▲Norman Whitfield Dies At 67
2008年9月18日 音楽Norman Whitfield Dies At 67
【モータウン・サウンドの立役者、ノーマン・ホイットフィールド死去】
訃報。
モータウンで多くのヒットを放ち、プロデューサーとして一世を風靡したノーマン・ホイットフィールドが2008年9月16日午後3時半頃、ロス・アンジェルスのシーダース・サイナイ病院で糖尿病のため死去した。EURweb(電子版)などが報じた。67歳だった。(65歳説もある)
ノーマン・ジェシー・ホイットフィールドは、1941年5月12日ニューヨーク・ハーレム生まれ。(1943年説もある=この場合65歳) 家族で、カリフォルニアで行われた親類の葬式から陸路ニューヨークに戻るときに、車がデトロイトで壊れ、そのままデトロイトに住み着いたという。1960年代初期から、ノーマンはデトロイトのローカル・インディ・レーベル、セルマ・レコードに出入りするようになり、ここでリチャード・ストリートのシングルなどをプロデュース。さらに、同じ頃デトロイトのモータウン・レコードにも出入りするようになった。当初はモータウン・レコードのスタジオの雑用などから始まり、当時モータウンでバレット・ストロングの「マネー」(1960年)のバックコーラスなども録音したという。続いてA&Rマン、ミッキー・スティーヴンスのアシスタントへ。最初のきっかけは、ミッキーと共同で作った「プライド・アンド・ジョイ」(マーヴィン・ゲイの歌でヒット=1963年6月)だった。独特のサウンドで多くのアーティストをプロデュースし、社内で注目されるようになる。
その後、1966年、テンプテーションズの「エイント・トゥ・プラウド・トゥ・ベッグ」をプロデュース、これが大ヒットしたことによって、以後、テンプス作品を次々とプロデュースするようになった。「テンプス=ホイットフィールド・チーム」が生み出したヒットは、「ビューティー・イズ・オンリー・スキン・ディープ」「(アイ・ノウ)アイム・ルージング・ユー」「アイ・ウィッシュ・イット・ウド・レイン」「クラウド・ナイン」「ランナウェイ・チャイルド、ランニング・ワイルド」「サイケデリック・シャック」「パパ・ウォズ・ア・ローリング・ストーン」など多数。彼が作り出したサウンドは、当時のロック・サウンドとも関連し、独特の「サイケデリック・ファンク」などとも呼ばれたファンキーなもの。特にテンプスのリード・シンガー、当初はデイヴィッド・ラッフィン、続いて、デニス・エドワーズの迫力ある声とあいまって、新時代のモータウン・サウンドの牽引車となった。だが、テンプスのメンバーは、ノーマンのサウンド優先の強引な録音の仕方に徐々に反発、1970年代中ごろまでに、両者は袂を分かつことになる。
1967年、彼はマーヴィン・ゲイで録音した自信作「アイ・ハード・イット・スルー・ザ・グレイプヴァイン(悲しい噂)」を録音し、モータウンの有名な「金曜日の会議」(翌週リリースするシングル盤をどれにするかを決める会議)に出すが、会議で却下され失望。しかし、同曲を改めてグラディス・ナイト&ピップスで再録音、これはなんとか会議を通過、全米リリースされると1967年10月からヒット、ソウル・チャートで6週間1位になった。だがこの曲のマーヴィン・ヴァージョンに固執したノーマンは、シングル・リリースが却下されたマーヴィンの「悲しい噂」をマーヴィンのアルバム中の1曲として入れてくれるよう懇願、1968年その望みを果たす。すると、全米のDJたちが、マーヴィンの「悲しい噂」をアルバムから「アルバム・カット」として頻繁にプレイ、ついに一般人気からモータウンはシングル・カットを余儀なくされリリース、1968年11月からヒット、ソウル・チャートではグラディス・ヴァージョンを超える7週間1位、ポップ・チャートでもマーヴィンにとって初のナンバー・ワン・ヒットとなった。
その後、レア・アース、アンディスピューテッド・トゥルース、エドウィン・スター(「ウォー」)などをてがけ、1975年、モータウンから独立、1976年、MCAで映画『カー・ウォッシュ』のサウンドトラックをてがけ、大ヒットを送り、さらに1977年、自身のレーベル、ホイットフィールド・レーベルをワーナー・ブラザース傘下で設立。もともとエドウィン・スターのバック・バンドだったローズ・ロイス、スターゲートなどのアーティストでヒットを送り出した。
しかし、モータウンを離れてからは、『カー・ウォッシュ』の大ヒット以外、主だったヒットは生まれなかった。1983年3月、カリフォルニア・パサディナでモータウン・レコード25周年記念イヴェントが行われ、テンプスやフォー・トップス、マーヴィン・ゲイらが元気なステージを見せ、さらにマイケル・ジャクソンがジャクソン5との再結成、ソロとして「ビリー・ジーン」を見せ、大きな話題を集めた。しかし、モータウン・サウンドの貢献者のひとりノーマンはここに招待されず、人知れずチケットを買い、ライヴを見ていたという。
マーヴィン・ゲイの「悲しい噂」は、2001年、グラミー賞ホール・オブ・フェイムを獲得した。また、2005年1月、ノーマンは脱税で起訴されたが、健康問題を理由に、服役せず25000ドルの罰金と半年の自宅拘束となった。近年は糖尿病を患っていた、という。
ノーマン・ホイットフィールドがてがけた主なヒット。(EURwebより)
1963: "Pride & Joy" - Marvin Gaye
1964: "Too Many Fish in the Sea" - The Marvelettes
1964: "Needle in a Haystack" - The Velvelettes
1964: "He Was Really Sayin’ Somethin’" - The Velvelettes
1964: "Girl (Why You Wanna Make Me Blue)" - The Temptations
1966: "Ain’t Too Proud to Beg" - The Temptations
1966: "Beauty Is Only Skin Deep" - The Temptations
1966: "(I Know) I’m Losing You" - The Temptations
1967: "I Heard It Through the Grapevine" - Gladys Knight & the Pips, also recorded by Marvin Gaye and Creedence Clearwater Revival
1967: "You’re My Everything" - The Temptations
1967: "I Wish It Would Rain" - The Temptations
1968: "I Could Never Love Another (After Loving You) - The Temptations
1968: "The End Of Our Road" - Gladys Knight & The Pips
1968: "Cloud Nine" - The Temptations
1969: "Friendship Train" - Gladys Knight & the Pips
1969: "Runaway Child, Running Wild" - The Temptations
1969: "Too Busy Thinking About My Baby" - Marvin Gaye
1969: "I Can’t Get Next to You" - The Temptations
1969: "Don’t Let The Joneses Get You Down" - The Temptations
1970: "You Need Love Like I Do (Don’t You)" - Gladys Knight & The Pips, also recorded by The Temptations
1970: "Psychedelic Shack" - The Temptations
1970: "Hum Along and Dance" - The Temptations (later covered by Rare Earth and The Jackson 5)
1970: "Ball of Confusion (That’s What the World Is Today)" - The Temptations
1970: "War" - Edwin Starr
1971: "Smiling Faces Sometimes" - The Undisputed Truth, originally recorded by The Temptations
1971: "Just My Imagination (Running Away with Me)" - The Temptations
1972: "Papa Was a Rollin’ Stone" - The Temptations
1973: "Masterpiece" - The Temptations
1973: "Let Your Hair Down" - The Temptations
1976: "Car Wash" - Rose Royce
1976: "I’m Going Down" - Rose Royce
1976: "I Wanna Get Next to You" - Rose Royce
1977: "Ooh Boy" - Rose Royce
1977: "Wishing on a Star" - Rose Royce
1978: "Love Don’t Live Here Anymore" - Rose Royce
EURweb:
http://www.eurweb.com/story/eur47128.cfm
ご冥福をお祈りしたい。
■ 関連書籍
『モータウン、わが愛と夢』(ベリー・ゴーディ著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/492488068X/soulsearchiho-22/ref=nosim/
『モータウン・ミュージック』(ネルソン・ジョージ著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152033398/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>OBITUARY>Whitfield, Norman (May 12 1941 - September 16, 2008, 67)
【モータウン・サウンドの立役者、ノーマン・ホイットフィールド死去】
訃報。
モータウンで多くのヒットを放ち、プロデューサーとして一世を風靡したノーマン・ホイットフィールドが2008年9月16日午後3時半頃、ロス・アンジェルスのシーダース・サイナイ病院で糖尿病のため死去した。EURweb(電子版)などが報じた。67歳だった。(65歳説もある)
ノーマン・ジェシー・ホイットフィールドは、1941年5月12日ニューヨーク・ハーレム生まれ。(1943年説もある=この場合65歳) 家族で、カリフォルニアで行われた親類の葬式から陸路ニューヨークに戻るときに、車がデトロイトで壊れ、そのままデトロイトに住み着いたという。1960年代初期から、ノーマンはデトロイトのローカル・インディ・レーベル、セルマ・レコードに出入りするようになり、ここでリチャード・ストリートのシングルなどをプロデュース。さらに、同じ頃デトロイトのモータウン・レコードにも出入りするようになった。当初はモータウン・レコードのスタジオの雑用などから始まり、当時モータウンでバレット・ストロングの「マネー」(1960年)のバックコーラスなども録音したという。続いてA&Rマン、ミッキー・スティーヴンスのアシスタントへ。最初のきっかけは、ミッキーと共同で作った「プライド・アンド・ジョイ」(マーヴィン・ゲイの歌でヒット=1963年6月)だった。独特のサウンドで多くのアーティストをプロデュースし、社内で注目されるようになる。
その後、1966年、テンプテーションズの「エイント・トゥ・プラウド・トゥ・ベッグ」をプロデュース、これが大ヒットしたことによって、以後、テンプス作品を次々とプロデュースするようになった。「テンプス=ホイットフィールド・チーム」が生み出したヒットは、「ビューティー・イズ・オンリー・スキン・ディープ」「(アイ・ノウ)アイム・ルージング・ユー」「アイ・ウィッシュ・イット・ウド・レイン」「クラウド・ナイン」「ランナウェイ・チャイルド、ランニング・ワイルド」「サイケデリック・シャック」「パパ・ウォズ・ア・ローリング・ストーン」など多数。彼が作り出したサウンドは、当時のロック・サウンドとも関連し、独特の「サイケデリック・ファンク」などとも呼ばれたファンキーなもの。特にテンプスのリード・シンガー、当初はデイヴィッド・ラッフィン、続いて、デニス・エドワーズの迫力ある声とあいまって、新時代のモータウン・サウンドの牽引車となった。だが、テンプスのメンバーは、ノーマンのサウンド優先の強引な録音の仕方に徐々に反発、1970年代中ごろまでに、両者は袂を分かつことになる。
