◎クインシー・ジョーンズ~魅せられる音楽許容量の広さ、懐の大きさ~80歳セレブレーション・ライヴ・イン・ジャパン(Day Two) 詳細セットリスト付き

【Quincy Jones : 80th Celebration Live In Japan】

2日目。

セットリストを見ていると、前日のライヴのことが反芻され、蘇ってくる。4時間超のライヴは体力が必要だった。さらに、32年前、1981年に武道館で見たときのことも思い出した。いろいろ古い資料を探していたら、クインシー・ジョーンズ1981年の来日プログラム、プレス・リリースにまぎれて、全25曲のセットリストもあった。これは後日、本ブログでもご紹介しようと思うが、32年間という長い歳月があっという間にも感じられた。この模様は一部がライヴ盤にもなっており、僕の番組「ソウル・サーチン・レイディオ」でもかけた。番組では一月マンスリーでクインシーを特集したが、やはりそれでもクインシーを網羅することはできなかった。

さて、初日は2階席に少し空きがあったが、2日目は当日券がすべて売り切れ、満員御礼。前日、テレビの「ニュース・ゼロ」でインタヴューが放映されたらしい。その効果もあったのか。

前日との違い。この日は、ギタリスト、雅(みやび)が加わり、ジャズ・スタンダード・パートに土岐麻子に変わってジュジュが参加。また三浦大知部分にヴァーバルさらに雅も加わり、かなりセッションぽくなった。いやあ、雅はほんとかっこいい。あのグルーヴ感あふれるギターは唯一無二だ。

小曽根真は前日とは違う2曲をプレイ。これはジャズ・ミュージシャンならではの見せ方だ。そして、この大勢の日本人アーティストをまとめた亀田プロデューサー、おつかれさま。大変なお仕事だったでしょう。

指揮。

クインシーは本編を2曲ほど立って指揮をして、次のアルフレッド・トリオを紹介し一度舞台袖に引っ込んだ。その後、ときどき、アーティスト紹介で登場。そして最後の「マンテカ」で再び指揮者に。歩き方、ちょっと猫背になったその姿は年を取ったことを感じさせるが、指揮をするときの立ち振る舞いは半世紀以上ステージや音楽に人生を捧げてきたヴェテランならではの佇まいだ。

「どうもどうも」「どうぞ~(pleaseの日本語訳)」「元気ですかあ」などの日本語を交えたステージ。日本語交じりは1981年のライヴでもそうだったことを思い出した。

ニッキ・ヤノフスキーによるアリーサ・フランクリンの「エイント・ノー・ウェイ」は今週3度聞いたが、何度聞いても聞きほれる。どうやらこの曲は次のアルバムに収録されるようだ。

一挙に盛り上がるのがやはり、「愛のコリーダ」から。ここから客席ほぼ総立ちに。パティー・オースティン、ジェームス・イングラム、サイーダの部分は本当に圧巻だ。サイーダの「さざえさんで~す」には笑った。このクインシーズ・シンガー・トリオは本当に強力。「マン・イン・ザ・ミラー」は曲がとても難しいが、マイケル以外にちゃんと歌えるのはこのサイーダくらいなのかもしれない。

音楽愛。

しかし、改めてクインシーのパワー、体力におそれいった。日本人パートを袖ですべてみて、しかも、自分のパートも指揮をしたり、していないときは、やはり舞台袖にいる。4時間、お客さんと同じくらい音楽に集中しているわけだ。いったいあのパワーはどこから来るのか。

結局、この大イヴェントを見せてくれたクインシーのすごさの根源というのは、音楽に対する絶えまぬ愛なのかなあ、と思った。クインシーがことあるごとに言う「ミュージック」と「ミュージック・ビジネス」だけでなく、「ミュージック・ラヴ(音楽愛)」がそこにはあふれていた。しかも常に「変化」を恐れず、新しいものに果敢に取り組んでいくところも本当にすごい。

