【フィリップ・ウー、メンバー変更】
変更。
来る3月6日目黒ブルース・アレーで行われるキーボード奏者、フィリップ・ウーのメンバー編成が若干変わった。当初予定されていたリード・ヴォーカル、マクサン・ルイスが、帰郷先のロスアンジェルスで交通事故に遭い、日本に戻れなくなったため、急遽、別のシンガーがブッキングされた。今回リードを取るのは、アンドレア・ホプキンスという日本在住の黒人女性シンガー。普段はR&Bを中心に歌っている、という。
また、ギターの西山ハンコ屋が急遽キャンセルに。しかし、グッドニュースも。前回の告知でお知らせした木下航志が、2曲で参加することが確定。ゲストで歌うことになった。まだ演奏曲は最終的には決まっていないが、おそらく1曲は「ワイルド・ホーセス」になるのではないかと見られている。
今回のライヴのタイトルは、『スプリング・ソウル・セレブレーション』。フィリップが好きなソウル作品を、気心の知れた仲間内でセッション的に演奏して楽しもうというコンセプトのライヴだ。
■ 過去記事
February 25, 2008
Philip Woo’s Live Will Be “Spring Soul Celebration”
http://blog.soulsearchin.com/archives/002347.html
(ここに過去記事一覧があります)
◎Philip Woo Session : Spring Soul Celebration
(Vo)Andrea Hopkins (Key)Philip Woo (G) Masa Kohama (B)Keith Williamson (Ds)Jay Stixx Guest: Kishita Kohshi(Vocal)
日時 2008年3月6日(木)午後7時半〜 午後9時15分〜
場所 目黒ブルース・アレー http://www.bluesalley.co.jp/
住所 〒153-0063 東京都目黒区目黒1-3-14 ホテルウィング・インターナショナル目黒B1F
電話 03−5740-6041(予約専用電話)お店の番号03-5496-4381
前売券 テーブル席(指定)4,000 当日券は500UP (各税込)
ENT>ANNOUNCEMENT>LIVE>Woo, Philip
変更。
来る3月6日目黒ブルース・アレーで行われるキーボード奏者、フィリップ・ウーのメンバー編成が若干変わった。当初予定されていたリード・ヴォーカル、マクサン・ルイスが、帰郷先のロスアンジェルスで交通事故に遭い、日本に戻れなくなったため、急遽、別のシンガーがブッキングされた。今回リードを取るのは、アンドレア・ホプキンスという日本在住の黒人女性シンガー。普段はR&Bを中心に歌っている、という。
また、ギターの西山ハンコ屋が急遽キャンセルに。しかし、グッドニュースも。前回の告知でお知らせした木下航志が、2曲で参加することが確定。ゲストで歌うことになった。まだ演奏曲は最終的には決まっていないが、おそらく1曲は「ワイルド・ホーセス」になるのではないかと見られている。
今回のライヴのタイトルは、『スプリング・ソウル・セレブレーション』。フィリップが好きなソウル作品を、気心の知れた仲間内でセッション的に演奏して楽しもうというコンセプトのライヴだ。
■ 過去記事
February 25, 2008
Philip Woo’s Live Will Be “Spring Soul Celebration”
http://blog.soulsearchin.com/archives/002347.html
(ここに過去記事一覧があります)
◎Philip Woo Session : Spring Soul Celebration
(Vo)Andrea Hopkins (Key)Philip Woo (G) Masa Kohama (B)Keith Williamson (Ds)Jay Stixx Guest: Kishita Kohshi(Vocal)
日時 2008年3月6日(木)午後7時半〜 午後9時15分〜
場所 目黒ブルース・アレー http://www.bluesalley.co.jp/
住所 〒153-0063 東京都目黒区目黒1-3-14 ホテルウィング・インターナショナル目黒B1F
電話 03−5740-6041(予約専用電話)お店の番号03-5496-4381
前売券 テーブル席(指定)4,000 当日券は500UP (各税込)
ENT>ANNOUNCEMENT>LIVE>Woo, Philip
▲Ryan Shaw: The Great Real Soul Man
2008年3月2日【今年ナンバーワンの新人、ライアン・ショウ・ライヴ】
衝撃。
昨年(2007年)7月に輸入盤が出て、今年4月23日日本盤がリリースされる超強力ソウル・シンガーの新人、ライアン・ショウが本邦初ライヴを行った。すでに一部のソウル好事家(DJオッシー含む)の間では、大きな話題になり本格的なソウル・シンガーとして大注目されていたが、この夜、その全貌が明らかになった。
まずこのCD『ディス・イズ・ライアン・ショウ』では、1960年代風サウンドに1970年代のソウル作品などをカヴァー、しかも泥臭く、南部っぽく、ディープ・ソウルになっていた。なによりその声の存在が素晴らしい。しばらく前のジョス・ストーンのデビュー時、あるいはリッキー・ファンテ、アリあたりのデビュー時を漂わせていた。そんなCDを聴いたSちゃんは、ライアンについて「精子が元気に飛び跳ねてそう」と一言コメント。僕自身このCDは、かなり気に入っていたのだが、果たしてライヴではどうなるのか。期待に胸を弾ませ松尾潔さん、オッシーとともにコットンへ。コットンでは偶然隣の席にルーシー・ケントさんも。
会場に着くと驚いたことにこの無名のライアン・ショウのライヴ、ほとんど満員。輸入盤で知ってきたファンか。土曜も前日金曜も、1回のショウしかないからか。どこからこんなに集まるのか。これはすごい。
バンドは、ドラムス、ギター、ベースの3人。ライアン、ステージに上がり、マイクを握っていきなり”I was born by the river in a little tent…”とアカペラで歌いだすではないか! 衝撃が走る。いきなりサム・クック。さらに、アルバムでもカヴァーされていたボビー・ウーマックの「ルッキン・フォー・ア・ラヴ」へ。1−2パンチだ。これらの曲はすべて彼が生まれる前の曲だが、かつてのソウル・ミュージックが「リアル」な響きを持っていた頃の良さを2008年に表現していた。しかも、この声のすごさ。
変化球なし、直球で100マイル(160キロ)以上の剛速球を何も考えずストレートにキャッチャー・ミットめがけて投げるようだ。声で、声力で観客を有無を言わせずねじ伏せる。恐れ入った。まさに彼も声だけで金が取れるシンガーだ。少しサム・ムーアを思わせるようなちょっと甲高いところもあるが、低めの音もがーんとくる。
「レット・イット・ビー」は、まるでアレサかライアンか、ゴスペルシンガーか、というほどゴスペル的な解釈。お見事。ドレッド姿のライアンがボブ・マーレーを歌うというのも、悪くない。
唯一個人的に気になったのが、ギターのロブG。彼は完全にロックの人だった。彼にレイ・パーカー風のバックに徹したリズム・ギターを習得して欲しい。ライヴ後話す機会があったが、好きなギタリストはの問いにすかさず「ジミー・ページ(レッド・ゼッペリン)」ときたもんだ。「わかった、やっぱりね」という感じだ。(笑)でも、話した感じはすごくいい奴。
ショウの圧巻は後半、オーティスの「トライ・ア・リトル・テンダネス」、ピケットの「アイ・ファウンド・ラヴ」、アーマ・フランクリン(一般的にはジャニス)の「ピース・オブ・マイ・ハート」あたりの熱唱系作品群。もし、オーティス・レディングが若かったら、こんな風に歌ったのかとも一瞬思わせられた。「トライ…」は、ファイン・ヤング・カニバルズ以来の見事なオーティス・カヴァーだ。この3曲は文句なく素晴らしいパフォーマンスだ。熱く、暑く、厚く、その声で圧倒してくる。トータス松本さん、忌野清志郎さんらは、もうこのライアンを聴いているだろうか。ぜひ彼らに見せたい。
3曲目で、早くもワキの下に汗をかき、それがシャツから染み出てきたが、中盤では汗は背中にも、そして、最後には腕のところまで汗が滴る。隣にいたMさん「あせワキパットをプレゼントしたいわ」。ワキから腕筋まで汗のつながる瞬間をみた。シンプルな3ピースバンドも、基本的にはすごくいい感じで、たった4人で(音楽業界に)革命を起こせるのではないか、とも思わせられる。ライアンのバンドは、彼の声を引き立たせることに徹底すればいいと思うが、それでもドラムス、ベースはいいコンビネーションだ。
彼は昨年デビューアルバムを出しているので、来年のグラミー賞・新人賞の資格はもうないのだろうか。個人的には、今年初めて知って、ライヴを見たという意味で、早くも彼に「ソウル・サーチン新人賞」を授与したい。「精子コメント」のSちゃん、ライアンのライヴを見て「もう妊娠するかと思った」。
(この項続く=ライヴ後、ミュージシャンとライアンに少し話を聴いたのでその模様などを)
■ デビューアルバム 『ライアン・ショウ・ディス・イズ・ライアン・ショウ』(ビクター、2008年4月23日発売)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0014GUA7M/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■メンバー
Ryan Shaw(vo), Robert Guariglia(g), Michael Lindsey(b), Keith McCray(ds)
■セットリスト ライアン・ショウ
Setlist : Ryan Shaw @ Cotton Club, March 1, 2008
setlist transcribed by the soul searcher
show started 19:31
01. A Change Is Gonna Come [Sam Cooke]
02. Looking For A Love [Bobby Womack]
03. I Am Your Man [Bobby Taylor & The Vancouvers]
04. Nobody
05. Overjoyed [Stevie Wonder] (bass solo)
06. We Got Love
07. Let It Be [Beatles]
08. Over & Dune
09. Chosen [To be included upcoming second album]
10. Redemption Song [Bob Marley]
11. Shake It Up
12. I Do The Jerk
13. Try A Little Tenderness [Otis Redding]
Enc.1. I Found A Love [Wilson Pickett]
Enc.2. Piece Of My Heart [Erma Franklin, Janis Joplin]
Enc.3. Do The 45
Show ended 20:58
(2008年3月1日土曜、丸の内コットン・クラブ=ライアン・ショウ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shaw, Ryan
2008-28
衝撃。
昨年(2007年)7月に輸入盤が出て、今年4月23日日本盤がリリースされる超強力ソウル・シンガーの新人、ライアン・ショウが本邦初ライヴを行った。すでに一部のソウル好事家(DJオッシー含む)の間では、大きな話題になり本格的なソウル・シンガーとして大注目されていたが、この夜、その全貌が明らかになった。
まずこのCD『ディス・イズ・ライアン・ショウ』では、1960年代風サウンドに1970年代のソウル作品などをカヴァー、しかも泥臭く、南部っぽく、ディープ・ソウルになっていた。なによりその声の存在が素晴らしい。しばらく前のジョス・ストーンのデビュー時、あるいはリッキー・ファンテ、アリあたりのデビュー時を漂わせていた。そんなCDを聴いたSちゃんは、ライアンについて「精子が元気に飛び跳ねてそう」と一言コメント。僕自身このCDは、かなり気に入っていたのだが、果たしてライヴではどうなるのか。期待に胸を弾ませ松尾潔さん、オッシーとともにコットンへ。コットンでは偶然隣の席にルーシー・ケントさんも。
会場に着くと驚いたことにこの無名のライアン・ショウのライヴ、ほとんど満員。輸入盤で知ってきたファンか。土曜も前日金曜も、1回のショウしかないからか。どこからこんなに集まるのか。これはすごい。
バンドは、ドラムス、ギター、ベースの3人。ライアン、ステージに上がり、マイクを握っていきなり”I was born by the river in a little tent…”とアカペラで歌いだすではないか! 衝撃が走る。いきなりサム・クック。さらに、アルバムでもカヴァーされていたボビー・ウーマックの「ルッキン・フォー・ア・ラヴ」へ。1−2パンチだ。これらの曲はすべて彼が生まれる前の曲だが、かつてのソウル・ミュージックが「リアル」な響きを持っていた頃の良さを2008年に表現していた。しかも、この声のすごさ。
変化球なし、直球で100マイル(160キロ)以上の剛速球を何も考えずストレートにキャッチャー・ミットめがけて投げるようだ。声で、声力で観客を有無を言わせずねじ伏せる。恐れ入った。まさに彼も声だけで金が取れるシンガーだ。少しサム・ムーアを思わせるようなちょっと甲高いところもあるが、低めの音もがーんとくる。
「レット・イット・ビー」は、まるでアレサかライアンか、ゴスペルシンガーか、というほどゴスペル的な解釈。お見事。ドレッド姿のライアンがボブ・マーレーを歌うというのも、悪くない。
唯一個人的に気になったのが、ギターのロブG。彼は完全にロックの人だった。彼にレイ・パーカー風のバックに徹したリズム・ギターを習得して欲しい。ライヴ後話す機会があったが、好きなギタリストはの問いにすかさず「ジミー・ページ(レッド・ゼッペリン)」ときたもんだ。「わかった、やっぱりね」という感じだ。(笑)でも、話した感じはすごくいい奴。
ショウの圧巻は後半、オーティスの「トライ・ア・リトル・テンダネス」、ピケットの「アイ・ファウンド・ラヴ」、アーマ・フランクリン(一般的にはジャニス)の「ピース・オブ・マイ・ハート」あたりの熱唱系作品群。もし、オーティス・レディングが若かったら、こんな風に歌ったのかとも一瞬思わせられた。「トライ…」は、ファイン・ヤング・カニバルズ以来の見事なオーティス・カヴァーだ。この3曲は文句なく素晴らしいパフォーマンスだ。熱く、暑く、厚く、その声で圧倒してくる。トータス松本さん、忌野清志郎さんらは、もうこのライアンを聴いているだろうか。ぜひ彼らに見せたい。
3曲目で、早くもワキの下に汗をかき、それがシャツから染み出てきたが、中盤では汗は背中にも、そして、最後には腕のところまで汗が滴る。隣にいたMさん「あせワキパットをプレゼントしたいわ」。ワキから腕筋まで汗のつながる瞬間をみた。シンプルな3ピースバンドも、基本的にはすごくいい感じで、たった4人で(音楽業界に)革命を起こせるのではないか、とも思わせられる。ライアンのバンドは、彼の声を引き立たせることに徹底すればいいと思うが、それでもドラムス、ベースはいいコンビネーションだ。
彼は昨年デビューアルバムを出しているので、来年のグラミー賞・新人賞の資格はもうないのだろうか。個人的には、今年初めて知って、ライヴを見たという意味で、早くも彼に「ソウル・サーチン新人賞」を授与したい。「精子コメント」のSちゃん、ライアンのライヴを見て「もう妊娠するかと思った」。
(この項続く=ライヴ後、ミュージシャンとライアンに少し話を聴いたのでその模様などを)
■ デビューアルバム 『ライアン・ショウ・ディス・イズ・ライアン・ショウ』(ビクター、2008年4月23日発売)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0014GUA7M/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■メンバー
Ryan Shaw(vo), Robert Guariglia(g), Michael Lindsey(b), Keith McCray(ds)
■セットリスト ライアン・ショウ
Setlist : Ryan Shaw @ Cotton Club, March 1, 2008
setlist transcribed by the soul searcher
show started 19:31
01. A Change Is Gonna Come [Sam Cooke]
02. Looking For A Love [Bobby Womack]
03. I Am Your Man [Bobby Taylor & The Vancouvers]
04. Nobody
05. Overjoyed [Stevie Wonder] (bass solo)
06. We Got Love
07. Let It Be [Beatles]
08. Over & Dune
09. Chosen [To be included upcoming second album]
10. Redemption Song [Bob Marley]
11. Shake It Up
12. I Do The Jerk
13. Try A Little Tenderness [Otis Redding]
Enc.1. I Found A Love [Wilson Pickett]
Enc.2. Piece Of My Heart [Erma Franklin, Janis Joplin]
Enc.3. Do The 45
Show ended 20:58
(2008年3月1日土曜、丸の内コットン・クラブ=ライアン・ショウ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shaw, Ryan
2008-28
【ライアン・ショウ語る】
鋼鉄。
それにしても、ライアン・ショウのライヴは衝撃だった。冒頭のアカペラでのサム・クックから終始その声力で圧倒。ここまで歌い倒すシンガーは、最近なかなかいない。しかも、この日は昼間『JVCジャズ』でも歌っているのだ。
まだ27歳のライアンは、1960年代、1970年代のソウル・ミュージックが熱かった頃のヴァイブを呼び起こしている。十代途中まで両親から世俗音楽を聴くことを許されなかったという彼は、ある意味、純粋培養のゴスペル・シンガーだったのかもしれない。そして、そのゴスペルから世俗的なソウル・ミュージックへ今、第一歩を踏み出した。今のこの時代、十代半ばまで世俗のR&Bやヒップホップに触れずに生きてこれるのか。びっくりその1だ。
さてそのライヴが終わってしばらくすると本人が客席に戻り、サイン会を始めた。輸入盤を持っているファンもけっこういる。「他に、サム・クックやオーティス(・レディング)の曲でレパートリーはありますか」「う〜ん、ステージで歌うのはまだないなあ。でも、もちろん、(将来的に)他の曲も歌う可能性はあるよ」「子供の頃は毎週教会に行ってゴスペルを?」「もちろん、ずっと歌ってた」「最近のヒップ・ホップなども聴くのですか」「ああ、聴くよ」「でも、なんでこうした1960年代や1970年代の曲ばかり歌う?」「そういう作品のほうが、マッチ・ベター(よりよい)だからさ」「誕生日を教えてください」「1980年12月25日、6人(男の)兄弟と1人(女の)姉妹がいる(8人兄弟の1人)。僕は3番目」
ところで、この誕生日、オフィシャル・ページを見ると、12月26日とあり、兄弟構成も上から4番目となっていた。ひょっとして彼が3男で上に姉がいるのか。ただこの時のやりとりで、「君の誕生日はクリスマスで、ジェームス・ブラウンの命日と一緒だね」と言ったら、「おう、そうだそうだ」と返してきていた。ただ、ノリで「イエス」と答えたかもしれないので、次回、ライアンに会う機会があれば、再確認してみたい。あちこちのバイオグラフィーで12月26日生まれとあるので、僕が聞き違えたのかなあ。たしかに25と言っていたが。だが、いろいろ調べているうちにワシントン・ポスト紙のインタヴューで12月25日生まれとあった。さて真実は。あ〜、たかが生年月日が一日違うだけでくどい?(笑)
その記事↓
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/06/29/AR2007062900521.html
ライアンの来日は、今回が4回目だという。1回目はなんと日本でも人気のあるアカペラ・グループ、14カラット・ソウルの誰かの代役で来たという。これはびっくりその2。それから2回ゴスペル・クワイアーの一員としてやってきて、今回が4回目。もちろん、ライアン・ショウとしては初来日だ。
1998年、ライアンはニューヨークにやってきて、以来ミュージカルや、ニューヨークのクラブシーンなどで活動してきた。有名なのは、57丁目にあった「モータウン・カフェ」の箱バンドでの仕事。この頃、多くのモータウン・ヒッツやスタックスのヒットを歌ってきて、そういう音楽を気に入った。
そんな中で、現在のミュージシャンたちとも出会った。ベースの「ビッグ・タイニー」ことマイケル・リンゼイ(1981年8月6日生まれ)にベースのヒーローは誰かと尋ねると、ジャケットを広げ着ていたTシャツを見せてくれた。そこにはジャコ・パストリアスの顔が。「他に、マーカス・ミラー、ヴィクター・ウーテン、アンソニー・ジャクソン、リチャード・ボナ…。たくさんいるよ。僕たちは、ヴィレッジの『グルーヴ』という店や、『ヴィレッジ・ヴァンガード』などで演奏したり、ハングアウトしているうちに知り合ったんだ」と言う。大柄の彼がベースを持つと、ベースが小さく見える。
ギターのロバート・グアリグリア(1978年5月16日生まれ)は、このライアン・ショウのバンドに入る前には、ロバート・ランドルフ(スチールパン奏者)のバンドにいて、当初2週間のツアー予定でライアンのバンドに入った。しかし、それが結局54週間も続くことになった、という。当初、このバンドには1人キーボードがいたが、辞めてしまい、その後補充していない。彼のヒーローはレッド・ゼッペリンのジミー・ページ。彼の名前の発音がひじょうに難しく、何度もやってみたが「ダメだ、違う」と言われ、結局「もういい、ロビーGでいいよ」と言われた。(笑) 英語の発音は難しい。小柄な彼がギターを持つと、ギターが大きく見える。
ドラマーにも話を聞こうかと思ったが、女の子と話に熱中していた様子なので、やめておいた。
松尾さん、ライアンに「オーティス・レディングに会ったことはあるか」と直撃。ライアン笑って「ないよ、僕はまだ生まれてない!」と即答。「動いている映像は?」 「ライヴの映像を見た」 僕も「サム・クックに会ったことはあるか」と尋ねようかと思ったが、やめておいた。
最後にライアンにその喉の強さの秘訣はと聞くと「睡眠と水だよ。とにかく、よく寝て、水をたくさん飲むことだ」との答え。ケイシー(&ジョジョの)の喉も「鉄の声」だが、このライアンの喉はさらに「鋼鉄の声」という感じがする。睡眠と水だけであの声を維持か。びっくりその3だ。僕も思い切りたくさん水(1日2リットル目標)を飲んで、たっぷり寝てみよう。朝起きたら「鋼鉄の声」になってるかなあ。
(2008年3月1日土曜、丸の内コットン・クラブ=ライアン・ショウ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shaw, Ryan
2008-28
鋼鉄。
それにしても、ライアン・ショウのライヴは衝撃だった。冒頭のアカペラでのサム・クックから終始その声力で圧倒。ここまで歌い倒すシンガーは、最近なかなかいない。しかも、この日は昼間『JVCジャズ』でも歌っているのだ。
