【These Are What Cut Down From "Soul Deep" NHK Version】

カット。

先週2009年1月4日から9日まで6夜連続でNHK-BSで放送されたイギリスBBC制作の音楽ドキュメンタリー『ソウル・ディープ』のカットされた部分がわかった。NHKで放映された部分はオリジナルから10分超程度カットされている。日本での放映時間が10分短いこと、また前説にピーター・バラカンさんの解説が入るためだ。

このカット部分について、ツイッターの「ソウル・ディープ(#souldeep)」に書き込みがあったもので、その書き込みをされた(kohji405mi16=松林さん)に許可を頂き、ここに掲載する。松林さんは、BBCで放送されたオリジナルと見比べて、今回のカットされた箇所を調べた。ただツイッター上への投稿は140字の制限があるので、かなりはしょった部分はあるとのことだが、大まかな感じはつかめると思う。

ツイッターでの『ソウル・ディープ』のハッシュ・タグはこれ。#SoulDeep
また松林さんのツイッターはこちら↓ 
http://twitter.com/kohji405mi16

NHK『ソウル・ディープ』のカット部分。(kohji405mi16=松林さん調べ)

#SoulDeep 第1回 #NHK 放送時カットされた映像を確認した: アラン・トゥーサン、ファッツ・ドミノ、リトル・リチャードの演奏シーン、黒人R&BのSP盤が白人DJに割られる当時の映像、白人によるR&B演奏の一例としてジョージア・ギブスのステージ映像

#SoulDeep 第2回 #NHK 放送時カットされた映像を確認した: SARレーベルのエピソード ジョニー・テイラーの演奏シーン ヴァレンティノズ(ボビー・ウォーマックのグループ)の話題&ストーンズの It’s All Over Now 演奏シーン

#SoulDeep 第3回 #NHK 放送時カットされた映像を確認した: メアリー・ウェルズ & フォー・トップス歌唱シーン ケネディ大統領絡みの映像 アーティストの立ち振る舞いの指導をした有名なマキシン・パウエルのインタビュー シュープリームス演奏シーンの一部

#SoulDeep 第4回 #NHK 放送時カットされた映像を確認した: Stax&Volt Tour ノルウェーのサム&デイブライブ映像&エピソード ジェームス・カーのエピソード&歌唱シーン オーティスのカラー映像

#SoulDeep 第5回 #NHK 放送時カットされた映像を確認した: マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル歌唱シーン マーヴィンの「悲しいうわさ」およびそこに被さるベトナム戦争の映像 「ホワッツ・ゴーイング・オン」歌唱シーン 「インナー・シティ・ブルース」パブリック・エネミーの「ファイト・ザ・パワー」プロモ映像

#SoulDeep 第6回 #NHK 放送時カットされた映像を確認した: ホイットニー "I’m Your Baby Tonight" プロモ ホイットニーとボビーブラウンの結婚エピソード Uptown レーベルのライブ映像(?) "Next Stop Uptown" ハイプ・ウィリアムスのエピソード&インタビュー Mase "Feel So Deep" プロモ Missy Elliott "The Rain" プロモ といった辺り

+++

こうやってみると、やはりたった10分と言えども、カットされるとかなり内容が寂しくなる感じはある。見たいところ満載だ。知らなければそのままなのだが、オリジナルがあることがわかっていると、やはり全編の放映を望みたい。別にNHKなのだから、スポンサーに気兼ねせずに出来るのだから、60分か65分枠で編成すればいいのではないだろうか。あるいは、このカット部分10分x6本あれば、もう1本できるが、まあ、そうもいかないだろう。(笑) 

『ソウル・ディープ』のBBCのサイト。ここで全曲リストが見られる。
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/1/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/2/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/3/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/4/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/5/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/6/

■ ソウル・ディープ関連記事

2010年01月08日(金)
『ソウル・ディープ』を見て~本当に黒人アーティストは1960年代に「クロスオーヴァー」を狙っていたか
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100108.html

2010年01月09日(土)
『ソウル・ディープ』をより理解するための書籍など(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100109.html

2010年01月10日(日)
『ソウル・ディープ』6回目を見て~すっぽり抜け落ちた1980年代
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100110.html

2010年01月11日(月)
『ソウル・ディープ』にアリシアは入らず。21世紀のブラック・ミュージックは、アリシア・キーズのようなジャンルレスなアーティストが台頭か
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100111.html

ENT>DOCUMENTARY>Soul Deep


【Takayama Hiroshi’s One Man Play Will Be On Jan 15h】

一人芝居。

変幻自在の一人芝居、一人で何人ものキャラクターを演じるその驚異のパフォーマンス。笑いと涙、哀愁、人間の機微をユーモアとペーソスで演じる高山広が、来る2010年1月15日(金)、目黒のパーシモンホールで単独ライヴを行う。

これは、パーシモンホールで、昨年12月18日に行われた第1回に続く第2回。今回の出し物は「ねずぶり」。「ねずぶり」は、ねずみとごきぶりの戦いを通じて現代社会を映し出す一人芝居。1994年に初演し、その後何度も推敲を重ね、再演してきたもので、高山の通常の演劇スタイルとは異なり、全編に流れる迫力あふれるシンセサイザーの生演奏と高山の芝居が生み出す臨場感あふれるコラボ(セッション)も大きな見所のひとつ。もともとは3時間ほどあったものをブラッシュアップし、2時間程度にしぼりこんだ、という。

高山氏は言う。「こればかりは世界中どこへ行っても観られないパフォーマンスのひとつであると自他共に、めずらしく(?)そう認める作品です! ボクの体とソウルを賭けて一生挑み続けるこの『ねずぶり』、どうか(観劇よりむしろ“観戦”に近いとよく言われます)体感しにいらしてくださいませ」

2008年8月に赤坂で演じられて以来約1年半ぶりの上演になる。

またこのほかに、毎月レギュラーでやっている目黒のソウルバー、ミッドナイトアワーでのソロライヴも月末(1月30日・土曜)におこなわれる。

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高山さんは、『ソウル・サーチン』でもかつて、ルーサー・ヴァンドロス(2006年7月1日)、アレサ・フランクリン(2007年3月26日)でそれぞれのキャラを見事な一人芝居で演じてくれた。(詳細は下記過去記事で) 久々のこの長編、期待が高まる。一人芝居に興味ある方、ぜひ一度試しにどうぞ。おもしろさ、その内容は保証します。どのようなものか詳しく知りたい方は、過去記事をごらんください。

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■ 高山広・プロフィール

高山広は、1963年宮城県出身。1988年から芝居、演技を開始。1992年から、一人芝居をさまざまな会場で行うようになる。ショート・ストーリーを数本まとめたオムニバス形式のシリーズ『高山広のおキモチ大図鑑』では、高山は単に人間だけでなく、動物、昆虫、はては、花火、パチンコ玉、かさ、たばこ、信号機などありとあらゆる森羅万象の物格・人格になりきり、それを演じる。作品数はすでに600本に迫り、数分のショートものから、2時間を越える超大作まで多数。鋭い洞察力をもとにした人物の描き方、演じ方は他の追従を許さない。

■ 高山広公演 『ねずぶり』

出演 高山広
日時 2009年1月15日金曜、18時30分開場、19時開演 
場所 目黒・パーシモンホール小ホール
住所 〒152-0023 東京都目黒区八雲1-1-1 電話03-5701-2924
http://www.persimmon.or.jp/hosting-performance/442.php
料金 全席自由 ¥3000 車椅子席 同料金 
問い合わせ パーシモンホール 03-5701-2913
チケット めぐろパーシモンホールチケットセンター 03-5701-2904  
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード398-301)
http://www.persimmon.or.jp/see/attention.php
                                     
■ 『高山広のおキモチ∞HANJOH(だいはんじょう)』

出演 高山広
日時 2009年1月30日(土)20時開演
場所 目黒 ミッドナイトアワー
住所 東京都品川区上大崎3丁目14-12 井上ビル1F電話03-3444-2285                                                                                                                                   
料金 1500円                                                                                    
予約 電話03-3444-2285 (席数が少ないため必ずご予約ください。また会場設営の都合上20時を過ぎると入場できません)

■ 高山広公式ウェッブ
http://schop.air-nifty.com/takayama/

■高山広・ソウル・サーチン過去関連記事

2008年09月09日(火)
高山広・一人芝居~20周年中年
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080909.html

November 07, 2007
Takayama Hiroshi @ Martano : He Made “Away” Home
http://blog.soulsearchin.com/archives/002129.html
マルターノでのライヴ。

March 30, 2007
Soul Searchin: The Session (Part 4): "Day Dreaming -- I’m Thinking Of You"
http://blog.soulsearchin.com/archives/001677.html
『ソウル・サーチン』でアレサ・フランクリンを演じたときの評。

August 28, 2006
Takayam Hiroshi One Man Play: Portrays All Things In The Universe
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200608/2006_08_28.html

July 23, 2006
Takayama Hiroshi: Like A Virgin; Hot, Hot, Hot
http://blog.soulsearchin.com/archives/001151.html

July 07, 2006
Takayama Hiroshi Talks About Luther Vandross
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_07_07.html
『ソウル・サーチン』でルーサーと父を演じたときの評。

July 02, 2006
Big Big Thanks For Joining "Soul Searchin’: The Session Vol.1"
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_07_02.html

May 22, 2006
Takayama Hiroshi One Man Stage Play
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200605/2006_05_22.html

ENT>ANNOUNCEMENT>Takayama, Hiroshi


【Alicia Keys: Artist Belongs To Any Genre, Beyond The Category】

ジャンル。

昨日の『ソウル・ブレンズ』でアリシア・キーズの新作『エレメント・オブ・フリーダム』を紹介した。その中で、アリシアの母はイタリア系を先祖に持つスコティッシュ、アイリッシュ、父がアフリカン・アメリカン、ということを紹介したのだが、1981年生まれの彼女にとって、マイケル・ジャクソンでさえ『スリラー』(1982年)など、後追いで知ることになる。

すでに、彼女が物心付くころから、音楽ジャンルを意識することなどなかったのだろう。しかし、それでも彼女は自分のルーツとして、ジェームス・ブラウンやスティーヴィー・ワンダー、ダニー・ハザウェイ、アレサ・フランクリンなどのオールド・スクールのソウル・ミュージシャンに敬意を払ってきた。

彼女にせよ、ビヨンセ(1981年)にせよ、後期マイケル・ジャクソンなど、従来のソウル・ミュージックという概念からは、充分に飛び出ている。

土曜日までの音楽ドキュメンタリー番組『ディープ・ソウル』は、タイトル通り、「ソウル・ミュージック」に特化してその歴史をなぞった。たぶん、制作者は、わざと意図的にマイケル・ジャクソンやジャネット、プリンスをはずし、ホイットニーは白人受けを狙ったという位置づけにしたのだろう。多分狭義の意味合いでの「ソウル・ミュージック」から外れるということで、そうしたアーティストを外したのだ。その気持ちもわからないでもないのだが…。

しかし、アフリカン・アメリカンたちが作り出してきたブラック・ミュージックの過去60年余の歴史を振り返り、俯瞰的にドキュメントしようとするのであれば、昨日のブログにも書いたが、マイケル、プリンス、ホイットニー、ルーサー、そして、今だったらこうしたアリシア、ビヨンセなどを正しく理解し、解説し、記録しなければならない。

たぶんざっくりした感触だと、1990年代以降に出てくるブラック系ミュージシャンらは、特にジャンルレスになる傾向が強くなっている。そういう意味で、21世紀のソウル・ミュージックは、従来であればソウル・ミュージシャンと呼ばれた人たちが、ひとつの「ソウル・ミュージック」というジャンル、枠組みを飛び出し始めた時代、と捉えるのが一番当たっているのではないかと思う。

仮にこの番組のように、黒人対白人という対立軸の文脈で見るなら、僕はマイケルが『スリラー』あたりでやりだしたことは、それまではブラック・ミュージックというのは、白人たちに「搾取(さくしゅ)される」ことの連続だったのに対し、初めて黒人側が白人音楽を「搾取」したのではないか、と思った。おもしろい象徴的なエピソードは、レイ・パーカーがヒューイ・ルイスの作品を盗作して訴えられたことなどがある。あれなどまさに白黒逆転した事件だった。

また、『ソウル・ディープ』の最終回は、あまりに時代が現代すぎて、制作者たちも、過去の歴史に関する文献、評価などは充分にリサーチできても、新しいものだけにまだ評価が固まっていない、また、俯瞰した文献がないなどから、試行錯誤で迷いながら作ったのだろうと思えた。

それにしても、『ソウル・ディープ』という番組は、いろいろと考えさせてもらういい機会を与えてくれた。改めて感謝。

■アリシア・キーズの最新作『エレメント・オブ・フリーダム』(DVD付き)(前3作まではすべて全米1位になったが、これはならず。彼女のダークな心模様が、一般受けしなかったのか…。しかし、シンガーソングライターの作品としては、じっくり聴くと、彼女の鼓動が聴こえてくる。歌詞、あるいは訳詞などをじっくり読みながら鑑賞がお勧め)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002WFMTLO/soulsearchiho-22/ref=nosim/

+++++

『ソウル・ディープ』参考文献(パート2)

『ヒップホップはアメリカを変えたか?―もうひとつのカルチュラル・スタディーズ』S.クレイグ ワトキンス著
(ヒップ・ホップ・シーンの冷静な分析)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4845908247/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『ヒップホップ・ジェネレーション 「スタイル」で世界を変えた若者たちの物語』ジェフ・チャン著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4845614979/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『ヒップホップ・アメリカ』ネルソン ジョージ著 (コメントもしていたジョージの本)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860520068/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『アトランティック・レコード物語』ドロシー ウェイド ジャスティン ピカーディー著 (レイ・チャールズ誕生の周辺、アトランティック・ソウルの誕生秘話など、ジェリー・ウェクスラーなどの証言も)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152035196/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『ミュージック・マガジン増刊 新版R&B、ソウルの世界』鈴木啓志著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001FADJY8/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>DOCUMENTARY>Deep Soul
ENT>ARTIST>Keys, Alicia


