を終え、初めて日野がしゃべった。「今日来て、戸惑ってる人いるかもしれない、『何だ、これ?』って。『食ったことない』って。ザマーミロと思ってます(客席から笑い) 古典をコテンコテンにしたい。もうすぐ今月の末で70歳ですから、新しいことやりたい」
グループにHが3人(日野皓正、日野賢二、DJホンダ)なので、Hファクター。
ライヴ後、日野さんとちょっと話した。マイルスみたいなアティテュードというか、そういうのを感じました、というと、「そうそう、マイルスがもし生きていたら、こういうのやったんじゃないかって感じだね」と同じようなイメージを持たれているようだった。
そしてもうひとつ、DJのリズム(事前の打ち込み)でやることと、リアルなドラマーでやることの違いというのは日野さんにとってどういう感じなのでしょうか、と尋ねると、「リアルなドラマーだとお互いのやりとりがあるよね、確かに。でも、僕は古典を壊したいんだよ。誰もやってないようなことをやって。だから、地方に彼(DJホンダ)と二人だけで行ったりするんだけど、客がいなかったりするわけ。僕のファンからすれば、DJホンダって誰なんだって、でDJホンダのファンはもちろんたくさんいるんだけど、(こんどはチケットの値段が)高くて来れない。だから客が数人しかいないなんてこともあるんだよ(笑) でも、何かおもしろいこと、フリー・ジャズをやりたいんだよ」
今月25日で70歳。この70歳にして新しいこと、これまでにやってこなかったことへ果敢にアグレシヴに挑戦するアティテュード(姿勢、態度)。これは、ほんとすごい。僕自身も守ってちゃいけない、果敢に攻めなければということを改めて感じ、感服いたしました。
■ 日野皓正、過去関連記事
August 18, 2006
Hino Terumasa Talks: Hino Legend Is Here To Stay
【日野伝説かくありき】
http://blog.soulsearchin.com/archives/001208.html
↑これは、おもしろいです!
2010年04月08日(木)
父と子の共演、日野皓正と日野賢二ライヴ~「ただのギグ」が「ザ・ギグ」になる瞬間
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/201004_ame/entry-10502904950.html
無声映画『メトロポリス』に日野皓正、オマー・エドワーズの即興ライヴ
2009年03月23日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10229036967.html
■DJ ホンダとコラボした最新作 (ただしここに入ってる曲はやってません)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004U7LJY0/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ 『寂光』日野皓正~この日の「フナクラ」収録
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001F6QIUY/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■メンバー
Terumasa Hino(tp) 日野皓正(トランペット)
Masa Kohama(g) マサ小浜(ギター)
Ippei Kato(g) 加藤一平(ギター)
Akira Ishii(p) 石井彰(ピアノ)
Kenji Jino Hino(eb) 日野"JINO"賢二(エレクトリックベース)
Takashi Sugawa(b)須川崇志(アコースティックベース)
dj honda(dj) DJホンダ(DJ)
+++
Akio Yokota(g) from Fried Pride 横田明紀男(ギター) from Fried Pride ※10.9tue.のみ
■セットリスト
Hino Terumasa @ Bluenote, October 8th, 2012
show started 17:01
01.Unity (未録音)
02.Funakura
03.Off The Record
04.DJ Honda: Free Style DJ Performance
05.Never Forget 311 (新録音)
Show ended 18:20
(2012年10月8日月曜、ブルーノート東京、日野皓正ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hino, Terumasa
【Hino Terumasa Wants To Destory Old School Classic】
破壊。
世界の日野皓正が、DJホンダらを従えてアルバムを作ったユニット、Hファクターとして、グルーヴ感あふれる思い切り実験的なライヴを見せた。第一印象は「もしマイルス・デイヴィスが生きていたら、こんなことをやったんじゃないだろうか」ということ。今までの既成のジャズの概念を完全に打ち破り、斬新な突拍子もないことを次々とやっている。DJホンダは、日野の息子ジーノから紹介されたという。
客層は以前からの日野ファンのためか年齢層が高い人が多いが、若い人もぼちぼちいる。DJホンダやジーノのファンなのだろうか。
ピアノ、ギター2人(1人はマサ小浜)、ベース2人(アコースティックとエレキ)、DJ、そして日野皓正(トランペット、パーカッション)という布陣。ドラムスはおらず、そのリズムはDJホンダが司る。事前に日野さんと打ち合わせをして打ち込んで作ったものだという。