1967年、彼はマーヴィン・ゲイで録音した自信作「アイ・ハード・イット・スルー・ザ・グレイプヴァイン(悲しい噂)」を録音し、モータウンの有名な「金曜日の会議」(翌週リリースするシングル盤をどれにするかを決める会議)に出すが、会議で却下され失望。しかし、同曲を改めてグラディス・ナイト&ピップスで再録音、これはなんとか会議を通過、全米リリースされると1967年10月からヒット、ソウル・チャートで6週間1位になった。だがこの曲のマーヴィン・ヴァージョンに固執したノーマンは、シングル・リリースが却下されたマーヴィンの「悲しい噂」をマーヴィンのアルバム中の1曲として入れてくれるよう懇願、1968年その望みを果たす。すると、全米のDJたちが、マーヴィンの「悲しい噂」をアルバムから「アルバム・カット」として頻繁にプレイ、ついに一般人気からモータウンはシングル・カットを余儀なくされリリース、1968年11月からヒット、ソウル・チャートではグラディス・ヴァージョンを超える7週間1位、ポップ・チャートでもマーヴィンにとって初のナンバー・ワン・ヒットとなった。
その後、レア・アース、アンディスピューテッド・トゥルース、エドウィン・スター(「ウォー」)などをてがけ、1975年、モータウンから独立、1976年、MCAで映画『カー・ウォッシュ』のサウンドトラックをてがけ、大ヒットを送り、さらに1977年、自身のレーベル、ホイットフィールド・レーベルをワーナー・ブラザース傘下で設立。もともとエドウィン・スターのバック・バンドだったローズ・ロイス、スターゲートなどのアーティストでヒットを送り出した。
しかし、モータウンを離れてからは、『カー・ウォッシュ』の大ヒット以外、主だったヒットは生まれなかった。1983年3月、カリフォルニア・パサディナでモータウン・レコード25周年記念イヴェントが行われ、テンプスやフォー・トップス、マーヴィン・ゲイらが元気なステージを見せ、さらにマイケル・ジャクソンがジャクソン5との再結成、ソロとして「ビリー・ジーン」を見せ、大きな話題を集めた。しかし、モータウン・サウンドの貢献者のひとりノーマンはここに招待されず、人知れずチケットを買い、ライヴを見ていたという。
マーヴィン・ゲイの「悲しい噂」は、2001年、グラミー賞ホール・オブ・フェイムを獲得した。また、2005年1月、ノーマンは脱税で起訴されたが、健康問題を理由に、服役せず25000ドルの罰金と半年の自宅拘束となった。近年は糖尿病を患っていた、という。
ノーマン・ホイットフィールドがてがけた主なヒット。(EURwebより)
1963: "Pride & Joy" - Marvin Gaye
1964: "Too Many Fish in the Sea" - The Marvelettes
1964: "Needle in a Haystack" - The Velvelettes
1964: "He Was Really Sayin’ Somethin’" - The Velvelettes
1964: "Girl (Why You Wanna Make Me Blue)" - The Temptations
1966: "Ain’t Too Proud to Beg" - The Temptations
1966: "Beauty Is Only Skin Deep" - The Temptations
1966: "(I Know) I’m Losing You" - The Temptations
1967: "I Heard It Through the Grapevine" - Gladys Knight & the Pips, also recorded by Marvin Gaye and Creedence Clearwater Revival
1967: "You’re My Everything" - The Temptations
1967: "I Wish It Would Rain" - The Temptations
1968: "I Could Never Love Another (After Loving You) - The Temptations
1968: "The End Of Our Road" - Gladys Knight & The Pips
1968: "Cloud Nine" - The Temptations
1969: "Friendship Train" - Gladys Knight & the Pips
1969: "Runaway Child, Running Wild" - The Temptations
1969: "Too Busy Thinking About My Baby" - Marvin Gaye
1969: "I Can’t Get Next to You" - The Temptations
1969: "Don’t Let The Joneses Get You Down" - The Temptations
1970: "You Need Love Like I Do (Don’t You)" - Gladys Knight & The Pips, also recorded by The Temptations
1970: "Psychedelic Shack" - The Temptations
1970: "Hum Along and Dance" - The Temptations (later covered by Rare Earth and The Jackson 5)
1970: "Ball of Confusion (That’s What the World Is Today)" - The Temptations
1970: "War" - Edwin Starr
1971: "Smiling Faces Sometimes" - The Undisputed Truth, originally recorded by The Temptations
1971: "Just My Imagination (Running Away with Me)" - The Temptations
1972: "Papa Was a Rollin’ Stone" - The Temptations
1973: "Masterpiece" - The Temptations
1973: "Let Your Hair Down" - The Temptations
1976: "Car Wash" - Rose Royce
1976: "I’m Going Down" - Rose Royce
1976: "I Wanna Get Next to You" - Rose Royce
1977: "Ooh Boy" - Rose Royce
1977: "Wishing on a Star" - Rose Royce
1978: "Love Don’t Live Here Anymore" - Rose Royce
EURweb:
http://www.eurweb.com/story/eur47128.cfm
ご冥福をお祈りしたい。
■ 関連書籍
『モータウン、わが愛と夢』(ベリー・ゴーディ著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/492488068X/soulsearchiho-22/ref=nosim/
『モータウン・ミュージック』(ネルソン・ジョージ著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152033398/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>OBITUARY>Whitfield, Norman (May 12 1941 - September 16, 2008, 67)
Soul Power Summit 2008: Coming Up This Week End & Oka Nobuaki Foot Painting
【ソウル・パワー・サミット2008東京いよいよ今週末】
全力。
今年で3年目を迎えるソウル・ミュージック好きの日本のアーティストたちが一堂に会して行う大型イヴェント「ソウル・パワー・サミット2008」の東京公演がいよいよ今週末、9月20日(土曜)、9月21日(日曜)、国立代々木競技場第一体育館で行われる。出演アーティストは、鈴木雅之、ゴスペラーズ、スクープ・オン・サムバディーのソウル・トライアングルに、今年は2年ぶりにカンバックしたゴスペラッツ、さらに、ダンスマン、ジェイ&ズーコ、また、伊藤由奈、メイJ、メティス、福原美穂などの新進気鋭のアーティストも参加する。
リーダー的存在のマーチン、ゴスペラッツの時間帯は、裏テーマとして昨年亡くなったソウル界の重鎮「ニック岡井&ドン勝本トリビュート」がある。特に鈴木雅之の最新アルバム『マティーニ・デュエット』には、ニック岡井のグループ、「クック・ニック&チャッキー」が大ヒットさせ、今ではディスコの定番となった「可愛いいひとよ」をコック・マック&ノッキーという名義でカヴァー。これは、ブラザー・コーン、マーチン、木梨憲武のスペシャル・ワンタイム・ユニットだ。この「可愛いいひとよ」は、ドン勝本とニック岡井、そして、マイケル鶴岡の3人から成る「キング・オブ・ソウル」もカヴァー。ドン、ニックとともに日本のソウル界、ディスコ界に多くのダンスステップを作ったことなどで大きな足跡を残したので、これをカヴァーすることによって、ニック、ドンへのトリビュートとする。ニック、勝本氏らとともに「キング・オブ・ソウル」の一員として活躍してきたマイケル鶴岡は、ゴスペラーズの作品のいくつかも振り付けを担当、ソウル色を強く出している。
また、同時にニック岡井が多くのソウル・ヒットにあわせ、足元に絵の具をつけて踊り、それをキャンヴァスの上に印した「フット・ペインティング」というアート作品を作った岡伸昭の「アフター・ザ・ダンス~ゲット・オン・ザ・グッド・フット」の作品2-3点と、そのニックの靴などを会場に展示して、同じくニックへトリビュートする。岡の作品は、「BEAMSプレゼンツ 岡伸昭 × ニック岡井 フット・ペインティング AFTER THE DANCE ~ Get On The Good Foot」として、来る10月16日から新宿本店のビームス内「Bギャラリー」でも個展が開かれるが、そのショーケースとして、この「ソウル・パワー」でも作品が展示されることになった。
今回も、前回同様これら多彩なアーティスト、シンガーのバックを、大阪のナニワ・エクスプレスと、スクープ・オン・サムバディーが、交代でつとめ、アーティストの入れ替え時間をなくす。これによって観客は、中だるみすることなく、ライヴを楽しめる。すでに9月6日、大阪で行ってきたが、これは4時間半以上になったので、東京もそれに近くなるかもしれない。
「ソウル・パワー・サミット」は、2006年、マーチンこと鈴木雅之とゴスペラーズ、さらにスクープ・オン・サムバディーの3組がそれぞれソウル・ミュージックが好きということから、なにか「ソウル」をキーワードにイヴェントができないか、と始まったもの。今年で3回目。前回は武道館だったが、今回はより大きな代々木第一体育館だ。それぞれ5時半から開演となる。
今年は、正式に発表されているアーティストのほかに、若干のシークレット・アーティストもいるようで、そのあたりの「サプライズ」も楽しみの一つ。
今週日曜(14日)、インターFM『ソウル・ブレンズ』に出演予定者のひとり、ブラザー・コーンが特別ゲスト出演し、この「ソウル・パワー」について、縦横無尽に語り、その楽しさを予告していった。ブラザー・コーンも言うとおり、「何が起こるかわからない。ソウル好きが集まった超エキサイティングな全力投球のソウル・イヴェント」になる。当日券が若干出るので、まだチケットをお持ちでない方は、直接会場へ直行。
■ ソウル・パワー・サミット2008
日時2008年9月20日(土)、21日(日)
会場 国立代々木競技場第一体育館
開場 16時30分 開演 17時30分 (約4時間超の予定)
チケット全席指定 7000円(税込み)チケットぴあ、ローソンチケットなど。
問い合わせ ディスクガレージ 03-5436-9600 (平日12時~19時)
出演アーティスト 鈴木雅之、ゴスペラーズ、スクープ・オン・サムバディー、ゴスペラッツ、ダンスマン、ジェイ&ズーコ、伊藤由奈(9月20日のみ)、メイJ、メティス(9月20日のみ)、福原美穂(9月21日のみ)など。
オフィシャルウェッブ http://www.soulpowersummit.com/
■BEAMS Presents岡伸昭 × ニック岡井 フット・ペインディング
"AFTER THE DANCE ~ Get On The Good Foot"
期間 2008年10月16日(木)~11月18日(火)11時~20時 <会期中無休>
場所 : B GALLERY (BEAMS JAPAN 6F)
東京都新宿区新宿3-32-6
TEL : 03-5368-7309 http://www.beams.co.jp
ENT>ANNOUNCEMENT>Soul Power
【ソウル・パワー・サミット2008東京いよいよ今週末】
全力。
今年で3年目を迎えるソウル・ミュージック好きの日本のアーティストたちが一堂に会して行う大型イヴェント「ソウル・パワー・サミット2008」の東京公演がいよいよ今週末、9月20日(土曜)、9月21日(日曜)、国立代々木競技場第一体育館で行われる。出演アーティストは、鈴木雅之、ゴスペラーズ、スクープ・オン・サムバディーのソウル・トライアングルに、今年は2年ぶりにカンバックしたゴスペラッツ、さらに、ダンスマン、ジェイ&ズーコ、また、伊藤由奈、メイJ、メティス、福原美穂などの新進気鋭のアーティストも参加する。