【Soul Deep -- From Ghetto To Fabulous: What’s Missing On This Episode】

バランス。

BBC制作の『ソウル・ディープ』の6回目は、「フロム・ゲットー・トゥ・ファブラス」。これは過去5回と比べてかなりつっこみどころ満載だ。まず、この回はブラック・ミュージックのヒストリーを俯瞰したというよりも、メアリー・J・ブライジの特集1時間、という印象が強い。もちろん、それはそれでやる意義はあるのだが、たとえば、ブラック・ミュージックの歴史を1時間x50本やるのであれば、こういう回が1回あってもいい。だが、たった6回の中での1回だと他とのバランスが著しく悪い。ざっくり言うと、1980年代、1990年代のブラック・ミュージック界を俯瞰する部分がすっぽり抜け落ち、コンセプトが甘いと言わざるをえない。

メアリーに1時間割くのであれば、その前に、アリサやアース、クール&ザ・ギャング、オハイオ・プレヤーズ、スティーヴィー、マーヴィン、アイズレイ・ブラザース、ダニー・ハサウェイ、ファッツ・ドミノ、BBキング、マイケル・ジャクソン、プリンス、オージェイズおよびフィリー関連、ジャネット、ルーサー、ナット・キング・コール、エラ、サラ、ダイナなどのジャズ大御所、ダイアナ・ロスなどなど、1時間枠でスポットを当てなければならないアーティストは山といる。

メアリー・Jを紹介する上で、ヒップ・ホップとR&Bを融合したというのは、大体あっているのだが、ここでいうR&Bは、1960年代のR&Bとは少しニュアンスが違っていて、1990年代のR&Bを示している。ブラック・ミュージック(黒人大衆音楽)の呼称の変遷については、6回通して説明(ナレーション)がないので、これだと若干視聴者が混乱する。ここはきっちりと説明すべきだろう。呼称の変遷をフォローすると、ブラック・ミュージックの歴史はかなりわかりやすく説明できる。

『ソウル・ディープ』、最初の5回は全体的に駆け足なのだが、この回だけメアリーと「ヒップ・ホップ・ソウル」について、集中したという感が不自然だ。もしこのあたりを取り上げるのなら、ヒップ・ホップを大きな枠のテーマにし、その最後の部分で、ヒップ・ホップとソウルを融合したメアリーJというスーパースターが誕生した、という流れが自然だ。ヒップ・ホップを取り上げるなら、1979年前後からのラップの歴史を駆け足でもよいので紹介したほしいところ。ラップの最初のヒット「ラッパーズ・デライト」、カーティス・ブロウ、グランドマスター・フラッシュ、そしてランDMCへ。アンドレ・ハレルがあれだけ出てくるなら、ラップ界の大御所ラッセル・シモンズも出さないとバランスがとれない。また、あの編集だと、アンドレ・ハレルが「ニュー・ジャック・スウィング」を作ったかのような印象を与えるが、「ニュー・ジャック・スウィング」を紹介するのであれば、テディー・ライリーなどにも出てきてもらわないと。(もちろん、インタヴューはオファーしたものの、出演を断られたかもしれないのだが)

また、メアリーとホイットニーの対比の仕方が、若干恣意的、あるいは作為的な感じがして公平感がない気がする。白人受けするホイットニーに対するアンチとしてメアリーが登場した、という捉え方は、あまりに表面的でうすっぺらい。よくあるテレビ的で残念だ。音楽業界におけるインパクトから言えばホイットニーとメアリーを比べたら、月とすっぽんだ。それを同列、あるいは、メアリーのほうが黒人から支持されたというのは若干無理があるだろう。

たとえば、メアリーのCDは黒人が300万人買いました。ホイットニーのCDは黒人が300万人買い、白人がさらに600万人買って合計900万枚売れました。ではホイットニーの音楽のブラック度がメアリーの半分あるいは3分の1かというと、そんなことはない。充分ホイットニーの音楽もソウルなのだ。しかし、表面的に見ると600万人の白人が買ったことによって、いかにもその音楽自体が「白人に媚びた」風に映ってしまう。(クライブ・デイヴィスは、白人に売るマーケティング戦略は持っていたが。デビュー時にはそれほどでもなかった)そしてメディアはそう書きたがるのだ。それはマイケル・ジャクソンに対しても同じだ。このあたりの「白人に受けたブラック・ミュージック」というテーマは、ひじょうに深いものになると思う。

ネルソン・ジョージ(『リズム&ブルースの死』『モータウン物語』ほかの著作で知られる黒人の評論家)が、ヒップ・ホップ周辺を含めてこのシリーズの最後を端的にひじょうにうまくまとめていた。ちょっと字幕のニュアンスが微妙だったが、改めて訳しなおすとジョージはこう言っていた。

「黒人文化は、もはや『クール』なんてものではない。『最高にクール』になったんだ。黒人は郊外の白人たちにアピールするために、(黒人側が意識や態度を)変える必要はなくなった。今では彼らのほうが黒人になりたがっているのだ。これは、ものすごく大きな変化だ。かつてモータウンは(白人から)支持されるように対応(順応)した。ホイットニーもそうだ。マイケルはある部分そうだった。だが、今では、そうしたことを取り巻く世界の方が劇的に変わったのだ。これは文化が大きく変わったということなのだ」。字幕では「音楽の力」となっていたが、これは訳が違う。「文化自体が変わった」とジョージは言っていた。ジョージは今回のブラック・ミュージック、ヒップ・ホップなどを「文化全体」の枠組みの中で語っていたのだ。

(誤訳という点では、アレサ・フランクリンをホイットニーの「遠い親戚」としていたのも間違い。「そんなバカな」と思って、あわてて戻して英語を聞いたら、extended familyと言っていた。一緒に仕事をした親しい仲間、という意味だ。親戚づきあいをするくらい仲良し、というニュアンス。遠い親戚とは言えない)

ブラック・ミュージックの歴史を俯瞰し、かつてはしいたげられた人々の音楽が、21世紀になって白人も真似したがるような音楽となり、ヒットチャートの上位を独占するまでになった、ということを最後に簡潔にまとめていたのだが、そう変遷した過程がすっぽりぬけている。どのようにそうなっていったのか。いつからその兆しがあったのか。なぜ、そうなったか。その背景には何があるのか。それを後押しする要因はなんだったのか。ジョージの「文化が変わったのだ」の裏には多くの事実がある。彼の一言は素晴らしいまとめだが、それが番組内60分で紹介されていない。ひょっとしたら、ジョージはインタヴューの中でそうした説明をしていたが、時間の関係でボツになったのかもしれない。つまり、一言で言えば5回目までと6回目の間がすっぽり抜けてないのだ。その間には、ホイットニーやマイケルが大衆から支持された説明、プリンスの音楽が支持されてきた事実などの説明不足感が大きい。

1980年代から1990年代のブラック・ミュージックの周辺テーマとしては、「クワイエット・ストーム」「ニュー・ジャック・スウィング」「フィリー・ソウル」「ディスコ」「ロックとブラック・ミュージック」「ソウル・トレイン」、「MTVとブラック・ミュージック」、「ブラック・ムーヴィー」などいくらでもある。そして冒頭で少し触れられたブラックの間に誕生したミドルクラス(中流)の台頭があった。そのあたりの分析ももう少し深めに欲しかったところだ。

とはいうものの、この1週間「ソウル・ミュージック」の歴史、大変楽しめた。NHKそして、BBCありがとう。そして、見逃した方のために再放送をよろしくお願いします。

そして、BBCには続編あるいは、ヴァージョンアップ版を期待したい。

◎番組のBBCのサイト(各日ごと=プレイ楽曲リスト)

NHKで放送されたものは、10分程度短縮されているので、このリストからいくつか落ちているものがあるようだが、全体的な流れはつかめる。

http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/1/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/2/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/3/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/4/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/5/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/6/

◎ メアリー・J・ブライジ 「ヒップ・ホップ・ソウル」の登場はブラック・ミュージックの歴史に残る足跡を残しました。傑作アルバムです。(1992年)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002OME/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ ソウル・ディープ関連記事

2010年01月09日(土)
『ソウル・ディープ』をより理解するための書籍など(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100109.html

2010年01月08日(金)
『ソウル・ディープ』を見て~本当に黒人アーティストは1960年代に「クロスオーヴァー」を狙って
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100108.html

(参考書籍については、さらにまとめます)

ENT>DOCUMENTARY>TV

【To Understand "Soul Deep" More; Recommended Books】

推薦本。

NHK-BS1で今日(1月9日・土)まで6夜連続で放送される『ソウル・ディープ』に関連して、この番組、あるいは、ソウル・ミュージックの歴史を知るための推薦参考書をいくつかピックアップしてみた。途中までやったのだが、けっこう量が増えてしまいそうなので、まずパート1としてご紹介。まだかなり見落としているのもあるが、とりあえずということで。

その前にこの『ソウル・ディープ』のサイトがBBCの中にあります。こちらは、5日目(ファンクの回)の曲目リスト。↓
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/5/

NHKで放送されたものは、10分程度短縮されているので、このリストからいくつか落ちているものがあるようだが、全体的な流れはつかめる。

ちなみに、こちらが今日放送・6日目の「ヒップ・ホップの回」↓
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/6/

もちろん、1日目から4日目もこのサイトに紹介されている。
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/1/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/2/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/3/
http://www.bbc.co.uk/music/souldeep/playlists/4/

さて、参考文献。

まず、1日目。レイ・チャールズの回。基本的にCDは、今回ははずした。ただしドキュメンタリー的なDVDは含めた。各アーティストのCDは、各自チェックしてみてください。

『わが心のジョージア―レイ・チャールズ物語』(レイ・チャールズ/デイヴィッド・リッツ著、吉岡正晴訳)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4900901490/soulsearchiho-22/ref=nosim/
文字通りレイ・チャールズの本人が語った自伝。これを元に映画も出来た。ただし、映画にはクレジットはなし。

DVD『レイ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00096J64Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/
レイ・チャールズのことをてっとりばやく2時間余で知るには、この映画『レイ』が一番いい。

サム・クックについては、こちら。

『ミスター・ソウル』ダニエル・ウルフ著 

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860200462/soulsearchiho-22/ref=nosim/
『ソウル・ディープ』にも出てコメントしていたダニエル・ウルフのサム・クック伝記。

DVDサム・クック

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009PJQJ/soulsearchiho-22/ref=nosim/
サム・クックのドキュメンタリー。これは「リージョン1」の輸入盤でも、日本語字幕がでます。アレサなどもコメント。これもお勧め。

モータウン創始者、ベリー・ゴーディーについてはこちら。

『モータウン、わが愛と夢』ベリー・ゴーディー・ジュニア著/吉岡正晴訳 

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/492488068X/soulsearchiho-22/ref=nosim/
モータウン創始者ベリー・ゴーディーの自伝。これはそれまでのモータウン本と違い、ベリー本人が語ったということで大いに話題になった。まずモータウンを知るならこれから。

マーヴィン・ゲイについてはこちら。

マーヴィン・ゲイ物語 引き裂かれたソウル デイヴィッド・リッツ著、吉岡正晴・訳

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860203186/soulsearchiho-22/ref=nosim/
モータウンの貴公子、マーヴィン・ゲイの伝記。実質的なマーヴィンの唯一の伝記本。マーヴィンを知りたければ、これに尽きる。

『ジェームス・ジェマーソン―伝説のモータウン・ベース』ドクター・リックス著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/484561071X/soulsearchiho-22/ref=nosim/
モータウンのサウンドを支えた屋台骨ファンク・ブラザースのベース奏者、ジェームス・ジェマーソンの伝記。これを元に『永遠のモータウン』が誕生した。

『スウィート・ソウル・ミュージック』ピーター・ギュラルニック著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4401619188/soulsearchiho-22/ref=nosim/
番組でも顔をだしコメントしていたギュラルニックのサザン・ソウルを中心にした著作。名著なのだが、現在、絶版で若干高値がついているのが残念。

『魂のゆくえ』 ピーター・バラカン著 

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903951057/soulsearchiho-22/ref=nosim/
今回解説をしているピーター・バラカンさんの全体的なソウル・ミュージック、ブラック・ミュージックの流れを紹介した著作。

『レコード・コレクターズ2009年 11月号 [雑誌]』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002R1OGZU/soulsearchiho-22/ref=nosim/
モータウン特集。

『モータウン・ミュージック』ネルソン・ジョージ著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152033398/soulsearchiho-22/ref=nosim/
アメリカの音楽評論家ネルソン・ジョージが記したモータウン物語。ベリー・ゴーディーの自伝(1994年)より10年近く前に出たため、自伝登場までは定番的な著作になっていた。ネルソン・ジョージは他にも名著『リズム&ブルースの死』も出していて、これもお勧め。

DVD永遠のモータウン

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00062RJ9C/soulsearchiho-22/ref=nosim/
モータウンで活躍したスタジオ・ミュージシャンたち、ファンク・ブラザースの姿を描いたドキュメンタリー映画。これはマスト。

DVDモータウン・アット・ジ・アポロ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002T214W/soulsearchiho-22/ref=nosim/
モータウンをトリビュートしたアポロでのライヴ。新旧アーティストが勢ぞろい。ライヴとしてもおもしろい。

DVDドリームガールズ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0017VG6N6/soulsearchiho-22/ref=nosim/
モータウン・レコードとシュープリームスをイメージして作られたフィクションの映画。とはいうものの、かなりの部分で、史実とかぶるので当時の雰囲気がわかる。

DVDキャデラック・レコード

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002WKPJFC/soulsearchiho-22/ref=nosim/
これも半分はフィクションだが、シカゴのチェス・レコードの歴史を描いている。こんな雰囲気だったか、という参考に。

『スタックス・レコード物語』ロブ・ボウマン著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4401632060/soulsearchiho-22/ref=nosim/
スタックスのことを詳細に調べ、歴史をまとめた超力作。スタックスのことを知るにはこれ。決定版。ただしかなりのヴォリュームがあります。

DVDワッツタックス

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00276HPSU/soulsearchiho-22/ref=nosim/
1972年夏に行われたスタックス主催の大イヴェント『ワッツタックス』の映画DVD。そういえば、このことについてはほとんど触れられていなかったような気も。

