【ソウル・パワー・サミット2008】

供養。

台風は無事過ぎ去り、午後から明るい陽射しが代々木第一体育館に差してきた。今年で3年目を迎える『ソウル・パワー・サミット』。代々木体育館2日をほぼ満員にするイヴェントは開演予定5時半ぴったりに始まった。それから参加者全員(志村ケンさんに呼び出され、早退した桑マンさんを除く)が、舞台で横一列に並び、『ソウル・パワー!』と叫んで、お辞儀をし、舞台からはけるまで、4時間19分ノンストップ、メニューてんこ盛りのライヴだ。(詳細セットリストは明日のブログで2日分掲載します)

前年同様、歌手を支えるバックバンドが2組いるために、アーティストの転換に無駄な時間がなく、次々とライヴが続く。ホストバンドは、ナニワ・エキスプレスとスクープ・オン・サムバディー。大まかに言うと、ゴスペラッツ、スクープ、ジェイ&ズーコ、鈴木雅之、ダンスマン、ゴスペラーズ、全員、という流れ。確かに4時間超は、長い。(笑) おなか一杯という感じだ。

20日だけに登場は、スクープのところに登場した伊藤由奈。このところ、いろいろなイヴェント的なライヴやゲストで遭遇することが多いが、この日は1曲「プレシャス」を歌った後に、「ソウル・パワー」用にシャカ・カーンの「アイム・エヴリ・ウーマン」を披露。これがなかなか迫力満点で、デュオとしてゴスペラーズの黒沢薫が相手をし、さらにゴスの北山・安岡組がバックコーラスをつけた。

そして、20日だけのサプライズ、シークレット・ゲストは日本のソウル・レジェンド、つのだ☆ひろさん。マーチンは「中学の頃、『メリー・ジェーン』を聴いてしびれました」といって本人を紹介。2人が永遠の名曲「メリー・ジェーン」を歌うと、体育館の天井からつるされた日本一大きいかと思われる巨大ミラー・ボールが回転し、下から超強力なスポットライトが当てられ、☆の光が会場全体に降り注いだ。僕も、つのひろさんの生「メリー・ジェーン」を聴いたのは初めてだ。近くにいた年配風のファンは、思わず「おおおっ、」と声をあげていた。

こういうイヴェントのおもしろさは、いろいろなアーティストのコンビネーションが見られること。ゴスペラッツ自体もそうだったが、マーチンとつのだ☆ひろ、マーチンとメイJ、ゴスペラーズに佐藤善雄、武田と哲也などなど、その組み合わせは無限だ。

ゴスペラーズはソウルフルな「ゴー・ゴー・サウンド」を取り入れたり、4曲をソウル振り付け専門家、マイケル鶴岡氏らによる振り付けで完成させ、いつになくソウル・ヴォーカル・グループ的な味わいを醸し出した。これが村上さんの言う「ソウル・パワー・シフト」だ。

「可愛いいひとよ」では、マーチンのCDと同じメンバー、コック・マック&ノッキーが登場。これにあわせ、出場者全員(桑マン除く)が「可愛いいひとよ」のステップを真似た。この曲の最後でマーチンが、「この曲は去年亡くなられたニック岡井さん、ドン勝本さんたちもやっていた曲で、我々も彼らをリスペクトして、この曲をずっと歌い続けていきたいと思います。そして、そのニックさんのダンスをペインティングしたアート、フット・ペインティングが入り口に飾ってありますので、どうぞ見て行ってください」と語ってくれた。

ニックの供養の意味もこめて、ニックがソウルの名曲にあわせ、靴にペンキを塗ってキャンヴァスの上で踊ったフット・ペインティング作品『アフター・ザ・ダンス』(岡伸昭作品)の展覧会をやりたいと思っていたところ、マーチンたちが「可愛いいひとよ」をカヴァーし、歌うというので、これはと思い、ニック岡井・岡伸昭のアート作品(4点)を会場に飾らせていただいた。きっとニックもそして、勝本さんも、この「可愛いいひとよ」をミラーボールの上から見ていたことだろう。開場時にはそれほど立ち止まる人は多くなかったが、帰り際には、マーチンのコメントの影響もあって、多くの人がこの作品の前で立ち止まっていた。『ソウル・パワー』スタッフのみなさま、心から感謝いたします。

(『ソウル・パワー』ライヴについて、明日も続きます)

■ メンバー 

=出演者=

ナニワ・エキスプレス (清水興、岩見和彦、中村建治、東原力哉)

ゴスペラッツ (鈴木雅之、佐藤善雄、桑野信義、村上てつや、酒井雄二)
スクープ・オン・サムバディー (タケ[TAKE]、コーヘイ[KO-HEY]、コーイチロー[KO-ICHIRO])
メティス
伊藤由奈
ジェイ&ズーコ
鈴木雅之
つのだ☆ひろ
メイJ.
ブラザー・コーン
ダンス☆マン
ゴスペラーズ (村上てつや、黒沢薫、酒井雄二、北山陽一、安岡優)
武田と哲也 (武田雅治、村上てつや)
コック・マック&ノッキー (ブラザー・コーン、鈴木雅之、木梨憲武)

=サポートメンバー=

笠原智緒 (キーボード)
西野欣哉 (パーカッション)
太田貴之 (ギター)
種子田健 (ベース)
ガッツ  (ギター)
松本圭司 (キーボード)
ラムジー (パーカッション)
サスケ  (トロンボーン)
鈴木正則 (トランペット)
竹野昌邦 (サックス)

■ セットリスト ソウル・パワー・サミット2008, @国立代々木競技場第一体育館 2008年9月20日(土)
Setlist : Soul Power Summit 2008

詳細は明日。

ENT>MUSIC>LIVE>Soul Power Summit
2008-159

【ソウル・パワー2008 (パート2)東京サミット2日目~セットリスト2日分】

熱厚暑。

2日間の『ソウル・パワー』を見て、なんとなく今年の夏も終わったかなあ、という感じがした。もう秋分の日。2日にわたって4時間超のライヴ、スタッフ、出演者、そして何より観客のみなさん、お疲れ様でした。

