◎ノラ・ジョーンズの新作ジャケットにはなぜ犬が映っているのか
【Why Does Norah Jones’ New Album Carry Photo With Dog?】

ワン!

ノラ・ジョーンズの最新作『フォール』の最初のシングル「チェイシング・パイレーツ」の訳詞について書いた。2009年11月16日付けブログ。

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10389476870.html

ここで、よくわからないと書いたのだが、その後、この歌詞訳詞について何人かの英語の達人と意見をかわした。その中で、翻訳家の五十嵐正さんから、「pirates」自体に俗語で「女たらし」という意味があることを教わった。その一言ですべてが氷解する。パイレーツが目的語になる場合、ノラが海賊(すなわち、女たらしの男)を追いかけることになる。女たらしのこの男のことを好きなって、困っている主人公ということだ。

プロモ・ビデオ↓
http://www.youtube.com/watch?v=5f3M2UnA-4k

この曲のプロモーション・ビデオは、ノラが海賊風になっていて、マンハッタンの街中をマンション自体が帆船となって進んでいく。海賊(女たらしの男)を、海賊のように追い詰めたいと思っているそんなダブル・ミーニングもあるのかもしれない。

この新作(ノラの4作目)での最大のポイントは、それまで3作をともに作り上げてきたベース奏者で、個人的にもボーイフレンドだったリー・アレキサンダーと別れたことだ。リーとの別れから生まれた曲がここには何曲か存在し、その歌詞のトーンは、明らかに過去3作とまったく違うものになっている。もちろん、サウンドもリーが離れ、別のプロデューサー、ミュージシャンが参加したことで変化した。ノラにとって最大のターニング・ポイントとなった作品だ。

といった背景を予備知識としてもって、このアルバムの最後に収録されている「マン・オブ・ザ・アワー(Man Of The Hour)=邦題、ひとときの恋人」という曲を聴く。(日本盤には別にボーナス・トラックが入っているが、それはあくまでボーナスなので、本編での最後の曲は「Man Of The Hour」) 五十嵐さんは、この曲がリーとの別れを綴った一連の作品の中で、オチ的な作品となっていて、それを最後に持ってきた、と指摘する。

この曲の英詞・訳詞は次の通りだ。例によってCDについている訳詞ではわからないので、ソウル・サーチャーがやり直した。

Man Of The Hour
(Written by Norah Jones)

It’s him or me
That’s what he said
But I can’t choose
Between a vegan and a pot head
So I chose you, because you’re sweet and
you give me lots of lovin’ and you eat meat
And that’s how you became
My only man of the hour

「奴を選ぶのか、俺を選ぶのか」 そう彼は言った
でも、菜食主義か、マリファナ中毒を選ぶなんてことはできない
だから、私はあなたを選んだの
あなたはとても優しくて、たくさんの愛を私にくれ、
しかもあなたは、肉も食べるわ
だから、あなたは私の唯一の「ひとときのカレ(恋人)」になったのよ

You never lie
And you don’t cheat
And you don’t have any baggage tied to your four feet
Do I deserve, to be the one, who will feed you breakfast, lunch, and dinner and take you to the park at dawn
Will you really be
My only man of the hour

あなたは決して嘘をつかない、
決して裏切らない(浮気をしない)、
あなたはその四足(よつあし)になんにも荷物なんかくくりつけてないし
(あなたはなんら情緒的問題もかかえてないし=baggage=荷物=とのダブル・ミーニング)
私が、あなたに朝ごはん、昼ごはん、夜ごはんを食べさせ、夜明けに公園にお散歩に行く相手になってもいいかしら
ねえ、ほんとうにあなた、わたしの「ひとときのカレ(恋人)」になってくれる?

I know you’ll never bring me flowers
Flowers, they will only die
And though we’ll never take a shower together
I know you’ll never make me cry

You never argue
You don’t even talk
And I like the way you let me lead you when we go outside and walk

あなたが決して花をプレゼントしてくれないこともわかってる
まあ、花なんて必ず枯れてしまうしね
それに一緒にシャワーも浴びないけれど
でも私はあなたが私のことを決して泣かさないってこともわかってる

あなたは、決して議論をしてこないし
っていうか、話しかけてこないし
そして何より、外にお散歩に行く時、あなたを(リードを持って)引っ張っていくのがお気に入りなの

Will you really be
My only man of the hour?
My only man of the hour.
My only man of the hour.
(ruff!)

ねえ、ほんとうにあなた、わたしの「ひとときのカレ(恋人)」になってくれる?ねえ、ほんとうにあなた、わたしの「ひとときのカレ(恋人)」になってくれる?ねえ、ほんとうにあなた、わたしの「ひとときのカレ(恋人)」になってくれる?
(ワン!)

(訳詞・ソウル・サーチャー)

++++

僕は最初、冒頭の「チェイシング・パイレーツ」で主人公が追いかけた彼がここに最後に登場したのか、と思った。「チェイシング…」の主人公と、「マン・オブ…」の主人公は同じなのかとも推測したが、ところがどっこい、全然ちがった。五十嵐さんが、これはノラの飼い犬のことだ、と教えてくれた。な~~るほど、そうだったか。CDについている訳詞では全然わからないのだが、上記の訳詞はそれを前提に直した。犬であれば、すべて納得がいく。そして、最後にCDでは、「ワン」と犬の鳴き声が入っているのだ。

歌詞の中で「四足」(これがCDでは訳されていない)「食事を与え」「散歩に引っ張っていく」あたりが、犬を示唆しているのだが、訳詞をした人物は、これが犬のことを歌っていることを理解していないので、そういう風に訳されていない。僕も最初この訳詞を読んでしまったので、それに引きずられ、真の意味が理解できなかった。

実生活でどのようなことがあって彼(ベース奏者=リー・アレキサンダー)と別れたのかはわからない。しかし、恋人と別れ、しばし決して裏切らない相手として、飼い犬を「ひとときのカレ」として選んだノラ。「決して裏切らない」「一緒にシャワーには入らない」など、ノラの普通の女の子的な姿が垣間見られるかわいい1曲ではないか。アルバム最後にこの曲を持ってきたというのも、まさに最高のパンチライン(オチ)だ。アルバムの構成としても実にうまい。

他の歌詞はまだ精査していないのだが、もっともっと奥深いストーリーがありそうだ。こういうシンガー・ソングライターの訳詞は、わけのわからない「メディア総合研究所」などというところではなく、ぜひ五十嵐正さんのようなわかっている人にやっていただきたい。

やっぱり、こういう類の作品って、誰かにちゃんと解説してもらわないと、ただ聴いただけではわからないなあ。

ノラが2009年11月16日アメリカのテレビ番組『グッド・モーニング・アメリカ』に生出演して、この曲を歌ったときの映像。(映像は悪いですが、雰囲気はつかめます)(最後の「ワン」がはいってないようだが・・・)

http://www.youtube.com/watch?v=Z_F5xyP6cuE

そして、改めて、ノラのそのアルバム・ジャケットを見る。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002P5XPFA/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ノラとワンちゃんが、しっかり映っているではないか。そういうわけで、「ひとときのカレ」がこのワンちゃんを示唆している。CDの歌詞カードの裏には、ノラが10匹ちかくの犬に囲まれた写真もはいっている。ワン、ワン!

ENT>ARTIST>Jones, Norah


再度。

マイケル・ジャクソンの映画『ディス・イズ・イット』が、2009年12月19日から再度公開されることが決まった。公開される劇場はまだ発表されていないが、後日発表される。同映画は10月28日から公開が始まり、当初は2週間の公開予定が、好評につき11月21日まで計4週間に延長された。この結果、作品は日本だけで350万人以上の動員、44億円超の興行収入を記録。それでも、まだ見損なったファンが多数残った。未消化の前売り券も、このリヴァイヴァル公開で使えることになる。どれくらいの公開になるかは、未定。上映映画館とともに、公開期間も後日発表される模様。

+++++

『サウンド・ミュージアム/マイケル・ジャクソン特集』12月20日放送

NHK-FMで2009年12月20日(日)午後7時20分から2時間40分にわたって『サウンド・ミュージアム/マイケル・ジャクソン』が放送される。これは西寺郷太と吉岡正晴が2人でマイケル・ジャクソンの50年を振り返るもので、収録が昨日行われた。

当初は3時間程度で収録が終了するものと思われたが、やはり、2人ともしゃべりまくり、収録は4時間を超えてしまい、郷太さんは次の収録にぎりぎりになってしまった。

それにしても、マイケル・ネタだと僕も彼も話しは尽きない。基本的にはマイケルのキャリアを時系列でいろいろ話していくので、マイケル・ジャクソンとはどういう人か、どんな足跡を記したかを知るには大変わかりやすい番組になっているのではないかと思う。ただ、僕たちがしゃべりすぎたので、編集されるディレクターはかなり大変な作業になるだろう。

さすがに2時間40分の番組だけに、再放送はないとのことなので、ぜひ録音されることをお勧めします。

ということで、この3日後、12月23日(水)、お台場「カルチャー・カルチャー」で行われる4時間のトーク・イヴェント(西寺郷太、吉岡正晴)もご期待ください。ただし、チケットは売り切れです。ネットでの生中継を計画していますので、そちらをご期待ください。

ま、今日、4時間近くしゃべったので、4時間は楽に行けるだろうと変な自信を持った。(笑) できるだけ、話のネタが重複しないようにいたします。番組あてにいただいていたメールも何通か紹介しましたが、ほとんどてつかずで申し訳ない…。

◎ This Is It (DVD) (Bluray) (しょうがない、僕もブルーレイ再生機買います…。さっき、ドンキで2万弱の再生機があった…)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002UHJ9EO/soulsearchiho-22/ref=nosim/

◎ THIS IS IT デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002YK4U4G/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>MUSIC>Jackson, Michael

【52nd Grammy Nominations Announced】

ノミネート。

第52回グラミー賞のノミネートが2009年12月2日ロスアンジェルスのノキア・シアターで発表された。ビヨンセが驚異の10部門ノミネート、テイラー・スイフト(19歳のカントリー・シンガー)が8部門、ブラック・アイド・ピーズ、マックスウェル、カニエ・ウェストが6部門のノミネートを獲得している。ベスト・ニュー・アーティストには、ザック・ブラウン・バンド、ケリー・ヒルソン、MGMT、シルバーサン・ピックアップス、ザ・ティン・ティンズらがノミネートされた。グラミー賞の発表は2010年1月31日(日本時間2月1日午前10時から)にロスアンジェルスのステイプルズ・センターで発表される。昨年に引き続き、グラミーのノミネートが"The GRAMMY Nominations Concert Live!! — Countdown To Music’s Biggest Night."という番組名で生中継されたのは2度目。今年は、ブラック・アイド・ピーズ、マックスウェル、ジョージ・ロペス、ケイティー・ペリー、スモーキー・ロビンソンらがライヴ・パフォーマンスを見せた。ウィリー・ネルソンの『アメリカン・クラシック』はベスト・トラディショナル・ポップ・アルバム部門と、ノラ・ジョーンズとのデュエットが「ベスト・ポップ・コラボレーション」部門にノミネートされた。

グラミーの最新情報に関しては、ツイッター、フェイスブックなどでも随時アップされる。

ソウル・サーチン・ブログでは、毎年グラミー予想を行っているが、今回も1月最終週までに主要部門など30部門程度を予想する。

ノミネートの完全リストは次のリンクへ。
http://www.grammy.com/grammy_awards/52nd_show/list.aspx

主なノミネートは次の通り。

Album Of The Year:

I Am…Sasha Fierce (Beyoncé)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001GQACGE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

The E.N.D. (the Black Eyed Peas)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002866UOE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

The Fame (Lady Gaga)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001GM28HO/soulsearchiho-22/ref=nosim/

Big Whiskey And The Groogrux King (Dave Matthews Band)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001ULAUFS/soulsearchiho-22/ref=nosim/

Fearless (Taylor Swift)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001PK3M1S/soulsearchiho-22/ref=nosim/

Record Of The Year:

"Halo" (Beyoncé)
"I Gotta Feeling" (the Black Eyed Peas)
"Use Somebody" (Kings Of Leon)
"Poker Face" (Lady Gaga)
"You Belong With Me" (Taylor Swift)

Song Of The Year:

"Poker Face," Lady Gaga & RedOne, songwriters (Lady Gaga)
"Pretty Wings," Hod David & Musze, songwriters (Maxwell)
"Single Ladies (Put A Ring On It)," Thaddis Harrell, Beyoncé Knowles, Terius Nash & Christopher Stewart, songwriters (Beyoncé)
"Use Somebody, "Caleb Followill, Jared Followill, Matthew Followill & Nathan Followill, songwriters (Kings Of Leon)
"You Belong With Me," Liz Rose & Taylor Swift, songwriters (Taylor Swift)

Best New Artist:

Zac Brown Band
Keri Hilson
MGMT
Silversun Pickups
The Ting Tings

Producer Of The Year, Non-Classical:

T Bone Burnett,
Ethan Johns,
Larry Klein,
Greg Kurstin,
Brendan O’Brien.