『俺がJBだ!―ジェームズ・ブラウン自叙伝』ブルース・タッカー著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416765136X/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ジェームス・ブラウン唯一の自叙伝。彼の評伝は他にもありますが、まずはこれから。

『スライ&ザ・ファミリーストーンの伝説 人生はサーカス』ジェフ・カリス著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860203380/soulsearchiho-22/ref=nosim/
スライ・ストーンの伝記。

『リズム&ブルースの死』ネルソン・ジョージ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152034289/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『ソウル・サーチン~R&Bの心を求めて』吉岡正晴著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/427623302X/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ジョン・ホワイトヘッド、ハーヴィー・フークワ、マイケル・マッサー、シック、ウーマック&ウーマック、ナタリー・コール、ミニー・リパートンの7組のアーティストのソウル・サーチンの物語。絶版。7章のうち4章はウェッブでも読めます。


ENT>DOCUMENTARY>Deep Soul
BOOKS>


【"Soul Deep" On NHK-BS1~Are Black Musicians Really Trying To "Crossover" In The 60s?】

60周年。

2010年1月4日から6夜連続で、NHK-BS1で放送されている音楽ドキュメンタリー『ソウル・ディープ』。毎回ひとつのテーマを決めて50分にまとめているが、なかなかおもしろい出来だ。話題は尽きない。やはりモノクロでもソウル・シンガーが動いている映像は嬉しい。

とはいうものの、やはりテーマがテーマだけに、どうしても50分では収まりきらないところも多々出てくる。ちょっとソウルの歴史を紐解いたファンからすると、あれはどうした、ここはどうなった、みたいな点がところがふつふつとわきあがってくる。

ざっと言うと、1回目(1月4日)はレイ・チャールズおよびソウルの誕生、2回目(5日)はサム・クック、3回目(6日)はモータウン、4回目(7日)はスタックスおよびサザン・ソウル、この後、5回目がファンク、6回目がヒップホップとなっている。今、このドキュメンタリーを見て興味を持った方のために、さらに知りたければこんなのを読むとよいですよ、という参考文献をまとめているので、最終回終了後にでもブログにアップできると思う。現時点でもけっこうある。

考えてみると、それまで「レイス・ミュージック」(直訳は人種音楽、白人が黒人を蔑んでレイスと呼んだニュアンス)と呼ばれていた音楽が、ジェリー・ウェクスラーの発案で「リズム&ブルーズ」という名称になったのが、1949年。昨年で60周年だった。「モータウン50周年」は話題になったが、「R&B誕生60周年」はそういえば話題にならなかった。誰も気づかなかったのかなあ。(って僕も今やっと気づいたが(笑))

60年もあれば、その歴史は膨大な量になる。まさに近代史そのものだ。それを50分番組6本の計300分5時間ではそもそも無理なのかもしれない。それでも、こうした俯瞰した番組はたたき台としても絶対に必要だ。まずこうした基本中の基礎教養をみんなが知ったところから、次の話しが始まる。

オーティス。

たとえば、4日目のオーティスの話し。オーティスが「ドック・オブ・ザ・ベイ」について、クロッパーに「これは俺の初のナンバーワンヒットになる」と予言するくだりがあるが、あれには前に背景がある。1967年夏、モンタレーで1万人以上の聴衆の前、しかも多くの白人の前で歌った。ちょうどその時滞在していたサンフランシスコ湾の情景を歌にしていた。その同じ夏、オーティスは喉のポリープのために、手術をする。手術後6週間、まったく話すこともできず、彼は静かに過ごし、そのときにビートルズの『サージェント・ペパーズ』をこよなく聴いた。そして、作り上げたのが、それまでのシャウト唱法ではなく、しっとりと味わい深く歌う「ドック・オブ・ザ・ベイ」だった。白人聴衆の前で支持されたことによる自信、歌い方の劇的な変化、素晴らしい楽曲。これは彼のキャリアにとっての一大転機であり、まさに、生涯を決める「キャリア・ソング」となった。だから、彼はこの曲が「初めてのナンバーワンになる」と大きな自信を持ったのである。

多くの関係者や音楽業界人は、この「ドック・オブ・ザ・ベイ」が、オーティスが飛行機事故で死んだために全米1位になったと見ているが、僕はこれは飛行機事故がなくても、全米1位になったと見る。百歩譲って、事故がなくても1週間1位になったところが、事故があったために4週間1位になった、ということはあるかもしれない。

まあ、これは拙著『ソウル・サーチン』にすでに書いたことなのだが、改めて思い出したので、書いてみた。

ちなみに、『ソウル・サーチン』は既にお読みの方はご存知だと思うが、サム・クック、オーティス・レディング、マーヴィン・ゲイのストーリーはそれにかかわるアーティストの視点から描いている。サムは、ウーマック&ウーマック、オーティスは愛弟子ジョン・ホワイトヘッド、そして、マーヴィンは恩師ハーヴィー・フークワだ。現在絶版になっているが、ときおりヤフオクなどでも出ることがあるので、ぜひ興味ある方はチェックしてみてください。

『ソウル・サーチン』の中の7編のうち、4編は下記で読めます。
http://www.soulsearchin.com/soulsearchin/seven2.html

クロスオーヴァー。

ところで、モータウンやスタックスのところでさかんに黒人マーケットから白人マーケットへの「クロスオーヴァー」ということが語られる。ここは、結果的にはそうなっているのだが、みんな語っている人も、今だからそういう風に言ってるのではないか、と僕は感じている。

当時のモータウン関係者も、スタックス関係者も、音楽を作る時は「これを白人マーケットで売ろう」なんてほとんど考えていなかったと思う。よくベリー・ゴーディーが白人マーケットを狙ってモータウン・サウンドを作った、と言われる。僕もある時期そう思っていて、そういう原稿を書いたこともあるが、どうもそれは違うような気がしてきている。そもそも「クロスオーヴァー」という言葉自体が使われ始めたのが1970年代の中頃のことのはず。

それは、むしろ1970年代に入って、アメリカの音楽業界が「ブラック・ミュージック」と「白人音楽」をきっぱり分けるようになってからのことではないだろうか。ちょうどその頃からラジオ界のフォーマットが相当鮮明になり、ロックはロック、ブルーズはブルーズ、ソウルはソウル、ジャズはジャズ、カントリーはカントリー、そして、ヒット曲はトップ40となり始めた。もちろん1960年代にもそうした流れはあったが、1970年代に入って、おそらくFM局の浸透とともにそれが顕著になる。

そうしたラジオ界における分離政策が大きくなったために、ブラック・ミュージックは大きな成功を収めるためには「トップ40」へ(つまり白人マーケットへ)「クロスオーヴァー」しなければならなくなった。だから1970年代になってから「ブラック・チャート」から「トップ40」への「クロスオーヴァー」がより「命題化」してきたのだと思う。

1960年代から1970年代初期(1972~3年ごろ)までは、自然にソウルのヒットもトップ40に入ってきていた。その頃は「クロスオーヴァー」なんて概念もなく、いいソウル曲は、トップ40ラジオでかかり、そのチャートを上がっていたのだ。その顕著な例として1972年5月、ビルボードのホット100のベスト10が8曲もソウル・ヒットで占められたという事件がある。

もちろん、モータウンは1960年代中期からテレビ戦略を持ち、また白人が顧客のキャバレーなどに進出し、結果的に白人マーケットに入り込んだ。そこにはゴーディーの緻密な戦略はあった。だがそれとて、白人というより、単純に「マス・マーケット」(大きなマーケット)を狙っていたというニュアンスに思える。モータウンのサウンドを「白人的」というのは、実は当たっておらず、それを強いて言えば、南部のものと比べて「都会的」だということではないだろうか。「都会的」に「洗練」されていた、だから、白人層にも受けた、ということは言える。

だいたいビルボード誌は1963年10月から1965年1月まで1年3ヶ月ほど、「R&Bチャート」を掲載していない。その必要性がなかったと見ていた。それはトップ40でまかなえていたのである。その後ビルボードは「R&Bチャート」を復活させるので、この期間は、ビルボード史上最大の汚点となっているのだが。

この頃は、「いい曲」であれば、ヒットした。それは黒人であろうが、白人であろうが、ポップスとしてヒットしたのだ。モータウンがヒットしたのは、白人を狙ったからではなく、単純に「いい曲」を作り出せ、それを世に出し続けられたからだ。何よりも、その最大の証拠に、モータウンから出るシングルは、音楽の専門家だけでなく、オフィースで働く普通のスタッフも含めた「金曜朝の楽曲選定会議」(フライデイ・モーニング・ミーティング)の多数決で決めていたのだ。その会議場で、「これは白人向けだからヒットしそうだ」なんてことはテーマにさえならない。

ゴーディーはこう試す。Aという曲とBという曲、1ドル出して買いたいと思うのはどちらだ、と訊く。みんながAだと答える。ここからがゴーディーの真骨頂だ。「では、そのAというシングルと、腹が減ったときに1ドルを出してホットドッグを買うのとどちらを選ぶ?」 それでもAだと言われたシングルを、世に送り出す。会議のメンバーは、一般大衆を代表している。だから、そこで支持されたものがヒットする。

モータウンは白人マーケットを狙って、スタックスは黒人マーケットに絞った、という見方はイギリスでも、アメリカでも今では比較的定説になっており、この『ソウル・ディープ』でもその線で話が進められる。だが、今回『ソウル・ディープ』を見ていて、ひょっとして違うのではないかと思い始めた。少なくとも1960年代は違うのではないだろうか。もちろん1970年代以降は、白人向けのブラック・ミュージックというものは、若干だが存在するのだが。

ちょっと理屈っぽくなったが、このような発見があるだけでも、このシリーズはひじょうにおもしろい。続く2回も楽しみだ。みなさんもぜひチェックを。なお、これはNHKのアーカイブ番組に該当するとのことで、後日でも料金さえ払えば見ることができる。

番組ホームページ
http://www.nhk.or.jp/wdoc/

■ オーティス・レディングのベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HRGD/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>TV>DOCUMENTARY>Soul Deep


【Willie Mitchell Dies At 81】

訃報。

メンフィスを本拠にミュージシャン、アレンジャー、プロデューサーとして1950年代から活躍してきたメンフィス・ソウルの重鎮、ウィリー・ミッチェルが2010年1月5日(火曜)午前7時25分(日本時間5日・夜22時25分)、メンフィスのメソジスト・ユニヴァーシティー病院で死去した。81歳だった。2009年12月19日に心不全で緊急入院していた。ミッチェルは、メンフィスの貴公子と呼ばれたソウル・シンガー、アル・グリーン、あるいは、アン・ピーブルスなどの作品をプロデュースしヒットを出し、メンフィス・ソウルの隆盛に大きく寄与した。

ウィリー・ミッチェルは、1928年(昭和3年)3月23日ミシシッピー州アシュランド生まれ。8歳頃からトランペットを始め、ハイスクール時代にメンフィスに移る。その頃からアマチュア、セミ・プロのバンドで活動を開始、1950年代にはメンフィスのハイ・レコード、ロイヤル・スタジオに出入りするようになり、ここで、当初はミュージシャンとして自身名義のインスト物などを出していたが、徐々にアレンジャー、プロデューサーとして活動するようになった。

1969年、まだ無名だったソウル・シンガー、アル・グリーンと出会い、彼をハイ・レコードに迎え、自身でプロデュース。それまでのアルのシャウト系の唱法をソフトでささやくように歌うよう指示。これが受け、アルは「レッツ・ステイ・トゥゲザー」(1972年)をはじめとする大ヒットを続々と出すようになった。ミッチェルはハイ・レコード、ロイヤル・スタジオの実質的な実力者になり、メンフィス・サウンド、ハイ・サウンドの重鎮になっていく。アル以外にも、アン・ピーブルス(「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」1973年)、シル・ジョンソン(「テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー」1975年)、OVライト(「プレシャス・プレシャス」1978年)などのアーティスト、作品を世に送り出した。

彼がプロデュースした作品は、アル・ジャクソンとハワード・グライムスが生み出す特徴的なドラム・サウンド、ティーニー・ホッジスのギター、チャールズ・ホッジスのオルガン、リロイ・ホッジスのベースという「ハイ・サウンド」でまとめられ、一世を風靡した。

一時期ミッチェルと離れていたアル・グリーンは2003年、ブルーノート・レーベルに移籍したのを機に、ミッチェルをプロデューサーとして再び向かえた。また、ウィリー・ミッチェルは、昨年秋に出たばかりのロッド・スチュワートのソウル・カヴァー・アルバム『ソウル・ブック』でも、2曲でアレンジをしている。

ミッチェルがてがけた最大の成功者アル・グリーンは自身の公式サイトに大きなミッチェルとアルの写真を掲げ、次のように書いている。
http://www.algreenmusic.com/

A Magical Collaboration
Gone, but never, ever forgotten
奇跡のコラボレーション
師去りとて、決して忘却することなく

このトップページには、ミッチェル死去のテレビニュースの映像(約2分弱)もアップされている。

++++

邂逅。

ウィリー・ミッチェルといえば、アル・グリーン、アン・ピーブルス、ドン・ブライアント、OVライト、ハイ・レコードのさまざまなヒットだ。あの特徴的なサウンドは本当に1970年代のソウルだ。最近ではアル・グリーンとの作品、ロッドの作品のほか、日本人オリトの作品などが思い出される。オリトは一昨年(2008年)43歳で急逝したが、一足先に行った天国で両腕を広げてミッチェルを待ち受けていることだろう。

ご冥福をお祈りする。

■過去ウィリー・ミッチェル関連記事

2004/02/28 (Sun)
There’s A Dream After Fade-out: Willie Mitchell Revealed His Secrets Of Hi Sound
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040228.html
ウィリー・ミッチェルに直接会ったエンジニア末永さんのメンフィス話。僕の好きないい話だ。

2003/12/07 (Sun)
Mike # 9: That’s Al Green Used To Use
http://www.soulsearchin.com/entertainment/tv/diary20031207.html
トータス松本さんがテレビ番組でメンフィスを訪れ、ロイヤル・スタジオに潜入。

2003/09/24 (Wed)
Al Green Recorded New Album At Old Royal Studio With Old Microphone
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200309/diary20030924.html
アル・グリーンとウィリー・ミッチェルの再会作。2003年作品。