21日だけに登場したのは、新進気鋭の福原美穂。ブルース・アレーでブレンダ・ヴォーンのライヴで一度見た。1曲目はさすがに大観衆に緊張したのかかなりナーヴァスになっていたようだが、後半から徐々に自分のものにしていった。2曲目は堂々と歌った。オリジナルの「ノー・ワーニング」はロックぽく、アイク&ティナ・ターナーのティナ風に徹底するとおもしろいかもしれないと感じた。1日目と2日目にも登場のメティスは、ウーアのレゲエ・ヴァージョンという感じ。

21日鈴木雅之セットでは、20日のつのだ☆ひろゲストがなかったために、ドリス・デイ、シュレルズなどで大ヒットした「エヴリバディー・ラヴズ・ア・ラヴァー」を披露。これがなかなかよかった。マーチンが、「ドゥ・ザ・バード」「ドゥ・ザ・ツイスト」なんて挟み込んでいたのを、聞き逃さなかった。スクープは、昨日「Q」をやったかわりに、マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイング・オン」に差し替え。これも「ソウル・パワー・シフト」。

これらのセットリストの中で一番暑くて熱くて厚かったのが、ジェイ&ズーコ。それにしても、ジェイのあの声はどっからでてくるんだ。(笑)

ダンスマンの「ゴールデン…」、最後の「な・ぜ・か」のタメが、生バンドでやると、思いっきりタメられて、思わず引きずられる。

それにしても、マーチン&ブラザー・コーンのソウル漫才コンビは絶好調だ。

ゴスペラーズが、「1,2,3…」、「ベッチャ・バイ・ゴーリー・ワウ」、さらに「ラヴ・マシーン」にソウル・マナーの振り付けをして、歌って踊ったあたりは、まさに「ソウル・パワー・シフト」だ。特にスタリスティックスの「ベッチャ…」など、とろりとろけるソウル・バラードに動きが付けられるだけで、ソウルフルなグルーヴが生まれる。これらの振り付けが、キング・オブ・ソウル・サヴァイヴァー、マイケル鶴岡だ。

(この項、続きます)

セットリスト、東京初日と2日目完全版。2日目は始まる前にかなりのハリケーンどしゃぶり。[ ]にオリジナル・アーティストを、( )は、ソウル・パワーでゲストで歌った人を示します。カヴァー曲は、ぜひオリジナルを聴いてみてください。

■ 過去関連記事

September 21, 2008
Soul Power Summit 2008 Tokyo: Day One
http://blog.soulsearchin.com/archives/002678.html

August 12, 2007
Soul Power Tokyo Summit 2007: Singing Is Joy
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200708/2007_08_12.html

July 27, 2006
Soul Power Tokyo Summit 2006
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200607/2006_07_27.html

August 01, 2006
Soul Power Tokyo Summit 2006: A Leader Said "Thank You" To Another Leader
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_08_01.html

■セットリスト ソウル・パワー2008東京サミット 9月20日分
Setlist : Soul Power 2008: Tokyo Summit Day One September 20, 2008

[ ] indicates original artist or artist who made song hit
( ) indicates guest singer on Soul Power

show started 17:30
=ゴスペラッツ=
01. Temps Intro (Get Ready)
02. ハリケーン [シャネルズ]
03. Valentine Kiss
04. 夢見る16才 [ラッツ&スター]
05. Ain’t No Woman (That One I’ve Got) (1973) [Four Tops]
06. 禁煙Swing [Originally titled 禁煙音頭 recorded in 1978 as 竜ヶ崎宇童]
07. まさか赤坂Show Time 
--. Temps Outro (Get Ready)
=スクープ・オン・サンバディー(Skoop On Somebody)=
08. Move On Up [Impressions] (ガッツ)
09. 梅は咲いたか 桜はまだかいな (メティス)
10. 母賛歌 (メティス)
11. Precious (伊藤由奈)
12. I’m Every Woman [Chaka Khan, Whitney Houston](伊藤由奈)
13. Q
14. Brown Eyed Soul
15. Eternal Landscape
16. Everlasting Love
=ジェイ&ズーコ=
17. Street Sensation
18. I Promise
19. A Man & A Woman
=鈴木雅之=
20. オープニング(Jungle Boogie) [Kool & The Gang]
21. メリー・ジェーン [つのだ☆ひろ] (+つのだ☆ひろ)
22. 女って (つのだ☆ひろ)
23. Endless Love [Diana Ross & Lionel Richie, Luther Vandross] (+メイJ)
24. Come On In [Sam & Dave](+ブラザー・コーン)
25. She’s My Girl ~ Hold On I’m Comin’ [Sam & Dave] (+黒沢薫=エナメル・ブラザース=鈴木雅之&黒沢薫)
=ダンスマン=
26. いつもゴールデンかラブラドール [Originally titled "Greatest Love Of All" by Whitney Houston]
27. 寝たのね [Originally titled "Get Down On It" by Kool & The Gang]
=ゴスペラーズ=
28. Five Keys ~ Bustin’ Loose [Chuck Brown & The Soul Searchers]
29. 1,2,3 For 5
30. Betcha By Golly Wow [Stylistics]
31. Woman [山下達郎・作、フランク永井・歌] (+佐藤善雄=ミスター・ベースマンズ=佐藤善雄&北山陽一)
32. Love Machine [Miracles]
33. 東京スヰート
Enc. Stand By Meに贈る言葉 [Stand By Me=Ben E.King, 贈る言葉=海援隊]
Enc.可愛いいひとよ [クック・ニック&チャッキー](コック・マック&ノッキー=ブラザー・コーン、鈴木雅之、木梨憲武)
メンバー紹介
show ended 21:49

+++++

■セットリスト ソウル・パワー2008東京サミット 9月21日分
Setlist : Soul Power 2008: Tokyo Summit Day One September 21, 2008