Field 6 — R&B

Category 23

Best Female R&B Vocal Performance
(For a solo vocal performance. Singles or Tracks only.)

•Single Ladies (Put A Ring On It)/Beyoncé
•It Kills Me/Melanie Fiona
•That Was Then / Lalah Hathaway
•Goin’ Thru Changes / Ledisi
•Lions, Tigers & Bears / Jazmine Sullivan

Category 24

Best Male R&B Vocal Performance
(For a solo vocal performance. Singles or Tracks only.)

•The Point Of It All / Anthony Hamilton
•Pretty Wings / Maxwell
•Sobeautiful/ Musiq Soulchild
•Under / Pleasure P
•There Goes My Baby/ Charlie Wilson

Category 25

Best R&B Performance By A Duo Or Group With Vocals
(For duo, group or collaborative performances, with vocals. Singles or Tracks only.)

•Blame It / Jamie Foxx & T-Pain
•Chocolate High / India.Arie & Musiq Soulchild
•Ifuleave / Musiq Soulchild & Mary J. Blige
•Higher Ground / Robert Randolph & The Clark Sisters
•Love Has Finally Come At Last/ Calvin Richardson & Ann Nesby

Category 26

Best Traditional R&B Vocal Performance
(For solo, duo, group or collaborative performances, with vocals. Singles or Tracks only.)

•At Last / Beyoncé
•Soul Music / Anthony Hamilton

•Don’t Let Me Be Lonely Tonight / Boney James & Quinn
•Sow Love / Ann Nesby
•Woman Gotta Have It / Calvin Richardson

Category 27

Best Urban/Alternative Performance
(For solo, duo, group or collaborative performances, with vocals. Singles or Tracks only.)

•Daykeeper / The Foreign Exchange
•All Matter / Robert Glasper & Bilal
•Pearls/ India.Arie & Dobet Gnahore
•A Tale Of Two / Eric Roberson, Ben O’Neill & Michelle Thompson
•Blend/ Tonex

Category 28

Best R&B Song
(A Songwriter(s) Award. For Song Eligibility Guidelines see Category #3. (Artist names appear in parentheses.) Singles or Tracks only.)

•Blame It / James T. Brown, John Conte, Jr., Jamie Foxx, Christopher Henderson, Brandon R. Melanchon, Breyon Prescott, T-Pain & Nathan L. Walker, songwriters (Jamie Foxx & T-Pain)
•Lions, Tigers & Bears / Salaam Remi & Jazmine Sullivan, songwriters (Jazmine Sullivan)
•Pretty Wings / Hod David & Musze, songwriters (Maxwell)
•Single Ladies (Put A Ring On It) / Thaddis Harrell, Beyoncé Knowles, Terius Nash & Christopher Stewart, songwriters (Beyoncé)
•Under / D. Babbs, L. Bereal, M. Cooper, A. Dixon, J. Franklin, T. Jones, R. New & K. Stephens, songwriters (Pleasure P)

Category 29

Best R&B Album
(For albums containing 51% or more playing time of VOCAL tracks.)

•The Point Of It All / Anthony Hamilton
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001G1ACYQ/soulsearchiho-22/ref=nosim/

•Testimony: Vol. 2, Love & Politics / India.Arie
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001NDR5OM/soulsearchiho-22/ref=nosim/

•Turn Me Loose / Ledisi
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002GJWTXE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

•Blacksummers’ Night / Maxwell
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0028K3192/soulsearchiho-22/ref=nosim/

•Uncle Charlie / Charlie Wilson
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001P4OACE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

Category 30

Best Contemporary R&B Album
(For albums containing 51% or more playing time of VOCAL tracks.)

•I Am... Sasha Fierce / Beyoncé
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001GQACGE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

•Intuition / Jamie Foxx
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001JQHT6W/soulsearchiho-22/ref=nosim/

•The Introduction Of Marcus Cooper / Pleasure P
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0027BTKD8/soulsearchiho-22/ref=nosim/

•Ready / Trey Songz
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00278U1WU/soulsearchiho-22/ref=nosim/

•Thr33 Ringz / T-Pain
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001G7EGQA/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>AWARD>GRAMMY>52nd>NOMINATIONS



(このところ、告知などが重なり、いくつかアップするのが遅れている原稿があるので、折を見てアップします。まず、アシュフォード&シンプソンの最終日のライヴ評。このほかに、クリセット・ミッシェル、マリオのライヴ評なども順次掲載の予定。他にもノラ・ジョーンズの「海賊問題」についてもまとめたい。スモーキー・ロビンソン@ライヴ・フロム・ダリルズ・ハウスもご紹介しなければ…)

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【Ashford & Simpson: Their Songs Are So Strong To Everyone’s Life】

強力。

アシュフォード&シンプソン、4日間8ステージの最終回。「4日間、1日2ステージ、8ステージ! こんなこと、私たち今までやったことがない! ここ、日本だけよ」とヴァルが叫ぶ。立ち上がった観客がやんやの喝采を浴びせる。

それほど絶対数は多くはないが、観客のアーティストへの思いは実に熱い。1曲目からアリーナ部分の観客は総立ちだ。次から次へと歌われる作品群は、まさに楽曲自体に強力な力があるため、どんどんと引き込まれる。

「今日のみなさんの中にカップルはどれくらいいるのかしら」とヴァル(ヴァレリー・シンプソン)が尋ねる。観客から「ノット・メニーnot many」、笑いが巻き起こる。「オーケー、多くないのね。では独身の人が多いのかしら。これから歌う曲は、そんなシングル(独身)の人向けの曲です」 こうして始まったのが、「ステイ・フリー」。彼らの曲はどれもそうだが、イントロからぞくぞくする作品が多い。この「ステイ・フリー」もそうだ。

ニック(アシュフォード)とヴァルのヴォーカルを支えるバックバンドは、よくよく聴くと、実にまっとうな「正しいソウル・シンガー向けの正しいバックバンド」であることがわかる。出すぎず、しかし、ちゃんとやるべきことはきっちりやる。

「私たちが書いたこの曲は、このシンガーの名前を変えることになりました。彼女はそれまではダイアナ・ロスと名乗っていました。でもこの曲がヒットした後、彼女は『ボス』と呼ばれるようになりました」 歌詞I was so right So right Thought I could turn emotion のemotionのところで、2人が揃って後ろにのけぞるところがかわいい。

「センド・イット」の終わり方。音を止め、2人の手と手を合わせようとして、なかなか合わずに、ドラマティックにもったいぶって、最後に手を握る。こんな大げさな、ちょっとクサイ演出も芸歴40年以上のソウル・ショーではどんぴしゃに決まる。

ヴァルがピアノに座りイントロを弾きながら、「この曲は最初シャカ・カーンが歌いヒットさせました。そして、後にホイットニー・ヒューストンが歌ってまたヒットさせました。今夜は私たちがその曲を取り返しましょう」といいながら、「アイム・エヴリ・ウーマン」になだれ込む。さんざん盛り上げた最後ニックが、ヴァルに向かって、「She belongs to me(彼女は僕のものだよ!)」と叫ぶ。ベタだが最高に楽しい。

「ストリート・コーナー」が終わったあと、ヴァルがメンバー紹介。「私たち、ニューヨークでクラブをやってるの。ご存知の方も多いでしょう。『シュガー・バー』という店です。ニューヨークにやってきたときには、ぜひ来てください」 (「場所はどこ?」の掛け声が観客から) 「ウェスト72nd(セヴンティセカンド)ストリート、ブロードウェイとウェストエンドの間よ! 先週木曜日は、お店にクインシー・ジョーンズがやってきました。それから、だれが来たっけ(とニックに訊く)」 「クリス・タッカー」 「そう、クリス・タッカーが来て、3曲歌ってったわ。マイケル・ジャクソン? クリスはマイケルが大好きよね。で、その『シュガー・バー』では、毎週オープンマイクをやっています。そこには本当に素晴らしい才能がやってきます。そこで素晴らしい歌を聞かせてくれたシンガーがいたので、今回バック・シンガーとして彼をピックアップして日本に連れてきました。クレイトン・ブライアント! 彼のアフロは、マンハッタンではもう少し小さかったんだけど、日本のために、大きくしたのよ!(笑)」

どの曲も本当に曲がいいので、ステージにぐいぐいと引き込まれる。そして圧巻はモータウン・メドレー。ニックがおもしろおかしく、モータウン入りの経緯を説明しながら、曲紹介をする。さすがストーリー・テラーだ。何度もしゃべっているだけに、もう間の取り方とか、完成された話芸だ。

アンコール前に、「私たち、日本に初めて来るまでになぜかこんなに時間がかかってしまったわ。でも、次はこんなに待たされないわ、絶対にね!」の一言。この日のアンコールは、クインシー・ジョーンズに提供した「スタッフ・ライク・ザット」。のりのいいダンサブルな作品だけに、立ち上がったままの観客も踊る踊る。

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バックステージ。

「初めての日本、とっても気に入ったわ」 アメリカではこのように2ステージはあまりやらない? 「やらないわね、週末土曜日だけね。ここに来る前にサンフランシスコでライヴをやったけれど、平日は1回、土曜だけ2ステージ。フルショーで2時間? そんなに長い時間はやらないわ。だたい60分から70分くらい。日本は特別よ。今日は80分? 長くやったわよね」

「エリック・ゲイル(ギタリスト)は、ご存知? さっき彼の奥さんが娘さんと来てね」 「もちろん、ゲイルは知っています。奥さんは日本人の方だったのでは?」 「そう、エリックはずいぶん前に亡くなったけど。彼女たちが来ているのはまったく知らなくて。それで、彼女たちが来てくれて、私たちはいかにエリックが素晴らしいギタリストで素晴らしい人物だったか話したのよ。特に娘さんはお父さんのことをそれほど知らなかったので、お父さんの話をしてあげたの。そうしたら、彼女たち泣いてしまって」

そういえば、僕たちが楽屋に入るのと入れ違いに、大きな花束を持った母娘が通りかかったことを思い出した。再会に感動したヴァルが手渡した花束だった。

■ アシュフォード&シンプソン、初来日ライヴ評ほか

November 22, 2009
アシュフォード&シンプソン(パート3):インタヴュー:モータウンでは「スピード」が必要だ
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10393856744.html

November 20, 2009
アシュフォード&シンプソン:ストーリーを聴かせるライヴ (パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10392434386.html

November 21, 2009
アシュフォード&シンプソン (パート2): インタヴュー
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091121.html

■ 『ステイ・フリー』(下記2枚いずれも秀逸です)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KKE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 『イズ・イット・スティル・グッド・トゥ・ヤ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KIV/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■セットリスト アシュフォード&シンプソン
Setlist : Ashford & Simpson, November 22, 2009

show started 20:46
01. Intro: Bourgie Bourgie
02. Found A Cue
03. Is It Still Good To Ya
04. Stay Free
05. Boss
06. Send It
07. I’m Every Woman
08. Street Corner
09. Let’s Go Get Stoned
10. Motown Medley (10 -12): Ain’t Nothing Like A Real Thing
11. Your Precious Love
12. Ain’t No Mountain High Enough
13. Solid
Enc. Stuff Like That
show ended 22:09

(2009年11月22日日曜、東京ブルーノート=アシュフォード&シンプソン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Ashford & Simpson
2009-144

【レオン・ウェア急遽再来日~スーパーディスコナイト特典は限定200名まで~ほか】

告知。

このところかなりバタバタしております。吉岡関連の告知をもういちどまとめます。最初はレオン・ウェア再来日ですが。

今年夏に久々の来日となった元モータウンのソングライターで、マーヴィン・ゲイの『アイ・ウォント・ユー』で一躍有名になったレオン・ウェアが12月末、再度来日する。今回はコットンクラブで大晦日12月31日(木)午後7時半と10時45分の2セット、1日限り。10時45分のものがカウントダウンになる予定。前回見逃された方はぜひ。