まだ27歳のライアンは、1960年代、1970年代のソウル・ミュージックが熱かった頃のヴァイブを呼び起こしている。十代途中まで両親から世俗音楽を聴くことを許されなかったという彼は、ある意味、純粋培養のゴスペル・シンガーだったのかもしれない。そして、そのゴスペルから世俗的なソウル・ミュージックへ今、第一歩を踏み出した。今のこの時代、十代半ばまで世俗のR&Bやヒップホップに触れずに生きてこれるのか。びっくりその1だ。
さてそのライヴが終わってしばらくすると本人が客席に戻り、サイン会を始めた。輸入盤を持っているファンもけっこういる。「他に、サム・クックやオーティス(・レディング)の曲でレパートリーはありますか」「う〜ん、ステージで歌うのはまだないなあ。でも、もちろん、(将来的に)他の曲も歌う可能性はあるよ」「子供の頃は毎週教会に行ってゴスペルを?」「もちろん、ずっと歌ってた」「最近のヒップ・ホップなども聴くのですか」「ああ、聴くよ」「でも、なんでこうした1960年代や1970年代の曲ばかり歌う?」「そういう作品のほうが、マッチ・ベター(よりよい)だからさ」「誕生日を教えてください」「1980年12月25日、6人(男の)兄弟と1人(女の)姉妹がいる(8人兄弟の1人)。僕は3番目」
ところで、この誕生日、オフィシャル・ページを見ると、12月26日とあり、兄弟構成も上から4番目となっていた。ひょっとして彼が3男で上に姉がいるのか。ただこの時のやりとりで、「君の誕生日はクリスマスで、ジェームス・ブラウンの命日と一緒だね」と言ったら、「おう、そうだそうだ」と返してきていた。ただ、ノリで「イエス」と答えたかもしれないので、次回、ライアンに会う機会があれば、再確認してみたい。あちこちのバイオグラフィーで12月26日生まれとあるので、僕が聞き違えたのかなあ。たしかに25と言っていたが。だが、いろいろ調べているうちにワシントン・ポスト紙のインタヴューで12月25日生まれとあった。さて真実は。あ〜、たかが生年月日が一日違うだけでくどい?(笑)
その記事↓
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/06/29/AR2007062900521.html
ライアンの来日は、今回が4回目だという。1回目はなんと日本でも人気のあるアカペラ・グループ、14カラット・ソウルの誰かの代役で来たという。これはびっくりその2。それから2回ゴスペル・クワイアーの一員としてやってきて、今回が4回目。もちろん、ライアン・ショウとしては初来日だ。
1998年、ライアンはニューヨークにやってきて、以来ミュージカルや、ニューヨークのクラブシーンなどで活動してきた。有名なのは、57丁目にあった「モータウン・カフェ」の箱バンドでの仕事。この頃、多くのモータウン・ヒッツやスタックスのヒットを歌ってきて、そういう音楽を気に入った。
そんな中で、現在のミュージシャンたちとも出会った。ベースの「ビッグ・タイニー」ことマイケル・リンゼイ(1981年8月6日生まれ)にベースのヒーローは誰かと尋ねると、ジャケットを広げ着ていたTシャツを見せてくれた。そこにはジャコ・パストリアスの顔が。「他に、マーカス・ミラー、ヴィクター・ウーテン、アンソニー・ジャクソン、リチャード・ボナ…。たくさんいるよ。僕たちは、ヴィレッジの『グルーヴ』という店や、『ヴィレッジ・ヴァンガード』などで演奏したり、ハングアウトしているうちに知り合ったんだ」と言う。大柄の彼がベースを持つと、ベースが小さく見える。
ギターのロバート・グアリグリア(1978年5月16日生まれ)は、このライアン・ショウのバンドに入る前には、ロバート・ランドルフ(スチールパン奏者)のバンドにいて、当初2週間のツアー予定でライアンのバンドに入った。しかし、それが結局54週間も続くことになった、という。当初、このバンドには1人キーボードがいたが、辞めてしまい、その後補充していない。彼のヒーローはレッド・ゼッペリンのジミー・ページ。彼の名前の発音がひじょうに難しく、何度もやってみたが「ダメだ、違う」と言われ、結局「もういい、ロビーGでいいよ」と言われた。(笑) 英語の発音は難しい。小柄な彼がギターを持つと、ギターが大きく見える。
ドラマーにも話を聞こうかと思ったが、女の子と話に熱中していた様子なので、やめておいた。
松尾さん、ライアンに「オーティス・レディングに会ったことはあるか」と直撃。ライアン笑って「ないよ、僕はまだ生まれてない!」と即答。「動いている映像は?」 「ライヴの映像を見た」 僕も「サム・クックに会ったことはあるか」と尋ねようかと思ったが、やめておいた。
最後にライアンにその喉の強さの秘訣はと聞くと「睡眠と水だよ。とにかく、よく寝て、水をたくさん飲むことだ」との答え。ケイシー(&ジョジョの)の喉も「鉄の声」だが、このライアンの喉はさらに「鋼鉄の声」という感じがする。睡眠と水だけであの声を維持か。びっくりその3だ。僕も思い切りたくさん水(1日2リットル目標)を飲んで、たっぷり寝てみよう。朝起きたら「鋼鉄の声」になってるかなあ。
(2008年3月1日土曜、丸の内コットン・クラブ=ライアン・ショウ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shaw, Ryan
2008-28
【インコグニート〜日本は第2の故郷】
親日家。
このところ毎年のように来日しているイギリス・ベースのジャズ・ファンク・バンド、インコグニートを久々に見た。ジャズ・ファンクというよりは、ポップなパーティー・バンドと言ったほうがいいかもしれない。そのリーダーはモーリシャス出身のブルーイ。親日家という言葉では足りないほど、日本を愛しているブルーイ、まさに日本は第2の故郷だろう。(ちなみに奥さんは大阪出身の日本人の方)
『JVCジャズ』への出演も含めてブルーノートで5日間。この日もほぼ満席。インコグ人気は根強い。やはり、このシンプルな覚えやすいメロディーとわかりやすいポップなサウンドが最大の魅力だ。そして、インコグニート(匿名)と名乗るように、個々のミュージシャンやシンガーにずば抜けた人を選ばず、全体のサウンドの中に個性を標準化しているところがすごい。グルーヴ感のあるバンド・サウンドは気持ちいい。とはいうものの、初めて聴いた男性シンガー、トニー・モムレムはどこかフランク・マッコムを思わせるかなりいい声をしていて、フランクがインコグをバックに歌っているような感じを持った。
ドラムス、キーボード、ギター、ベース、ホーン3人、コーラス4人の11人がオンステージ。客層は30代〜40代を中心に20代も。ブルーイの「初めてインコグニートのライヴに来た人」という問いに半数近くが手をあげた。
日本語をはさみながら、ライヴは進行。「オッパッピー」や「ノッテルカイ!」まで披露。(ちょっと古いところがかわいい)「エジプト」「ドンチュー・ウォーリー」あたりのメドレーの部分は観客も立ち上がり、大いに盛り上がる。
「今からみんなを29年前にお連れしよう。1979年、僕は友人と2人でインコグニートを始めた。その彼、ポール・ターブス・ウィリアムスと一緒に初めてレコーディングした曲が次の曲だ。しかし、そのポールは昨年、44歳という若さでなくなった。これは、その彼に捧げる」と言ってプレイしたのが、「サマー・ハズ・エンデッド」という曲。すでに29年の歴史を誇る堂々たるバンドだ。一方4月にリリースされるという新作『テイルズ・フロム・ビーチ』に収録される「ハッピー・ピープル」も初お披露目した。
「その昔、サンタナのアルバムに『レコーデッド・イン・ジャパン』と書いてあるのを見て、いつか日本に行きたい、と思った。ディープ・パープルの『ライヴ・イン・ジャパン』を聴いて、いつか日本に、と思った。そんなあこがれの日本に来られて本当に幸せです」
本編最後の「モーニング・サン」は、ブルーイがモーリシャスの祖父たちから学んだ哲学。「朝の太陽は、すべてを忘れさせてくれる。いやなことを忘れて新たな1日が始まる。世界中のみんなが朝の太陽を思い切り浴びれば、ワン・ネーションになれる」(下記2002年12月10日付けのインタヴュー記事を参照) そう語って、彼はこれを演奏した。ホーンの3人もずれながらも、かわいい振り付けをして、エンタテインメントに徹していて楽しかった。ブルーイの雰囲気は、セルメンとピーボを足して2で割った感じの人だと思ったとの声も。あ、3人ともブルーノートのドル箱の方々でした。そして3人とも日本好きだしね。(笑)
(この項続く予定)
■過去記事
2002/11/26(TUE)
Grandfather’s lesson
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200211/diary20021126.html
インコグニート(ジャン・ポール・ブルーイ・モニーク)インタヴュー
『トラヴェリング・ミュージシャンのソウル』(2002年12月10日)
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/interview/incognito20021210.html
2002/12/19 (Thu)
One Nation Under A Groove
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200212/diary20021219.html
■メンバー インコグニート INCOGNITO
ジャン・ポール“ブルーイ”モニック(ギター、ヴォーカル)Jean Paul "Bluey" Maunick(g,vo)
イマーニ(ヴォーカル)Imaani(vo)
ジョイ・ローズ(ヴォーカル)Joy Rose(vo)
トニー・モンムレル(ヴォーカル)Tony Momrelle(vo)
チャーリー・ロックウッド(ヴォーカル)Charlie Rookwood(vo)
ポール・グリーンウッド(フルート、サックス)Paul Greenwood(fl,sax)
シッド・ゴウルド(トランペット)Sid Gauld
トレヴァー・マイルス(トロンボーン)Trevor Mires
マット・クーパー(キーボード)Matt Cooper(key)
フランシス・ヒルトン(ベース)Francis Hylton(b)
リチャード・ベイリー(ドラムス) Richard Bailey(ds)
■セットリスト
Setlist : Incognito @ Tokyo Blue Note, March 3, 2008
セットリスト
Show started 19:08
01. Solar Fire (Instrumental)
02. Thinkin’ About Tomorrow (Instrumental)
03. Pieces Of A Dream
04. Without You
05. I Hear Your Name
06. N.O.T
07. Reach Out
08. Nights Over Egypt
09. Don’t You Worry ‘Bout A Thing
10. Everyday
11. Summer Has Ended
12. Still A Friend Of Mine
13. Happy People
14. Morning Sun
Enc. Always There
BGM. One Love / Bob Marley
Show ended 20:43
(2008年3月3日月曜、東京ブルーノート=インコグニ−ト・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Incognito
2008-29
親日家。
このところ毎年のように来日しているイギリス・ベースのジャズ・ファンク・バンド、インコグニートを久々に見た。ジャズ・ファンクというよりは、ポップなパーティー・バンドと言ったほうがいいかもしれない。そのリーダーはモーリシャス出身のブルーイ。親日家という言葉では足りないほど、日本を愛しているブルーイ、まさに日本は第2の故郷だろう。(ちなみに奥さんは大阪出身の日本人の方)
『JVCジャズ』への出演も含めてブルーノートで5日間。この日もほぼ満席。インコグ人気は根強い。やはり、このシンプルな覚えやすいメロディーとわかりやすいポップなサウンドが最大の魅力だ。そして、インコグニート(匿名)と名乗るように、個々のミュージシャンやシンガーにずば抜けた人を選ばず、全体のサウンドの中に個性を標準化しているところがすごい。グルーヴ感のあるバンド・サウンドは気持ちいい。とはいうものの、初めて聴いた男性シンガー、トニー・モムレムはどこかフランク・マッコムを思わせるかなりいい声をしていて、フランクがインコグをバックに歌っているような感じを持った。
ドラムス、キーボード、ギター、ベース、ホーン3人、コーラス4人の11人がオンステージ。客層は30代〜40代を中心に20代も。ブルーイの「初めてインコグニートのライヴに来た人」という問いに半数近くが手をあげた。
日本語をはさみながら、ライヴは進行。「オッパッピー」や「ノッテルカイ!」まで披露。(ちょっと古いところがかわいい)「エジプト」「ドンチュー・ウォーリー」あたりのメドレーの部分は観客も立ち上がり、大いに盛り上がる。
「今からみんなを29年前にお連れしよう。1979年、僕は友人と2人でインコグニートを始めた。その彼、ポール・ターブス・ウィリアムスと一緒に初めてレコーディングした曲が次の曲だ。しかし、そのポールは昨年、44歳という若さでなくなった。これは、その彼に捧げる」と言ってプレイしたのが、「サマー・ハズ・エンデッド」という曲。すでに29年の歴史を誇る堂々たるバンドだ。一方4月にリリースされるという新作『テイルズ・フロム・ビーチ』に収録される「ハッピー・ピープル」も初お披露目した。
「その昔、サンタナのアルバムに『レコーデッド・イン・ジャパン』と書いてあるのを見て、いつか日本に行きたい、と思った。ディープ・パープルの『ライヴ・イン・ジャパン』を聴いて、いつか日本に、と思った。そんなあこがれの日本に来られて本当に幸せです」
本編最後の「モーニング・サン」は、ブルーイがモーリシャスの祖父たちから学んだ哲学。「朝の太陽は、すべてを忘れさせてくれる。いやなことを忘れて新たな1日が始まる。世界中のみんなが朝の太陽を思い切り浴びれば、ワン・ネーションになれる」(下記2002年12月10日付けのインタヴュー記事を参照) そう語って、彼はこれを演奏した。ホーンの3人もずれながらも、かわいい振り付けをして、エンタテインメントに徹していて楽しかった。ブルーイの雰囲気は、セルメンとピーボを足して2で割った感じの人だと思ったとの声も。あ、3人ともブルーノートのドル箱の方々でした。そして3人とも日本好きだしね。(笑)
(この項続く予定)
■過去記事
2002/11/26(TUE)
Grandfather’s lesson
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200211/diary20021126.html
インコグニート(ジャン・ポール・ブルーイ・モニーク)インタヴュー
『トラヴェリング・ミュージシャンのソウル』(2002年12月10日)
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/interview/incognito20021210.html
2002/12/19 (Thu)
One Nation Under A Groove
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200212/diary20021219.html
■メンバー インコグニート INCOGNITO
ジャン・ポール“ブルーイ”モニック(ギター、ヴォーカル)Jean Paul "Bluey" Maunick(g,vo)
イマーニ(ヴォーカル)Imaani(vo)
ジョイ・ローズ(ヴォーカル)Joy Rose(vo)
トニー・モンムレル(ヴォーカル)Tony Momrelle(vo)
チャーリー・ロックウッド(ヴォーカル)Charlie Rookwood(vo)
ポール・グリーンウッド(フルート、サックス)Paul Greenwood(fl,sax)
シッド・ゴウルド(トランペット)Sid Gauld
トレヴァー・マイルス(トロンボーン)Trevor Mires
マット・クーパー(キーボード)Matt Cooper(key)
フランシス・ヒルトン(ベース)Francis Hylton(b)
リチャード・ベイリー(ドラムス) Richard Bailey(ds)
■セットリスト
Setlist : Incognito @ Tokyo Blue Note, March 3, 2008
セットリスト
Show started 19:08
01. Solar Fire (Instrumental)
02. Thinkin’ About Tomorrow (Instrumental)
03. Pieces Of A Dream
04. Without You
05. I Hear Your Name
06. N.O.T
07. Reach Out
08. Nights Over Egypt
09. Don’t You Worry ‘Bout A Thing
10. Everyday
11. Summer Has Ended
12. Still A Friend Of Mine
13. Happy People
14. Morning Sun
Enc. Always There
BGM. One Love / Bob Marley
Show ended 20:43
(2008年3月3日月曜、東京ブルーノート=インコグニ−ト・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Incognito
2008-29
【ソウル・エクスプレス・ライヴ】
吉祥寺。
東京在住のブラック・シンガー、ウォーネル・ジョーンズ、ダズル・ジェームス・ノーウッド、JRロビンソンらによるグループ、ソウル・エクスプレスのライヴ。吉祥寺の今は亡きチャ・チャ・ハウスのハウス・バンドだった彼らが、チャチャなき後、地元のライヴハウスで時折やっているライヴ。
気軽にソウルのカヴァー曲が、ファンキーなバンドとともに演奏される。心なしか、ハンコ屋さんのギターもいつもより黒い。ノンストップで続くと、客席の前の方では踊りだす人たちも多数。この観客たちが、吉祥寺独特というか、なかなかユニークで、老若男女、みな自由に生の音楽を楽しみながら踊っている。なんか、この観客とこのバンドを見ていると、ある種、吉祥寺文化圏のようなものさえあるような気がしてくる。
ソウルカヴァーも1970年代から2000年代までそつなくヒット曲が選ばれている。しかも、ユニークなのが、曲によってけっこう凝ったアレンジがされていること。よかったのは、レディー・ヨーとウォーネルが歌った「ラヴリー・デイ」。原曲とはかなり違ったファンキーなアレンジでおもしろかった。あるいは、「スーパースティション」とJBズをミックスして演奏するところなどもユニークだ。
普段から普通にソウルのライヴ・バンドが聴ける場所としてチャ・チャ・ハウスはひじょうに貴重だっただけに、このようなバンドが単発でもライヴをやってくれるのは嬉しい。
■ メンバー
Soul Express
ウォーネル・ジョーンズ[vo.b] Reddy Yo[vo.key]西山"HANK"史翁[g]"DAZZLE"ジェームス・ノーウッド(vo.b) JR.ロビンソン[drs]
guest:Nusty Horns 後藤輝夫(sax)表雅之(sax)
Setlist : Soul Express @ Star Pine’s Café, March 4th, 2008
セットリスト ソウル・エクスプレス
[ ] denotes original artists
Show started 19:45
01. Feel Like Making Love [Roberta Flack, Marlena Shaw]
02. We’re All In This Love Together [Al Jarreau]
03. Papa Was A Rolling Stone [Temptations]
04. Let’s Stay Together [Al Green]
05. Superstition – Doing It To Death (Have A Funky Good Times) [Stevie Wonder, Fred Wesley & JB’s]
06. Between The Sheets [Isley Brothers]
07. You’ve Got A Friend [Carol King, Donny Hathaway]
08. Rhythm of “What’s Going On” with “Mercy Mercy Me” riff. [Marvin Gaye]
Show ended 20:40
Show started 21:25
01. Slipping Into Darkness [War]
02. A Riff Of “Play That Funky Music” to Skin Tight [Wild Cherry, Ohio Players]
03. Lovely Day [Bill Withers]
04. Georgy Porgy [Toto, Eric Benet]
05. Never Too Much [Luther Vandross]
06. Close To You [Maxi Priest]
07. Nobody, Somebody (?)
08. The Glow Of Love – All For You [Change, Janet Jackson]
09. Ain’t No Stopping Us Now [MacFadden & Whitehead]
10. What’s Your Flava [Craig David]
11. I Wanna Be The One (?)
12. Galaxy [War]
13. All I Wanna Do Is Fever (?)
14. September [Earth Wind & Fire]
15. Sex Machine [James Brown]
Show ended 23:00
(2008年3月4日火曜、吉祥寺・スター・パインズ・カフェ=ソウル・エクスプレス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Soul Express
2008-30
吉祥寺。
東京在住のブラック・シンガー、ウォーネル・ジョーンズ、ダズル・ジェームス・ノーウッド、JRロビンソンらによるグループ、ソウル・エクスプレスのライヴ。吉祥寺の今は亡きチャ・チャ・ハウスのハウス・バンドだった彼らが、チャチャなき後、地元のライヴハウスで時折やっているライヴ。
気軽にソウルのカヴァー曲が、ファンキーなバンドとともに演奏される。心なしか、ハンコ屋さんのギターもいつもより黒い。ノンストップで続くと、客席の前の方では踊りだす人たちも多数。この観客たちが、吉祥寺独特というか、なかなかユニークで、老若男女、みな自由に生の音楽を楽しみながら踊っている。なんか、この観客とこのバンドを見ていると、ある種、吉祥寺文化圏のようなものさえあるような気がしてくる。
ソウルカヴァーも1970年代から2000年代までそつなくヒット曲が選ばれている。しかも、ユニークなのが、曲によってけっこう凝ったアレンジがされていること。よかったのは、レディー・ヨーとウォーネルが歌った「ラヴリー・デイ」。原曲とはかなり違ったファンキーなアレンジでおもしろかった。あるいは、「スーパースティション」とJBズをミックスして演奏するところなどもユニークだ。
普段から普通にソウルのライヴ・バンドが聴ける場所としてチャ・チャ・ハウスはひじょうに貴重だっただけに、このようなバンドが単発でもライヴをやってくれるのは嬉しい。
■ メンバー
Soul Express
ウォーネル・ジョーンズ[vo.b] Reddy Yo[vo.key]西山"HANK"史翁[g]"DAZZLE"ジェームス・ノーウッド(vo.b) JR.ロビンソン[drs]
guest:Nusty Horns 後藤輝夫(sax)表雅之(sax)