彼は音楽の過去・現在・未来を見事にわかりやすく結び付けている。それは過去から現在、そして未来まで脈々と続く「音楽の川の流れ」をクインシーが次の世代にきっちりバトンを手渡し「音楽の命」をつないでいるということでもある。クラーク・テリーの初期の弟子であったクインシー、そして、最後の弟子となったジャスティン・コーフリンの様子がビデオで映し出される。クラーク・テリーとジャスティンがクインシーという絆でつながるのも、音楽の過去・現在・未来の架け橋だ。

その結果、年配の人も、若い人も、その中間の人も、すべてをひっくるめて虜にしているところがすごい。古くからのジャズ・ファン、1980年代にブラコンで好きになったファン、その後、マイケル・ジャクソンを通じて知ったファン。クインシーは時代を縦横にまたぐ。

この日も終演は夜11時超えだった。遠くからの観客は、終電などのこともあり、泣く泣く途中で席を立たれた方もいたらしい。

クインシーはライヴ後、出演者全員との記念写真を撮ったりしたあと、しゃぶしゃぶをがっつり食べに行ったそうだ。来日中は連日、焼肉、ステーキ、しゃぶしゃぶなど、とにかく肉ばかり食べていたという。あの元気パワーは肉のためかもしれない。そういえば、以前来日したときも、「コーベビーフ」「コーベビーフ」とさかんに言っていたように思う。

クインシーは世界中のどこのミュージシャンも見ている。本当に世界中だ。どこでいつ見ているのかと思うほど、世界にアンテナを張り巡らしている。そしてそのアンテナにひっかかったアーティストをこうしてこの日、東京の観客に紹介した。そして、日本でのトリビュート・パートをじっくり見ていて、ひょっとしたらクインシーのアンテナにひっかかるアーティストもいるかもしれない。

改めてクインシー・ジョーンズという音楽人の音楽の許容範囲の広さ、懐の大きさを垣間見せられた一週間だった。

3日土曜日は広島での平和コンサート。

■告知~JFN系「ビッグ・スペシャル」で8月7日深夜クインシー・ジョーンズ特集~吉岡正晴登場

来る2013年8月7日(水)深夜25時から28時までJFN全国30局以上でネットされる「ビッグ・スペシャル」で、クインシー・ジョーンズ特集を3時間にわたって吉岡正晴がお送りします。

「ビッグ・スペシャル」番組宛のメールはこちら。

番組サイトhttp://www.jfn.co.jp/big

「ビッグ・スペシャル」を放送する局は次の通り。局によって放送時刻が微妙に変わりますので、お近くの放送局のタイムテーブルをご確認ください。東京FMは午前2時から4時までです。

FM青森 , FM岩手 , FM秋田 , FM山形 , ふくしまFM , RADIO BERRY , FMぐんま , FM-NIIGATA , FM長野 , FMとやま , FM石川 , FM福井 , K-MIX , FM AICHI , Radio80 , レディオキューブ , FM滋賀 , fm osaka , Kiss-FM KOBE , V-air , FM岡山 , HFM , FM山口 , FM徳島 , FM愛媛 , FM高知 , FM香川 , FM大分 , FM佐賀 , FM長崎 , FMK , μ FM , JOY FM , FM沖縄 , TOKYO FM

直接メールを送るフォームはこちら
http://www6.jfn.co.jp/mailforms/index/94

関東地区は、関東のラジコで。その他の地区は各地区のラジコでも聞けます。
http://radiko.jp/

こちらでTFMをお選びください。ただし東京FMは午前2時から4時までのみの放送です。

関東地区以外でお聴きの方は、それぞれの地域のラジコでお聴きください。

http://www.fmsounds.co.jp/production/program_detail.php?b=1&p=62&PHPSESSID=vvnqkbcm