詳細は、コットンクラブへ。
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/schedule/

August 25, 2009
ソングライター、リオン・ウェア戻ってくると宣言
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090825.html
前回ライヴ評

October 16, 2009
グレイト・ストーリーテラー、リオン・ウェアはノンストップでしゃべる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091016.html
レオン・インタヴューの一部

代表作の1枚
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000FPX1GA/soulsearchiho-22/ref=nosim/

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◎スーパー・ディスコ・ナイト@玉川高島屋アレーナ・ホール

玉川高島屋がちょうど40周年となることを記念したイヴェント『クリスマス・スペシャル~スーパー・ディスコ・ナイト~東京ウエスト・サイド』。2009年12月20日(日曜日)、玉川高島屋アレーナ・ホール。

ライヴ出演は、バブルガム・ブラザーズからブラザー・コーン、マイケル・ジャクソン生き写しのパフォーマンスが高い評価を得ているMJスピリット、ソウルフルな2人組シュガー・ピンプス、ロックンロール&ソウルのワンダラーズ、レディー・キューブ、ソウルダンスのマイケル鶴岡ら。DJ陣は、DJオッシー(Osshy)、ケイコ(K-Co=ソウル・ナッツ)。

なお本ブログをごらんになり superdisconight@yahoo.co.jp に予約を入れてくださった方は、特典として、定価4000円を優待価格(3500円)で入場でき、特製ステッカー、世田谷地区ソウルバー・マップなどのグッズがもらえます。優待価格は先着200名様ですので、まだの方はお急ぎください superdisconight@yahoo.co.jp まで、あなたのお名前、住所、連絡先、入場人数をお書きの上、メールをお送りください。折り返し、チケットの引き換え方法など詳細を書いた確認メールを差し上げます。

詳細は、2009年11月19日付け本ブログをごらんください。
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091119.html

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◎ NHK-FMでマイケル特集

2009年12月20日(日)NHK-FM『サウンド・ミュージアム』(午後7時20分から10時までの2時間40分)で、西寺郷太、吉岡正晴でマイケル・ジャクソンの特集をお送りします。質問などがあれば、下記アドレスで12月4日昼過ぎまで受け付けます。

番組サイト↓
http://www.nhk.or.jp/sound-m/
メール送り用サイト↓
https://www.nhk.or.jp/songs/contact/index.html

◎ 12月23日お台場マイケル・イヴェントはソールドアウト

2009年12月23日お台場のイヴェント・スペース、「カルチャー・カルチャー」で行われる西寺郷太、吉岡正晴のトーク・ショー『マイケル・ジャクソン・ラヴ・ナイト』は、おかげさまで即日完売となりました。当日の模様は前半部分をインターネットで生中継する予定です。詳細を近く発表いたします。しばしお待ちください。

12月23日のイヴェントについて↓
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10382746923.html

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続々決まるマイケル関連作品。

早くも発売決定!
THIS IS IT: DVD (デラックス・エディション)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002YK4U4G/soulsearchiho-22/ref=nosim/

THIS IS IT(ブルーレイ・ヴァージョン)ついにブルーレイの機械を買わないと(笑)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002UHJ9EO/soulsearchiho-22/ref=nosim/

これも欲しい! マイケル・ジャクソンが『ソウル・トレイン』に出たものを編集したDVD
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002YWYYC2/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『マイケル・ジャクソン全記録1958-2009』(エイドリアン・グラント著、吉岡正晴訳監修)(みなさま、お待たせしております。二刷りはアマゾンに12月4日に入荷の予定です。しばしお待ちを)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4904422066/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ANNOUNCEMENT>


【Bobby, Johnny, Ralph Live At Billboard】

熱気。

元ニュー・エディションのメンバー3人が集まった強力ユニットの2008年12月以来の来日。前回は滞在が短かったが、今回は中1日休み月曜から土曜までビルボードライブだ。

白いスーツに身を包んだ3人が登場。1曲目から大爆音で、アリーナ観客は総立ち。ノンストップで一気に煽る。それにしても、ボビーはいやらしい目つきで女子をなめまわす。ラルフは少しジェントルマンな目つき。ジョニーはもっとストレートな感じ。だがやはり一番Hな腰つきはボビーだ。それしか頭にない感じでこれでもかこれでもかと煽る。観客の熱気もハンパではない。男女比は4:6で若干女性が多いか。

踊る、総立ち、爆音。音が割れんばかりの勢い。ニュー・エディション時代のヒット、ラルフ、ボビー、ジョニーの各ソロを適度にまぜあわせたヒット曲オンパレード。もともとのセットリストには27曲くらいが準備されていて、そこからその日ののりと様子で12-3曲が選ばれて歌われることになっているようだ。だから、昨年のセットリストと前半は一緒でも後半が変わっている。

客席には、ユリ、有坂美香さん、オリヴィアという東京を代表する女性コーラス陣が腕を挙げ、盛り上がっている。かと思えば、下の方では西寺郷太さん、帽子を飛ばしそうな勢いで踊り、ニュー・エディションのアナログ・LPジャケットを手に持ち、最後メンバーが袖にはけるときには、抱きつき、触りまくり。(笑) 客席にもうひとつステージがあるかのようだ。

各ソロヒットでは、たとえばジョニーのヒットのバックでボビーとラルフがコーラス、ボビーのバックではラルフとジョニーがコーラスといった具合に、それぞれのソロを引き立てる。それを郷太さんは、男の友情と言っていた。郷太さんは、前回ニュー・エディションがきたとき(2003年=ボビーなし)、日本全国おっかけたそうで、それほど好きとのこと。

アンコールが終わったあと、はけるときに、ボビーは何度も何度もゆっくり直角のお辞儀をしていた。今まででは考えられないような謙虚さがものすごく印象的だった。

◎ ライヴは、今週土曜までビルボードライブ東京。水曜は休み。
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=7073&shop=1

■ 過去関連記事

2003/08/06 (Wed)
New Edition Live At AX
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200308/diary20030806.html
前回ニュー・エディション来日時ライヴ評

2003/08/07 (Thu)
Latest Edition of New Edition Live Report
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200308/diary20030807.html

December 21, 2006
Johnny Gill: 56 Minutes Of Erotic Soul
http://blog.soulsearchin.com/archives/001464.html
ジョニー・ギル前回ライヴ評

December 17, 2008
ボビー・ジョニー・ラルフ・ライヴ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081217.html
この3人のユニットでの前回来日ライヴ評

■ ボビー・ブラウン・ベスト(これは便利な1枚)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002CNV2V4/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ラルフ・トレスヴァント

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005GSPV/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ジョニー・ギルと言えば「マイ・マイ・マイ」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000UVAMV6/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ニュー・エディション このところカタログがちょうど廃盤になっているようです。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005GSL3/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー
ボビー・ブラウン/ジョニー・ギル/ラルフ・トレスヴァント
Bobby Brown/Johnny Gill/Ralph Tresvant

ボビー・ブラウン/Bobby Brown(Vocals)
ジョニー・ギル/Johnny Gill(Vocals)
ラルフ・トレヴァント/Ralph Tresvant(Vocals)

レジナルド・ジョーンズ / Reginald Jones(Keyboards)
ジョン・イーリー / John Eley(Guitar,Keyboards)
セオドーア・ギルバート / Theodore Gilbert(Bass)
メルビン・ボールドウィン / Melvin Baldwin(Drums)

■セットリスト
Setlist : Bobby Brown/Johnny Gill/Ralph Tresvant @ Billboard Live, November 30, 2009

show started 21:34
01. Intro
02. On Our Own (Bobby)
03. Stone Cold Gentleman (Ralph)
04. Fairweather Friend (Johnny)
05. Money Can’t Buy You Love
06. Getaway
07. Can You Stand The Rain
08. Roni (Bobby)
09. Sensitivity (Ralph)
10. My My My (Johnny)
11. Rock Witcha (Bobby)
12. Rub You The Right Way (Johnny)
Enc. My Prerogative (Bobby)
show ended 22:51

(2009年11月30日月曜、ビルボードライブ東京=ボビー・ブラウン/ジョニー・ギル/ラルフ・トレスヴァント・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Brown, Bobby / Gill, Johnny / Tresvant, Ralph
2009-147

(前日のブログの続き)

【The Meaning Of "Smoke Gets In Your Eyes"】

スタンダード。

土曜日深夜、翌日ラジオのコーナーで紹介するバーブラ・ストライサンドの新作『ラヴ・イズ・ジ・アンサー』(メッセージはマイケルと同じだ)の収録曲のひとつ「煙が目にしみる」を訳詞付きでお送りしようと、必死に訳詞にとりかかっていた。この20行弱の歌詞に、見事に物語の起承転結があるのだが、訳してみて改めて、昔の曲はうまくできているなあ、などと感心しきりだった。

このSmoke gets in your eyesは直訳だと、煙があなたの目に入る、ということになるが、「煙が目にしみる」という邦題も秀逸だ。これはもともとは、1933年のミュージカル作品『ロバータ』のためにジェローム・カーン(作曲)、オットー・ハーバック(作詞)によって書かれた作品。『ロバータ』は、女性作家アリス・デュアー・ミラー(1874-1942)が1933年に書いた小説『ガウンズ・バイ・ロバータ』を元にしたもので、劇場で300回近く公演されるヒットとなった。これを受け、1935年同作品がフレッド・アステア、ジンジャー・ロジャースらの主演で映画化されるが、この作品中もっとも人気を集めた楽曲がこの「煙が目にしみる」となった。それ以来多数のカヴァー・ヴァージョンが生まれた。1958年のプラターズのヴァージョンは全米ナンバーワンになり、大変よく知られるようになったが、ほかにも、ナット・キング・コール、ダイナ・ワシントンなども有名。

ハーバックは、ロシアの格言「When your heart’s on fire, smoke gets in your eyes,」(あなたの恋の炎が燃え上がる時、煙があなたの目を直撃する)からヒントを得て、この曲の歌詞を作った、という。

そして、訳詞をちーちゃん(=しのきちさと=『ソウル・ブレンズ』のDJのひとり)に読んでもらうときのBGMを探す。多数のカヴァーがある「煙が目にしみる」なので、すぐにインスト物など見つかるかと思いきや、なかなかインストがなく、やっと探し当てたのが、ハンク・ジョーンズのピアノをフィーチャーしたザ・グレイト・ジャズ・トリオのヴァージョン。

日曜午後2時。東京FMの『サンデイ・ソングブック』をつけると、なんと達郎さんがど頭1曲目で達郎さんヴァージョンの「煙が目にしみる」をプレイ! これにはさすがにびっくり。前夜遅くまで何度も聴きながら、英詞と日本語詞を煮詰めていたので、達郎さんヴァージョンも感無量だった。

そして、午後4時半過ぎ。BGMから静かにちーちゃんが、見事な朗読を聴かせてくれた。DJマーヴィンがそれを聴いて、「バーブラが日本に来て歌うときには、その歌の前に、ちーちゃんが詞を朗読すればいい」とまで言う。ちーちゃん、朗読うまい。前回読んでもらったのは、「スターダスト」だった。スタンダード曲には訳詞朗読があっている。

SMOKE GETS IN YOUR EYES
(Jerome Kern / Otto Harback)
BARBRA STREISAND

They asked me how I knew
My true love was true
Oh, I of course replied
Something here inside cannot be denied

私の愛が本物だったか、
みな不思議がるの
もちろんこう答える
私の燃えたぎる恋の炎は、絶対だったのよ

They said someday you’ll find
All who love are blind
Oh, when your heart’s on fire
You must realize
Smoke gets in your eyes

誰もが「愛は盲目だと、いつかはわかる」と言う
友が忠告してくれた
「恋の炎が燃えているときは、
煙が目にしみて、目が曇るものよ」と

So I laughed and I gaily laughed
To think they could doubt my love
Yet today my love has flown away
I am without my love

私は、この愛を疑っていた友たちを、あざけり笑った
でも、今日、その愛はどこかへ消えてしまった
もはや、私は愛のないもぬけの殻

Now laughing friends deride
Tears I can not hide
Oh, so I smile and say
When a lovely flame dies
Smoke gets in your eyes
Smoke gets in your eyes

今、涙が頬をつたう私を笑うのは、その友たち
だから私は作り笑いをして言い返す
「恋の炎が消えたときも、
煙が目にしみるのよ」と

(訳詞ソウルサーチャー)

