【ハサウェイ、自信作】

ハサウェイ。

レイラ・ハサウェイのソロ・ライヴ・レポートをしばらく前に書いた。で、そのときHathawayの表記を「ハザウェイ」とした。「サ」がにごって「ザ」だ。僕はずっとダニーもレイラもハザウェイと書いてきたのだが、日曜日に、レイラのアルバムを『ソウル・ブレンズ』で紹介したときに、DJのマーヴィンにその発音を確かめると、どうやら「ハサウェイ」だ、という。「うん、これはハサウェイだね、ハザウェイとは言わないね」 「さすが、ナチュラル・イングリッシュの先生!」

今回、ユニバーサルから出た最新作『セルフ・ポートレート』から、彼女の表記がハサウェイになっていた。ジョー・サンプルのときは、ハザウェイだった。ネットなどでも、両方書かれていて、ハザウェイと書くと、ハサウェイではありませんか、と出てくる。最初はハザウェイだったダニーのほうも、ハサウェイになっている。ちょっと出遅れたなあ。(苦笑)

ところで、レイラの母もユーレイラ・ハサウェイで、歌手のレイラもユーレイラ・ドニル・ハサウェイ。ユーレイラを短くして、レイラ。妹のケニヤはケニヤ・カネリブラ・ハサウェイ。ケニヤは、人気テレビ番組『アメリカン・アイドル』のハウス・バンドのコーラス3人のうちの1人だ。

母ユーレイラと父ダニーは、ハワード大学で出会っている。

ということで、今後、僕もHathawaysは、ハサウェイと書いていくことにします。

■ レイラ・ハサウェイ最新作『セルフ・ポートレイト』

セルフ・ポートレイト~レイラ・ハサウェイの肖像
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レイラ・ハサウェイ
ユニバーサル ミュージック クラシック (2008-05-03)
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Amazon.co.jp で詳細を見るレイラによれば、このアルバムは自身がコンセプトから、ミュージシャン、アレンジャー選び、制作全般のみならず、宣伝マーケティングまでかかわって作ったという、まさに自信作だそうだ。

ENT>ARTIST>Hathaway, Lalah

?Up Coming Live, Gigs

2008年5月22日
【今後のライヴなどまとめ〜6月から7月にかけて】

ギグギグ。

じつに多くのライヴがこれからもある。ソウル・サーチャーが興味を持っているものを簡単にまとめてみた。ここでは、アーティストと日程、会場だけを記すので、興味のある方は各アーティスト、あるいは、会場にお問い合わせください。主なアーティストの過去ライヴ評もまとめた。鑑賞のご参考にどうぞ。

■ ファンク・オール・スターズ (フレッド・ウェスリー、ピー・ウイ・エリス、ドクター・ロニー・スミス、アイドリス・ムハマド、ロドニー・ジョーンズ)
2008年5月23日(金)〜24日(土)
会場 ビルボード東京

JBファンクのフレッド・ウェスリーとピー・ウイたちに、強力メンバーが集う。ファンク魂、炸裂。

April 04, 2008
Rad. Live At Cotton With Fred Wesley: Funk In A Time Capsule
http://blog.soulsearchin.com/archives/002432.html

September 15, 2007
Maceo Parker Thanks For Stuff At Blue...No, Billboard Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002025.html
メイシオ・パーカー・ライヴにフレッド・ウェスリー

April 21, 2007
Show James Brown And Don Katsumoto Live Of Funk Masters
http://blog.soulsearchin.com/archives/001722.html

April 23, 2007
Funk Masters : Good Audience Makes Good Performance
http://blog.soulsearchin.com/archives/001731.html
フレッド・ウェスリーを含むファンク・マスターズ・ライヴ評

■ ジェイミー・アーロン・ケリー Japan Tour "Heart and Soul of Rock ’n’ Roll
5月26日(月)
会場 スイートベイジル139

2007年11月にも行われたエルヴィス・プレスリーそっくりのライヴ、早くも再公演。

November 11, 2007
Jamie Aaron Kelley: The Legacy Of Elvis Is Here To Stay
http://blog.soulsearchin.com/archives/002141.html
(前回来日ライヴ評)

■ マンハッタンズ
5月31日(土)、6月1日(日)
会場 ビルボード東京
「キス・アンド・セイ・グッドバイ」でおなじみソウル・ヴォーカル・グループ、マンハッタンズのライヴ。今回もリードは、ジェラルド・アルストン。

January 08, 2006
Manhattans: Brings The Legacy Of Sam Cook, Ray Charles
http://blog.soulsearchin.com/archives/000753.html
(前回来日ライヴ評)

■ シャカ・カーン(チャカ・カーン)
6月2日(月)〜9日(月)、6月4日(水)を除く
会場 ビルボード東京

人気抜群、シャカ・カーンの2003年10月以来、4年8ヶ月ぶりのライヴ。チケットはほぼソールド・アウト状態。

2003/10/11 (Sat)
Chaka Kahn Live @ Budoukan: One & Only Voice Still Shines
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20031011.html
(前回来日ライヴ評)

■ 「東急ワールドミュージックスペシャルin Bunkamura vol.9
ゴスペルナイト」(シー・シー・ワイナンズなど)
6月3日(火)〜4日(水)
会場 東急文化村
一般公募招待客のみ。一般発売なし。

■ 木下航志
6月8日(日)
会場 ブルースアレー

ライヴのメンバーなど詳細↓
May 09, 2008
Kishita Koushi: Up Coming Live & TV Rerun
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_05_09.html

■JIVE (ジャイヴ)(宮下文一、前田克美、内海秀和、鮎川麻弥、(松田レレ))
6月10日(火)
会場 六本木スイートベイジル139

日本のソウル、R&B系ヴォーカル・グループとして、後のゴスペラーズなどへ影響を与えたヴェテラン・ヴォーカル・グループ、久々の公演。

■ 坂本竜太セッション
6月12日(木)
会場 横浜モーション・ブルー
メンバー 坂本竜太(b)、秋田慎治(p)、波田野哲也(ds)、小川竜朗(vj)

■ シャンティ
6月13日(金)
会場 横浜カモメ
6月21日(土)
会場 藤が丘 マルターノ

■ フィーチャリング・アリ・オリ・ウッドソン、フォーマー・リード・シンガー・オブ・ザ・テンプテーションズ

6月15日(日)〜16日(月) 銀座ケントス
6月17日(火) 六本木ケントス
6月18日(水)〜19日(木) 新宿ケントス

November 26, 2007
It’s The Temptations’ Week With The Temptation Walk (Part 1)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200711/2007_11_26.html
(パート1から5まで。5は、12月3日付けです)

■ タイロン橋本
6月18日(水)
会場 池袋マイルス・カフェ

ヴェテラン・ソウル・シンガー、タイロン橋本さん、久々のライヴ。

■ レディー・ソウル・グレイテスト・ヒッツ・ツアー (ココ=SWV)、ニッキ・ギルバート(ブラウンストーン)、シャニース
6月18日(水)〜20日(金) 
会場 ビルボード東京

■ タック&パティー
6月23日(月)〜25日(水)
会場 コットンクラブ
6月26日(木)
会場 モーション・ブルー

January 09, 2006
Tuck & Patti Control Time & Space
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200601/2006_01_09.html

2003/05/14 (Wed)
The Moment of Truth: Tuck & Patti Sung for Me
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200305/diary20030514.html
2003年5月のライヴ評。彼らがリクエストを歌ってくれた。

タック&パティー・ライヴ『感動のリサイクル・マシン』
【1994年11月28日・青山ラス・チカス】
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/tuck19941128.html
1994年11月のライヴ評。彼らの音楽の本質については、ここですべてが語られている。

■ シック・トリビュート・ダンス・ダンス・ダンス
6月25日(水) 
会場 ブルースアレー
出演メンバー (B)小松秀行 (Key)Kaleb James (G)林部直樹 (Ds)岸田容男
(Per)坂井“Lambsy”秀彰 (Sax)竹上良成 (Tp)中野勇介 (Tb)鹿打奏
(Vo/Cho)Brenda Vaughn、David King、Argie Phine-Martin