[ ] indicates original artist or artist who made song hit
( ) indicates guest singer on Soul Power

show started 17:30
=ゴスペラッツ=
01. Temps Intro (Get Ready)
02. ハリケーン [シャネルズ]
03. Valentine Kiss
04. 夢見る16才 [ラッツ&スター]
05. Ain’t No Woman (That One I’ve Got) (1973) [Four Tops]
06. 禁煙Swing [Originally titled 禁煙音頭 recorded in 1978 as 竜ヶ崎宇童]
07. まさか赤坂Show Time 
--. Temps Outro (Get Ready)
=スクープ・オン・サンバディー(Skoop On Somebody)=
08. Move On Up [Impressions] (ガッツ)
09. ひまわり (福原美穂)
10. No Warning  (福原美穂)
11. 梅は咲いたか 桜はまだかいな (メティス)
12. 母賛歌(メティス)
13. What’s Going On [Marvin Gaye]
14. Brown Eyed Soul
15. Eternal Landscape
16. Everlasting Love
=ジェイ&ズーコ=
17. Street Sensation
18. I Promise
19. A Man & A Woman
=鈴木雅之=
20. オープニング(Jungle Boogie) [Kool & The Gang]
21. Everybody Loves A Lover [Doris Day, Shirelles: 1963]
22. Endless Love [Diana Ross & Lionel Richie, Luther Vandross] (+メイJ)
23. Come On In [Sam & Dave](+ブラザー・コーン)
24. She’s My Girl ~ Hold On I’m Comin’ [Sam & Dave] (+黒沢薫=エナメル・ブラザース=鈴木雅之&黒沢薫=+ブラザー・コーン)
=ダンスマン=
25. いつもゴールデンかラブラドール [Originally titled "Greatest Love Of All" by Whitney Houston]
26. 寝たのね [Originally titled "Get Down On It" by Kool & The Gang]
=ゴスペラーズ=
27. Five Keys ~ Bustin’ Loose [Chuck Brown & The Soul Searchers]
28. 1,2,3 For 5
29. Betcha By Golly Wow [Stylistics]
30. Woman [山下達郎・作、フランク永井・歌] (+佐藤善雄=ミスター・ベースマンズ=佐藤善雄&北山陽一)
31. Love Machine [Miracles]
32. 東京スヰート
Enc. Stand By Meに贈る言葉 [Stand By Me=Ben E.King, 贈る言葉=海援隊]
Enc.可愛いいひとよ [クック・ニック&チャッキー]  (コック・マック&ノッキー=ブラザー・コーン、鈴木雅之、木梨憲武)
メンバー紹介
show ended 21:43

(2008年9月20日土曜、国立代々木競技場第一体育館=ソウル・パワー・サミット2008)
(2008年9月21日日曜、国立代々木競技場第一体育館=ソウル・パワー・サミット2008)
ENT>MUSIC>LIVE>Soul Power Summit 2008
2008-159
2008-160

【東京ジャズ2008、NHKで放映開始】

放映。

2008年8月末に計5ステージ行われた「東京ジャズ2008」の模様が、続々とNHKで放映される。まず、NHK-BShi(BSハイヴィジョン)で放送された後、NHK-BS2(通常の衛星放送)で放送される。放送予定日と、放送内容は次の通り。

注目のサム・ムーア、スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、BSHiで9月25日夜、通常のBS2で10月9日深夜(正確には10月10日午前0時15分から)となる。3アーティストで90分の放送枠なので、各アーティスト30分程度の放送になるとみられるが、スライだけでも、フルサイズでのオンエアーをお願いしたいところだ。

【東京JAZZ2008】 NHK BShi

放送日・時刻
2008年9月22日(月)23:40~01:09〈2008年8月29日 19:00公演の模様〉 日野皓正クインテット、ロン・カーター・カルテット、デイヴィッド・サンボーン

9月23日(火)23:40~01:09〈8月30日 13:00公演の模様〉 ジャミン・ゼブ、上原ひろみ&熊谷和徳(タップダンサー)、ハンク・ジョーンズ・トリオ(スペシャルゲスト デイヴィッド・サンボーン)、ハンク・ジョーンズ&ロン・カーター&NHK交響楽団

9月24日(水)23:40~01:09〈8月30日 19:00公演の模様〉 上原ひろみ、 リシャール・ガリアーノ、ミッシェル・カミロ・トリオ

9月25日(木)23:40~01:09〈8月31日 13:00公演の模様〉ロベン・フォード、サム・ムーア、スライ&ザ・ファミリー・ストーン

9月26日(金)深夜【土曜午前】00:30~01:59〈8月31日 19:00公演の模様〉 ジョージ・ベンソン、フォー・プレイ、フォー・プレイ&デイヴィッド・サンボーン

【東京JAZZ2008 ダイジェスト】 

9月27日(土)深夜【日曜午前】00:00~01:29 【東京JAZZ2008 ダイジェスト】 NHK BS2
10月3日(金)深夜【土曜午前】00:10~01:42 【東京JAZZ2008】 NHK 総合

【東京JAZZ2008】 NHK BS2

10月6日(月)深夜【火曜午前】00:00~01:29〈8月29日 19:00公演の模様〉日野皓正クインテット、ロン・カーター・カルテット、デイヴィッド・サンボーン

10月7日(火)深夜【水曜午前】00:00~01:29〈8月30日 13:00公演の模様〉 ジャミン・ゼブ、上原ひろみ&熊谷和徳(タップダンサー)、ハンク・ジョーンズ・トリオ(スペシャルゲスト デイヴィッド・サンボーン)、ハンク・ジョーンズ&ロン・カーター&NHK交響楽団

10月8日(水)深夜【木曜午前】00:00~01:29〈8月30日 19:00公演の模様〉上原ひろみ、 リシャール・ガリアーノ、ミッシェル・カミロ・トリオ

10月9日(木)深夜【金曜午前】00:15~01:44〈8月31日 13:00公演の模様〉 ロベン・フォード、サム・ムーア、スライ&ザ・ファミリー・ストーン

10月10日(金)深夜【土曜午前】00:40~02:09〈8月31日 19:00公演の模様〉ジョージ・ベンソン、フォー・プレイ、フォー・プレイ&デイヴィッド・サンボーン

ENT>MUSIC>TV
ENT>MUSIC>LIVE>Tokyo Jazz

【ユニバーサルからレア・ソウル・シングルス・コレクション発売】

レアソウル。

ユニバーサルに残る膨大なカタログから、レアなソウル・シングルを集めた日本独自のコンピレーションが10月末に発売される。タイトルは、『ソウル・ギャラクシー』、全20曲、どれもレアなものばかり。中には数千円から数万円の値段がつくシングル盤も惜しみなく収録されている。

これを選曲したのは、日本のソウル・バー業界の総本山、赤坂「ミラクル」のオウナー、川畑満男さんだ。彼が持つシングル・コレクションから、選曲し、許諾が取れたものを20曲、ここに集めた。