July 16, 2008
オリト・トリビュート・ライヴ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080716.html
メンフィスのウィリー・ミッチェルにプロデュースしてもらったオリトの死去後のトリビュート・ライヴ。

February 27, 2008
オリト死去
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080227.html

March 13, 2006
OA Farewell Party
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200603/2006_03_13.html
青山のソウルスナック、OAの閉店パーティーで。OAのママの助言によってメンフィスに行くことになったオリト。

■アル・グリーン 『フリーソウル』のベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004W9KY/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『レッツ・ステイ・トゥゲザー』(紙ジャケット)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000E1KNXE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ニュース記事

Wednesday January 6, 2010 MYT 11:16:00 AM
Producer and musician Willie Mitchell dead at 81
http://www.star-ecentral.com/news/story.asp?file=/2010/1/6/music/20100106112101&sec=music

Famed musician, record producer Willie Mitchell dies
By Bob Mehr
Posted January 5, 2010 at 10:38 a.m. , updated January 5, 2010 at 2:38 p.m.
http://www.commercialappeal.com/news/2010/jan/05/musician-music-producer-willie-mitchell-dies-age-8/

Willie Mitchell, Al Green producer, dies January 5, 2010 -- Updated 2126 GMT (0526 HKT)
http://edition.cnn.com/2010/SHOWBIZ/Music/01/05/obit.mitchell/

OBITUARY>Mitchell, Willie, March 1, 1928 - January 5, 2010, 81 years-old

【Willie Mitchell Dies At 81】

訃報。

メンフィスを本拠にミュージシャン、アレンジャー、プロデューサーとして1950年から活躍してきたメンフィス・ソウルの重鎮、ウィリー・ミッチェルが2010年1月5日(火曜)午前7時25分(日本時間5日・夜22時25分)、メンフィスのメソジスト・ユニヴァーシティー病院で死去した。81歳だった。12月19日に心不全で緊急入院していた。ミッチェルは、メンフィスの貴公子と呼ばれたソウル・シンガー、アル・グリーン、あるいは、アン・ピーブルスなどの作品をプロデュースしヒットを出し、メンフィス・ソウルの隆盛に大きく寄与した。

(詳細は後ほど)

Published: Wednesday January 6, 2010 MYT 11:16:00 AM
Producer and musician Willie Mitchell dead at 81
http://www.star-ecentral.com/news/story.asp?file=/2010/1/6/music/20100106112101&sec=music

Famed musician, record producer Willie Mitchell dies
By Bob Mehr
Posted January 5, 2010 at 10:38 a.m. , updated January 5, 2010 at 2:38 p.m.
http://www.commercialappeal.com/news/2010/jan/05/musician-music-producer-willie-mitchell-dies-age-8/

Willie Mitchell, Al Green producer, dies January 5, 2010 -- Updated 2126 GMT (0526 HKT)
http://edition.cnn.com/2010/SHOWBIZ/Music/01/05/obit.mitchell/

OBITUARY>Mitchell, Willie, March 1, 1928 - January 5, 2010, 81 years-old


【Extra Footage For "This Is It" (Part 1): Reveals Behind The Scene Of "This Is It" Tour】

表裏一体。

2009年7月から行われる予定だったマイケル・ジャクソンのロンドン・ツアーのリハーサルを記録した映画『ディス・イズ・イット』のDVDが2010年1月27日に発売される。その中に、映画では公開されなかった映像が「特典映像」として収録されるが、それを5日、ソニー・ピクチャーズのオフィースで見せてもらった。

特典映像は、トータル約165分。通常のDVDとブルーレイの両方につくものと、ブルーレイだけにつくものがある。

(通常特典)(どちらのディスクにも収録)

1. カンバックにかける想い (2種)
2. キング・オブ・ポップの衣装について
3. スタッフが語るマイケル・ジャクソン
4. ダンサーのオーディション風景
5. コンサート制作の舞台裏 (3種)
ダンサー編、バンド編、ヴォーカリスト編
6. オリジナル劇場予告編

(ブルーレイ用特典)(ブルーレイ・ディスクのみに収録)

1. ショートフィルム 「スリラー」(今回のライヴ用撮り下ろし)
2. ショートフィルム 「スムース・クリミナル」(今回のライヴ用撮り下ろし)
3. メイキング・オブ・ショートフィルム 「スムース・クリミナル」
4. 振り付け師が語るマイケルのダンス
5. フォトギャラリー
6. BD-LIVE (インターネットのサイトに、このディスクを通じてつないで見る映像。このディスク経由でないと見られないらしい。今回はこの部分だけまだ見られなかった)

通常DVDは映画本編と特典映像の2枚組みだが、ブルーレイは1枚のディスクに、本編と特典映像が収録される。ブルーレイのほうがそれだけ容量が多いということだ。

一言で言えば、ここでは多くのミュージシャン、ダンサー、スタッフの証言が多数収録されており、これらの証言を総合していくと、映画『ディス・イズ・イット』本編で見られたものが、あくまで全体像の一部でしかないことが浮き彫りになる。そして映画本編を表の顔とすれば、これは、裏の顔だ。両者を脳内合成して見ると、まるで『ディス・イズ・イット』のライヴを真に体験したかのように思えてくる。

関係者は誰もがこのツアーへの熱い思いと、マイケルへの思いを淡々と語り、胸が熱くなる。そして、曲によってどんな衣装になるか、曲によってどんな舞台装置、仕掛けがあるのかなどが具体的に詳細に語られると、見ているほうは『ディス・イズ・イット』のアドヴェンチャーの壮大なスケールにただただ驚嘆する。多くの世界一流のスタッフがここに集まり、最高のアート(芸術)、エンタテインメント作品を作るために、叡智を結集し、最大限の努力をし、マイケルのドリームワールドを実現させようとしている。映画本編では、表が明らかになったが、ここでは、まさに裏方の人々がどれだけ知恵を絞っているかが明らかになる。まさに表裏一体だ。

最大のポイントは、多くの参加者が、マイケルはこの映画で大きなメッセージを伝えたいと考えていたと証言する部分だ。それは、たとえば「アース・ソング」についての解説のところで顕著だった。「マイケルは、はるか以前から環境破壊について懸念し、立ち上がろうとしていた。もっと我々は自然に対して敬意を払わなければならない。これは現代の人類に対する警鐘だ。マイケルは(コンサートのラストを)ハッピー・エンディングにしたいと思っていなかった。行動しないとだめだというメッセージだった」といったことが語られる。

この「ハッピー・エンディングにしたくなかった」というのは、衝撃だ。本編映画でも映っていたが「アース・ソング」の最後にトラクターが出てくる。前の「ヒストリー・ツアー」では、ここは戦車だった。このメッセージは、「世界を壊すのは機械(トラクター)ではなく、人間なのだ」と説明する。強烈なメッセージだ。

そして、やはりここで語られるマイケル像を見れば、誰しもが「マイケルって何ていい人間だったのだろう」と思わずにはいられなくなるだろう。

ブルーレイ用特典映像の「スリラー」と「スムース・クリミナル」は、ライヴ会場で実際にそれらの曲が歌われる前にLEDスクリーンに映し出されるほぼ完成形の映像だ。もちろん今回のために撮影された撮り下ろし。一部は『ディス・イズ・イット』本編でも紹介されていたのでご記憶の方も多いだろう。

「スリラー」は、3Dで撮影されているが、ここでは平面映像だが、それでも画像がきれいなせいか、この部分が浮き上がってくるのだろう、というのがわかる。これがあの大きなスクリーン(30メートルx9メートル=超巨大だ!)に映し出されたら、それはものすごい迫力だろう。

いくつか軽くネタばれになるが、ここは見所だというところを紹介する。

ショーが始まる部分。本編でも「ライトマン」が少し紹介されていたが、その「ライトマン」の詳細が語られ、どのような形でショーが始まるかがイメージできる。もちろん、マイケルがどんな衣装を着ているかが、詳細に紹介されているから頭の中で合成できる。

そして、「スリラー」「スムース・クリミナル」の映像からライヴへの導入部分。おもわず、「な~~るほど」とうならされた。

さらに圧巻だったのが、映画本編でも少し触れられた謎の「MJエアー」。これはショーのエンディングだが、その全貌が明らかにされる。ケニー・オルテガらの説明とその映像、なによりそのアイデアには度肝を抜かれた。なぜ、この部分が映画本編にいれられなかったのか、少し疑問に思ったのだが、もちろん他にも「ここも本編にいれればいいのに」と思ったシーンは多々あり、あれもこれもいれていくと120分に収まらなくなってしまったのか、泣く泣くカットだったのかとも思った。本当に「すごい」としかいいようがない。

また、一瞬だが、ホワイトボードにセットリストの一部をケニーが書いていたシーンがあった。これが最終的なセットリストかどうかは不明だが、興味深い発見がいくつかあった。

そのホワイトボードには、映画本編では歌われていなかった「ドント・ストップ・ティル・ユー・ゲット・イナフ」、「ロック・ウィズ・ユー」、「デンジャラス」、「ダーティー・ダイアナ」、「ユーアー・ノット・アローン」、「ウィル・ユー・ビー・ゼア」の曲目が書かれていた。さらに「ウィ・アー・ザ・ワールド」と「ヒール・ザ・ワールド」がメドレーで歌われるように書かれていた。その後「ユー・アー・ノット・アローン」に行き、本編が「ビリー・ジーン」で終わる。そして、アンコールで「ウィル・ユー・ビー・ゼア」、「マン・イン・ザ・ミラー」で本当にショーが終わるという形になっていた。前述のようにこれが最終形かどうかはわからない。だが、「マン・イン・ザ・ミラー」で会場を去るというのは、そのメッセージなどあらゆる点から言って僕は納得した。

(この項、明日以降に続く)

■ 『ディス・イズ・イット』関連記事

October 28, 2009
『ディス・イズ・イット』全容~『ムーンウォーカー』も11月7日から公開
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091028.html
映画公開前に総力取材しての全容。

October 29, 2009
『ディス・イズ・イット』~夢と冒険に溢れる2時間
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091029.html
映画を初日に見ての感想。

October 30, 2009
マイケル・ジャクソン・デイ~『ディス・イズ・イット』と『マイケル・ジャクソン全記録』~セットリスト
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091030.html
映画内で歌われる曲、全曲のセットリスト。

+++++

集中。

昨日は、この映像を西寺郷太さんを誘い、一緒に見たのだが、3時間程度で見られるかと思いきや、途中、DVDを止めたり、戻したり、メモを取ったり、相当2人とも集中して見たため、結局4時間半くらいかかってしまった。この前のお台場でのトーク・ショーと同じくらいの長さになった。(笑) ここはどうなってる、などと言いながら、映像を少し戻したりして見ていたので、えらく時間がかかった。彼も「ほんと集中して見たんで、すごく疲れました」と言う。僕も、これほどテレビ画面を「ガン見」したことはなかった。

今回嬉しかったのは、ダンサーの名前と顔がすべて字幕などもあり、一致したこと。一瞬だが、ケント・モリさんも出ている。また、ミュージシャンらの経歴もインタヴューで軽くでてきたので、勉強になる。しかし、いわゆる特典映像でこんなに楽しめたことはなかった。

見る前に担当の方と少し話したが、僕がブルーレイの再生専用機をドンキかどこかで2-3万円で買うつもりです、と言ったら、再生だけでいいなら、プレステーションが機能的にとてもいいですよ、ディスクとの相性も、普通の機械よりプレステがいいと勧められたので、プレステ3を買うことにした。(笑) ゲームはしないんだけど…。確かに3万弱なら、値段はそれほど変わらない。

Play Station 3 (これを買えばいいのかなあ…)28370円

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002LZTX0U/soulsearchiho-22/ref=nosim/

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This Is It DVD デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組み)2746円

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002YK4U4G/soulsearchiho-22/ref=nosim/

This Is It DVD (Blu-Ray) 3500円

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002UHJ9EO/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>MICHAEL JACKSON>This Is It
ENT>MOVIE>This Is It
ENT>MICHAEL JACKSON-OLOGY


まとめ。

毎日、仮に2000字前後のダイアリー(ブログ)を書いているとすると、1年で73万字ほどになる。ざっと数えても『マーヴィン・ゲイ物語~引き裂かれたソウル』の2倍近い量だ。

このソウル・サーチン・ダイアリーは、2002年6月6日から始まり、当初はアットランダムに書いていたが、2002年10月6日から毎日書くようになった。以来、一日も休まずにアップされている。2009年10月でまる7周年を迎えたことになる。「ベスト・オブ」は、2004年分以降毎年翌年の1月に選び、発表している。「ベスト・オブ」だけでも、もう6年分ある。はやいところ、書籍にまとめたいところ…。

【10月の1本】

October 29, 2009
『ディス・イズ・イット』~夢と冒険に溢れる2時間
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091029.html
依然エントリーの多くがマイケル関連。この月は、映画『ディス・イズ・イット』関連が多かったのですが、その感想文を。ほかにエリザベス・テイラーのツイッターでの映画に対する感想文も。

【その他の候補】

October 03, 2009
豪華マイケル・ジャクソン本~ア・トリビュート・トゥ・ザ・キング・オブ・ポップ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091003.html

October 07, 2009
マイケルのDNAを受け継いで~MJ-スピリット@モーフ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091007.html

October 16, 2009
グレイト・ストーリーテラー、リオン・ウェアはノンストップでしゃべる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091016.html
東京地区初来日のリオン・ウェアのインタヴュー。実におもしろい。

October 19, 2009
ビヨンセ・ライヴ~『アイ・アム…ツアー』絶好調
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091019.html

October 20, 2009
加藤和彦さん死去~人生の美学と無常
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091020.html

October 27, 2009
エリザベス・テイラー:『ディス・イズ・イット』をツイッターで語る
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091027.html

October 28, 2009
『ディス・イズ・イット』全容~『ムーンウォーカー』も11月7日から公開
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091028.html

October 30, 2009
マイケル・ジャクソン・デイ~『ディス・イズ・イット』と『マイケル・ジャクソン全記録』~セットリストつき
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091030.html