小松さんリーダーでのファンク・セッション↓
January 10, 2008
“Spirit Of The Boogie” Live At Blues Alley
http://blog.soulsearchin.com/archives/002255.html

■ オマリオン/マーカス・ヒューストン
6月27日(金)〜7月1日(火)
会場 ビルボード東京

■ スリー・ディグリーズ
7月1日(火)〜2日 (水)
会場 コットンクラブ
7月4日(金)〜5日(土)
会場 モーション・ブルー

February 18, 2006
Three Degrees Live At Kentos:
http://blog.soulsearchin.com/archives/000839.html

■ ウィスパーズ 
7月3日(木)〜6日(日)
会場 ブルーノート
7月8日(火)〜9日(水)
会場 コットンクラブ

December 18, 2006
Whispers Live At Cotton Club: Nice Christmas Gift
【ウィスパーズ・ライヴ〜ヴォーカルグループの粋】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_12_18.html
(前回来日ライヴ評)

■ レイ・グッドマン&ブラウン&ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ 
7月7日(月)〜9日(水)
会場 ビルボード東京

なんと1970年代を彩ったソウル・ヴォーカル・グループ、二組がジョイント・ライヴ。果たしてどんなライヴを見せるのか。かつてのテンプス&フォー・トップスのような、ヒット曲を入れ替えてのライヴが起こるのか。

レイ・グッドマン&ブラウン『一本のタオルでつながるふたりの絆』
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/laybrown20020113.html
(2002年来日時のライヴ評)

February 27, 2006
Harold Melvin & The Blue Notes Live: The Legacy Still Continues
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200602/2006_02_27.html

February 28, 2006
Harold Melvin & The Blue Notes: Behind The Scene
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_02_28.html
(前回来日時ライヴ評)

■ ロイ・エイヤーズ、トム・ブラウン、ミキ・ハワードほか
7月8日(火)〜13日(日)
会場 ブルーノート

October 25, 2007
Roy Ayers & Bilal Live At Billboard
http://blog.soulsearchin.com/archives/002104.html

October 08, 2006
Philip Woo Will Be At Cotton Club With Roy Ayers: Reunion First In 28 Years : Philip Reveals His First Encounter With Roy (Part 1)
http://blog.soulsearchin.com/archives/001312.html
フィリップ・ウーはロイ・エヤーズのバックを務めたところから、音楽業界に足を踏み入れた。

November 06, 2006
Philip Woo And Roy Ayers Live: After 28 Years...
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_06.html

November 07, 2006
Keyboard Wizard Meets Vibraphone Master: Philip & Roy
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_07.html

2003/08/21 (Thu)
Roy Ayers Live At Motion Blue: Music Makes Him Young
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20030821.html

2004/03/11 (Thu)
Roy Ayers Live At Blue Note: Music Is My Lady, My Mistress
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040311.html

ENT>ANNOUNCEMENT

●Lil Mama Showcase @ Womb

2008年5月23日
【リル・ママ・ショーケース】

ダンサー。

ダンサー兼ラッパー兼シンガーである新人、リル・ママが初来日、2008年5月22日(木)、渋谷のクラブ「ウーム(Womb)」でショーケース・ライヴを行った。バックはトラック(カラオケ)で、歌も一部口パクかもしれないが、4人の女性ダンサーを従えたエネルギッシュなパフォーマンスは、彼女の若さ、元気よさを思い切り発揮していた。新人のしかもダンサーのショーケースなら仮に口パクでも、まあ、いいでしょう。(笑)

基本的にはダンサー出身のせいか、踊りが、バックのダンサーを含めて、ひじょうにいい感じ。踊りとファッションで見せる。最初に登場したピンクの帽子や、手袋などが印象的。

リル・ママは、1989年10月4日ニューヨーク生まれ、現在18歳で今年の誕生日で19歳になる。本名はニアーシャ・ジェシカ・カークランドという。若い。ジェイZや、アヴリル・ラヴィーンなどとのコラボレーションで、すでに業界の注目を集めていて、かなりの期待株。

ファッションもかわいく、踊りがかっこいいので、ガールズたちの支持を集めそうだ。

ちなみに、彼女の母は昨年12月に癌で亡くなっているそうだ。そこで「シャウティ・ゲット・ルース」は、その母に捧げられている。

7時スタートのイヴェントだったが、オープニングアクトのダンサーが登場したのが7時50分くらい、これが二組でて、もういちどブレイクがあり、司会者の紹介があってやっとリル・ママの登場は8時10分。約25分のショーケースだった。司会者早口で、前座二組のダンサーの名前、まったく聞き取れず、わからずでした。(苦笑)

■セットリスト リル・ママ 
Setlist : Lil Mama @ Womb, May 22, 2008
[not complete, correction to be requested]

Show/performance started 20:10
01. Intro / Make It Hot
02. Girlfriend
03. Truly In Love
04. One Hit Wonder
05. Shawty Get Loose
06. G-Slide (Tour Bus)
07. Lip Gloss
08. What It Is (Strike A Pose)
09. Stand Up
10. L.I.F.E. (latest single)
Performance ended 20:35

(2008年5月22日木曜、渋谷ウーム[womb]=リル・ママ・ショーケース・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Lil Mama
2008-83
【ファンク・オール・スターズ・ライヴ〜事前セットリストなしのライヴ】

勉強。

「ファンク・オール・スターズ」と銘打ち、しかも、そこにフレッド・ウェスリーとピー・ウィー・エリスというジェームス・ブラウン・ファミリーの名前を見れば、どう考えてもファンクにあふれる70分を想定してしまう。

ところがどっこいこのバンドのリーダーは、ドクター・ロニー・スミスであった。ハモンドB3の達人にして、演奏しながら声もだしてしまうアーティストである。事前のセットリストは一切なし。ドクターが何かのフレーズを弾きだし、そこから曲が展開し、残りのミュージシャンたちがそれについていく。

5人のミュージシャンとしてのレベルには驚かされた。何がどうきても、なんなく対応する。まるで、その様は「こんなの朝飯前だよ」という感じだ。プロ野球の選手が、難しいフライやゴロを簡単に捕って裁くのと同じだ。プロたちは何事も一見、「簡単に」見せるのだ。

そこでこの夜飛び出したのは、ジャジーなラウンジ風作品。1曲目はフレディー・ハバードの「リトル・サンフラワー」、スロー・ジャムで各メンバーにソロをまわし、30分近くやった。途中で、この日のセットは3曲だけか、とさえ思ってしまったほど。(笑) 続いて、ジェームス・ブラウンの「コールド・スウェット」のような曲、これが唯一、のりのりのファンク系作品だった。

一言でまとめれば、優れたジャズミュージシャンが、それぞれの持ち場で一流のライヴ・パフォーマンスを見せたジャズ・ライヴといったところか。このあたりが、ちょっと想定外。ギターのロニーは、メイシオの盟友だけあって、かつてのジミー・ノーランを思わせるファンクさいっぱいだった。

セットリスト、まったくわからなかったので、ライヴ後にでてきたマイ・フレンド、フレッド・ウェスリーに尋ねたら、親切に思い出してくれた。「2曲目はどんな曲だったっけ?」 「ちょっと、『コールド・スゥエット』に似た感じ(Like a “Cold Sweat”)の曲でした」 「じゃあ、『ライク・ア・コールド・スゥエット』だ」(笑) 「そうだな、『ホット・スゥエット』てとこだな」。すると、ギターのロニーが「それは、『オレンジ・ピール』だよ」と助け舟。ちなみに、ステージで紹介されたIdris の発音は、「イードリス(・モハメド)」だそうだ。

「セットリストは、事前にわからないんですね」と聞くと、「知らないよ。今でも(ライヴ後も)知らない。ワハハハ。曲は全部、ドクターが決めるからね」とフレッドは答えた。ということは、明日はまたまったく違うセットリストになるのかもしれない。

というわけで、フレッド先生から教わった楽曲とセットリストを元に、そのオリジナル・アルバムなどを調べてみました。下記セットリストをごらんあれ。なんと、一番古いのは1932年作品、新しくて1969年なんですね。このあたり、ジャズ・マニアにとってはスタンダードということで、「常識」というか「基礎教養」のようです。勉強になる〜〜。