+++

解説するのもヤボだが、一番の「煙が目にしみる」のは、恋は盲目、とにかく好きで嬉しくて涙が出てしまうほどという情景。一方二番の「煙が目にしみる」は、失恋し悲しくてその煙で涙が出るというまるで逆のシーンを描く。確かに炎が消えるときにも残り煙というか、そんなものが出る。また、涙を隠すものとしては、煙のほかに、雨もある。ドラマティックスの「イン・ザ・レイン」は、失恋で悲しくて泣いているが、雨の中にいるから、涙を隠せるといういじらしいシーンを描くが、この「煙が目にしみる」もそんな感じだ。

個人的には、I am without my loveを「私は愛のないもぬけの殻」とした部分、また、so I smile and sayを「作り笑い」に置き換えることができた部分が気に入っている。(少し自画自賛)

僕もこれまでこの「煙が目にしみる」って、タバコの煙かと思っていたが、どうやらタバコではないようだ。恋の炎から立ち上がる煙、煙は涙を隠すメタファーということだ。それにしても、この20行弱でのこの起承転結はすごい。物語がちゃんと成り立っている。

また、この歌詞は、今回はバーブラが歌ったので、「女目線」だが、当然、プラターズやナット・キング・コールが歌えば、「男目線」になる。この曲を聴く側が女性か男性かでまた、受け取り方が大幅にちがってくる。

この朗読を聴いたリスナー(女性)から、「今まで、この曲のこと何も考えずにけっこう好きでしたが、訳詞を聞いてみると、こういう恋愛はしたくない、共感できない曲だなあと思って(曲に対して)冷めてしまいました。まあ、男性が歌ったほうが、『それは残念、次の恋に進みましょう』という前向きな感じがするかもしれません。女性が歌うとなんかイジイジします」といった意見をいただいた。たかが「煙が目にしみる」、されど「煙が目にしみる」。奥が深い。ディスカッション・フォーラムのスレッドが立ち上がっても不思議ではない。

■『ラヴ・イズ・ジ・アンサー』バーブラ・ストライサンド(日本盤)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002QD2PKC/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ダイナ・ワシントンのヴァージョンもよいです

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000K3LW/soulsearchiho-22/ref=nosim/

一番有名なプラターズも、一応

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000JZV1/soulsearchiho-22/ref=nosim/

BGMで使ったハンク・ジョーンズ率いるザ・グレイト・ジャズ・トリオのアルバム

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000W3RXA/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>MUSIC>SONG>Smoke Gets In Your Eyes


【Barbra Streisand Latest Album "Love Is The Answer"】

彩(いろどり)。

アメリカ・エンタテインメント界の超大物バーブラ・ストライサンドのニュー・アルバムが『ラヴ・イズ・ジ・アンサー』が日本では2009年11月25日にリリースされた。このアルバムがまた見事な出来になっているのでご紹介したい。

今回のアルバムは、バーブラがジャズのスタンダードに挑戦したもので、それも、全13曲をオーケストラ・ヴァージョンと、カルテット・ヴァージョンの2ヴァージョンで録音した。同じ曲をオーケストラとカルテットで、違いを見せたわけだ。カルテットは、かのダイアナ・クラールである。プロデュースもダイアナと巨匠トミー・リピューマ。

たとえば、プラターズなどで有名な「煙が目にしみる(Smoke Gets In Your Eyes)」。リッチーなオーケストラものはコンサート・ホールで聴いているかのようで、一方しっとりとしたカルテットものは小さなナイトクラブでお酒でも飲みながら流れているような気にさえなる。

このクラスのシンガーになると、もはや楽曲の解釈力は超ずば抜けていて、何を歌っても、その本人のものにしてしまう。バーブラのこの素晴らしさは、筆舌に尽くしがたい。単語ひとつひとつの意味を、噛み砕き、自分の栄養にして、そこに新たな息吹を与え、再び口から出す。単語へ命を込めるその術は群を抜く。だから、バーブラがSmoke gets in your eyes と歌うとき、そこの煙が目に染みるように聴こえてくる。

さて、この両方のヴァージョンでピアノを弾いているのは、フュージョン界の第一人者、タミール・ヘンデルマン。ダイアナ・クラールとも一緒にツアーをしたり、昨年のナタリー・コールのバックで来日にしていた。歌物の伴奏としては最高峰と言っていい。

これはまた来年のグラミーにノミネートされるかと思いきや、発売日が9月29日だったので、グラミー締め切り(8月末日)に間に合わず、入るとしても再来年ということになる。

バーブラはこのニュー・アルバムをプロモートするために、リリース時にニューヨークの小さなライヴ・ハウス、ヴィレッジ・ヴァンガードでカルテットでライヴを行った。9月26日のこと。彼女が同店に出演したのは、マイルス・デイヴィスのオープニングを担当した48年前(1961年)以来のことだという。滅多にライヴをやらないバーブラ、しかもたまにやったとしても、通常マジソン・スクエア・ガーデン級(2万人超)のところでやる彼女が300人も入らないであろうライヴ・ハウスでやるということで、大変な話題になった。アルバムは全米アルバム・チャートで1位初登場になり、すでにゴールド・ディスク(50万枚)を突破、彼女にとっては51枚目のゴールド・ディスク、9枚目の全米1位アルバムになった。彼女は、1960年代から5ディケード(60年代~00年代)にわたってナンバーワン・アルバムを出した初のアーティストとなっている。この時のチャート・バトルは、同日リリースのマライアのアルバムとの一騎打ちで、バーブラに軍配が上がった。

今回の1位初登場はアメリカの音楽業界関係者を驚かせたが、それはバーブラのアルバムが、従来のCDショップではなく、スターバックス、QVCというテレビ通販、また本人のウェッブサイトを通してよく売れたことが大きな要因らしい。

アルバムにはいつものようにバーブラ自身の詳細なライナーノーツ、そして今回はダイアナ・クラール、さらに制作担当のジェイ・ランダースのライナーノーツも読み応えたっぷりだ。

それによると、2008年9月のオバマの資金集めパーティーで、バーブラは6曲目の「メイク・サムワン・ハッピー」の歌詞の一部を変えて、オバマの応援歌にした。彼女は「オバマ上院議員の掲げる理想や、彼のより素晴らしい状態を目指す信念がアメリカン・ドリームという約束を立て直すのだという考えを伝えるため」と書いている。

全曲スローで、このアルバムをかけながらドライヴすれば、まさにモノトーンの景色が見事に彩られるかのようだ。

Track listing

1."Here’s to Life" (Artie Butler, Phyllis Molinary) – 4:35
2."In the Wee Small Hours of the Morning" (Bob Hilliard, David Mann) – 4:02
3."Gentle Rain" (Luiz Bonfá, Matt Dubey) – 4:19
4."If You Go Away (Ne me quitte pas)" (Jacques Brel, Rod McKuen) – 4:14
5."Spring Can Really Hang You Up the Most" (Fran Landesman, Tommy Wolf) – 4:32
6."Make Someone Happy" (Betty Comden, Adolph Green, Jule Styne) – 4:08
7."Where Do You Start?" (Johnny Mandel, Alan Bergman, Marilyn Bergman) – 4:26
8."A Time for Love" (Mandel, Paul Francis Webster) – 5:12
9."Here’s That Rainy Day" (Johnny Burke, Jimmy Van Heusen) – 5:04
10."Love Dance" (Ivan Lins, Gilson Peranzzetta, Paul Williams) – 4:43
11."Smoke Gets in Your Eyes" (Jerome Kern, Otto Harbach) – 4:22
12."Some Other Time" (Leonard Bernstein, Comden, Green) – 4:43
13."You Must Believe in Spring" (Bergman, Bergman, Michel Legrand) – 4:04 [Bonus track]

The second disc of the deluxe package, featuring Streisand and quartet, includes:

1."Here’s To Life" (Artie Butler/Phyllis Molinary) - 4:31
2."In The Wee Small Hours Of The Morning" (Bob Hilliard/David Mann) - 3:58
3."Gentle Rain" (Luiz Bonfa/Matt Dubey) - 4:20
4."If You Go Away (Ne me quitte pas)" (Jacques Brel/Rod McKuen) - 4:12
5."Spring Can Really Hang You Up The Most" (Tommy Wolf/Fran Landesman) - 4:34
6."Make Someone Happy" (Jule Styne/Betty Comden/Adolph Green) - 4:02
7."Where Do You Start?"(Johnny Mandel/Alan Bergman/Marilyn Bergman) - 4:26
8."A Time For Love" (Johnny Mandel/Paul Francis Webster) - 5:14
9."Here’s That Rainy Day" (Johnny Burke/Jimmy Van Heusen) - 5:03
10."Love Dance" (Ivan Lins/Gilson Peranzzetta/English lyrics by Paul Williams) - 4:43
11."Smoke Gets In Your Eyes" (Jerome Kern/Otto Harbach) - 4:17
12. "Some Other Time" (Leonard Bernstein/Betty Comden/Adolph Green) - 4:43

■『ラヴ・イズ・ジ・アンサー』バーブラ・ストライサンド(日本盤)3780円

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002QD2PKC/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 同輸入盤 2765円

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002DYJAIO/soulsearchiho-22/ref=nosim/

◎今日のインターFM(76.1mhz=東京地区)『山野ミュージック・ジャム』(2009年11月29日午後4時半~4時50分)で、このアルバムをご紹介します。

ENT>MUSIC>ARTIST>Streisand, Barbra


【"This Is It" Final Screen】

エクステンション。

「あああ、終わっちゃった…」 なんか気が抜けた…。そんな感じだ。11月27日(金)、2週間延長になっていた『ディス・イズ・イット』の公開が終わった。まだいくつかの映画館では朝まで上映されているところがあるが、とりあえず、DVDまではしばしお休みか。

結局、六本木ヒルズ、新宿、品プリ、有楽町など軒並みだめで、やっと探し当てた港北ニュータウンのワーナーマイカルまで出向いた。前日の様子だと、意外と空いていたと思ったが、道に迷いぎりぎりに入ったところ、超満員。しかも、26時過ぎの回を急遽、追加しました、と盛んにアナウンスしていた。すごいな、土壇場に来て。

毎回思うことを。それにしても、冒頭オーディションのところはすごい。5000人から11人が選ばれたというが、他にアンダースタディー(怪我などのときの代役)は取ってないのだろうか。

マイケルは、6割くらいの力なのだろうが、マイケルと一緒にステージにあがるダンサーやミュージシャンたちは、マイケルがそこにいるだけで120パーセントの力を出している。あらゆる点でマイケルのマジックがかかっている。

「ビート・イット」でマイケルがクレーンに乗るが、その後オルテガがMichael is on cherry picker againといったようなことを叫ぶ。ずっと意味がわからなかったのだが、今、いろいろ調べたらチェリーピッカーがああいうクレーンのことを指していた。

前回書いたマイケルのナレーションの件。最後の方、週末、全員をまとめて円陣を組み、オルテガが挨拶した後、マイケルがちょっとした挨拶をする。ああいう挨拶が何回かあって、その中の1回でナレーションで使ったようなことを言ったのかな、とも少し思った。でも、そういうみんなの前でしゃべるもの、というより、やはり、ナレーションっぽいんだよなあ。元々「メイキング」を作るつもりで、そうしたニュアンスのナレーションを録っていたのか。これは、機会があったら、ぜひオルテガに訊きたい。

マイケルがこのツアーで「ヒール・ザ・ワールド(世界を癒そう、直そう)」というメッセージを発信しようとしたことはよーくわかった。

オルテガが冒頭でダンサーたちに向かって言う。「君たちは、マイケルのエクステンション(extension=延長、伸ばし、エクステ)なんだ」(マイケルの体の一部となって動くんだ。マイケルの体の延長なんだ、といったニュアンス) それは、体の動き、ミュージシャンなら演奏、歌を意味する。しかし、今、この映画を見た観客もまた、マイケルのエクステンションになると言っていいだろう。

マイケルの分身。ダンサーもマイケルの分身、ミュージシャンもシンガーも分身だ。そしてこれからは、観客がマイケルの分身になっていく。そう、マイケルが伝えたいその熱いメッセージを、観客一人一人が胸に秘め、醸造し、それをマイケルのエクステンションとして、人々に発信していくのだ。物事が広がっていくということは、こういうところから始まるのではないかと、強く思った。まさに、Make that changeだ。これは、字幕よりもっと強い「意志を持って変えていこう」「自分たちで変えなければならない」といった気持ちが固くその言葉に込められている気がする。