【11月の1本】

November 20, 2009
アシュフォード&シンプソン:ストーリーを聴かせるライヴ (パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091120.html
November 21, 2009
アシュフォード&シンプソン (パート2): インタヴュー
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091121.html
November 22, 2009
アシュフォード&シンプソン(パート3):インタヴュー:モータウンでは「スピード」が必要
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091122.html
初来日、アシュフォード&シンプソン、ライヴ評とインタヴュー。読み応えたっぷりです。

【その他の候補】

November 01, 2009
ジョー・サンプル・ライヴ、解説付きで音楽を楽しむ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091101.html
November 06, 2009
『アイ・ウォント・ユー・バック』のイントロ・ピアノは、ジョー・サンプルだった
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091106.html
語り部、ソウル、ジャズ音楽業界の生証人ジョー・サンプルのレクチャー。

November 12, 2009
『ディス・イズ・イット』IMAXシアターで見る
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091112.html

November 16, 2009
ノラ・ジョーンズ最新作『ザ・フォール』~「海賊を追いかけて」の意味
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091116.html
「チェイシング・パイレート」の訳詞、その意味。
December 06, 2009
ノラ・ジョーンズの新作ジャケットにはなぜ犬が映っているのか
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091206.html
ノラ最新作のジャケットのなぞ。

November 28, 2009
『ディス・イズ・イット』終了~マイケルのエクステンション
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091128.html
これからは、マイケルのメッセージを受け取った者がマイケルのエクステンション(分身)になる、というストーリー。

November 29, 2009
バーブラ・ストライサンド最新作『ラヴ・イズ・ジ・アンサー』~全米1位初登場アルバム
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091129.html

November 30, 2009
「煙が目にしみる」~名曲の起承転結
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091130.html

【12月の1本】

December 08, 2009
「マイケル・ジャクソン学」が始まる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091208.html
December 13, 2009
マイケル・ジャクソン学~「ヒューマン・ネイチャー」
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091213.html
マイケル・ジャクソンの楽曲、特に歌詞の世界は、マイケルのメッセージが存分に込められている。これまで、彼の歌と踊りのすごさに目を奪われていた僕たちは、マイケルの真摯なメッセージをしっかりと受けとめたい。マイケルが語ろうとしていること、それを解き明かすことを「マイケル・ジャクソン学」と呼ぼう。これは、その「マイケル・ジャクソン学(Michael Jackson-ology)」の始まりだ。

【その他の候補】

December 03, 2009
アシュフォード&シンプソンが作り出す楽曲の強力さ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091203.html

December 07, 2009
ワックスポエティックス・ジャパン7号発売~アメリカ版はマイケル特集
テーマ:ブログ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091207.html

December 10, 2009
ティム・バートン展、ニューヨークMOMAで開催中
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091210.html

December 11, 2009
ダイアン・バーチ・ライヴ・アット・クワトロ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091211.html

December 14, 2009
ジャクソンズ・リアリティー・ショー『ファミリー・ダイナスティー』フォックスで放送
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091214.html

December 16, 2009
ようこそデイヴィッドTのリヴィングへ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091216.html

December 17, 2009
マイケル・ジャクソンの「愛と哀しみの真実」の意義
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091217.html

December 18, 2009
白川会@しずおか屋~ソウル談義の夜は更けて
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091218.html

December 22, 2009
ゴスペラーズ15周年記念ライヴ~5本のスポットライトが照らす真骨頂
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091222.html

December 24, 2009
「マイケル・ジャクソン・ラヴ・ナイト」満員御礼無事終了
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091224.html

December 25, 2009
クリスマスにスタイリスティックス~継続アーティストだけがもてる特権
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091225.html

December 27, 2009
松尾潔さん、NHK-FMでスモーキー・ロビンソンを語
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091227.html

December 28, 2009
ダリルズ・ハウス~ダリル・ホールとスモーキー・ロビンソンの邂逅
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091228.html

December 29, 2009
Uストリームは、なんでもどこでも生中継~新しいメディア
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091229.html
これは、将来的におもしろいことになるかも。

ESSAY>DIARY


【"Soul Deep": BBC’s Documentary On Air Tonight At NHK-BS】

ドキュメンタリー。

NHK-BSで今日(2009年1月4日)21時10分(午後9時10分)から22時まで、『ソウル・ディープ』というソウル・ミュージックの歴史を追ったドキュメンタリーが放送される。これはイギリスBBCが2003年に制作したもので、今回は6夜連続で放送される。

詳細はこちら。1日目から6日目までの内容が簡単にでています
http://www.nhk.or.jp/wdoc/

1日目の内容↓
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/100104.html

ブラックミュージックの変遷と発展を、様々なミュージシャンの貴重なインタビューと楽曲でたどるシリーズ“ソウル・ディープ”。第1回は、レイ・チャールズを中心にソウル・ミュージックの先駆者を紹介。ソウルの基礎を作ったR&Bの誕生の背景に迫る。

1940年代、黒人ポピュラー音楽はレイス・ミュージック(人種音楽)に代わり、リズム&ブルース(R&B)と呼ばれるようになる。R&Bはやがてルース・ブラウンやジョー・ターナーの活躍によって、黒人社会で確固たる地位を築いていく。そのR&Bをゴスペルと融合させ、“ソウル・ミュージック”という新たなジャンルを生み出した1人がレイ・チャールズだった。

幼い頃に視力を失ったレイは、盲学校でピアノを学び才能を開花。卒業し大手レコード会社と契約したあとは、その深みのある響く声で白人の若者たちの心をつかんでいった。しかし1950年代、黒人たちは依然として人種差別と闘っていた。そしてソウルはその経験を表現する音楽となっていく。

原題: SOUL DEEP  The birth of Soul
制作: BBC (イギリス 2003年)

(以上、NHKのホームページより)

ENT>TV>DOCUMENTARY>Soul Deep

2002年から続いている「ソウル・サーチン・ダイアリー」。その2009年のベスト・オブ、パート3は7月から9月まで。実はこれを選ぶのもけっこう一苦労で、タイトルだけで大体覚えてはいるが、あらためて読んでしまったりすると、思った以上に時間がかかったりする。

さて、7月はまだマイケル急死のショックが後を引く。来日するアーティストたちは、まるで示し合わせたかのように、どのステージでもマイケル楽曲をこれでもかこれでもかとカヴァーしてトリビュート。また、マイケルを巡るメディアの問題も大きくクローズアップされてきた。

【7月の1本】

July 12, 2009
マイケルの急死を悼んで~マイケル・ジャクソンとメディアの戦い (パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090712.html
July 13, 2009
マイケルの急死を悼んで~マイケル・ジャクソンとメディアの戦い(パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090713.html
July 28,2009
マイケル・ジャクソン~徐々に出され始めたメディアの膿
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090728.html
マイケルは、なぜメディアと戦わなければならなかったのか。ひじょうに有益な考察です。これはその後の、特に日本のメディアのマイケルへの手のひらを返したような絶賛の風潮にも警鐘を与えているかもしれません。

【その他の候補】

July 06, 2009
訂正:マイケル・ジャクソンは『ウィ・アー・ザ・ワールド』で4番目の逝去
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090706.html

July 07, 2009
フェデラーとロディックのソウルの戦い~ウィンブルドン男子決勝
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090707.html
ウィンブルドンの決勝、素晴らしい感動的な試合でした。これぞ、アスリートもアーティストであることの証明です。これは今月の1本に選んでもよいほど。

July 08, 2009
マイケル・ジャクソン追悼式
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090708.html

July 09, 2009
マイケル・ジャクソン・メモリアル:5人のグローヴに見る兄弟の絆
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090709.html

July 16, 2009
『ソウル・サーチン~アイズレイ・ブラザーズ』満員御礼無事終了
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090716.html
July 19, 2009
『ソウル・サーチン~アイズレイ・ブラザーズ』曲目解説
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090719.html

July 21, 2009
AI VIVA A.I.ジャパン・ツアー・ファイナル
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090721.html
July 22, 2009
AI VIVA A.I.ツアー 千穐楽&モア…
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090722.html

July 23, 2009
赤坂サカスの水族館~シーラカンスの展示
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090723.html

July 25, 2009
アンソニー・ハミルトン~オールド・スクールの輝き
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090725.html

July 26, 2009
ダルフール紛争へのチャリティー・ソング「タッチ」、ブレンダたちが集結
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090726.html
July 27, 2009「ダルフールのための歌」~レコーディング・セッション (ダルフール=パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090727.html
世界には我々が知らない戦争が多々ある。ダルフール紛争は、そんなひとつだった。

July 29, 2009
ロバータ・フラック・ライヴ~マイケル・ジャクソンに捧げる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090729.html

July 30, 2009
ハーレム・ナイツ8 (パート1)~オマー・エドワーズ、マイケルに捧げる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090730.html
July 31, 2009
オマー、マイケル・ジャクソン、マーヴィン・ゲイを語る~ ハーレム・ナイツ(パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090731.html
オマー・エドワーズの人生哲学、そして、マイケルへのトリビュートは感動的だった。

+++

【8月の1本】

August 04, 2009
デリック・ヒューズ語る~彼はいかにしてロバータ・フラックのバックコーラスの仕事を手に入れたか
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090804.html

【その他の候補】

August 03, 2009
マリーナ・ショウとドリーム・チームによるドリーミーな夜
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090803.html
こんなライヴが実現するなんて。見事な企画の勝利。

August 08, 2009
ベイビーフェイスは、「ゴーン・トゥ・スーン」でマイケルに捧げる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090808.html

August 11, 2009
ビヨンセが映画『キャデラック・レコード』で歌う3曲
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090811.html

August 17, 2009
マイケル・ジャクソン・ロンドン用リハーサル模様、映画公開へ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090817.html

August 22, 2009
ダルフール・チャリティー・ソング「タッチ・ザ・スカイ」完成
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090822.html

August 23, 2009
パティー・オースティン・ライヴ~パティーとの楽しい夕べ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090823.html

August 25, 2009
ソングライター、リオン・ウェア戻ってくると宣言
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090825.html

August 29, 2009
格調高きラムゼイ・ルイス・トリオの演奏
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090829.html

+++

【9月の1本】

September 15, 2009
ホイットニー・ヒューストン、オプラで赤裸々告白~7年ぶり新作、アルバム1位初登場
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090915.html
September 19, 2009
ホイットニー・ヒューストン、オプラに3時間語る(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090919.html
September 20, 2009
ホイットニー・ヒューストン、オプラに3時間語る(パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090920.html

【その他の候補】

September 02, 2009
マイケル・ジャクソン『オフ・ザ・ウォール』(リマスター盤)の謎
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090902.html

September 05, 2009
NHK-FM 『ザ・ソウル・ミュージック』500回を迎える
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090905.html
何度もかけている「ホワッツ・ゴーイング・オン」への問い合わせの件。

September 06, 2009
西寺郷太・著『新しいマイケル・ジャクソンの教科書』、いよいよ発売
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090906.html

September 09, 2009
フランキー・ビヴァリー、来日直前インタヴュー
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090909.html

September 10, 2009
スライ・ストーン今年も来日していた 衝撃情報
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090910.html

September 12, 2009
フィリップ・ウー・ライヴ: フィリップとブレンダのマイケル
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090912.html

September 21, 2009
カーク・フランクリン・ライヴ~ポップ・ゴスペルの大爆発
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090921.html

September 23, 2009
メイズ・ライヴ~キング・オブ・レイドバック・ファンク
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090923.html

September 26, 2009
ソウル・パワー・東京サミット2009(Day 1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090926.html
September 27, 2009
ソウル・パワー・東京サミット2009(Day 2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090927.html

September 29, 2009
◎ ミュージック・ソウルチャイルド・ライヴ 
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090929.html

ESSAY>DIARY

【Best Of Soul Searchin Diary 2009: Part 2】

死。

2009年のソウル・サーチン・ダイアリー、そのベスト・オブ。パート2は4月から6月まで。

The Day The Music Died(音楽が死んだ日)、まさに、そんな感じだ。これまでに何度も言われてきた。バディー・ホリーたちが乗った飛行機が事故で墜落した日、エルヴィスが死んだ日、ボブ・マーリーが死んだ日、ジョン・レノンが死んだ日。そして、昨年マイケルが死んだ日。2009年は、初の黒人大統領が誕生した年として記憶されることになったが、同時にマイケル・ジャクソンが亡くなった年としても記憶されることになる。

【4月の1本】

April 23, 2009
人生のファイナル・アンサーを問いかける『スラムドッグ$ミリオネア』
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090423.html
これは、とてもおもしろい映画でした。題材のとり方がとても新鮮。映画の構成力が見事。これだけエンタテインメントにして考えさせるところは考えさせるのもすばらしい。

【その他の候補】

April 01, 2009
マーヴィン・ゲイ、1984年4月1日、ロス・アンジェルス
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090401.html
マーヴィンの死から25年。その日一体何が起きたのか。

April 02, 2009
マンハッタンズ~直角のお辞儀に見るソウル・エンタテインメントの真髄
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090402.html
オールド・スクールたちのきちんとしたところが好き。

April 05, 2009
中村梅雀さん、ジャコのベースを入手
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090405.html
これ、おもしろかった。中村さんがそんなにベース熱狂家とは知らなかった。

April 16, 2009
『未来創造堂』で徳光さん、ムード歌謡、司会者を語る
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090416.html

April 19, 2009
イチローの世界記録は2016年?
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090419.html
イチローに関する予想。果たして、どうなるか。

April 27, 2009
深町純キーボード・ライヴ月例定例会第100回~日本の音楽を探し求めて~
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090427.html
月例で100回目を迎えた奇才深町純のキーボード即興ライヴ。

April 28, 2009
ユーミン、マーヴィン・ゲイの「アイ・ウォント・ユー」を語る
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090428.html
「後ろ手」の魅力。

【5月の1本】

May 12, 2009
全身全霊でかけぬけた50本~山下達郎2008-2009ツアー最終日終了
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090512.html
達郎さんライヴの総決算。重厚な内容のライヴへの真摯なライヴ評。

【その他の候補】

May 03, 2009
忌野清志郎さん、死去
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090503.html
May 04, 2009
安住紳一郎アナ、「忌野清志郎をせいしろう」と読む
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090504.html
衝撃の清志郎さん逝去。

May 06, 2009
ドニー・マクラーキンと25トンの歌声と7人の小人
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090506.html
ゴスペル・パワー。

May 07, 2009
エディー・リヴァート・ライヴ~熱いソウルは零れ落ちる汗とともに
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090507.html
これも、なかなかすばらしいライヴでした。エディーが2人の息子を先になくしていることを思うと感無量。

May 09, 2009
真鍋太郎展~70年代にフラッシュバック
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090509.html
真鍋展とトムズ・サンドウィッチ。

May 11, 2009
アーニー・バーンズ70歳で死去
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090511.html
マーヴィン、カーティスなど多数のアーティストのジャケットを飾ったアーティスト、画家アーニー・バーンズの死去。

May 17, 2009
永六輔にエグザイルを教えた男、松尾潔
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090517.html
これもとてもおもしろいエントリーでした。

May 19, 2009
川畑満男氏ソウル・バー歴30周年記念パーティー~フィーチャリング・ジェームス・ギャドソン
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090519.html
周年イヴェントで、ジェームス・ギャドソンを呼んでしまう川畑さんて!