2008年3月、ソニーからリリースされた2枚組み『ロスト・ソウル・ジェムス』が大変好評だったことを受け、今回はユニバーサル・カタログから編纂された。川畑さんから今年の春頃に相談を受け、ライナーを書いた。かなりわからないことが多かったが、それでもいくつか新発見もあった。もっと時間があれば、さらなる取材ができたような気がする。

■ソウル・ギャラクシー ~ ギャンブリング・トゥ・スウィート・ハーモニー

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001EB5BJE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

収録曲は次の通り。

01. Richmond Extension / Let’s Get Into Something
02. Five Special / The More I Get To Know You (Part 1)
03. Tomorrow’s Promise / Never Take Your Love Away
04. Ambition / Whisper A Love Chant
05. Vaneese & Carolyn / I’m Losing You
06. Westwing / Falling In Love Is A No No
07. Mojoba / Say You Will
08. The Newcomers / That’s When You Know Your Woman Wants To Be Free
09. The Insiders / Nighty Night
10. Richmond Extension / I Can Testify (Good Things Come To Those Who Wait)
11. The Gaslight / It’s Just Like Magic
12. The Reason Why / So Long Letter (In A Picture Frame)
13. North, South, East & West / I’m Not Like The Others
14. Candy & Sweets / I Want To Give You My Everything
15. Brenda Lee Eager / Ah! Sweet Mystery Of Life
16. Sam Dees / My World
17. Five Special / (Let’s Stop Making) "Small Talk"
18. Prime Cut / I’m So Glad
19. Tomorrow’s Promise / Should I Follow My Heart
20. Chapter One / Let Me Down Easy (Have It Your Way)

ENT>ALBUM>Soul Galaxy

【ソウル・パワー2008~2日間を見て】

意義。

今年で3回目を迎えた『ソウル・パワー』。昨年より1時間超延び4時間半近く。2バンドが常にバックを支えるために、セットチェンジの間がない。そこで、本当に見ている人は気を抜くところがない。トイレ休憩がない、飲み物を飲んだりする時間がない、ということになる。まあ、それでも、結論から言うと、みなさんが好きなときにトイレなり、飲み物を飲みに行かれるのがいいのではないだろうか。これで、アーティストの転換時に休憩をいれると、その時間だけトイレの行列が長くなってしまう。さて、それはともかく、4時間超のノンストップ・ライヴ、足腰が痛くなる人がでてくるのもわかる。(笑)

これだけ盛りだくさんだと全部のアーティストには触れられなくなってしまうが、少しずつ。まずゴスペラッツ。個人的にはフォー・トップスの「エイント・ノー・ウーマン」と新曲「禁煙Swing」が特に気に入った。前者はそれこそマーチンが20年以上前によくカヴァーしていたというので、そのころからのファンには涙ものだったようだ。そして、竜ヶ崎宇童の「禁煙音頭」を今風ニュー・ジャック・スウィングのサウンドでやるという斬新な試み。最後の「スイ~~~ング」という低音、佐藤さんの声が実にいい。

そして、スクープ。1曲目は、なんとガッツがリードでインプレッションズ(カーティス・メイフィールド)の「ムーヴ・オン・アップ」を堂々披露。自身のライヴでもよく歌っているだけに手馴れたもの。タケさんは2日目では「ホワッツ・ゴーイン・オン」を歌い、「ソウル・パワー・シフト」へ。そして、タケさんのエロエロ・ソウルは独自の世界を醸し出す。この路線、もっと突き進めてください。(笑)

ジェイ&ズーコは実におもしろいユニット。彼らに限らずみなトークが漫才風になっていて、これはこれでこの『ソウル・パワー』の隠し味になりつつあるような気がしてきた。そして、何度も書いているが、このジェイさんのド演歌ソウルにはひれ伏す。

そして、マーチンのソロ部分は、次々とサプライズ・ゲストを惜しげもなく出す。若手のメイJ.そして東京初日は、つのだ☆ひろさん。巨大なミラーボールが回り、ディスコの永遠のチーク定番「メリー・ジェーン」が流れ始め最初の1番をマーチンが歌うと、つのださんがおもむろに登場だ。そして、昨年のサプライズ、ブラザー・コーンが登場し、サム&デイヴを、そして、同じくマーチンと過去にサム&デイヴをカヴァーしたブラザー・クロが加わる。まさに、この『ソウル・パワー』だけでしか見られないユニットというのが、このイヴェントの存在価値をあげている。

そして、ダンスマン。バンドでやるとやはり違う。ためが、ためが、いいです。(笑)ホイットニーの「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」の荘厳な歌詞が、こんなになってしまって…。(笑) でもせつなくていい詞だ。

今年のトリはゴスペラーズ。今回はいつになく「ソウル・パワー・シフト」。今回の新企画は、北山陽一&佐藤善雄の「ミスター・ベースマンズ」。しかも歌う曲が山下達郎作・フランク永井歌の「ウーマン」。これはおもしろい! 来年の前座、トップバッターは決まりではないか?(笑)ところで、ふと思ったのだが、「ベースマン」の複数形って、ひょっとして「ベースメン」じゃないかな、と。(笑)英語ネイティヴに聞いてみよう。

ゴスは、やはり、新曲「1,2,3…」「ベッチャバイ…」「ラヴ・マシーン」などの振り付けがソウルフルなムードを醸し出す。これらの振り付けをしたマイケル鶴岡は、ドン勝本、ニック岡井とともに、「キング・オブ・ソウル」の一員であり、振り付け師だ。そういう意味で、ニック直系のソウル・ステップがこうしたところにも宿っている。ゴスペラーズの通常のライヴでは見られない、「ソウル・パワー・シフト」がここだけで見られることに大いに価値がある。

最後のアンコール、武田と哲也。ショート・コントからこの「スタンド・バイ・ミーに贈る言葉」。2曲を挟み込んだもの。セットリストをこうして振り返ると、ライヴの模様がよみがえる。