最終回、最終日の上映は映画館によっては、ライヴ会場でライヴを見ているかのように1曲ごとに拍手が巻き起こったりした場所があったそうだ。すばらしい。これほどリピート率の高い映画もなかっただろう。かつての『ロッキーホラー・ショー』みたいな延々とやっている常設館なんか出来てもおかしくない映画だ。

+++++

三宿。

映画終了後、三宿に直行。「郷太祭り」という西寺郷太さん誕生日を祝うイヴェントで、郷太さんがマイケルの『ディス・イズ・イット』の曲をかたっぱしからかけるという。三宿ウェッブはかなり煙かったが、「ウォナ・ビー・スターティン・サムシン」から爆音でマイケルがかかった。

途中MCで郷太さんが、最新情報として、「つい最近自殺したイヴァン・チャンドラーの息子ジョーダン・チャンドラーがジャーメイン・ジャクソンに電話をしてきて、『マイケルにいたずらされたというのは全部父親に言わされたもので、うそでした。ごめんなさい』と言ったという」情報が伝わってきた旨の話しをし、客から驚嘆の声があがった。ひじょうに興味深い。

郷太さんは、「シーズ・アウト・オブ・マイ・ライフ」をアカペラで歌っていた。

■ ディス・イズ・イットCD

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002QH0QAO/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>MUSIC>ARTIST>Jackson, Michael


【B.T.Express Live At Billboard Live】

パーティーバンド。

1974年「ドゥ・イット」の大ヒットで一躍スターダムにのし上がったニューヨーク出身のパーティーバンド、B.T.エクスプレス(エキスプレス)。リーダー格ジャマール・リスブルックによると11年ぶり4回目の来日とのこと。僕が記憶にあるのは、1982年6月の「ライヴ・イン82」でのライヴ。ライヴも見て、インタヴューもしたので、よく覚えている。よって個人的には27年ぶりの彼らのライヴということになる。

余談だが、あのライヴ・イン82という店は今から考えたら、消防法的に相当危ない店だったと思う。(笑)韓国の射撃場火事のニュースがあったが、もしライヴ・インで火事なんか起こったら何十人という単位で死者が出たのではないか、と今になっては思う。それほどぎゅう詰め、非常口などどこにあるのかわからず、階段もかなり狭かった。逆にライヴをやるには、一体感が生まれめちゃくちゃ熱狂して見られた。

ジャマールによれば、ライヴ・インのあとに、福岡、大阪のブルーノートにそれぞれ別にやってきたので、今回の来日は4度目だと思う、と言っていた。ステージでは11年ぶりと言っていたので、1998年に大阪か福岡のどちらかにやってきていたのだろう。今回来日メンバーでオリジナルは、ベースのジャマールとパーカッションのデニス・ロウ、ドラムスのリロイもかなり古い。

観客席にはソウル・ショーではいつもよく見かけるソウル・ファンが目白押し。アシュフォード&シンプソンでも会ったDJアトムご一行さまが、始まる前からすでに大パーティー状態。メンバーがぞろぞろステージに上がったら、アトムがやんやの喝采を浴びせる。それだけで彼がここにいることがわかる。ミスター・盛り上げ隊長! 

今回は、ドラムス、ギター、ベース、キーボード、サックス2、パーカッション、そして女性リード・ヴォーカルという8人編成。典型的なニューヨークのパーティーバンドでほとんどミディアムからアップテンポの曲でどんどん飛ばしていく。観客のあおり方、盛り上げ方は、この手のグループなら、みなお手の物。

そしていきなり「ピースパイプ」からスタート。1階の客席はほぼ総立ち状態だ。なぜかリック・ジェームスの「スーパーフリーク」、そして、「シャウト・イット・アウト」と続き、ブルーズ曲をはさみ、「ギヴ・アップ・ザ・ファンク」。最後は、「ドゥ・イット」「ハヴ・サム・ファン」で本編終了。アンコールで「エクスプレス」。大ヒットはすべてやったというライヴだった。

しかし、この手の古株のソウルバンドのライヴは、ファンの絶対数は少ないようだが、集まるファンの熱気度が濃いのでえらく盛り上がる。そして、ライヴ後は、メンバーの多くがサイン会へ登場。

◎B.T.エクスプレス、ライヴはビルボードライブ東京で、11月27日も。
http://www.billboard-live.com/pg/shop/index.php?mode=top&shop=1
東京都港区赤坂9-7-4東京ミッドタウンガーデンテラス4階
電話03-3405-1133

■ B.T.エクスプレス アンソロジー(「ハヴ・サム・ファン」以外は入ってます)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000OCZ93W/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 「ハヴ・サム・ファン」はこちら↓

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0006GB0HA/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

ジャマール・リスブルック / Jamal Risbrook(Bass)
デニス・ロウ / Dennis Rowe(Percussions)
ニール・エドワーズ / Neil Edwards(Saxophone)
ジュリアン・マイアーズ / Julian Meyers(Saxophone)
チャーメル・ロジャース / Charmel Rogers(Guitar)
サム・マニゴート / Sam Manigault(Keyboards)
リロイ・チソルム / Leroy Chisolm(Drums)
ヴァレリー・アダムス / Valerie Adams(Vocals)

■セットリスト BTエクスプレス
Setlist : B.T. Express @ Billboard Live Tokyo, November 26, 2009

show started 21:36
01. Peace Pipe
02. Super Freak
03. Shout! It Out
04. Do You Like It
05. This House Is Smokin’ ~ (Blues) ~ This House Is Smokin’
06. Give Up The Funk (Let’s Dance)
07. Sweet Thing (Valerie on Lead) ~ " "?
08. Do It (’Til You Satisfied)~a riff of "Goodtimes"
09. Have Some Fun
Enc. Express ~ Soul Makossa ~ Express
show ended 22:48

(2009年11月26日木曜、ビルボードライブ東京=B.T.エクスプレス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>B.T.Express
2009-144


【Headed For Ikspiari To See "This Is It"】

メロウ。

いよいよ今週27日(金)に終わってしまうマイケル・ジャクソンの映画『ディス・イズ・イット』。というわけで、昨日(25日水曜)、近場で見ようと思い、品川プリンスをチェックしてみると、夕方、夜が満席ソールドアウト。川崎アイマックス、六本木ヒルズ、新宿バルト、豊洲、新百合丘など片っ端から、満席か席があっても一番前とかでだめということが判明。あきらめかかったところ、舞浜のイクスピアリでなんとか入れそうなのでさっそく8時50分の回をネットで予約。

舞浜といえば、ディズニーランド。そこで、そのお供にはブラザー松尾KC潔氏プロデュースの最新作『メロウ・ディズニー』を。つい先日CDをもらい、カーステにいれて舞浜へ。ディズニーに行くBGMにはうってつけ。このアルバムは、ディズニー作品を松尾さんが、最近のR&B系アーティストを起用してプロデュースしたもの。登場アーティストは東方神起、MayJ.(メイジェイ)、平井堅、古内東子、三浦大知、有坂美香、青山テルマなどなど錚々たる面々。

「ホール・ニュー・ワールド」から、「ホエン・ユー・ウィッシュ・アポン・ア・スター」、「ビューティー・アンド・ザ・ビースト」などおなじみのタイトル全12曲。これを今風R&Bサウンドで味付け、若いJポップファンに支持されそうな作品に仕上げた。この中ではゴスペル調の有坂美香の「サムデイ」が堂々とした歌いっぷりで個人的に気に入った。着ウタ、アルバム買いか。

何でも、今の20代、30代がクリスマスに過ごしたいホテルのベスト3はディズニー関連ホテルが独占しているということで、そんなクリスマス時期にこの『メロウ・ディズニー』はぴったりかもしれない。12月9日発売なので、その日がお誕生日の子にプレゼントもよし、クリスマスプレゼントにもよし。松尾潔プロデュースの極上なメロディーで愛が深まることまちがいなし。(笑)

そうこうしているうちに、舞浜に到着。通算5回目となる『ディス・イズ・イット』だが、ネットで予約した時点では半分くらいだったが、なんと到着してみると、満席ソールドアウト。ネットで予約しといてよかったなぁ~。

今回の発見は、いや、再確認は「アース・ソング」。どうもこの歌は僕は、リハの音源ではなく、既存録音のCD音源か何かのアウトテイク(別ヴァージョン)ではないかと思っていたのだが、それに対してけっこう確信を持った。

それにしても、マイケルが地球温暖化について言及しているナレーション部分は、なぜああいうナレーションがあったのか不思議に思う。コンサートで流すビデオ映像のバックにマイケルのナレーションが入るとは思えないのだが、流すつもりだったのだろうか。「アース・ソング」「ヒール・ザ・ワールド」「マン・イン・ザ・ミラー」での3部作におけるメッセージを語る上ではひじょうに重要なナレーションだ。

エンドロールが終わり、「ヒューマン・ネイチャー」がかかる。ブレイクでストップしてマイケルが言う。「ここでボタンをかけ、自分の時間が少し欲しいんだ。そして観客をじらして~」

キラキラ光るマイケルの足がつま先立って、映画は幕を下ろす。マイケルは、映画が終わった後も観客をじらし、そして、マイケルの時間に浸っている。まだつま先立ちをして、たまたま瞬間立ち止まっているだけなのだ。それはあたかも、To Be Continued (つづく)と言っているかのようでもある。この日は映画が終わると、かなりまとまった拍手が巻き起こり、やはり最終日も観に行こうと決意を新にした。(だが、チケットがけっこうないみたいらしい)

■『メロウ・ディズニー』(2009年12月9日発売)ディズニー・ファンはチェキ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002QYZFSA/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ARTIST>Jackson, Michael
ENT>ALBUM>Mellow Disney


【Featuring Michael Jackson On Shonan Beach FM】

メッセージ。

タワー・レコードのイヴェントに続いて、昨日(2009年11月24日)は、葉山マリーナまで出向き、湘南ビーチFMの人見欣幸(ひとみよしゆき)さんの『スターライト・クルージング』にゲスト出演して、マイケル・ジャクソンの話をしてきた。この番組には今年の6月マーヴィン・ゲイ特集のときに出演させていただいたが、このブログでも何度も紹介している通り、番組全体が音楽も含めてインターネットで聴取できる。

本をプレゼントすることになっていたが、30通以上のメールをいただき、なんと番組中にはすべてのメールを読むことができず(どのメールもみんな熱くて文章が長いのです!)、番組終わりにすべて読み、当選者を決めた。なので、『マイケル・ジャクソン全記録1958-2009』の当選者は、来週火曜日の同番組の中でDJ人見さんが発表します。

今回は、『マイケル・ジャクソン全記録』の本のほかに、映画『ディス・イズ・イット』話題が中心になった。曲は、同映画でかかる曲をほぼ順番にかけ、ところどころで1曲聴くというスタイル。番組前には6曲くらいかけようと思っていたが、結局かかったのは、案の定4曲だけ。他はみなBGMになってしまった。(笑)しかも1曲は番組レギュラーのシック関連の1曲として、「カム・トゥゲザー」がかかった。これはマイケル・ジャクソンのものだが、ナイル・ロジャースがギターで参加している。

話しの内容は、『ディス・イズ・イット』のエンドロールの後の部分の意味、映画の運命的な必然、映画に出てこない他のセットリストの曲、『アース・ソング』『ヒール・ザ・ワールド』から伝わるマイケルの『ディス・イズ・イット』にこめたメッセージなどなどだ。

Song list: Starlight Crusing On Shonan Beach FM. November 24,2009

M1 Wanna Be Startin’ Something
M2 Come Together (Chic corner)
M3 Human Nature
M4 Earth Song

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■『マイケル・ジャクソン全記録1958―2009』増刷決定、12月4日までには書店、アマゾンなどへ

ご好評をいただいている『マイケル・ジャクソン全記録1958―2009』(エイドリアン・グラント著、吉岡正晴翻訳監修=発行ユーメイド)が一部で品切れとなったことを受け、2刷り増刷が決定。増刷分は12月7日(月)までには書店、アマゾンなどに入荷する予定だ。品切れでお待たせしているみなさまにはお詫び申し上げます。今しばらくお待ちください。

マイケル・ジャクソン全記録↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4904422066/soulsearchiho-22/ref=nosim/

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■マイケル・ジャクソン、アメリカン・ミュージック・アワードで4部門受賞

2009年11月22日、ロスアンジェルスのノキア・シアターで行われた「アメリカン・ミュージック・アワード」でマイケル・ジャクソンが5部門のノミネートで「ポップ/ロック男性」部門など4部門を受賞した。同アワードはレコード・セールス、ラジオでのエアプレイなどによって決まる。音楽業界の専門家が選ぶグラミーと違い、一般大衆の好みがそのまま直接的に反映するところが特徴。