May 21, 2009
ロイ・エヤーズ(エアーズ)、渋谷の若者を熱狂させる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090521.html

May 25, 2009
レコード地獄に足を一歩踏み入れた新人19歳とどっぷり頭までつかった61歳の邂逅
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090525.html
レコード・マニアなら思わず苦笑い。

May 30, 2009
トクズ・ラウンジ:素晴らしきミュージシャンシップの大爆発
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090530.html

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【6月の1本】

June 26, 2009
(速報)マイケル・ジャクソン死亡
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090626.html

June 27, 2009
マイケル・ジャクソンが成し遂げたこと
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090627.html

June 29, 2009
マイケル・ジャクソンの死とマーヴィン・ゲイの死~その父からの影響
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090629.html
マイケル・ジャクソン急死。マイケルが成し遂げたことを、簡単にすぐにまとめましたが、以後、今日までマイケル関連記事は多数あります。

【その他の候補】

June 09, 2009
チェス・レコードを描いた映画『キャデラック・レコード』8月に公開
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090609.html

June 12, 2009
ボブ・ディラン最新作の中川五郎さんの訳詞
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090612.html
「そよともしない黄昏の風」は、元の英語は? お見事。

June 16, 2009
もっとラジオを聴こう~USBラジオをパソコンにつけてみた
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090616.html

June 17, 2009
中田亮さん(オーサカ=モノレール)、ツアー、ブラック・ムーヴィーを語る
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090617.html

ESSAY>DIARY

【Best Of Soul Searchin Diary 2009: Part 1】

恒例。

恒例となった「ベスト・オブ・ソウル・サーチン・ダイアリー」その2009年版をお送りします。そのパート1、1月から3月まで。なお2002年6月以降の『ソウル・サーチン・ダイアリー』のアーカイブは次のところにすべてあります。年月のところをクリックすると、その月のタイトル一覧がでます。2008年12月まで。2007年3月以降はアメブロにあります。「ベスト・オブ」は2004年分以降、毎年翌年1月の最初に選んでいます。

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/index.html
2002年6月から2008年12月まで

http://ameblo.jp/soulsearchin/
2007年3月から2009年12月、以降現在まで

また、ここで選んだ記事以外におもしろかった、印象深かった、などのエントリー(記事)がありましたら、遠慮なくyoshioka@soulsearchin.comまでご連絡ください。「ベスト・オブ」にいれます。リンクをクリックして、余韻にひたりましょう。あるいは、明日以降4月以降のものを選びますので、その中からこれはいれて欲しいというのがあればいれます。BBSへの書き込みでもOKです。
http://www.soulsearchin.com/soul-bbs2/soul20091226yoshi.cgi

まず1月から3月までの第一四半期は、僕がマーヴィンの翻訳でこもりきりだったこともあり、けっこうテレビネタが多くなっているのが例年とちがった特徴。

【今月の1本】

January 22, 2009
オバマに望む3つの奇跡~就任演説を聴いて
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090122.html

オバマ関連はいずれも大変おもしろい内容でした。一連のオバマ関連とともに、今月の1本という感じです。

【その他の候補】

January 21, 2009
オバマ大統領誕生~アレサの歌が祝福
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090121.html

January 20, 2009
オバマ就任イヴェント、多数のアーティストが参加
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090120.html

January 19, 2009
磁力持つオバマのソウル・スピーチ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090119.html

January 25, 2009
オバマ大統領就任演説の同時通訳
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090125.html

January 13, 2009
ユーミン、スティーヴィーについて語る
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090113.html
ユーミンのちょっとしたスティーヴィーについての自慢話。なかなかおもしろいお話です。

January 24, 2009
バー・ルーム「オールウェイズ&フォーエヴァー」で閉店
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090124.html

January 29, 2009
Nakao Kouichi, Writer Of "Soul Music" Dies At 42
【NHK『ソウル・ミュージック』構成作家、中尾浩一さん死去】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002811.html

February 06, 2009
NHK-FM『ソウル・ミュージック』~感動の選曲
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090206.html
1月29日付けに関連して。

+++++

【2月の1本】

February 18, 2009
村上春樹氏エルサレム賞受賞スピーチ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090218.html

February 20, 2009
村上春樹氏「エルサレム賞」スピーチ全文
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090220.html

February 21, 2009
村上春樹氏の「エルサレム賞」受賞について
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090221.html

一連の村上春樹氏エルサレム賞・受賞スピーチについてのもの。これはひじょうに感動的でした。

【その他の候補】

February 24, 2009
「おくりびと」~ソウルの真の出発[Departures]
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090224.html

February 25, 2009
青木新門氏の「納棺夫日記」は「おくりびと」の原点本
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090225.html

February 26, 2009
「おくりびと」誕生へのご縁
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090226.html

March 03, 2009
毎日新聞が「おくりびと」青木氏インタヴュー、村上春樹氏「卵と壁」スピーチ全文を掲載
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090303.html
映画「おくりびと」関連記事は、どれもおもしろく読み応えがあります。

February 10, 2009
クライヴ・デイヴィスのグラミー前夜祭~ジェニファー・ハドソン感動のショー・ストッパー
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090210.html

February 09, 2009
第51回グラミー賞・受賞結果(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090209.html
グラミー賞・予想とその結果。本命対抗で7割超の的中。グラミー関連記事、3月のアカデミー予想関連記事は、どれだけ的中させるかに集中しています。

February 11, 2009
第51回グラミー賞、ソウル・サーチャー的にもっとも印象に残った瞬間
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090211.html
グラミー賞のもっとも印象に残った瞬間。

February 23, 2009
第81回アカデミー賞~「おくりびと」「つみきのいえ」受賞~日本映画に新たな出発
http://ameblo.jp/soulsearchin/archive-200902.html
アカデミー賞結果発表。

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【3月の1本】
March 14, 2009
「私もこの列車でふるさとを後にしました。さようなら」~武田アナ、名コメントで締める
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090314.html
NHK武田アナの名コメント。よかった!

【その他の候補】

March 05, 2009
フィリップ・イングラム、スイッチについて語る(パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090305.html

March 06, 2009
フィリップ・イングラム(パート3)、スイッチを変えた後に
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090306.html
フィリップ・イングラムのインタヴュー。興味深い話でした。

March 07, 2009
マイケル・ジャクソン、7月にロンドンでライヴ10回
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090307.html

March 13, 2009
マイケル・ジャクソン・ロンドン公演50本に
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090313.html
マイケルのロンドン公演のニュース。このときは通常のニュース扱いでしたが…。まさか、その後…。

March 10, 2009
マーヴィン・ゲイ自伝『引き裂かれたソウル~マーヴィン・ゲイ物語』~翻訳大詰め進行中
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090310.html

March 19, 2009
カーティス・メイフィールド『ピープル・ネヴァー・ギヴ・アップ』
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090319.html
カーティスの紙ジャケットの発売に関連して。

March 21, 2009
ジョー・サンプル&ランディー・クロフォード・ライヴ~スペースがある音楽
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090321.html

March 22, 2009
ジョー・サンプル、サイン会で1時間以上サインを続ける
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090322.html
ジョー・サンプルの話題。ジョーはいつもおもしろいテーマを提供してくれます。

March 23, 2009
無声映画『メトロポリス』に日野皓正、オマー・エドワーズの即興ライヴ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090323.html

March 25, 2009
『ソウル・ギャラクシー~モータウン編』~モータウン栄光の陰に隠れた男たちの物語
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090325.html
究極のソウル・コンピレーション・アルバム。

ESSAY>DIARY>


☆謹賀新年

2010年1月1日 音楽
☆謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
ますます、ソウル・サーチンに精進いたします。

みなさんにとっても、幸多き一年になりますように。

2010年1月1日

吉岡正晴
The Soul Searcher

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検証。

さて、昨年15項目の目標を書きました。

1) 聴いたCDは、そのCDのプラスチックケースの中に必ず戻す。そして、最初にあったところに必ず戻す。
2) 届いた郵便物は3日以内に必ず封を切る。
3) いらないものはすぐ捨てる。そして大掃除。
4) しっかりプランを練る。予定や目標や企画を立てて、紙に書く。そして実行する。
5) 聴いたこと、見たこと、感じたことは、忘れないうちにすぐ書き記す。
6) スタンダード1000曲を覚える。
7) オールタイム・ベスト100アルバムを選出する。
8) 50・50・50をなんとか一度は成し遂げてみたい。 (ライヴ50本、書籍50冊、映画50本を見る)
9) 「ソウル・サーチン・ウェッブ」のリノヴェーションをしたい。
10) 「ソウル・サーチン」イヴェントと、その周辺アーティストのライヴを充実させたい。
11) ソウル関係の本を何か出す。
12) 音楽映像番組を作る。 (ドキュメンタリーでも音楽番組でも)
13) 週刊誌か月刊誌でコラムをはじめる。
14) 何か月1でもいいので、これぞというソウル番組をラジオでやりたい。
15) また、アーティストたちとからんで、これまでと違う何かクリエイティヴなことをやってみたい。

2009年の最大の心残り。いわゆる本当の大掃除ができなかったこと。

やはり、昨年から、どうも、これといった発展、進化がない。日々に流され、あっという間に1年が過ぎていく…。

上記、6、7、8、9はどうしても積み残してる。10は7月に2年4ヶ月ぶりに「ソウル・サーチン:ザ・セッション~アイズレー・ブラザース」が、しかも今回は2デイズでできたのは、よかった。内容的にはよかったが、これで収支がとんとんになれば言うことはないのだが…。(笑) 

11は、マーヴィン・ゲイの自伝は、予定より遅れたが出版できた。うれしい。しかし、驚いたのが、マイケルの逝去とともに、マイケルの「全記録」本を急遽出したこと。年に2冊も本を出したのは自分でもびっくり。12から15は、これまた積み残しです。その結果、ライヴへ行った本数が少なくなったのは、まあ、しかたないかなあ。

2009年を振り返ってみると、何といってもマイケル・ジャクソンの急死だ。日本時間では6月26日(現地6月25日)以降、すべてが変わったような気がする。マイケルを軸に、そのメッセージ、マイケルとメディアの戦い、そして、映画『ディス・イズ・イット』の公開など、語るべきことは実に多く、僕の周辺はマイケル一色になった。中でも西寺郷太さんとの3回のトークイヴェント、NHK-FMでの2時間40分の番組は、本当に楽しくやりがいがあった。

今年はまた書籍を出したい。1冊計画中のマイケル本のほか、1000円以内で出せる本というのを出したい。果たして実現するかな。

ツイッターとブログを連動させた何かで発信できるものがあれば、そのあたりも視野にいれておきたい。

というわけで、今年もよろしくお願いします。

ENT>ANNOUNCEMENT>

【Toku’s Lounge】

ジャム。

毎月1回西麻布のバーで行われているトクズ・ラウンジ。久々に顔をだした。この日は今年最後ということ、年末ということで、かなりの人が集まっていた。ミュージシャン関係もことのほか多く集まった。トクを中心にしたレギュラー・メンバーのほかに、ジョーセイ、太田剣、フユ、マル、イシワタジュン、ジーン・ジャクソン(ドラムス)なども。このジーンは、ハービー・ハンコックのセッションなどにも参加しているつわもので、いつのまにか、フユが座っていたドラムスのポジションに入れ替わって座って、ドラムスを叩いていた。

トクが「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を歌った後、「テイク・ザ・コルトレーン」になると、ミュージシャンが入れ替わり立ち代り、楽器を持ち変える。いつのまにか、激しいサックスとドラムスの応酬になっていると思ったら、ドラムスがフユから、ジーン・ジャクソンに、サックスに太田剣さんが入っていた。太田さんは、入口から入ってくるなり、トクに誘われ、そのままサックスを吹き始めたらしい。2ドラムス、キーボード、ギター、ベース、トクのフルーゲルおよびトランペット、ヴォーカル、そしてその他のミュージシャンが繰り広げるジャム・セッション。

夕方会って、夜中にこれがあることを伝えておいたケイリブは、六本木ヒルズで『パブリック・エネミーズ』を見た後、登場。なんと、このわかりにくいバーに迷ったらしく、後ろのスタッフ用出入り口から忽然と現れた。僕はそこに出入り口があることすら知らなかった。いつもサプライズをかましてくれるケイリブだ。

この日は、かなりの混雑で、前に進むのも大変。ゴスの北山さん、エグザイルのアツシさんらも来ていた。彼らはセカンドで歌ったのかな。

ファーストのパフォーマンスが終わった太田さんのところに近づくと、「お久しぶり~。こんど僕がプロデュースした安富祖貴子(あふそ・たかこ)のCDを聴いてください」とCDを手渡された。帰りの車の中で聴くと、けっこう野太い印象的な声で驚いた。ソウル系の曲を中心にカヴァー。英語はネイティヴではないので若干甘いところがあるが、日本人としてはうまく聴こえる。フランク・マッコムの「ラヴ・ナチュラル」の選曲は、きらりと光る。アルバムのタイトルは『スイート・ソウル・デイズSweet Soul Days』(M&I/ポニー・キャニオン)。