■ フレッド・ウェスリー過去関連記事

April 04, 2008
Rad. Live At Cotton With Fred Wesley: Funk In A Time Capsule
http://blog.soulsearchin.com/archives/002432.html

September 15, 2007
Maceo Parker Thanks For Stuff At Blue...No, Billboard Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002025.html
メイシオ・パーカー・ライヴにフレッド・ウェスリー

April 21, 2007
Show James Brown And Don Katsumoto Live Of Funk Masters
http://blog.soulsearchin.com/archives/001722.html

April 23, 2007
Funk Masters : Good Audience Makes Good Performance
http://blog.soulsearchin.com/archives/001731.html
フレッド・ウェスリーを含むファンク・マスターズ・ライヴ評

■ メンバー
〜ファンク・オールスターズ〜
フレッド・ウェズリー/ピー・ウィー・エリス/ドクター・ロニー・スミス/イードリス・ムハマド/ロドニー・ジョーンズ
〜Funk All Stars〜
Fred Wesley (trombone) / Pee Wee Ellis (sax) / Dr. Lonnie Smith (Hammond B3, keyboards) / Idris Muhammad (drums) / Rodney Jones (guitar)

■ セットリスト ファンク・オール・スターズ ビルボード・ライヴ
Setlist : Funk All Stars @ Billboard Live, May 23, 2008
[ ] denotes composer and published year
Special thanks to Mr. Fred Wesley for making setlist

Show started 21:30
01. Little Sunflower [Freddie Hubbard -- LP ”Backlash”- 1966]
02. Orange Peel [Ruben Wilson -- LP”Blue Mode” -- 1969]
03. In A Sentimental Mood [Duke Ellington -- 1935]
04. Willow Weep For Me [Ann Ronell -- 1932]
05. Sandu [Clifford Brown -- LP “Study In Brown” -- 1955]
Show ended 22:53

(2008年5月23日金曜、ビルボード・ライヴ=ファンク・オール・スターズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Funk All Stars
2008-84
【ファンク・オール・スターズの演じた5曲を調査】

勉強。

昨日、フレッド・ウェスリーたちが83分で演奏したのは、たった5曲。しかし、その中でわかったのは、3曲目のみ。それもメロディーが「ああ、これこれ、なんだっけ」っていう感じで、もぞもぞしながら、横に座っていた湘南ビーチFMのDJ人見氏に聞くと、「イン・ア・センチメンタル・ムード」とタイトルを言われ、「ああー。それそれ」という感じでわかったというもの。

しかし、昨日のブログで書いたように、フレッド・ウェスリー本人に尋ねてわかった5曲は、いずれも、ジャズ界ではスタンダードというか、一般常識的な作品ばかりであった。

せっかくだから、その調査報告を。「わからなければ、調べる」「調べたら、すぐ書く」をモットーに行きます。(笑) 「受け売り」もはやいよ。「受け」たら、すぐ「売る」。5分前に初めて聞いた話を、太古の昔(×)、太古(○)から知っているかのように話す。

さて、「リトル・サンフラワー」は、1938年生まれのジャズ・トランペッター、フレディー・ハバードの1966年の傑作アルバム『バックラッシュ』に収録されている作品。多数のカヴァー・ヴァージョンがある。このアルバムは、彼のアトランティックに移籍しての第1弾。

続く2曲目は、1935年生まれのジャズ・オルガン奏者、ルーベン・ウィルソンの1969年のアルバム『ブルー・モード』からの1曲。このアルバムでは、ジャズとメンフィス・ファンク、あるいはR&Bを融合しようとし、エディー・フロイドの「ノック・オン・ウッド」や、デトロイトのエドウィン・スターの大ヒット「25マイルス」をカヴァーしたりしている。

3曲目はデューク・エリントン作の1935年の超有名スタンダード作品。

4曲目はアン・ロネールという1930年代に活躍した、当時としてはひじょうに珍しい女性シンガー・ソングライターの代表曲。彼女は初めてのディズニーのヒット曲のひとつ「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」も共作している人。ハリウッドとティン・パン・アレーで最初に成功した女性ソングライターのひとりだそうだ。この曲は1932年にポール・ホワイトマン・オーケストラでヒットし、その後、エラ・フィッツジェラルド、ウェス・モンゴメリー、フランク・シナトラ、ビリー・ホリデイなど錚々たるシンガーたちが録音している。その後1964年にイギリスのデュオ、チャッド&ジェレミーがカヴァー、ヒットさせた。

ロネールはこの曲を、彼女に音楽業界での機会を広げてくれた大作曲家ジョージ・ガーシュウィンに捧げて書いたという。ロネールは大学時代、大学新聞のライターとしてジョージ・ガーシュウィンにインタヴューをしたことがきっかけで、彼に気に入られ、リハーサル・ピアニストの仕事をもらったという。そこから人脈が広がり、さまざまな音楽関係の仕事に就くことになった。まさに「ご縁」があったわけだ。そして、そのジョージに捧げたのが、これ。前述、人見氏によれば、この曲の邦題は、「柳よ泣いておくれ」。

クリフォード・ブラウンは、1956年、わずか25歳で非業の交通事故死を遂げるジャズ界に残る偉大なトランペッター。その彼の1955年のアルバム『スタディー・イン・ブラウン』収録曲。なんと1995年のフレッド・ウェスリーのアルバム『トゥ・サムワン』の1曲目を飾っていた。

というわけで、今日は、まさに『スタディー・イン・ファンク・オール・スターズ』でした。

Setlist : Funk All Stars @ Billboard, May 23, 2008

Show started 21:30
01. Little Sunflower [Freddie Hubbard -- LP ”Backlash”- 1966]
02. Orange Peel [Ruben Wilson -- LP”Blue Mode” -- 1969]
03. In A Sentimental Mood [Duke Ellington -- 1935]
04. Willow Weep For Me [Ann Ronell -- 1932]
05. Sandu [Clifford Brown -- LP “Study In Brown”-- 1955]
Show ended 22:53

ENT>MUSIC>LIVE>Funk All Stars
ENT>MUSIC>SONGS
【タワー・オブ・パワー、ブルーノート史上初、2時間半超ライヴ】

怒涛。

5月16日(金)からやり始めて、2度の週末をはさみ、あしかけ3週間ライヴ。まさにタワー・オブ・パワー・ウイーク、あまりの人気に当初最終日のあとに追加公演が決まり、その日曜日の特別公演に。もう少し前に来たかったのだが、なかなかタイミングあわず、やっと最終日にまにあった。来年以降は、タワー・ウイークは、彼らのライヴを先にがっちり予定に書き込んでおかないとダメみたいだ。初日、中日、最終日とか。(笑)

この日は特別公演というわけか、通常1日2ステージが7時開始の1ステージのみ。アリーナ(ステージ前の一段低いエリア)の両サイドに高いスツールを置き、スタンディング・エリアを特設。どんどん踊ってください、という雰囲気を作った。会場に入るなり、なんとケイリブ・ジェームスがいた。彼がDJカマサミ・コングさんと来ている。彼らの横で見ることができた。

さて、一言で言えば、超お得なライヴだった。コンセプトは、イミーリオが解説をしながらタワーの歴史を、現代から昔にさかのぼるというもの。こんなことは見たことがなかった。何しろ、通常は70−80分程度のファンク・ショーをノンストップで行っていく彼らが、ほぼ1曲ずつに簡単な解説や、誕生エピソードを語りながら、演奏していく。しかも、それまでの1週間ファーストとセカンドでほぼダブりなく演奏していた彼らが、そのファーストとセカンドの両方をあわせたようなショーを繰り広げたのだ。2割増量なんてものではない、ダブル・ザ・ショー、ショー自体が2倍になっていた。結局、2時間半超、27曲以上を演奏する特大ステージになった。ブルーノートには20年近く通っているが、少なくとも、僕のブルーノート歴の中で、もっとも長いショーになった。

1曲目から観客総立ちの怒涛のパフォーマンスであった。

それにしても、このホーン・セクションが最大のスターであるタワー・オブ・パワーは、結成40年を向かえ、ますます輝きを増す。「1988年、俺は酒を止めた。だから、今こうして生きている。ドックも1989年に酒を止めた。だから、こうやって生きている」 イミーリオのMCは、過去40年を振り返って、さまざまな思い出話をしていく。「僕たちは40年間、ソウル・ミュージックをやってきた」 ソウルをやり続けて40年、途中に多くの山あり谷ありを乗り越え、ソウル・サヴァイヴァーに。