当日は生放送ですので、リスナーからのメール、ツイッターでのメッセージなども受け付けます。

ハッシュ・タグはビッグ・スペシャル #bigsp 東京FM #tfm

■クインシー・ジョーンズ関連過去記事(一部)

来日決定第一報
(速報) クインシー・ジョーンズ、7月の広島イヴェントに来日
2013年01月22日(火)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11454346322.html

クインシー・ジョーンズ32年ぶりの東京公演
2013年05月23日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20130523.html

DVDにもなったクインシー75歳の誕生パーティー・ライヴ@モントルー
クインシー・トリビュート5時間以上にわたる熱狂ライヴに
2008年07月17日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080717.html

「ソウル・サーチン・ザ・セッション~クインシー・ジョーンズ・トリビュート」リハーサル
2011年02月02日(水)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10787063898.html
「ソウル・サーチン」では、2011年2月にクインシー・ジョーンズをとりあげてイヴェントをおこなっています。

ソウル・サーチン・セッションでのクインシー・ジョーンズ・トリビュート(フル・ショー動画)パート1
http://www.ustream.tv/recorded/12429496
ソウル・サーチン・クインシー・トリビュート(パート2)
http://www.ustream.tv/recorded/12430651
2011年2月

ライヴ・レポート
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10788543401.html

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10789966086.html
セットリストなど

■吉岡正晴のラジカントロプス2.0
クインシー・ジョーンズ特集(2回)

http://blog.jorf.co.jp/radio/20_156/index.html 
(2012年3月、11月放送)
(ポッドキャストが聞けます。音楽以外のトーク)植竹公和/吉岡正晴

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ニッキー・ヤノフスキー 「エイント・ノー・ウェイ」(オーディエンス・ショットだが・・・)

http://youtu.be/v_39QH4R5uk



エミリー・ベアーが「ダイヴァーシティー・メドレー」のトップで演奏した「Q」という楽曲

http://www.youtube.com/watch?v=3SUsTXTbE68



パティー・オースティン&ジェームス・イングラム 「ベイビー・カム・トゥ・ミー」

http://youtu.be/lVo1KZg1xQg



■セットリスト
Setlist: Quincy Jones The 80th Celebration Live In Japan, August 1st, 2013 @ Kokusai Forum, Forum A

トリビュート・パート

show started 19:03
Chris Peppler MC
01.Ai No Corrida – Miyavi + 沖仁 + 上妻宏光
02.Human Nature - 綾香
03.One Hundred Ways - K
04. Misty – Juju
05. One Note Samba - 小野リサ
06. You Always Come Late - 小曽根真 featuring No Name Horses
07. Jungle  - 小曽根真 featuring No Name Horses
08.Beat It - BoA
09.Soul Bossa – a riff of Rock With You + Wanna Be Starting Something -三浦大知 + ヴァーバル
10.Michael Jackson Medley: Smooth Criminal / Baby Be Mine / Session with Miyavi / Billie Jean - 三浦大知 (+4 dancers) + Miyavi
11.Stuff Like That - ゴスペラーズ
Performance ended 20:34

■アーティスト

綾香
K
土岐麻子(31日のみ)
小野リサ
小曽根真
ボア(BoA)
三浦大知
ゴスペラーズ
--村上てつや
--黒沢薫
--北山陽一
--酒井雄二
--安岡優

雅(Miyavi)x沖仁x上妻宏光 (1日のみ)
ジュジュ(JUJU) (1日のみ)
ヴァーバル(Verval) (1日のみ)

■バンド・メンバー

石成正人(ギター)、亀田誠治(ベース)、河村カースケ智康(ドラムス)、斉藤有太(ピアノ)、三沢またろう(パーカッション)、森俊之(キーボード)、大滝裕子(コーラス)、高尾直樹(コーラス)、島健(アレンジ)、

西村浩二(トランペット) / 奥村晶(トランペット) / 近藤和彦(アルトサックス、フルート) / 鈴木圭(バリトン・サックス、フルート) / 村田陽一(トロンボーン)