リーダー的存在のマーチン、ゴスペラッツの時間帯は、裏テーマとして昨年亡くなったソウル界の重鎮「ニック岡井&ドン勝本トリビュート」がある。特に鈴木雅之の最新アルバム『マティーニ・デュエット』には、ニック岡井のグループ、「クック・ニック&チャッキー」が大ヒットさせ、今ではディスコの定番となった「可愛いいひとよ」をコック・マック&ノッキーという名義でカヴァー。これは、ブラザー・コーン、マーチン、木梨憲武のスペシャル・ワンタイム・ユニットだ。この「可愛いいひとよ」は、ドン勝本とニック岡井、そして、マイケル鶴岡の3人から成る「キング・オブ・ソウル」もカヴァー。ドン、ニックとともに日本のソウル界、ディスコ界に多くのダンスステップを作ったことなどで大きな足跡を残したので、これをカヴァーすることによって、ニック、ドンへのトリビュートとする。ニック、勝本氏らとともに「キング・オブ・ソウル」の一員として活躍してきたマイケル鶴岡は、ゴスペラーズの作品のいくつかも振り付けを担当、ソウル色を強く出している。
また、同時にニック岡井が多くのソウル・ヒットにあわせ、足元に絵の具をつけて踊り、それをキャンヴァスの上に印した「フット・ペインティング」というアート作品を作った岡伸昭の「アフター・ザ・ダンス~ゲット・オン・ザ・グッド・フット」の作品2-3点と、そのニックの靴などを会場に展示して、同じくニックへトリビュートする。岡の作品は、「BEAMSプレゼンツ 岡伸昭 × ニック岡井 フット・ペインティング AFTER THE DANCE ~ Get On The Good Foot」として、来る10月16日から新宿本店のビームス内「Bギャラリー」でも個展が開かれるが、そのショーケースとして、この「ソウル・パワー」でも作品が展示されることになった。
今回も、前回同様これら多彩なアーティスト、シンガーのバックを、大阪のナニワ・エクスプレスと、スクープ・オン・サムバディーが、交代でつとめ、アーティストの入れ替え時間をなくす。これによって観客は、中だるみすることなく、ライヴを楽しめる。すでに9月6日、大阪で行ってきたが、これは4時間半以上になったので、東京もそれに近くなるかもしれない。
「ソウル・パワー・サミット」は、2006年、マーチンこと鈴木雅之とゴスペラーズ、さらにスクープ・オン・サムバディーの3組がそれぞれソウル・ミュージックが好きということから、なにか「ソウル」をキーワードにイヴェントができないか、と始まったもの。今年で3回目。前回は武道館だったが、今回はより大きな代々木第一体育館だ。それぞれ5時半から開演となる。
今年は、正式に発表されているアーティストのほかに、若干のシークレット・アーティストもいるようで、そのあたりの「サプライズ」も楽しみの一つ。
今週日曜(14日)、インターFM『ソウル・ブレンズ』に出演予定者のひとり、ブラザー・コーンが特別ゲスト出演し、この「ソウル・パワー」について、縦横無尽に語り、その楽しさを予告していった。ブラザー・コーンも言うとおり、「何が起こるかわからない。ソウル好きが集まった超エキサイティングな全力投球のソウル・イヴェント」になる。当日券が若干出るので、まだチケットをお持ちでない方は、直接会場へ直行。
■ ソウル・パワー・サミット2008
日時2008年9月20日(土)、21日(日)
会場 国立代々木競技場第一体育館
開場 16時30分 開演 17時30分 (約4時間超の予定)
チケット全席指定 7000円(税込み)チケットぴあ、ローソンチケットなど。
問い合わせ ディスクガレージ 03-5436-9600 (平日12時~19時)
出演アーティスト 鈴木雅之、ゴスペラーズ、スクープ・オン・サムバディー、ゴスペラッツ、ダンスマン、ジェイ&ズーコ、伊藤由奈(9月20日のみ)、メイJ、メティス(9月20日のみ)、福原美穂(9月21日のみ)など。
オフィシャルウェッブ http://www.soulpowersummit.com/
■BEAMS Presents岡伸昭 × ニック岡井 フット・ペインディング
"AFTER THE DANCE ~ Get On The Good Foot"
期間 2008年10月16日(木)~11月18日(火)11時~20時 <会期中無休>
場所 : B GALLERY (BEAMS JAPAN 6F)
東京都新宿区新宿3-32-6
TEL : 03-5368-7309 http://www.beams.co.jp
ENT>ANNOUNCEMENT>Soul Power
【黒沢薫ライヴ~ヴァーサタイルなソング・スタイリストを目指す】
歌好き。
約1年ぶりの黒沢薫ソロ・ライヴ。今回は、会場を六本木スイート・ベイジルに移して2日計4回公演、すべてソールドアウト。会場入口あたりから、ずいぶんとカレーの香りがするなと思ったら、限定60食で黒沢さんのレシピによるカレーを出していた。運良くそのカレーにありつけ、食べたのだが、最後ライスがなくなりカレーが若干残った。なんでだ。でもカレーおいしかった。
BGMでフランク・シナトラが静かに流れている。まもなく、暗転し、バンドがでてきてイントロへ。そして、「ウィンディー・ラヴ」さらにメドレーで「あまく危険な香り」。前回もこの流れで始まったが、ここのメドレーは実にいい流れを作る。そして、今回は、昨年の雨を思い、「レイニー・デイズ・メモリー」と題して、雨ソングをメドレーで。そのトップは、ジーン・ケリー、フランク・シナトラでおなじみの「雨に唄えば」。
黒沢さんは、このところすごくよくフランク・シナトラを聴いていて、かなり勉強したそうだ。そして、フランク・シナトラ、マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハサウェイ、スティーヴィーのように、ソウルもポップもあらゆるタイプの歌を歌えるヴァーサタイル(多様性のある)なソング・スタイリストを目指したい、という。そこでライヴが始まる前のBGMはフランク・シナトラにしたそうだ。
「雨メドレー」は、ピアノの松本圭司さんと2人だけ。「イン・ザ・レイン」をピアノ1本のバックで歌うとは驚いた。この2人のアコースティック・セットも味わい深い。「はじまりはいつも雨」が歌われて、僕はこの曲を知らなかったので、隣の松尾潔さんに尋ねると、「これは、チャゲアスの飛鳥さんのソロで、けっこう大ヒットです」と教えてくれた。「ほんと、邦楽、ご存知ないんですねえ」と呆れられ、続く曲で「ちなみに、これは黒沢さんのソロで、僕が作詞してるんです」との解説が。勉強になるなあ。やはりライヴは松尾先生と見ないと。
そして、続いてはディズニーから2曲。「ホール・ニュー・ワールド」は、なんとこの日のスペシャル・サプライズ、平原綾香さん。前日は、ベース下野さんがプロデュースしているナオ・ウェストがデュエットを披露したという。平原さんは声が実に低く、一方、黒沢さんの声がハイヴォイスなので、普通の男女デュエットと逆なので、ものすごく新鮮だった。彼女はアンコールでもういちどマーヴィン&タミーのデュエットを歌ったが、こちらはさらにソウルフルになり、彼女がソウルのカヴァー・アルバムを作ったら、かなり強力なものが出来るのではないかと思った。黒沢&平原デュエット作品は、いずれ何かの形でCD化するといいと思う。
「電話のむこう」のところで衣装チェンジ、白のスーツから、皮ジャケ&ジーンズに。そして、Rケリーとジョーという稀代のエロエロ・ソウル・シンガーをカヴァー。ここで、腰をぐりぐり動かすバンピン・グラインドを披露するが、なぜか観客の反応が静かだった。全体的にこの回は観客が静かだったように感じた。R&B系のライヴだったら、ここでやんやの喝采、歓声が巻き起こるところなのだが。さらに、ジャケットを脱ぎ、白のタンクトップだけになり、それをはだけさせるのだが、なんと体にキラキラ・ラメが!! もう思い切って、タンクトップ、どうせなら、破いてしまえばいいのに、と思って、ライヴ後そう言ったら、「破いちゃったら、もったいないじゃないですか(笑)」と笑って返された。ジョーの「オール・ザ・シング」で、観客から花が続々とステージの彼の元に手渡されたが、「吉岡せんせいのブログの影響でしょうか」と言ったのだが、そう言われて、前回そんなことを書いたことを思い出した。(笑)
アンコール最後「遠い約束」の途中では、マイクを離し、オフマイクでワンフレーズ歌う。小さな会場に彼の生声が響く。途中のMCで「この前、サム・ムーアのライヴを見たんですけど、彼は72歳なんですね。でも、全盛期のときより声が出てるんじゃないかと思うほど、現役なんですよ。僕も70歳になっても歌っていたいと思っています」と70歳まで歌い続ける宣言。
同行松尾潔さん「黒沢さん、ほんとに歌歌うのが好きって感じですよね」。「そうそう、ほんとほんと。カラオケ行っても、マイク離さないもんね(笑)」と僕。黒沢さん「今回(3回目)で、なんとなく自分がソロとしてやりたいことが見えてきた。もちろん、グループでやることが前提にあって、ソロとして来年かあるいは次回やるときはもう少し回数を増やし、地方にも回りたい」と抱負を語ってくれた。彼はどこでも歌うし、どこでも飛び入りするし、本当に歌好き、歌うことが好きなんだなあ、とつくづく思う。
■前回過去記事
September 07, 2007
Kurosawa Kaoru: You Are In The Circle Of Destiny
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200709/2007_09_07.html
April 06, 2006
Kurosawa Kaoru Live "Love Unlimited"
http://blog.soulsearchin.com/archives/000934.html
March 24, 2006
Kurosawa Kaoru Solo Live; Knowing Main Ingredients Of Group
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_03_24.html
■ メンバー
黒沢薫 (Vocal)
松本圭司(Key.Pf, Musical Director)下野人司(B)福原将宣(Gt)田中栄二(Ds) Kazco(Cho)maru(Cho)富永祐輔(Cho)
平原綾香 (スペシャル・ゲスト)
■セットリスト 黒沢薫 スイート・ベイジル139
Setlist : Kurosawa Kaoru @ Sweet Basil 139, September 15, 2008
[ ] indicates original artist
show started 19:30
00. Opening Theme
01. Windy Love ~ あまく危険な香り[山下達郎]
02. 雨ソングメドレー (Rainy Days Memories)
Singing In The Rain [Gene Kelly, Frank Sinatra] ~
Raindrops Keep Fallin’ On My Head [B.J.Thomas] ~
In The Rain [Dramatics] ~
Umbrella ~
はじまりはいつも雨 [飛鳥]~
After The Rain
03. So Close [Disney Movie "Enchanted 魔法にかけられて"]
04. A Whole New World ( Aladdin’s Theme) [Disney, Peabo Bryson &Regina Belle] (with 平原絢香)
05. 電話のむこう ~
Bump N’ Grind [R. Kelly] ~
All The Things (Your Man Won’t Do) [Joe]~
流星
06. Groovin’ ~ Happy People [R.Kelly]~ Groovin’
07. アンジュナ
Enc. Your Precious Love (with 平原絢香)[Marvin Gaye & Tammi Terrell]
Enc. 遠い約束
show ended 22:00
(2008年9月15日月曜、六本木スイート・ベイジル139=黒沢薫ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kurosawa, Kaoru
2008-157
歌好き。
約1年ぶりの黒沢薫ソロ・ライヴ。今回は、会場を六本木スイート・ベイジルに移して2日計4回公演、すべてソールドアウト。会場入口あたりから、ずいぶんとカレーの香りがするなと思ったら、限定60食で黒沢さんのレシピによるカレーを出していた。運良くそのカレーにありつけ、食べたのだが、最後ライスがなくなりカレーが若干残った。なんでだ。でもカレーおいしかった。
BGMでフランク・シナトラが静かに流れている。まもなく、暗転し、バンドがでてきてイントロへ。そして、「ウィンディー・ラヴ」さらにメドレーで「あまく危険な香り」。前回もこの流れで始まったが、ここのメドレーは実にいい流れを作る。そして、今回は、昨年の雨を思い、「レイニー・デイズ・メモリー」と題して、雨ソングをメドレーで。そのトップは、ジーン・ケリー、フランク・シナトラでおなじみの「雨に唄えば」。
黒沢さんは、このところすごくよくフランク・シナトラを聴いていて、かなり勉強したそうだ。そして、フランク・シナトラ、マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハサウェイ、スティーヴィーのように、ソウルもポップもあらゆるタイプの歌を歌えるヴァーサタイル(多様性のある)なソング・スタイリストを目指したい、という。そこでライヴが始まる前のBGMはフランク・シナトラにしたそうだ。
「雨メドレー」は、ピアノの松本圭司さんと2人だけ。「イン・ザ・レイン」をピアノ1本のバックで歌うとは驚いた。この2人のアコースティック・セットも味わい深い。「はじまりはいつも雨」が歌われて、僕はこの曲を知らなかったので、隣の松尾潔さんに尋ねると、「これは、チャゲアスの飛鳥さんのソロで、けっこう大ヒットです」と教えてくれた。「ほんと、邦楽、ご存知ないんですねえ」と呆れられ、続く曲で「ちなみに、これは黒沢さんのソロで、僕が作詞してるんです」との解説が。勉強になるなあ。やはりライヴは松尾先生と見ないと。
