【元祖雨男〜ガッツ、コットン・クラブ初登場】

雨男。

ついにガッツがコットン・クラブ・デビュー。しかし、このところ、ガッツがソロ・ライヴを行う日は、なぜか雨が降る。(笑) まさに元祖雨男だ。ライヴ告知も一ヶ月前の急遽のライヴ、雨ということで、若干動員も心配されたが。この日はベースとキーボードという3人編成でのアコースティック・ヴァージョン。バンドはバンドで大きな魅力だが、こうしたアコースティック・ヴァージョンでも、意外とガッツの場合はグルーヴ感がある。たった1人でもグルーヴ、2人でもグルーヴ、そして、3人でもグルーヴ。もちろん10人でもグルーヴ。

西脇さんは、キーボードのほかにカホーン、そして、いつものハーモニカも。下野さんは、一見ギターのようなベースをプレイしていた。選曲は、前回ブルース・アレーでおこなったフル・ショウの凝縮版。ガッツは同じ曲でも、バンドでやるときはバンドのスタイルで、またアコースティックのときはそれなりにまとめる。職人という感じだ。

コットンでは、僕はブラックのバンド編成を聞くことが多く、そうした音がなかなかよいので、次はここでもバンド編成でやって欲しいところ。

■過去記事

January 29, 2008
Gatz Live At Blues Alley: Tons Of Sparkling New Songs
http://blog.soulsearchin.com/archives/002291.html
(ここに過去記事一覧も)

■メンバー

GATZ(vo,g)、西脇辰弥(key,arr)、下野人司(b)、

■セットリスト
Setlist : Gatz Live @ Cotton Club, March 30, 2008
セットリスト ガッツ 

Show started 19:43
01. Journey
02. Great Escape
03. 君の瞳
04. Melody
05. Wake Up
06. 夢物語
07. ありがとう
08. 地球に抱かれてる
Enc. Message
Show ended 21:11

(2008年3月30日日曜、丸の内コットン・クラブ=ガッツ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Gatz
2008-51
【訃報・ショーン・リヴァート39歳で死去】

刑務所。

R&Bヴォーカル・グループ、リヴァートのメンバーのひとりで、リード・シンガー、ジェラルド・リヴァート(故人=2006年11月10日に40歳で他界)の弟でもあるショーン・リヴァートが去る2008年3月30日(日曜日)夜、オハイオ州クリーヴランドの収監先のクヤホガ・カウンティー刑務所内で意識不明になり、すぐに近くのルーサーラン病院に運ばれたが、死去した。39歳だった。

ショーンは、子供の養育費の未払いが8万ドル以上あり、そのために1年10ヶ月の実刑を受けて収監されていた。これが先週月曜(3月24日)のこと。ショーンには、11歳、15歳、17歳の3人の子供がいた。ショーン自身、元々14歳ごろからマリファナを使用していたが、死因に特に不審な点はない模様。裁判で判決が言い渡されたときには特に健康面での問題は語っていなかった、という。毒物・薬物検査なども行われるが、その結果は4−6週間かかる。

刑務所によると、ショーンは高血圧と若干の幻覚に悩まされ、24時間体制で監視されていた。

リヴァートは、1980年代に「カサノヴァ」などの大ヒットを放ち、グラミー賞にもノミネートされた。

+++++

ショーン・リヴァートまで亡くなった。一体なんたること。ショーン・リヴァートは1968年9月28日オハイオ州クリーヴランド生まれ。まだ40歳の誕生日を迎えていない。ショーンもジェラルドの後を追うようにソロ活動をした。だが、ジェラルドほど大きな成功は得られなかった。彼の唯一のソロ・アルバムは1995年の『ジ・アザー・サイド』。

リヴァートとして成功を収めた息子たち2人をすでに失った父エディー・リヴァート(オージェイズのメンバー)の気持ちは計り知れない。父エディーがこれに気を落としてがっくりしないように祈りたい。

オハイオ州カントンには、彼らのファミリー・ネーム、リヴァートを冠したストリートがあるという。

音楽プロデューサー・松尾潔さんの話。「ジェラルドに続いてですか。リヴァートはアメリカで何度か見てるんですよ。本当に好きなグループだったなあ。2人の息子を失った父の気持ちは、言葉にできませんね…。今夜は『ステアウェイ・トゥ・ヘヴン』(オージェイズの1976年のヒット)でも聴いて喪に服します」

「ステアウェイ・トゥ・ヘヴン」(歌詞・一部)

Here we go
Still in a moment of pleasure
You and I
We are gonna find the pirates treasure
Here we go
Oh baby here we go
Climbing the stairway to heaven
Climbing the stairway to heaven
And we are going step by step
Together

■ 過去関連記事〜ジェラルド・リヴァート訃報

November 12, 2006
Gerald Levert Dies Of Heart Attack At 40
http://blog.soulsearchin.com/archives/001386.html

November 13, 2006
Gerald Levert, Forever:
http://blog.soulsearchin.com/archives/001387.html

ENT>OBITUARY>Levert, Sean / September 28, 1968 -- March 30, 2008 (39)
【DJイヴェント「メロー・ライダーズ」第5回、4月28日に開催】

1年余ぶり。

「スイート・ソウルの番人とファンクの達人による、超強力夢のコラボレート・イヴェント」というコンセプトで、横浜のソウルバー、クラブ「ルーサー」で開催されてきたDJイヴェント「メロー・ライダーズ」の第5回が来る2008年4月28日に行われることになった。今回も、ソウル、R&Bのレコード、CDをソウルに造詣(ぞうけい)が深いDJたちが回す。

この「メロー・ライダーズ」は、第1回が2005年2月に行われ、以後、2005年7月、2005年10月、2006年12月と過去4回行われているが、2007年は各DJのスケジュールがあわず、ついに一度も開催されなかった。そこで満を持して2008年、1年4ヶ月ぶりに第5回が行われる。

ちなみに前回(2006年12月27日)は、ジェームス・ブラウンの死去(25日)直後だったため、ソウル・サーチャーは自分の持ち時間すべてをジェームス・ブラウンの作品に捧げた。

なお、本イヴェントのチケットは完全予約制・抽選で販売する。詳細は次の通り。

イヴェント名「メロー・ライダーズ」〜第5回
〜ソウル、ファンク、ダンスクラシックス〜
mellow ridaz vol.5 @ Luther
■日時 2008年4月28日(月)開場20:00〜4:00
■料金 ¥2,500(2ドリンクつき)
■DJ DJ Osshy、吉岡正晴[The Soul Searcher] ほか
■会場 横浜・ルーサー 神奈川県横浜市西区南幸2−10−18 
東海屋ビル3階 (1階は中華屋さん)
電話 045−314−8993

【1】本イヴェントは完全予約制です。
【2】チケット購入ご希望の方は、お名前、住所、連絡先、年齢、Eメールアドレスを明記の上 info@osshy.com 担当:山本までEメールをおおくりください。メールには「ソウル・サーチン・ホームページを見た」とお書きください。なお携帯電話のメール受信でドメイン指定をしている場合、「osshy.com」からのメールを受信できるように設定してください。
【3】応募締切りは2008年4月17日(木)。
【4】厳正な抽選により当選者にチケットを販売致します。
【5】20歳未満の方は入場出来ません。予約名とID(年齢と氏名)との確認があります。予約名とIDが違う場合入場できません。
【6】お一人様2枚限りの販売となります。
【7】抽選結果は4月25日(金)迄にメールにてお知らせ致します。
【8】本イヴェントは、DJ Osshyのダイレクトメール、メールマガジン会員向けのものです。申し込みにあたって、その会員でない方は、会員になってください。費用などは一切かかりません。申し込みアドレスは次の通り。また本イヴェントの応募締め切りは4月17日ですが、4月7日現在の同会員が応募できます。
http://www.osshy.com/mailmagazine.html

■ 「メロー・ライダーズ」過去記事

2005/02/03 (Thu)
DJ At Luther
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200502/diary20050203.html

2005/02/04 (Fri)
Behind The Scene At Luther: Where There’s A Dancer, There’ll Be A Soul Of DJ
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200502/diary20050204.html
(第1回)

August 01, 2005
Mellow Ridaz Vol.2
http://blog.soulsearchin.com/archives/000419.html

August 02, 2005
Mellow Ridaz Vol.2:  Why Dexter Redding Is In Japan
http://blog.soulsearchin.com/archives/000422.html
(第2回)

October 31, 2005
Mellow Ridaz Vol.3
http://blog.soulsearchin.com/archives/000609.html
(第3回)

December 28, 2006
Mellow Ridaz Vol.4 : DJ Batton & Tribute To James Brown
http://blog.soulsearchin.com/archives/001482.html
(第4回)