アメリカン・ミュージック・アワード・勝者↓
http://abc.go.com/shows/american-music-awards/winners

勝者は次の通り。

WINNERS OF THE 2009 AMERICAN MUSIC AWARDS

ARTIST OF THE YEAR
Taylor Swift

POP/ROCK
Favorite Male Artist: Michael Jackson
Favorite Female Artist: Taylor Swift
Favorite Band, Duo or Group: The Black Eyed Peas
Favorite Album: Number Ones, Michael Jackson

COUNTRY
Favorite Male Artist: Keith Urban
Favorite Female Artist: Taylor Swift
Favorite Band, Duo or Group: Rascal Flatts
Favorite Album: Fearless, Taylor Swift

SOUL/RHYTHM & BLUES
Favorite Male Artist: Michael Jackson
Favorite Female Artist: Beyoncé
Favorite Band, Duo or Group: The Black Eyed Peas
Favorite Album: Number Ones, Michael Jackson

RAP/HIP-HOP
Favorite Male Artist: Jay-Z
Favorite Album: Blueprint 3, Jay-Z

ADULT CONTEMPORARY
Favorite Artist: Taylor Swift

LATIN MUSIC
Favorite Artist: Aventura

ALTERNATIVE ROCK MUSIC
Favorite Artist: Green Day

CONTEMPORARY INSPIRATIONAL
Favorite Artist: Mary Mary

SOUNDTRACKS
Favorite Album: Twilight Soundtrack

T-Mobile BREAKTHROUGH ARTIST (ALL GENRES)
Gloriana

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ENT>ARTIST>Jackson, Michael
ENT>AWARD>American Music Award

【Talk Event At Tower Records And NHK-FM Program Due December】

満員御礼。

2009年11月23日(月曜=祝日)、渋谷タワー・レコード7階で、マイケル・ジャクソンに関するトーク・イヴェントが行われた。吉岡正晴と西寺郷太さんがトークを約1時間20分ほど繰り広げた。

7階のブック売り場には開演4時の1時間ほど前から観客が集まり、4時前にはかなりの人が集まった。まずは、タワーの槇田さんの司会で、吉岡が簡単に『マイケル・ジャクソン全記録1958-2009』の誕生の経緯、読みどころなどを説明、さらに1983年8月にマイケル・ジャクソン邸を訪問したときのエピソードなどを紹介、その後西寺郷太さんを呼び込み、2人でマイケルの話を続けた。

当初のネタは、マイケルに対して最初の幼児虐待疑惑の訴えを起こしたイヴァン・チャンドラーが数日前に自殺したというニュース。これらの疑惑はすべて裁判で無罪が確定、いわゆる有名人に対するたかりだったことが証明されたが、ここでマイケルが和解金を支払ってしまったことで、灰色決着と言われるようになった。いわば、このチャンドラーが後にマイケルに対してのさまざまな言いがかりをつける模倣犯を生み出す最初の原点となった人物の死だけに、大きな意味を持つ。

映画『ディス・イズ・イット』についての2人の感想、その意義などの話し。郷太さんがインタヴューしたライオネル・リッチーの話し、23日夜10時から放送されるテレビ番組『スマップ・スマップ』の話し、マイケルの手袋問題(右か左か)、訳詞集の出版が難しいという件など、多岐にわたった。

僕はここで映画についてこんな話をした。『ディス・イズ・イット』は、一切マイケルが死んだという事実が出てこない。マイケルを振り返るシーンも一切ない。これはケニー・オルテガの監督としてのすごいところだ。もし20年か30年後、何も知らないでこの映画を見た人はこの映画の主人公が死んでいるかどうかなどわからなくなるだろう。まだずっと生き続けるというメッセージがあるようだ。

トークの後、郷太さんと僕でそれぞれサイン会。6時近くにイヴェントは終了した。

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郷太さんはこの日、前日朝までの新宿でのトーク・イヴェント明けだった。このイヴェントでは毎年、いつも強力に酒を飲まされ、その二日酔いでやってきた。控え室では死にそうな青白い顔をしていたが、ステージに上がると、絶好調トークを披露。マイケルの歌マネまで見せてくれたが、サイン会が終わり、控え室に戻ると、「また気持ち悪くなった…」と机に伏せた。あまりにその落差が激しくめちゃくちゃおもしろかった。本番には強いんだなあ…。(笑)

(この項、続くかも)

■マイケル・ジャクソン全記録

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4904422066/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書

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発表! NHK-FM『サウンド・ミュージアム』で12月にマイケル特集

告知。

NHK-FMの月一の音楽番組『サウンド・ミュージアム』の12月放送分で、吉岡正晴、西寺郷太がマイケル・ジャクソンをテーマにお送りすることが決まった。放送は2009年12月20日日曜午後7時20分から10時までの2時間40分。番組では、マイケルに関する質問などを下記ホームページから受け付けます。

番組サイト↓
http://www.nhk.or.jp/sound-m/
メール送り用サイト↓
https://www.nhk.or.jp/songs/contact/index.html

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◎ 今日は湘南ビーチFMにゲスト出演~インターネットで聴けます

今日は、吉岡正晴が湘南ビーチFM『スターライト・クルージン』(火曜日19時30分~21時=DJ人見欣幸)にゲスト出演します。マイケル・ジャクソンの話と、『マイケル・ジャクソン全記録1958-2009』の話をします。このFMは電波は湘南地区でしか受信できませんが、全国へインターネット放送をしています。音楽も流れます。

湘南ビーチFM http://www.beachfm.co.jp/

インターネット・ラジオへのアクセスは、こちら。http://www.simulradio.jp/asx/shonanbeachfma.asx

おたよりは・a href=mailto:Aletter@beachfm.co.jp>Aletter@beachfm.co.jp まで。

ENT>ARTIST>Jackson, Michael
ENT>EVENT>Jackson, Michael


【Sunday Song Book Featuring Sweet Soul】

スイートソウル。

昨日の日曜(2009年11月22日)は、3連休の中日。東京FM系列で毎週日曜午後2時から放送されている山下達郎さんの『サンデー・ソングブック』が、久々にスイートソウル特集だった。達郎さんが、ソウル系の特集をするときは、いつもマニアックなので、メモを片手に聞き耳を立てずにはいられない。

この日も、ニューバース、ブルー・マジック、コンティネンタル・フォー、シリータなどがかかる。なんとこの日の最大のレアものは、黒人2人組パターソン・ツインズのシングル「アイ・ニード・ユア・ラヴ」。これはマラコ・レコードから1975年に出たということだが、僕も知らなかった。彼らはアルバムが出ているが、もちろんそれには入っていない。

2曲目ブルー・マジックをかけるときに、彼らの全盛は1970年代だが、その全盛期が過ぎたような時期の作品のほうが「アクがぬけていていい」という紹介に膝を打った。「アクがぬけた」ブルー・マジック。まさに、その通りという感じで、この言葉に感銘。ひょっとしてジェームス・ブラウンの1990年代の作品なども「アクが抜けた」作品と言えるかな。

コンティネンタル・フォーは、このアルバムは持っているが、もうすっかりごぶさた。何年も聴いていない。もっとスイートなイメージが漠然とあったが、けっこうサウンドはスイートだが、インパクトが強い。

ラジオ、あるいはソウル・バーでも同じだが、自分で持っていても何年も聴いていないで、すっかり忘れているような作品がぽっと飛び出てくるというのはとても嬉しいもの。そのレコードを手に入れた頃のことなども思い出す。その当時は、まさか自分が30年後にこのアルバムに入った曲を、ラジオから聴くなんてことは夢の夢にも思わなかっただろう。

それにしても、日曜の午後、日本全国でこんなマニアックなソウルの曲がラジオから流れてくるなんて、なんてすごいことなんだ。

On Air List : 2009/11/22 Sunday Song Book 14:00 -

1. パレード (95 Remix) / 山下達郎
2. Dream Merchant / New Birth
3. Land Of Make Believe / Blue Magic
4. Dream World / Continental Four
5. Cause We’ve Ended As Lovers / Syreeta
6. I Need Your Love / Patterson Twins
7. Baby It’s Cold Outside / War
8. あまく危険な香り / 山下達郎

はたしてこの6曲どれくらいアマゾンで入手可能か調べたみた。

■ ニューバース 「ドリームマーチャント」収録。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002WUY/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ブルーマジック 「ランド・オブ・メイク・ビリーヴ」収録

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000033OK/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■コンティネンタル・フォーはだめでした

■シリータ 「コーズ・ウィ…」収録。ジェフ・ベックのものもあります。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000001AM3/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■パターソン・トゥインズ、アナログがあったのですが、高い値段がついていたのでここでは紹介せず。

■ウォー 「ベイビー・イッツ…」収録。ファンク・グループのスイートソウルには特に甘いものがあります

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000A0DVB/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■山下達郎 「あまく危険な香り」収録。アルバム『フォー・ユー』。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005UD3X/soulsearchiho-22/ref=nosim/

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今日はタワー・レコードでトーク・イヴェント

今日、2009年11月23日(月曜=祝日)、渋谷タワー・レコード7階ブック売り場で、午後4時よりトーク・イヴェントをします。ゲストに西寺郷太さん。入場無料。会場が狭いので、混雑が予想されます。入場できない場合はご了承ください。

ENT>RADIO>Sunday Song Book

(昨日からの続き)

【Ashford & Simpson: Said "Speed Is Important At Motown"】

スピード。

モータウンの成功についてニックが言う。「ベリー・ゴーディーが生み出した『サウンド・オブ・ヤング・アメリカ』というコンセプトがとても生きていたと思う。もちろん、それを支える素晴らしいソングライター、プロデューサー、素晴らしい歌手たち、素晴らしい楽曲。すべてのコンビネーションがうまく行ったんだ。一番の大きな要因は、その楽曲をしっかり歌えるシンガーがいたということだと思う。今の時代は、とてもトリッキーなシンガーが多いだろう。あの頃は違った」

ヴァル。「あの頃、モータウンで私たちは驚くべきことに、クリエイティヴ・コントロール(何かを好きにクリエイトする自由)があったのよ。曲のここをこうしろ、ああしろ、サウンドはこうしろ、なんてことは滅多に言われなかった。私たちも『こうしたほうがいいかしら』などと彼らに尋ねることもなかった。私たちは出来上がったサウンドのマスターを彼らに渡すだけ。で、ほとんどの場合、そのマスターがそのままリリースされていた」

ニック。「モータウンで心がけなければならなかったことのひとつは、『スピード』だ。モータウンには多くのシンガー、アーティストがいる。だから、いい曲をすぐに作って、すぐにリリースしないといけない。早く曲ができないとダメなんだ。みんな、たとえば、1日で3曲レコーディングしたいと思っている。スタジオでぐずぐずしているヒマはないんだよ。(笑)すぐに終えなければならない。そして、最終段階ではベリー・ゴーディーが『クオリティー・コントロール』(品質管理)をするというわけだ。早くても、ダメな作品はダメ、ということだね」

モータウンは印税率が低いことで評判だった。たとえば、モータウンきってのプロデューサー・チームで多くの傑作を生み出したホランド・ドジャー・ホランドは、その印税率の低さを不満に思い、モータウンを辞めて独立、ホットワックス/インヴィクタス・レコードを自ら立ち上げる。ノーマン・ウィットフィールドも、モータウンを辞めたり、アーティストたちも徐々に去っていくようになる。アシュフォード&シンプソンも1973年までにはモータウンを去る。やはり、モータウンの印税は低かったのが辞めた理由なのだろうか。

ニックが慎重に言葉を選ぶ。「モータウンは独特のビジネスのやり方があってね。これは有名な話しだが、最初モータウンと契約するときは、契約書をモータウンのオフィースから持ち出せない。だから、僕らは僕らの弁護士と相談することもできない。サインするか、しないか、だけなんだ。僕たちはまだ当時まったく何も知らない新人だったから、そして、モータウンで曲が書けるということに大喜びしていたので契約書にサインするしかなかったというわけだ(笑)」

ヴァル。「モータウンはあの時代、あらゆるもののトップに君臨していた。アーティストをプロデュースすること、曲を書くこと、シンガーたち。私たちは何も知らなかった。モータウンという名前が大きく輝いていたのね。そしてある部分は、ビッグ・シークレット(大きな秘密)だった。そこを私たちは知ることはなかった。でもその秘密があっても、モータウンはそれが機能していた。ひじょうにうまく機能していたのね、何年も、何年も」