そして、続いてはディズニーから2曲。「ホール・ニュー・ワールド」は、なんとこの日のスペシャル・サプライズ、平原綾香さん。前日は、ベース下野さんがプロデュースしているナオ・ウェストがデュエットを披露したという。平原さんは声が実に低く、一方、黒沢さんの声がハイヴォイスなので、普通の男女デュエットと逆なので、ものすごく新鮮だった。彼女はアンコールでもういちどマーヴィン&タミーのデュエットを歌ったが、こちらはさらにソウルフルになり、彼女がソウルのカヴァー・アルバムを作ったら、かなり強力なものが出来るのではないかと思った。黒沢&平原デュエット作品は、いずれ何かの形でCD化するといいと思う。
「電話のむこう」のところで衣装チェンジ、白のスーツから、皮ジャケ&ジーンズに。そして、Rケリーとジョーという稀代のエロエロ・ソウル・シンガーをカヴァー。ここで、腰をぐりぐり動かすバンピン・グラインドを披露するが、なぜか観客の反応が静かだった。全体的にこの回は観客が静かだったように感じた。R&B系のライヴだったら、ここでやんやの喝采、歓声が巻き起こるところなのだが。さらに、ジャケットを脱ぎ、白のタンクトップだけになり、それをはだけさせるのだが、なんと体にキラキラ・ラメが!! もう思い切って、タンクトップ、どうせなら、破いてしまえばいいのに、と思って、ライヴ後そう言ったら、「破いちゃったら、もったいないじゃないですか(笑)」と笑って返された。ジョーの「オール・ザ・シング」で、観客から花が続々とステージの彼の元に手渡されたが、「吉岡せんせいのブログの影響でしょうか」と言ったのだが、そう言われて、前回そんなことを書いたことを思い出した。(笑)
アンコール最後「遠い約束」の途中では、マイクを離し、オフマイクでワンフレーズ歌う。小さな会場に彼の生声が響く。途中のMCで「この前、サム・ムーアのライヴを見たんですけど、彼は72歳なんですね。でも、全盛期のときより声が出てるんじゃないかと思うほど、現役なんですよ。僕も70歳になっても歌っていたいと思っています」と70歳まで歌い続ける宣言。
同行松尾潔さん「黒沢さん、ほんとに歌歌うのが好きって感じですよね」。「そうそう、ほんとほんと。カラオケ行っても、マイク離さないもんね(笑)」と僕。黒沢さん「今回(3回目)で、なんとなく自分がソロとしてやりたいことが見えてきた。もちろん、グループでやることが前提にあって、ソロとして来年かあるいは次回やるときはもう少し回数を増やし、地方にも回りたい」と抱負を語ってくれた。彼はどこでも歌うし、どこでも飛び入りするし、本当に歌好き、歌うことが好きなんだなあ、とつくづく思う。
■前回過去記事
September 07, 2007
Kurosawa Kaoru: You Are In The Circle Of Destiny
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200709/2007_09_07.html
April 06, 2006
Kurosawa Kaoru Live "Love Unlimited"
http://blog.soulsearchin.com/archives/000934.html
March 24, 2006
Kurosawa Kaoru Solo Live; Knowing Main Ingredients Of Group
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_03_24.html
■ メンバー
黒沢薫 (Vocal)
松本圭司(Key.Pf, Musical Director)下野人司(B)福原将宣(Gt)田中栄二(Ds) Kazco(Cho)maru(Cho)富永祐輔(Cho)
平原綾香 (スペシャル・ゲスト)
■セットリスト 黒沢薫 スイート・ベイジル139
Setlist : Kurosawa Kaoru @ Sweet Basil 139, September 15, 2008
[ ] indicates original artist
show started 19:30
00. Opening Theme
01. Windy Love ~ あまく危険な香り[山下達郎]
02. 雨ソングメドレー (Rainy Days Memories)
Singing In The Rain [Gene Kelly, Frank Sinatra] ~
Raindrops Keep Fallin’ On My Head [B.J.Thomas] ~
In The Rain [Dramatics] ~
Umbrella ~
はじまりはいつも雨 [飛鳥]~
After The Rain
03. So Close [Disney Movie "Enchanted 魔法にかけられて"]
04. A Whole New World ( Aladdin’s Theme) [Disney, Peabo Bryson &Regina Belle] (with 平原絢香)
05. 電話のむこう ~
Bump N’ Grind [R. Kelly] ~
All The Things (Your Man Won’t Do) [Joe]~
流星
06. Groovin’ ~ Happy People [R.Kelly]~ Groovin’
07. アンジュナ
Enc. Your Precious Love (with 平原絢香)[Marvin Gaye & Tammi Terrell]
Enc. 遠い約束
show ended 22:00
(2008年9月15日月曜、六本木スイート・ベイジル139=黒沢薫ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kurosawa, Kaoru
2008-157
⊿Akiya Eriko & Brenda Vaughn
2008年9月15日 音楽【秋谷えりこさんライヴにブレンダ・ヴォーン】
いつか。
「ソウル・レジェンド・ウイーク」の週末、ブレンダがブルース・アレーでピアノの秋谷えりこさんのライヴで歌うというので、仕事を終えて後半、顔をだした。ちょうど階段を下りていくときに流れてきたのが、アースの「セプテンバー」。のりのりだった。秋谷さんを見るのは初めて。ドラムスがトミー・キャンベル、もともとのベースが小松さんということで、ソウルっぽいものかな、と想像していたが、そんな感じ。ただし、ベースは急遽小松さんはキャンセルで川嶋さんという方になっていた。秋谷さんは、ちょっとハービー・ハンコックを思わせるフレーズがあった。そして、トミーのドラムはいつも大きい。
すぐにブレンダが登場。いきなりビリー・ホリデイ曲だ。イントロは、マサさん。このところよく会う。かなりファンキー。後半のブレンダの歌いっぷりはすごい。あの小さな体のどこから、あんな声量がでるのだろうか。ブレンダはその後、シャカを歌いこみ、アンコールでサム・ムーアが歌った「ユー・アー・ソー・ビューティフル」を。これなど、壮大なゴスペル・クワイアーをバックに歌ったらかなり映えると思った。もう、このあたりの楽曲はブレンダ、まちがいない。ほんと、「TOKYO LADY SOUL NUMBER ONE」と名付けたが、「TOKYO」という冠詞、タイトルでは申し訳ない。ジャズ、ファンク、ソウル、ポップ、ゴスペルとなんでも歌える。「ユー・アー・ソー・ビューティフル」、実に素晴らしかった。聞き入った。これは、しばらくブレンダの持ち歌、アンコール曲になるね! いつか、サム・ムーアとのデュエットでも聴いてみたい。
■ メンバー
(Pf/Key)秋谷えりこ (B)川嶋一久 (Ds)Tommy Campbell (Sax)かわ島崇文(Vo)Brenda Vaughn (G)小浜マサ
Incomplete Setlist
(21:47)
0. September [Earth Wind & Fire]
0. God Bless The Child [Billie Holiday] (Brenda)
0. Through the Fire [Chaka Khan] (Brenda)
0. I Wish [Stevie Wonder]
Enc. You’re So Beautiful [Billy Preston] (Brenda)
Enc. My Cherie Amour [Stevie Wonder] (Brenda)
show ended 23:05
(2008年9月5日金曜、目黒ブルース・アレー=秋谷えりこ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Akiya, Eriko
2008-150
いつか。
「ソウル・レジェンド・ウイーク」の週末、ブレンダがブルース・アレーでピアノの秋谷えりこさんのライヴで歌うというので、仕事を終えて後半、顔をだした。ちょうど階段を下りていくときに流れてきたのが、アースの「セプテンバー」。のりのりだった。秋谷さんを見るのは初めて。ドラムスがトミー・キャンベル、もともとのベースが小松さんということで、ソウルっぽいものかな、と想像していたが、そんな感じ。ただし、ベースは急遽小松さんはキャンセルで川嶋さんという方になっていた。秋谷さんは、ちょっとハービー・ハンコックを思わせるフレーズがあった。そして、トミーのドラムはいつも大きい。
すぐにブレンダが登場。いきなりビリー・ホリデイ曲だ。イントロは、マサさん。このところよく会う。かなりファンキー。後半のブレンダの歌いっぷりはすごい。あの小さな体のどこから、あんな声量がでるのだろうか。ブレンダはその後、シャカを歌いこみ、アンコールでサム・ムーアが歌った「ユー・アー・ソー・ビューティフル」を。これなど、壮大なゴスペル・クワイアーをバックに歌ったらかなり映えると思った。もう、このあたりの楽曲はブレンダ、まちがいない。ほんと、「TOKYO LADY SOUL NUMBER ONE」と名付けたが、「TOKYO」という冠詞、タイトルでは申し訳ない。ジャズ、ファンク、ソウル、ポップ、ゴスペルとなんでも歌える。「ユー・アー・ソー・ビューティフル」、実に素晴らしかった。聞き入った。これは、しばらくブレンダの持ち歌、アンコール曲になるね! いつか、サム・ムーアとのデュエットでも聴いてみたい。
■ メンバー
(Pf/Key)秋谷えりこ (B)川嶋一久 (Ds)Tommy Campbell (Sax)かわ島崇文(Vo)Brenda Vaughn (G)小浜マサ
Incomplete Setlist
(21:47)
0. September [Earth Wind & Fire]
0. God Bless The Child [Billie Holiday] (Brenda)
0. Through the Fire [Chaka Khan] (Brenda)
0. I Wish [Stevie Wonder]
Enc. You’re So Beautiful [Billy Preston] (Brenda)
Enc. My Cherie Amour [Stevie Wonder] (Brenda)
show ended 23:05
(2008年9月5日金曜、目黒ブルース・アレー=秋谷えりこ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Akiya, Eriko
2008-150
△Sakai Yu Live
2008年9月14日 音楽【さかいゆうライヴ】
方向性。
以前にマルがらみでライヴを見たり、何度かライヴ会場などで遭遇しているさかいゆうのライヴ。ひょんなところから、別ルートで誘われ、フルショウを見た。
ドラムス、ギター、ベース、そして本人のキーボード&ヴォーカル、コーラス2人という編成で、このバンドもなかなかグルーヴがあっていい。さかいゆうの声は、ハイヴォイスで少しファルセットっぽいところもある。ちょっと平井堅や甘い徳永英明、洗練されたAORっぽいところは南佳孝みたいなところを思わせる。各曲ともなかなかいい雰囲気をもっていて、平均点はいってると思う。個人的にはスロー・バラードより、ミディアムからアップテンポの曲のほうが彼の雰囲気にあっているような気がした。だがバラードにもいいところがある。
冒頭3曲のメドレー一気がのりのりでいい感じ。うまく言えないのだが、全体的には、「ニュー・クラシック・ソウル」をJポップにしたという感じか。アンコールでジャム・セッションぽく、オープニングを務めたバンド・メンバー(マウンテンモカキリマンジャロ)らと「ホワッツ・ゴーイング・オン」をやった。
彼の声がなかなかユニークなので、これを前面に押し出すのか、あるいは、バンド・サウンドで行くのか、あるいは、ソングライターとしていい楽曲を他のシンガーに提供していって実績を作っていくのか、そのあたりのアーティストとしての方向性を決めていくことが課題なのだろう。いいシンガーなのでまたライヴがあれば、見に行くと思う。
■さかいゆうオフィシャル・ウェッブ
http://profile.ameba.jp/sakai-yu/
■過去記事
September 08, 2006
Maru, Sakai Yu Live
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200609/2006_09_08.html
■メンバー
さかいゆう(ヴォーカル、キーボード)
小森耕造(ドラムス)
鈴木渉(ベース)
Swing-O (キーボード)
Maru(コーラス)
Tsubaki (コーラス)