A4の紙にセットリストと話したことをメモしたが、あまりの長さに裏を使っても書ききれなかった。イミーリオが話したことなどを記憶の限り、明日のブログでもご紹介しよう。

今回の来日で15回の公演を行った彼らだが、もし1回だけ見ることができるなら、この日のものが文句なく最高だ。僕が今年見たライヴの中でダントツのナンバーワンである。それだけではない。ブルーノートのライヴの中でも歴史に残る一夜になったと断言できる。本当にラッキーだった。興奮冷めやらない。

(この項・明日につづく)

■ 過去関連記事

March 17, 2007
Tower Of Power Live: Continuation Makes Power
http://blog.soulsearchin.com/archives/001645.html

2004/01/21 (Wed)
Down To The Night Club: Tower Of Power Show What Is Hip
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040121.html

2004/01/22 (Thu)
Stranger Turned To Be A Friend By Power Of Tower & Champagne
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040122.html

February 24, 2006
Tower Of Power Live: It’s Soooo Hot Downstairs, Upstairs, Too
http://blog.soulsearchin.com/archives/000852.html

■ メンバー

イミーリオ・カスティーヨ(テナー・サックス、ヴォーカル)Emilio Castillo(ts,vo)
ラリー・ブラッグス(ヴォーカル)Larry Braggs(vo)
トム・ポリッツァー(サックス)Tom Politzer(sax)
スティーブン・“ドッグ”・クプカ(バリトン・サックス)Stephen "Doc" Kupka(sax)
マイク・ボガート(トランペット、フリューゲルホルン、ヴォーカル) Mike Bogart(tp,flh,vo)
アドルフォ・アコスタ(トランペット、フリューゲルホルン)Adolfo Acosta(tp,flh)
ロジャー・スミス(キーボード、ヴォーカル)Roger Smith(key,vo)
マーク・ハーパー(ギター)Marc Harper(g)
フランシス・ロッコ・プレスティア(ベース)Francis Rocco Prestia(b)
デヴィッド・ガリバルディ(ドラムス)David Garibaldi(ds)

■ セットリスト タワー・オブ・パワー @ブルーノート東京
Setlist : Tower Of Power @ Bluenote Tokyo, May 25,2008

→denotes medley to next song

Members on the stage 19:04
Performance started 19:08
01. We Came To Play
02. And You Know It
03. Oakland Zone (snippet)
04. So I Got To Groove -- A Riff & Rhythm Of “Super Bad”[James Brown]
05. Diggin’ On James Brown
06. Soul With A Capitol “S”
07. How Could This Happen To Me
08. Stroke 75 →
09. Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now →
10. You Ought To Be Havin’ Fun 
11. Can’t Stand To See Her Slaughter
12. As Surely As I Stand Here
13. You Strike My Main Nerve →
14. Just Enough And Too Much
15. Only So Much Oil In The Ground
---- Doc plays few notes upon introducing member
16. Willing To Learn
17. (To Say The Least) You’re The Most  
18. It’s Not The Crime
19. Can’t You See (You Doin’ Me Wrong)
20. Time Will Tell
21. Clean Slate
22. This Time It’s Real
23. Down To The Night Club
24. So Very Hard To Go
25. What Is Hip → Soul Power [James Brown] → What Is Hip
Enc.1. You’re Still A Young Man
Enc.2. Knock Yourself Out → I Thank You [Sam & Dave] → Knock Yourself Out
Show ended 21:37

(2008年5月25日日曜、東京ブルーノート=タワー・オブ・パワー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Tower Of Power
2008-85
【タワー・オブ・パワー・ライヴ(パート2)〜歴史集大成ライヴ】

集大成。

ラリーが「タワー・オブ・パワーの核となる4人のメンバーをご紹介しよう」と言って、ドラムスのデイヴィッド・ガルバルディ、ロッコー・プレスティーア、ドック・クプカー、そして、イミーリオ・カスティーアをステージに招き入れる。この段階で観客の熱狂はすでに沸騰中。「レディーズ・アンド・ジェントルマン、フロム・オークランド・カリフォルニア! タワー・オブ・パワー!!」そして、1曲目「ウィ・ケーム・トゥ・プレイ」に流れ込む。すでに観客総立ちだ。

ホーン・セクションの5人がステージの前に立ち、動きながら演奏している様は、圧巻。後ろのロッコー、ドラムスのガルバルディーも見えない。だがそのシュアなサウンドはいつもと同じに強力だ。

MCは、イミーリオが担当。「われわれは1968年にグループを結成して40年。今夜は、僕たちの曲を、現在から逆に昔にたどりながらやっていこうと思う。もし、何か質問があったら、いつでも訊いてくれ」

「タワー・オブ・パワーのホーン・クリニックス」などと言って、ドックをはじめとするホーン・セクションが、「オークランド・ゾーン」をちょっとだけ披露。

そして、1997年のアルバム『リズム・アンド・ビジネス』から「アイ・ガット・ザ・グルーヴ」へ。この曲自体がジェームス・ブラウンの「スーパーバッド」のリズムを元に作られている。それが終わると「さて、世界中で一番ファンキーなグルーヴを持っているのは?」と観客に尋ねる。ケイリブたちが、「J〜B」と答える。イミーリオが「ジェームス・ブラウンだな」 そして、ジェームス・ブラウンの専属MCダニー・レイさながらに、観客を煽る。「1968年、それ以来、ずっと思い続けていることがある」 「それは、な〜〜んだ??」 観客が一斉に答える。「ジェームス・ブラウン!!」「いまだに、ジェームス・ブラウンが大好きなんだ!! (I’m Still Diggin’ On James Brown)」

それにしても、小気味よく挟み込まれるドックの超低音バリトン・サックスは、腹の底に響く。観客に、サビの部分をマイクを渡し歌わせる。客も慣れたもので、「I’m Still Diggin’ On James Brown」と歌う。コール&レスポンスうまい。ホーンの5人の腰をフリフリの振り付けがかわいい。

「僕とドックが、あるとき部屋で本を見つけた。神についての7か条のようなものが書いてあった。ディープだろ。そのうちのひとつに、『ゴッド・イズ・ソウル』と書いてあった。その『Soul』という文字が、普通の『soul』ではなく、大文字の『Soul』だったんだ。次の曲は、『ソウル・ウィズ・キャピトル(大文字の)S』」(いずれも、イミーリオのコメントは大意)

フロントのメンバーがアップテンポの曲にあわせてこぶしを前に突き出す。

「ヒューイ・ルイスは、1980年代に大スターだった男だが、タワー・オブ・パワーの大ファンだった。彼は僕に約束した。あらゆるインタヴューで、タワー・オブ・パワーの名前を出してくれ、サポートしてくれた。次の曲はアルバムではでていない曲。シングルのB面のみのもので、『オークランド・ストローク』の続編のような作品だ」

オルガンのファンキーなイントロに導かれ、完璧なタワー節が炸裂。もうたまらない。下記セットリスト8〜10は、メドレー。11は、「日本で書いたヒントを得て書いた」そう。しかし、40年もこのバンドを続けてきたという事実にひれ伏す。LBことラリー・ブラッグスのリード・シンガーぶりも、初期リード、レニー・ウィリアムスを思わせ、実にいい。

「日本に来たとき、テレビでなにかのCMをやっていた。〜ブンブンブン〜という音がしていた。そのとき、ドックに言ったんだ。なあ、これをもっとファンキーにしたててみないか、ってね。それでできたのが、『キャント・スタンド・トゥ・シー・ハー』」

「ドックが小学生の頃、悩んだ顔をしていたのか、校長室に呼ばれた。校長がドックに尋ねた。『何か悩みでもあるのかな』 ドックは答えた。なんて答えたんだい、ドック」とマイクをドックに渡す。ドックが言う。「ひとつだけ、悩みがあるんだよ。(「それは、何だ」とイミーリオ) もし限りある石油がなくなったら、世界はどうなるのだろう、って言ったんだよ。僕は9歳だった」(笑) 9歳のドック少年は、なぜ、その頃、世界を憂えていたのだろうか。なんておませな少年か。(笑)