EVENT>ANNOUNCEMENT>Mellow Ridaz
【ラッド・ライヴ〜タイム・カプセルの中のファンク】

タイム・カプセル。

想像した以上によかった。サンフランシスコ・ベイエリアを本拠に活躍するキーボード奏者、シンガー、ラッドのおよそ半年振りのコットン・クラブでのライヴ。しかも、今回はトロンボーンにジェームス・ブラウン・ファミリーでおなじみのフレッド・ウェスリーがゲスト的に参加。これはファンク度があがりそうだ。

全体的なサウンドは、どこか、タワー・オブ・パワー風、ジェームス・ブラウン風、シーラE風…。まさにリアル・ミュージシャンの醸し出すファンク・サウンドだ。女性のラッドは、フィリピンに生まれ生後9ヶ月でオークランドに移り住んだ。フィリピンのことはほとんど記憶がない、という。子供のころからオークランドに住んでいれば、自然にソウル、ファンクが体に染み付くであろう。彼女たちのライヴを見ていると、ベイエリアという地域は、いい意味でのリアル・ミュージックが本当の輝きを持っていた時代が、タイム・カプセルにそのまま保存されているかのようだ。

ベイエリア=ファンクのタイム・カプセル。いいキャッチ。

ドラムスも、ベース(オランダ・アムステルダム出身=現ロス・アンジェルス在住)も、ギターも、サックス奏者(このバンドのレギュラーは、エリック・リーズで、エリックの都合がつかないとこの彼になるという)もみな強力にファンキーなミュージシャンだ。

フレッド・ウェスリーがひとたびトロンボーンをブロウすると、瞬間にジェームス・ブラウン・ファンクがよみがえる。なんと、この日は「ハウス・パーティー」で渋い喉も披露した。

アンコール前に、彼女がひとりになって歌いだした曲。” I don’t wanna lose your love…” 歌詞とメロディーは知っている、あれ、これなんだっけ。ゆっくりとキーボードだけで歌いだしたその曲はエディー・フロイドの「ノック・オン・ウッド」だった。そして、途中からフレッドが傍らにやって、吹き始める。シンプルなアレンジがすばらしい。今年の「ソウル・サーチン・ベスト・アレンジメント・ソング・ライヴ・パフォーマンス賞」の候補にあげたい。

ラッドは、どこかパトリース・ラッシェンや、男フランク・マッコムという雰囲気を漂わせる。キーボードを弾きながらの歌など、フランクを思わせ、一方、声は低く落ち着きがあり、ふとレイラ・ハザウェイを思わせるところもある。アルバムもPヴァインから数枚でており、さらに日本盤のでていないものもあるそうだ。タワー・オブ・パワーなどのベイ・エリア・ファンクが好きな人だったらまちがいなく気に入る。ラッドっていくつくらいなのかなあ、と思ったが、バイオに1990年に大学を出たとあった。推定すると1968年前後の生まれか。年季がはいっているわけだ。ちなみに誕生日は3月7日だそうです。

本編最後では、JBズの大ヒット「ドゥーイン・イット・トゥ・デス」を演奏、フレッドがでてきた日にゃあ、もう本物のJBズ。なんでたった一音、一フレーズで「おおっ、フレッド」となるのだろうか。

ライヴ終了後は、ラッドとフレッドがCDを即売してサイン会。メンバーたちも客席でファンたちと気軽に話をしている。フレッドとライヴを見る以外で、直接会うのは昨年『ソウル・ブレンズ』にゲストで来て以来。今年は、少なくともあと2回来日が決まっている、という。楽しみだ。

■ フレッド・ウェスリー過去記事

September 15, 2007
Maceo Parker Thanks For Stuff At Blue...No, Billboard Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002025.html
メイシオ・パーカー・ライヴにフレッド・ウェスリー

April 21, 2007
Show James Brown And Don Katsumoto Live Of Funk Masters
http://blog.soulsearchin.com/archives/001722.html

April 23, 2007
Funk Masters : Good Audience Makes Good Performance
http://blog.soulsearchin.com/archives/001731.html
フレッド・ウェスリーを含むファンク・マスターズ・ライヴ評

■ ラッド・オフィシャル・ウェッブ
http://www.radmusic.com/radmusic/index.html

コットン・クラブでの紹介
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/schedule/#

■ ラッドのライヴは、4月4日(金)、5日(土)、横浜モーション・ブルーで
もあります。
http://www.motionblue.co.jp/schedule/

■ メンバー

ラッド・ウィズ・スペシャル・ゲスト・フレッド・ウェズリー
Rad.(vo, key), Fred Wesley(tb), Charles McNeal(sax), Ray Obiedo(g), Marc Van Wageningen(b), Billy Johnson(ds)

■セットリスト ラッド@コットン・クラブ 2008年4月2日
Setlist : Rad. @ Cotton Club, April 2, 2008

Show started 21:31
01. Intro
02. Sister
03. Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours
04. East Babe
05. House Party (Fred Wesley sings)
06. Make Every Second Count
07. Back Here Again
08. Before We Say Goodbye
09. Cha Cha
10. Trippin’ (East Bay Funk)
11. Time To Change (Rad Solo)
12. Knock On Wood (Rad Solo + Fred join)
13. Doin’ It To Death
Enc. Gotta Be
Show ended 23:00

(2008年4月2日水曜、丸の内コットン・クラブ=ラッド、フレッド・ウェスリー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Rad. / Wesley Fred
2008-53
【ショーン・ギャレット・ショーケース・ライヴ】

MJ。

ソングライターとして、これまでにアッシャー、デスティニーズ・チャイルド、クリス・ブラウン、ファーギーなどへ多くの作品を提供し、ヒットを送り出してきたショーン・ギャレットが、いよいよ満を持してシンガー・デビューを果たす。5月にリリースされる『ターボ919』というアルバムがそれで、そのお披露目をかねてプロモーションで来日、4月1日、渋谷のクラブ、「アトム」でショーケース・ライヴを行った。

さまざまなメディアでの招待などで、会場は若いファンでたいへんな熱気。DJリューのMCで紹介されてショーンが登場。彼の歌声を聴くと、クリス・ブラウンというより、コメディアンのクリス・タッカーのよう。ちょっと高い声で、でも、マイケル・ジャクソンほどは高くない。さすがにソングライターでヒット曲を多数生み出しているだけあって、曲がなかなか強力。ヒットメドレーのさわりを聴くだけで、時代に乗っているということがわかる。

さくっと歌い終えたところで、ちょうど来日中のニーヨが舞台に姿を出すと、それまでの客がど〜とステージの前のほうに進み、スペースができた。こんなに人間ってつめられるんだ、と感心。(笑) 満員電車で乗車率200%なんていうのは、こういう風につまっていくんだろうな、と思った。ニーヨは、ショーンの観客をすべて持っていった感もあった。観客泥棒か。(笑)

ライヴ後は関係者とミート・アンド・グリート。「シンガーとして一番影響を受けたのは誰?」と聴くと、即座に、「マイケル・ジャクソン」と答えた。MJだ。なるほど、そうかあ。で、誕生日は?「3月9日、1981年」 27歳になったばかり。おおっ。もっといってるかと思った。(笑)

Setlist : Sean Garrett @ Atom, Shibuya April 1, 2008

Show started 21:44
01. Grippin
02. Hit Medley: Yeah -- Posse - Loose My Breath -
03. Lay Up
04. Turbo 919
Show ended 21:58

(2008年4月1日火曜、渋谷アトム=ショーン・ギャレット・ショー・ケース・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Garrett, Sean
2008-52
【ティファニーで夕食を】

ティファニー。

ティファニーで検索するとよく出てくるのが宝石店のティファニー。ニューヨーク5番街にあるティファニーは全女性の憧れ。オードリー・ヘップバーンの映画『ティファニーで朝食を』でのシーンも有名だ。

さて、ここに登場するのは、ティファニーという名の女性ジャズ・シンガー。セットリストをごらんになればわかるように、誰もが知っているタイプのスタンダードを歌う。

最近、このコットン・クラブでは、気軽なミュージック・チャージでライヴを楽しめるようにと、日本在住ミュージシャンを次々とブッキングしている。このティファニーもその一環。敷居の高さを、より低くしようという試みだ。こうした入門編企画をして、ライヴの楽しさを一人でも多くの人に知ってもらえるということは素晴らしい。

彼女はエラ・フィッツジェルラルドやサラ・ヴォーンなどに影響を受けたシンガー。バイオグラフィーを見ると、6月7日ロスアンジェルス生まれだそうで。ということは、あのプリンスと同じ日ではないか。