Setlist : Soul Express @ Star Pine’s Café, March 4th, 2008
セットリスト ソウル・エクスプレス
[ ] denotes original artists
Show started 19:45
01. Feel Like Making Love [Roberta Flack, Marlena Shaw]
02. We’re All In This Love Together [Al Jarreau]
03. Papa Was A Rolling Stone [Temptations]
04. Let’s Stay Together [Al Green]
05. Superstition – Doing It To Death (Have A Funky Good Times) [Stevie Wonder, Fred Wesley & JB’s]
06. Between The Sheets [Isley Brothers]
07. You’ve Got A Friend [Carol King, Donny Hathaway]
08. Rhythm of “What’s Going On” with “Mercy Mercy Me” riff. [Marvin Gaye]
Show ended 20:40
Show started 21:25
01. Slipping Into Darkness [War]
02. A Riff Of “Play That Funky Music” to Skin Tight [Wild Cherry, Ohio Players]
03. Lovely Day [Bill Withers]
04. Georgy Porgy [Toto, Eric Benet]
05. Never Too Much [Luther Vandross]
06. Close To You [Maxi Priest]
07. Nobody, Somebody (?)
08. The Glow Of Love – All For You [Change, Janet Jackson]
09. Ain’t No Stopping Us Now [MacFadden & Whitehead]
10. What’s Your Flava [Craig David]
11. I Wanna Be The One (?)
12. Galaxy [War]
13. All I Wanna Do Is Fever (?)
14. September [Earth Wind & Fire]
15. Sex Machine [James Brown]
Show ended 23:00
(2008年3月4日火曜、吉祥寺・スター・パインズ・カフェ=ソウル・エクスプレス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Soul Express
2008-30
○Bluey Of Incognito Talks:
2008年3月6日(2008年3月4日付けブログからのつづき)
【ギャグ好きインコグニートのブルーイ語る】
ワンネーション。
インコグニートのリーダー、ブルーイがライヴ後、出てきてほんの少しだけ話すことができた。調べてみると、ブルーイにインタヴューしたのは2002年のことなので、もう5年以上前だった。彼が『ソウル・ブレンズ』に来たのも、その頃なので、やはり5年以上前。でも、一応覚えていてくれたようだ。
それより少し前、「吉岡さん」と声をかけられた。なんとハンドカッツ・レコードの織田(おりた)さんだった。久しぶりで「なんでまた」と思ったら、なんと次のインコグニートの新作は、ハンドカッツからリリースされる、という。日本ではポニー・キャニオンからの移籍となる。
「やあ、どうも」「ハロー、君とはレコードの話をしたな」「そうだねえ、久しぶり」 ブルーイは現在日本人奥さんとロンドンに住んでいる。「娘は、今、11歳。最初は日本語をしゃべっていたんだけど、最近は英語ばっかりなんだよ。周りの友達と英語でしゃべれないとついていけないらしくて、英語ばかりしゃべって、日本語を忘れそうになってるんだ。妻ができるだけ日本語をしゃべるようにしてるんだけどね。でも、娘はフランス語もしゃべれるよ」「じゃあ、トライリンガルだ!」
「ところで、ステージでやった『オッパッピー』は、どこで覚えたの?(笑)」「ああ、あれか? (笑) いや、こっち(日本)に来ると(日本人の)スタッフにいろいろ尋ねるんだ。今、新しいギャグはなんだ、とか。それで教わるんだ。で、そんなネタを仕入れてうち(ロンドン)に帰ると娘も妻も、それを知らなくてね。(笑) 新しいネタを僕が東京からロンドンに持ち帰るんだよ。以前には『さんぺいで〜す』なんてのもやった」 「あ、ねえ、『そんなのカンケイねえ』は?」 「もちろん、『そんなのカンケイねえ』」とジェスチャー付きでやってくれた。(笑) そこで、こちらも携帯に入っている小島よしおの動画「オッパッピー」を見せた。それを見るとブルーイ、「ファンタスティック!」と興奮しながら食いつき抜群。
インコグニートのライヴは、最後のアンコールをやった後、全員がステージに横に並び、手をつないでおじきをした。そのとき、ブルーイは「ワン・ネーション・アンダー・ザ・グルーヴ(グルーヴのもとに、ひとつ)」と叫んだ。そして、ボブ・マーレーの「ワン・ラヴ」がBGMとして流れ出した。彼らはその「ワン・ラヴ」に乗って退場した。いい演出、雰囲気だった。
(2008年3月3日月曜、東京ブルーノート=インコグニ−ト・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Incognito
2008-29
【ギャグ好きインコグニートのブルーイ語る】
ワンネーション。
インコグニートのリーダー、ブルーイがライヴ後、出てきてほんの少しだけ話すことができた。調べてみると、ブルーイにインタヴューしたのは2002年のことなので、もう5年以上前だった。彼が『ソウル・ブレンズ』に来たのも、その頃なので、やはり5年以上前。でも、一応覚えていてくれたようだ。
それより少し前、「吉岡さん」と声をかけられた。なんとハンドカッツ・レコードの織田(おりた)さんだった。久しぶりで「なんでまた」と思ったら、なんと次のインコグニートの新作は、ハンドカッツからリリースされる、という。日本ではポニー・キャニオンからの移籍となる。
「やあ、どうも」「ハロー、君とはレコードの話をしたな」「そうだねえ、久しぶり」 ブルーイは現在日本人奥さんとロンドンに住んでいる。「娘は、今、11歳。最初は日本語をしゃべっていたんだけど、最近は英語ばっかりなんだよ。周りの友達と英語でしゃべれないとついていけないらしくて、英語ばかりしゃべって、日本語を忘れそうになってるんだ。妻ができるだけ日本語をしゃべるようにしてるんだけどね。でも、娘はフランス語もしゃべれるよ」「じゃあ、トライリンガルだ!」
「ところで、ステージでやった『オッパッピー』は、どこで覚えたの?(笑)」「ああ、あれか? (笑) いや、こっち(日本)に来ると(日本人の)スタッフにいろいろ尋ねるんだ。今、新しいギャグはなんだ、とか。それで教わるんだ。で、そんなネタを仕入れてうち(ロンドン)に帰ると娘も妻も、それを知らなくてね。(笑) 新しいネタを僕が東京からロンドンに持ち帰るんだよ。以前には『さんぺいで〜す』なんてのもやった」 「あ、ねえ、『そんなのカンケイねえ』は?」 「もちろん、『そんなのカンケイねえ』」とジェスチャー付きでやってくれた。(笑) そこで、こちらも携帯に入っている小島よしおの動画「オッパッピー」を見せた。それを見るとブルーイ、「ファンタスティック!」と興奮しながら食いつき抜群。
インコグニートのライヴは、最後のアンコールをやった後、全員がステージに横に並び、手をつないでおじきをした。そのとき、ブルーイは「ワン・ネーション・アンダー・ザ・グルーヴ(グルーヴのもとに、ひとつ)」と叫んだ。そして、ボブ・マーレーの「ワン・ラヴ」がBGMとして流れ出した。彼らはその「ワン・ラヴ」に乗って退場した。いい演出、雰囲気だった。
(2008年3月3日月曜、東京ブルーノート=インコグニ−ト・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Incognito
2008-29
☆Philip Woo Live At Blues Alley
2008年3月7日【フィリップ・ウー・ライヴ】
ファミリー。
フィリップも最後に言った。「Support live musicians (ライヴ・ミュージシャンをサポートしよう) なぜなら、こうした音楽は本物のヒューマン・ビーイング(人間)が実際にここで演奏しているもので、コンピューターの打ち込みやギミックは何もないから」
久々のフィリップのライヴ。彼のライヴは、ファンク、ジャズ、ソウル、スタンダードなどバランスよく良質のブラック・ミュージックの作品が演奏される。しかも、演奏家たちもしっかりした東京ソウルシーンの要となる連中ばかり。
今回はヴォーカルが急遽、アンドレア・ホプキンスに代わったのだが、彼女がなかなかよかった。僕は初めて見た。最近はレギュラー的にやっていないが、イヴェントなどで歌っているそうだ。基本はジャズ系のシンガーで、静かな曲が得意とみた。この日もバラード系でうまさを存分に発揮していた。アンドレアによると「本当は歌詞は全部覚えてステージに臨みたいと思う。でも今回は時間がなかったので、それができなかった」という。とは言っても、かなり自分のものにしていたので、楽曲の理解力が早いのだろう。
驚いたことに彼女が歌った12曲中、3曲はよく歌っていたが、9曲は今回初めて歌う作品だという。けっこうそつなくこなしていたので、そのことを聴いて驚いた。ちなみに、よく歌っていたという3曲は「ワンデイ・アイル・フライ・アウェイ」、「グッドモーニング・ハートエイク」、「フォー・オール・ウィ・ノウ」。やはり、これら3曲、特に「フォー・オール…」は、フィリップのアコースティック・ピアノ1本で情感豊かに歌い、集中した。また彼女は話し声は低いが歌声ではかなり高い部分まで出る。5オクターヴ近く音域があるそうだ。シャウト系の作品よりも、しっとりと、さらっと歌うタイプの曲があう。メロー・グルーヴな感じがいい。
フィリップの選曲は、今回もかなり渋い。フィリップは舞台左に6台のキーボードを配置し、右左前後と大忙しに鍵盤を操る。特に面白い音をしていたのは、いわゆるムーグ・シンセサイザー。滅多に家からもちださないそうだが、今夜は特別なので、これをもって来たという。時にコードを差し替えたりする姿を見て、ブレンダ・ヴォーンが「フィリップ、科学者みたいね(笑)」とコメント。
ジェイ・スティックスの確実なドラム、またこの日はマサ小浜さんのファンキーなギターソロがふんだんにフィーチャーされた。
下記セットリストにオリジナル・アーティストの名前も付記したのでごらんください。今回のゲストは木下航志。「ソウル・サーチン」で歌った「グルーヴィン」と、品川教会で歌った「ワイルド・ホーセス」を披露。どちらもだいぶ自分のものにしてきている。後者は観客からの反応もかなりのものになっていた。
ちょっとしたサプライズは、セカンドの5曲目と7曲目でブレンダ・ヴォーンとシャンティがバックコーラスで参加したこと。フィリップも言うが、みんなファミリーだ。ぜひこういう良質のソウル・ライヴは、もっとお客さんが集まって欲しいと思う。
観客席にブラザー・コーンさんがいて、終わったあと話をした。先週、別の会で会ったばかりで、彼が前日パンテーラでディスコ特番の取材を受けた話をしてくれた。実は僕もその取材を翌日受けることになっている、ということでいろいろ雑談した。彼はこれから発表できるネタを持っていて、「情報解禁前に、誰よりも早く一番に、詳しくお知らせします」と約束してもらった。(笑)
■ フィリップ・ウー・バンド、コットン・クラブに登場
フィリップ・ウーがブレンダ・ヴォーンを従え、3月28日(金)、29日(土)コットン・クラブに登場。小林香織もゲストで参加。
ブレンダ・ヴォーンは、3月13日(木)に目黒ブルース・アレーに登場。
■ メンバー
(Key)Philip Woo (G)Masa Kohama (B)Keith Williamson (Ds)Jay Stixx
(Vo)Andrea Hopkins
★Guest (Key/Vo)木下航志 Shanti, Brenda Vaughn
■セットリスト
Setlist : Philip Woo @ Blues Alley Japan, March 6th, 2008
[ ] indicates original artists
First set
Show started 19:44
01. Spring High (Instrumental) [Ramsey Lewis]
02. Snoopy’s Search / Red Baron (Instrumental) [Billy Cobham]
03. Kissing My Love [Bill Withers]
04. Groovin’ (Kishita Kohshi) [Rascals]
05. Good Morning Heartache [Billy Holiday, Diana Ross]
06. Up On The Roof [Drifters]
07. One Day I’ll Fly Away [Joe Sample & Randy Crawford, Lalah Hathaway]
08. ‘Till My Baby Comes [Luther Vandross]
show ended 20:54
Second set
Show started 21:19
01. Westchester Lady (Instrumental) [Bob James]
02. Losalamitos (Instrumental) [Gene Harris]
03. Baby, I Love You [Aretha Franklin]
04. Wild Horses (Kishita Kohshi) [Rolling Stones, Alicia Keys]
05. Stop, Look, & Listen [Stylistics] (+Shanti, Brenda Vaughn)
06. For All We Know [Donny Hathaway]
07. I Don’t Wanna Lose Your Love [Emotions] (+Shanti, Brenda Vaughn)
Enc. Forever, For Always & For Love [Luther Vandross]
Show ended 22:39
(2008年3月6日木曜、目黒ブルースアレー=フィリップ・ウー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Woo, Philip
2008-31
ファミリー。
フィリップも最後に言った。「Support live musicians (ライヴ・ミュージシャンをサポートしよう) なぜなら、こうした音楽は本物のヒューマン・ビーイング(人間)が実際にここで演奏しているもので、コンピューターの打ち込みやギミックは何もないから」
久々のフィリップのライヴ。彼のライヴは、ファンク、ジャズ、ソウル、スタンダードなどバランスよく良質のブラック・ミュージックの作品が演奏される。しかも、演奏家たちもしっかりした東京ソウルシーンの要となる連中ばかり。
今回はヴォーカルが急遽、アンドレア・ホプキンスに代わったのだが、彼女がなかなかよかった。僕は初めて見た。最近はレギュラー的にやっていないが、イヴェントなどで歌っているそうだ。基本はジャズ系のシンガーで、静かな曲が得意とみた。この日もバラード系でうまさを存分に発揮していた。アンドレアによると「本当は歌詞は全部覚えてステージに臨みたいと思う。でも今回は時間がなかったので、それができなかった」という。とは言っても、かなり自分のものにしていたので、楽曲の理解力が早いのだろう。
驚いたことに彼女が歌った12曲中、3曲はよく歌っていたが、9曲は今回初めて歌う作品だという。けっこうそつなくこなしていたので、そのことを聴いて驚いた。ちなみに、よく歌っていたという3曲は「ワンデイ・アイル・フライ・アウェイ」、「グッドモーニング・ハートエイク」、「フォー・オール・ウィ・ノウ」。やはり、これら3曲、特に「フォー・オール…」は、フィリップのアコースティック・ピアノ1本で情感豊かに歌い、集中した。また彼女は話し声は低いが歌声ではかなり高い部分まで出る。5オクターヴ近く音域があるそうだ。シャウト系の作品よりも、しっとりと、さらっと歌うタイプの曲があう。メロー・グルーヴな感じがいい。
フィリップの選曲は、今回もかなり渋い。フィリップは舞台左に6台のキーボードを配置し、右左前後と大忙しに鍵盤を操る。特に面白い音をしていたのは、いわゆるムーグ・シンセサイザー。滅多に家からもちださないそうだが、今夜は特別なので、これをもって来たという。時にコードを差し替えたりする姿を見て、ブレンダ・ヴォーンが「フィリップ、科学者みたいね(笑)」とコメント。
ジェイ・スティックスの確実なドラム、またこの日はマサ小浜さんのファンキーなギターソロがふんだんにフィーチャーされた。
下記セットリストにオリジナル・アーティストの名前も付記したのでごらんください。今回のゲストは木下航志。「ソウル・サーチン」で歌った「グルーヴィン」と、品川教会で歌った「ワイルド・ホーセス」を披露。どちらもだいぶ自分のものにしてきている。後者は観客からの反応もかなりのものになっていた。
ちょっとしたサプライズは、セカンドの5曲目と7曲目でブレンダ・ヴォーンとシャンティがバックコーラスで参加したこと。フィリップも言うが、みんなファミリーだ。ぜひこういう良質のソウル・ライヴは、もっとお客さんが集まって欲しいと思う。
観客席にブラザー・コーンさんがいて、終わったあと話をした。先週、別の会で会ったばかりで、彼が前日パンテーラでディスコ特番の取材を受けた話をしてくれた。実は僕もその取材を翌日受けることになっている、ということでいろいろ雑談した。彼はこれから発表できるネタを持っていて、「情報解禁前に、誰よりも早く一番に、詳しくお知らせします」と約束してもらった。(笑)
■ フィリップ・ウー・バンド、コットン・クラブに登場
フィリップ・ウーがブレンダ・ヴォーンを従え、3月28日(金)、29日(土)コットン・クラブに登場。小林香織もゲストで参加。
ブレンダ・ヴォーンは、3月13日(木)に目黒ブルース・アレーに登場。
■ メンバー
(Key)Philip Woo (G)Masa Kohama (B)Keith Williamson (Ds)Jay Stixx
(Vo)Andrea Hopkins
★Guest (Key/Vo)木下航志 Shanti, Brenda Vaughn
■セットリスト
Setlist : Philip Woo @ Blues Alley Japan, March 6th, 2008
[ ] indicates original artists
First set
Show started 19:44
01. Spring High (Instrumental) [Ramsey Lewis]
02. Snoopy’s Search / Red Baron (Instrumental) [Billy Cobham]
03. Kissing My Love [Bill Withers]
04. Groovin’ (Kishita Kohshi) [Rascals]
05. Good Morning Heartache [Billy Holiday, Diana Ross]
06. Up On The Roof [Drifters]
07. One Day I’ll Fly Away [Joe Sample & Randy Crawford, Lalah Hathaway]
08. ‘Till My Baby Comes [Luther Vandross]
show ended 20:54
Second set
Show started 21:19
01. Westchester Lady (Instrumental) [Bob James]
02. Losalamitos (Instrumental) [Gene Harris]
03. Baby, I Love You [Aretha Franklin]
04. Wild Horses (Kishita Kohshi) [Rolling Stones, Alicia Keys]
05. Stop, Look, & Listen [Stylistics] (+Shanti, Brenda Vaughn)
06. For All We Know [Donny Hathaway]
07. I Don’t Wanna Lose Your Love [Emotions] (+Shanti, Brenda Vaughn)
Enc. Forever, For Always & For Love [Luther Vandross]
Show ended 22:39
(2008年3月6日木曜、目黒ブルースアレー=フィリップ・ウー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Woo, Philip
2008-31
【ロバータ・フラック・ライヴ〜いい日に当たった】
幸運。
昨年(2007年)4月以来、ほぼ1年ぶりのヴェテラン女性シンガー、ロバータ・フラックの自由度あふれるライヴ。ロバータのライヴは、多分初めて見たのが1975年か(要確認)、それから1980年2月のものはよく覚えている。たしかスイートベイジルの1998年12月のオープニングもあった。(その間にも来日多数) 2000年代に入ってからは4度目の来日。
ロバータのライヴは、その日の気分しだいでかなり出来が違う。のりにのると、観客を巻き込み、集中させる見事なパフォーマンスになることもあれば、さらっと流した感じの60分で終わってしまうということもある。いい日に当たると、本当に感激もひとしおだ。
さてこの金曜セカンド・ショウは途中から魂が乗り移ってきた感じがして、最後にはヴォルテージは最高潮になった。オープニング、ドラムスのイントロからロバータが登場するなり、いきなり「キリング・ミー・ソフトリー」から始まる。その声は、レコードの声とほとんど変わらない。声から年齢はとても推量できない。もちろん若干かすれ気味、レコードの声と比べれば少しは年を取ったということも言えるが、そんなことはまったく気にならない。
ロバータのライヴは事前に決められたセットリストがない。その場その場でロバータが思いついた曲を歌い始める。だからミュージシャンは最初の音で、あるいはキューでその曲についていかなければならない。この日も時に、ロバータは歌詞カードを探しながら、次にやる曲を決めていた。
次のアルバムに収録される予定の新曲も何曲か披露された。71歳にして、果敢に新曲である。尊敬だ。そんな1曲「アイル・スタンド・バイ・ユー」は初めて聴いたが素晴らしいバラードで感動した。「なぜあなたはそんなに悲しそうなの。その暗闇から抜け出すのを手助けさせて。私はいつでもあなたの傍らにいるわよ(I’ll Stand By You)」 初めて聴くにもかかわらず歌詞が持つストーリーが自然に入ってくる。観客にディーヴァ・グレイとその友人がいて、盛んにロバータに声をかける。
その曲を終えて拍手が来ると、ピアノの前に座ったロバータは何枚も置いてある譜面をぱらぱらとめくりながら「あ、これにしましょう」と言って「ユーヴ・ガッタ・ア・フレンド」を歌いだした。レコードではダニー・ハザウェイと歌っているが、ここではキーボードのひとりシェルトン・べクトンとデュエットを聴かせた。シェルトンの声がまた渋い。このあたりでロバータのソウルに火がついたと思う。万雷の拍手の中、そのシェルトンが舞台中央のグランドピアノ、今までロバータが座っていたところに呼び寄せられた。ロバータは後ろに下がりソファに座る。何をするのかと思いきや、このシェルトンがピアノの弾き語りで、バック演奏まったくなしで歌いだしたのだ。これがまたゴスペルっぽい素晴らしいバラードでどんどん引き込まれる。I will love you most of all というフレーズが繰り返される。ロバータは紅茶をすする。シェルトンはたったひとりで、ロバータのステージを大泥棒だ。これまた予期せぬ感動を得た。
シェルトンの歌が終わるや、ロバータは「私はこの後、どうすればいいのよ」とあきれる。それほど見事だった。彼女は、今度はバックコーラスのトニー・テリーとさらっとおなじみの「ホエア・イズ・ザ・ラヴ」でペースを変える。このあたりの流れの持って行き方がヴェテランの手練手管(てれんてくだ)か。こうして流れを自分に引き戻し、ここで新曲2曲を歌ってしまう。ロバータには完全に火がついている。ほとんどこの日は彼女はしゃべらず、次々と曲をやっていったが、終わり近くで「今夜はみなさん、本当に素晴らしい観客だわ」と一言。
2曲目の「ソフト・アンド・ジェントル・レイン」は昨年初めて聴いて覚えた作品だったので、よりよく聴こえた。これもいい曲。おそらく次のアルバムに収録されるのだろう。このあたり、みなピアノの弾き語りで歌うために、バックのミュージシャンも思わず佇んだまま聴き入ってしまっている。本編最後の「ファースト・タイム・エヴァー・・・(邦題、愛は面影の中に)」では、手を上にあげるジェスチャー、それはあたかも太陽に手をかざすようにも見えた、でまるで曲を演技していた。詩人が語り部となり、言葉に体のジェスチャーが付き、体全体を使って表現をしているようだった。