そして、「オンリー・ソー・マッチ・オイル・イン・ザ・グラウンド(=地球には石油資源が限られている)」。Only so much で「限られた量の」を意味する慣用句なんですね。このファンク曲が終わった時点で、すでに15曲を演奏し8時21分。イミーリオは最初に、歴史をさかのぼって行くと言った。まだまだ、いつもやる1970年代初期作品群がまったくでてきていない。一体、この後どうなるのだろう、最後はどう着地するのか、あとどれくらい続くのだろう、などどんどんと期待が膨らんでいった。あるいは最後はメドレーにしてさらっとまとめるのか。そのときはまだこれがほんの折り返し地点になるなど、まったく予想だにしなかった。

(この項続く)

(下記セットリストに収録アルバムを付け加えました。ほぼタワー・オブ・パワーの歴史が現代から過去へさかのぼってのライヴとなりました)

■ 過去関連記事

May 26, 2008
Tower Of Power Live: Power Of Horns, Rhythms, Vocals And Everything (Part 1): Hi Energy Funk Exploded More Than 2 Hours & Half
【タワー・オブ・パワー、ブルーノート史上初、2時間半超ライヴ(パート1)】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002535.html
2008年5月のタワー最終日ライヴ・レポート。パート1。5月27日付け、28日付へ続く。

March 17, 2007
Tower Of Power Live: Continuation Makes Power
http://blog.soulsearchin.com/archives/001645.html

2004/01/21 (Wed)
Down To The Night Club: Tower Of Power Show What Is Hip
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040121.html

2004/01/22 (Thu)
Stranger Turned To Be A Friend By Power Of Tower & Champagne
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040122.html

February 24, 2006
Tower Of Power Live: It’s Soooo Hot Downstairs, Upstairs, Too
http://blog.soulsearchin.com/archives/000852.html

■ メンバー

イミーリオ・カスティーヨ(テナー・サックス、ヴォーカル)Emilio Castillo(ts,vo)
ラリー・LB・ブラッグス(ヴォーカル)Larry Braggs(vo)
トム・ポリッツァー(サックス)Tom Politzer(sax)
スティーブン・“ドッグ”・クプカ(バリトン・サックス)Stephen "Doc" Kupka(sax)
マイク・ボガート(トランペット、フリューゲルホルン、ヴォーカル) Mike Bogart(tp,flh,vo)
アドルフォ・アコスタ(トランペット、フリューゲルホルン)Adolfo Acosta(tp,flh)
ロジャー・スミス(キーボード、ヴォーカル)Roger Smith(key,vo)
マーク・ハーパー(ギター)Marc Harper(g)
フランシス・ロッコー・プレスティア(ベース)Francis Rocco Prestia(b)
デイヴィッド・ガルバルディ(ドラムス)David Garibaldi(ds)

■ セットリスト タワー・オブ・パワー @ブルーノート東京
Setlist : Tower Of Power @ Bluenote Tokyo, May 25,2008
( ) indicates album song included
→denotes medley to next song

Members on the stage 19:04
Performance started 19:08
01. We Came To Play (“We Came To Play” 1978)
02. And You Know It (“Back On The Street” 1979)
03. Oakland Zone (snippet) (“Oakland Zone” 2003)
04. So I Got To Groove – A Riff & Rhythm Of “Super Bad”[James Brown] (“Rhythm & Business” 1997)
05. Diggin’ On James Brown (“Souled Out” 1995)
06. Soul With A Capitol “S” (“T.O.P.” 1993)
07. How Could This Happen To Me (“Monster On A Leash” 1991)
08. Stroke 75 →
09. Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now  (“Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now 1976) →
10. You Ought To Be Havin’ Fun (“Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now 1976)
11. Can’t Stand To See Her Slaughter (“Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now 1976)
12. As Surely As I Stand Here (“In The Slot” 1975)
13. You Strike My Main Nerve (“Bump City” 1972) →
14. Just Enough And Too Much (“In The Slot” 1975)
15. Only So Much Oil In The Ground (“Urban Renewal” 1974)
---- Doc plays few notes upon introducing member
16. Willing To Learn (“Urban Renewal” 1974)
17. (To Say The Least) You’re The Most (“Urban Renewal” 1974)
18. It’s Not The Crime (“Urban Renewal” 1974)
19. Can’t You See (You Doin’ Me Wrong) (“Back To Oakland” 1974)
20. Time Will Tell (“Back To Oakland” 1974)
21. Clean Slate (“Tower Of Power” 1973)
22. This Time It’s Real (“Tower Of Power” 1973)
23. Down To The Night Club (“Bump City” 1972)
24. So Very Hard To Go (“Tower Of Power” 1973)
25. What Is Hip → Soul Power [James Brown] → What Is Hip (“Tower Of Power” 1973)
Enc.1. You’re Still A Young Man (“Bump City” 1972)
Enc.2. Knock Yourself Out → I Thank You [Sam & Dave] → Knock Yourself Out (“East Bay Grease” 1971)
Show ended 21:37

(2008年5月25日日曜、東京ブルーノート=タワー・オブ・パワー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Tower Of Power
2008-85
(タワー・オブ・パワー・ライヴ〜昨日からの続き)

【『何か質問は?』〜イミーリオはたびたび尋ねた】

質問?

「オンリー・ソー・マッチ・オイル…」が終わると、軽く再度メンバー紹介。やはり、その中でも、バリトン・サックスのドックの紹介は熱く、ちょっとしたフレーズを吹いた。

セットリストは続く。ミディアム調からアップテンポが多くを占める中、ところどころにスローバラードを挟む。「ウィリング・トゥ・ラーン」は、そんな1曲。「ジョニー・ギター・ワトソンが一緒に書いた曲」と言って次の「トゥ・セイ・ザ・リースト…」をご紹介。またまたのりのり。

時代はいつのまにか1974年まで進んでいる。アルバム『アーバン・リニューアル』からは4曲も選曲された。

イミーリオは、トークの合間で、「何か質問はあるかな Any questions?」と聞く。冒頭での紹介で、今日はこれまでのタワーの歴史を振り返りながら、曲のエピソードや裏話などを披露する、ついては、何か質問があったら、いつでも、何でも聞いてくれ、といったようなことを言っていた。そこで、MCで、何度か「Any questions?」とはさんでいた。一度、誰かが何かを言ったのだが、僕は聞き取れず、またイミーリオも聞き取れずで、彼は「何?」と聞き返した。だが、質問者は英語が通じなかったのであきらめたのか、再度質問はしなかった。

僕も彼が何度か「Any questions?」と聞くので、質問を考えはじめていた。だがなかなか勇気がでない。(笑)となりのカマサミ・コングさんも、考えていたようだが、なかなか言えないでいた。

「クリーン・ステイト」は、ロジャー・スミスのハモンドB3が迫力いっぱい。途中、メンバー間で言葉のやりとりがあったが、ちょっと僕にはわからなかった。だが、隣のケイリブには受けていた。

セットリスト22以降は、いつものタワー・オブ・パワー・ライヴ、後半の再現。「ディス・タイム…」「…ナイト・クラブ」、そして「…ハード・トゥ・ゴー」一気呵成だ。そして、「ハード・トゥ・ゴー」が終わったところで、またイミーリオが尋ねた。「Any questions?」 となりのカマサミ・コングさんが叫んだ。「What is Hip?(ヒップって何だ?)」 あああ、なるほど! これだ! (笑)

そして、「ホワット・イズ・ヒップ」へ。時計はすでに9時を8分ほど回っていた。2時間超だ。ジェームス・ブラウンの「ソウル・パワー」をはさみこんだ「ホワット・イズ・ヒップ」は、もうすっかりおなじみ。

しかし、ふと思った。もしショーの途中で「ホワット・イズ・ヒップ」という質問が観客から出たら、そこでこれを演奏してしまうのだろうか。これは、彼に質問しなければ。(笑) ”What if you asked “any questions” then audience answered “What is Hip” in the middle of the show, are you going to play “What is Hip?” or would you keep this song until the end of the show?”