最後の最後は、「可愛いいひとよ」。ここにブラザー・コーン、そして、木梨憲武が登場で大いに沸く。このオリジナルを歌ったニック岡井、そして、ニックとともにカヴァーしたドン勝本は昨年相次いで亡くなった。最後にマーチンとブラザー・コーンが、「ニック岡井さん、ドン勝本さんをリスペクトし、この曲をずっと歌い続けていきたい。そして、ニックさんの踊った足跡が作品となったフット・ペインティングが入り口に飾られています」とアナウンスしてくれた。アリーナの観客は入口と出口の動線が、横の出入口だったために、正面玄関前を通らなかったので、ひょっとしてごらんになっていない方もいらしたかもしれない。だが1階席、2階席の方は、帰り際、作品の前で足を止め、携帯で写真を撮っていた。ブラザー・コーン、マーチンもこの作品の前で写真を撮影してくれた。

この岡作品『アフター・ザ・ダンス』を見て、ニックさんのことを思い出した、という方もいた。そして、黒沢さんは打ち上げの席で声を枯らしながら、「いやあ、ミラーボールの上で絶対ニックさん、(ライヴを)見てたよ、見てたよ」と言ってくれた。今回は4点を飾らせていただいたが、20数点を展示する展示会が10月16日から新宿ビームス・ギャラリーで始まる。ニックやそのダンスに興味のある方はぜひおいでください。個人的にはニックにとっていい供養になったと思う。

3年間、続いている『ソウル・パワー』。毎回、前回よりも長くなり、盛りだくさんになってきている。そして、内容も充実、密度も濃い。新人の挟み込み方もいい。あとは、いかにこのイヴェントに「ソウルの意味づけ」ができるかだけだろう。例えば、今年でいえば、ゴスペラッツが「エイント・ノー・ウーマン」、ゴスペラーズが「ベッチャバイ・ゴーリー・ワウ」、スクープが「ホワッツ・ゴーイング・オン」、伊藤由奈が「アイム・エヴリ・ウーマン」を歌ったりといったポイントが今後どれだけ演出できるかということだ。いろいろなアーティストがこの『ソウル・パワー』に出たい、あるいは出てソウル・クラシックを歌ってみたい、と思うようになれば、そのとき『ソウル・パワー』が真の意味で一人歩きを始めるだろう。来年も楽しみだ。

■ ソウル・パワー 過去関連記事

September 22, 2008
Soul Power 2008: Tokyo Summit Day Two:
http://blog.soulsearchin.com/archives/002679.html

September 21, 2008
Soul Power Summit 2008 Tokyo: Day One
http://blog.soulsearchin.com/archives/002678.html

August 12, 2007
Soul Power Tokyo Summit 2007: Singing Is Joy
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200708/2007_08_12.html

July 31, 2007
Soul Power Summit 2007: Full Of Surprise
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200707/2007_07_31.html

July 27, 2006
Soul Power Tokyo Summit 2006
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200607/2006_07_27.html

August 01, 2006
Soul Power Tokyo Summit 2006: A Leader Said "Thank You" To Another Leader
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_08_01.html

(2008年9月20日土曜、国立代々木競技場第一体育館=ソウル・パワー・サミット2008)
(2008年9月21日日曜、国立代々木競技場第一体育館=ソウル・パワー・サミット2008)

ENT>MUSIC>LIVE>Soul Power Summit 2008

▽Jose James & J.A.M

2008年9月26日 音楽
【ホセ・ジェームスにJosei, Akita, Midorin】

ミネアポリス。

ソウルメイト松尾氏より「ミネアポリス出身のホセ・ジェームス、見に行きません?」のお誘い。ただ単純に「ミネアポリス」の単語に反応し、ほいほい行くことに。不勉強で知らなかったのだが、けっこうクラブ系で人気があるジャズにヒップホップの要素をまぶした若いシンガーだった。イギリスのクラブDJ、ジャイルス・ピーターソンの新レーベル、ブラウンズウッドから今年デビューした。

時間ちょうどにビルボードに入ると、5階まで超満員で驚く。ホセってそんなに人気者だったんだと認識。するとオープニングはアフロヘアのメンバーが。あれっと思うと、なんと日本のジャズ・グループ、ソイル&ピンプ・セッションズのメンバー、丈青(じょうせい)、秋田ゴールドマン、みどりんのピアノ・トリオ。彼らはJ.A.M(3人の頭文字を取っている)として活動。なかなかファンキーでかっこいいクラブ・ジャズ演奏を繰り広げた。特にピアノのパフォーマンスが、たとえば最近見たラムゼイ・ルイス・トリオあたりをもっとストリートに、もっと今日風にかっこよくした感じだ。若さ、勢い、クールとホットがコインの裏表のように一体化していて心地よい。ピアノの丈青の真後ろから見る席だったのだが、ピアノのパフォーマンスとともに、大きなアフロヘアというかカーリーヘアみたいなのが左右にゆれるのがかわいい。

「僕と一文字しか違わない、ホセを紹介します」と言ってホセを招きいれ、一緒にセッション。一文字しか違わないとは、「Jose」と「 Josei」の一文字違いだ。ホセはなかなか渋い声の持ち主。僕には若きルー・ロウルズの声がよみがえった。ルーもソウルというよりジャズ寄りだったが、このホセもそんな感じ。全体的な雰囲気も、いかにもクラブ・ジャズ風のクールな感じだった。どこかボビー・マクファーリン風のところもあった。彼も一歩間違えばヒップホップでもやりそうな感じの若者。ジャズにいくか、ラップにいくかの分岐点はどこにあるんだろう。

■ メンバー

J.A.M

丈青/Josei(Piano/Keyboards)
秋田 ゴールドマン/Goldman Akita(Bass)
みどりん/Midorin(Drums)

ホセ・ジェームス・グループ

ホセ・ジェイムズ/Jose’ James(Vocals)
ギデオン・ヴァン・ゲルダー/Gideon Van Gelder(Piano/Keyboards)
ネヴィル・マルコム/Neville Malcolm (Bass)
リチャード・スペイヴェン/Richard Spaven(Drums)

■セットリスト:J.A.M / ホセ・ジェームス 2008年9月19日(金)
Setlist : J.A.M. / Jose James

J.A.M.

show started 21:36
01. Roy’s Scat
02. 道
03. Quiet Blue
04. Quiet Fire
05. Jazzy Joint (with Jose James)
show ended 22:20

Jose James

show started 22:29
01. Equinox
02. Park Bench People
03. Love
Enc. Moanin’
show ended 23:21

(2008年9月19日金曜、ビルボード・ライヴ東京=J.A.M. ライヴ、ホセ・ジェームス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>J.A.M
ENT>MUSIC>LIVE> James, Jose
2008-158