僕が個人的に印象に残ったのは、アンコールで歌われた「アメージング・グレイス」。特に、このイントロからの秋田慎治さんのブルージーなピアノがすばらしかった。それまでは、あまり黒さを感じなかったのだが、この「アメージング・グレイス」のピアノはなぜかけっこう黒かった。

このコットンでは、夕食も食べられるので、ティファニーを聴きながらディナーを取れば、「ティファニーで夕食を」。いいキャッチ。(←再び自画自賛)

■ メンバー

Tiffany(vo), 秋田慎治(p), 井上陽介(b), Jimmie Smith(ds), Raymond McMorrin(sax)

■セットリスト ティファニー@コットン・クラブ
Setlist : Tiffany @ Cotton Club, April 4, 2008

show started 21:30
01. (Instrumental)
02. What A Little Moon Light Can Do
03. Mack The Knife
04. My Favorite Things
05. You Don’t Know What Love Is
06. They Can’t Take That Away From Me
07. A Boy From Ipanema
08. Fly Me To The Moon
09. Summertime
10. When The Saints Go Marching In
Enc. Amazing Grace
Show ended 22:57

(2008年4月4日金曜、丸の内コットン・クラブ=ティファニー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Tiffany
2008-55
【マイケル研究家・郷太観】

研究。

先日ライヴ・パフォーマンスを見たMJ-Spiritのブルートゥリーさんがマイケル・ジャクソン研究家の西寺郷太さん(ポップ・グループ、ノーナ・リーヴスのヴォーカル担当)をぜひ紹介したいというので、一席もうけていただいた。かなりマイケルについては研究しているとはうわさに聞いていたが、実際に会って話してみると、大変なものであった。

5時間近くあっという間にしゃべり倒された。(笑) テーマも多岐にわたったのだが、それらは郷太さんの仮説がひじょうにおもしろく、興味津々だった。そのうちのいくつかは彼が宇多丸さんのラジオ番組に出たときに話したというものだという。

彼は音楽と政治と歴史に興味がある。そこでマイケルの歴史と日本の政治家小沢一郎とを関連付けての仮説は最高におもしろかった。小沢一郎が衆院議員に初当選するのは1969年、奇しくもマイケルがジャクソン5としてモータウンからデビューするのと同年だ。そんなことを発見する郷太さんは、すごい。以降、それぞれの年表を作り、共通点をあぶりだしていく。2人の最大の共通点は周囲に周到な根回しができない点だと彼は指摘する。その結果、周りにいる優秀な人たちがみな徐々に離れていってしまう、という。な〜るほど。

またマイケルとクイーンとの関係、マイケルとプロデューサー、クインシー・ジョーンズとの関係、『オフ・ザ・ウォール』、『スリラー』、『バッド』とアルバムを制作していく過程でのマイケルとクインシーとの関係の推察なども妙に説得力がある。クイーンの「アナザー・ワン・バイツ・ザ・ダスト」はもともとマイケルに提供されたものだった。それが没になってのクイーンとの関係がどうなったか。あるいは、「ウィ・アー・ザ・ワールド」におけるマイケルの位置、そこから発展し、「ウィ・アー・ザ・ワールド」に参加したアーティストたちが、その後、一発程度大ヒットを飛ばすものの、ほとんどみな人気が下降していく、という指摘。おもしろい。

マイケルのアルバム『バッド』のジャケットとクインシーのアルバム『バック・オン・ザ・ブロック』のジャケットは、横に並べるとデザインがシンメトリーだ、という発見。これも気づかなかった。

さまざまな事実、ひとつひとつはささやかな事実を、徹底して俯瞰(ふかん)して見つめることによって浮かび上がる壮大な真実。僕もライナーノーツや記事を書くときに、徹底して主観を排し事実を積み重ねていくが、彼も同様のことをここ20年近くやってきた。

彼がマイケル好きになったきっかけが、ジャクソンズのアルバム『ヴィクトリー』(1984年)の僕が書いたライナーノーツだという。その後、僕が翻訳したマイケルの年表ブック『マイケル・ジャクソン観察日誌』(小学館)は、それこそ穴があくほど読んだそうだ。マイケルをここまで研究するようになったきっかけが僕のライナーノーツだと言われて、驚いた。

しかし、あの事実だけの資料ブック『マイケル・ジャクソン観察日誌』やさまざまな資料から、ここまでの仮説をイマジネーションたくましく広げられるというのは本当にすごい。いちいち説得力がある。そこに感銘を受けた。

彼は言う。「司馬遼太郎は、坂本龍馬には会ってないんですよ。でも、彼が書く坂本龍馬は、司馬の視点で書かれていて、それはまさに『司馬観』でできている。だから、僕も『郷太観』でマイケルを見つめています」

これらの仮説はまとめて、将来一冊の本にしたいという。これはまちがいなくおもしろい読み物になる。

ENT>ARTIST>Jackson, Michael
ENT>ARTIST>Nishidera Gota

★Art Cafe Friends Open

2008年4月8日
【アート・カフェ・フレンズ・オープン】

再開。

昨年5月、地上げによって閉店した恵比寿の「アート・カフェ」が場所を近くに移し、新たに4月7日オープンした。9日から一般営業が始まる。こんどの店舗は80〜90席を有し、前店舗の約2倍の広さ。また地下一階のためか、天井も高く、かなり解放感がある。この場所は、以前、恵比寿のボーリング・センターがあったところ。

すでに4月から毎日、軽いアコースティック系のジャズ・アーティストなどをブッキング、ライヴをやることになっている。いまのところ、チャージは3000円からで、これにドリンク代500円がかかるスタイル。ドラムス、ピアノ(スタインウェイ)などは常備。簡単なPAはある。

以前の店と比較すると、かなり広いので、カフェというより、ライヴスペースという印象が強い。毎日ライヴが入るわけだから、まあ、新しいライヴ・ハウスができたということになりそう。また店舗の壁には、オウナー鈴木正勝さんが趣味で集めた絵画が多数飾られている。前の店舗で使われていた立派なカウンターも今回バースペースに復刻されている。

お店のオフィシャル・ページ
http://artcafefriends.com/

ライヴ・スケジュール
http://artcafefriends.com/artcafefriends_002.htm

「アート・カフェ・フレンズ」       --
東京都渋谷区恵比寿南1−7−8
恵比寿サウス・ワン B1
03-6382-9050 / FAX: 03-6382-9051
JR恵比寿駅西口を出て、恵比寿像側に出ます。すぐに左に曲がって、スーツ・セレクトの横を入り、2ブロックめのビルの地下です。

ENT>LIVE HOUSE>Art Café Friends
【テイク6は、ベスト6】

一声一気(ひとこえいっき)。

2006年9月、さらに2007年3月以来約1年1ヶ月ぶり通算18回目の来日ツアー。セドリックはほぼ事実上脱退したかのようで、代わりに今回もクリスチャン・デントリーが参加。

ステージには6本のマイクと、グランドピアノ。なぜかこの日はドラムもあったが。(笑)マークたちが一声発しただけで、一気に観客のすべてをつかむ。ヒップホップ風リズムを口でやりながら、ファンキーなコーラスをつけたかと思えば、美しいゴスペル風作品を見事なハーモニーで聴かせる。スタンダードもあれば、ポップ、R&B、さまざまなタイプの音楽を、すべて「テイク6」節にする。

司会役・低音のアルヴィン・チアが聞いた。「今までテイク6のコンサートに来たことがある人、手を上げて」3分の1くらいが手をあげた。「あなたたちは、みんなファミリーだ。では初めての人は?」 驚いたことに半分くらいが手を上げた。「もちろんあなたたちもファミリーだ」 すごくいいバランスではないだろうか。初めてこのテイク6を見たら、それは度肝を抜かれるだろう。何度見ても、それは強烈だ。歌声だけでここまで持っていけるというのは、本当にすごい、実力者ならではだ。

この日おもしろいと思ったのは、下記セットリストで12からの「フリー・スタイルのジャム・セッション」。その場でメンバーそれぞれが歌いたいと思った曲を、やりだすというもの。誰かが頭を歌うと、残るメンバーはそれに合わせてコーラスをつけていく。もちろん膨大なレパートリーの中から歌われるのだが、その即興性が楽しい。新加入のクリスチャンは、この日はマイケル・ジャクソンの「ロック・ウィズ・ユー」を歌い、途中ムーン・ウォークまで見せた。彼のソロ部分を聴いたとき、ずいぶんとマイケルに似た声だなと思っていたので、妙に納得した。

