◎カーリーン・アンダーソン・ライヴ~21世紀のモッズかビートニクか
2012年11月1日 音楽◎カーリーン・アンダーソン・ライヴ~21世紀のモッズかビートニクか
【Carleen Anderson Live: Mods or Beatnik of 21st Century 】
モッズ。
比較的若い音楽ファンにとってはイギリス出身のアーティストと思われているかもしれないカーリーン・アンダーソン。生まれはアメリカ・テキサス州ヒューストン。1989年にジェームス・ブラウン関連のライヴでイギリスに来て、1990年以降拠点を置くようになった。イギリスのヤング・ディサイプルズのリード・シンガーとして人気がでて、ソロのレコードもイギリスから出たのでそれも無理はない。ネオ・ソウル、もしくはアシッド・ジャズ・ムーヴメントから登場したブラック・シンガーという立ち位置だ。インコグニートで2005年12月来日したことがあったが、自分名義では初。しかもトリオでの来日。カーリーンはピアノも一部で弾くが、キーボードは自身名義でも来ているサンフランシスコのラッドだ。ドラムスとキーボードとカーリーンのトリオのみの歌と演奏。これがかなりよかった。
古いファンからすると彼女はジェームス・ブラウン・ファミリーのバック・ヴォーカル、ヴィッキー・アンダーソンとボビー・バード夫妻の娘ということで知られている。(実際はヴィッキーが実母、ボビーは義理の父。実の父は教会の牧師。なので、ヴィッキー・アンダーソンの娘という言い方が正しい) ルックスなどもヴィッキーによく似ていて、声なども母親を思わせる部分があるにはあるが、なにしろやっているタイプの音楽がまったく違うので、ジェームス・ブラウン・ファンクを期待すると、拍子抜けする。
イギリスで人気が出ただけあり、アシッド・ジャズ系女性シンガーというのが一番ぴったり。しかも、ポエトリー・リーディングなども難なくこなし、ちょっと60年代風のカルチャー、モッズ風、いや、ビートニク風かな。
オープニング、いきなりポエトリー・リーディングで始まる。身振り手振りで詩の朗読をする様は、ニューヨーク・ヴィレッジのカフェあたりでありそうなカルチャーでもある。そして歌いはじめると、なんとも言えない超低い声。そして太い。ここまで低く太い声はなかなか聞けない。かと思えば、高い声はミニー・リパートンのように実によく出る。まるで、その声使いはレイラ・ハサウェイ(低い声が超魅力)とミニー・リパートン(高い声が超魅力)をあわせて二で割ったような感じだ。
途中、ラッドがコーラスをいれたり、歌を歌うが、これがカーリーンとうまくからんでいい味を出す。カーリーンがセンターに立ち、マイクの前で歌うときは、両手を動かし、体すべてを使って歌うかのようだ。
イギリスでの最初のヒットがやはり高音の魅力デニース・ウィリアムスの「フリー」のカヴァーだったが、その説明をして歌ったところ、これがこの日一番のハイライトとなった。
音楽的にはジェームス・ブラウン・ファンクは極力排除しているようなイメージなのだが、彼女がしゃべったりするとき南部訛りが出てきてやはり南部のDNAがあるのだなあ、と思う。
アンコールでは彼女のルーツ、教会っぽく、まさにゴスペル・マナーの曲を延々披露した。ドラムスとラッドのキーボードだけで音があり、そこにカーリーンの歌声がからむだけなのだが、まったく不足感がない。3人でもすごい音はちゃんと作れるわけだ。
エイミー・ワインハウスが「最低でも3回は見るべき」と言ったそうだが、なるほどその意味がよくわかった。また、彼女は一見40代かと思ったが、1957年5月10日生まれの55歳とは本当に驚いた。ライヴにはジェームス・ブラウン・ファミリーのところにはかならず顔を出す関夫妻も来ていた。さすが。
■トゥルー・スピリット ここから「ママ・セイド」を披露
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000000W6K/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■メンバー
Carleen Anderson(vo,p) カーリーン・アンダーソン(ヴォーカル、ピアノ)
Rad.(organ bass,key) ラッド.(オルガンベース、キーボード)
Guido May(ds) グイド・メイ(ドラムス)
■セットリスト
show started 21:31
01.Intro – Spoken Word
02.As We Come To Be
03.True Spirit
04.Mama Said
05.Your Heart Will Know
06.Free [Deniece Williams]
07.Woman In Me
08.Apparently Nothin’
Enc. Don’t Look Back In Anger
Enc. When The Light Shines (Gospel)
Show ended 22:46
(2012年10月29日月曜、東京ブルーノート、カーリーン・アンダーソン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Anderson, Carleen