あなたたちが、モータウンを去ったのはやはり同じ理由なのでしょうか。

ヴァル。「いや、基本的には、私たちが去ったのは、契約期間が切れたから、ということね。でも、私たちは(ソングライターとしての)契約が切れた後も、ダイアナ・ロスのプロジェクトをてがけたり、曲を提供したり、それからダイナミック・スペリアーズといったグループをプロデュースしたり、いろいろ仕事はしていて良好な関係なのよ」

ニック。「僕たちはモータウンに対して怒ったりしてないよ。(笑) 僕たちは『モータウン・カレッジ』をハッピーに『卒業』したんだ、ははは」

モータウンでソングライターとして成功を収めたアシュフォード&シンプソンは、約7年のモータウン時代を「卒業」し、アーティストとしてワーナー・ブラザースと契約する。

ヴァル。「ワーナー時代も楽しい時代だったわ。もちろんこの時代にも多くのことを勉強した。ファースト・アルバムは、今でも誇りに思っている。もっともあの頃は、私たち自身、何をどうすればいいかまったくわからなかったんですけどね(笑) ワーナーに来て、『センド・イット』のアルバムが、私たちの最初のゴールド・アルバムね」

ファースト・アルバム『ギミ・サムシング・リアル(Gimme Something Real)』は1973年10月にリリースされた。『センド・イット』は1977年にリリースされた5枚目のアルバムだ。

「ちょうどその頃からライヴをやるようになり、ツアーを始めた。アーティストとしてのヒット曲を作る、ということが大きな目標になってきたんだ」

先にダイナミック・スペリアーズの名前が出たので、彼らに尋ねた。「ダイナミック・スペリアーズの「シュー・シュー・シャイン」は僕の大好きな曲のひとつですが、これはあなたたちはステージではやらないのですか?」

ヴァル。「あらあ、これはやったことはないわ」 「なんでやらないんですか」と僕。ニック。「やってないなあ。考えたことなかった。でも、じゃあ、そう言うなら、こんどやってみようか」「じゃあ、次回の来日のときでも、ぜひお願いします」

他にも聴きたい曲はたくさんある。そして、他にも訊きたいことはたくさんあったが、あっという間に予定の20分が過ぎた。

◎ アシュフォード&シンプソン・ライヴは、今日(2009年11月22日)まで東京ブルーノートで。
http://www.bluenote.co.jp/jp/index.html

■ アシュフォード&シンプソン、初来日ライヴ評
November 20, 2009
アシュフォード&シンプソン:ストーリーを聴かせるライヴ (パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10392434386.html

November 21, 2009
アシュフォード&シンプソン (パート2): インタヴュー
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091121.html

■ ダイアナ・ロスの「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」ほか、アシュフォード&シンプソン作品も多数収録のベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000793BIM/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 「シュー・シュー・シャイン」は今、このアルバムに入ってます。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009KM70/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ARTIST>Ashford & Simpson


【Ashford & Simpson Talks】

夢。

ニューヨークの小さなアパートの部屋で見よう見まね、聴きよう聴き真似で曲を作っていた夫婦のニック・アシュフォードとヴァレリー・シンプソン。1960年代から売れっ子ソングライターとなり、1970年代には自身でヒット曲を出すアーティストとなった。僕は彼らの作り出すメロディーが大好きで、1985年と1986年にニューヨークでインタヴューをしたことがある。ライヴはロスアンジェルスのユニヴァサール・アンフィシアターで見た。来日は初。再会は23年ぶりということになるが、仲良し夫婦ぶりはまったくかわらなかった。

インタヴューの部屋に現れた二人はソファにぴったり寄り添って、質問にてきぱきと答えていく。

「モータウンとのきっかけは、元々はホランド・ドジャー・ホランドからだった。彼らが僕らが作ったテープを聴いてね。『この歌、全部君たちが作ったのか、このトラック、全部作ったのか、歌詞もか』と言って、ずいぶん驚いた様子だった。そして彼らが(モータウン社長の)ベリー・ゴーディーに僕らのことを話したんだ。その後の話は、昨日ステージで話した通りだよ。(笑) ミスター・ゴーディーから連絡があったときは、大いに喜んだよ」とニック。

ヴァルが言う。「モータウン・ファミリーに入るのは、ソングライターの夢よ。ソングライターなら皆それを夢見ていたわ」

ニック。「(モータウンでは)本当に多くのことを学んだ。そして競争が厳しかった。本当に『ベスト』でなければならない。あるとき、モータウンで有名な『クオリティー・コントロール会議』(作品評価会議、直訳では品質管理会議)に出席したことがあった。その曲が(翌週モータウンから)リリースされるか、どうか、決める会議だ。そのときは、まずスモーキー・ロビンソンの曲が提出された。『もうちょっとだな』と言われた。ノーマン・ウイットフィールドの曲が出された。『もう少しだな』 そして僕たちが書いた曲が流された。僕はものすごくナーヴァスになった。出席者はとても静かになった。するとベリー・ゴーディーが言った。『この曲は投票は必要なさそうだな。すぐ、プレス工場へ送れ』 その曲は、『ユー・アー・オール・アイ・ニード・トゥ・ゲット・バイ』だった」

ヴァル。「私はその会議には出席してなかったんだけどね。私たちもそんなにたくさんその会議に出席したわけではないのよ。私たちはニューヨークに住んでいたから。2-3ヶ月に1回くらいしかデトロイトには行かなかった」

曲を書くパターンは決まっていない、という。ニック。「誰かが、僕のところにやってきて、『ソリッド、ブラザー』と言った。そこで、『ソリッド』という言葉が響いたので、それを元に曲を作ったんだ」

ヴァル。「ドラマーとときにベース・プレイヤー、あるいはキーボード・プレイヤーくらいで、とてもシンプルな編成でデモは作るわ」

彼らが作り出した作品には多くの傑作がある。前日のステージでもっとも盛り上がった「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」は果たしてどんな風に出来たのか。

ニックが説明する。「あるとき、セントラル・パークを歩いていた。するとマンハッタンのビル郡が僕には山のように見えたんだ。そこでAin’t no mountain high enough like in New York, I’m gonna make it(ニューヨークみたいにビルが山のように高くなっている所はない、僕はここで絶対成功してみせるぞ)って思ったんだ。それですぐ部屋に戻ってヴァルにその話をして、一緒に曲を書いたんだ」

ニックは詩人だ。

「この曲には、ご存知のように2つのヴァージョンがある。最初は、ハーヴィー・フュークワがプロデュースしたマーヴィン&タミーのヴァージョン、そして、ダイアナ・ロスのソロ・キャリアを飾ったヴァージョンだ。ダイアナのヴァージョンは僕たちがプロデュースしたんだが、ちょうどあの頃、アイザック・ヘイズが長尺の曲を録音していてね。僕たちも、この曲をそんな風にロング・ヴァージョンでやってみよう、ということになった。それであれはあんなに長いんだよ」

ダイアナのヴァージョンは6分超だ。当時のシングルとしては異例の長さだった。

ニック。「マーヴィン・ゲイというシンガーは、本当に素晴らしい。たとえば、自分が書いた歌詞があまり強力じゃないと思っていたとする。でも彼がその歌を歌うと見事な曲になるんだ。まるで、マーヴィンが歌うとバイブルのようになる」

ヴァル。「彼はステージではとてもクールに振舞うんだけど、スタジオでは本当に真剣にガッツを持って必死になって曲に取り組むの。彼がソウルに触れようとしているのがわかるわ。ああいう姿を見ているのは本当にエキサイティングだったわ」

ヴァル。「『エイント・ナッシング・ライク・ア・リアル・シング』は、私たちが実質的に初めてプロダクション全部をてがけた作品だった。レコーディング・スタジオでは多くの人たちがその様子を見ていて、とてもナーヴァスになった。マーヴィンは私たちがうまく行くように仕向けてくれたので、結果、とてもいいものが出来た」

彼らがモータウンにいたのは、約7年。そして、彼らは「モータウン学校を卒業した」。モータウンの後、アシュフォード&シンプソンは、ワーナー・ブラザースとアーティスト契約を結ぶ。ニックは「僕たちは、人前で歌うことも好きだったから、パフォームすることにより重点を置くようになるんだ」とその変遷を語る。

(この項続く) 

■ アシュフォード&シンプソン、初来日ライヴ評
November 20, 2009
アシュフォード&シンプソン:ストーリーを聴かせるライヴ (パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10392434386.html

■ 『ステイ・フリー』(下記3枚いずれも秀逸です)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KKE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 『イズ・イット・スティル・グッド・トゥ・ヤ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KIV/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 『センド・イット』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KH6/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ARTIST>Ashford & Simpson


(ライヴ、ネタばれあります。これからごらんになる方はご注意ください)

【Ashford & Simpson Tell Their Story On The Stage】

鏡。

1960年代から1970年代にかけて多くのヒットを書き、さらに自分たちでもヒットを放ってきたニューヨークのおしどり夫婦ソングライター・デュオ、アシュフォード&シンプソン待望の初来日公演。まずはなによりソングライターとして多数のヒットがあるので、全14曲、すべてヒット曲というファンとしては嬉しいセットリストになった。

彼ら自身の歌でなくとも、ダイアナ・ロスの「ボス」、シャカ・カーンやホイットニー・ヒューストンで知られる「アイム・エヴリ・ウーマン」、映画『天使にラヴソング』の挿入歌としても知られる「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」などなど彼らの作品は素敵な歌詞にひじょうに覚えやすいメロディーが散りばめられる。星の数ほどあるヒット曲は、ヒット曲としての鏡のような作品群だ。

彼らの出世作でレイ・チャールズによって歌われ1966年に大ヒットした「レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド」を歌い終えるとニックがバックのミュージシャンのメロディーにのせて語り始めた。

「この『レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド』が大ヒットしたら、僕たちの生活は一変した。それまでは(食べていたものが)ハンバーガーだったのが、ステーキになり、小さなアパートがラグジュアリーなマンションになった。そしてデトロイトから1本の電話がかかってきた。ミスター・ベリー・ゴーディーだ。彼はモータウンへ僕たちを誘うために、航空券を送ってくれた。それを見て驚いたものだ。なんとファースト・クラスのチケットだったんだ。デトロイトに行ってミスター・ゴーディーに会うと彼は言った。君たちはいいソングライターのようだが、我々は『レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド』のような曲はいらない。うちにいるのはクラッシーなアクト(品のいいアーティスト)だ。たとえば、ダイアナ・ロス、テンプテーションズ、マーヴィン・ゲイなどだ。彼らにあった曲を書いてくれ」

「僕たちはニューヨークに戻り、缶詰になって一生懸命曲を書いた。書いて、書いて、なんとかして遂に曲が完成した。僕たちはデトロイト行きのチケットを買って、デトロイトに行き、ミスター・ゴーディーに言った。あなたが探している曲がやっと書けました。こんな曲です」

そう言って始まったイントロが、「エイント・ナッシング・ライク・ア・リアル・シング」(マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルの1968年の大ヒット)だ。ヴァレリーが最初の数単語を歌うだけで観客からやんやの喝采。以来彼らの書いたヒットはモータウンから次々とヒット。ここでは3曲メドレーで披露される。「ユア・プレシャス・ラヴ」、そして、「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」、いずれもマーヴィン&タミーのヒット。

Ain’t no mountain high enough
Ain’t no valley low enough
Ain’t no river wide enough
Nothing To keep me from getting to you babe

(僕と君との間には、どんな高い山も、どんなに深い谷も、どんなに広い川もない…)(この4行だけでも覚えておくと、一緒に歌えて楽しいです)

観客はいつしか立ち上がり、腕を挙げ、振り、サビの部分を歌っている。アメリカ人なら誰でも知っている大ヒット。日本でも『天使にラヴソング』でウーピー・ゴールドバーグによって歌われた作品だ。マーヴィン&タミー、ダイアナ・ロスでもおなじみのこの曲を聴いていると、まさにこういう曲はそれぞれの人にひとつひとつ思い出が刻まれているのだなあと思う。それぞれの人生のサウンドトラックになっているのだ。こういう曲が一生に1曲でも書ければ、ソングライター冥利に尽きるだろう。このニックの話しからモータウン・メドレーのところは、本当に圧巻だ。じつに持って行き方がうまい。

