◎ アビア~初登場: スピリチュアルな空気感を漂わせて
2013年4月27日 音楽◎アビア~初登場: スピリチュアルな空気感を漂わせて
【Abiah Jeremiah First Gig In Japan】
スピリチュアル。
ニューヨークをベースに活躍するシンガー・ソングライター、アビアの初来日コンサート。会場には輸入盤で知ったと思われる早耳の音楽ファンがかけつけた。
ミュージシャンに続いてステージに登場したアビアは中東風アフリカ風のワンピースのゴスペル・クワイアーが着るような白の衣装をまとって登場。これは「クゥルタア Kurta」という名称で、アビアによるとインドの衣装で、ただガーナでもこれに似た物を着るという。ガーナのもののほうがもう少し地味で、インドのものはきらきらなどが付いていて、ちょっとステージ栄えするのでこれを使っているという。この風貌だけで、「おっ」と思わせられ、スピリチュアルな崇高な空気が漂い始める。ジャケ写、アーティスト写真がびしっとスーツを着ていたのでそういう感じかと思った人(僕もそう思った)もいるようだが、衣装は大事だ。衣装は意匠。
一般のソウル・シンガーとはまったく違う歌唱法のルーツは元々オペラ・シンガーだったことによる。クラシックの声楽をきっちり学んだそうだ。しかし、ポピュラー(世俗)音楽もジャズもクラシックも、ソウル(魂)を込めて歌うことにかわりはない、という。
アメリカ人の母とガーナ人の父親。ロバート・グラスパーがいとこ。(正確にはセカンド・カズンだそう) 母・姉がミュージシャン。母はオペラ・シンガーのバックでピアノを演奏していたというので、いわばかなり音楽的ファミリーに育った。そして幼少の頃、アニタ・ベイカーの『ラプチャー』(1986年)を兄に聴かされ、歌手になりたいと思ったという。
歌声は違うかもしれないが、シンガー・ソングライターの立ち位置的にビル・ウィザース、ダニー・ハサウェイ、またヴォイシング面でアル・ジャロウのような感じがした。しかし、もっとクラシック寄り。声的にはリチャード・ボナのニューヨーク版という雰囲気。全編独特の空気感を漂わす。本人は影響を受けたシンガーはほとんど女性シンガーばかりで、男性ではダニーとゴスペルのダリル・コリーというシンガーだという。クラシックでは多くのシンガーに影響を受けたそうだ。アニタ・ベイカーに続いてはオリータ・アダムス、ミッシェル・ファレール、ニーナ・シモーン、サラ・ヴォーンと聴くようになった。いわゆるジェームス・ブラウンなどの一般的なソウル、R&Bシンガーはほとんど聞いてこなかったという。このあたりがかなりユニークだ。
2006年、ジェレマイア(Jeremiah)と名乗り、ユニバーサル傘下から『Chasing Forever』でデビュー。2012年、2作目『Life As A Ballad』をインディのNIAからリリース。これが日本でも輸入盤店を中心に静かな話題になり、今週ボーナストラックを2曲加えた日本盤もリリースされた。
ドラムス、ギター、アコースティック・ベースを従えたシンプルな編成。彼の声は透明感のあるハイ・ヴォイスでファルセットではない。ただときどきミニー・リパートンのようなひじょうに高い声を出す。本人によれば、5オクターヴ半でる。
セットリストはほぼ2作目『ライフ・アズ・ア・バラード』から。ファーストから1曲、次のCDにいれようと考えている新曲がもう1曲。そのタイトルは「女性の香り」という意味だ。
アニタ・ベイカーなど女性シンガーからポピュラーな世界にどっぷり入ったということから、感性がとても女性的なところもあるような繊細さを感じた。それはルーサー・ヴァンドロスとも同等のものだ。
10曲目「ターン・ザ・ライト・オン」は、神へトリビュートするというもの。崇高なイメージが彼にぴったりだった。
ただ全11曲中、ちょっとテンポがある曲が8曲目の「ネクスト・タイム・アラウンド」のみで、あとは全編バラード。『ライフ・アズ・バラード』だからそれもやもうえないが、若干一本調子になる嫌いがある。ミディアム調の曲があと2曲くらいはいってもいいと思う。
この日はベースのキースが誕生日だということだったが、みんなで「ハッピー・バースデイ」を歌うまではいかなかった。
誕生日は5月19日。生年も教えてくれたが「年は人には言うな」と言われたので、公開は控えます。(笑)
それから恥ずかしながら2曲目「ダヴズ」がプリンスの「ホエン・ダヴズ・クライ」のカヴァーだったって、今日、気づいたことは秘密です。(苦笑) ここまでアレンジするか。まいった。兜を脱ぎます。