■セットリスト さかいゆう
Setlist : Sakai Yu "What’s Goin’ On - Vol.9", O-Next, Shibuya, September 9, 2008
show started 20:45
01. Yu’s Groove
02. 月明かりのメランコリック
03. Midnight U...
04. ワビサビSoul
05. ポロリ
06. キミに
07. よくばりホリデイ
08. ふるさと2008
09. 今日もウタう
10. ケセラセLife
Enc. 夏の終わりのハーモニー
Enc. Shibuya Night
Enc. What’s Going On
show ended 22:16
(2008年9月9日火曜、渋谷オーネスト=さかいゆうライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sakai, Yu
2008-152
方向性。
以前にマルがらみでライヴを見たり、何度かライヴ会場などで遭遇しているさかいゆうのライヴ。ひょんなところから、別ルートで誘われ、フルショウを見た。
ドラムス、ギター、ベース、そして本人のキーボード&ヴォーカル、コーラス2人という編成で、このバンドもなかなかグルーヴがあっていい。さかいゆうの声は、ハイヴォイスで少しファルセットっぽいところもある。ちょっと平井堅や甘い徳永英明、洗練されたAORっぽいところは南佳孝みたいなところを思わせる。各曲ともなかなかいい雰囲気をもっていて、平均点はいってると思う。個人的にはスロー・バラードより、ミディアムからアップテンポの曲のほうが彼の雰囲気にあっているような気がした。だがバラードにもいいところがある。
冒頭3曲のメドレー一気がのりのりでいい感じ。うまく言えないのだが、全体的には、「ニュー・クラシック・ソウル」をJポップにしたという感じか。アンコールでジャム・セッションぽく、オープニングを務めたバンド・メンバー(マウンテンモカキリマンジャロ)らと「ホワッツ・ゴーイング・オン」をやった。
彼の声がなかなかユニークなので、これを前面に押し出すのか、あるいは、バンド・サウンドで行くのか、あるいは、ソングライターとしていい楽曲を他のシンガーに提供していって実績を作っていくのか、そのあたりのアーティストとしての方向性を決めていくことが課題なのだろう。いいシンガーなのでまたライヴがあれば、見に行くと思う。
■さかいゆうオフィシャル・ウェッブ
http://profile.ameba.jp/sakai-yu/
■過去記事
September 08, 2006
Maru, Sakai Yu Live
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200609/2006_09_08.html
■メンバー
さかいゆう(ヴォーカル、キーボード)
小森耕造(ドラムス)
鈴木渉(ベース)
Swing-O (キーボード)
Maru(コーラス)
Tsubaki (コーラス)
■セットリスト さかいゆう
Setlist : Sakai Yu "What’s Goin’ On - Vol.9", O-Next, Shibuya, September 9, 2008
show started 20:45
01. Yu’s Groove
02. 月明かりのメランコリック
03. Midnight U...
04. ワビサビSoul
05. ポロリ
06. キミに
07. よくばりホリデイ
08. ふるさと2008
09. 今日もウタう
10. ケセラセLife
Enc. 夏の終わりのハーモニー
Enc. Shibuya Night
Enc. What’s Going On
show ended 22:16
(2008年9月9日火曜、渋谷オーネスト=さかいゆうライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sakai, Yu
2008-152
【3人のスター・ベース・プレイヤーが集結】
三者三様。
しかし、誰が一体こんなことを考えたんだろう。稀代のスーパー・ベース奏者を3人も集めてCDを作って、ひとつのステージに立たせる、なんて。みな、それぞれでソロ・パフォーマンスができ、しかもそれなりの集客も可能なアーティストたちばかりが一堂に会する。しかも、その楽器がベースである。ギターやキーボードではない。
と思って調べてみるとこんなことがわかった。2007年10月、ニューヨークで「ベース・マガジン」主催のイヴェントでヴェテラン、スタンリー・クラークを表彰することになり、そのとき、3人がワンタイム・パフォーマンスを900人の観客の前で見せた。するとそのときの観客の反応が圧倒的で、また、3人自身も素晴らしい手ごたえを感じたので、2008年1月、3人でスタジオに入り、アルバムを録音。それが8月にリリースされ、アルバムをサポートする意味でツアーに出た、というわけだ。
一体、3人のベースが同時に鳴ったらどうなるのだろうか。音の区別はできるのか。まったく見当もつかずライヴを見た。ステージ下手(舞台向かって左)から、スタンリー・クラーク(1951年6月30日生まれ)、マーカス・ミラー(1959年6月14日生まれ)、ヴィクター・ウーテン(1964年9月11日生まれ)の3人が立ち、後ろにドラムスとキーボードがいる。
一言で言えば、3人がそれぞれ弾いたり、2人で弾きバトルを繰り広げたり、3人バトル、インタープレイをしたり、という感じだ。三者三様のプレイを目の前で繰り広げ、それがしっかりと見られるところがおもしろい。各人の曲がプレイされるが、それを他の2人がそれなりの味付けでプレイしたりする。
おもしろかったのは、4曲目マーカス作品「ツツ」のところ。マーカスがベースからクラリネットになり、そのとき、最初ヴィクターが中心になってベースを弾き、次にスタンリーがベースを弾いた。そのスタンリーは、「ミラノ」ではアコースティック・ベースを存分に叩いた。
3人とも指を弦に当てて演奏するチョッパー奏法でバチバチやることも多いのだが、一方でベースをギターのように使い、メロディアスなメロディーも弾いてしまうところもおもしろい。いつの間にか、そのベースプレイに集中してしまっていた。やはり、演奏家が超一流だからなのだろう。見惚れてしまう、というか。難しいことをやっているのに、そうは見せない、そのあたりがプロたるゆえん。そして、各曲で、相当各人に「自由なスペース」が与えられているような気もした。これだけスペースがあれば、3人とも、そして、キーボードもドラムスも、みな思い切りエンジョイしてプレイできるにちがいない。
基本は、彼ら3人が出したアルバム『Thunder』収録の曲が中心。こういうのを観ていると、まさに音楽はバトルだ、と思う。観客は圧倒的に30代から40代と思われる男性が多く、男女比は9:1くらいではないだろうか。みな、ベースをたしなむ、もしくは、この種の音楽が好きな人たちが多いような感じがした。そう、彼らが演奏しているとき、テーブルの下で指でチョッパーをやるかのように、エア・ベースをみんながしているように思えた。
■アルバム S.M.V.『サンダー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001BOBZ26/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■メンバー
スタンリー・クラーク/Stanley Clarke(Bass)
マーカス・ミラー/Marcus Miller(Bass)
ヴィクター・ウッテン/Victor Wooten(Bass)
フェデリコ・ゴンザレス・ペナ/Federico Gonzalez Pena(Keyboards)
デリコ・ワトソン/Derico Watson(Drums)
■セットリスト SMV
Setlist : SMV (Stanley, Marcus, Victor) @Billboard Live, September10,2008
LOS MAESTROS DE LAS FRECUENCIAS BAJAS
show started 21:31
01. Los Maestros De Las Frecuencias Bajas
02. Thunder
03. Mongoose Walk (Victor)
04. Tutu (A riff of "When I Fall In Love") (Marcus)
05. Milano (Stanley)
06. Grits
Enc. School Days
show ended 22:53
(2008年9月10日水曜、ビルボード・ライヴ・東京=SMVライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>SMV
2008-153
三者三様。
しかし、誰が一体こんなことを考えたんだろう。稀代のスーパー・ベース奏者を3人も集めてCDを作って、ひとつのステージに立たせる、なんて。みな、それぞれでソロ・パフォーマンスができ、しかもそれなりの集客も可能なアーティストたちばかりが一堂に会する。しかも、その楽器がベースである。ギターやキーボードではない。
と思って調べてみるとこんなことがわかった。2007年10月、ニューヨークで「ベース・マガジン」主催のイヴェントでヴェテラン、スタンリー・クラークを表彰することになり、そのとき、3人がワンタイム・パフォーマンスを900人の観客の前で見せた。するとそのときの観客の反応が圧倒的で、また、3人自身も素晴らしい手ごたえを感じたので、2008年1月、3人でスタジオに入り、アルバムを録音。それが8月にリリースされ、アルバムをサポートする意味でツアーに出た、というわけだ。
一体、3人のベースが同時に鳴ったらどうなるのだろうか。音の区別はできるのか。まったく見当もつかずライヴを見た。ステージ下手(舞台向かって左)から、スタンリー・クラーク(1951年6月30日生まれ)、マーカス・ミラー(1959年6月14日生まれ)、ヴィクター・ウーテン(1964年9月11日生まれ)の3人が立ち、後ろにドラムスとキーボードがいる。
一言で言えば、3人がそれぞれ弾いたり、2人で弾きバトルを繰り広げたり、3人バトル、インタープレイをしたり、という感じだ。三者三様のプレイを目の前で繰り広げ、それがしっかりと見られるところがおもしろい。各人の曲がプレイされるが、それを他の2人がそれなりの味付けでプレイしたりする。
おもしろかったのは、4曲目マーカス作品「ツツ」のところ。マーカスがベースからクラリネットになり、そのとき、最初ヴィクターが中心になってベースを弾き、次にスタンリーがベースを弾いた。そのスタンリーは、「ミラノ」ではアコースティック・ベースを存分に叩いた。
3人とも指を弦に当てて演奏するチョッパー奏法でバチバチやることも多いのだが、一方でベースをギターのように使い、メロディアスなメロディーも弾いてしまうところもおもしろい。いつの間にか、そのベースプレイに集中してしまっていた。やはり、演奏家が超一流だからなのだろう。見惚れてしまう、というか。難しいことをやっているのに、そうは見せない、そのあたりがプロたるゆえん。そして、各曲で、相当各人に「自由なスペース」が与えられているような気もした。これだけスペースがあれば、3人とも、そして、キーボードもドラムスも、みな思い切りエンジョイしてプレイできるにちがいない。
基本は、彼ら3人が出したアルバム『Thunder』収録の曲が中心。こういうのを観ていると、まさに音楽はバトルだ、と思う。観客は圧倒的に30代から40代と思われる男性が多く、男女比は9:1くらいではないだろうか。みな、ベースをたしなむ、もしくは、この種の音楽が好きな人たちが多いような感じがした。そう、彼らが演奏しているとき、テーブルの下で指でチョッパーをやるかのように、エア・ベースをみんながしているように思えた。
■アルバム S.M.V.『サンダー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001BOBZ26/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■メンバー
スタンリー・クラーク/Stanley Clarke(Bass)
マーカス・ミラー/Marcus Miller(Bass)
ヴィクター・ウッテン/Victor Wooten(Bass)
フェデリコ・ゴンザレス・ペナ/Federico Gonzalez Pena(Keyboards)