そして、エンドテーマとも言える「ラヴ・ミー・イン・ア・スペシャル・ウェイ」(デバージのヒット)で退場。だが感動した観客は拍手をやめない。まもなくステージ後ろのカーテンが開き、終了のサイン。2−3分したところで、「本日の公演は・・・」の終演アナウンスも流れた。それでも観客の拍手がとまらない。それはおよそ6分ほど続いた。こんなことは稀だ。そして、ロバータたちは観念したのか、ついにステージに戻ってきたのだ。
聴きなれたフレーズをやり始めた。何かと思ったらクール&ザ・ギャングの「トゥ・ホット」。最初、まさかロバータがこんな曲をやるとは思わなかったので、しかも歌がなかったのでわからなかった。リードを任されたトニーも歌詞を覚えていないので、サビのところしかできない。(笑) 適当にこれは終えて、今度はビートルズの「カム・トゥゲザー」。どちらも軽いジャムセッション的な、遊びの歌だったが、さすがにこれで終えることはできない。「カム・トゥゲザー」が終わると観客から大拍手が起こる。すると、ロバータは「(拍手を)やめて、やめて」と制止して、「エターナリー」を歌い始めた。ひょっとしてロバータはもっともっと歌うのではないかとさえ思った。この名曲をしっかり歌い終えて、ロバータはステージを後にした。
ロバータはミュージシャンも完璧にコントロールしているが、観客もコントロールしている。僕は他の日には行っていないので、はっきりしたことはわからないが、たぶんアンコールにこたえたのは、必ずしも満席ではなかったこの日の観客が素晴らしかったからなのだろう。ロバータは、特に観客の反応を自身の栄養分にするアーティストだ。このアンコールは、素晴らしい観客だったことへのご褒美でもある。
いい日に当たってラッキーだったとしかいいようがない。
(この項続くかも)
■ ロバータ・フラック 『やさしく歌って』 名盤です
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HEGZ/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ 過去関連記事
前回ライヴ評。
April 18, 2007
Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down
http://blog.soulsearchin.com/archives/001719.html
April 19, 2007
Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance
http://blog.soulsearchin.com/archives/001720.html
■ メンバー
ロバータ・フラック/Roberta Flack(Lead Vocals)
リック・ジョーダン/Rick Jordan(Drums)
モリス・プレジャー/Morris Pleasure (Keyboards)
シャロッド・バーンズ/Sherrod Barnes(Guitar)
ジェリー・バーンズ/Jerry Barnes(Bass)
トニー・テリー/Tony Terry (Background Vocals)
アルチューロ・タッピン/Arturo Tappin(Horns/Flute)
シェルトン・ベクトン/Shelton Becton(Keyboards)
■セットリスト
Setlist : Roberta Flack @ Billboard Live, March 7th, 2008
ロバータ・フラック
(transcribed by yoshioka.masaharu)
Show started 21:34
01. Intro
02. Killing Me Softly With His Song
03. Say No (new)
04. Oasis
05. Here Comes Sun [Beatles]
06. Tonight I Celebrate My Love
07. Feel Like Making Love
08. I’ll Stand By You (new)
09. You’ve Got A Friend
10. (I’ll Love You) Most Of All (new) (sung by Shelton Becton)
11. Where Is The Love
12. Tell Me When (new)
13. Soft & Gentle Rain (new)
14. The First Time Ever I Saw Your Face
15. (End Theme) Love Me In A Special Way [DeBarge]
Enc.1. Too Hot [Kool & The Gang]
Enc.2. Come Together [Beatles]
Enc.3. Eternally
(End Theme) Love Me In A Special Way
Show ended 23:08
(2008年3月7日金曜、ビルボード東京=ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
2008-32
幸運。
昨年(2007年)4月以来、ほぼ1年ぶりのヴェテラン女性シンガー、ロバータ・フラックの自由度あふれるライヴ。ロバータのライヴは、多分初めて見たのが1975年か(要確認)、それから1980年2月のものはよく覚えている。たしかスイートベイジルの1998年12月のオープニングもあった。(その間にも来日多数) 2000年代に入ってからは4度目の来日。
ロバータのライヴは、その日の気分しだいでかなり出来が違う。のりにのると、観客を巻き込み、集中させる見事なパフォーマンスになることもあれば、さらっと流した感じの60分で終わってしまうということもある。いい日に当たると、本当に感激もひとしおだ。
さてこの金曜セカンド・ショウは途中から魂が乗り移ってきた感じがして、最後にはヴォルテージは最高潮になった。オープニング、ドラムスのイントロからロバータが登場するなり、いきなり「キリング・ミー・ソフトリー」から始まる。その声は、レコードの声とほとんど変わらない。声から年齢はとても推量できない。もちろん若干かすれ気味、レコードの声と比べれば少しは年を取ったということも言えるが、そんなことはまったく気にならない。
ロバータのライヴは事前に決められたセットリストがない。その場その場でロバータが思いついた曲を歌い始める。だからミュージシャンは最初の音で、あるいはキューでその曲についていかなければならない。この日も時に、ロバータは歌詞カードを探しながら、次にやる曲を決めていた。
次のアルバムに収録される予定の新曲も何曲か披露された。71歳にして、果敢に新曲である。尊敬だ。そんな1曲「アイル・スタンド・バイ・ユー」は初めて聴いたが素晴らしいバラードで感動した。「なぜあなたはそんなに悲しそうなの。その暗闇から抜け出すのを手助けさせて。私はいつでもあなたの傍らにいるわよ(I’ll Stand By You)」 初めて聴くにもかかわらず歌詞が持つストーリーが自然に入ってくる。観客にディーヴァ・グレイとその友人がいて、盛んにロバータに声をかける。
その曲を終えて拍手が来ると、ピアノの前に座ったロバータは何枚も置いてある譜面をぱらぱらとめくりながら「あ、これにしましょう」と言って「ユーヴ・ガッタ・ア・フレンド」を歌いだした。レコードではダニー・ハザウェイと歌っているが、ここではキーボードのひとりシェルトン・べクトンとデュエットを聴かせた。シェルトンの声がまた渋い。このあたりでロバータのソウルに火がついたと思う。万雷の拍手の中、そのシェルトンが舞台中央のグランドピアノ、今までロバータが座っていたところに呼び寄せられた。ロバータは後ろに下がりソファに座る。何をするのかと思いきや、このシェルトンがピアノの弾き語りで、バック演奏まったくなしで歌いだしたのだ。これがまたゴスペルっぽい素晴らしいバラードでどんどん引き込まれる。I will love you most of all というフレーズが繰り返される。ロバータは紅茶をすする。シェルトンはたったひとりで、ロバータのステージを大泥棒だ。これまた予期せぬ感動を得た。
シェルトンの歌が終わるや、ロバータは「私はこの後、どうすればいいのよ」とあきれる。それほど見事だった。彼女は、今度はバックコーラスのトニー・テリーとさらっとおなじみの「ホエア・イズ・ザ・ラヴ」でペースを変える。このあたりの流れの持って行き方がヴェテランの手練手管(てれんてくだ)か。こうして流れを自分に引き戻し、ここで新曲2曲を歌ってしまう。ロバータには完全に火がついている。ほとんどこの日は彼女はしゃべらず、次々と曲をやっていったが、終わり近くで「今夜はみなさん、本当に素晴らしい観客だわ」と一言。
2曲目の「ソフト・アンド・ジェントル・レイン」は昨年初めて聴いて覚えた作品だったので、よりよく聴こえた。これもいい曲。おそらく次のアルバムに収録されるのだろう。このあたり、みなピアノの弾き語りで歌うために、バックのミュージシャンも思わず佇んだまま聴き入ってしまっている。本編最後の「ファースト・タイム・エヴァー・・・(邦題、愛は面影の中に)」では、手を上にあげるジェスチャー、それはあたかも太陽に手をかざすようにも見えた、でまるで曲を演技していた。詩人が語り部となり、言葉に体のジェスチャーが付き、体全体を使って表現をしているようだった。
そして、エンドテーマとも言える「ラヴ・ミー・イン・ア・スペシャル・ウェイ」(デバージのヒット)で退場。だが感動した観客は拍手をやめない。まもなくステージ後ろのカーテンが開き、終了のサイン。2−3分したところで、「本日の公演は・・・」の終演アナウンスも流れた。それでも観客の拍手がとまらない。それはおよそ6分ほど続いた。こんなことは稀だ。そして、ロバータたちは観念したのか、ついにステージに戻ってきたのだ。
聴きなれたフレーズをやり始めた。何かと思ったらクール&ザ・ギャングの「トゥ・ホット」。最初、まさかロバータがこんな曲をやるとは思わなかったので、しかも歌がなかったのでわからなかった。リードを任されたトニーも歌詞を覚えていないので、サビのところしかできない。(笑) 適当にこれは終えて、今度はビートルズの「カム・トゥゲザー」。どちらも軽いジャムセッション的な、遊びの歌だったが、さすがにこれで終えることはできない。「カム・トゥゲザー」が終わると観客から大拍手が起こる。すると、ロバータは「(拍手を)やめて、やめて」と制止して、「エターナリー」を歌い始めた。ひょっとしてロバータはもっともっと歌うのではないかとさえ思った。この名曲をしっかり歌い終えて、ロバータはステージを後にした。
ロバータはミュージシャンも完璧にコントロールしているが、観客もコントロールしている。僕は他の日には行っていないので、はっきりしたことはわからないが、たぶんアンコールにこたえたのは、必ずしも満席ではなかったこの日の観客が素晴らしかったからなのだろう。ロバータは、特に観客の反応を自身の栄養分にするアーティストだ。このアンコールは、素晴らしい観客だったことへのご褒美でもある。
いい日に当たってラッキーだったとしかいいようがない。
(この項続くかも)
■ ロバータ・フラック 『やさしく歌って』 名盤です
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HEGZ/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ 過去関連記事
前回ライヴ評。
April 18, 2007
Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down
http://blog.soulsearchin.com/archives/001719.html
April 19, 2007
Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance
http://blog.soulsearchin.com/archives/001720.html
■ メンバー
ロバータ・フラック/Roberta Flack(Lead Vocals)
リック・ジョーダン/Rick Jordan(Drums)
モリス・プレジャー/Morris Pleasure (Keyboards)
シャロッド・バーンズ/Sherrod Barnes(Guitar)
ジェリー・バーンズ/Jerry Barnes(Bass)
トニー・テリー/Tony Terry (Background Vocals)
アルチューロ・タッピン/Arturo Tappin(Horns/Flute)
シェルトン・ベクトン/Shelton Becton(Keyboards)
■セットリスト
Setlist : Roberta Flack @ Billboard Live, March 7th, 2008
ロバータ・フラック
(transcribed by yoshioka.masaharu)
Show started 21:34
01. Intro
02. Killing Me Softly With His Song
03. Say No (new)
04. Oasis
05. Here Comes Sun [Beatles]
06. Tonight I Celebrate My Love
07. Feel Like Making Love
08. I’ll Stand By You (new)
09. You’ve Got A Friend
10. (I’ll Love You) Most Of All (new) (sung by Shelton Becton)
11. Where Is The Love
12. Tell Me When (new)
13. Soft & Gentle Rain (new)
14. The First Time Ever I Saw Your Face
15. (End Theme) Love Me In A Special Way [DeBarge]
Enc.1. Too Hot [Kool & The Gang]
Enc.2. Come Together [Beatles]
Enc.3. Eternally
(End Theme) Love Me In A Special Way
Show ended 23:08
(2008年3月7日金曜、ビルボード東京=ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
2008-32
(若干ネタばれになります。これからごらんになるかたは、ご注意ください)
【セリーヌ・ディオン・ライヴ】
自信。
東京ドームで2日、9年ぶりのセリーヌのライヴ。前回同様ステージをアリーナの中央に持ってきて、東西南北どちらに向けても歌う。舞台下からのせりあがりが上がったり、下がったりしてミュージシャンやシンガーたちを動かす。ほぼ正方形のステージの上にはテレビモニター数台とスクリーン。最近多くの大規模ライヴがそうであるように、映像と音楽のリンクが次々と押し寄せ、見る側を飽きさせない。
ナンバーワン・ディーヴァとしての自信をもった堂々とした歌いっぷり。特に熱唱系は、「どうよ、どうなの」という思い切り押して押して聴かせるところが徹底している。そして5万人が彼女1人を凝視する。5万人に凝視されているという感覚はどんなものなのだろう。
プログラムは大きく4つのセクションに分けられる。最初が「ロック」、続いて「パッション」、さらに「ファッショニスタ」、最後が「ソウル」だ。(下記セットリスト参照)そのたびごとにセリーヌは衣装を変える。大変よく練られた構成、演出だ。通常のバンドのほかに10人程度のダンサーがところ狭しと踊る。音数が多い曲の場合(ちょっとロック調の曲など)は、さすがにドームだけに音がワンワンして厳しいものがあったが、シンプルなバラードものは、セリーヌの声が東京ドーム中に響き渡る感じで圧巻だった。ヒット曲も多数あり、2時間弱のライヴは概ね好意的に見られることだろう。
「ア・ワールド・トゥ・ビリーヴ・イン」では伊藤由奈がでてきて、セリーヌと一緒に歌ったが堂々としていて感心した。きっと、彼女にとってはこの5万人の前で歌ったことがまたまた大きな自信になるだろう。すでに大いなる自信を持ち、それを存分に見せつけたセリーヌ。そして、このコラボによってこれから大いなる自信を持つであろう伊藤由奈。東京ドームのステージの上で、伊藤由奈はセリーヌから「自信」というバトンを受け継いだかもしれない。新旧の「自信」がスパークした瞬間だ。
個人的には、「ソウル」のシーンでいくつかソウル・ヒットがメドレー形式で歌われたのだが(下記セットリストで22から24)、どれもぜんぜんソウルっぽくなくておもしろかった。
■ コンプリート・ベストhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00127ISN6/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■セットリスト
Setlist : Celine Dion @ Tokyo Dome, March 8, 2008
“Taking Chances” Tour Setlist
show started around 19:20
“ROCK”
01. Open Video
02. I Drove All Night [Cyndi Lauper]
03. I Got The Music In Me [Kiki Dee]
04. The Power Of Love
05. Taking Chances
06. It’s All Coming Back To Me
07. Because You Loved Me
08. To Love You More
“PASSION”
09. Musical Spanish Segue
10. Eyes On Me
11. All By Myself [Eric Carmen]
“FASHIONISTA”
12. Musical Intro (Remix)
13. I’m Alive
14. Shadow Of Love (New)
15. Fade Away (New)
16. I’m Your Angel (duet with male singer)
17. Alone
18. Pour Que Tu M’aimes Encore
19. A World To Believe In (duet with Ito Yuna)
20. Tribute to Queen section: We Will Rock You
21. Show Must Go On
“SOUL”
22. Band Jams Medley : Sex Machine - Soul Man - Lady Marmalade - Sir Duke - Respect -
23. I Got The Feelin’ [James Brown]
24. It’s A Man’s Man’s Man’s World [James Brown]
25. That’s Just The Woman In Me
26. Love Can Move Mountains
27. River Deep Mountain High [Ike & Tina Turner]
Encore. My Heart Will Go On
Show ended 21:02
(2008年3月8日土曜、東京ドーム=セリーヌ・ディオン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Dion, Celine
2008-34
【セリーヌ・ディオン・ライヴ】
自信。
東京ドームで2日、9年ぶりのセリーヌのライヴ。前回同様ステージをアリーナの中央に持ってきて、東西南北どちらに向けても歌う。舞台下からのせりあがりが上がったり、下がったりしてミュージシャンやシンガーたちを動かす。ほぼ正方形のステージの上にはテレビモニター数台とスクリーン。最近多くの大規模ライヴがそうであるように、映像と音楽のリンクが次々と押し寄せ、見る側を飽きさせない。
ナンバーワン・ディーヴァとしての自信をもった堂々とした歌いっぷり。特に熱唱系は、「どうよ、どうなの」という思い切り押して押して聴かせるところが徹底している。そして5万人が彼女1人を凝視する。5万人に凝視されているという感覚はどんなものなのだろう。
プログラムは大きく4つのセクションに分けられる。最初が「ロック」、続いて「パッション」、さらに「ファッショニスタ」、最後が「ソウル」だ。(下記セットリスト参照)そのたびごとにセリーヌは衣装を変える。大変よく練られた構成、演出だ。通常のバンドのほかに10人程度のダンサーがところ狭しと踊る。音数が多い曲の場合(ちょっとロック調の曲など)は、さすがにドームだけに音がワンワンして厳しいものがあったが、シンプルなバラードものは、セリーヌの声が東京ドーム中に響き渡る感じで圧巻だった。ヒット曲も多数あり、2時間弱のライヴは概ね好意的に見られることだろう。
「ア・ワールド・トゥ・ビリーヴ・イン」では伊藤由奈がでてきて、セリーヌと一緒に歌ったが堂々としていて感心した。きっと、彼女にとってはこの5万人の前で歌ったことがまたまた大きな自信になるだろう。すでに大いなる自信を持ち、それを存分に見せつけたセリーヌ。そして、このコラボによってこれから大いなる自信を持つであろう伊藤由奈。東京ドームのステージの上で、伊藤由奈はセリーヌから「自信」というバトンを受け継いだかもしれない。新旧の「自信」がスパークした瞬間だ。
個人的には、「ソウル」のシーンでいくつかソウル・ヒットがメドレー形式で歌われたのだが(下記セットリストで22から24)、どれもぜんぜんソウルっぽくなくておもしろかった。
■ コンプリート・ベストhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00127ISN6/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■セットリスト
Setlist : Celine Dion @ Tokyo Dome, March 8, 2008
“Taking Chances” Tour Setlist
show started around 19:20
“ROCK”
01. Open Video
02. I Drove All Night [Cyndi Lauper]
03. I Got The Music In Me [Kiki Dee]
04. The Power Of Love
05. Taking Chances
06. It’s All Coming Back To Me
07. Because You Loved Me
08. To Love You More
“PASSION”
09. Musical Spanish Segue
10. Eyes On Me
11. All By Myself [Eric Carmen]
“FASHIONISTA”
12. Musical Intro (Remix)
13. I’m Alive
14. Shadow Of Love (New)
15. Fade Away (New)
16. I’m Your Angel (duet with male singer)
17. Alone
18. Pour Que Tu M’aimes Encore
19. A World To Believe In (duet with Ito Yuna)
20. Tribute to Queen section: We Will Rock You
21. Show Must Go On
“SOUL”
22. Band Jams Medley : Sex Machine - Soul Man - Lady Marmalade - Sir Duke - Respect -
23. I Got The Feelin’ [James Brown]
24. It’s A Man’s Man’s Man’s World [James Brown]
25. That’s Just The Woman In Me
26. Love Can Move Mountains
27. River Deep Mountain High [Ike & Tina Turner]
Encore. My Heart Will Go On
Show ended 21:02
(2008年3月8日土曜、東京ドーム=セリーヌ・ディオン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Dion, Celine
2008-34
△2 Up Coming Gospel Choir Live
2008年3月10日【ゴスペル・ライヴ2本】
告知。
ゴスペル関係のライヴ2本の告知。
まず1本目は、来週月曜(2008年3月17日)に目黒ブルース・アレーで行われる「ヘヴンリー・クワイアー〜ラター・レイン・クリスチャン・フェローシップ教会聖歌隊」。このラター・レイン聖歌隊は、アメリカ東部コネチカット州にあるラター・レイン・クリスチャン・フェローシップ教会を本拠にするクワイアー(聖歌隊)。これまでにも何度か来日して、教会関係のイヴェント・ライヴなどに出演している。同聖歌隊は、コネチカット州のゴスペル・ミュージック・アワードで1990年と1998年に「クワイアー・オブ・ジ・イヤー」に輝いているという本格派。
ブルース・アレーにも2004年に登場し、そのときは大きな話題を集めたという。バンドを含め約12人がオンステージに登場し、圧倒的な迫力でゴスペルを歌う。海外からのゴスペル・クワイアーだと、比較的大箱のホールで行われることが多いが、こうしたライヴハウスで行われることは珍しいので、ゴスペル系好きの音楽ファンは足を運ばれてはいかがだろうか。
■ Heavenly Choir : Latter Rain Christian Fellowship Church
2008年3月17日(月) 18時半、21時半(入替制)前売り券6000円