これが終わり、メンバーは一度舞台を去る。そして、歓喜の拍手が続く。その炸裂する拍手の波の中、メンバーは再びステージへ。アンコールだ。コングさんが、僕に聞いてきた。「アンコールは何だと思う?」 僕は答えた。「まだ、『ユー・アー・スティル・ア・ヤング・マン』をやってないね。それから、『ノック・ユアセルフ・アウト』も」 するとケイリブが「おおっ、『ノック・ユアセルフ・アウト』だ、それそれ、大好きだ」 

始まったのは、「ユー・アー・スティル・ア・ヤング・マン」だった。途中のフレーズでフロントのメンバーがひざまずく。かっこいい。

初レコ。

僕が初めて買ったタワーのレコードがこれ(「ユー・アー・スティル・ア・ヤング・マン」)を含む『バンプ・シティー』だった。1972年5月リリースのこのアルバムを買ったのは、1973年11月25日のこと。1200円で購入した。ジャケットの中袋にそう書いてある。なぜ1200円なのかがもはや記憶が定かでない。中古でもなく、カットアウト盤でもない。当時の輸入盤の新作相場は、ヤマハだったら、2800円。メロディー・ハウスあたりで1950円とか2000円から2100円くらいだったと思う。だから、たぶん、どこかの輸入レコード店で売れ残っていたので安売りしていたのだろう。渋谷ヤマハか原宿のメロディー・ハウスか。僕はこの「…ヤング・マン」目当てで買った。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00171LF7I/soulsearchiho-22/ref=nosim/

なぜかその次の『タワー・オブ・パワー』(1973年5月発売)が見当たらない。何かで使ってそのままどこかに行っているのかもしれない。(涙) 絶対買ったはずだが…。次の『バック・トゥ・オークランド』は1974年3月5日に1800円で購入。おそらく2月末に全米リリースされたので、即買ったのだろう。ビルボードのアルバム・チャートを見ると、1974年3月9日付けで初登場している。しかし、それから30年以上経って、そのアルバムをひっぱりだし、こうして何かを書くなんて夢にも思わなかった。本当に継続は素晴らしい。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HG8J/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『オークランド』のジャケットは、サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジだと思うが、向こう側から車が5車線で来る。こんな5車線を見たことがなかったので、なんで、逆方向の向こう行きがないのだろう、と疑問に思った。普通往復2車線ずつに分けるのではないか、この橋は一方通行なのか、と。行ったはいいが、帰る時はどうするんだ。せいぜい見たことがあったのは、首都高でそれでも片道2車線だ。そして、実はこれは橋が二階建てになっていて、逆方向に行く車線はこの階下にある、なんてことは随分と後になってから知る。アメリカの道というのは、すごいんだなあ、ということをそうして覚えた。

さて、そんな思い出も走馬灯しつつ、もう1曲アンコールを。ケイリブのお気に入り「ノック・ユアセルフ・アウト」だ。途中には、デイヴィッドのドラム・ソロ、そして、サム&デイヴの「アイ・サンキュー」も挟み込み、抜群のグルーヴを出す。イミーリオがデイヴィッドのドラムスを紹介するいつものセリフが僕は大好きだ。

“Often imitated, Never duplicated, One and Only…David Garibaldi!!” (しばしば、真似られる、しかし、決して同じようには再現されない、唯一無比の〜〜デイヴィッド・ガルバルディー!!) 

もはや、このキャッチフレーズはタワー・オブ・パワーそのものにも付けられる。1968年に結成された彼らはその歴史40年。偉大なる「オヤジバンド」だ。熱い拍手と歓喜によって、2時間半を超えるタワー・オブ・パワーの歴史に残るブルーノート・ライヴは幕を閉じた。

■ 関連リンク

東京メットポッド(ポッドキャスト=英語)
http://www.metropolis.co.jp/podcast/
2008年5月26日付け、27日付けで、メンバーのちょっとしたコメントが聞かれます。10日間程度でアーカイブは消えるようです。

■ 過去関連記事

May 26, 2008
Tower Of Power Live: Power Of Horns, Rhythms, Vocals And Everything (Part 1): Hi Energy Funk Exploded More Than 2 Hours & Half
【タワー・オブ・パワー、ブルーノート史上初、2時間半超ライヴ(パート1)】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002535.html
2008年5月のタワー最終日ライヴ・レポート。パート1。5月27日付け、28日付へ続く。

May 27, 2008
Tower Of Power Live (Part 2) : History Of Tower Of Power
【タワー・オブ・パワー・ライヴ(パート2)〜歴史集大成ライヴ】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002536.html

March 17, 2007
Tower Of Power Live: Continuation Makes Power
http://blog.soulsearchin.com/archives/001645.html

2004/01/21 (Wed)
Down To The Night Club: Tower Of Power Show What Is Hip
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040121.html

2004/01/22 (Thu)
Stranger Turned To Be A Friend By Power Of Tower & Champagne
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040122.html

February 24, 2006
Tower Of Power Live: It’s Soooo Hot Downstairs, Upstairs, Too
http://blog.soulsearchin.com/archives/000852.html

■ メンバー

イミーリオ・カスティーヨ(テナー・サックス、ヴォーカル)Emilio Castillo(ts,vo)
ラリー・LB・ブラッグス(ヴォーカル)Larry Braggs(vo)
トム・ポリッツァー(サックス)Tom Politzer(sax)
スティーブン・“ドッグ”・クプカ(バリトン・サックス)Stephen "Doc" Kupka(sax)
マイク・ボガート(トランペット、フリューゲルホルン、ヴォーカル) Mike Bogart(tp,flh,vo)
アドルフォ・アコスタ(トランペット、フリューゲルホルン)Adolfo Acosta(tp,flh)
ロジャー・スミス(キーボード、ヴォーカル)Roger Smith(key,vo)
マーク・ハーパー(ギター)Marc Harper(g)
フランシス・ロッコー・プレスティア(ベース)Francis Rocco Prestia(b)
デイヴィッド・ガルバルディー(ドラムス)David Garibaldi(ds)

■ セットリスト タワー・オブ・パワー @ブルーノート東京
Setlist : Tower Of Power @ Bluenote Tokyo, May 25,2008
( ) indicates album song included
→denotes medley to next song

Members on the stage 19:04
Performance started 19:08
01. We Came To Play (“We Came To Play” 1978)
02. And You Know It (“Back On The Street” 1979)
03. Oakland Zone (snippet) (“Oakland Zone” 2003)
04. So I Got To Groove – A Riff & Rhythm Of “Super Bad”[James Brown] (“Rhythm & Business” 1997)
05. Diggin’ On James Brown (“Souled Out” 1995)
06. Soul With A Capitol “S” (“T.O.P.” 1993)
07. How Could This Happen To Me (“Monster On A Leash” 1991)
08. Stroke 75 →
09. Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now  (“Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now 1976) →
10. You Ought To Be Havin’ Fun (“Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now 1976)
11. Can’t Stand To See Her Slaughter (“Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now 1976)
12. As Surely As I Stand Here (“In The Slot” 1975)
13. You Strike My Main Nerve (“Bump City” 1972) →
14. Just Enough And Too Much (“In The Slot” 1975)
15. Only So Much Oil In The Ground (“Urban Renewal” 1974)
---- Doc plays few notes upon introducing member
16. Willing To Learn (“Urban Renewal” 1974)
17. (To Say The Least) You’re The Most (“Urban Renewal” 1974)
18. It’s Not The Crime (“Urban Renewal” 1974)
19. Can’t You See (You Doin’ Me Wrong) (“Back To Oakland” 1974)
20. Time Will Tell (“Back To Oakland” 1974)
21. Clean Slate (“Tower Of Power” 1973)
22. This Time It’s Real (“Tower Of Power” 1973)
23. Down To The Night Club (“Bump City” 1972)
24. So Very Hard To Go (“Tower Of Power” 1973)
25. What Is Hip → Soul Power [James Brown] → What Is Hip (“Tower Of Power” 1973)
Enc.1. You’re Still A Young Man (“Bump City” 1972)
Enc.2. Knock Yourself Out → I Thank You [Sam & Dave] → Knock Yourself Out (“East Bay Grease” 1971)
Show ended 21:37