デリコ・ワトソン/Derico Watson(Drums)
■セットリスト SMV
Setlist : SMV (Stanley, Marcus, Victor) @Billboard Live, September10,2008
LOS MAESTROS DE LAS FRECUENCIAS BAJAS
show started 21:31
01. Los Maestros De Las Frecuencias Bajas
02. Thunder
03. Mongoose Walk (Victor)
04. Tutu (A riff of "When I Fall In Love") (Marcus)
05. Milano (Stanley)
06. Grits
Enc. School Days
show ended 22:53
(2008年9月10日水曜、ビルボード・ライヴ・東京=SMVライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>SMV
2008-153
【木下航志~四季毎にライヴ】
黒サングラス。
目黒ブルーズ・アレーで3ヶ月に1回ほど定期的にライヴを行うようになった木下航志のシリーズ『ドゥ・ザ・ソウル』第2弾。いきなり、マサ小浜のカッティング・ギターから始まったショウのオープニングはアース・ウィンド&ファイアー、ラムゼイ・ルイスの「サン・ゴッデス」。おおおっ。そして、矢継ぎ早に山下達郎さんの「ラヴ・スペース」へ。こういう曲、けっこうあってるかも。この日は初めて黒いサングラスをかけ、おしゃれな帽子姿で登場。なかなかいい感じ。ちょっと「ミニ・ブルース・ブラザース」みたいだ。あるいは、サングラスをかけたマコーレ・カルキンか。
そして、スティーヴィー、レイ、ダニーというお気に入りアーティスト3連続。この「サムデイ・ウィル・オール・ビー・フリー」は相当よかった。この日全曲の中で1番だったかもしれない。特に最後の「フリー~~~」という部分の声の伸びなど見事。本人曰く「ダニーが乗り移ってしまいました」はあながち大げさではない。
マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルで知られる「エイント・ノー・マウンテン…」は、航志くんと東京レディー・ソウル・ナンバー・ワン、ブレンダ・ヴォ~~~ンとのデュエット。航志くんによれば、ヴォーンの発音、ボーンではだめだそうで、ちゃんとV音を発音して、ヴぉ~~~んと言わなければ怒られるそうだ。(笑)発音、大事です。
第二部のオープニングは、チック・コーリアの「スペイン」。これは、航志くんのピアノの先生、フィリップ・ウーのレッスンでの課題曲だったそうで、何度かやっているうちに、じゃあ、ライヴでやろうということになった。なかなか難しいはずの曲だが、うまくこなしていた。ところで、航志くんのピアノ・プレイを聴いていて、ふと「フィリップの影響」を感じるところが何度となくあった。フィリップみたい、というフレーズ、タッチなのだが、その影響を受ける航志くんもすごいが、フィリップ節というのを持っているフィリップも改めてすごいと思ってしまった。
ダニーの最後の「…フリー…」というところもすごかったが、「ホワッツ・ゴーイング・オン」の最後の「ゴーイング…オ~~ン」とくるところも見事。
アンコール2曲目でアル・グリーンの曲を歌うが、このとき、「スペシャル・ゲストが来ています」と言って、紹介したのが、神野ゆりさん。ゆりさん本人も話を聞いてなくて、「スペシャル・ゲストって誰だろう」と思って、きょろきょろしていたら自分の名前が呼ばれてびっくり仰天だったそうだ。そして、「レッツ・ステイ・トゥゲザー」をブレンダ、航志、ゆりの三つ巴で歌った。ゆりさんは、モーションでのKくんライヴを観てから、こちらのセカンドにライヴはしご。そして、ここでの圧巻は、途中、フィリップと航志くんのアドリブ・ピアノ・プレイ。フィリップが何音かその場で弾いたのを、航志くんがそれをそっくりになぞる。もちろん、フィリップのフレーズはその場ででてきたもので、航志くんはその瞬間瞬間に、聴いたものを弾いたのだ。すごいと思った。
それにしても、航志くんはもうすっかり舞台慣れしていて、途中のMCもとぼけていて、おもしろい。別に笑わせようとして話してるのではないのだが、「間」がおもしろいんだろう。
あとはここまでのレベルになると、英語の発音にさらなる磨きをかけたいところ。ブレンダ先生か、フィリップ先生に英語の特訓もしてもらおう。(笑)
+++++
航志くん、次のライヴすでに決定。2008年12月5日(金)、ブルースアレーで。また、神野ゆりさん、10月16日(木)、横浜モーション・ブルーで単独ライヴ決定。ブレンダ・ヴォーン、12月27日(土)ブルースアレーで。それぞれライヴ決まってます。予約はお早めに!
また、これは改めてレポートしたいと思いますが、我らがフィリップ・ウー、明日から旅立って、な、な、なんと約10年ぶりにフランキー・ベヴァリー&メイズに参加。一月ほど前に聞いていたのだが、まだ書くな、と言われていた。が、やっと許可がでました。(笑) デトロイト→バルティモア→クロイデン→ロンドン・ハマースミスオデオン(3日間)の約10日の旅。フィリップ特派員に写真、セットリストなどを送ってくれと言っておきましたので、クインシー・ライヴ・レポ以来の海外特派員レポートになるかもしれません。フィリップ入りのメイズ、みたいなあ。たのしみ~~。
■ 木下航志 最近の過去記事
June 09, 2008
Kishita Koushi First Live At Blues Alley
http://blog.soulsearchin.com/archives/002562.html
(ここに過去記事一覧リンクがあります)
July 18, 2008
Kishita Koushi & Les Freres Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002611.html
■ メンバー
木下航志 『Do The Soul!! vol.2』 @BAJ on 11th September 2008
(Vo/Pf/Rhodes)木下航志 (HAMMOND A-100)Phlip Woo (B)Takeshi Namura (G)Masa Kohama (Ds)Bert Adams (Vo)Brenda Vaughn (Vo/Sax)Pierre Andre
(Jump in) Kamino Yuri (Vocal)
■ セットリスト 木下航志
Setlist : Kishita Kohshi @ Blues Alley, Meguro, September 11, 2008
[ ] original artist
show started 19:41
01. Sun Goddess [Ramsey Lewis, Earth Wind & Fire]
02. Love Space [山下達郎]
03. Ribbon In The Sky [Stevie Wonder]
04. Georgia On My Mind [Ray Charles]
05. Someday We’ll All Be Free [Donny Hathaway]
06. 午前4時 [Kishita Kohshi]
07. My Cheri Amour [Stevie Wonder]
08. Ain’t No Mountain High Enough [Marvin Gaye & Tammi Terrell]
show ended 20:35
second set
show started 21:00
09. Spain [Chick Corea]
10. Mess Around [Ray Charles]
11. Superstar [Leon Russell, Carpenters, Luther Vandross]
12. Route 66 [Nat King Cole]
13. Don’t Let Me Down [Beatles]
14. We Got Rhythm [Philip Woo]
15. What’s Going On [Marvin Gaye, Donny Hathaway]
Enc. I Shall Be Released [Bob Dylan]
Enc. Let’s Stay Together (with Kamino Yuri, Brenda) [Al Green]
Enc. 蘇州夜曲 [服部良一・作1940]
show ended 22:14
(2008年9月11日木曜、目黒ブルース・アレー=木下航志・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kishita, Kohshi
2008-154
黒サングラス。
目黒ブルーズ・アレーで3ヶ月に1回ほど定期的にライヴを行うようになった木下航志のシリーズ『ドゥ・ザ・ソウル』第2弾。いきなり、マサ小浜のカッティング・ギターから始まったショウのオープニングはアース・ウィンド&ファイアー、ラムゼイ・ルイスの「サン・ゴッデス」。おおおっ。そして、矢継ぎ早に山下達郎さんの「ラヴ・スペース」へ。こういう曲、けっこうあってるかも。この日は初めて黒いサングラスをかけ、おしゃれな帽子姿で登場。なかなかいい感じ。ちょっと「ミニ・ブルース・ブラザース」みたいだ。あるいは、サングラスをかけたマコーレ・カルキンか。
そして、スティーヴィー、レイ、ダニーというお気に入りアーティスト3連続。この「サムデイ・ウィル・オール・ビー・フリー」は相当よかった。この日全曲の中で1番だったかもしれない。特に最後の「フリー~~~」という部分の声の伸びなど見事。本人曰く「ダニーが乗り移ってしまいました」はあながち大げさではない。
マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルで知られる「エイント・ノー・マウンテン…」は、航志くんと東京レディー・ソウル・ナンバー・ワン、ブレンダ・ヴォ~~~ンとのデュエット。航志くんによれば、ヴォーンの発音、ボーンではだめだそうで、ちゃんとV音を発音して、ヴぉ~~~んと言わなければ怒られるそうだ。(笑)発音、大事です。
第二部のオープニングは、チック・コーリアの「スペイン」。これは、航志くんのピアノの先生、フィリップ・ウーのレッスンでの課題曲だったそうで、何度かやっているうちに、じゃあ、ライヴでやろうということになった。なかなか難しいはずの曲だが、うまくこなしていた。ところで、航志くんのピアノ・プレイを聴いていて、ふと「フィリップの影響」を感じるところが何度となくあった。フィリップみたい、というフレーズ、タッチなのだが、その影響を受ける航志くんもすごいが、フィリップ節というのを持っているフィリップも改めてすごいと思ってしまった。
ダニーの最後の「…フリー…」というところもすごかったが、「ホワッツ・ゴーイング・オン」の最後の「ゴーイング…オ~~ン」とくるところも見事。
アンコール2曲目でアル・グリーンの曲を歌うが、このとき、「スペシャル・ゲストが来ています」と言って、紹介したのが、神野ゆりさん。ゆりさん本人も話を聞いてなくて、「スペシャル・ゲストって誰だろう」と思って、きょろきょろしていたら自分の名前が呼ばれてびっくり仰天だったそうだ。そして、「レッツ・ステイ・トゥゲザー」をブレンダ、航志、ゆりの三つ巴で歌った。ゆりさんは、モーションでのKくんライヴを観てから、こちらのセカンドにライヴはしご。そして、ここでの圧巻は、途中、フィリップと航志くんのアドリブ・ピアノ・プレイ。フィリップが何音かその場で弾いたのを、航志くんがそれをそっくりになぞる。もちろん、フィリップのフレーズはその場ででてきたもので、航志くんはその瞬間瞬間に、聴いたものを弾いたのだ。すごいと思った。
それにしても、航志くんはもうすっかり舞台慣れしていて、途中のMCもとぼけていて、おもしろい。別に笑わせようとして話してるのではないのだが、「間」がおもしろいんだろう。
あとはここまでのレベルになると、英語の発音にさらなる磨きをかけたいところ。ブレンダ先生か、フィリップ先生に英語の特訓もしてもらおう。(笑)
+++++
航志くん、次のライヴすでに決定。2008年12月5日(金)、ブルースアレーで。また、神野ゆりさん、10月16日(木)、横浜モーション・ブルーで単独ライヴ決定。ブレンダ・ヴォーン、12月27日(土)ブルースアレーで。それぞれライヴ決まってます。予約はお早めに!