□ 次回「ソウル・サーチン・レイディオ」(2013年4月30日、午後8時~、インターFM)でインタヴューとともにミニ特集します。
■ 耳寄り情報! アビアの追加ライヴ
さらに日曜(4月28日)、御茶ノ水に新しく出来た「カフェ・104.5」で2回ミニ・ライヴ敢行。ファーストが16時、セカンドが18時半。無料。すでに満席になった。ただ若干の立ち見が出る可能性があるということで、希望者はカフェ104.5に電話で問合せてみてください。
カフェ104.5
東京都千代田区神田淡路町2-101
ワテラスタワー 2F
電話 03-3251-1045
■ メンバー
ABIAH(vo,p) アビア(ヴォーカル、ピアノ)
David Rosenthal(g) デヴィッド・ローゼンタール(ギター)
Keith Witty(b) キース・ウィッティ(ベース)
Chris Eddleton(ds) クリス・エドルトン(ドラムス)
■セットリスト: アビア、ブルーノート東京、2013年4月25日(木)
Setlist : Abiah @ Bluenote Tokyo
show started 19:04
01.So In Love
02.Doves (When Doves Cry) [Prince]
03.Foolish Heart
04.This Time
05.Get Away (1st CD)
06.Goodbye
07.Scent Of A Woman (new)
08.Next Time Around
09.Life As A Ballad
10.Turn The Light On
Enc. September
Show ended 20:24
(2013年4月25日木曜、ブルーノート東京、アビア・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Abiah
2013-
■Abiah 輸入盤
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BBVD3KG/soulsearchiho-22/ref=nosim
■同日本盤 ボーナストラック2曲付き
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BR3NQK0/soulsearchiho-22/ref=nosim/
【Abiah Jeremiah First Gig In Japan】
スピリチュアル。
ニューヨークをベースに活躍するシンガー・ソングライター、アビアの初来日コンサート。会場には輸入盤で知ったと思われる早耳の音楽ファンがかけつけた。
ミュージシャンに続いてステージに登場したアビアは中東風アフリカ風のワンピースのゴスペル・クワイアーが着るような白の衣装をまとって登場。これは「クゥルタア Kurta」という名称で、アビアによるとインドの衣装で、ただガーナでもこれに似た物を着るという。ガーナのもののほうがもう少し地味で、インドのものはきらきらなどが付いていて、ちょっとステージ栄えするのでこれを使っているという。この風貌だけで、「おっ」と思わせられ、スピリチュアルな崇高な空気が漂い始める。ジャケ写、アーティスト写真がびしっとスーツを着ていたのでそういう感じかと思った人(僕もそう思った)もいるようだが、衣装は大事だ。衣装は意匠。
一般のソウル・シンガーとはまったく違う歌唱法のルーツは元々オペラ・シンガーだったことによる。クラシックの声楽をきっちり学んだそうだ。しかし、ポピュラー(世俗)音楽もジャズもクラシックも、ソウル(魂)を込めて歌うことにかわりはない、という。
アメリカ人の母とガーナ人の父親。ロバート・グラスパーがいとこ。(正確にはセカンド・カズンだそう) 母・姉がミュージシャン。母はオペラ・シンガーのバックでピアノを演奏していたというので、いわばかなり音楽的ファミリーに育った。そして幼少の頃、アニタ・ベイカーの『ラプチャー』(1986年)を兄に聴かされ、歌手になりたいと思ったという。
歌声は違うかもしれないが、シンガー・ソングライターの立ち位置的にビル・ウィザース、ダニー・ハサウェイ、またヴォイシング面でアル・ジャロウのような感じがした。しかし、もっとクラシック寄り。声的にはリチャード・ボナのニューヨーク版という雰囲気。全編独特の空気感を漂わす。本人は影響を受けたシンガーはほとんど女性シンガーばかりで、男性ではダニーとゴスペルのダリル・コリーというシンガーだという。クラシックでは多くのシンガーに影響を受けたそうだ。アニタ・ベイカーに続いてはオリータ・アダムス、ミッシェル・ファレール、ニーナ・シモーン、サラ・ヴォーンと聴くようになった。いわゆるジェームス・ブラウンなどの一般的なソウル、R&Bシンガーはほとんど聞いてこなかったという。このあたりがかなりユニークだ。