この日のセッションは相当熱かったようで、僕はファーストで帰ってしまったが、セカンドは4時半過ぎまでやっていたらしい。この熱気はすごいなあ。

June 24, 2009
トクズ・ラウンジ~ロイ・ハーグローヴ・グループが参加
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090624.html

May 30, 2009
トクズ・ラウンジ:素晴らしきミュージシャンシップの大爆発
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10270594203.html

■ メンバー トクズ・ラウンジ @ 西麻布 2009年12月29日(火)深夜

トク(TOKU)(トランペット、フルーゲルホーン)
柴田敏弥(キーボード)
藤井伸昭(ドラムス)
吉田智(ギター)
安田幸司 (ベース)
ジョーセイ (キーボード)
イシワタジュン (ドラムス)
太田剣 (サックス)
ジーン・ジャクソン (ドラムス)
フユ (ドラムス)
ケイリブ・ジェームス (キーボード)
他多数のミュージシャン

■ セットリスト
Setlist

performance started 00:36
01. Butterfly
02. Strasbourg-St Denis
03. Fly Me To The Moon
04. Take The Coltrane
performance ended 01:45

(2009年12月29日火曜、西麻布トクズ・ラウンジ=ジャムセッション)
ENT>MUSIC>LIVE>Toku’s Lounge
2009-163

【Michael Jackson Tribute ~ Miura Daichi ~ Al McKay All Stars】

生。

年の瀬迫る。会社の人はみな仕事納め。12月29日(火曜)は、ブルーツリーとケイリブたちのマイケル・ジャクソン・トリビュート・ライヴが30日深夜にあって、そのリハを覗く。今回は日本音楽家協会という団体の佐藤さんが音頭を取ってこのイヴェントを仕切っている。30日深夜0時(12月30日、23時59分スタート)吉祥寺スターパインズ・カフェ。ジーノ(ベース)、ケイリブ(キーボード)、マサ小浜(ギター)、ジェイ・スティックス(ドラムス)、ピエール・アンドレ(サックス、ヴォーカル)らのバンドに、ブルーツリーが何曲かで踊る。

このリハがかなり強烈だった。マイケルそっくりパフォーマンスのブルーツリーはいつもはだいたい既存音源でやるが、今回は生のバンドにあわせてやる。ミュージシャンはご存知ソウル・サーチャーズとしても活躍している面々だけに、超強力。この生バンドで踊ったブルーツリーは、次はバンドでやりたいなあ、と言い出す。そりゃあこのバンドで踊ったら、既存音源での音は物足りなくなる。

ということで、もう今日になりますが、そのイヴェントの詳細はこちら。
http://www.nichionkyo.or.jp/mj/index.html

場所は、吉祥寺スターパインズ・カフェ。
2009年12月30日23時59分から。朝まで。チケット3500円、当日4000円。
連絡先は スターパインズ・カフェ 武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1 TEL:0422-23-2251

+++++

三浦大知ライヴ。

着火剤。

その後、三浦大知ライヴ@アックス。完璧だ。踊り、歌。なんとキーボードは藤川学史。彼がほとんどの音を出す。もうひとりDJシュウヤ。このほかにダンサーが4人。ライヴ詳細は後日書くとして、渋谷AXスタンディングで超満員。すごい熱気だ。もはや、彼の人気が爆発するためのガスは思い切り充満している。あとは、ちょっとした着火剤があればいい。誰もが覚えられる超強力楽曲が1-2曲出れば、一気にブレイクだ。それこそ、松尾潔さんあたりにここぞの勝負曲をプロデュースしてもらったらどうなんだろう。松尾さん着火剤になるか。

+++++

アル・マッケイ・ライヴ。

エッセンス。

そして、大急ぎで、八竹亭で軽くゴハンを食べ、ビルボードへ元アース・ウィンド&ファイアーのギタリスト、アル・マッケイのライヴ。彼らの2009年4月以来8ヶ月ぶりの来日。ほぼ満員のビルボードは、アース・ファンとほとんどかぶっている。前回来日時も思ったが、アル・マッケイ・オールスターズのライヴは、アースがものすごくよかった頃のエッセンスを存分に出しているところが、古くからのファンとしては嬉しい。

ホーン隊4人、ギター、ベース、ドラムス、パーカッション、キーボード2人、ヴォーカル3人の計13人。これだけいると、ステージが実に狭い。

途中、下記セットリストの7から本編最後の15曲目「セプテンバー」まで、一気に煽る煽る、天井のミラーボールは回る回る、客席は踊る踊る。腕を天井に突き刺し、横に激しく振る振る。無駄なしノンストップ。息もつかせぬ一気呵成。

たとえば、「サタデイ・ナイト」、アース本体が最近はやってくれない。たとえば、「マジック・マインド」、アース本体がやってくれない。たとえば、「レット・ユア・フィーリング・ショウ」、アース本体がやってくれない。そんな曲が流れてくれば、アース・ファンは狂喜乱舞。否が応でも盛り上がる。

「ザッツ・ザ・ウェイ・オブ・ザ・ワールド」では、いつになく、左利きアル・マッケイのソロ・パートが長かったような気がした。いい感じだ。セットリストはほぼ同じなのだが、いいものは何度見てもいい、を地でいく。

ライヴ後、アルと再会。ライヴ後だけにテンションがあがっている。ステージも狭ければ、楽屋もいつもより狭い。なんたって人数が多いから。「ヨシオカ!大阪も盛り上がっていたぞ。ニューイヤーズ・イヴは来ないのか」と訊かれた。う~む。

今月は中旬にアース本体のライヴを見て、最後にアル・マッケイのライヴを見て、二つのライヴを脳内合成して年を越そう。

■ アル・マッケイ関連・過去記事

April 29, 2009
アル・マッケイ・オールスターズ・ライヴ、タイトにファンキーに灼熱の狂宴
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090429.html

March 21, 2008
Al McKay Allstars Live : Big Party Is Happening On The Stage
【アル・マッケイ・オールスターズ~ステージ上は大パーティー騒ぎ】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_03_21.html

同記事の英語版・アル・マッケイのウェッブに↓
http://www.almckay.com/reports.php?news_id=35&start=0&category_id=9&parent_id=9&arcyear=&arcmonth=

April 14, 2008
Some Times, A Piece Might Influenced Somebody
【時にひとつの文章が、誰かに影響を与えることもある】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_04_14.html

◎アース・ウインド・アンド・ファイアーの名ギタリスト、アル・マッケイの挑戦 (インタヴュー記事)お勧めです
http://www.barks.jp/feature/?id=52241463

◎アル・マッケイ・オールスターズ・ライナーノーツ
『ライヴ・アット・マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル2002』
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/linernotes/mccay20030723.html

2003/06/12 (Thu)
Crash Between Maurice White And Al McKay
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200306/diary20030612.html

◎アース・ウインド&ファイアー『ライヴ・イン・リオ』(アル・マッケイ在籍のアースのライナーノーツ)
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/linernotes/earth20030326.html

January 19, 2006
Earth, Wind & Fire: Live At Budoukan, Why They Didn’t Play Encore Song?
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_01_19.html
(ここにアース関連・過去記事一覧)

■ アル・マッケイ・オールスターズ・ライヴ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009SF4R/soulsearchiho-22/ref=nosim/

アース・エッセンシャル新発売の3枚組

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002UGMF6Y/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー

アル・マッケイ / Al McKay Lead(Guitar)
ティム・オウェンズ / Tim Owens(Vocals)
クロード・ウッズ / Claude Woods(Vocals)
ディヴィア・デュケット / DeVere Duckett(Vocals)
マイケル・ハリス / Michael Harris(Trumpet)
マイケル・ハンター / Michael Hunter(Trumpet)
エド・ワイン / Ed Wynne(Saxophone)
ジャスティン・カーク / Justin Kirk(Trombone)
ベン・ダウリング / Ben Dowling(Keyboards)
ディーン・ガント / Dean Gant(Keyboards)
フレディー・フルウェレン / Freddie Flewelen (Bass)
アーロン・ハガティ / Aaron Haggerty(Drums)
デイヴィッド・リーチ / David Leach(Percussion)

■セットリスト アル・マッケイ・オールスターズ、2009年12月29日
Setlist: Al McKay All Stars

show started 21:31
00. Intro: On The Way Up
01. Serpentin Fire
02. Got To Get You Into My Life
03. Can’t Let You Go
04. Saturday Night
05. After The Love Has Gone
06. Reasons
07. In The Stone
08. Fantasy
09. Jupiter
10. Getaway
11. Magic Mind
12. Let your Feelings Show
13. Can’t Hide Love
14. That’s The Way Of The World
15. September
Enc. Let’s Groove
show ended 22:51

(2009年12月29日火曜、ビルボードライブ東京=アル・マッケイ・オールスターズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>McKay, Al All Stars
2009-


【UStream Live From Anywhere, Anytime】

生中継。

先日(2009年12月25日深夜)、ノーナ・リーヴスの西寺郷太さんが、三宿のクラブ、ウェッブでDJをするときに、その様子をネットを通じて生中継した。その前日に、同じ生中継を仲介するサイト、Uストリームで、okadadadaさんという方が、自宅でDJをしている様子を朝まで生中継していて、その視聴者が、常時2000人を超え、ちょっとした話題になっていた。結局この日、okadadadaさんの元にはのべ1万人の人が訪れたという。僕もそれを見ていたのだが、これが実に楽しい。そしてそれを見た郷太さんが、ウェッブから、買ったばかりのiphoneで中継してみよう、とやってみたのだ。

そのサイトはこちら↓
http://www.ustream.tv/discovery/live/all
いろいろあるので、好きなのをチェック

郷太さんのチャンネル
http://www.ustream.tv/channel/gota-nonareeves
その日の一部がアーカイブで残っています。音は割れてますが。

ここは、ログインさえすれば誰でも、何でも生中継できるようで、実に気軽に世界に情報が発信できる。Youtubeの生放送版みたいなものだ。

三宿ウェッブでのリアルな音、映像がそのまま家で見られるのだ。夜中に自宅がクラブに大変身。で、しかも、画面の横にはチャットがあり、かけた曲やそこの様子についてコメントがリアルタイムでいれられる。今回の場合、音が若干割れ気味だったのと、ライン取りしてないので、少しライヴ感が強かったが、そのあたりはいずれ改善すればいいのだろう。けっこう、思わず僕もチャットで書き込んでしまった。

これを見ていて思ったのが、東京中のクラブが毎夜こうやってすべてのプレイをネットで生中継したら本当におもしろいだろうなと。ひょっとしたら、ネットでいくつかクラブの様子をモニターして、その夜、どこのクラブに行くか決めるなんてことも将来的にはありかもしれない。何より、見ている人の数がリアルタイムで表示されるので、それもまた親密感を増す。実際、郷太くんのプレイを見て、聴いていると、今からでも三宿まで飛んでこうか、と思わせられる。少なくとも、徒歩圏内に住んでる者だったら、そのままウェッブに吸い込まれてしまうのではないだろうか、と思ったほど。(笑)

で、これはクラブだけに限らない。ソウルバーからの生中継も絶対いい。ミラクル、ソウルナッツ、リトルソウルカフェ、ブラウンシュガー…。各店がこのチャンネルでネットで生中継したら、実に楽しい。ソウルバーからの生中継なら、かけてるレコード、CDのジャケットを定位置に飾り、それをカメラが映せば、お部屋もソウルバー気分。いやあ、絶対いいと思うなあ。それに、選曲が乗ってくれば、実際にソウルバーに行きたくなること間違いなし。

たとえば、選曲がよくて毎夜2000人ものアクセスがあるソウルバーがあったら、そりゃあ、実際に足を運びたくなります。うまく使えば、いい媒体になるはず。

音を流すところでPCとつなげる環境さえあればいいのだから、どこからでも中継できる。同時に10店舗くらいから始めたら、普通のメディアも注目するんじゃないかな。

ENT>MEDIA>


【Live From Daryl’s House : Episode Of Smokey Robinson】

夢。

まさにダリル・ホールにとっては夢の実現ではないだろうか。22回目にして、ダリルは自らのヒーローでありアイドルであるスモーキー・ロビンソンを『ダリルズ・ハウス』に迎えた。この自宅はニューヨークの北部の方だろうか。コネティカットに住んでいたが、もっと田舎に引っ越したかった、と言い、晴れた日には5-60マイル先のウッドストックが見える、と言っている。

ある晴れた初夏の1日、モータウンのヒーロー、いや、アメリカ音楽業界のヒーロー、スモーキー・ロビンソンは大きく長い黒のリムジンでダリルの自宅に乗りつけた。迎えるダリル。ダリルは、1946年、フィラデルフィア生まれ。幼い頃から、ソウル・ミュージックに影響を受けて育った。もちろんソウルだけではないが、ソウルは特に思い入れが強い。その頃、彼にとってはモータウンというだけですべてがヒーローだった。そのモータウンの大黒柱となった、テンプテーションズと彼は、ブラック・ミュージックの殿堂アポロ・シアターで、堂々と共演を果たしている。あれも彼にとってはヒーローと会える、そして同じステージに立つという幼い頃の夢の実現だった。

そして、今、自宅にヒーローを向かえ、同じセッションを行う。これもまた、ダリルにとっての夢の実現だ。

セッションの合間に、スモーキーを囲んでの雑談になる。ダリルが言う。「僕が16か17のときに(地元フィラデルフィアの)アップタウン・シアターにあなたたちがやってきたときに、デモ・テープを渡したんですよ」 スモーキーは覚えてない。「おお、そうか」 「あなたは、これはモータウンに持っていこう。と言ってました」 「そうか、それで契約になったのか?」 「いや、何も起こらなかった…(笑) あ、いやいや、あのあとギャンブル&ハフのところで仕事を得たんですけどね(笑) あの頃、ちょっとしたヴォーカル・グループ、テンプトーンズっていうのをやってたんです」

スモーキー・ロビンソン語録。ノラ・ジョーンズの「ドント・ノウ・ホワイ」のカヴァーについて。「僕は、ソング・ラヴァー(曲が大好き)なんだ。この歌詞、この曲。僕はジャンルは問わない。とてもフレッシュで、そのラヴストーリーに感銘を受けた。なので、自分でも録音してみたいと思ったんだ」