また、これは改めてレポートしたいと思いますが、我らがフィリップ・ウー、明日から旅立って、な、な、なんと約10年ぶりにフランキー・ベヴァリー&メイズに参加。一月ほど前に聞いていたのだが、まだ書くな、と言われていた。が、やっと許可がでました。(笑) デトロイト→バルティモア→クロイデン→ロンドン・ハマースミスオデオン(3日間)の約10日の旅。フィリップ特派員に写真、セットリストなどを送ってくれと言っておきましたので、クインシー・ライヴ・レポ以来の海外特派員レポートになるかもしれません。フィリップ入りのメイズ、みたいなあ。たのしみ~~。
■ 木下航志 最近の過去記事
June 09, 2008
Kishita Koushi First Live At Blues Alley
http://blog.soulsearchin.com/archives/002562.html
(ここに過去記事一覧リンクがあります)
July 18, 2008
Kishita Koushi & Les Freres Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002611.html
■ メンバー
木下航志 『Do The Soul!! vol.2』 @BAJ on 11th September 2008
(Vo/Pf/Rhodes)木下航志 (HAMMOND A-100)Phlip Woo (B)Takeshi Namura (G)Masa Kohama (Ds)Bert Adams (Vo)Brenda Vaughn (Vo/Sax)Pierre Andre
(Jump in) Kamino Yuri (Vocal)
■ セットリスト 木下航志
Setlist : Kishita Kohshi @ Blues Alley, Meguro, September 11, 2008
[ ] original artist
show started 19:41
01. Sun Goddess [Ramsey Lewis, Earth Wind & Fire]
02. Love Space [山下達郎]
03. Ribbon In The Sky [Stevie Wonder]
04. Georgia On My Mind [Ray Charles]
05. Someday We’ll All Be Free [Donny Hathaway]
06. 午前4時 [Kishita Kohshi]
07. My Cheri Amour [Stevie Wonder]
08. Ain’t No Mountain High Enough [Marvin Gaye & Tammi Terrell]
show ended 20:35
second set
show started 21:00
09. Spain [Chick Corea]
10. Mess Around [Ray Charles]
11. Superstar [Leon Russell, Carpenters, Luther Vandross]
12. Route 66 [Nat King Cole]
13. Don’t Let Me Down [Beatles]
14. We Got Rhythm [Philip Woo]
15. What’s Going On [Marvin Gaye, Donny Hathaway]
Enc. I Shall Be Released [Bob Dylan]
Enc. Let’s Stay Together (with Kamino Yuri, Brenda) [Al Green]
Enc. 蘇州夜曲 [服部良一・作1940]
show ended 22:14
(2008年9月11日木曜、目黒ブルース・アレー=木下航志・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kishita, Kohshi
2008-154
◎Robben Ford Live : Quietness Before Storm
2008年9月11日 音楽Robben Ford Live : Quietness Before Storm
【嵐の前の静けさ~ロベン・フォードのライヴ@東京ジャズ】
ブルーズ。
1972年以降、すでに20枚近くのアルバムを出している白人ブルーズ系ギタリスト、ロベン・フォード。元イエロー・ジャケッツというとわかる人も多いかもしれない。今回東京ジャズで日曜昼の回に登場。つまり、サム・ムーア、スライの前だ。ちょっとこの3組の組み合わせではロベンがかわいそうな気がする。
基本どんなアーティストでも愛情を持って見守る博愛主義ソウル・サーチャーは、この自分にとってはお初のトリオをゆったり見た。ドラムス、ベースにロベンの歌とギターというシンプルな編成。彼のブルーズ好きのギタリストという顔がよくわかった。派手さはないが、まじめなミュージシャンで僕は好感を持った。
「これは、BBキングにトリビュートする曲」と言って歌いだしたのが、「ライリー・B・キング」という曲。途中にBBキングが弾きそうなフレーズをまぶす。思わず「ほ~~」となった。
8曲目の「ラヴィン・カップ」は白人ブルーズ・ハーモニカ奏者、ポール・バターフィールド(1942年~1987年)の作品。ロベンの1998年の『オーソライズド・ブートレッグ』というタイトルのアルバムに収録されたもの。これはオークランドのライヴ・ハウス、「ヨシーズ(Yoshi’s)」で1995年に録音されたもので、ギター一本でプレイしたこのトラックが彼の評判を高めたという。また、ロベンは、バターフィールドへトリビュートしたアルバム(1991年)も作っている。
実はロベンの回は、彼が曲名をMCでしゃべった以外ほとんどわからなかったのだが、スライが終わった後、ロビーにサムとロベンの演奏曲目、つまりセットリストが張り出された。さっそくそれを写して、セットリストが完成。出自アルバムを調べると、2007年の最新作『トゥルース』からの作品が多かったということになる。
(このところ、スライ、サムのソウル・ジャイアンツ・ウィーク特別編成のために従来の記事が滞っております。本記事のように順次見たものは遅れてもアップしていきますので、ご了承ください。ブレンダ・ヴォーン、さかいゆう、SMVもアップします)
■メンバー
ロベン・フォード Robben Ford(guitar, vocal)
トラビス・カールトン Travis Carlton(bass)
トス・パノス Toss Panos(drums)
■セットリスト ロベン・フォード @東京ジャズ 国際フォーラム
Setlist : Robben Ford @ Tokyo Jazz, Kokusai Forum A, August 31, 2008
[ ] indicate the album / released year
show started
01. Lateral Climb ["Truth" 2007]
02. Indianola ["Blue Moon" 2002]
03. Supernatural ["Supernatural" 1999]
04. Riley B King ["Truth"]
05. Cannonball Shuffle ["Keep On Running" 2003]
06. There Will Never Be Another You ["Truth"]
07. Peace On My Mind ["Truth"]
08. Lovin’ Cup (Paul Butterfield) ["The Authorized Bootleg" 1998]
show ended 13:54
(2008年8月31日日曜、東京国際フォーラムA=ロベン・フォード・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Ford, Robben
2008-140
【嵐の前の静けさ~ロベン・フォードのライヴ@東京ジャズ】
ブルーズ。
1972年以降、すでに20枚近くのアルバムを出している白人ブルーズ系ギタリスト、ロベン・フォード。元イエロー・ジャケッツというとわかる人も多いかもしれない。今回東京ジャズで日曜昼の回に登場。つまり、サム・ムーア、スライの前だ。ちょっとこの3組の組み合わせではロベンがかわいそうな気がする。
基本どんなアーティストでも愛情を持って見守る博愛主義ソウル・サーチャーは、この自分にとってはお初のトリオをゆったり見た。ドラムス、ベースにロベンの歌とギターというシンプルな編成。彼のブルーズ好きのギタリストという顔がよくわかった。派手さはないが、まじめなミュージシャンで僕は好感を持った。
「これは、BBキングにトリビュートする曲」と言って歌いだしたのが、「ライリー・B・キング」という曲。途中にBBキングが弾きそうなフレーズをまぶす。思わず「ほ~~」となった。
8曲目の「ラヴィン・カップ」は白人ブルーズ・ハーモニカ奏者、ポール・バターフィールド(1942年~1987年)の作品。ロベンの1998年の『オーソライズド・ブートレッグ』というタイトルのアルバムに収録されたもの。これはオークランドのライヴ・ハウス、「ヨシーズ(Yoshi’s)」で1995年に録音されたもので、ギター一本でプレイしたこのトラックが彼の評判を高めたという。また、ロベンは、バターフィールドへトリビュートしたアルバム(1991年)も作っている。
実はロベンの回は、彼が曲名をMCでしゃべった以外ほとんどわからなかったのだが、スライが終わった後、ロビーにサムとロベンの演奏曲目、つまりセットリストが張り出された。さっそくそれを写して、セットリストが完成。出自アルバムを調べると、2007年の最新作『トゥルース』からの作品が多かったということになる。
(このところ、スライ、サムのソウル・ジャイアンツ・ウィーク特別編成のために従来の記事が滞っております。本記事のように順次見たものは遅れてもアップしていきますので、ご了承ください。ブレンダ・ヴォーン、さかいゆう、SMVもアップします)
■メンバー
ロベン・フォード Robben Ford(guitar, vocal)
トラビス・カールトン Travis Carlton(bass)
トス・パノス Toss Panos(drums)
■セットリスト ロベン・フォード @東京ジャズ 国際フォーラム
Setlist : Robben Ford @ Tokyo Jazz, Kokusai Forum A, August 31, 2008
[ ] indicate the album / released year
show started
01. Lateral Climb ["Truth" 2007]
02. Indianola ["Blue Moon" 2002]
03. Supernatural ["Supernatural" 1999]
04. Riley B King ["Truth"]
05. Cannonball Shuffle ["Keep On Running" 2003]
06. There Will Never Be Another You ["Truth"]
07. Peace On My Mind ["Truth"]
08. Lovin’ Cup (Paul Butterfield) ["The Authorized Bootleg" 1998]
show ended 13:54
(2008年8月31日日曜、東京国際フォーラムA=ロベン・フォード・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Ford, Robben
2008-140
凝縮。
ピアノライヴ3デイズ、3日目は即興演奏のマスター、深町純さんの毎月の定例会。何度もこの日記では書いています。(2003年4月27日付け、2003年6月29日付け、2003年7月24日付け、2003年11月30日付け)
先月がスティーヴィーのライヴと重なり見ることが出来ず、今回は2ヶ月ぶりということになります。2ヶ月ぶりだとずいぶん間があいたなあ、という感じ。一月(ひとつき)だと、「お、もう一月経ったのか」っていう感じなんですが。7時頃行ったら、ほとんど席が埋まっていて焦りました。毎回ほんとにいろいろな人がやってきます。しかも、おもしろいのが毎回半分以上が「初めて」やってきた人たちなんです。初めて来た人が3-40人いて、その人たち全員が毎月来るようになったら、アートカフェ、パンクしちゃうんですけどねえ。でも、そうはならないところが、自然の摂理(せつり)なんでしょうか。(笑)