チケット予約・問い合わせなど 目黒ブルースアレー 03-5740-6041
http://www.bluesalley.co.jp
+++++
2本目は「トゥルー・プレイズ・グループ」という東京・浅草を本拠に活動を続ける日本のゴスペル・クワイアーのライヴ。上野公園「水上音楽堂」で行われるもので、こちらは入場料が500円というもの。この「トゥルー・プレイズ・グループ」は日本在住のレイモンド・ルイスさんがディレクターを勤めるゴスペル・クワイアーで、2003年に結成された。いくつかその支部があり、「トゥルー・プレイズ浅草」のほかに、「トゥルー・プレイズ浦安」、「トゥルー・プレイズ横浜」などもある。スペシャルMCにアレックス・イーズリー、他にジェレマイア・トラスティーなども参加する。「気軽にゴスペルを楽しみにきてください」と主催者。またレイモンドさんは、一般の人に、東京ホープチャペル(東京都台東区)で毎週火曜日夜にゴスペルを教えるゴスペル教室も開いている。
■ Spring Gospel Live: True Praise! Group
2008年4月12日(土) 14時30分〜16時 入場料 500円
場所 上野公園「水上音楽堂」 雨天決行
問い合わせ先 主催 東京ホープチャペル内 ゴスペルを歌う会
way@hopechapel.jjp 電話 03-3845-1533 ファクス 03-3845-1337
http://www.truepraise21.com
EVENT>ANNOUNCEMENT>Gospel
告知。
ゴスペル関係のライヴ2本の告知。
まず1本目は、来週月曜(2008年3月17日)に目黒ブルース・アレーで行われる「ヘヴンリー・クワイアー〜ラター・レイン・クリスチャン・フェローシップ教会聖歌隊」。このラター・レイン聖歌隊は、アメリカ東部コネチカット州にあるラター・レイン・クリスチャン・フェローシップ教会を本拠にするクワイアー(聖歌隊)。これまでにも何度か来日して、教会関係のイヴェント・ライヴなどに出演している。同聖歌隊は、コネチカット州のゴスペル・ミュージック・アワードで1990年と1998年に「クワイアー・オブ・ジ・イヤー」に輝いているという本格派。
ブルース・アレーにも2004年に登場し、そのときは大きな話題を集めたという。バンドを含め約12人がオンステージに登場し、圧倒的な迫力でゴスペルを歌う。海外からのゴスペル・クワイアーだと、比較的大箱のホールで行われることが多いが、こうしたライヴハウスで行われることは珍しいので、ゴスペル系好きの音楽ファンは足を運ばれてはいかがだろうか。
■ Heavenly Choir : Latter Rain Christian Fellowship Church
2008年3月17日(月) 18時半、21時半(入替制)前売り券6000円
チケット予約・問い合わせなど 目黒ブルースアレー 03-5740-6041
http://www.bluesalley.co.jp
+++++
2本目は「トゥルー・プレイズ・グループ」という東京・浅草を本拠に活動を続ける日本のゴスペル・クワイアーのライヴ。上野公園「水上音楽堂」で行われるもので、こちらは入場料が500円というもの。この「トゥルー・プレイズ・グループ」は日本在住のレイモンド・ルイスさんがディレクターを勤めるゴスペル・クワイアーで、2003年に結成された。いくつかその支部があり、「トゥルー・プレイズ浅草」のほかに、「トゥルー・プレイズ浦安」、「トゥルー・プレイズ横浜」などもある。スペシャルMCにアレックス・イーズリー、他にジェレマイア・トラスティーなども参加する。「気軽にゴスペルを楽しみにきてください」と主催者。またレイモンドさんは、一般の人に、東京ホープチャペル(東京都台東区)で毎週火曜日夜にゴスペルを教えるゴスペル教室も開いている。
■ Spring Gospel Live: True Praise! Group
2008年4月12日(土) 14時30分〜16時 入場料 500円
場所 上野公園「水上音楽堂」 雨天決行
問い合わせ先 主催 東京ホープチャペル内 ゴスペルを歌う会
way@hopechapel.jjp 電話 03-3845-1533 ファクス 03-3845-1337
http://www.truepraise21.com
EVENT>ANNOUNCEMENT>Gospel
(若干ネタばれがありますが、お読みになってから映画をごらんになると理解の手助けになるかもしれません)
【映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』】
ブルーベリー。
オープニングからニューヨークの夜景にノラ・ジョーンズの「ザ・ストーリー」が流れる。ウォン・カーウァイ監督初英語作品、ノラ・ジョーンズ初映画主演作『マイ・ブルーベリー・ナイツ』。
主人公はニューヨークに住む女性エリザベス(ノラ・ジョーンズ)。ちょうど彼氏に新しい彼女ができて振られてしまった。近くのカフェに出入りするようになった彼女は、その失恋の思いを断ち切るために、旅に出る。旅先から彼女はそのカフェのオウナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)に絵葉書を送り始める。彼女が立ち寄ったメンフィスとラスヴェガスで、同じく「別れ」を体験した女たちと出会う。5603マイルにおよぶ旅の結果、彼女が思い始めたことは…。
全体的なトーンは、エリザベスが旅をして、そこでいくつかの出会いと別れを体験する、一種のロードムーヴィー的なものだ。しかし監督は、これはロードムーヴィーではないという。人物設定、状況設定がなかなかいいと思う。大きく分けてニューヨーク、メンフィス、ラスヴェガスでの物語が語られる。
いつまでもキープされている家の鍵、その鍵すべてに物語がある。必ず売れ残るブルーベリー・パイ、アルコール中毒の男、その元妻、父親と断絶し人を信じないギャンブラーの娘…。そして、いつ来るかもわからぬ絵葉書を待ち続けるカフェのオウナー。それぞれの悩みと心の葛藤が淡々と描かれる。
僕は個人的にはメンフィスの行き詰っているアルコール中毒の警察官とその年の離れた若い元妻の夫婦の物語がよかった。そのすれ違いぶりと、男のダメさ加減に心を打たれた。どうしようも解決策がなく、行き場もなく、どんどんと泥沼にはまっていくそのせつなさがよく描けている。アルコール中毒の警察官を演じるのはデイヴィッド・ストラザーン、その元妻役はレイチェル・ワイズだ。それに比べるとラスヴェガスでのギャンブラーの娘(ナタリー・ポートマン)の物語は、ナタリーがいい味をだしていただけに、脚本次第でもう少し深みを付けられたと思う。
全体的にけだるい空気を演出しているが、流れる音楽もまったりして映像に完璧にフィットしている。逆に、そこからぱっと浮き上がる楽曲もある。オーティス・レディングの「トライ・ア・リトル・テンダーネス」などは、メンフィスのシーンで流れるが、実にいい形で使われた。そこに、ルース・ブラウンの「ルッキング・バック」が交互に流れ、実に印象深い。
その後、サントラを聴きながら、じっくり訳詩を読んでいたら、あることに気が付いた。実はこの「トライ…」は警察官の、そして「ルッキング・バック」がその妻の心情を歌った歌なのだ。2人のシーンで何度か使われる。
「トライ…」は、オーティスが歌う実に物悲しい作品。「彼女は落ち込んでいるかもしれない。若い子たちはみな落ち込むものだ。だが女の子が落ち込んでいたら、ひとかけらのやさしさをプレゼントするといい」と歌う。妻が出て行ってしまっている情けない男の心情とオーティスの悲しげな歌声が見事に重なる。彼は妻と会うとすぐに言い争いになってしまい、やさしい言葉をかけられない。
一方、「ルッキング・バック」はその年上の夫に愛想をつかしている妻の「テーマ」的曲。「この人生を振り返れば、あなたを苦しめたことを思い出す。でも、もう決して同じ過ちは犯さない。過去を振り返れば、愛が憎しみに変わったことを思い出す」 映画ではこれらの曲の訳詩字幕がでてこないのだが、ふたりの気持ちと楽曲がどんぴしゃなので、そのあたりを意識してごらんになると、それらのシーンをより深く楽しめると思う。
エリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、自分探しに出たのだが、もちろんそれは別の言葉で言えば彼女のソウル・サーチンの旅でもあった。ノラの演技だが、この映画にはひじょうにフィットしたキャラクターを無難に演じた。初映画作品として十分だろう。彼女をこの主役にもってきたウォン・カーウァイ監督の手腕ともいえる。こういう役柄に彼女がぴったりという感じだ。アカデミーにノミネートされることはないと思うが。(笑)
おそらくこの映画を見たら、サントラが欲しくなるだろう。そして、サントラを聴きこんで訳詩などを頭にいれてから映画を見るのもいい。映画全体のトーンを「せつない」という言葉でまとめるとすれば、このサントラの音もせつなくていい。そして、「せつない」を求める人にはうってつけの作品だ。あと、ルイ・ヴィトンとのタイアップが超強力!(笑)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00118YOG6/soulsearchiho-22/ref=nosim/
映画オフィシャルサイト 2008年3月22日(土)から全国ロードショウ
http://www.blueberry-movie.com/
余談だが、実はこの映画を見ていて、かつてこのブログで書いた「シリー・ラヴ・レターズ」という物語を思い出した。
August 15, 2006
Silly Love Letters: Postcards Of Summer of 87 (Part 1 of 2 Parts)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200608/2006_08_15.html
August 16, 2006
Silly Love Letters: Postcards Of Summer of 87 (Part 2 of 2 Parts)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_08_16.html
そして、この物語を映画化するなら、ウォン・カーウァイに頼みたいと思った。やってくれるかなあ。(笑)
ENT>MOVIE>My Blueberry Nights
【映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』】
ブルーベリー。
オープニングからニューヨークの夜景にノラ・ジョーンズの「ザ・ストーリー」が流れる。ウォン・カーウァイ監督初英語作品、ノラ・ジョーンズ初映画主演作『マイ・ブルーベリー・ナイツ』。
主人公はニューヨークに住む女性エリザベス(ノラ・ジョーンズ)。ちょうど彼氏に新しい彼女ができて振られてしまった。近くのカフェに出入りするようになった彼女は、その失恋の思いを断ち切るために、旅に出る。旅先から彼女はそのカフェのオウナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)に絵葉書を送り始める。彼女が立ち寄ったメンフィスとラスヴェガスで、同じく「別れ」を体験した女たちと出会う。5603マイルにおよぶ旅の結果、彼女が思い始めたことは…。
全体的なトーンは、エリザベスが旅をして、そこでいくつかの出会いと別れを体験する、一種のロードムーヴィー的なものだ。しかし監督は、これはロードムーヴィーではないという。人物設定、状況設定がなかなかいいと思う。大きく分けてニューヨーク、メンフィス、ラスヴェガスでの物語が語られる。
いつまでもキープされている家の鍵、その鍵すべてに物語がある。必ず売れ残るブルーベリー・パイ、アルコール中毒の男、その元妻、父親と断絶し人を信じないギャンブラーの娘…。そして、いつ来るかもわからぬ絵葉書を待ち続けるカフェのオウナー。それぞれの悩みと心の葛藤が淡々と描かれる。
僕は個人的にはメンフィスの行き詰っているアルコール中毒の警察官とその年の離れた若い元妻の夫婦の物語がよかった。そのすれ違いぶりと、男のダメさ加減に心を打たれた。どうしようも解決策がなく、行き場もなく、どんどんと泥沼にはまっていくそのせつなさがよく描けている。アルコール中毒の警察官を演じるのはデイヴィッド・ストラザーン、その元妻役はレイチェル・ワイズだ。それに比べるとラスヴェガスでのギャンブラーの娘(ナタリー・ポートマン)の物語は、ナタリーがいい味をだしていただけに、脚本次第でもう少し深みを付けられたと思う。
全体的にけだるい空気を演出しているが、流れる音楽もまったりして映像に完璧にフィットしている。逆に、そこからぱっと浮き上がる楽曲もある。オーティス・レディングの「トライ・ア・リトル・テンダーネス」などは、メンフィスのシーンで流れるが、実にいい形で使われた。そこに、ルース・ブラウンの「ルッキング・バック」が交互に流れ、実に印象深い。
その後、サントラを聴きながら、じっくり訳詩を読んでいたら、あることに気が付いた。実はこの「トライ…」は警察官の、そして「ルッキング・バック」がその妻の心情を歌った歌なのだ。2人のシーンで何度か使われる。
「トライ…」は、オーティスが歌う実に物悲しい作品。「彼女は落ち込んでいるかもしれない。若い子たちはみな落ち込むものだ。だが女の子が落ち込んでいたら、ひとかけらのやさしさをプレゼントするといい」と歌う。妻が出て行ってしまっている情けない男の心情とオーティスの悲しげな歌声が見事に重なる。彼は妻と会うとすぐに言い争いになってしまい、やさしい言葉をかけられない。
一方、「ルッキング・バック」はその年上の夫に愛想をつかしている妻の「テーマ」的曲。「この人生を振り返れば、あなたを苦しめたことを思い出す。でも、もう決して同じ過ちは犯さない。過去を振り返れば、愛が憎しみに変わったことを思い出す」 映画ではこれらの曲の訳詩字幕がでてこないのだが、ふたりの気持ちと楽曲がどんぴしゃなので、そのあたりを意識してごらんになると、それらのシーンをより深く楽しめると思う。
エリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、自分探しに出たのだが、もちろんそれは別の言葉で言えば彼女のソウル・サーチンの旅でもあった。ノラの演技だが、この映画にはひじょうにフィットしたキャラクターを無難に演じた。初映画作品として十分だろう。彼女をこの主役にもってきたウォン・カーウァイ監督の手腕ともいえる。こういう役柄に彼女がぴったりという感じだ。アカデミーにノミネートされることはないと思うが。(笑)
おそらくこの映画を見たら、サントラが欲しくなるだろう。そして、サントラを聴きこんで訳詩などを頭にいれてから映画を見るのもいい。映画全体のトーンを「せつない」という言葉でまとめるとすれば、このサントラの音もせつなくていい。そして、「せつない」を求める人にはうってつけの作品だ。あと、ルイ・ヴィトンとのタイアップが超強力!(笑)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00118YOG6/soulsearchiho-22/ref=nosim/
映画オフィシャルサイト 2008年3月22日(土)から全国ロードショウ
http://www.blueberry-movie.com/
余談だが、実はこの映画を見ていて、かつてこのブログで書いた「シリー・ラヴ・レターズ」という物語を思い出した。
August 15, 2006
Silly Love Letters: Postcards Of Summer of 87 (Part 1 of 2 Parts)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200608/2006_08_15.html
August 16, 2006
Silly Love Letters: Postcards Of Summer of 87 (Part 2 of 2 Parts)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_08_16.html
そして、この物語を映画化するなら、ウォン・カーウァイに頼みたいと思った。やってくれるかなあ。(笑)
ENT>MOVIE>My Blueberry Nights
●Manhattan Transfer Live
2008年3月12日【マンハッタン・トランスファー・ライヴ】
スタディー。
2007年6月のコンサート・ホール・ライヴ以来、9ヶ月ぶりの来日。ニューヨーク出身の超ヴェテラン・コーラス・グループ、マンハッタン・トランスファーのライヴは、ほとんどが「スイング・エラ」(1930年代から40年代までの時代)、あるいは1955年ロックン・ロール誕生以前の昔のヒット曲の焼き直しだ。それを独自の方法で、彼らなりに味付けして聴かせる。ほとんどの曲は、昔のヒットといっても、普通にはなじみがない曲ばかりだから、新曲を聴いているかのように思える。いくつかはオリジナルを知っていたり、彼らの解説で古いオリジナルを探したりということもする。それにしても冒頭から、こんなに難しい曲をよくさらっとやるな、という印象。技術的には世界の超一流。
客層もさすがに年齢が高く、1980年ごろに彼らの音楽に親しんだ人たちが、昔を懐かしんでやってきたのだろうか。あるいは、コーラスをやる人たちも勉強がてらやってきているかもしれない。
今回はさすがにわからない曲が2−3あって、ライヴ終了後にステージ脇で片付けをしていたキーボード奏者ヤロン・ガジョブスキーに頼んで1枚セットリストをもらった。このセットリストも曲名が単語だけのものもあり、完全な曲目に書き直し、さらにオリジナルを探した。これがけっこう大変で、探してみると、彼らが実に芳醇なアメリカン・ミュージックのヒストリーを包括して勉強していることがよくわかる。もともと古いスタンダードを歌いセンセーショナルにデビューしただけに、レパートリーは膨大だ。彼らのライヴを見ると、いつもアメリカ音楽の授業を実際に生で聴いているかのような錯覚に陥る。別に勉強しにくる必要などまったくなく、ただ楽しめばいいのだが。(笑)
個人的にはやはり5曲目の「ドューク・オブ・デュブーク」(1985年のアルバム『ボップ・ドゥワップ』に収録)のアカペラなどが気に入った。4人でのコーラス・ハーモニーは抜群で、このヴォーカル・ハーモニーで30年以上一線で活躍してきたのは当然と言えば当然。
途中でシェリルのソロとアランのソロがあった。それぞれキャロル・キング、サム・クックの歌を歌う。アランが「サム・クック、好きな人はいるかな」と尋ねるとひとりから「イエー」の声が。そして、「センチメンタル…」がしっとりと歌われた。
ただマンハッタン・トランスファーといえば、「トワイライト・ゾーン」や「ボーイ・フロム・ニューヨーク・シティー」あたりのイメージが強い。そのあたりの定番曲なしにやると、若干物足りなさを感じるのも事実。もう2−3曲、なじみの曲を後半にでももってくると、かなり日本的に盛り上がるような気はする。
それにしても、4人とも早口で滑舌いい。そして、4人ともみんな仲良し。そんないい雰囲気は会場にも伝わっている。
■ 過去関連記事
2003/11/13 (Thu)
Mama Is Always On The Stage
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200311/diary20031113.html
2003/11/14 (Fri)
How Would 8 Year-Old Boy See Manhattan Transfer?
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20031114.html
■ メンバー
=マンハッタン・トランスファー=
ティム・ハウザー/Tim Hauser(Vocals)
ジャニス・シーゲル/Janis Siegel(Vocals)
アラン・ポール/Alan Paul(Vocals)
シェリル・ベンティーン/Cheryl Bentyne(Vocals)
=バックバンド=
ヤロン・ガショブスキーYaron Gershovsky(Music Director/Piano)
クライブ・レンディッチClive Lendich(Guitar)
ジョン・ビー・ウィリアムス/John B. Williams(Bass)
ステーヴン・ハス/Steven Hass(Drums)
■ ビルボード・ライヴ
http://www.billboard-live.com/pg/shop/index.php?mode=top&shop=1
東京は2008年3月15日(土)まで、その後、大阪、福岡も。
■セットリスト マンハッタン・トランスファー
Setlist : Manhattan Transfer @ Billboard Live Tokyo, March 11, 2008
[ ] indicates original artists
Show started 21:33
01. The Offbeat Of Avenues
02. 10 Minutes Till The Savages Come
03. Moten Swing [Count Basie]
04. Java Jive [Ink Spots]
05. Duke Of Dubuque [Mills Brothers]
06. A-Tisket, A-Tasket [Ella Fitzgerald]
07. (It’s Good Enough To Keep) Airmail Special [Ella Fitzgerald]
08. Will You Still Love Me Tomorrow [Carol King] (Cheryl solo)
09. I Love You Sentimental Reason [Sam Cooke] (Alan solo)
10. Tutu [Miles Davis]
11. Greek Song [Rufus Wainwright]
12. That’s Killer Joe [Quincy Jones]
13. Trickle Trickle [Videos]
14. Birdland [Joe Zawinul, Weather Report]
Enc. Choo Choo Ch’boogie [Louis Jordan]
End theme
Show ended 22:44
(2008年3月11日月曜、ビルボード・ライヴ東京=マンハッタン・トランスファー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Manhattan Transfer
2008-34
スタディー。
2007年6月のコンサート・ホール・ライヴ以来、9ヶ月ぶりの来日。ニューヨーク出身の超ヴェテラン・コーラス・グループ、マンハッタン・トランスファーのライヴは、ほとんどが「スイング・エラ」(1930年代から40年代までの時代)、あるいは1955年ロックン・ロール誕生以前の昔のヒット曲の焼き直しだ。それを独自の方法で、彼らなりに味付けして聴かせる。ほとんどの曲は、昔のヒットといっても、普通にはなじみがない曲ばかりだから、新曲を聴いているかのように思える。いくつかはオリジナルを知っていたり、彼らの解説で古いオリジナルを探したりということもする。それにしても冒頭から、こんなに難しい曲をよくさらっとやるな、という印象。技術的には世界の超一流。
客層もさすがに年齢が高く、1980年ごろに彼らの音楽に親しんだ人たちが、昔を懐かしんでやってきたのだろうか。あるいは、コーラスをやる人たちも勉強がてらやってきているかもしれない。
今回はさすがにわからない曲が2−3あって、ライヴ終了後にステージ脇で片付けをしていたキーボード奏者ヤロン・ガジョブスキーに頼んで1枚セットリストをもらった。このセットリストも曲名が単語だけのものもあり、完全な曲目に書き直し、さらにオリジナルを探した。これがけっこう大変で、探してみると、彼らが実に芳醇なアメリカン・ミュージックのヒストリーを包括して勉強していることがよくわかる。もともと古いスタンダードを歌いセンセーショナルにデビューしただけに、レパートリーは膨大だ。彼らのライヴを見ると、いつもアメリカ音楽の授業を実際に生で聴いているかのような錯覚に陥る。別に勉強しにくる必要などまったくなく、ただ楽しめばいいのだが。(笑)
個人的にはやはり5曲目の「ドューク・オブ・デュブーク」(1985年のアルバム『ボップ・ドゥワップ』に収録)のアカペラなどが気に入った。4人でのコーラス・ハーモニーは抜群で、このヴォーカル・ハーモニーで30年以上一線で活躍してきたのは当然と言えば当然。
途中でシェリルのソロとアランのソロがあった。それぞれキャロル・キング、サム・クックの歌を歌う。アランが「サム・クック、好きな人はいるかな」と尋ねるとひとりから「イエー」の声が。そして、「センチメンタル…」がしっとりと歌われた。
ただマンハッタン・トランスファーといえば、「トワイライト・ゾーン」や「ボーイ・フロム・ニューヨーク・シティー」あたりのイメージが強い。そのあたりの定番曲なしにやると、若干物足りなさを感じるのも事実。もう2−3曲、なじみの曲を後半にでももってくると、かなり日本的に盛り上がるような気はする。
それにしても、4人とも早口で滑舌いい。そして、4人ともみんな仲良し。そんないい雰囲気は会場にも伝わっている。
■ 過去関連記事
2003/11/13 (Thu)
Mama Is Always On The Stage
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200311/diary20031113.html
2003/11/14 (Fri)
How Would 8 Year-Old Boy See Manhattan Transfer?