【『真夏の夜の偉人達』NHK-FMで放送】

偉人たち。

2007年8月にNHK-FMで5夜にわたって放送された『真夏の夜の偉人達』という、それぞれの音楽ジャンルでの偉人たちにスポットをあてた2時間番組が、今年も9月最終週に5夜にわたって放送される。

昨年、スティーヴィー・ワンダーを紹介した松尾潔さんが、今年はマーヴィン・ゲイを、またジャズ評論家の小川隆夫さんがビル・エヴァンスを取り上げる。放送は、マーヴィン・ゲイが2008年9月30日(火曜)午後11時(23時)から午前1時までの2時間。ビル・エヴァンスが10月2日(木曜)同時刻。他に、9月29日(月)立川志らくさんが岡晴夫を、10月1日(水)に藤あや子さんがエアロスミスを、10月3日(金)に中村中(なかむら・あたる)さんがちあきなおみを紹介する。

松尾さんは、このところすっかりマーヴィン漬けだったようで、ずいぶんといろいろ研究されたようだ。コーナーをいろいろ作って、まとめたそうだ。それでも、しゃべりたりない、とのこと。そうでしょうねえ。(笑) 2時間x5日やっても、できるでしょう。

松尾さんの不定期コラム。(2008年9月16日付け)↓ 
http://www.nevertoomuch.jp/column2/column.html
松尾潔オフィシャル・ウェッブ ↓
http://www.nevertoomuch.jp/index2.html

なお、改めて、正式に告知するが、マーヴィン・ゲイ本人の唯一の自伝であり、音楽バイオグラフィー(伝記本)としても名著として評価が高い、『Divided Soul』(デイヴィッド・リッツ著=1985年)の日本発売が決定した。邦題は仮題だが、『引き裂かれたソウル(魂)』で、2009年4月2日、ブルーズ・インターアクションから発売される。翻訳・監修を吉岡正晴が担当する。2009年4月2日は、ご存知の方はおわかりだと思うが、マーヴィン生誕70周年の記念日である。

+++

さて、『偉人…』を担当するもう一方、小川さんとは、しばらく前にコットン・クラブでお会いしたときに、少しだけお話させていただいたが、ほぼ毎日のように更新されるブログは、ジャズを中心にした話で満載だ。文章がとてもわかりやすく、また、彼のコレクターぶりが思い切りでていて、最高だ。音楽への接し方がやさしくてすばらしい。実は彼の本職はジャズだが、ソウル・ミュージック、古い時代のR&Bが大好きで、サム&デイヴの日本初公演をしっかり見ていたり、ニューヨークのジェームス・ブラウンの葬儀に参列したり、自分がDJをするときに、ソウル特集をやったりするほどのソウル・マンなのだ。僕などは、小川さんに昔のソウル・レコードの再発もののライナーなどを書いてもらいたいと思ったりする。ソウル専門とは違う視点で書かれるからとても興味深いものになることまちがいない。

小川隆夫さんのブログ↓
http://blog.excite.co.jp/ogawatakao/
NHKの収録について書かれたブログ↓
http://blog.excite.co.jp/ogawatakao/8573690/
(収録したときの雰囲気などもすでに書かれている)

ちなみに、小川さんはすでにプレイする曲リストを公開している。以下ブログより。

1.アイ・ラヴ・ユーfrom『ニュー・ジャズ・コンセプションズ』(リバーサイド)
2.モックス・ニックスfrom『アート・ファーマー/モダン・アート』(UA)
3.ブルー・イン・グリーンfrom『マイルス・デイヴィス/カインド・オブ・ブルー』(ソニー)
4.枯葉(テイク2)from『ポートレイト・イン・ジャズ』(リバーサイド)
5.不思議の国のアリスfrom『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』(リバーサイド)
6.マイ・ファニー・ヴァレンタインfrom『ビル・エヴァンス&ジム・ホール/アンダーカレント』(UA)
7.あなたと夜と音楽とfrom『インタープレイ』(リバーサイド)
8.ザ・タッチ・オブ・ユア・リップスfrom『モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』(ヴァーヴ)
9.ホワット・アー・ユー・ドゥーイング・レスト・オブ・ユア・ライフfrom『フロム・レフト・トゥ・ライト』(MGM)
10.モーニン・グローリーfrom『ライヴ・イン・トーキョー』(ソニー)
11.酒とバラの日々from『トニー・ベネット&ビル・エヴァンス』(ファンタジー)
12.きみの愛のためにfrom『アフィニティ』(WB)
13.マイ・ロマンスfrom『ラスト・レコーディングII』(JVC)

なお、『真夏の夜の偉人たち』の放送テーマは次の通り。時刻は毎夜23時~25時。

2008年9月29日(月) 立川志らく「岡春夫」
2008年9月30日(火) 松尾 潔 「マーヴィン・ゲイ」
2008年10月1日(水) 藤 あやこ「エアロスミス」
2008年10月2日(木) 小川隆夫「ビル・エヴァンス」
2008年10月3日(金) 中村 中「ちあきなおみ」

ENT>ANNOUNCEMENT>RADIO
ENT>RADIO

【岡伸昭xニック岡井 フット・ペインティング展『After The Dance』10月16日から】

フット・ペインティング。

日本を代表するソウル・ダンサー、ニック岡井の足元の動きを、キャンヴァスに印したいとの一途な思いを実現した前代未聞のアート、「フット・ペインティング」。この「フット・ペインティング」世界唯一のアーティスト岡伸昭の個展『アフター・ザ・ダンス~ゲット・オン・ザ・グッド・フット』が来る2008年10月16日(木)から11月18日(水)まで東京新宿のビームス・ギャラリーで行われる。入場無料。岡作品がビームス内Bギャラリーで展示されるのは、2004年6月以来約4年4ヶ月ぶりのこと。

ニック岡井がジェームス・ブラウン、テンプテーションズ、ルーファス・トーマス、マーヴィン・ゲイなどのソウルの名曲をかけながら、その独自のステップを、靴に青い絵の具をつけて白いキャンヴァスの上で踊り、そのフットステップを作品にした。今回展示されるのは約20数点。また、ニック自身が作品を作るときに履いていた靴2足も展示される。また同時に、制作時のスライドショウ、動画なども15分程度に編集した映像も会場で流す予定。