さて、仮にサヤをジャズ系(あるいはサンフランシスコ系)、妹尾さんをポップス系(あるいは銀座系)と呼ぶならば(半分ジョークですよ=笑=)、深町ピアノは、オルタナティヴ系という感じです。なんと言っても、すべてが事前の予定なしの即興演奏というところが非常に特殊。今回で37回目を数えるこのライヴで、一体何曲くらい弾かれたのでしょう。一日10曲としても370曲以上の作品が弾かれたわけですが、その中に同じ曲は一曲たりともありません。
今日の場合、1月31日午後8時頃の気分の曲があり、それとはまったく別に9時15分頃の感情の曲があり、それらはその瞬間ですべて変わってきます。
目をつぶって深町ピアノに身を委ねると見えてくるものは何か・・・。例えば、「激」、「美」、「力」、「瞬間」、「恋」、「怒」、「無」・・・などなど。そうした人間生活の中で排出されたり感じたりするものすべてが、グランドピアノから発信されます。
後半、パーカッションのマサさん(massA: masaharu sato)が登場。11月に続いて2度目です。ジャンベイという手持ちもできる中位の太鼓を中心に様々なパーカッションを体中にまとって音をだします。ピアノは88の鍵盤ですが、彼の場合、楽器自体が無限ですね。足元にも鈴をつけて、足を踏み動かすと、文字通り鈴が踏み鳴らされるのです。パーカッションのアイデアが実にユニークです。深町ピアノとのコラボレーションがなかなかおもしろかった。
佐藤正治さんホームページ
http://ok-massa.com/index.html
彼が弾いた後、残った深町さんはおしゃべりをせず(快挙=(笑))、一挙にピアノ演奏をヒートアップ。最後にいつのまにか「春よ、こい」を実にファンキーにプレイしました。ときどきでてくるリチャード・ティー風なフレーズが、ファンキーさを高め、どこかゴスペル調のリズムを刻みます。いつのまにか、観客から手拍子が始まりました。こののりだったら、手拍子もでます。
以前から僕は、ピアノに限らず楽器というものの演奏には必ずそのプレイヤーの人生が如実に反映すると思っていました。それはここ数年特に強く感じるんですね。20代の頃なんかそんなこと夢にも思いませんでした。その人物が何を考え、どのようなものを美しいと感じ、何をもってかっこいいと思うのか。どのような人生を生きてきたか。苦労はあったのか、恵まれた環境で周囲の愛を充分に受けて育ったのか。どの感情がより多く、表にでてくるか。怒りか、愛か、喜びか、憎しみか、嫉妬か、嬉しさか。
音楽を聴く人の中には、その音楽とミュージシャンの関連付けを嫌う人がいることも理解できます。音楽が自分の人生なんか反映してたまるか、というアーティストもいるでしょう。しかしながら、僕は、音楽と言うものは感情がある人間が演奏したり歌うものである以上、そのミュージシャンの生きてきた道と絶対的に関係性があると考えます。これまでにこの日記でも繰り返し、音楽はそのミュージシャンの人間性を如実に反映すると書いてきました。それはそのミュージシャンのバックグラウンドを知らずとも、音を聴けば何かを感じるのです。そしてバックグラウンドを知ったとき、さらに納得できるわけです。
この3日間で、ピアノプレイヤーのプレイにはどれくらいその人の人生が反映するだろうか、ということをひとつのテーマとして見てきたのですが、やはり、相当な部分反映しているだろうなと改めて確信をもちました。ピアノの音色を聴きながら、このプレイヤーはどのようにして今日この地点まで到達することができたのだろうか、などと思いを巡らせていました。ピアノから少なくとも、そのプレイヤーの性格というかキャラクター、個性は充分にでています。
ライヴ後、深町さんに尋ねてみました。「ピアノの演奏は、そのプレイヤーの人生を反映すると思いますか?」 「それはもちろん、するね。特にレヴェルがある一定以上上のミュージシャンになればなるほど、そうだろうね」 なるほど! そうか、そうか。確かに。あるレヴェル以上ならなおさら。さすが。「ということは、深町さんの演奏にも、これまでの深町さんの人生がでてるんですね。怒りとか、美しいものを見て美しいと思うこととか」 「そうだろうね、自然ににじみでてくるんじゃないかな」
この言葉を受けて、今一度深町ピアノを聴いて感じる言葉を反芻(はんすう)してみました。ということは逆説的に言えば、そのミュージシャンの人生なりキャリアを正確に詳細に追っていけば、そのアーティストの音楽を理解する上で、非常に大きな手助けになるということになります。
音楽自体を文字に書き表すことは絶対にできません。しいてできることは、その音楽を比喩(ひゆ)することです。しかしそれも限界があります。しかし、そのミュージシャンのことを詳細に書くことは、取材さえできれば可能です。そしてその人の歩みを知ることによって、その音楽を深く知ることができるのです。
実はこの3日間ピアノ漬けになって、ものすごく刺激を受けました。たくさんのものを受け取った感じがしています。そして、いくつかアイデアが浮かびました。まだ漠然としていて、ここに書けるものではないのですが、これはいつか形にしたいと思っています。3人のピアニストへ、改めて感謝を。ありがとうございます。Thanks for great musicians, thanks for great music and thanks for great moments!
妙なまとめをするのもなんですが、でも、一言こんなことを言っておきたい気分です。
「ピアノは誰の元にも、平等にピアノです。しかし、そのピアノにソウル(魂)を込めるのは、それぞれのピアノ・マン、ピアノ・ウーマンです。そしてそのソウルには、それぞれのピアノ・マン、ピアノ・ウーマンたちのすべてが凝縮されているのです」
(2004年1月31日・土曜=恵比寿アートカフェ=深町純ライヴ)
ピアノライヴ3デイズ、3日目は即興演奏のマスター、深町純さんの毎月の定例会。何度もこの日記では書いています。(2003年4月27日付け、2003年6月29日付け、2003年7月24日付け、2003年11月30日付け)
先月がスティーヴィーのライヴと重なり見ることが出来ず、今回は2ヶ月ぶりということになります。2ヶ月ぶりだとずいぶん間があいたなあ、という感じ。一月(ひとつき)だと、「お、もう一月経ったのか」っていう感じなんですが。7時頃行ったら、ほとんど席が埋まっていて焦りました。毎回ほんとにいろいろな人がやってきます。しかも、おもしろいのが毎回半分以上が「初めて」やってきた人たちなんです。初めて来た人が3-40人いて、その人たち全員が毎月来るようになったら、アートカフェ、パンクしちゃうんですけどねえ。でも、そうはならないところが、自然の摂理(せつり)なんでしょうか。(笑)
さて、仮にサヤをジャズ系(あるいはサンフランシスコ系)、妹尾さんをポップス系(あるいは銀座系)と呼ぶならば(半分ジョークですよ=笑=)、深町ピアノは、オルタナティヴ系という感じです。なんと言っても、すべてが事前の予定なしの即興演奏というところが非常に特殊。今回で37回目を数えるこのライヴで、一体何曲くらい弾かれたのでしょう。一日10曲としても370曲以上の作品が弾かれたわけですが、その中に同じ曲は一曲たりともありません。
今日の場合、1月31日午後8時頃の気分の曲があり、それとはまったく別に9時15分頃の感情の曲があり、それらはその瞬間ですべて変わってきます。
目をつぶって深町ピアノに身を委ねると見えてくるものは何か・・・。例えば、「激」、「美」、「力」、「瞬間」、「恋」、「怒」、「無」・・・などなど。そうした人間生活の中で排出されたり感じたりするものすべてが、グランドピアノから発信されます。
後半、パーカッションのマサさん(massA: masaharu sato)が登場。11月に続いて2度目です。ジャンベイという手持ちもできる中位の太鼓を中心に様々なパーカッションを体中にまとって音をだします。ピアノは88の鍵盤ですが、彼の場合、楽器自体が無限ですね。足元にも鈴をつけて、足を踏み動かすと、文字通り鈴が踏み鳴らされるのです。パーカッションのアイデアが実にユニークです。深町ピアノとのコラボレーションがなかなかおもしろかった。
佐藤正治さんホームページ
http://ok-massa.com/index.html
彼が弾いた後、残った深町さんはおしゃべりをせず(快挙=(笑))、一挙にピアノ演奏をヒートアップ。最後にいつのまにか「春よ、こい」を実にファンキーにプレイしました。ときどきでてくるリチャード・ティー風なフレーズが、ファンキーさを高め、どこかゴスペル調のリズムを刻みます。いつのまにか、観客から手拍子が始まりました。こののりだったら、手拍子もでます。
以前から僕は、ピアノに限らず楽器というものの演奏には必ずそのプレイヤーの人生が如実に反映すると思っていました。それはここ数年特に強く感じるんですね。20代の頃なんかそんなこと夢にも思いませんでした。その人物が何を考え、どのようなものを美しいと感じ、何をもってかっこいいと思うのか。どのような人生を生きてきたか。苦労はあったのか、恵まれた環境で周囲の愛を充分に受けて育ったのか。どの感情がより多く、表にでてくるか。怒りか、愛か、喜びか、憎しみか、嫉妬か、嬉しさか。
音楽を聴く人の中には、その音楽とミュージシャンの関連付けを嫌う人がいることも理解できます。音楽が自分の人生なんか反映してたまるか、というアーティストもいるでしょう。しかしながら、僕は、音楽と言うものは感情がある人間が演奏したり歌うものである以上、そのミュージシャンの生きてきた道と絶対的に関係性があると考えます。これまでにこの日記でも繰り返し、音楽はそのミュージシャンの人間性を如実に反映すると書いてきました。それはそのミュージシャンのバックグラウンドを知らずとも、音を聴けば何かを感じるのです。そしてバックグラウンドを知ったとき、さらに納得できるわけです。
この3日間で、ピアノプレイヤーのプレイにはどれくらいその人の人生が反映するだろうか、ということをひとつのテーマとして見てきたのですが、やはり、相当な部分反映しているだろうなと改めて確信をもちました。ピアノの音色を聴きながら、このプレイヤーはどのようにして今日この地点まで到達することができたのだろうか、などと思いを巡らせていました。ピアノから少なくとも、そのプレイヤーの性格というかキャラクター、個性は充分にでています。
ライヴ後、深町さんに尋ねてみました。「ピアノの演奏は、そのプレイヤーの人生を反映すると思いますか?」 「それはもちろん、するね。特にレヴェルがある一定以上上のミュージシャンになればなるほど、そうだろうね」 なるほど! そうか、そうか。確かに。あるレヴェル以上ならなおさら。さすが。「ということは、深町さんの演奏にも、これまでの深町さんの人生がでてるんですね。怒りとか、美しいものを見て美しいと思うこととか」 「そうだろうね、自然ににじみでてくるんじゃないかな」
この言葉を受けて、今一度深町ピアノを聴いて感じる言葉を反芻(はんすう)してみました。ということは逆説的に言えば、そのミュージシャンの人生なりキャリアを正確に詳細に追っていけば、そのアーティストの音楽を理解する上で、非常に大きな手助けになるということになります。
音楽自体を文字に書き表すことは絶対にできません。しいてできることは、その音楽を比喩(ひゆ)することです。しかしそれも限界があります。しかし、そのミュージシャンのことを詳細に書くことは、取材さえできれば可能です。そしてその人の歩みを知ることによって、その音楽を深く知ることができるのです。
実はこの3日間ピアノ漬けになって、ものすごく刺激を受けました。たくさんのものを受け取った感じがしています。そして、いくつかアイデアが浮かびました。まだ漠然としていて、ここに書けるものではないのですが、これはいつか形にしたいと思っています。3人のピアニストへ、改めて感謝を。ありがとうございます。Thanks for great musicians, thanks for great music and thanks for great moments!
妙なまとめをするのもなんですが、でも、一言こんなことを言っておきたい気分です。
「ピアノは誰の元にも、平等にピアノです。しかし、そのピアノにソウル(魂)を込めるのは、それぞれのピアノ・マン、ピアノ・ウーマンです。そしてそのソウルには、それぞれのピアノ・マン、ピアノ・ウーマンたちのすべてが凝縮されているのです」
(2004年1月31日・土曜=恵比寿アートカフェ=深町純ライヴ)
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