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20031114.html
■ メンバー
=マンハッタン・トランスファー=
ティム・ハウザー/Tim Hauser(Vocals)
ジャニス・シーゲル/Janis Siegel(Vocals)
アラン・ポール/Alan Paul(Vocals)
シェリル・ベンティーン/Cheryl Bentyne(Vocals)
=バックバンド=
ヤロン・ガショブスキーYaron Gershovsky(Music Director/Piano)
クライブ・レンディッチClive Lendich(Guitar)
ジョン・ビー・ウィリアムス/John B. Williams(Bass)
ステーヴン・ハス/Steven Hass(Drums)
■ ビルボード・ライヴ
http://www.billboard-live.com/pg/shop/index.php?mode=top&shop=1
東京は2008年3月15日(土)まで、その後、大阪、福岡も。
■セットリスト マンハッタン・トランスファー
Setlist : Manhattan Transfer @ Billboard Live Tokyo, March 11, 2008
[ ] indicates original artists
Show started 21:33
01. The Offbeat Of Avenues
02. 10 Minutes Till The Savages Come
03. Moten Swing [Count Basie]
04. Java Jive [Ink Spots]
05. Duke Of Dubuque [Mills Brothers]
06. A-Tisket, A-Tasket [Ella Fitzgerald]
07. (It’s Good Enough To Keep) Airmail Special [Ella Fitzgerald]
08. Will You Still Love Me Tomorrow [Carol King] (Cheryl solo)
09. I Love You Sentimental Reason [Sam Cooke] (Alan solo)
10. Tutu [Miles Davis]
11. Greek Song [Rufus Wainwright]
12. That’s Killer Joe [Quincy Jones]
13. Trickle Trickle [Videos]
14. Birdland [Joe Zawinul, Weather Report]
Enc. Choo Choo Ch’boogie [Louis Jordan]
End theme
Show ended 22:44
(2008年3月11日月曜、ビルボード・ライヴ東京=マンハッタン・トランスファー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Manhattan Transfer
2008-34
■John Legend Live@ Blue Note
2008年3月13日【ジョン・レジェンド・ライヴ】
タッチ。
そりゃあ、前回国際フォーラムA(収容人数5000人)をいっぱいにしているアーティストなんだから、ブルーノート(300人x4回)のキャパではあっという間に売り切れる。ということで、始まる前から異様な熱気。満席公演いつもながらの開演押し、そして、階段までお客さんがぎっしりだ。いつものブルーノートの客層とは違う若い層が多い。2005年5月の初来日以来毎年やってきて今回は2007年1月以来通算4度目の来日公演。
バンドメンバー(ドラムス、ギター、キーボード2、ベース、ホーン3、コーラス3=計11人)が位置につき、イントロをやりだすとさっそうとジョン・レジェンド登場。その瞬間、大歓声。前回の国際フォーラムでのライヴが会場が大きすぎたせいか、あるいは音響が悪かったせいか、いまひとつの印象があったが、さすがにこれだけ小さい箱だと、一体感がある。ブルーノートにしてはかなり音が大きいが、バンドのホーン・セクションもコーラス隊も、アップテンポの曲では振り付けをして動く。
しかし下記セットリストをごらんになるとわかるように、ほとんどメジャー第1弾アルバム『ゲット・リフテッド』と続く『ワンス・アゲイン』からの作品。どれもなかなかいい楽曲で、これだけいい曲が書けるとやはり売れるのかという感じを持った。1960年代風の「セイヴ・ルーム」とか、「PDA」に「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」などを入れ込んで歌うあたり、昔ながらのソウル好きの心をくすぐる。
黒の上下に黒のTシャツという黒尽くめで、時にピアノを弾きながら、時に立って歌うジョン・レジェンド。「スロー・ダンス」ではその名の通り、客席から女の子をひとりピックアップして、ステージで一緒にスロー・ダンスを踊り、観客からやんやの喝采を浴びた。
前回ライヴのセットリストを見返すと、ほぼ同じ構成だが、やはりハイライトは、ジョンが弾き語りでしっとりと歌った「オーディナリー・ピープル」。バランスのあまりよくないバンド・サウンドより、音数の少ない弾き語り系の曲が圧倒的に心に響く。
本編が終わって一度退場するときに、目の前を通ったジョンに手を出すと、タッチしてくれた。
■ 『ワンス・アゲイン』[Once Again – 2006]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000Q6GW6E/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ 『ゲット・リフテッド』[Get Lifted - 2005]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0006TPIA2/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ ジョン・レジェンド過去関連記事
ジョン・レジェンド(毎日新聞)
http://mainichi.jp/enta/music/news/20080221dde012070032000c.html
January 12, 2007
John Legend Live: Songwriters Showcase
http://blog.soulsearchin.com/archives/001512.html
前回(3回目)ライヴ評
May 30, 2006
John Legend: MTV Pre-Show
http://blog.soulsearchin.com/archives/001044.html
2回目の来日ライヴ評
2005/03/18 (Fri)
John Legend: New Legend Of R&B
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200503/diary20050318.html
ジョン・レジェンドの紹介
May 08, 2005
After The Rain: Ai & John Legend Sing
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_05_08.html
初来日ライヴ評
May 09, 2005
John Legend: New Preacher Of Soul Focused On Passage Of Soul
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200505/2005_05_09.html
初来日ライヴ評
■ メンバー
ジョン・レジェンド(ヴォーカル、ピアノ) John Legend(vo,p)
ジェシカ・ウィルソン(ヴォーカル) Jessyca Wilson(vo)
ヴォーン・スティーヴンス(ヴォーカル)Vaughn Stephens(vo)
スティーブン・ティルパック(トランペット)Stephen Tirpak(tp)
アレン・アーサー(サックス) Allen Arthur(sax)
アーロン・グッド(トロンボーン) Aaron Goode(tb)
ユージン・ロバーツ(ピアノ、キーボード) Eugene Roberts(p,key)
ジョシュア・ヴァロー(オルガン、キーボード) Joshua Valleau(organ,key)
ケネス・ライト(ベース) Kenneth Wright(b)
マシュー・ホブレイ(ギター) Matthew Hobley(g)
クリス・フルエック(ドラムス) Chris Flueck(ds)
■セットリスト
Setlist : John Legend @ Blue Note Tokyo, March 12, 2008
セットリスト ジョン・レジェンド
[ ] indicates album
show started 21:49
01. Intro (Maxine’s Interlude) [Once Again]
02. Do U Wanna Ride [Live]
03. Heaven [Once Again]
04. Stereo [Once Again]
05. Let’s Get Lifted [Get Lifted]
06. Alright [Get Lifted]
07. She Don’t Have To Know [Get Lifted]
08. Dance To The Music (Back Chorus Singers) [Sly & Family Stone]
09. Number One [Get Lifted]
10. Save Room [Once Again]
11. I Can Change [Get Lifted] / I Want You (She’s So Heavy) [Live]
12. Slow Dance [Once Again]
13. P.D.A.(We Just Don’t Care) / Rock Creek Park / Feel Like Making Love / P.D.A. .(We Just Don’t Care) [Once Again]
14. Used To Love U [Get Lifted]
15. Ordinary People [Get Lifted]
16. So High [Get Lifted]
Enc. Stay With You [Get Lifted]
Show ended 23:07
(2008年3月12日水曜、ブルーノート東京=ジョン・レジェンド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Legend, John
2008-36
タッチ。
そりゃあ、前回国際フォーラムA(収容人数5000人)をいっぱいにしているアーティストなんだから、ブルーノート(300人x4回)のキャパではあっという間に売り切れる。ということで、始まる前から異様な熱気。満席公演いつもながらの開演押し、そして、階段までお客さんがぎっしりだ。いつものブルーノートの客層とは違う若い層が多い。2005年5月の初来日以来毎年やってきて今回は2007年1月以来通算4度目の来日公演。
バンドメンバー(ドラムス、ギター、キーボード2、ベース、ホーン3、コーラス3=計11人)が位置につき、イントロをやりだすとさっそうとジョン・レジェンド登場。その瞬間、大歓声。前回の国際フォーラムでのライヴが会場が大きすぎたせいか、あるいは音響が悪かったせいか、いまひとつの印象があったが、さすがにこれだけ小さい箱だと、一体感がある。ブルーノートにしてはかなり音が大きいが、バンドのホーン・セクションもコーラス隊も、アップテンポの曲では振り付けをして動く。
しかし下記セットリストをごらんになるとわかるように、ほとんどメジャー第1弾アルバム『ゲット・リフテッド』と続く『ワンス・アゲイン』からの作品。どれもなかなかいい楽曲で、これだけいい曲が書けるとやはり売れるのかという感じを持った。1960年代風の「セイヴ・ルーム」とか、「PDA」に「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」などを入れ込んで歌うあたり、昔ながらのソウル好きの心をくすぐる。
黒の上下に黒のTシャツという黒尽くめで、時にピアノを弾きながら、時に立って歌うジョン・レジェンド。「スロー・ダンス」ではその名の通り、客席から女の子をひとりピックアップして、ステージで一緒にスロー・ダンスを踊り、観客からやんやの喝采を浴びた。
前回ライヴのセットリストを見返すと、ほぼ同じ構成だが、やはりハイライトは、ジョンが弾き語りでしっとりと歌った「オーディナリー・ピープル」。バランスのあまりよくないバンド・サウンドより、音数の少ない弾き語り系の曲が圧倒的に心に響く。
本編が終わって一度退場するときに、目の前を通ったジョンに手を出すと、タッチしてくれた。
■ 『ワンス・アゲイン』[Once Again – 2006]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000Q6GW6E/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ 『ゲット・リフテッド』[Get Lifted - 2005]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0006TPIA2/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ ジョン・レジェンド過去関連記事
ジョン・レジェンド(毎日新聞)
http://mainichi.jp/enta/music/news/20080221dde012070032000c.html
January 12, 2007
John Legend Live: Songwriters Showcase
http://blog.soulsearchin.com/archives/001512.html
前回(3回目)ライヴ評
May 30, 2006
John Legend: MTV Pre-Show
http://blog.soulsearchin.com/archives/001044.html
2回目の来日ライヴ評
2005/03/18 (Fri)
John Legend: New Legend Of R&B
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200503/diary20050318.html
ジョン・レジェンドの紹介
May 08, 2005
After The Rain: Ai & John Legend Sing
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_05_08.html
初来日ライヴ評
May 09, 2005
John Legend: New Preacher Of Soul Focused On Passage Of Soul
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200505/2005_05_09.html
初来日ライヴ評
■ メンバー
ジョン・レジェンド(ヴォーカル、ピアノ) John Legend(vo,p)
ジェシカ・ウィルソン(ヴォーカル) Jessyca Wilson(vo)
ヴォーン・スティーヴンス(ヴォーカル)Vaughn Stephens(vo)
スティーブン・ティルパック(トランペット)Stephen Tirpak(tp)
アレン・アーサー(サックス) Allen Arthur(sax)
アーロン・グッド(トロンボーン) Aaron Goode(tb)
ユージン・ロバーツ(ピアノ、キーボード) Eugene Roberts(p,key)
ジョシュア・ヴァロー(オルガン、キーボード) Joshua Valleau(organ,key)
ケネス・ライト(ベース) Kenneth Wright(b)
マシュー・ホブレイ(ギター) Matthew Hobley(g)
クリス・フルエック(ドラムス) Chris Flueck(ds)
■セットリスト
Setlist : John Legend @ Blue Note Tokyo, March 12, 2008
セットリスト ジョン・レジェンド
[ ] indicates album
show started 21:49
01. Intro (Maxine’s Interlude) [Once Again]
02. Do U Wanna Ride [Live]
03. Heaven [Once Again]
04. Stereo [Once Again]
05. Let’s Get Lifted [Get Lifted]
06. Alright [Get Lifted]
07. She Don’t Have To Know [Get Lifted]
08. Dance To The Music (Back Chorus Singers) [Sly & Family Stone]
09. Number One [Get Lifted]
10. Save Room [Once Again]
11. I Can Change [Get Lifted] / I Want You (She’s So Heavy) [Live]
12. Slow Dance [Once Again]
13. P.D.A.(We Just Don’t Care) / Rock Creek Park / Feel Like Making Love / P.D.A. .(We Just Don’t Care) [Once Again]
14. Used To Love U [Get Lifted]
15. Ordinary People [Get Lifted]
16. So High [Get Lifted]
Enc. Stay With You [Get Lifted]
Show ended 23:07
(2008年3月12日水曜、ブルーノート東京=ジョン・レジェンド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Legend, John
2008-36
▲Brenda Vaughn’s Third Her Own Live Gig
2008年3月14日【ブレンダ・ヴォーン・ライヴ満員御礼】
3度目。
東京レディー・ソウル・ナンバーワン、ブレンダ・ヴォーンの3度目のワンマン・ライヴ。回を増すごとに観客動員を増やし、今回はブルース・アレーが入り口横の楽屋スペースを開放して満席、プラス若干の立ち見まで出た。
今回はファーストは、少しゆったり目で始め、セカンドでいつもながらの盛り上がり系。ブレンダのハイエナジー・パフォーマンスを思い切り見せるには、ファースト1曲目からアップテンポでガツーンと行った方がいいかもしれない。アップ→ミディアム→スロー・ミディアム→スロー→アップといった構成だ。
オープニングはアンジェラ・ウィンブッシュの「エンジェル」。渋い! そして、5曲目の「オールライト」。前回もブレンダが歌ったが、彼女の友人レデシーの持ち歌だ。「毎回、少しずつアレンジを変えて歌っているの」とブレンダ。これ、彼女の持ち歌のようにさえ思えてくる。
そしてそれが終わりブレンダがひとりのかわいい日本人シンガーを紹介した。福原美穂(ふくはら・みほ)というシンガーで、なんとブレンダとともに「アメイジング・グレイス」を熱唱した。ブレンダと対等に歌うとはたいした度胸で、堂々とした歌いっぷりを見せた。北海道出身(1987年6月19日生まれ)のまだ20歳、ソニーから4月にデビューするという新人だ。声自体は黒っぽくはないが、この曲に関しては身振り手振りも交え、しっかりがんばっていた。ライヴ後少し話す機会があったが、まだあまりライヴはやっていないが、アレサ・フランクリン、スティーヴィーなどソウルが大好きだそうだ。これからどんどんライヴをやるといい。
今回はバンドのキーボードにSOSバンドのTCジェイソンを起用。それもあって、セカンドの1−2曲目はSOSの大ヒットで幕開けだ。これでセカンドは一気に熱くなった。今回の男性バックコーラスは、アンソニー・ベイリー。ハイヴォイスを自由自在に扱う歌巧者。彼とのデュエットが1曲あってもおもしろかったかも。バンドは若干ラフなところはあったが、それをブレンダのヴォーカルが補う。
ぐんぐん盛り上がったセカンドでの圧巻は、アル・グリーンの「レッツ・ステイ・トゥゲザー」さらにステファニー・ミルズの「フィール・ザ・ファイアー」。もうすっかりブレンダのものにしている。そしてお約束の、観客から男性客3人をステージにあげ、即席ピップスにしたてあげ、彼らにコーラスと振り付けを教え、「ニーザー・ワン・オブ・アス」のバックをやらせるコーナー。これが盛り上がる、盛り上がる。いつ見ても笑えて楽しい。もう「ブレンダのソウル・ショウ」定番だ。そして、アンコールは『ドリーム・ガールズ』からのショウ・ストッパー曲。これもブレンダにぴったりだ。
毎回いいライヴショウを見せれば、お客さんがリピートで来る。それはライヴの理想。今回は毎回ブレンダのライヴを見に来てくれるソウル愛好家安井さんの強い勧めで、わざわざ宮崎のソウルバーの方がこのブレンダのショウを見に来た。
■ 過去関連記事
December 21, 2007
Brenda Vaughn & Kanagawa Philharmonic Pops Orchestra
http://blog.soulsearchin.com/archives/002217.html
ブレンダ、神奈川フィルをバックに歌う
December 08, 2007
Big Thanks For Joining “Philly Soul Christmas Night In Ginza” (Part 1) : It Was So Hot…
http://blog.soulsearchin.com/archives/002185.html
ブレンダ『フィリー・ソウル・ナイト』に登場
October 12, 2007
Brenda Vaughn: Living On Purpose
http://blog.soulsearchin.com/archives/002077.html
ブレンダ2度目のソロ・ライヴ評
September 04, 2007
Brenda Vaughn’s Own Second Show Will Be In October
http://blog.soulsearchin.com/archives/001991.html
(ここにブレンダ関連過去記事一覧)
September 20, 2006
Brenda Vaughn: Lady Soul Is Here To Stay
http://blog.soulsearchin.com/archives/001273.html
【ブレンダ・ヴォーン・ソロ・ライヴ〜「レディー・ソウル」の語彙が蘇る】
ブレンダの初ソロ・ライヴ評
November 10, 2005
Brenda Vaughn Steal The Show
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200511/2005_11_10.html
ブレンダの「アメイジング・グレイス」に感動
■ メンバー
SOUL SINGER BRENDA VAUGHN〜Celebration of Love〜
(Vo)Brenda Vaughn (HAMMOND B-3/Key)TC Jason (B)Clifford Archer
(G)Pat Pryor (Ds)JR (Cho)Anthony Baily、Tynice Hinton
■セットリスト
Setlist : Brenda Vaughn @ Blues Alley, March 13, 2008
セットリスト ブレンダ・ヴォーン
[ ] denotes original artist
First set show started 19:44
01. Angel [Angel Winbush]
02. Everything Must Change [George Benson, Jene Carn]
03. No Ordinary Love [Sade]
04. For The Love Of You [Isley Brothers, Whitney Houston]
05. Alright [Ledesi]
06. Amazing Grace [Traditional] (with Fukuhara Miho)
07. Ain’t Nobody [Rufus/Chaka Kahn]
Show ended 20:42
Second set show started 21:21
01. Just Be Good To Me [SOS Band]
02. Take Your Time [SOS Band]
03. I Don’t Want Nobody Else [TC Jason]
04. Let’s Stay Together [Al Green]
05. Feel The Fire [Stephanie Mills, Peabo Bryson]
06. Neither One Of Us (Wants To Be The First To Say Goodby) [Gladys Knight & The Pips]
Enc.And I Am Telling You I’m Not Going [Jennifer Holiday, Jennifer Hudson]
Outro (Instrumental)
Show ended 22:30
(2008年3月13日木曜、目黒ブルース・アレー=ブレンダ・ヴォーン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Vaughn, Brenda
2008-37
3度目。
東京レディー・ソウル・ナンバーワン、ブレンダ・ヴォーンの3度目のワンマン・ライヴ。回を増すごとに観客動員を増やし、今回はブルース・アレーが入り口横の楽屋スペースを開放して満席、プラス若干の立ち見まで出た。
今回はファーストは、少しゆったり目で始め、セカンドでいつもながらの盛り上がり系。ブレンダのハイエナジー・パフォーマンスを思い切り見せるには、ファースト1曲目からアップテンポでガツーンと行った方がいいかもしれない。アップ→ミディアム→スロー・ミディアム→スロー→アップといった構成だ。
オープニングはアンジェラ・ウィンブッシュの「エンジェル」。渋い! そして、5曲目の「オールライト」。前回もブレンダが歌ったが、彼女の友人レデシーの持ち歌だ。「毎回、少しずつアレンジを変えて歌っているの」とブレンダ。これ、彼女の持ち歌のようにさえ思えてくる。
そしてそれが終わりブレンダがひとりのかわいい日本人シンガーを紹介した。福原美穂(ふくはら・みほ)というシンガーで、なんとブレンダとともに「アメイジング・グレイス」を熱唱した。ブレンダと対等に歌うとはたいした度胸で、堂々とした歌いっぷりを見せた。北海道出身(1987年6月19日生まれ)のまだ20歳、ソニーから4月にデビューするという新人だ。声自体は黒っぽくはないが、この曲に関しては身振り手振りも交え、しっかりがんばっていた。ライヴ後少し話す機会があったが、まだあまりライヴはやっていないが、アレサ・フランクリン、スティーヴィーなどソウルが大好きだそうだ。これからどんどんライヴをやるといい。