現在次の新作をレコーディングだそうで、そのタイトルは、「ザ・スタンダード」となるという。スタンダードばかりを録音するということで、これはまた話題になりそうだ。

唯一リクエストがあるとすれば、「ハウ・スゥイート・イット・イズ」や「サムデイ・ウィル・ビー・フリー」「ピープル・ゲット・レディー」あたりのソウル曲をもう少しセットリストに加えて欲しいということくらいだ。

しかし、テイク6、コーラスの完璧さからして、全員上手な歌い手ということで「ベスト6」と名付けたくなる。6人のコーラス・グループとしては世界一の一声一気だ。

■過去のテイク6関連記事

November 09, 2005
Take 6 Live: We Want More
http://blog.soulsearchin.com/archives/000630.html

2003/12/10 (Wed)
Take 6 Junkie: World’s Number One Groups’ Number One Fan
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20031210.html

2002年5月15日
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/take620020515.html
テイク6・2002年5月来日時のライヴ評

2003年8月19日
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20030819.html
テイク6、レイラ・ハザウエイ、マーカス・ミラー2003年8月来日時のライヴ評

2004/12/07 (Tue)
Naturally 7: Live At AX: It’s The Art
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200412/diary20041207.html
テイク6のライヴァル、ナチュラリー7のライヴ評

2004/12/08 (Wed)
More Naturally 7: They Bless This House
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200412/diary20041208.html

ブルーノート・ウエッヴ
http://www.bluenote.co.jp
4月13日(日)まで。

■ メンバー

アルヴィン・チーア(ヴォーカル)Alvin Chea(vo)
ジョーイ・キブル(ヴォーカル)Joey Kibble(vo)
マーク・キブル(ヴォーカル)Mark Kibble(vo)
クロード・マックナイト(ヴォーカル)Claude McKnight(vo)
デイヴィッド・トーマス(ヴォーカル)David Thomas(vo)
クリスチャン・デントリー(ヴォーカル)Christian Dentley(vo)

■セットリスト テイク6 
Setlist : Take 6 @ Blue Note Tokyo, April 8, 2008
(special thanks to Michiko Matsuura for making setlist)

Second set:
Show started 21:33
01. If We Ever
02. I’ve Got Life with Remix 〜 Spread Love
03. My Friend
04. Wade In The Water
05. Set U Free
06. Just In Time (including riff of “As Time Goes By”)
07. Lamb Of God
08. Smile (Christian on piano)
09. We Don’t Have To Cry (Alvin on piano)
10. More Than Ever
11. Fly Away
12. Free Form Jam:
a) Christian Jubilee
b) I Wish [Stevie Wonder]
c) Rock With You [Michael Jackson]
d) Biggest Part Of Me [Ambrosia, Take 6]
e) Something Within Me
13. Come On
Encore Mary, Don’t You Weap
Show ended 22:48

(2008年4月8日火曜、東京ブルーノート=テイク6・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Take 6
2008-56

◎Kevin Michael Showcase

2008年4月10日
【ケヴィン・マイケル・ショーケース】

アフロ。

ケヴィン・マイケルが大きなアフロヘアで登場した瞬間、一見、日本のダンスマンかDJオズマかと思った。アメリカ・ペンシルヴェニア州出身、現在22歳(1985年生まれ? 今年の誕生日で23になるようだ)。父親がアフリカン・アメリカン、母親がアフリカン・アメリカンとイタリアンのハーフ。ということで4分の3がブラックで、4分の1がイタリアン。デビュー・アルバム『ケヴィン・マイケル』を日本でもリリースしたばかりで、プロモーション来日。そのショーケースが渋谷ウームであった。

基本は、トラック(カラオケ)にあわせて歌うが、一応DJ1人(DJオメガ)、ギターとキーボードを担当するアキル・ダサンがステージにいる。4曲歌って、質疑応答。受けたのは、なぜミュージシャンになったのか、という質問に「僕が音楽を選んだじゃんない。音楽が僕を選んだんだ」と答えたところ。彼が英語でそう言った瞬間、観客から「ヒュ〜ヒュ〜」と歓声があがった。「マイケル・ジャクソンやプリンスのような息の長いアーティストになりたい」とも。

途中でヴォコーダーを使う部分もあったが、ロジャーほどではなかった。さらっと使った感じ。せっかくだから、ダンスマンに会わせて、どっちのアフロが大きいか比べてみたいと思った。(笑)

セットリスト ケヴィン・マイケル
Setlist : Kevin Michael @ Womb, April 9, 2008

Performance started 19:43
01. Hood Buzzin
02. Vicki Secrets (+Vocoda improvisation)
03. Ain’t Got You
04. It Don’t Make Any Difference To Me
>Question & Answer
Enc. We All Want The Same Thing
Performance ended 20:16

(2008年4月9日水曜、渋谷ウーム=WOMB=、ケヴィン・マイケル・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Michael, Kevin
2008-57
【ソウル・バー『ストリート・カフェ』三茶へ移転しオープン】

心機一転。

世田谷通りにあったソウル・バー「音楽酒場 ストリート・カフェ」が水の事故のために2007年4月に急遽閉店したが、それから1年、三軒茶屋に引越し、2008年4月14日新規オープンする。10日、関係者を集めた簡単なお披露目を行った。

世田谷通りのお店で配水管が破裂し、店が水浸しになったのが2007年4月13日のこと。一時期は、同地での再開も模索したが、諸条件で不可能となり、新たな場所を探し、今回無事三軒茶屋でのオープンにこぎつけた。

新店は前店のほぼ2倍、約18坪30席。地下1階のためか、天井も高く解放感がある。そして、新店は簡易PAなどを設置し、3-4人のバンド・ライヴは常にできるようになった。店主長野さんは、ご存知、ジェームス藤木さんとともに東京モウタウン・ショウ、ワンダラーズなどのグループでベースを弾くが、そんな音楽仲間もちょくちょく顔を出しそうだ。

長野さんによると、当分、年中無休、ライヴは月に3回程度いれていくつもりだという。その3回もソウル・バンドのライヴと、一人娘ミーのダンサー仲間を中心としたダンス系ライヴも行う。

場所は、三軒茶屋から茶沢通りを下北沢の方に行き、約200メートルの右側。100円パーキングのすぐとなり。カフェ・ド・クリエの斜め向かいにある。1階はメキシカン・レストラン「メチャリブレ」。

最初の「ストリート・カフェ」は、世田谷通りに1997年11月11日オープンした。長野さんがドゥワップからソウルの世界に入ったこともあり、ドゥワップ、ヴォーカル・グループものに強いが、新しいものもかけてきた。旧店もカウンター、レコード棚、椅子などをほぼ長野さんが日曜大工的に作ったが、今度の新店も、長野さんとその仲間で、まったく何もないところから8割がたを作ったという。壁を塗ったり、カウンター下のガラスブロック、水道の配管なども自分たちでやったと言われ、ここまでできてしまうなら「ワンダラーズ工務店」が営業できるのでは、と話をした。(笑) ストリート・カフェのウェッブの日記のところに、スケルトン(まっさら)の状態で工事をしているところの写真などがある。

新規オープンは、事故からちょうど1年と1日、2008年4月14日(月曜)。三軒茶屋、三宿近辺は、まさにソウル・バー激戦区になってきている。

この日は、ジェームス藤木さんご一行がお祝いに駆けつけ、のってきたところで、バンド演奏が始まった。

(その模様は明日以降の本ブログで)

■    音楽酒場 ストリート・カフェ Street Cafe
住所 154-0004 東京都世田谷区太子堂2-23-5
プルミエ太子堂 地下1階
電話 03-3487-4886
開店 2008年4月14日(月)
営業 19時〜午前4時 年中無休
テーブルチャージ 500円 ドリンク 600円〜

■ストリート・カフェ・オフィシャル・ウェッブ
http://stcafe.soul-star.net/

■過去関連記事
http://www.soulsearchin.com/entertainment/soulbars/streetcafe20020327.html
ストリート・カフェに訪れたマーチンこと鈴木雅之さん

ENT>SOUL BARS>Street Cafe
【ストリート・カフェ・オープニング〜明日のスター誕生】

(昨日の続き)

6歳。

「ストリート・カフェ」の旧店でもときどきライヴはやっていた。そこで今回の新店ではよりライヴができやすくなっている。ジェームスさんや、ワンダラーズ、東京モウタウン・ショウの面々などが集まっている。そんな中で目をひいたのが、ひとりの小さな男の子。靴の先はとんがっていて、ブーツみたい。メンバーのお子さんのひとりでその名は鈴木ゆうや君。まるでマイケル・ジャクソンの小さな頃みたいな雰囲気だ。(笑)まさか、この子、歌うの? という雰囲気だが、どうやら歌うらしい。