2012
【Carleen Anderson Live: Mods or Beatnik of 21st Century 】
モッズ。
比較的若い音楽ファンにとってはイギリス出身のアーティストと思われているかもしれないカーリーン・アンダーソン。生まれはアメリカ・テキサス州ヒューストン。1989年にジェームス・ブラウン関連のライヴでイギリスに来て、1990年以降拠点を置くようになった。イギリスのヤング・ディサイプルズのリード・シンガーとして人気がでて、ソロのレコードもイギリスから出たのでそれも無理はない。ネオ・ソウル、もしくはアシッド・ジャズ・ムーヴメントから登場したブラック・シンガーという立ち位置だ。インコグニートで2005年12月来日したことがあったが、自分名義では初。しかもトリオでの来日。カーリーンはピアノも一部で弾くが、キーボードは自身名義でも来ているサンフランシスコのラッドだ。ドラムスとキーボードとカーリーンのトリオのみの歌と演奏。これがかなりよかった。
古いファンからすると彼女はジェームス・ブラウン・ファミリーのバック・ヴォーカル、ヴィッキー・アンダーソンとボビー・バード夫妻の娘ということで知られている。(実際はヴィッキーが実母、ボビーは義理の父。実の父は教会の牧師。なので、ヴィッキー・アンダーソンの娘という言い方が正しい) ルックスなどもヴィッキーによく似ていて、声なども母親を思わせる部分があるにはあるが、なにしろやっているタイプの音楽がまったく違うので、ジェームス・ブラウン・ファンクを期待すると、拍子抜けする。
イギリスで人気が出ただけあり、アシッド・ジャズ系女性シンガーというのが一番ぴったり。しかも、ポエトリー・リーディングなども難なくこなし、ちょっと60年代風のカルチャー、モッズ風、いや、ビートニク風かな。
オープニング、いきなりポエトリー・リーディングで始まる。身振り手振りで詩の朗読をする様は、ニューヨーク・ヴィレッジのカフェあたりでありそうなカルチャーでもある。そして歌いはじめると、なんとも言えない超低い声。そして太い。ここまで低く太い声はなかなか聞けない。かと思えば、高い声はミニー・リパートンのように実によく出る。まるで、その声使いはレイラ・ハサウェイ(低い声が超魅力)とミニー・リパートン(高い声が超魅力)をあわせて二で割ったような感じだ。
途中、ラッドがコーラスをいれたり、歌を歌うが、これがカーリーンとうまくからんでいい味を出す。カーリーンがセンターに立ち、マイクの前で歌うときは、両手を動かし、体すべてを使って歌うかのようだ。
イギリスでの最初のヒットがやはり高音の魅力デニース・ウィリアムスの「フリー」のカヴァーだったが、その説明をして歌ったところ、これがこの日一番のハイライトとなった。
音楽的にはジェームス・ブラウン・ファンクは極力排除しているようなイメージなのだが、彼女がしゃべったりするとき南部訛りが出てきてやはり南部のDNAがあるのだなあ、と思う。
アンコールでは彼女のルーツ、教会っぽく、まさにゴスペル・マナーの曲を延々披露した。ドラムスとラッドのキーボードだけで音があり、そこにカーリーンの歌声がからむだけなのだが、まったく不足感がない。3人でもすごい音はちゃんと作れるわけだ。
エイミー・ワインハウスが「最低でも3回は見るべき」と言ったそうだが、なるほどその意味がよくわかった。また、彼女は一見40代かと思ったが、1957年5月10日生まれの55歳とは本当に驚いた。ライヴにはジェームス・ブラウン・ファミリーのところにはかならず顔を出す関夫妻も来ていた。さすが。
■トゥルー・スピリット ここから「ママ・セイド」を披露
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000000W6K/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■メンバー
Carleen Anderson(vo,p) カーリーン・アンダーソン(ヴォーカル、ピアノ)
Rad.(organ bass,key) ラッド.(オルガンベース、キーボード)
Guido May(ds) グイド・メイ(ドラムス)
■セットリスト
show started 21:31
01.Intro – Spoken Word
02.As We Come To Be
03.True Spirit
04.Mama Said
05.Your Heart Will Know
06.Free [Deniece Williams]
07.Woman In Me
08.Apparently Nothin’
Enc. Don’t Look Back In Anger
Enc. When The Light Shines (Gospel)
Show ended 22:46
(2012年10月29日月曜、東京ブルーノート、カーリーン・アンダーソン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Anderson, Carleen
2012
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