ロンドンあたりのアンダーグラウンド・クラブで煙もうもうの中で深夜までやっているかのようなライヴだ。
6人のリアル・ミュージシャンに1人のDJ。なんとなく、デジタルとアナログががっぷり四つで交差するような感じも受けた。そして曲によって実にファンキーでグルーヴ感あふれ、日野皓正のトランペットが「Can you dance?」と尋ねているかのようだった。もちろんこちらの答えは「Yes we can」なのだが、会場の客は静かだった。彼はトランペットを持ちながらステージ中央でファンキーに踊ってみせたりさえする。先鋭的で前衛的。
スペーシーなサウンドにロック、ジャズ、ソウル、ファンク、アフリカンなどさまざまな要素が入り込み、実験的な側面も多々ある。
3曲(約46分)演奏を終え、初めて日野がしゃべった。「今日来て、戸惑ってる人いるかもしれない、『何だ、これ?』って。『食ったことない』って。ザマーミロと思ってます(客席から笑い) 古典をコテンコテンにしたい。もうすぐ今月の末で70歳ですから、新しいことやりたい」
グループにHが3人(日野皓正、日野賢二、DJホンダ)なので、Hファクター。
ライヴ後、日野さんとちょっと話した。マイルスみたいなアティテュードというか、そういうのを感じました、というと、「そうそう、マイルスがもし生きていたら、こういうのやったんじゃないかって感じだね」と同じようなイメージを持たれているようだった。
そしてもうひとつ、DJのリズム(事前の打ち込み)でやることと、リアルなドラマーでやることの違いというのは日野さんにとってどういう感じなのでしょうか、と尋ねると、「リアルなドラマーだとお互いのやりとりがあるよね、確かに。でも、僕は古典を壊したいんだよ。誰もやってないようなことをやって。だから、地方に彼(DJホンダ)と二人だけで行ったりするんだけど、客がいなかったりするわけ。僕のファンからすれば、DJホンダって誰なんだって、でDJホンダのファンはもちろんたくさんいるんだけど、(こんどはチケットの値段が)高くて来れない。だから客が数人しかいないなんてこともあるんだよ(笑) でも、何かおもしろいこと、フリー・ジャズをやりたいんだよ」
今月25日で70歳。この70歳にして新しいこと、これまでにやってこなかったことへ果敢にアグレシヴに挑戦するアティテュード(姿勢、態度)。これは、ほんとすごい。僕自身も守ってちゃいけない、果敢に攻めなければということを改めて感じ、感服いたしました。
■ 日野皓正、過去関連記事
August 18, 2006
Hino Terumasa Talks: Hino Legend Is Here To Stay
【日野伝説かくありき】
http://blog.soulsearchin.com/archives/001208.html
↑これは、おもしろいです!
2010年04月08日(木)
父と子の共演、日野皓正と日野賢二ライヴ~「ただのギグ」が「ザ・ギグ」になる瞬間
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/201004_ame/entry-10502904950.html
無声映画『メトロポリス』に日野皓正、オマー・エドワーズの即興ライヴ
2009年03月23日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10229036967.html
■DJ ホンダとコラボした最新作 (ただしここに入ってる曲はやってません)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004U7LJY0/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ 『寂光』日野皓正~この日の「フナクラ」収録
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001F6QIUY/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■メンバー
Terumasa Hino(tp) 日野皓正(トランペット)
Masa Kohama(g) マサ小浜(ギター)
Ippei Kato(g) 加藤一平(ギター)
Akira Ishii(p) 石井彰(ピアノ)
Kenji Jino Hino(eb) 日野"JINO"賢二(エレクトリックベース)
Takashi Sugawa(b)須川崇志(アコースティックベース)
dj honda(dj) DJホンダ(DJ)
+++
Akio Yokota(g) from Fried Pride 横田明紀男(ギター) from Fried Pride ※10.9tue.のみ
■セットリスト
Hino Terumasa @ Bluenote, October 8th, 2012
show started 17:01
01.Unity (未録音)
02.Funakura
03.Off The Record
04.DJ Honda: Free Style DJ Performance
05.Never Forget 311 (新録音)
Show ended 18:20
(2012年10月8日月曜、ブルーノート東京、日野皓正ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hino, Terumasa
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