ジェームスさんと長野さん(ベース)がなにやら打ち合わせをし、「ゆうや、歌うか」みたいな感じになった。そして、演奏が始まると、ゆうや君、マイクを持ってリズムに体をゆらしながら、歌いだすではないか。サビのところが聞き覚えがあった。なんだっけ、この曲。そうだ、アーサー・コンレーの「スイート・ソウル・ミュージック」。サビの「オーイエー」というリフが印象的だが、ゆうや君、日本語で歌っている。

聴けば、これはクールスの「涙のベイビーズ・コール」という曲だそうだ。アーサー・コンレーの曲に、ジェームスさんが一部のメロディーを作り、さらに横山剣さんが歌詞を書いたという。調べたら、1982年にリリースされたクールスの『クールス・オールディーズ・スペシャル』(CDは1986年リリース)というアルバムに収録されていた。

ここで試聴可。
http://item.rakuten.co.jp/book/3997124/

そして、次に何を歌うかと思ったら、ジェームスさんのギターに乗せて、な、な、なんと「トライ・ア・リトル・テンダーネス」を歌い始めるではないか。驚きを超えて、笑ってしまった。まだ歌詞とか、ところどころメロディーなど怪しげなところもあるのだが、この6歳くらいの子がこういう曲にあわせてリズムをとって歌うところに驚いた。どうやら、ジャクソン5の「アイ・ウォント・ユー・バック」もレパートリーにあるようだ。

さっそくゆうや君にインタヴュー。「名前は、漢字でどう書くの?」「ゆうやは、ひらがなだよ」「誕生日は?」「8月2日」「何年生まれ?」「わかんない」「じゃあ、いくつ?」「むっつ」「ということは、2001年生まれ、平成で…13年生まれかな」「わかんない」 「マイケル・ジャクソンとか、やはり好きなの?」「ううん(否定形)」「じゃあ、誰が一番好きなの?」「JBっ」「(笑)JBは、死んだの知ってる?」「知ってるよ」「あの、ほら、さんまのテレビ番組『からくりテレビ』だっけ、あれで、子供のバンドやってるじゃない」「うん」「ああいうのに、出たら、どうなの?」「でないよ」「なんで?」「まだそんなに上手じゃないもん」

おいおい、ほんとに6歳か。しかし、何で、靴の先とんがってるんだ。(笑) ちなみに、下記セットリスト、ゆうや君、あとでもう1曲歌った。(遊びで適当にやってるのに、セットリストを書くというところが普通ではない←自我自虐) それがウィルソン・ピケットの「シーズ・ルッキング・グッド」という曲であった。

「英語の歌、歌の意味は知ってるの?」「わかんない」「じゃあ、歌詞はどうやって覚えるの」「聴いて覚える」「『トライ・ア・リトル・テンダーネス』っていう歌の意味、知りたい?」「うん」「これはね、女の人には優しくしてあげなきゃ、いけないっていう曲なんだよ」「ふーん」「ゆうや君は彼女はいるの」「いない」「好きな子はいるの」「いない」「じゃあ、ゆうや君を好きな子はいるの」「いる」 おおおっ。

歌っていない間は、ステージを見ながら、一丁前にずっとリズムをとっている。写真、とっていいか、と聞いたら、「いいよ」といってカメラ向けるなりポーズをつけた。

しかし、こんな環境の中で育つ子って、将来どんなエンタテイナーになるんだろう。聞けば、小学校1年生、学校は今週の月曜から行っているそうで、小学校に通い始めてまだ4日目。同級生とは、絶対、話、あわないだろうなあ。(笑)

それにしてもワンダラーズ、東京モウタウン、ジェームスさんファミリーは強力ですなあ。

Setlist : At Street Cafe; April 10th, 2008
Jam Session

01. 涙のベイビーズ・コール(Sweet Soul Music) (ゆうや)
02. Try A Little Tenderness (ゆうや)
03. Super Bad (James藤木)
04. I Want You Back
05. My Girl
06. 60 Minute Man
07. You’ve Really Got A Hold On Me
08. She’s Looking Good
09. Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours (Aki)
10. What A Wonderful World (Aki)
11. Rock Steady (Ikumi)
12. La La Means I Love You
13. Cloud Nine
14. You Don’t Have To Be A Star
15. Think

(2008年4月10日木曜、三軒茶屋・ストリート・カフェ=ジェームス藤木&フレンズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>James Fujiki & Friends
2008-58
【チュニジア大使、シャンティに「ブラヴォー」と言う】

ブラヴォー。

ライヴ・パフォーマンスが終わって、シャンティはCD即売とサイン会を開いていた。ボックス席に座ってずっとフランス語をしゃべっていた外国人グループが帰り際、シャンティの前を通る瞬間、言った。「ブラヴォー! ブラヴォー!」 そして、その彼らがCDを売っているのを見て、一枚買いサインを求めた。彼らはなんとチュニジア大使館の大使たちだった。「チュニジア、じゃあ、フランス語しゃべるの?」 「もちろん、そうだよ」 シャンティと大使たちは、なにかフランス語で会話をしていた。

ちょうどシャンティの横に座っていたキーボードのフィリップ・ウーに「フランス語しゃべれる?」と聞くと、首を横に振る。「スペイン語は?」 親指と人差し指で少しだけ隙間を作る。「じゃあ、日本語は?」と聞くと「ちびっと」。

しばらくすると、今度は別の外国人が僕に英語で声をかけてきた。

「彼女、いいね、すごくいいね。仕事で3−4ヶ月に1度日本にやってくるんだけど、本当は今日、仕事が早く終わったんで帰ろうとした。ところが飛行機のチケットが明日でフィックスされていて変更できなくて、一日滞在が伸びてしまった。今夜はやることがなかったので、ライヴ・ミュージックを楽しみたいと思ったんだ。そこでホテルにあった案内で、ここ(コットン・クラブ)にやってきたんだ。いやあ、ラッキーだったよ、こんな素晴らしいシンガーのライヴを聴けるなんて。1年くらい前かな、とてもファンキーなバンドを見に一度やってきたことがある。バンド名は覚えていない。僕はドイツ人なんだけど、デンマークに住んでる。おお、CD売ってるんだ」 そう言いながら、彼はシャンティのCD『シェア・マイ・エア』を1枚買って、サインをもらうことにした。

「いやあ、今日はラッキーだった」と彼は僕にした話をシャンティにした。すると彼女も「わお、私もラッキーだわ、来てもらえて」。

その彼はドイツ人なので、ドイツ語を話す。もちろん英語も話す。フランス語も、そして、デンマーク語も話す。「あと、中国語も少しね」と彼はこともなげに言う。

シャンティがその彼に尋ねた。「サインの宛名は誰にしましょうか」 「そうだな、いや、誰にあげるかわからないから、名前はいいや。ありがとう」

シャンティは、別のファン用のサインを続けた。しばらくファンたちとやりとりをしていると、その彼が再びサインの列に並んだ。なんと、2枚目のCDを買っていたのだ。「これって、フランスで録音したんだって」 「ええ、そうです」 彼女が答えた。「フランス人の友達がいるんだ。その人用に、サインを書いてくれるかな」 そういって名前のスペルを教えた。

丸の内、インターナショナルな交差点の夜。

■ シャンティ 前回ライヴ評
February 24, 2008
Shanti At Kamome: The More You Challenge, The More You Get
http://blog.soulsearchin.com/archives/002345.html
(過去記事一覧もここに)

■ メンバー

Shanti(vo), Philip Woo(p,key), 西山 "HANK" 史翁(g), 渡邉裕美(b), 白根佳尚(ds) ゲスト 木原良輔(g)

■ セットリスト シャンティ 
Setlist : Shanti @ Cotton Club, April 12, 2008

Show started 21:31
00. Intro
01. Spooky
02. As God Love You
03. Summer Sun
04. Wake Up To The Sun
05. Someone To Watch Over Me
06. Georgia On My Mind
07. I Got You
08. Home (music by Hajime Yoshizawa, lyrics by Shanti) (new)
Enc. Blue Moonbeam (music & lyrics by Philip Woo)
Show ended 22:39

(2008年4月12日土曜、丸の内コットン・クラブ=シャンティ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shanti
2008-60
【時にひとつの文章が、誰かに影響を与えることもある】

影響。

こうして文章を書いていると、ときに、その文章が本人の知らぬ思わぬところで影響を与えることがある。先日、ノーナ・リーヴスの西寺郷太さんと会ったという話をブログに書いた。

April 07, 2008
Talk About MJ With Nishidera Gota, MJ-Spirit
【マイケル研究家・郷太観】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002437.html

