アーサー・コンレー、オランダの片田舎で死去

60年代に活躍したソウル・シンガー、アーサー・コンレーが11月17日、居住していたオランダのルーローという田舎街で死去した。しばらく癌をわずらっていた。57歳だった。

コンレイーは1946年4月1日ジョージア州マッキントッシュ生まれ。59年にアーサー&コーヴェッツを結成、63年から64年にかけてアトランタのインディ・レーベルなどからシングルを出した。

その後、何枚かシングルを出した後、天才ソウル・シンガー、オーティス・レディングに見出され、オーティスが持つレーベル、ジョーティス・レコードへ移籍。オーティスが、師とあおぐサム・クックの作品「イエー・マン」を元に改作した「スイート・ソウル・ミュージック」をアーサーが録音した。この「スイート・ソウル・ミュージック」は、67年3月からヒット。アーサーにとって初のヒット、ミリオンセラーを記録、アーサーは以後オーティスとともにそのレビューに参加、人気を獲得する。

ところがオーティスは67年12月10日の飛行機事故で他界。たまたまアーサーはこれに乗り合わせておらず、生き長らえたが、彼は生涯この事故のショックを拭い去ることはできなかった、という。アーサーはその後もアメリカで音楽活動を続けたが、そのプレッシャーに耐えられず、70年代初期以降、ツアーで出向いたヨーロッパが気に入り、ベルギー、イギリスなどに住むようになった。1980年、オランダの片田舎に移住。名前も正式にリー・ロバーツと変え、若手のミュージシャンたちにアドヴァイスを与えていた、という。ロバーツは母親のメイデンネーム(旧姓)。

作家ジェリー・ハーシーは、『スイート・ソウル・ミュージック』というソウルミュージックについての本を発表している。

アーサー・コンレーが録音した「スイート・ソウル・ミュージック」は「Do you like good music that sweet soul music ?」といって始まる。後に、ロッド・スチュワートやホセ・フェリシアーノ、サム&デイヴなども録音しているクラシック曲だ。「甘く素敵なソウル・ミュージックが好きか?」と問われれば、僕たちSoul Searcherは誰もが、それに「Yeah, Man(もちろん)」と答える。Rest in Peace!