小曽根真(ノー・ネーム・ホーセス)=

中村健吾(ベース)、高橋信之助(ドラムス)

エリック・ミヤシロ(トランペット) 木幡光邦(トランペット)、 奥村 晶(トランペット)、岡崎好朗(トランペット)、山城 純子(トロンボーン)、中川英二郎(トロンボーン)、片岡雄三(トロンボーン)、 三木俊雄(サックス)、池田篤(サックス)、近藤和彦(サックス)、岡崎正典(サックス)  岩持 芳宏(サックス)、ホーンセクション計12名

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クインシー・パート

performance started 21:08
00.Video
01.Air Mail Special - Quincy Jones Big Band featuring Nikki Yanofsky
02.Killer Joe - Quincy Jones Big Band
03.Invasion Parade - Alfredo Rodriguez Trio
04.Answers - Alfredo Rodriguez Trio & Andreas Varady (g)
05.Miss Out – Blush
Video – Clark Terry and Justin Kauflin
06.For Clark – Justin Kauflin
07.So Beautiful –Parker Ighile (Nigeria)
08.Ain’t No Way – Nikki Yanofsky (Canada)
09.Something New – Nikki Yanofsky (Canada)
10.Diversity Medley – Emily Bear
11.Ai No Corrida – Patti Austin
12.Say You Love Me – Patti Austin & Seiko Matsuda
13.Just Once – James Ingram
14.Baby Come To Me – James Ingram & Patti Austin
15.MJ Overture : Thriller / Billie Jean / Rock With You / Wanna Be Starting Something / BAD
16.Man In The Mirror – Siedah Garrett
17.Manteca - Quincy Jones Big Band + Alfredo Rodriguez
Enc. We Are The World / Full cast + Japanese artists (K – Daichi – James – Seidah + Miyavi – Seiko –Patti + Seiko – Ayaka – James – Gospellers + James – Blash – Juju – Daichi – Nikki – BoA + K + Gospellers)
Show ended 23:12

■Artists / Members

Quincy Jones (Conductor)

Patti Austin (Vocal)
James Ingram (Vocal)
Siedah Garrett (Vocal)

Alfredo Rodoriguez Trio=
--Alfredo Rodriguez (Piano)
--Reinier Elizarde (Bass)
--Henry Cole (Drums)

Emily Bear (Piano)

Nikki Yanofsky (Vocal)

Andreas Varady (Guitar)

Justin Kauflin (Piano)

Blush==
--Angeli Flores (Vocal) (Philippines)
--Alisha Budhrani (Vocal) (India)
--Ji Hae Lee (Vocal) (South Korea)
--Natsuko Danjo (Vocal) (Japan)
--Victoria Chan (Vocal) (Hong Kong)

Band Members:

Greg Phillinganes – Musical Director, Keyboards
Randy Kerber (keyboards)
Dean Parks (guitar)
Neil Stubenhaus (bass)
John Robinson (drums)
Paulinho Da Costa (percussion)
Lynne Fiddmont (chorus)
Jory Steinberg (chorus)
Melanie Taylor (chorus)

Big Band Music Director: Jerry Hey
音楽監督(Big Band Music Director):ジェリー・ヘイ

トランペット:
佐久間勲/田中充(広島公演)/上石統(東京公演)/入山和代/小林正弘

トロンボーン:
三塚知貴(7/31:川原聖仁)/川原聖仁(7/31:松尾直樹)桐山絵里子/朝里勝久

サックス:
リードアルト 高野猶幸/2nd テナー 小松雄大/3rdアルト 岡村トモ子/
4thテナー 長野次郎(7/31)、石川周之介(8/1&3)/
5thバリトン 井出慎二(7/31&8/1)、長島一樹(8/3)

ENT>MUSIC>LIVE>Jones, Quincy


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ニッキ・ヤノフスキー

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エミリー・ベアー

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