そうしたら、彼も自身のブログでそのときのことを書いてくれた。(下記ノーナ・リーヴスのページから、下のほうにあるLIFE →GOTAMA’S LIFETIME へ進み2008年4月8日付けに行ってください)

ダイアリーへのリンク (日付が進むと、ページが変わりますので、2008年4月8日付けへ)
http://www.nonareeves.com/cgi-bin/nr_bbsultra.cgi?number=1&;;category=0&type=read&file=bbs_a
(うまく開かない場合は、アドレスの文字全部をコピー&ペーストしてアクセスしてみてください)

ノーナ・リーヴスのウェッブ
http://www.nonareeves.com/

自分がその昔、書いた文章が後世の人たちに影響を与えているというのは、ひじょうに嬉しく思う。そして、同時に責任も感じる。文章、特に活字になるものというのは、後世まで残る。新聞、雑誌(週刊誌や月刊誌)などでも、すぐにハードコピー(現物)はなくなるが、アーカイブとして残る可能性が高い。極端な話し、図書館には残るだろう。さらに、インターネットだと、削除しない限り、その文章は未来永劫残ることになる。それを考えると、より正確な文章を書かなければならないとつくづく思う。もちろん、ネットの場合は、まちがいを発見したら、すぐに訂正できるという利点はある。訂正できないアーカイブがどこかの倉庫に残ることもあるが。特にブログの場合、「書いて出し」なので、細心の注意を払ってもどうしても小さなミスなどが残ることがある。改めて、文章を書くときには細心の注意を払いたい。

さて、もうひとつ、自分が書いた文章について。アル・マッケイのライヴ評を2008年3月21日付けで書いた。

March 21, 2008
Al McKay Allstars Live : Big Party Is Happening On The Stage
【アル・マッケイ・オールスターズ〜ステージ上は大パーティー騒ぎ】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_03_21.html

そうしたら、どうやらアル・マッケイ本人がこの日本語で書かれたライヴ評を見つけたらしく(タイトルは英語)友人の日本人の方に翻訳を頼み、英語で読み、マッケイ本人からごていねいにお礼のメールをもらった。これにはびっくりした。日本人のミュージシャンの人たちがどうやらこのブログを読んでいるらしいことは、直接お会いしたときに話にでたりするが、海外のアーティストだと、やはり言語の問題もあり、なかなか読む機会は少ないと思う。

そして、その英語ヴァージョンがアル・マッケイの公式ウェッブに掲載された。

http://www.almckay.com/reports.php?news_id=35&;;start=0&category_id=9&parent_id=9&arcyear=&arcmonth=
(うまく開かない場合は、アドレスの文字全部をコピー&ペーストしてアクセスしてみてください)

アル・マッケイ公式ページ(英語)
http://www.almckay.com/
ここからHOME→PRESS REVIEWS→SHOW REPORTS→Al McKay Allstars Live: Big Party Is Happening On The Stage
March 21, 2008

しかし、最近このソウル・サーチンの「ライヴ評」はかなり読まれているらしいということは認識している。このライヴ評を読んで、それに行くかどうか、またセットリストを見て、行くかどうか決める人もけっこういるらしい。そういうライヴガイドになっているとすれば、嬉しい限りだ。

普段、自分の文章が誰に読まれているのかとか、それほど気にしないのだが、こういうことが続くと、改めて気を引き締めようと思う。(笑) じゃあ、いつもは気を抜いてるのか、っていうと、そんなことはもちろん、ないんですけどね。(きっぱり)(笑)

ESSAY>WRITING
【アトランティック・スター:完全なるパッケージ】

復元。

「オールウェイズ」と言えば、「三丁目の夕日」ではなく、アトランティック・スター。ニューヨーク出身のソウル・グループで結婚式の定番曲「オールウェイズ」の大ヒットで知られるアトランティック・スターがちょうど2年ぶりの来日を果たし、コットン・クラブでライヴを行った。

今回は前回のライヴ評セットリストをプリントアウトして、読み直してから、鑑賞。

April 25, 2006
Atlantic Starr Live; They Always Play "Always" As Encore
【アンコールはいつも「オールウェイズ」】
http://blog.soulsearchin.com/archives/000979.html

今回も2年前同様松尾潔さんらとともに。1曲目「シルヴァー・シャドウズ」、2曲目「ホエン・ラヴ・コールズ」。ふむふむ、セットリスト、ここまでは一緒。メンバーはドラマーだけ変わってるが、他は全部一緒。リードのメリサ、スタイル抜群。

観客はさすがに1980年代に彼らを知ったファンが多いようで、中にはアナログのジャケットを持って、かざしている人も。基本的なヴォーカルは、女性のメリサ・ピアースとルジョン・エップス。これに時々、ウェイン・ルイスがからむ。下記セットリスト3では、ウェインとメリサ、6曲目などではルジョンとメリサなどという具合。

セットリストが進むが、なんと最後の11曲目、そして、アンコールまで完璧に同じであった。やはり、アンコールはいつも「オールウェイズ」。一番受ける。21年前の大ヒットで、観客の中には少し涙を浮かべている人もいる。きっと、いろんな思い出が走馬灯しているのだろう。

このセットリスト12曲が2年前と全曲同じという世界大発見もつかの間、新たな大発見が。前回の演奏時間は82分だったが、なんと今回も奇しくも82分。まったくやらせではありません。こんなことってあるのか。見事な復元。別の言葉で言えば、それだけ、やりなれて完成されたパッケージ・ショウになっていることの証だ。(こんな大発見は、ここソウル・サーチン・ブログでしか読めません)

松尾さん。「12曲ですかあ。もっと他の曲もやればいいのにね〜といった話を2年前にもしたような気がしますね」(笑)。観客の会話まで復元。(苦笑)

ライヴ後、リード・シンガーのひとり、ルジョン・エップスがでてきたので、ちょっとだけ話をした。「2年前とまったく同じセットリストでしたね」「そうなんだ、だけど、観客が聴きたい曲があったら、どんどんリクエストしてくれ。僕たちにはたくさんのレパートリーがあるんで、いくらでも入れ込んでいくよ。(今日の)セットリストは、ある意味、誰もが知っている基本形みたいなものだから。(ミュージシャンは)みんな(自分たちのヒット)曲を知っているから、いつでもできるよ」

なるほど、じゃあ、彼らにリクエストすれば、どんどんやる曲が変わっていくのかな。それは楽しみだ。ちなみにルジョンは1975年12月23日生まれ。わか〜〜い。それでもすでにアトランティック・スターに入って10年くらいだという。ルイス兄弟たちより20歳近く年下だ。

ラヴ・ソングのオンパレードで「カップル向け」ライヴ、と前回紹介した。今回も、コットンの座席はいわゆる「外側のカップル・シート」から埋まっていった。熱々ムードは外から内へ向かう。

■ ライヴは4月17日(木)まで丸の内コットン・クラブで。

■ アトランティック・スター メンバー

Jonathan Lewis(key,vo), Wayne Lewis(key,vo), L’john Epps(vo), Melessa Pierce(vo), Derek Churn(key), Adrian Boston(g), Shawn Wynn(b), Frank Brown (ds)

■セットリスト アトランティック・スター
Setlist : Atlantic Starr @ Cotton Club, April 14, 2008

show started 21:31
01. Silver Shadows
02. When Love Calls
03. If Your Heart Isn’t In It
04. Touch A Four Leaf Clover
05. Masterpiece
06. I’ve Fall In Love
07. Love Crazy
08. Am I Dreaming?
09. Secret Lovers
> Introducing Members
10. Send For Me
11. Circles
Enc. (Piano Jam) -- Always
show ended 22:53

(2008年 4月14日月曜、丸の内コットン・クラブ=アトランティック・スター・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Atlantic Starr
2008-62
【「愛がすべて」、その魔力のすべて】

魔力。

2007年6月のケントス、同年12月のビルボード・ライヴ以来約4ヶ月ぶりの来日、今回はケントス。冒頭5曲が前回と同じで、「おおっ、また完全復元か」と思ったら、若干の曲の入れ替え、曲順変えがあった。

ケントスでのライヴでは、ケントスの固定ファンが圧倒的に多い。彼らは普段からここのライヴバンドで音楽を楽しんでいる。バラードでは狭い通路で、カップルが普通にチーク・ダンスを踊る。普通のコンサート会場ではなかなか見かけないシーンだ。チーク率高し。また、ライヴが始まる前と、終わった後の喫煙率も高いが。