(2008年5月25日日曜、東京ブルーノート=タワー・オブ・パワー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Tower Of Power
2008-85
【アイ(AI)ライヴ@武道館】

ファイナル。

アイ(AI)が2月末、三重からスタートした『ドント・ストップ・アイ・ジャパン・ツアー』が、足掛け4ヶ月、32本目のライヴを武道館で行い、幕を閉じた。その最終日を見た。

今回は日本縦断、32本の旅、10万人動員という。前回も武道館で締めたが、今回は武道館2日間。確実にファンベースを増やしている。それにしても32本には驚いた。

ショーの内容は、前回同様、大規模な3階建てステージとバックにLEDモニターを使い、さらに6名のダンサーを起用、ヴィジュアル効果たっぷり。選曲は、2007年12月の最新作『ドント・ストップ・AI』からの作品をほとんど中心に構成。これに過去の大ヒット、おなじみ曲をはさんだ。バンドはケイリブをリーダーにドラムス、ベース、ギター、コーラス、キーボードら全員いい。

今回、何がよかったかというと、MCがぐっと少なくなった点。(笑) 実際ちょっと長めにしゃべったところも一箇所程度。特に冒頭7曲のノンストップのところは、ダンス、歌、ヴィジュアル映像ともに、ひじょうによく練られ、固まった完成度の高いもの。さらに、中盤も後半もじっくり楽曲を聴かせるなどして、まとまった。

かつて、全国の小さなクラブやディスコを回っていた彼女がどんどん成長し、人気者となり、ついには武道館で2日間もライヴを行い、満員にするという。平成の大成功物語だ。AIは夢を着実に実現しつつある。次の夢へ歩を進めよう。

■ AI 過去関連記事

October 04, 2007
Oggi The 15th Anniversary Music On TV "The Basics"
【AIがホストを務め伊藤由奈らが登場】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002058.html

April 27, 2007
AI Sung For Don Katsumoto: Katsumoto & Brown Became Soul Brother Forever
http://blog.soulsearchin.com/archives/001735.html

December 14, 2006
AI Tour Ends: First Dream Came True, Go For Second Dream
http://blog.soulsearchin.com/archives/001449.html

November 16, 2006
AI Tour Begins: The Best Is Yet To Come
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_16.html

February 17, 2006
AI Show Case: Reveals New Single & New Plan
http://blog.soulsearchin.com/archives/000838.html

2004/09/10 (Fri)
MACHIGAINAI: Ai Live At Ax
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20040910.html

2004/06/26 (Sat)
Look Out For Number One: Ai Live At Duo
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20040626.html

■AIの前作についての記事

http://www.aimusic.tv/pc/

http://www.universal-music.co.jp/ai/UPCI-1049.html

■メンバー

ケイリブ・ジェームス (音楽ディレクター、キーボード)
ペニーK (キーボード)
ロレンゾ・ブレイスフル (ドラムス)
ザンドレ・ヤーブロー (ギター)
ローレンス・ダニエルス・ジュニア (ベース)
ユリ (コーラス)
オリヴィア・バレル (コーラス)
ピエール・アンドレ (コーラス、サックス)
ヒラカツ (DJ)

ダンサーズ: Larry, Jana, Kingnight, Cliff, Erika, Lile

■セットリスト AI(アイ)“Don’t Stop A.I. Japan Tour” 武道館
Setlist : AI @ Budoukan May 28th, 2008

Show started 19:07
00. Intro
01. Don’t Stop (From CD “Don’t Stop A.I.”)
02. It’s Show Time!!! (From CD “Don’t Stop A.I.”)
03. (Dance)
04. Move (From CD “Don’t Stop A.I.”)
05. The Answer (From CD “Don’t Stop A.I.”)
06. My Sweet Home (From CD “Don’t Stop A.I.”)
07. イマ (From CD “Don’t Stop A.I.”)
08. I’ll Remember You (From CD “Don’t Stop A.I.”)
09. 大切なもの (From CD “Don’t Stop A.I.”)
10. (DJ Hirakatsu Showcase)
11. Medley : Get Up (From CD “Don’t Stop A.I.”)
Get Up (Remix) (From CD “Don’t Stop A.I.”)
Butterfly (From CD “Don’t Stop A.I.”)
E.O. (From CD “2004 A.I.”)
I Wanna Know (From CD “What’s Goin’ On A.I.”)
Beautiful (Remix) (From CD “What’s Goin’ On A.I.”)
12. (Band Introduction from Kaleb James)
13. Story (From CD “Mic-A-Holic A.I.”)
14. Feel So Good (From CD “Don’t Stop A.I.”)
15. One (From CD “Don’t Stop A.I.”)
16. Brand New Day (From CD “Don’t Stop A.I.”)
Enc. Get Up (Remix)(Full Version) (+Zeebra, Sphere Of Influence)
Enc. Butterfly (Full Version) (+Anty The 紅乃壱, Anna Tsuchiya, Pushim)
Enc. Life (From CD “Original A.I.”)
Enc. My Friend (Short Version) (From CD “Original A.I.”)
Enc. Music (From CD “What’s Goin’ On A.I.”)
Show ended 21:31

(2008年5月28日水曜、日本武道館=AI(アイ)ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>A.I.
2008-87
【ジェイミー・アーロン・ケリー・ライヴ】

老若男女。

エルヴィスの楽曲をそっくりに歌い人気となっているジェイミー・アーロン・ケリーが早くも再来日。都内で5本のライヴを行い、その最終日、スイートベイジルでのライヴを見た。

観客の多くはさすがに年齢層が高いが、前回よりも若い女性ファンが増えていた感じがする。観客の中に姉妹かと思えるような母娘がいた。何人かのグループで来ていたようで、お母さんは以前はエルヴィスをちょっと聴いていたのかな。それで、家に娘(推定7歳くらい)をおいてこられないので連れてきた、という感じ。最初は興味なさげに見ていた娘さんも、途中、ジェイミーが観客に体を動かさせる「アイ・キャン・ヘルプ」では、一緒に踊っていた。この曲では、会場全員が立ち上がってシンプルな動きに酔いしれた。老若男女、ジェイミーの歌を楽しむといったところだ。

ギター、ベース、ドラムス、キーボードの4人編成バンド。今回は全体的に、エルヴィスの楽曲のみだけで構成するのではなく、現在のジェイミーが気に入っている昔の曲なども多数いれていたようだ。

「現在作っている次のアルバムは、エルヴィス以外の曲もいれる予定なんだ」とジェイミーは言う。ある意味で、1950年代から1960年代初期のロックン・ロール、ロカビリー専門のシンガーというのもおもしろい。

彼がサム・クックの「サッド・ムード」を歌った。レイ・チャールズの「メス・アラウンド」も歌った。このあたりのソウル系選曲は嬉しいところ。

年内にその新作をひっさげて再来日するという。「今度は、もっと大きなステージ・プロダクションでやるつもりだ。照明、舞台などいろいろ凝ってね」とジェイミーは言った。また徐々にオリジナルを含めたエルヴィス以外の楽曲をショーの中にいれていくとも言う。

下記セットリストにオリジナル・アーティストを調べて記した。これを見ると、今回は比較的エルヴィスの曲が少なくなっている点に気づく。少しエルヴィスを減らし、より多くのロックン・ロール曲へ軸足を傾けた、感がした。(なお、セットリストに記したオリジナル・アーティストなどにまちがいがあれば、ご指摘ください。若干わからない部分もありました。メールは、 ebs@st.rim.or.jp まで)

■ 過去関連記事

November 11, 2007
Jamie Aaron Kelley: The Legacy Of Elvis Is Here To Stay
http://blog.soulsearchin.com/archives/002141.html

■メンバー 
Jamie Aaron Kelley (vo) with His Japan Team 【堤雅之(b)、森泰弘(g)、鮎川茂行(ds)、佐々木義人(key/pf)】

■セットリスト  ジェイミー・アーロン・ケリー
Setlist : Jamie Aaron Kelley @ Sweet Basil 139, May 26, 2008
[ ] indicates original artist or artist who made song hit