今回はバンドのキーボードにSOSバンドのTCジェイソンを起用。それもあって、セカンドの1−2曲目はSOSの大ヒットで幕開けだ。これでセカンドは一気に熱くなった。今回の男性バックコーラスは、アンソニー・ベイリー。ハイヴォイスを自由自在に扱う歌巧者。彼とのデュエットが1曲あってもおもしろかったかも。バンドは若干ラフなところはあったが、それをブレンダのヴォーカルが補う。
ぐんぐん盛り上がったセカンドでの圧巻は、アル・グリーンの「レッツ・ステイ・トゥゲザー」さらにステファニー・ミルズの「フィール・ザ・ファイアー」。もうすっかりブレンダのものにしている。そしてお約束の、観客から男性客3人をステージにあげ、即席ピップスにしたてあげ、彼らにコーラスと振り付けを教え、「ニーザー・ワン・オブ・アス」のバックをやらせるコーナー。これが盛り上がる、盛り上がる。いつ見ても笑えて楽しい。もう「ブレンダのソウル・ショウ」定番だ。そして、アンコールは『ドリーム・ガールズ』からのショウ・ストッパー曲。これもブレンダにぴったりだ。
毎回いいライヴショウを見せれば、お客さんがリピートで来る。それはライヴの理想。今回は毎回ブレンダのライヴを見に来てくれるソウル愛好家安井さんの強い勧めで、わざわざ宮崎のソウルバーの方がこのブレンダのショウを見に来た。
■ 過去関連記事
December 21, 2007
Brenda Vaughn & Kanagawa Philharmonic Pops Orchestra
http://blog.soulsearchin.com/archives/002217.html
ブレンダ、神奈川フィルをバックに歌う
December 08, 2007
Big Thanks For Joining “Philly Soul Christmas Night In Ginza” (Part 1) : It Was So Hot…
http://blog.soulsearchin.com/archives/002185.html
ブレンダ『フィリー・ソウル・ナイト』に登場
October 12, 2007
Brenda Vaughn: Living On Purpose
http://blog.soulsearchin.com/archives/002077.html
ブレンダ2度目のソロ・ライヴ評
September 04, 2007
Brenda Vaughn’s Own Second Show Will Be In October
http://blog.soulsearchin.com/archives/001991.html
(ここにブレンダ関連過去記事一覧)
September 20, 2006
Brenda Vaughn: Lady Soul Is Here To Stay
http://blog.soulsearchin.com/archives/001273.html
【ブレンダ・ヴォーン・ソロ・ライヴ〜「レディー・ソウル」の語彙が蘇る】
ブレンダの初ソロ・ライヴ評
November 10, 2005
Brenda Vaughn Steal The Show
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200511/2005_11_10.html
ブレンダの「アメイジング・グレイス」に感動
■ メンバー
SOUL SINGER BRENDA VAUGHN〜Celebration of Love〜
(Vo)Brenda Vaughn (HAMMOND B-3/Key)TC Jason (B)Clifford Archer
(G)Pat Pryor (Ds)JR (Cho)Anthony Baily、Tynice Hinton
■セットリスト
Setlist : Brenda Vaughn @ Blues Alley, March 13, 2008
セットリスト ブレンダ・ヴォーン
[ ] denotes original artist
First set show started 19:44
01. Angel [Angel Winbush]
02. Everything Must Change [George Benson, Jene Carn]
03. No Ordinary Love [Sade]
04. For The Love Of You [Isley Brothers, Whitney Houston]
05. Alright [Ledesi]
06. Amazing Grace [Traditional] (with Fukuhara Miho)
07. Ain’t Nobody [Rufus/Chaka Kahn]
Show ended 20:42
Second set show started 21:21
01. Just Be Good To Me [SOS Band]
02. Take Your Time [SOS Band]
03. I Don’t Want Nobody Else [TC Jason]
04. Let’s Stay Together [Al Green]
05. Feel The Fire [Stephanie Mills, Peabo Bryson]
06. Neither One Of Us (Wants To Be The First To Say Goodby) [Gladys Knight & The Pips]
Enc.And I Am Telling You I’m Not Going [Jennifer Holiday, Jennifer Hudson]
Outro (Instrumental)
Show ended 22:30
(2008年3月13日木曜、目黒ブルース・アレー=ブレンダ・ヴォーン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Vaughn, Brenda
2008-37
【WOWOWでディスコ特番、『ユニヴァース』オフ会】
告知。
告知を2本ほど。まず、松尾潔さんの番組『ユニヴァース』(毎週月曜深夜2時から4時、東京・Jウェイヴ=81.3mhz)のオフィシャル・オフ会(略してオフオフ会)にゲストで出演します。ただ、今回の会場が狭く、またすでに番組での募集が締め切られていますので、一応お知らせまで。2008年3月22日に都内で行われますが、この模様の一部は番組内で紹介されるかもしれません。また本ブログでは何か書くと思います。
まあ、一度2007年8月にゲストで番組に出たとき同様、なんの脈略もなく、ただただアメーバのようなトーク(増殖したり分裂したりするトーク)になる恐れがありますが。(笑)
番組ウェッブ
http://www.j-wave.co.jp/blog/universe_mon/
+++++
歴史。
翌 3月23日(日曜)、有料衛星放送WOWOWで午後6時半から『東京ディスコ伝説』(90分)という番組が放送されます。これは東京初のディスコと言われる赤坂「ムゲン」がオープンした1968年から現在まで、東京のディスコ・シーンをさまざまな関係者の証言から浮き彫りにするディスコ歴史のドキュメント。
小林克也さんがメインの司会。ブラザー・コーン氏、江守藹(えもり・あい)氏、サムさん、DJアトム、DJ松本みつぐ氏など30名近い関係者にインタヴューしています。また、ムゲンの照明を当時実際にムゲンで照明のオペレーションをしていた藤本氏が再現したり、当時のダンスなどを紹介します。
番組ウェッブ
http://www.wowow.co.jp/documentary/disco/intro/index.html
僕はこの中で、ディスコ音楽の歴史的流れを俯瞰した形で簡単に話しています。何秒くらい使われるかわかりませんが、久々にディスコでかかっていた音楽の話をしました。ちょうど、ブラザー・コーンさんと江守さんが収録した翌日、偶然コーンさんに会いましたが、2時間以上、みんな語っていたそうで、その中にはとても放送できないような内容も含まれていた、とか。(笑)
制作の方たちは、1960年代、1970年代などの昔のディスコの映像を探そうとしていますが、ほとんどないんですよね。スチールの写真さえほとんど残っていない。そこで、店のマッチとか、コースターとか、メニューとか、ショップカード、あるいはボトルカード、ディスコの会員証などを必死になって探しますが、そういうものってきちんと取っておこうと思わない限り、普通捨ててしまうか、どこかに行ってしまうもの。
しかし、ディスコの歴史ももう40年を数えるわけだから、そろそろ一度は集大成しないと。WOWOW見られる方はぜひどうぞ。
ENT>ANNOUNCEMENT>TV
ENT>ANNOUNCEMENT>EVENT
告知。
告知を2本ほど。まず、松尾潔さんの番組『ユニヴァース』(毎週月曜深夜2時から4時、東京・Jウェイヴ=81.3mhz)のオフィシャル・オフ会(略してオフオフ会)にゲストで出演します。ただ、今回の会場が狭く、またすでに番組での募集が締め切られていますので、一応お知らせまで。2008年3月22日に都内で行われますが、この模様の一部は番組内で紹介されるかもしれません。また本ブログでは何か書くと思います。
まあ、一度2007年8月にゲストで番組に出たとき同様、なんの脈略もなく、ただただアメーバのようなトーク(増殖したり分裂したりするトーク)になる恐れがありますが。(笑)
番組ウェッブ
http://www.j-wave.co.jp/blog/universe_mon/
+++++
歴史。
翌 3月23日(日曜)、有料衛星放送WOWOWで午後6時半から『東京ディスコ伝説』(90分)という番組が放送されます。これは東京初のディスコと言われる赤坂「ムゲン」がオープンした1968年から現在まで、東京のディスコ・シーンをさまざまな関係者の証言から浮き彫りにするディスコ歴史のドキュメント。
小林克也さんがメインの司会。ブラザー・コーン氏、江守藹(えもり・あい)氏、サムさん、DJアトム、DJ松本みつぐ氏など30名近い関係者にインタヴューしています。また、ムゲンの照明を当時実際にムゲンで照明のオペレーションをしていた藤本氏が再現したり、当時のダンスなどを紹介します。
番組ウェッブ
http://www.wowow.co.jp/documentary/disco/intro/index.html
僕はこの中で、ディスコ音楽の歴史的流れを俯瞰した形で簡単に話しています。何秒くらい使われるかわかりませんが、久々にディスコでかかっていた音楽の話をしました。ちょうど、ブラザー・コーンさんと江守さんが収録した翌日、偶然コーンさんに会いましたが、2時間以上、みんな語っていたそうで、その中にはとても放送できないような内容も含まれていた、とか。(笑)
制作の方たちは、1960年代、1970年代などの昔のディスコの映像を探そうとしていますが、ほとんどないんですよね。スチールの写真さえほとんど残っていない。そこで、店のマッチとか、コースターとか、メニューとか、ショップカード、あるいはボトルカード、ディスコの会員証などを必死になって探しますが、そういうものってきちんと取っておこうと思わない限り、普通捨ててしまうか、どこかに行ってしまうもの。
しかし、ディスコの歴史ももう40年を数えるわけだから、そろそろ一度は集大成しないと。WOWOW見られる方はぜひどうぞ。
ENT>ANNOUNCEMENT>TV
ENT>ANNOUNCEMENT>EVENT
◆Ebisu Brown Sugar’s Moving Is Canceled
2008年3月16日【恵比寿・ブラウン・シュガー移転、白紙に】
白紙。
昨年11月ごろ、恵比寿のソウル・バー「ブラウン・シュガー」が近隣の地上げとともに立ち退きになり、2008年6月いっぱいでどこかへ引っ越すという話が持ち上がっていた。
このほど、その話がまったくの白紙に戻り、「ブラウン・シュガー」は今まで通り、ずっと同じ場所で営業できることになった。
「ブラウン・シュガー」オウナー、白河さんによると、この界隈の地上げをしていた会社へ融資する金融機関が、昨年のアメリカでのサブプライム・ローンの被害を直接受け大幅な赤字をかかえ、その地上げ会社への融資資金が調達できなくなったため、と説明されたという。となりのゼストも、ブラウンが入っていたビルも地上げはいったん白紙に。よって、ブラウンもこれからも何も変わることなく営業を続けることになった。
1−2日前に、白河さんのところにその旨の連絡があり、僕は彼から昨日電話を受けた。「いやあ、地上げの話がなくなってね、(お店)続けられることになりました。そりゃあ、引っ越すより、引っ越さないで、同じところで営業できたほうがいいに決まってますよ」と白河さんは言う。「いやあ、移転の話は、来るお客さんみんなにしていたんで、今、必死にその後始末してるんですよ(笑)」
最近は、ソウル・バーの閉店(シュガーシャック)、移転(六本木・ジョージ)、あるいは新店開店など、この業界、動きが激しい。そんな中、移転話が持ち上がり、それがキャンセルになったというのは珍しい。しかも、それがアメリカのサブプライム・ローンの焦げ付きが遠因というから、そんな事件が一軒のソウル・バーを救った、ということにもなるわけだ。世の中、何がどう転んでどうなるかわからないものである。
実は、その地上げ、移転話は2007年11月20日付けの本ブログでも一度書いた。ところがそれを読んだ方たちから「お店、地上げされて引っ越すんだって」と何度も言われて、まだ決まっていないことなので、ちょっと書き直してください、と白河さんからじきじきに連絡が来た。結局、その部分は削除したという経緯があっただけに、この結末は想定外であった。(笑)
いずれにせよ、ハッピー・エンドです。(笑)
【ソウル・バー 恵比寿・ブラウン・シュガー】
東京都渋谷区恵比寿1-22-17 オーワビル3階
電話03-3441-6266
チャージ 500
SOFT DRINK 500〜
DRINK 600〜
FOOD 500〜
月曜定休日
営業時間 20:00〜04:00
ENT>SOUL BARS>Brown Sugar
白紙。
昨年11月ごろ、恵比寿のソウル・バー「ブラウン・シュガー」が近隣の地上げとともに立ち退きになり、2008年6月いっぱいでどこかへ引っ越すという話が持ち上がっていた。
このほど、その話がまったくの白紙に戻り、「ブラウン・シュガー」は今まで通り、ずっと同じ場所で営業できることになった。
「ブラウン・シュガー」オウナー、白河さんによると、この界隈の地上げをしていた会社へ融資する金融機関が、昨年のアメリカでのサブプライム・ローンの被害を直接受け大幅な赤字をかかえ、その地上げ会社への融資資金が調達できなくなったため、と説明されたという。となりのゼストも、ブラウンが入っていたビルも地上げはいったん白紙に。よって、ブラウンもこれからも何も変わることなく営業を続けることになった。
1−2日前に、白河さんのところにその旨の連絡があり、僕は彼から昨日電話を受けた。「いやあ、地上げの話がなくなってね、(お店)続けられることになりました。そりゃあ、引っ越すより、引っ越さないで、同じところで営業できたほうがいいに決まってますよ」と白河さんは言う。「いやあ、移転の話は、来るお客さんみんなにしていたんで、今、必死にその後始末してるんですよ(笑)」
最近は、ソウル・バーの閉店(シュガーシャック)、移転(六本木・ジョージ)、あるいは新店開店など、この業界、動きが激しい。そんな中、移転話が持ち上がり、それがキャンセルになったというのは珍しい。しかも、それがアメリカのサブプライム・ローンの焦げ付きが遠因というから、そんな事件が一軒のソウル・バーを救った、ということにもなるわけだ。世の中、何がどう転んでどうなるかわからないものである。
実は、その地上げ、移転話は2007年11月20日付けの本ブログでも一度書いた。ところがそれを読んだ方たちから「お店、地上げされて引っ越すんだって」と何度も言われて、まだ決まっていないことなので、ちょっと書き直してください、と白河さんからじきじきに連絡が来た。結局、その部分は削除したという経緯があっただけに、この結末は想定外であった。(笑)
いずれにせよ、ハッピー・エンドです。(笑)
【ソウル・バー 恵比寿・ブラウン・シュガー】
東京都渋谷区恵比寿1-22-17 オーワビル3階
電話03-3441-6266
チャージ 500
SOFT DRINK 500〜
DRINK 600〜
FOOD 500〜
月曜定休日
営業時間 20:00〜04:00
ENT>SOUL BARS>Brown Sugar
◎Ben Sidran Talks
2008年3月17日【ベン・シドラン語る】
インテリ。
ロック、ジャズ、ワールドなどあらゆる音楽に精通し、自らジャズ・アーティストとしても活躍するベン・シドランが、昨日の『ソウル・ブレンズ』(インターFM=東京76.1mhz、毎週日曜15時〜17時)にゲストでやってきた。ちょうど今日からコットン・クラブでライヴを行うための来日だが、ベスト発売、旧作紙ジャケットでの再発などもあり、ちょっとした話題だ。
さて、スタジオロビーに入ると、ベンがひとりでコーヒーなどを見ていたので、思わず声をかけてしまった。自分の名前を名乗り名刺を渡すと、「ソウル・サーチャーか、いい名前だね」。そこで「あなたは、ソウル・サーチンしていますか」と聞くとすかさず「oh, whole life(生涯を通じてね)」。う〜む、これは息があいそう。(笑) 「ソウル・サーチャーというグループがいたよね」 「おお、先月日本に来てたんですよ」 「あのリズム、ゴー・ゴーは最高だ!」といいながら、ゴー・ゴーのリズムを口と手を使ってやりだす。「ゴー・ゴー・スタイルの曲は録音したことはありますか」 「いやあ、さすがにないな、僕のスタイルとはかなりちがってるからね。でもあのリズムは最高」
彼の容姿とそのインテリジェンスの雰囲気から、なぜか僕の口からは、「あなたは本は書かないのですか」という言葉が。「出してるよ」 「いつ?」 「一年ほど前かな、『ア・ライフ・イン・ミュージック』という、自伝本だよ。アマゾンで買えるよ」 「それは知りませんでした」
その前にすでに2冊ほど出していた。「僕は大学時代から、ノートにいろいろ書いてきたんだ。日記? そんなようなものだな。いつどこで誰と何をしたか、簡単なメモなんだけどね。それを元に記憶を呼び戻し、本を書いた。次の本の構想もあるんだ。それは、『ユダヤ人がアメリカ・エンタテインメントの世界に与えた影響』というもの。タイトルはまだ決めてないけどね。僕自身ユダヤで、エンタテインメントの世界で、偉大な作曲家、ロジャース&ハマーステイン、ガーシュイン…たくさんいる。音楽界だけでなく、映画界でも、スピルバーグやらなんやら多数いる。そうした連中がこのエンタテインメントの世界にどのように入り込み、システムを築き上げ、成功をものにしていったのかをかいてみたいんだ。ユダヤと黒人のことも触れてね。僕の最初の本は黒人の文化の歴史についての考察なんだ」
「実は僕もいくつか翻訳をてがけているんですよ。ベリー・ゴーディーの自伝、最近では映画がでたときにレイ・チャールズの自伝なんかも」 「おおっ、ディヴィッド・リッツだね」 「そうです、いい友人なんです」 「僕もだ。しばらく会ってないな。彼はどうしてる?」 「元気にしてると思います。なにかあると、メールのやりとりをします。レイの本を出したときには、彼が死後からの十数ページを書き下ろしてくれました」 「じゃあ、彼によろしく伝えてくれ」
けっこう立ち話で話してしまったが、すぐに本番になった。そして、彼がマーヴィンに紹介されマイクに話し出した。ブースの外で聴いていたが、その声の良さに驚いた。実にマイクのりする、そして、発音もきっちりとしたDJ、アナウンサーのようなしゃべり手ではないか。いつでもインターFMでDJができる。(笑) 一緒にこちら側で聞いていたオッシーとともに、「いい声ですねえ、番組ができますね」。しかもテンポがいい。マーヴィンとベンが話していると、まるでニューヨークあたりのトークレイディオのような雰囲気さえ漂う。へたするとベンがDJで、マーヴィンがゲストかと思ってしまうことも。
どうやら、むこうの学校で音楽を教えたりすることもあるらしい。自分が授業用に書いたテキストを本にしようかと思ったが、ぐちゃぐちゃで自分でも整理がつかなくて断念したこともあるそうだ。また、先のベンの自伝は、日本では吉成伸幸氏が翻訳に手をつけていて、半分くらいまで来た、とのこと。注釈が多く、とても苦労しているそうだ。
それにしても、昔から日記を書いたり、本を出したり、ベン・シドランはかなりのインテリだ。「大学の頃、将来、作家になりたいとか、新聞記者になりたい、などと思いましたか」ときくと、「う〜ん、どうだろう。ただミュージシャンは考えていなかった。とても、音楽で飯が食えるとは思えなかったから」 「でも、今ではこうして音楽家として成功し、ここに来ていますよ」 「いやあ、僕はとても成功した、なんて言えないね(笑)」
ベン・シドランは1960年代、白人ながらブルーズを演奏するスティーヴ・ミラー・バンドにキーボード奏者として加入、ここには他にボズ・スキャッグスなども在籍していた。ブルーズ、ジャズ、ソウル、あらゆる音楽を実によく知っている。そして、いろいろなミュージシャンとも多数のコラボレーションをしているので、おもしろいエピソードをたくさんもっている。そのあたりの話もいつかまたじっくり椅子に腰掛けてきいてみたい。
■ ベン・シドラン 名盤『アイ・リード・ア・ライフ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012PYGIE/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>ARTIST>Sidran, Ben
インテリ。
ロック、ジャズ、ワールドなどあらゆる音楽に精通し、自らジャズ・アーティストとしても活躍するベン・シドランが、昨日の『ソウル・ブレンズ』(インターFM=東京76.1mhz、毎週日曜15時〜17時)にゲストでやってきた。ちょうど今日からコットン・クラブでライヴを行うための来日だが、ベスト発売、旧作紙ジャケットでの再発などもあり、ちょっとした話題だ。
さて、スタジオロビーに入ると、ベンがひとりでコーヒーなどを見ていたので、思わず声をかけてしまった。自分の名前を名乗り名刺を渡すと、「ソウル・サーチャーか、いい名前だね」。そこで「あなたは、ソウル・サーチンしていますか」と聞くとすかさず「oh, whole life(生涯を通じてね)」。う〜む、これは息があいそう。(笑) 「ソウル・サーチャーというグループがいたよね」 「おお、先月日本に来てたんですよ」 「あのリズム、ゴー・ゴーは最高だ!」といいながら、ゴー・ゴーのリズムを口と手を使ってやりだす。「ゴー・ゴー・スタイルの曲は録音したことはありますか」 「いやあ、さすがにないな、僕のスタイルとはかなりちがってるからね。でもあのリズムは最高」
彼の容姿とそのインテリジェンスの雰囲気から、なぜか僕の口からは、「あなたは本は書かないのですか」という言葉が。「出してるよ」 「いつ?」 「一年ほど前かな、『ア・ライフ・イン・ミュージック』という、自伝本だよ。アマゾンで買えるよ」 「それは知りませんでした」
その前にすでに2冊ほど出していた。「僕は大学時代から、ノートにいろいろ書いてきたんだ。日記? そんなようなものだな。いつどこで誰と何をしたか、簡単なメモなんだけどね。それを元に記憶を呼び戻し、本を書いた。次の本の構想もあるんだ。それは、『ユダヤ人がアメリカ・エンタテインメントの世界に与えた影響』というもの。タイトルはまだ決めてないけどね。僕自身ユダヤで、エンタテインメントの世界で、偉大な作曲家、ロジャース&ハマーステイン、ガーシュイン…たくさんいる。音楽界だけでなく、映画界でも、スピルバーグやらなんやら多数いる。そうした連中がこのエンタテインメントの世界にどのように入り込み、システムを築き上げ、成功をものにしていったのかをかいてみたいんだ。ユダヤと黒人のことも触れてね。僕の最初の本は黒人の文化の歴史についての考察なんだ」
「実は僕もいくつか翻訳をてがけているんですよ。ベリー・ゴーディーの自伝、最近では映画がでたときにレイ・チャールズの自伝なんかも」 「おおっ、ディヴィッド・リッツだね」 「そうです、いい友人なんです」 「僕もだ。しばらく会ってないな。彼はどうしてる?」 「元気にしてると思います。なにかあると、メールのやりとりをします。レイの本を出したときには、彼が死後からの十数ページを書き下ろしてくれました」 「じゃあ、彼によろしく伝えてくれ」
けっこう立ち話で話してしまったが、すぐに本番になった。そして、彼がマーヴィンに紹介されマイクに話し出した。ブースの外で聴いていたが、その声の良さに驚いた。実にマイクのりする、そして、発音もきっちりとしたDJ、アナウンサーのようなしゃべり手ではないか。いつでもインターFMでDJができる。(笑) 一緒にこちら側で聞いていたオッシーとともに、「いい声ですねえ、番組ができますね」。しかもテンポがいい。マーヴィンとベンが話していると、まるでニューヨークあたりのトークレイディオのような雰囲気さえ漂う。へたするとベンがDJで、マーヴィンがゲストかと思ってしまうことも。
どうやら、むこうの学校で音楽を教えたりすることもあるらしい。自分が授業用に書いたテキストを本にしようかと思ったが、ぐちゃぐちゃで自分でも整理がつかなくて断念したこともあるそうだ。また、先のベンの自伝は、日本では吉成伸幸氏が翻訳に手をつけていて、半分くらいまで来た、とのこと。注釈が多く、とても苦労しているそうだ。
それにしても、昔から日記を書いたり、本を出したり、ベン・シドランはかなりのインテリだ。「大学の頃、将来、作家になりたいとか、新聞記者になりたい、などと思いましたか」ときくと、「う〜ん、どうだろう。ただミュージシャンは考えていなかった。とても、音楽で飯が食えるとは思えなかったから」 「でも、今ではこうして音楽家として成功し、ここに来ていますよ」 「いやあ、僕はとても成功した、なんて言えないね(笑)」
ベン・シドランは1960年代、白人ながらブルーズを演奏するスティーヴ・ミラー・バンドにキーボード奏者として加入、ここには他にボズ・スキャッグスなども在籍していた。ブルーズ、ジャズ、ソウル、あらゆる音楽を実によく知っている。そして、いろいろなミュージシャンとも多数のコラボレーションをしているので、おもしろいエピソードをたくさんもっている。そのあたりの話もいつかまたじっくり椅子に腰掛けてきいてみたい。
■ ベン・シドラン 名盤『アイ・リード・ア・ライフ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012PYGIE/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>ARTIST>Sidran, Ben
○Heavenly Choir Live
2008年3月18日【ヘヴンリー・クワイアー・ライヴ】
迫力。
怒涛のライヴウイークが始まった。まず、月曜、アメリカ本場のゴスペル・クワイアーがブルース・アレーに登場。何度か来日しているコネチカット出身のゴスペル隊。ということでさっそく足を運ぶ。キーボード2人、ドラムス、ベース、そして8人コーラスという編成。教会のコーラス隊が着るおそろいのゴスペル制服に身を包み8人がステージに勢ぞろいするとそれだけで迫力満点。パスター・ヒューバート・パウエルはビッグ・パパ、その奥さんジャクリン(ジャッキー)・パウエルがビッグ・ママという感じで、そこに娘・息子たちがはいった一大ファミリーを中心としたゴスペル・グループ。