「その昔、ベリーと初めて会った頃、16くらいかな、僕はこれくらいノートに歌詞を書いていた。でも、それはそれぞれがまだバラバラでね。そこでベリーは、曲の構成というものを教えてくれ、これとこれを組み合わせたらいい、みたいなことを指示してくれた」「ということは、ベリーが曲をエディット(編集)するのを手伝ったということ?」とダリルが訊く。「そうだな、そんなもんかもしれない。でも、あの頃は、50年後にも聴かれるような曲を書こうなんて思ってなかったからね。あの頃は、ただ曲を書こうと思っていた。ヒット曲を書こうなんて思ってなかったんだ。でももし50年後にも聴かれるのであれば、それは何か意味のあるものなんだろう」

「ソングライターとして自分の曲でお気に入りのものはあるか、ってよく訊かれる。だけど、僕は何百万曲もある中から僕の楽曲をカヴァーしてくれるなんて、本当に光栄だよ。だから、あらゆる僕の曲のヴァージョンは好きなんだ。ソングライターとして、この曲はこう歌うべきじゃない、こうあるべきではない、なんては決して言えないね。どう歌ってもらおうが、僕にとってはクールだよ(I’m cool with meまったく気にしないよ)。」

ダリルもその話しにのる。「僕もいろいろカヴァーされて、よく訊かれるんだ。いろんなヴァージョンやサンプリングがどう思うって。でも、全然気にしない。僕も人がカヴァーしてくれるのは、本当に大好きなんだ」

「そうそう、どんどんサンプリングしてくれ」とスモーキー。(一同爆笑)

スモーキーの昔話1。「スティーヴィーは、楽器は全部セルフトート(独学)なんだよ。ピアノ、誰も彼にピアノの弾き方を教えてない。彼は勝手に弾いて覚える。ハーモニカ、誰も彼に吹き方を教えてない。彼はただその楽器で遊んでいつのまにか弾き方を覚えてしまう。ミラクルズのメンバー、ロン・ホワイトがスティーヴィーを見つけた。で、モータウンに連れてきたんだ。スティーヴィーは、あるときあるパーティーかなんかで、僕に耳打ちする。『スモーク、あそこにいる女の子は可愛いか?』 『ああ、いい感じだよ』 『何を着てる?』『ブルーのドレスだ』 すると、スティーヴィーはその女性のところに歩み寄って、『素晴らしいブルーのドレスですね』って言って彼女を驚かせるんだ。(一同爆笑)』 そして、一言。「スティーヴィーは生まれてからこのかた、一度もハンディキャップ(障害)があったことはないんだよ」

昔話2。「ちょうど17歳になった頃(1957年頃)だったと思う。初めてのプロとしての仕事がニューヨークのアポロであった。今までは、せいぜいミシガン州フリントあたりにしか行ったことがなくてね、ニューヨークなんて大都会も初めてだった。そこでレイ・チャールズ・ショーで歌うことになった。レイ・チャールズは、僕の歌の大アイドルだ。それまでジャッキー・ウィルソンが僕の最高のアイドルだったけど、レイ・チャールズはその上を行く。レイ・チャールズの前座をやることになった。僕らはいつも自分のバンドでやってたけど、そこのハウスバンドでやることになった。僕たちはフォーマルなアレンジ譜なんてもってなかった。せいぜい紙っぺらにコードをちょこっと書いただけのものだ。リハーサルになった。バンドリーダーが『楽譜はどこだ』って言うのでぶったまげた。死ぬほど恐かった。(笑=一同も笑い)そんなもの使ったことなかったんだ。で、ものすごく困っていると、どういうわけか、朝の7時半だというのに、レイ・チャールズがそこに現われた。『一体、何が起こってるんだね』と落ち着いて尋ねる。するとリーダーが興奮気味に、『この子供たちが何も持ってきてない…』と言う。まあ、まあ、と彼はなだめた。ちょうどその頃、僕たちは『バッド・ガール』という曲を出していた」

ダリルがすぐに、その「バッド・ガール」を歌う。

「君たちがその『バッド・ガール』を書いたのか、と尋ねられたので、僕はどもりながら、『そ、そ、そうです、み、み、ミスター・レイ・チャールズ…としどろもどろで答える。彼がじゃあ、弾いてみろ、というので、弾きながら歌ったんだ。すると彼は、僕の曲をこんどは、すぐに自分で弾き、サックスプレイヤーにこうやれ、と口伝えでそのメロディーを教え、トランペット・プレイヤーはこうだっと、口真似し、それを書き取らせ、ベースプレイヤーにもバババとベースの音を教え、その他のミュージシャンたちにもそのまま教えてしまったんだ。彼は僕たちが歌う2曲を、彼の頭の中で、その場でアレンジしてしまったんだよ。それで僕たちは、なんとかそのステージをやることができたんだよ」 みんなスモーキーの話しに夢中だ。

ランチ・ブレイクで、スモーキーがダリルに言う。「いやあ、ここは本当にピースフルでいいなあ。ところで、君はゴルフをプレイするのか」 ダリルは首を横に振る。スモーキーのゴルフ好きは超有名だ。彼が唯一来日した1988年も、スモーキーは毎日ゴルフ友達のハーヴィー・フークワとゴルフを楽しんでいた。きっと、あう人、誰にでも聞いてるんだろうな、と思った。(笑)

スモーキーが歌う「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」。ダリルとスモーキーによる「サラ・スマイル」が終わると、ダリルが「ウー・ベイビー・ベイビー」のイントロをギターで弾き出した。メンバーはみな笑いながらあっけにとられてる。おそらくダリルが気分で仕掛けたのだろう。その場でのリハなし即興で、まずダリルが歌い始め、そして、まもなくスモーキーがジョインする。ダリルとスモーキーが目を合わせながら、どこでどちらが歌うかを合図しながら歌い続ける「ウー・ベイビー・ベイビー」。すばらしい。

ダリル・ホールは言う。「これは、僕の人生の中でも最高のハイライトだよ、スモーキーは僕のヒーローの1人だったんだから。そして僕のキャリアの初期から影響を受けてきた」 

今回歌われた楽曲について若干の解説を。この収録は2009年8月7日に行われたが、8月末に全米でリリースされるスモーキーの最新作『Time Flies When You’re Having Fun』のプロモーションの一環だったのかもしれない。ここから2曲。一曲はスモーキーの新曲、もう1曲がノラ・ジョーンズの大ヒットのカヴァー。こうしてスモーキーが歌うと、まるでスモーキーの作品かと思ってしまうほど。しかし、7日に収録して一週間後にもう編集を終えて、アップしてしまう、そのスピードにも驚く。

1曲目は、スモーキーの1981年のソロ大ヒット。ミラクルズ時代のヒットが、4曲目、5曲目、7曲目、9曲目。そして、残る2曲がホール&オーツのヒットをスモーキーがカヴァーする。

改めて、スモーキーの声の素晴らしさや、彼が作り出した楽曲の素晴らしさに感銘を受けた。そして、ダリルのミュージシャンとしての素晴らしさ、彼の声の良さも再確認した。この22本の中で、まちがいなく、ベスト・ショーだ。ぜひ、ウェッブでごらんください。

■スモーキー最新作『タイム・フライズ・ホェン・ユーアー・ハヴィング・ファン』(ノラ・ジョーンズの「ドント・ノウ・ホワイ」のカヴァー収録)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002R69EUM/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ ダリル・ホール&ジョン・オーツ 『エッセンシャル』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BV7TCA/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ダリルズ・ハウスのオフィシャルページ↓
http://www.livefromdarylshouse.com/index.php?page=member_archive

スモーキー・ロビンソンの回↓
http://www.livefromdarylshouse.com/index.php?page=ep22

■ ダリルズ・ハウス第22回~スモーキー・ロビンソン

Musicians:

Daryl Hall (host, gutiar, vocal)

Smokey Robinson (guest, vocal)

T-Bone Walk (guitar)
Demitrius Papas (keyboards)
Eliot Lewis (Keyboards)
Shawn Pelton (Drums)
Zeb Katz (Bass)
Everett Bradley (Percusions)

Setlist:

01. Being With You [Smokey Robinson - 1981]
02. Girlfriend [From Smokey’s latest album "Time Flies When You’re Having Fun" - 2009]
03. Don’t Know Why [Norah Jones - 2002] [From Smokey’s latest album "Time Flies When You’re Having Fun" - 2009]
04. The Tears Of A Clown [Smokey Robinson & The Miracles -1970]
05. Going To A Go-Go [Miracles - 1966]
06. Sara Smile [Hall & Oates - 1976]
07. ~Ooo Baby Baby [Miracles - 1965]
08. I Can’t Go For That (No Can Do) [Hall & Oates - 1981]
09. I’ve Been Good To You [Miracles - 1961]

(2009年8月15日ウェッブで公開、ダリルズ・ハウス=スモーキー・ロビンソン、ダリル・ホール・ライヴ)
ENT>MUSIC>TV>Daryl’s House>Robinson, Smokey

【Matsuo KC Would Talk About Smokey Robinson On NHK-FM】

スモーキー。

プロデューサー、松尾潔さんが来る2009年12月28日(月)NHK-FM(全国放送)で1時間半にわたってモータウン、アメリカを代表するソウル・シンガー・ソングライター、スモーキー・ロビンソンについて語る。番組は、恒例の「偉人たちシリーズ」の1回で副題は「スモーキーが教えてくれた」。19時30分から21時まで。

収録は12月の初旬に行われたが、それまで松尾さんはかなりスモーキーを徹底研究したようで、すっかりスモーキー漬けになっていたそうだ。だが、例によって番組はわずかに1時間半。しゃべりたいことの半分もしゃべれなかったかもしれない。スモーキーのような偉人を1時間半で語ることなど到底不可能で、松尾さんも相当もんもんとした様子。気になる方は、ぜひ、エアチェックを。

スモーキー・ロビンソンは1940年2月19日ミシガン州デトロイト生まれ。57年ごろ、ベリー・ゴーディーと知り合い、ベリーがのちに設立するモータウン・レコードに参加。自らヒットを放つシンガーとして、また同レーベルの他のアーティストへの楽曲提供など幅広く活躍している。当初は友人と組んだミラクルズのリーダーとして、1972年からはソロ・シンガーとして活動中。ボブ・ディランが、「現有するアメリカ最高の詩人」と絶大な評価をした。50年以上のキャリアを持ち、現役でも活躍中。今年久しぶりの新作『Time Flies When You’re Having Fun』を出した。ハイヴォイス気味の声と、独特の詞の世界、メロディーが大変魅力的。テンプテーションズの「マイ・ガール」などがよく知られる。最近ではマイケル・ジャクソン追悼式(2009年7月)で弔辞を読んだ。

収録の様子。(NHKのブログ)↓
http://www.nhk.or.jp/fm-blog/200/31495.html

すでに番組でのオンエア曲が公開されています。事前にお知りになりたくない方は、ご注意ください↓
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2009-12-28&ch=07&eid=229

◎ NHK-FM 2009年12月28日(月)19時30分~21時00分
「真冬の偉人たち~スモーキーが教えてくれた」
出演: 松尾潔

(2009年12月28日追記)松尾さん、28日月曜21時からはTBSラジオに出演↓
http://www.tbs.co.jp/radio/newyear/index-j.html

++++

ダリル・ホールのウェッブ番組『ダリルズ・ハウス』にスモーキー・ロビンソン登場

【"Live From Daryl’s House"】

ヒーロー。

さて、一度、ちらっとダイアン・バーチのライヴ評の中で書いたダリル・ホールのウェッブだけで無料で見られる月一の音楽番組『ダリルズ・ハウス"Live From Daryl’s House"』を改めてご紹介しよう。スモーキー・ロビンソンの予習の意味でもどうぞ。字幕などはありませんが。

この番組は2007年11月から月1回約1時間ウェッブでの放送で始まったもの。ダリル・ホールが、親しいミュージシャンらを自宅に招き、自身のバンドとともに、自由にジャム・セッションを繰り広げる。曲の演奏の合間にダリル・ホールとそのゲストがかなり自由なトークを繰り広げたり、休憩時間には地元の有名レストラン・シェフが、ダリルの自宅キッチンで料理を作り、みんなに振る舞い一緒に食事をするシーンなども盛り込まれる。

ミュージシャンシップのある自由な雰囲気でのジャム・セッションと合間のトークが、本当に素晴らしい。2007年11月公開の第1回目では、ダリル・ホールがソロで、第2回でジョン・オーツを迎えている。以降トラヴィス・マッコイ、KTタンストール、ニック・ロウ、トッド・ラングレン、ダイアン・バーチなどが登場している。

ダリルズ・ハウスのオフィシャルページ↓
http://www.livefromdarylshouse.com/index.php?page=member_archive

ここでアーカイブ(過去映像)がすべて見られる。

そして、その『ダリルズ・ハウス』の2009年8月15日に公開された第22回目のエピソードで、スモーキー・ロビンソンが登場した。

スモーキー・ロビンソンの回↓
http://www.livefromdarylshouse.com/index.php?page=ep22

他の出演者たちは、大体、普通の車でやってくるのだが、このスモーキーの場合、なんと長尺のブラック・リムジンで登場。このあたりから、度肝を抜かれる。曲への指示の出し方など、マイケル・ジャクソンの映画『ディス・イズ・イット』でマイケルがミュージシャンたちに指示を出していたあの姿を思わせる。スモーキーもまた口伝えで曲のニュアンスを指示する。

休憩の間の、スモーキーの昔話を、ミュージシャンたちが頷きながら聴くところが最高だ。本当にこういうミュージシャンたちの話はおもしろい。

こんな番組、作ってみたい。

(このスモーキー・ロビンソンの回については、内容を詳しく明日のブログでご紹介します)

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■スモーキー最新作『タイム・フライズ・ホェン・ユーアー・ハヴィング・ファン』(ノラ・ジョーンズの「ドント・ノウ・ホワイ」のカヴァー収録)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002R69EUM/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ スモーキー&ミラクルズ ベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001HXY8Y8/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ARTIST>Robinson, Smokey


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