アップテンポ、ミディアム、バラードと適度なバランスで、次々とヒット曲を披露。バンドは、ここ新宿ケントスのハウス・バンド「ハイ・ジャック」。ホーン・セクションもしっかりはいっている。スタイリスティックスのメンバーは、軽快なステップを踏み、曲の間奏で時に後ろを向き、汗を拭きながら、水を口にする。それにしても、イーヴァン・ブラウンのファルセットは強力。そして、下記セットリストで13曲目、14曲目「誓い」のメドレーは、もうひとりのリード、エアリオン・ラヴが「その日一番」スポットをあびるところ。

セットリスト全17曲のうち、「マイン・オー・マイン」が1980年の作品である以外はすべて1970年代のヒット。当時をリアルタイムで聞いていた人も多く見受けられるが、けっこう若い人も多い。

ちなみに、彼らは前々日に入り、1日「ハイ・ジャック」とリハーサルをして、本番にのぞむ。何度もやっているので息もぴったりだ。アンコールはもちろん彼らの作品中、日本で一番人気がある曲「愛がすべて」。このトランペットのイントロが流れた瞬間、観客は瞬時に熱狂、誰もがハッピーになる。これがアンコールで歌われることを全員知っていても、日本人の観客はこの曲が持つ魔力の前にひれ伏す。こんな魔力を持ったヒットを出せた彼らは幸せ者である。

++++

■ アリ・オリ、またまた6月に来日

ケントスで別のフライアーをもらってびっくり仰天。アリ・オリのテンプスがまた6月に来日! 今度のテンプスは、アリ・オリ主体のテンプスのようだ。

正式名称は「フィーチャリング・アリ・オリ・ウッドソン・フォーマー・リード・シンガー・オブ・ザ・テンプテーションズ・アンド・ヒズ・レヴュー」。
2008年6月18日(水)、19日(木)新宿ケントス チケット7350円。(そのほかにミュージック・チャージ、飲食代、サーヴィス料)

メンバー名がまだ発表されていないが、デニスのテンプテーションズのメンバーはいない模様。詳細はわかりしだいまたお知らせする。

■スタイリスティックス・ライヴ

新宿ケントスで4月15日から17日(木)まで。その後4月20日から22日(火)まで銀座ケントス。時間・料金システムなど詳しくはケントス各店へ。03-3355-6477(新宿店)、03-3572-9161(銀座店)
http://www.kentos-tokyo.jp/special/stylistics/index.php

■ 過去関連記事

December 22, 2007
Stylistics : Take Me Back To The 70s
【スタイリスティックス・ライヴ〜70年代のあのころへフラッシュバック〜】 
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200712/2007_12_22.html
(ここに過去関連記事一覧)
 
December 24, 2007
Stylistics : They Love Japan, Japan Love Stylistics
【スタイリスティックス、日本を愛す、日本人、スタイリスティックスを愛す】 
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_12_24.html

■ メンバー

◎スタイリスティックス 

エアリオン・ラヴ/Airrion Love(Vocals)
ハーバート・マレル/Herbert Murrell(Vocals)
ハロルド‘イーバン’ブラウン/Harold ’Eban’ Brown(Vocals)
ヴァン・フィールズ/Van Fields(Vocals)

◎バンド

ハイ・ジャック(ケントスのハウス・バンド)

ハーヴェイ・ペリー/Harvey Perry(Keyboards, Musical Director)

■ Setlist: Stylistics @ Billboard Live, Tokyo, April 15, 2008
セットリスト スタイリスティックス ケントス新宿

Show started 22:01
01. Intro
02. Rockin’ Roll Baby
03. You’ll Never Get To Heaven
04. I’m Stone In Love With You
05. Betcha By Golly, Wow
06. Break Up To Make Up
07. Stop, Look, Listen
08. You Are Everything
09. Mine Au Mine (1980)
10. Sing Baby Sing
11. Sixteen Bars
12. Disco Baby
13. Miracle
14. You Make Me Feel Brand New
15. Funky Weekend
Enc. Thank You Baby
Enc. Star On A TV Show
Enc. Can’t Give You Anything But My Love
Show ended 23:10

(2008年04月15日火曜、新宿ケントス・ライヴ=スタイリスティックス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Stylistics
2008-63
【職人ギタリスト、コーネル・デュプリー】

酸素吸入器。

ライヴが始まる前、客席にディーヴァ・グレイを発見。今日のドラムス、バディー・ウィリアムスと談笑していて、僕を紹介してくれた。ニューヨークをベースにルーサー・ヴァンドロスの『ネヴァー・トゥ・マッチ』のアルバムなど多数のセッションでドラムスを担当、ファミリーのようなものだ。かっこいいアフロ・ヘアが印象的。

さて、彼を除くバンドメンバーがステージで位置に付くと、まもなく、今日のスター・オブ・ザ・ショウ、コーネル・デュプリーがステージにゆっくり進んだ。付き人が酸素吸入器を一緒に持ち、彼の座り位置の後ろに置いて、吸入ホースを鼻に設置した。いやあ、これには驚いた。

ニューヨークの名うてのギタリスト、コーネル・デュプリーの本人名義のライヴ。スタッフの一メンバーとしても、日本でも圧倒的人気を誇るギター奏者だ。1942年生まれと言われているので、今年で66歳になると思われるが、ちょっと体調が心配になった。だが、ひとたび、ミュージシャンが音を出し、コーネルがギターを弾きだすと、まったく問題はなかった。いぶし銀とはよく言ったものだ。

ドラムス、ベース、キーボード、サックスを従えてコーネルを含めて5人が醸し出すサウンドは、ジャズ・ファンク。西海岸のフュージョンより、ファンク度があがる感じがする。1曲ごとに簡単に曲紹介をしつつ演奏。そのほんの短いMCの「間」が実におもしろい。「みなさんのために…、CDがある。入り口で売っている。買ってくれた人だけにサインをしよう…」

「次の曲は、ジョー・ザビヌルが書いた曲だ。(観客から=ジョー・サンプル?) ジョー・サンプルじゃない…。ジョー・ザビヌル! 曲名はマーシー…マーシー…(さらに間をとって)マーシー」

「今、演奏した曲は(ビートルズの)『サムシング』。で、次には、何か違ったもの(something else)をお送りしよう」

一番前に陣取っていたファンが、すぐに立ち上がって、えらく盛り上がっていた。すると、すぐ後ろの観客が「見えなくなるから、座ってくれ」と合図をした。しばらくは収まっていたが、テンポのある曲でまた立った。すると今度は店のスタッフから指示が言った。コーネルたちも、「なんでまた、この子たちは、こんなに立ち上がるんだ」といった風な顔で彼らを見ていた。もちろん、乗っている観客を見る彼らも悪い気はしていなかったようだが、他の客はじっと聞き入っていたので、あそこだけ浮いていた。

本編が終わりメンバー紹介では4人の名前を紹介し、一番最後に自分の名前を言うかと思いきや、ひとこと「Me(俺)」。受けた。アンコールが終わると、吸入器のチューブをはずしたが、ソウル・サヴァイヴァーはもっともっと長生きしてもらわないと。

ライヴ中、同行松尾潔画伯が、敬愛するバディー・ウィリアムスの似顔絵を描いた。ルーサー大好き画伯にとって、バディーは縁深い。

ライヴ後、そのアフロ・ヘアーについて思わず「それは本物の毛か」と尋ねてしまった。形があまりにきれいなので、カツラかもしれないと思ったのだ。バディーはディーヴァとえらい勢いで話をしていたが、「(アフロ・ヘアは、本物に)決まってるだろ」みたいな答えを返してきた。彼は16歳のとき(1968年ごろ)に初めて来日して以来、ほとんど毎年のように来ているという。画伯の絵にサインをもらったら、カタカナでも「バディー」と書いた。しかし、彼はエディー・マーフィーのナッティー・プロフェッサーみたいだなあ。(笑)

バディーやディーヴァと雑談をしていてふと下を見ると、コーネルのサイン待ちの長い行列ができていた。

■メンバー

〜Soul Survivors〜 コーネル・デュプリー
ジェームス・アレン・スミス ジェリー・ジェモット ロニー・キューバ バディ・ウィリアムス

〜Soul Survivors〜 Cornell Dupree
James Allen Smith(Keyboard) Jerry Jermott (Bass) Ronnie Cuber (Sax) Buddy Williams (Drums) Cornell Dupree (Guitar)

■ 過去記事 コーネル・デュプリー関連

August 06, 2005
Soul Survivors Still Survive:
【平均年齢62.2歳、老練のサヴァイヴァーたち】
http://blog.soulsearchin.com/archives/000431.html

2003/03/09 (Sun)
Soul Survivors who make soul survive
2003年ソウル・サヴァイヴァーズのライヴ評〜ソウルを生きながらえさせる男たち
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200303/diary20030309.html