現代風のソウル・サウンドに、ゴスペル・タッチを重ね合わせ、通常のソウル・ショウといっても過言ではない聴きやすいショウだ。やはり、8人のコーラス隊の迫力はすごい。かなり音が大きいバンドの音さえ、この8人の声の束が襲いかかると、ひるんでしまうほど。
また、ビッグ・パパ(パスター・ヒューバート・パウエル)もママも堂々としたソロ・ヴォーカルを聴かせる。特に感銘を受けたのが、ママがリードを取った「ウォーシップ・ユア・ホリー・ネーム」。
それにしても、みな立派な体格で、ゴスペルを歌うにはみな体重100キロ以上ないとクワイアーに入れないというルールでもなるのか、と思わせられるほど。リーダー、パスター・ヒューバートは、曲間で疲れたので水を飲むといって、ペットボトルを一気飲み。これは受けた。
ところで、パスター・ヒューバートがMCで解説したところによると、ドゥビー・パウェルとデニース・パウェルが夫婦、ジョイ・パウエルとビリー・パウェルも夫婦、パスター・ヒューバート・パウエルとジャッキー・パウェルも夫婦、で、このジャッキーはドゥビーとビリーのママでもある。
セットリスト、唯一難を言えば、途中の「スキヤキ」のインストと「アメージング・グレイス」の声を加工したヴァージョンはちょっとという感じ。しかし、それでも次の「ウォーシップ・ユア・ホリー・ネーム」あたりは、荘厳でゴスペルそのもの。まさにブルース・アレーがゴスペル・アレーになった夜だった。
ブレンダ・ヴォーン、さらにサックスの小林香織ちゃんも見に来ていた。香織ちゃん、最近、ゴスペルづいているそう。また、彼女はアルバムをレコーディングしたところで、そこにはハンコ屋さんのギター、ジェイ・スティックスのドラムス、清水興さんのベースなどもフィーチャーされていてかなりソウル色強くなっているようだ。
■ メンバー
HEAVENLY CHOIR (へブンリィ・クワイヤー)
(Key/Vo)Pastor Hubert Powell (Org)Hubert Doobie Powell (Ds)Billy Powell (B)Doug Long (T.sax)Raymond McMorrin
(Cho)Pastor Jacquelyn Powell、Chantell Branch、Joi Powell、
Debra Gardner、Venice Harris、Denise Powell、Wesley Wright、Aaron Baymon
■セットリスト ヘヴンリー・クワイアー
Setlist : Heavenly Choir @ Blues Alley, March 17, 2008
Show started 21:31
01. We’ve Come
02. The Lord’s Prayer
03. Bread Of Heaven
04. I Love You Jesus
05. What A Friend
06. When I Think About - I Thank
07. My Soul Loves Jesus
08. Sukiyaki (keyboard jam)
09. Amazing Grace - Oh Happy Day
10. Worship Your Holy Name
11. Got My Ticket
Show ended 23:10
(2008年3月17日月曜、目黒ブルース・アレー=ヘヴンリー・クワイアー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Heavenly Choir
2008-40
迫力。
怒涛のライヴウイークが始まった。まず、月曜、アメリカ本場のゴスペル・クワイアーがブルース・アレーに登場。何度か来日しているコネチカット出身のゴスペル隊。ということでさっそく足を運ぶ。キーボード2人、ドラムス、ベース、そして8人コーラスという編成。教会のコーラス隊が着るおそろいのゴスペル制服に身を包み8人がステージに勢ぞろいするとそれだけで迫力満点。パスター・ヒューバート・パウエルはビッグ・パパ、その奥さんジャクリン(ジャッキー)・パウエルがビッグ・ママという感じで、そこに娘・息子たちがはいった一大ファミリーを中心としたゴスペル・グループ。
現代風のソウル・サウンドに、ゴスペル・タッチを重ね合わせ、通常のソウル・ショウといっても過言ではない聴きやすいショウだ。やはり、8人のコーラス隊の迫力はすごい。かなり音が大きいバンドの音さえ、この8人の声の束が襲いかかると、ひるんでしまうほど。
また、ビッグ・パパ(パスター・ヒューバート・パウエル)もママも堂々としたソロ・ヴォーカルを聴かせる。特に感銘を受けたのが、ママがリードを取った「ウォーシップ・ユア・ホリー・ネーム」。
それにしても、みな立派な体格で、ゴスペルを歌うにはみな体重100キロ以上ないとクワイアーに入れないというルールでもなるのか、と思わせられるほど。リーダー、パスター・ヒューバートは、曲間で疲れたので水を飲むといって、ペットボトルを一気飲み。これは受けた。
ところで、パスター・ヒューバートがMCで解説したところによると、ドゥビー・パウェルとデニース・パウェルが夫婦、ジョイ・パウエルとビリー・パウェルも夫婦、パスター・ヒューバート・パウエルとジャッキー・パウェルも夫婦、で、このジャッキーはドゥビーとビリーのママでもある。
セットリスト、唯一難を言えば、途中の「スキヤキ」のインストと「アメージング・グレイス」の声を加工したヴァージョンはちょっとという感じ。しかし、それでも次の「ウォーシップ・ユア・ホリー・ネーム」あたりは、荘厳でゴスペルそのもの。まさにブルース・アレーがゴスペル・アレーになった夜だった。
ブレンダ・ヴォーン、さらにサックスの小林香織ちゃんも見に来ていた。香織ちゃん、最近、ゴスペルづいているそう。また、彼女はアルバムをレコーディングしたところで、そこにはハンコ屋さんのギター、ジェイ・スティックスのドラムス、清水興さんのベースなどもフィーチャーされていてかなりソウル色強くなっているようだ。
■ メンバー
HEAVENLY CHOIR (へブンリィ・クワイヤー)
(Key/Vo)Pastor Hubert Powell (Org)Hubert Doobie Powell (Ds)Billy Powell (B)Doug Long (T.sax)Raymond McMorrin
(Cho)Pastor Jacquelyn Powell、Chantell Branch、Joi Powell、
Debra Gardner、Venice Harris、Denise Powell、Wesley Wright、Aaron Baymon
■セットリスト ヘヴンリー・クワイアー
Setlist : Heavenly Choir @ Blues Alley, March 17, 2008
Show started 21:31
01. We’ve Come
02. The Lord’s Prayer
03. Bread Of Heaven
04. I Love You Jesus
05. What A Friend
06. When I Think About - I Thank
07. My Soul Loves Jesus
08. Sukiyaki (keyboard jam)
09. Amazing Grace - Oh Happy Day
10. Worship Your Holy Name
11. Got My Ticket
Show ended 23:10
(2008年3月17日月曜、目黒ブルース・アレー=ヘヴンリー・クワイアー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Heavenly Choir
2008-40
【ベン・シドラン&ジョージ・フェイム・ライヴ】
かけあい。
これまであまりジョージ・フェイム、ベン・シドランの音楽に触れる機会はなかったのだが、今回『ソウル・ブレンズ』にゲストでやってきたことをきっかけにCDを聴き、ライヴに行き、ものすごく気に入った。僕がふだん聴いているブラック・ミュージックとは一味もふた味も違うが、そのルーツに黒いもの、昔のリズム&ブルーズがあるのはよくわかる。また、ジャズをベースにしていて、特に1960年代のリアル・ミュージックをやっているところがたまらなく素敵だ。
ベンも、ジョージも、ともに60歳を超えるが(2人とも1943年生まれ)実に小粋な男(The Dude)たち。日本風に言えば、「ちょい悪」か。2人のモノローグ(語り・セリフ)のやりとりなども、もっと英語がわかればより理解できるであろう、楽しいものだった。一言で言えば、ニューヨークのイースト・ヴィレッジのカフェあたりで聴く、ジャズ・ライヴ・プラス・ポエトリー・リーディング会のような雰囲気を醸し出す。まさにコットン・クラブが、ヴィレッジのカフェに変身だ。
観客は、リアルタイムで聴いていたファンから、比較的若い層まで幅広い。ドラムス、アコースティック・ベース、ピアノと歌(ベン・シドラン)、キーボード(オルガン)と歌(ジョージ・フェイム)、サックスの編成。
どれもテンポの小気味良い作品が中心で、語りと歌のバランスが抜群。イントロなどのセリフは、ベンとジョージでその場でアドリブでやっているという。ベンに「まさにジャズですね」と言うと、「その通り、ジャズ、トーク・ジャズ、トーキング・ジャズといったところだ」と答えた。
ジョージ・フェイムのオルガン、ベン・シドランのピアノ、そして2人の掛け合いは最高だ。「ジョージ、君が最後に日本に来たのはいつだ?」 「一緒に来たのはいつだ?」「1993年、もう15年前だな」そんなやりとりから、レイ・チャールズの「イット・シュドヴ・ビーン・ミー」へ。
ジョージ・フェイムは、イギリスでは初期のブルー・アイド・ソウルのアーティストとして一世をふうびした。彼の大ヒット「イエー・イエー」は、もともとラテン系のモンゴ・サンタマリアが1963年にアルバム『ウォーターメロン・マン』で録音し、その後1964年、フェイムらが録音、全英1位に。最近ではマット・ビアンコもカヴァーしていることから、新しいファンでもなじみ深い。そして彼らのサウンドはまさにモッズ・サウンド。
7曲目の「ジャンピン・ウィズ・シンフォニー・シド」の「シンフォニー・シド」は、1940年代から長い間ニューヨークのラジオシーンで活躍した有名なジャズDJ。レスター・ヤングが書いた曲。といった解説をしながら、ライヴは進行した。
ところで2人ともレイ・チャールズが大好きということがわかった。レイの作品が3曲も歌われた。(下記セットリスト参照)
また、ファースト、セカンドで微妙にやる曲が変わる。そのときの気分で、変えているようだ。なにせジャズ・マンたちだから。初日のセットリストではファーストとセカンドで同じ曲は2曲しかなかったという。これはマニアは両セット聴きたくなるにちがいない。
■ ベン・シドラン & ジョージィ・フェイム "トゥギャザー・アゲイン"
Ben Sidran(p,vo), Georgie Fame(org, vo), Jeff Hamann(b), Bob Malach(sax), Leo Sidran(ds)
■ライヴは、3月20日(木曜)までコットン・クラブ。
■セットリスト ベン・シドラン&ジョージ・フェイム
Setlist : Ben Sidran & Georgie Fame @ Cotton Club, March 18,2008
(For setlist, special thanks to Ms.Sasaki Kanako @ Cotton Club)
Show started 19:30
01. Folio
02. Turn To The Music
>(Georgie came on the stage)
03. It Should Have Been Me [Ray Charles]
04. Yeh Yeh (including a riff of “What’d I Say”, “Watermelon Man”)
05. Girl Talk
06. But Not For Me [Gershwin, Chet Baker]
07. Jumpin’ With Symphony Sid [covered by Van Morrison, Joe Jackson]
08. Mitsubishi Boy
09. I Had A Dream
10. I Wanna Know or I Want To Know [Eddie Cochran, Ray Charles]
11. Georgia On My Mind [Ray Charles]
12. End Theme
Enc. (Medley) Life’s A Lesson -- On The Cool Side (Ben only)
Show ended 20:22
(2008年3月18日火曜、丸の内コットン・クラブ=ベン・シドラン&ジョージ・フェイム・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sidran, Ben / Fame, George
2008-41
かけあい。
これまであまりジョージ・フェイム、ベン・シドランの音楽に触れる機会はなかったのだが、今回『ソウル・ブレンズ』にゲストでやってきたことをきっかけにCDを聴き、ライヴに行き、ものすごく気に入った。僕がふだん聴いているブラック・ミュージックとは一味もふた味も違うが、そのルーツに黒いもの、昔のリズム&ブルーズがあるのはよくわかる。また、ジャズをベースにしていて、特に1960年代のリアル・ミュージックをやっているところがたまらなく素敵だ。
ベンも、ジョージも、ともに60歳を超えるが(2人とも1943年生まれ)実に小粋な男(The Dude)たち。日本風に言えば、「ちょい悪」か。2人のモノローグ(語り・セリフ)のやりとりなども、もっと英語がわかればより理解できるであろう、楽しいものだった。一言で言えば、ニューヨークのイースト・ヴィレッジのカフェあたりで聴く、ジャズ・ライヴ・プラス・ポエトリー・リーディング会のような雰囲気を醸し出す。まさにコットン・クラブが、ヴィレッジのカフェに変身だ。
観客は、リアルタイムで聴いていたファンから、比較的若い層まで幅広い。ドラムス、アコースティック・ベース、ピアノと歌(ベン・シドラン)、キーボード(オルガン)と歌(ジョージ・フェイム)、サックスの編成。
どれもテンポの小気味良い作品が中心で、語りと歌のバランスが抜群。イントロなどのセリフは、ベンとジョージでその場でアドリブでやっているという。ベンに「まさにジャズですね」と言うと、「その通り、ジャズ、トーク・ジャズ、トーキング・ジャズといったところだ」と答えた。
ジョージ・フェイムのオルガン、ベン・シドランのピアノ、そして2人の掛け合いは最高だ。「ジョージ、君が最後に日本に来たのはいつだ?」 「一緒に来たのはいつだ?」「1993年、もう15年前だな」そんなやりとりから、レイ・チャールズの「イット・シュドヴ・ビーン・ミー」へ。
ジョージ・フェイムは、イギリスでは初期のブルー・アイド・ソウルのアーティストとして一世をふうびした。彼の大ヒット「イエー・イエー」は、もともとラテン系のモンゴ・サンタマリアが1963年にアルバム『ウォーターメロン・マン』で録音し、その後1964年、フェイムらが録音、全英1位に。最近ではマット・ビアンコもカヴァーしていることから、新しいファンでもなじみ深い。そして彼らのサウンドはまさにモッズ・サウンド。
7曲目の「ジャンピン・ウィズ・シンフォニー・シド」の「シンフォニー・シド」は、1940年代から長い間ニューヨークのラジオシーンで活躍した有名なジャズDJ。レスター・ヤングが書いた曲。といった解説をしながら、ライヴは進行した。
ところで2人ともレイ・チャールズが大好きということがわかった。レイの作品が3曲も歌われた。(下記セットリスト参照)
また、ファースト、セカンドで微妙にやる曲が変わる。そのときの気分で、変えているようだ。なにせジャズ・マンたちだから。初日のセットリストではファーストとセカンドで同じ曲は2曲しかなかったという。これはマニアは両セット聴きたくなるにちがいない。
■ ベン・シドラン & ジョージィ・フェイム "トゥギャザー・アゲイン"
Ben Sidran(p,vo), Georgie Fame(org, vo), Jeff Hamann(b), Bob Malach(sax), Leo Sidran(ds)
■ライヴは、3月20日(木曜)までコットン・クラブ。
■セットリスト ベン・シドラン&ジョージ・フェイム
Setlist : Ben Sidran & Georgie Fame @ Cotton Club, March 18,2008
(For setlist, special thanks to Ms.Sasaki Kanako @ Cotton Club)
Show started 19:30
01. Folio
02. Turn To The Music
>(Georgie came on the stage)
03. It Should Have Been Me [Ray Charles]
04. Yeh Yeh (including a riff of “What’d I Say”, “Watermelon Man”)
05. Girl Talk
06. But Not For Me [Gershwin, Chet Baker]
07. Jumpin’ With Symphony Sid [covered by Van Morrison, Joe Jackson]
08. Mitsubishi Boy
09. I Had A Dream
10. I Wanna Know or I Want To Know [Eddie Cochran, Ray Charles]
11. Georgia On My Mind [Ray Charles]
12. End Theme
Enc. (Medley) Life’s A Lesson -- On The Cool Side (Ben only)
Show ended 20:22
(2008年3月18日火曜、丸の内コットン・クラブ=ベン・シドラン&ジョージ・フェイム・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sidran, Ben / Fame, George
2008-41
【シェリル・リン・ライヴ】
アンコール。
「ガット・トゥ・ビー・リアル」の超ダンス・クラシック・ヒットを持つシェリル・リンの久々のライヴ。10年近く前に、彼女がエイベックスと契約してアルバムをリリースしたころ(1995年)、インタヴューしたことがあった。あのときは、ベルファーレでライヴをやったんだっけ。(←要確認) いずれにせよ東京地区でのライヴは久々だが、どうやら大阪ブルーノートなどには来日していた様子。
観客層は、さすがに20年前にディスコでがんがん踊っていたようなファンたちが中心だ。
さて、「インスタント・ラヴ」から始まったライヴは、ドラムス、ギター、ベース、キーボード2人にコーラス男性1、女性3の計9名がバックアップする大所帯のバンドだった。曲自体はディスコだが、シェリル・リンはもともとゴスペルを歌ってきただけに、歌唱はまちがいない。それは、まさにゴスペル歌唱。そして、体格もゴスペル体格。まちがいない。この日は、けっこうのっているように見えた。「セイ・ユール・ビー・マイン」を一度終えて、アドリブで追加部分を歌いだしたことからも、のっていたことがわかる。
バンド演奏で、ギターの音が実に歯切れがいいなあと思ってメンバー表を見ると、なんとワウ・ワウ・ワトソンの名前が! 帽子を深めに被り、彼だけ椅子に座って黙々とギターを弾き、ちょっと怪しげ。だが、プレイはまちがいない。
この日は大サプライズがあった。驚くなかれロスの売れっ子キーボード奏者、グレッグ・フィリンゲインズがシェリルに紹介されてステージに上がったのだ。あれ、なんで彼がいるの? ちょうどトトのライヴのために、来日していたという。な〜るほど。「彼は以前私のバンドマスターで、この曲を一緒に演奏したわ。彼はすごいのよ、マイケル・ジャクソンなんかと一緒にやって。私のバンドもね(笑)」と説明し、「ルック・ビフォー・ユア・リーヴ」をプレイ。バンドのキーボード奏者、ケネス・クロウチもかっこいいが、グレッグのパフォーマンスも、フィリップ・ウー並にかっこいい。
ディーヴァ・メドレーで、彼女がアイドルとしたティナ・ターナー、ダイアナ・ロス、アレサ・フランクリンの曲をメドレーにして歌った。アンコールは、「イン・ザ・ナイト」と「ガット・トゥ・ビー・リアル」。「シェイク・イット・アップ・トゥナイト」はやらなかった。そして「アンコール」もやらなかった。(笑)
だが、終わった後、しばらくしてサイン会で大サーヴィス。ちなみにサイン会はみんなにサインをしてから改めて写真撮影の2回まわしだった。
(註)「アンコール」は、彼女のアルバム『プレッピー』(1983年)収録のシングル・ヒット曲。ジャム&ルイスのプロデュース作品。
■ メンバー
シェリル・リン/Cheryl Lynn
ドナルド・ミッチェル/Donald Mitchell(BGV)
シャロン・ウォレス/Sharon Wallace(BGV)
ティア・ウォレス/Tia Wallace(BGV)
ヴァレリー・ピンクストン/Valerie Pinkston(BGV)
ロイド・トルバート/Lloyd Tolbert(Keyboards)
ケネス・クラウチ/Kenneth Crouch(Keyboards)
ワウ・ワウ・ワトソン/Wah Wah Watson(Guitar)
アル・ターナー/Al Turner(Bass)
ロン・オーティス/Ron Otis(Drums)
■セットリスト シェリル・リン
Setlist : Cheryl Lynn @ Billboard Live Tokyo, March 18,2008
Show started 21:42
01. Intro – Instant Love
02. Say You’ll Be Mine
03. Good Time
04. Look Before You Leap (+Greg Phillinganes on keyboard)
05. Keep It Hot
06. Stargate
07. Diva Medley(7)-(9): Proud Mary [Ike & Tina Turner]
08. Love Hangover [Diana Ross]
09. Respect [Aretha Franklin]
Enc. In The Night
Enc. Got To Be Real
Show ended 23:02
(2008年3月18日火曜、ビルボード・ライヴ・東京=シェリル・リン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Lynn, Cheryl
2008-42
アンコール。
「ガット・トゥ・ビー・リアル」の超ダンス・クラシック・ヒットを持つシェリル・リンの久々のライヴ。10年近く前に、彼女がエイベックスと契約してアルバムをリリースしたころ(1995年)、インタヴューしたことがあった。あのときは、ベルファーレでライヴをやったんだっけ。(←要確認) いずれにせよ東京地区でのライヴは久々だが、どうやら大阪ブルーノートなどには来日していた様子。
観客層は、さすがに20年前にディスコでがんがん踊っていたようなファンたちが中心だ。
さて、「インスタント・ラヴ」から始まったライヴは、ドラムス、ギター、ベース、キーボード2人にコーラス男性1、女性3の計9名がバックアップする大所帯のバンドだった。曲自体はディスコだが、シェリル・リンはもともとゴスペルを歌ってきただけに、歌唱はまちがいない。それは、まさにゴスペル歌唱。そして、体格もゴスペル体格。まちがいない。この日は、けっこうのっているように見えた。「セイ・ユール・ビー・マイン」を一度終えて、アドリブで追加部分を歌いだしたことからも、のっていたことがわかる。
バンド演奏で、ギターの音が実に歯切れがいいなあと思ってメンバー表を見ると、なんとワウ・ワウ・ワトソンの名前が! 帽子を深めに被り、彼だけ椅子に座って黙々とギターを弾き、ちょっと怪しげ。だが、プレイはまちがいない。
この日は大サプライズがあった。驚くなかれロスの売れっ子キーボード奏者、グレッグ・フィリンゲインズがシェリルに紹介されてステージに上がったのだ。あれ、なんで彼がいるの? ちょうどトトのライヴのために、来日していたという。な〜るほど。「彼は以前私のバンドマスターで、この曲を一緒に演奏したわ。彼はすごいのよ、マイケル・ジャクソンなんかと一緒にやって。私のバンドもね(笑)」と説明し、「ルック・ビフォー・ユア・リーヴ」をプレイ。バンドのキーボード奏者、ケネス・クロウチもかっこいいが、グレッグのパフォーマンスも、フィリップ・ウー並にかっこいい。
ディーヴァ・メドレーで、彼女がアイドルとしたティナ・ターナー、ダイアナ・ロス、アレサ・フランクリンの曲をメドレーにして歌った。アンコールは、「イン・ザ・ナイト」と「ガット・トゥ・ビー・リアル」。「シェイク・イット・アップ・トゥナイト」はやらなかった。そして「アンコール」もやらなかった。(笑)
だが、終わった後、しばらくしてサイン会で大サーヴィス。ちなみにサイン会はみんなにサインをしてから改めて写真撮影の2回まわしだった。
(註)「アンコール」は、彼女のアルバム『プレッピー』(1983年)収録のシングル・ヒット曲。ジャム&ルイスのプロデュース作品。
■ メンバー
シェリル・リン/Cheryl Lynn
ドナルド・ミッチェル/Donald Mitchell(BGV)
シャロン・ウォレス/Sharon Wallace(BGV)
ティア・ウォレス/Tia Wallace(BGV)
ヴァレリー・ピンクストン/Valerie Pinkston(BGV)
ロイド・トルバート/Lloyd Tolbert(Keyboards)
ケネス・クラウチ/Kenneth Crouch(Keyboards)
ワウ・ワウ・ワトソン/Wah Wah Watson(Guitar)
アル・ターナー/Al Turner(Bass)
ロン・オーティス/Ron Otis(Drums)
■セットリスト シェリル・リン
Setlist : Cheryl Lynn @ Billboard Live Tokyo, March 18,2008
Show started 21:42
01. Intro – Instant Love
02. Say You’ll Be Mine
03. Good Time
04. Look Before You Leap (+Greg Phillinganes on keyboard)
05. Keep It Hot
06. Stargate
07. Diva Medley(7)-(9): Proud Mary [Ike & Tina Turner]
08. Love Hangover [Diana Ross]
09. Respect [Aretha Franklin]
Enc. In The Night
Enc. Got To Be Real
Show ended 23:02
(2008年3月18日火曜、ビルボード・ライヴ・東京=シェリル・リン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Lynn, Cheryl
2008-42
1 2