ステージ上でも仲が良いところを存分に見せつけるアシュフォード&シンプソン。この日はさすがにアシュフォード&シンプソンをよく知るファンが多かったようだ。東京のソウル・ファン、関係者を多数見かけた。そのため、反応も熱く熱狂的だった。ラッツ佐藤さん、つのだ☆ひろさん、DJアトムご一行、ソウル住職白河さん(ヴァーヴ時代のニックのソロ・7インチ持参)…。

それにしても14曲、約80分、まだまだ彼らの大ヒットはあって、聴きたい曲が残っている。"So So Satisfied", "It Seems To Hang On", "Happy Endings", "I’ll Be There For You"...。そして"Shoe Shoe Shine"。

ライヴ後、彼らに何で今まで日本に来なかったのですか、と尋ねると、「さあ、誰も呼んでくれなかったから」とヴァルが言った。

(この項、続く)

◎ ライヴは11月22日(日曜)まで、東京ブルーノートにて
http://www.bluenote.co.jp/jp/index.html

■ 過去関連記事
September 25, 2009
アシュフォード&シンプソン、11月に初来日決定
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090925.html

■ 『ストリート・オペラ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002DQ6RZ6/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル:ベスト (最高のデュエットに提供した最高の楽曲)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005V2HU/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ダイアナ・ロス 『ザ・ボス』アシュフォード&シンプソン全面プロデュース

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0019N1Q0A/soulsearchiho-22/ref=nosim/

アシュフォード&シンプソン、こんなベストも

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002F3BP18/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

ニコラス・アシュフォード(ヴォーカル)Nickolas Ashford(vo)
ヴァレリー・シンプソン(ヴォーカル)Valerie Simpson(vo)
クレイトン・ブライアント(ヴォーカル)Clayton Bryant(vo)
ヴァレリー・ゲント(キーボード)Valerie Ghent(key)
ピーター・カナロッツィ(キーボード)Peter Cannarozzi(key)
デヴィッド・チュン(ギター)David Chun(g)
エルリエル・バーフィールド(ベース)Eluriel Barfield(b)
バーナード・デイヴィス(ドラムス)Bernard Davis(ds)

■セットリスト アシュフォード&シンプソン
Setlist : Ashford & Simpson, November 19, 2009

show started 21:34
01. Intro: Bourgie Bourgie
02. Found A Cue
03. Is It Still Good To Ya
04. Stay Free
05. Boss
06. Send It
07. I’m Every Woman
08. Street Corner
09. Let’s Go Get Stoned
10. Motown Medley (10 -12): Ain’t Nothing Like A Real Thing
11. Your Precious Love
12. Ain’t No Mountain High Enough
13. Solid
Enc. You’re All I Need To Get By
show ended 22:53

(2009年11月19日木曜、東京ブルーノート=アシュフォード&シンプソン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Ashford & Simpson
2009-141


【"Super Disco Night" Will Be Held On December 20th】

告知。

玉川高島屋がちょうど40周年となることを記念し、三宿のソウル・バー、ソウル・ナッツ、FM世田谷らが手を組み、『クリスマス・スペシャル~スーパー・ディスコ・ナイト~東京ウエスト・サイド』と題した一大ソウル、ディスコ・イヴェントを来る2009年12月20日(日曜日)、玉川高島屋アレーナ・ホールで行う。このイヴェントには、世田谷区のソウル・バー、川崎のソウル・バーなども協力。この近辺の17軒のソウル・バーなどを紹介した、ちょっとしたソウル・バー・マップを大量に印刷、フライヤーとしても配布している。

ライヴ出演は、バブルガム・ブラザーズからブラザー・コーン、マイケル・ジャクソン生き写しのパフォーマンスが高い評価を得ているMJスピリット、ソウルフルな2人組シュガー・ピンプス、ロックンロール&ソウルのワンダラーズ、レディー・キューブ、ソウルダンスのマイケル鶴岡ら。DJ陣は、DJオッシー(Osshy)、ケイコ(K-Co=ソウル・ナッツ)。MCに吉岡正晴。

なお本ブログをごらんになり、superdisconight@yahoo.co.jp に予約を入れてくださった方は、特典として、優待価格(3500円)で入場でき、特製ステッカー、世田谷地区ソウルバー・マップなどのグッズがもらえます。

概要

タイトル:クリスマス・スペシャル 『スーパー・ディスコ・ナイト~東京ウエスト・サイド』
日時:2009年12月20日(日曜)18時~23時
場所:玉川高島屋ショッピング・センター西館1階 アレーナ・ホール
〒158-0094 東京都世田谷区玉川3-17-1
電話:03(3709)2222
http://www.tamagawa-sc.com/home.html
料金:4000円(1ドリンク付き)
ショータイム:20時から
出演: ブラザー・コーン、マイケル鶴岡、MJ-スピリット、シュガー・ピンプス、レディー・キューブ、ワンダラーズ、ほか。
DJ: DJオッシー、DJケイコ
司会: 吉岡正晴

特典: 本ブログをごらんになり、superdisconight@yahoo.co.jp に予約を入れていただいた方には、優待価格で入場できる優待券、特製ステッカーなどのプレゼントをお送りします。
superdisconight@yahoo.co.jp まで、あなたのお名前、住所、連絡先、入場人数をお書きの上、メールをお送りください。折り返し、チケットの引き換え方法など詳細を書いた確認メールを差し上げます。なお、携帯メールからお送りいただく場合、こちらからの返信アドレス@yahoo.co.jpを受信できますよう、ドメイン指定などお願いいたします。


EVENT>ANNOUNCEMENT


【"Captain EO" Will Be Coming Back To Disney January 2010】

復活。

1986年、アメリカのディズニー・ランドを皮切りに世界のディズニーで公開されたマイケル・ジャクソンの3D(スリーディー)映画『キャプテンEO(イオー)』が2010年1月から同じディズニー・ランドで公開されることになりそうだ。ハリウッド・リポーター誌のロジャー・フライドマンなどが2009年11月16日、明かした。同映画の権利はすべてディズニー社が保有しており、再上演に関してはディズニー次第と言われている。ディズニーでは再公開に向けて、レッド・カーペットのイヴェントも計画中とのことだ。マイケル死去後、再公開を望む声が高まっていた。

『キャプテンEO』は1986年9月18日から、1997年4月までおよそ足掛け12年にわたってディズニー・ランドで公開されてきた約17分のショートフィルム。(日本では1987年3月20日から1996年9月1日まで公開) 入口で3D眼鏡をもらい、それをかけて映画を楽しむ。実際、これをかけてみると、宇宙に浮遊している石や登場人物などが飛び出してくるように見える。

ジョージ・ルーカスがプロデューサーとなり、彼から振られたスティーヴン・スピルバーグがフランシス・フォード・コッポラに振り、最終的にコッポラが監督した『スターウォーズ』風の短編映画。マイケル・ジャクソン主演、アンジェリカ・ヒューストン、ディック・ショーン共演。共演のディックは、公開後1年余で他界している。

ここで歌われるマイケルの楽曲は、「ウィ・アー・ヒア・トゥ・チェンジ・ザ・ワールド」と「アナザー・パート・オブ・ミー」。前者は長くCD化はされていなかったが、2004年のマイケル・ジャクソンの『アルティメート・コレクション』に、また、後者は1987年のマイケル・ジャクソンの『バッド』のアルバムに収録された。後者は『アルティメート』にも収録。『キャプテンEO』の映像自体はまだ正式にはDVD化、映像作品化はされていない。

当時はカリフォルニア州アナハイム、フロリダのディズニー・ワールド、パリのディズニーランド、そして東京ディズニー・ランドの4箇所で公開されていた。

マイケルとディズニーに関しては、1997年、中東の富豪プリンス・アル・ワリード氏と手を組んで、ディズニーランド内に「ピーター・パンズ・ネヴァーランド」を作る構想があったが、結局実現していなかった。

■ キャプテンEOの2曲は、今では『アルティメート・コレクション』に収録。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002XH9Z4/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 映画『ムーンウォーカー』も公開中。これはDVD

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002BS02QG/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ARTIST>Jackson, Michael


【Michael Jackson Book etc.】

もろもろ。

おかげさまで『マイケル・ジャクソン全記録1958―2009』がご好評をいただいている。昨日、アマゾンでは一時的に品切れしているようだ。出版社によると、すぐに入荷するように手配したそうだが、全体的に品薄で、増刷も視野にいれている、とのこと。そうなると、当然、初版での誤字脱字を直すことになる。もし読者の方で、これらに誤字脱字、事実の違いなど発見されたら、メールなどいただけると幸いです・ ebs@st.rim.or.jp までよろしくお願いします。

マイケル・ジャクソン全記録1958-2009↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4904422066/soulsearchiho-22/ref=nosim/

昼間(2009年11月16日月曜)NHKの『スタジオ・パーク』にオノ・ヨーコさんが出ていた。毎年この時期にあるジョン・レノンのトリビュート・ライヴでの来日とのこと。こういうプロモーションで出ることにかなり驚いたが、インタヴューの女性アナと最初からからみあってない印象を受けた。アナの質問などのやりとりがあまりに内容が薄くて軽いために、超インテリで学識のあるオノ・ヨーコさんが戸惑っている風だった。オノ・ヨーコさんのような天才に対して、そこらの芸能人に応対するようにしてはいけない。それとちゃんとヨーコさんの答えを聴かないと。ぼくは、『ダブル・ファンタジー』(1980年)を聴いた時に、理由はないのだが、オノ・ヨーコさんっていうのはなんて天才なんだと直感した。周囲は誰も同意してくれなかったが…。

やはり『ダブル・ファンタジー』。ジョンとヨーコさんの曲が交互に。↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000VZE1H2/soulsearchiho-22/ref=nosim/

昨日のソウル・サーチン・ブログでのノラ・ジョーンズの「チェイシング・パイレーツ」の記事について、元々のライナーの訳詞からでも意味はそこそこわかる、との指摘をいただいた。その方は女性だが、ノラの女心がよくわかる、とのこと。歌詞を見る男目線と女目線の違い…。

ノラ・ジョーンズ『ザ・フォール』↓http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002P5XPFA/soulsearchiho-22/ref=nosim/

夕方、郵便物の中に湯川れい子先生からの直筆のお手紙。先日お送りした『マイケル・ジャクソン全記録』へのお礼状だった。達筆で、また、内容にも感動。

夜、ビルボードライブでマリオのライヴ。元気いっぱいで、アリーナ前列の女性ファンの目は全員ハートマーク。けっこうバラードもじっくり歌って、アンコール含めてちょうど70分。途中にマイケルの「ロック・ウィズ・ユー」を含み、アンコールにマーヴィン・ゲイの「セクシュアル・ヒーリング」。これは驚いた。

マリオ最新作↓http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002IUBH3Y/soulsearchiho-22/ref=nosim/

そして、FM横浜へ直行。鈴木しょう治さんDJの『ダンシング・グルーヴ』生放送。深夜12時半から30分弱。リスナーから来たマイケル邸訪問の話をしてください、というメールに応えて、その話しから『ディス・イズ・イット』、そして、『マイケル・ジャクソン全記録1958―2009』の話しへ。あっという間にしゃべり倒した。鈴木さんから、以前話をした「ソウル・バー本」はどうなった、と訊かれ、「そういえば…」と思い出したが、果たして。

『ダンシング・グルーヴ』を聴きながら第三京浜で自宅に戻る。ちょうど彼が先週行ったライオネル・リッチーのインタヴューをやっていた。「『エンドレス・ラヴ』、ケニー・ロジャースがヒットした後、モータウンから、ソロ・アルバムを作ろうlet’s do solo.と言われた。ソロになろうgo soloではなくてね」というコメントが印象深かった。

最新ベスト。ライナーノーツ書いてます↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002OIH7XE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

戻ってPCを立ち上げると、イギリスのラッパー、デレクBの訃報が。デレクBは1965年1月15日、イギリスのロンドン生まれ。デレク・ボーランド。15歳のころからDJを始め、イギリスの海賊ラジオで活動。ニューヨークのヒップホップ界の大御所ラッセル・シモンズと契約、アメリカ進出。クッキー・クリュー、エリック・B・ラキームなどをてがけた。2009年11月15日(日曜)にロンドンで死去。まだ44歳。海賊ラジオ=パイレート・レイディオpirate radio。ん? パイレートは、ここでは単数だなあ…。

そういえば、最近「ミスター・モロモロ」と言われることがある…。

ENT>MUSIC>
OBITUARY>Derek B

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