Show started 20:01
00. Video
00. (Instrumental) (Band Only)
00. Great Balls Of Fire (Band Only) [Jerry Lee Lewis]
00. Can’t Help Fallin In Love (Vocal) (Band Only) [Elvis ]
---Jamie on the stage---
01. If You Only Knew
02. Little Mama [Clovers ?? - 1954]
03. Since I Fell For You [Lenny Welch - 1963]
04. Lovesick Blues [Hank Williams -- 1949, Floyd Cramer -- 1962]
05. Mess Around [Ray Charles - 1953]
06. For My Heart [Jamie’s original]
07. Sun Medley: Get Rhythm [Johnny Cash - 1969] / Folsom Prison Blues [Johnny Cash - 1968] / Mystery Train [Elvis - 1959] / Tiger Man [Elvis -1969]
08. Don’t Forbid Me [Pat Boone -1957]
09. You Mean Everything To Me [Neil Sedaka - 1960]
10. You’re So Fine [Little Walter Jacobs - 1954]
11. Such A Night [Elvis - 1964]
12. It’s Now Or Never [Elvis - 1960]
13. Little Sister [Elvis - 1961]
14. I Don’t Care (Just As Long As You Love Me) [Buck Owens - 1964]
15. Sad Mood [Sam Cooke - 1960]
16. Come What May [Clyde McPhatter - 1958]
17. C’mon Everybody [Eddie Cochran - 1959]
18. In The Ghetto [Elvis - 1969]
19. Memphis In The Meantime [Carl Perkins, John Hiatt -1987]
20. I Can Help [Elvis -1975] (dance with audience)
21. All I Ever Need Is You [Sonny & Cher - 1971]
22. Stuck In The Middle With You [Stealers Wheel - 1973]
Encore
23. Baby What You Want Me To Do [Jimmy Reed - 1960]
24. One Night With You [Elvis - 1958]
25. Introduction of Members
26. Suspicious Minds [Elvis -1969]
Show ended 22:02

(2008年5月26日月曜、六本木スイート・ベイジル=ジェイミー・アーロン・ケリー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kelley, Jamie Aaron
2008-86
Chris Botti King Of Smooth Jazz : How Many Sushi Toro Could Be Eaten From The Money He Could Get Paid

(これからごらんになる方はご注意ください。若干ネタバレがあります)

【クリス・ボッティー・ライヴ〜エネルギー全開】

全開。

1995年のメジャー・デビュー以来、コンスタントに活動、アルバムもベストを含め10枚を数える中堅ジャズ・トランペット奏者クリス・ボッティーの2006年11月以来約1年半ぶりのライヴ。僕は2004年5月以来約4年ぶりに見た。

なにしろ、やわらかいそのトランペットの音色、うっとりしてしまう優しさ、わかりやすい楽曲、ずいぶんと空気を和ませてくれた。

かつてキョードー東京が1970年代に提案した「ラヴ・サウンズ」というイージー・リスニングのジャンルにぴったりではないかと思う。『21世紀のニニ・ロッソ』というキャッチを授けたい。もちろん、ジャズ・アーティストであるだけに、最近でいうところの「スムース・ジャズ」のアーティストとしても人気だ。「キング・オブ・スムース・ジャズ」とも言える。特に、ルックスがイケメンだけに、今回も女性ファンがかなり多く見受けられた。観客には、ほかに金融系のビジネスマンが目立った。

早口ながら、彼の滑舌のいいトークもけっこうおもしろい。

「普段日本に来るときは、東京が最初に降り立つ所。だから、いつも時差ぼけに悩まされる。だが、今回は過去数週間アジア・ツアーをやってきていて、東京にはジャカルタから入った。(時差ぼけがないから)体調万全、エネルギー全開でステージに臨んでいる」(大意)

「今夜はマイルス・デイヴィス好きな人がいてくれるといいけれど。(パラパラと拍手。クリス・ファンは、あまりマイルスを聴かないようだ) 1959年のある日、マイルスは、ジョン・コルトレーン、キャノンボール・アダレー、ビル・エヴァンスなど錚々たるメンバーとスタジオに入った。そして、後にジャズ史に残る『カインド・オブ・ブルー』を録音する。このアルバムがすごかったのは、わずか1日半で彼らがほとんど準備もなく録音したということ。そして、各自のギャラは65ドル。(笑) (日本レストランの)ノブでトロなんか5貫くらいしか食べられないほどのギャラだ。(笑)そのアルバムにトリビュートして、僕たちのヴァージョンの『フラメンコ・ブルー』」 

途中、少し省略したが、およそこんなことを言っていた。65ドルというギャラが、各自なのか、バンド全員でなのかが聞き取れなくて、ライヴ後、帰り際にクリスに聞いたら、各自だと答えてくれた。マイルスの自伝を読んで得た情報だという。(その後、家に戻り、マイルスの自伝の『カインド・オブ・ブルー』のあたりを読み返したが、65ドルという記述はその近辺にはなかった。当時のアルバムの相場ギャラなのか、別の読み物か何かの話かもしれない)

実は65ドルというギャラ、僕は最初、バンド全部でかなと思い、いろいろと考えていた。5人として1人あたり13ドル。1ドル360円で4680円だ。昭和34年の日本での大卒初任給は10,000円前後。2日ジャズを録音すれば、通常の一般の生活はできる。たぶんアメリカでも一般庶民は週給で35〜50ドルくらいだっただろうから、1日のセッションで13ドルは悪くはないと思ったのだ。だが、1日65ドルなら、当時だってかなり高給ではないだろうか。スシ15貫くらいは食べられるのでは。(笑) (しかし、彼の軽いMCの中のネタで、そんなに細かくひっかかるな、って。はいはい)

おもしろかったのは、5曲目の紹介のところ。「これからやる曲はロバート・デニーロの映画『ザ・ミッション』のテーマ曲」 ギターのマーク・ホイットフィールドが弾き始めると、いつのまにか、「ミッション・インポッシブル(スパイ大作戦のテーマ)」になり、「おいおい、それはミッション・インポッシブルじゃないか」とクリスが、つっこむ。マークは、7曲目のソロを担当するときには、超早弾きで5本の指が10本に見えた。

毎回彼のライヴにやってきて、一番前のほうに座っているマダムがいるらしく、「そこのママ、毎回同じ、僕のクソみたいなジョークに笑ってくれてありがとう」と、またまた受けることを言う。

各ミュージシャンは、ひじょうにレベルが高く、ソロを回されたときは、これでもかと自分をアピールする。「ドラムスが沼澤さんを思わせる」、「クリスはニニ・ロッソ風」と感じたら、前回のライヴ評でも同じことを書いていた。毎回感じることは一緒か。(笑) 全曲インストなのだが、やはりメンバーが若いせいか、観客もけっこう集中してエンジョイしているようだ。

アンコールに「ニュー・シネマ・パラダイス」を持ってくるところなど、日本人の音楽嗜好をよく知っているのかもしれない。我らがブレンダ・ヴォーンは実はクリスの大ファン。「もし、彼に会うなら、私が『アイ・ラヴ・ユー』って言ってるって伝えてね」と言われた。ごめん、言い忘れた。

■    クリス・ボッティ最新作『イタリア』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00144665E/soulsearchiho-22/ref=nosim/

そういえば、彼は幼少時にイタリアにも住んでいたそうだ。

■過去記事

2004/05/29 (Sat)
Chris Botti Live At DUO:
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040529.html

■    メンバー

クリス・ボッティ(トランペット)Chris Botti(tp)
ビリー・チャイルズ(ピアノ)Billy Childs(p)
マーク・ホイットフィールド(ギター)Mark Whitfield(g)
ボブ・ハースト(ベース)Bob Hurst(b)
ビリー・キルソン(ドラムス)Billy Kilson(ds)

■セットリスト クリス・ボッティー 
Setlist : Chris Botti @ Bluenote, May 29, 2008

Show started 21:42
01.    Ave Maria
02.    When I Fall In Love
03.    Caruso
04.    Flamenco Sketches
05.    Gabriel’s Oboe (From The “Mission”) (A riff of “Mission Impossible”)
06.    A Thousand Kisses Deep
07.    Indian Summer
(Encore) Cinema Paradiso
show ended 22:56

(2008年5月29日木曜、ブルーノート東京=クリス・ボッティ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Botti, Chris
2008-89

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