今回はフライアーをベースにしたB2の大きさ(515mm×728mm)のポスター、さらに4点の葉書も制作。

ニック岡井氏はご存知のように2007年11月11日、東京で60歳で急死。この「アフター・ザ・ダンス」は、ニック一周忌のトリビュート展ともなる。

これに先立ち、先日行われた「ソウル・パワー東京サミット」で作品4点を展示、そこで「可愛いいひとよ」が歌われた。「ソウル・パワー」で展示されたのは、ジェームス・ブラウンの「マザー・ポップコーン」で踊った「ポップコーン・セヴン」2点、ルーファス・トーマスの「ブレイクダウン」で踊った「ブレイクダウン」、そして、スピナーズの「イッツ・ア・シェーム」で踊った「フリー・チャチャ」。このほかに、テンプテーションズの「マイ・ガール」、マーヴィン・ゲイの「悲しいうわさ」などで踊った作品、また、「スケーター」、「ファンキー・ブロードウェイ」、「ホット・パンツ」などの作品が展示される予定。

ソウル、ダンス、そして、アートに興味ある方、ぜひごらんになってください。

■ 10月17日(金曜)レセプション

個展2日目となる2008年10月17日(金)午後6時から8時まで、ビームスBギャラリーで、レセプションを行います。無料。どなたでもはいれますので、お待ちしております。ワインとソフトドリンクをご用意しています。アーティスト岡伸昭本人もごあいさついたします。

■ 写真のフライアーを置いてくださるソウル・バー、カフェ、レストラン、クラブなどがございましたらebs@st.rim.or.jp までご連絡ください。数が許す限りお送りします。

■ 関連過去記事

2004/06/18 (Fri)
Footsteps Of The Master Of Dance, Nick Okai Explode
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040618.html

November 12, 2007
Nick Okai Dies At 60
http://blog.soulsearchin.com/archives/002142.html

November 13, 2007
Nick Okai Tribute: “My Girl” Is A Song Made His Life Change
http://blog.soulsearchin.com/archives/002144.html

November 19, 2007
Nick Okai’s Funeral Day One: His Memorial Song “My Girl” Was Played…
【ニック岡井氏通夜~「マイ・ガール」が流れて・・・】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002150.html

November 20, 2007
Nick Okai’s Funeral Day Two: Someone Should Record These Culture
http://blog.soulsearchin.com/archives/002151.html

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■B GALLERY EXHIBITIONのご案内

岡伸昭 × ニック岡井
フット・ペインティング
“After The Dance”
~Get On The Good Foot~

期間 : 2008年10月16日(木)~11月18日(火) 11:00~20:00 <会期中無休> 入場無料

場所 : B GALLERY (BEAMS JAPAN 6F)
東京都新宿区新宿3-32-6
TEL : 03-5368-7309  http://www.beams.co.jp

オープニング・パーティー: 2008年10月17日(金)  18:00~20:00 

内容:

2001年の『Piece of Clay』、2004年の『AFTER THE DANCE』に続き、B GALLERYでは3度目となる岡伸昭の最新個展。今回は『AFTER THE DANCE』で発表した、ソウル・ダンサー ニック岡井のステップによって制作された数多くの作品を、制作過程を記録した映像作品と共に展示します。

ニック岡井の他界(07年11月11日)から一年。もちろんアーティスト岡伸昭にとっても、ニック岡井は尊敬するソウル・ダンサーの1人でした。残された者は、何を感じ、何を想うのか。4年前の展示と同じ作品を記録映像と共に展示する事を通じ、ただのセンチメンタリズムではない、岡伸昭のニック岡井への熱い想いが皆様に通じる展覧会を開催致します。

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『ダンスという「動」の瞬間をいかに「静」として記録にとどめるか。写真家は、シャッターを押し作品にするが、アーティスト岡伸昭は、ダンサーの動く足元に絵の具を塗って、その動きをキャンヴァスに捉えた。そしてそのダンスを踊った男こそ、日本のソウル・ミュージック・シーン、ダンス・ミュージック・シーンの第一人者であり、数多くのステップを考案した伝説のダンサー、ニック岡井だ。

最高のソウル・ミュージックにあわせて最高のソウル・ステップを生み出した足、その足が踏んだステップが蒼い塗料とともに白いキャンヴァスの上を踊る。蒼い飛沫(しぶき)、それはソウル(魂)の飛沫だ。ソウルが跳ね、ステップが踊り、そして、ダンスの後にフット・ペインティングが残った。』
(ソウル・サーチャー吉岡正晴・水瓶座)

プロフィール:

【岡 伸昭】 
アーティスト、画家、デザイナー

1966年6月26日生まれ。(蟹座) ソウル・ミュージック好きが嵩じて、2004年、「ダンスとアート作品の融合」を目指し、このフット・ペインティングの概念を考えだし、ソウルダンスの第一人者ニック岡井に相談、快諾を得て作品を完成させた。2004年新宿・渋谷・福岡のビームスで展示会を行い大好評を博した。

【ニック岡井】
ダンサー、DJ

1947年9月29日生まれ。(天秤座) 日本を代表するソウル・ステップの神様的存在の人物。多くのソウル・ステップを考案し、日本のディスコ、クラブなどでヒットさせた。彼が考案したステップを集大成したビデオ(現在はDVD作品)『ソウル・ステップ』は第4巻まで出て、1万本のセールスを記録。ソウル・ダンス・ビギナーの入門編となっている。2007年11月11日に60歳の若さで死去。

ENT>ANNOUNCEMENT>After The Dance

【SOS バンド・ ライヴ~サマー・オブ・1980~】

フラッシュバック。

2006年11月以来約1年10ヶ月ぶりのアトランタのSOSバンドのライヴ。アトランタと言っても、プロデュースしていたのが、ミネアポリスのジャム&ルイスらとあって、ある種ミネアポリス・ファンクとして受け入れられているバンドでもある。

この手のセルフ・コンテインド・グループは、まちがいなく徹底的に観客をエンタテインするので、今回も安心して身を任せた。1曲目からアップテンポでハイエナジー、歌って、激しく踊り、観客にマイクを向け、観客と一体型ライヴを繰り広げる。