■セットリスト
Setlist : Cornell Dupree @ Billboard Live, April 16, 2008

Show started 21:30
Performance started 21:33
01. Things Ain’t What They Used To Be
02. Tee
03. Mercy Mercy Mercy
04. My Little Brother
05. Sunny
06. Honky Tonk
07. Something
08. Cold Duck Time
Enc. Way Back Home
Show ended 23:02

(2008年4月16日水曜、六本木ビルボード・ライヴ=コーネル・デュプリー、ソウル・サヴァイヴァーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Dupree, Cornell & Soul Survivors
2008-64

■Mama Luther Dies At 82

2008年4月18日
【(訃報)ルーサーの母死去】

死去。

2005年7月1日に54歳で死去したシンガー、ルーサー・ヴァンドロスの母、メリー・アイダ・ヴァンドロスさんが、2008年4月9日(水曜)ニューヨークで老衰のため死去した。82歳と伝えられている。しばらく前から意識はなくなっていた。メリーさんには、夫、4人の子供がいたが、いずれも、メリーさんより先に亡くなっていた。

ルーサーは、4人兄弟のうち、最後に亡くなった。4人のうち3人が、また11人いる孫の1人が糖尿病が原因で死去しており、ヴァンドロス家にとっては、この病気は家系のようなものだった。

メリー・アイダさんは、1926年ごろ、サウス・キャロライナ州シャロウという街の生まれ。(彼女の死亡記事はいずれも82歳となっているが、2006年の記事で82歳という記載がある) 17歳のとき(1943年ごろ)、幼馴なじみのルーサー・ヴァンドロスさんと結婚。1946年にニューヨークに移り住んだ。その後、誕生した息子のひとりに「ルーサー・ロンゾーニ・ヴァンドロス」と名付けた。このルーサー・ジュニアが後にシンガー、ルーサー・ヴァンドロスとなる。母メリーさんは、大変信心深い女性で、教会活動なども積極的に行ってきた、という。

シンガー、ルーサー・ヴァンドロスの葬儀(2005年7月)には、ルーサーの親友フォンジー・ソーントンに車椅子を押されて出席。またこの席では、パティー・ラベル、アリシア・キーズ、アレサ・フランクリンらが「パワー・オブ・ラヴ/ラヴ・パワー」を歌ってルーサー送り出した。この葬儀では、母メリー・アイダさんが書いた詩をパティー・ラベルが朗読した。

■過去関連記事

September 15, 2006
Luther’s Mother Promoting Her Son’s Album
【ルーサー母親が息子の新作をプロモート】
http://blog.soulsearchin.com/archives/001268.html

July 07, 2006
Takayama Hiroshi Talks About Luther Vandross
【高山広・ルーサーを語る】
http://blog.soulsearchin.com/archives/001124.html

2005/07/03 (Sun)
Luther Vandross Died At 54: Reunited After 46 Years With His Father
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_07_03.html
ルーサー死去のニュース。2005年最大の衝撃でした。天国で出会う父と息子という描写がよかった。

July 06, 2005
Luther Vandross Talks In Brooklyn Accent
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_07_06.html
ルーサーへの個人的な思い出。ルーサーと僕の唯一の遭遇。

September 15, 2005
Luther Tribute Will Be Out On October 26 In Japan
【ルーサー・トリビュート10月26日発売】 
http://blog.soulsearchin.com/archives/000517.html
(ここにルーサーに関する過去記事一覧=「ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー」物語など)

ENT>OBITUARY>Vandross, Mary Ida, April 9, 2008, 82?
【クインシー・ジョーンズ・ライヴDVD】

Q。 

あのスーパー・プロデューサー、クインシー・ジョーンズが1996年にスイス・モントルーで行われた『モントルー・ミュージック・フェスティヴァル』で行ったライヴを収録したDVDが発売された。

モントルー・ミュージック・フェスティヴァルは1967年にスタート、当初は小規模なものだったが、最近では2週間近く行われる大規模なものに発展している。

クインシーのこのDVDは、ちょうどクインシーの音楽業界50周年を記念してのライヴ。ゲストで登場するのは、シャカ・カーン、デイヴィッド・サンボーン、トゥーツ・シールマンス、ジェラルド・オルブライト、パティー・オースティン、シンプリー・レッドのミック・ハックネル、フィル・コリンズなど。

彼のジャズ・トランペッター時代の作品から、プロデューサーとして大ヒット作品をてがけるようになっての作品、手がけた映画音楽からの楽曲など、クインシーの音楽人生が凝縮されたステージになっている。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012VU16E/soulsearchiho-22/ref=nosim/

オーケストラを指揮するクインシー・ジョーンズ。まさに音楽業界のボスがボスであることを象徴するように、堂々としている。

ENT>DVD>Jones, Quincy
【マウント・レーニア・カフェ・ラッテのCMソングを歌っているのは?】

シャンティ。

先週(4月15日)頃から、テレビで森永マウント・レーニアのカフェ・ラッテのCMが盛んに流れている。映像は女優スカーレット・ヨハンソンが、このカフェ・ラッテをストローで飲む。そしてこれにかぶさるさわやかな曲がひじょうに印象的なのだが、さて、これを歌っているのは? 

まずは映像を↓ 最初が夜編、続いて、朝編。ともに30秒。
http://www.mt-rainier-cl.com/index.html#/Top/0/
http://www.mt-rainier-cl.com/index.html#/Top/1

テレビでは15秒が流れることが多いようだ。CM画像のクレジットは、Hajime Yoshizawa とある。この音楽を制作したのが、東京生まれの音楽家吉澤はじめさんだ。彼は1965年生まれで、1990年にニューヨークに行き、本格的に音楽活動を進めた。1993年からは、モンド・グロッソのメンバーとなったり、東京だけでなく活躍する舞台をインターナショナルにもち、音楽制作活動を続けている。

マウント・レーニアのCMではこれまでにジョディー・フォスター(1993年)やウィノナ・ライダー、ナタリー・ポートマンを起用したり、音楽もクレモンティーヌ、ガーディガンズ、吉澤さんらの音楽を使ったりしている。そんな彼がこの「ホーム」という曲のヴォーカルと作詞に抜擢したのが、誰あろうシャンティだ。実は吉澤さんとシャンティは、幼馴染。それぞれ別の道で音楽活動をしていたが、しばらく前に偶然再会して意気投合、今度のプロジェクトへと話が進んだ。

このCM映像、一見、このスカーレットが歌っているかのようにも見えるが、実際はシャンティが歌っている。歌とスカーレットの映像のマッチングがかなりいい。

なお、このスカーレットも今年2008年、CDデビューする。『エニウェイ・アイ・レイ・マイ・ヘッド』というタイトルで5月全米リリースの予定。当初2006年ごろにリリースの話があり、その時点では『スカーレット・シングス・トム・ウェイツ』というタイトルになるはずだった。シンガー・ソングライター、トム・ウェイツの作品をカヴァーすることになっていた。トムの作品も収録されるが、結局そのほかにオリジナル曲も入ることになるようだ。

すでに、このCMで歌を歌っているのは誰かという問い合わせが来ているそうで、広報担当は、シャンティと答えているという。CMクレジットにHajime Yoshizawa featuring Shanti といった表記がされると、よりわかりやすくなるだろう。この楽曲は、近く発売される次の吉澤さんのアルバム『ジャパン』にフル・ヴァージョンが収録される予定。また、シャンティは自らのライヴではすでにこの楽曲を歌い始めている。

■ シャンティ・デビュー・アルバム『シェア・マイ・エア』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00137N3MG/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ シャンティの今後のライヴ予定

2008年5月 1日(木) 東京中目黒・楽屋(らくや)http://www.rakuya.net/
2008年5月24日(土) 神奈川県葉山市レストラン・ラマーレド・チャヤ
http://www.chaya.co.jp/shop/lamaree/home.html
2008年6月13日(金) 神奈川県横浜市・カモメ http://www.yokohama-kamome.com/index.html
2008年6月21日(土) 神奈川県横浜市青葉区藤が丘駅前ピッツェリアバール・マルターノ(藤が丘店)TEL & FAX 045-973-5844 横浜市青葉区藤が丘1-29-2-2F  http://www.martano.jp/live/index.html

いずれも、アコースティック・ヴァージョンの予定。

■ シャンティ過去関連記事

April 13, 2008
Shanti Live :“Bravo! Bravo!” Said Ambassador Of Tunisia
http://blog.soulsearchin.com/archives/002454.html

February 24, 2008
Shanti At Kamome: The More You Challenge, The More You Get
http://blog.soulsearchin.com/archives/002345.html
(過去記事一覧もここに)

ENT>ARTIST>Shanti

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