2006年、ジェレマイア(Jeremiah)と名乗り、ユニバーサル傘下から『Chasing Forever』でデビュー。2012年、2作目『Life As A Ballad』をインディのNIAからリリース。これが日本でも輸入盤店を中心に静かな話題になり、今週ボーナストラックを2曲加えた日本盤もリリースされた。
ドラムス、ギター、アコースティック・ベースを従えたシンプルな編成。彼の声は透明感のあるハイ・ヴォイスでファルセットではない。ただときどきミニー・リパートンのようなひじょうに高い声を出す。本人によれば、5オクターヴ半でる。
セットリストはほぼ2作目『ライフ・アズ・ア・バラード』から。ファーストから1曲、次のCDにいれようと考えている新曲がもう1曲。そのタイトルは「女性の香り」という意味だ。
アニタ・ベイカーなど女性シンガーからポピュラーな世界にどっぷり入ったということから、感性がとても女性的なところもあるような繊細さを感じた。それはルーサー・ヴァンドロスとも同等のものだ。
10曲目「ターン・ザ・ライト・オン」は、神へトリビュートするというもの。崇高なイメージが彼にぴったりだった。
ただ全11曲中、ちょっとテンポがある曲が8曲目の「ネクスト・タイム・アラウンド」のみで、あとは全編バラード。『ライフ・アズ・バラード』だからそれもやもうえないが、若干一本調子になる嫌いがある。ミディアム調の曲があと2曲くらいはいってもいいと思う。
この日はベースのキースが誕生日だということだったが、みんなで「ハッピー・バースデイ」を歌うまではいかなかった。
誕生日は5月19日。生年も教えてくれたが「年は人には言うな」と言われたので、公開は控えます。(笑)
それから恥ずかしながら2曲目「ダヴズ」がプリンスの「ホエン・ダヴズ・クライ」のカヴァーだったって、今日、気づいたことは秘密です。(苦笑) ここまでアレンジするか。まいった。兜を脱ぎます。
□ 次回「ソウル・サーチン・レイディオ」(2013年4月30日、午後8時~、インターFM)でインタヴューとともにミニ特集します。
■ 耳寄り情報! アビアの追加ライヴ
さらに日曜(4月28日)、御茶ノ水に新しく出来た「カフェ・104.5」で2回ミニ・ライヴ敢行。ファーストが16時、セカンドが18時半。無料。すでに満席になった。ただ若干の立ち見が出る可能性があるということで、希望者はカフェ104.5に電話で問合せてみてください。
カフェ104.5
東京都千代田区神田淡路町2-101
ワテラスタワー 2F
電話 03-3251-1045
■ メンバー
ABIAH(vo,p) アビア(ヴォーカル、ピアノ)
David Rosenthal(g) デヴィッド・ローゼンタール(ギター)
Keith Witty(b) キース・ウィッティ(ベース)
Chris Eddleton(ds) クリス・エドルトン(ドラムス)
■セットリスト: アビア、ブルーノート東京、2013年4月25日(木)
Setlist : Abiah @ Bluenote Tokyo
show started 19:04
01.So In Love
02.Doves (When Doves Cry) [Prince]
03.Foolish Heart
04.This Time
05.Get Away (1st CD)
06.Goodbye
07.Scent Of A Woman (new)
08.Next Time Around
09.Life As A Ballad
10.Turn The Light On
Enc. September
Show ended 20:24
(2013年4月25日木曜、ブルーノート東京、アビア・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Abiah
2013-
■Abiah 輸入盤
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BBVD3KG/soulsearchiho-22/ref=nosim
■同日本盤 ボーナストラック2曲付き
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BR3NQK0/soulsearchiho-22/ref=nosim/
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