今回メンバーで前回との違いはドラマーだけ。今回は新しい女性ドラマーになっていた。若さ爆発で若干叩きすぎる感もなくはないが、強いドラマーだ。なにより、リードのメリー、トランペット、サックス、そして、コーラスの3人が踊る踊る。そして、向かって左側のキーボードがたたき出すシンセ・ベースが実に気持ちいい。

3曲目で大ヒット「ジャスト・ビー・グッド・トゥ・ミー」が登場。ジャム&ルイス・サウンドが生でその姿を目の前に現す。11曲目でメンバーが叫ぶ。「オールド・スクール! オールド・スクール! オールド・スクールと言え~~~」

ただ、バンドの音がしっかりしていたが、なぜか、この日はメリーらのヴォーカルの音がバンド・サウンドに埋没していた感があった。いつもはバランスがいいのに、なぜだろう。ミックスの問題か、メリーの声の調子が絶好調ではなかったのか。

今回の発見は、トランペット奏者で、ほぼオリジナル・メンバーでもあるアブドゥール・ラウーフがかなり踊りがうまいということ。切れよく、全体的な振り付けも彼を中心に行っているような印象を受けた。1980年代のブラック・バンド、しかもファンキー系をお好きな方ならまずまちがいないライヴだ。アンコールでは、観客も総立ちになった。

彼らのデビュー曲「テイク・ユア・タイム」が大ヒットしたのが1980年夏のこと。ちょうど、これと同時にリップス・インクの「ファンキー・タウン」が大ヒット、日本では山下達郎さんの「ライド・オン・タイム」が大ヒット。他にダイアナ・ロスの「アップサイド・ダウン」、ジョージ・ベンソンの「ギヴ・ミー・ザ・ナイト」などが80年の夏をフラッシュバックさせる。そのSOSのデビュー・アルバムのライナーを書いた時は、まさか彼らのライヴを日本で見られるなどとは夢にも思わなかった。そして1987年に渋谷ライヴインで初ライヴ。長く続けるということ、継続は力だ。SOSは、サウンド・オブ・サクセス(成功のサウンド)の略。

◎ ライヴはコットンクラブで火曜日(2008年9月30日)まで。

http://www.cottonclubjapan.co.jp/ccj/top.html

■ メンバー 
The S.O.S. Band
ザ・エス・オー・エス・バンド
Mary Davis(vo), Abdul Raoof(vo,tp), Frederick Thaxton(vo,sax), Celia Georgie(back vo), Darryl Rouse(key), Allan Smith(key), Reginald Ward(g), Crystal Martin(ds)

■セットリスト SOSバンド@ コットンクラブ、2008年9月28日(日)
Setlist: S.O.S. Band @ Cotton Club, 9/28/2008

show started 20:03
01. Intro
02. For Your Love (1984)
03. Just Be Good To Me (1983)
04. Borrowed Love (1986)
05. High Hopes (1982)
06. Tell Me If You Still Care (1983)
07. No Lies (1987)
08. No One’s Gonna Love You (1984)
09. The Finest (1986)
10. Just The Way You Like It (1984)
11. Just Be Good To Me (Reprise) (1983)
Enc. Take Your Time (A riff of "One Nation Under The Groove") (1980)
show ended 21:18

(2008年09月28日日曜 丸の内コットンクラブ=SOSバンド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>SOS Band
2008-163


【即興ピアニスト深町純、定例ピアノ会第93回】

即興。

毎月定例で行われているこの会は、ピアニストの深町純が即興でピアノを弾き、即興でおしゃべりをする会。2000年1月から始まり、毎月最終土曜日に夜、現在は祐天寺のFJズという店で行われている。すべて出たとこ勝負、いい出来もあれば、それほどでないときもあり、それも即興の味。2度と同じ演奏はない。彼が使うのは、ヤマハのCP80という電気ピアノ。これに別の機材をつないで、さまざまなシンセサイザーっぽい音も出すが、全部の演奏は彼ひとりでやっている。

さて、この日は、お客さんの誰かが、最近発見されたというモーツァルトの未発表曲の楽譜のコピーを持ってきて、深町さんに弾いてくれ、という。さすがに普段は初見で何でも弾けるプロの深町さんだが、その楽譜が現代のものと若干違っていて、また、いわゆるト音記号に相当するものが書いていないために、どれがドの音かわからない、またこれがピアノのためか、あるいは、おそらくヴァイオリン用の曲ではないかといったことが想像されるが、それらを踏まえて、いろいろ研究して、宿題ということで来月までお待ちください、とのこと。

ということで、来月は、モーツァルトの未発表曲が深町ピアノで聴かれそうだ。

◎お知らせ なお、来月10月は仕事の都合で最終日曜日10月26日になります

■FJ’ズ オフィシャル・ウェッブ
http://fjs.fukamachi-jun.com/

■セットリスト深町純 93回 
Setlist : Fukamachi Jun #93@FJ’s, September 27, 2008

Fukamachi Jun (Keyboard, Yamaha CP80)

1st set
show started 20:02
01. 2008年9月27日20時08分の作品(15:57)
02. 2008年9月27日20時32分の作品(14:41)
03. 2008年9月27日お題拝借作品1(3:13)
04. 2008年9月27日お題拝借作品2(2:46)
Show ended 21:02

2 nd set
show started 21:31
01. 夢の後に(フォーレ)(2:45)
02. カタストロフィー (深町純)(5:08)
03. 2008年9月27日22時00分の作品(10:33)
04. 2008年9月27日22時10分の作品(13:17)
05. 2008年9月27日22時23分の作品 (8:19)
show ended 22:33

■過去の音楽比率(ライヴ全体の中での音楽の割合を表します。音楽60%は40%がトークということです)(単位は%)

2008年01月26日 第一部 71.90 第二部 59.06 (第85回) 
2008年02月24日 第一部 64.80 第二部 48.43 (第86回)
2008年03月29日 第一部 67.78 第二部 73.29(第87回)
2008年04月26日 第一部 54.13 第二部 74.46(第88回)
2008年05月31日 第一部 54.06 第二部 83.84(第89回)
2008年06月28日 第一部 58.38 第二部 74.94(第90回)
2008年07月26日 第一部 72.38 第二部 70.49 (第91回)
2008年08月30日 第一部 53.25 第二部 59.86(第92回)
2008年09月27日 第一部 60.75 第二部 65.58(第93回)

(2008年09月27日土曜、祐天寺FJズ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2008-162

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