Spirit Of The Boogie Live At Blues Alley
2004年11月18日15周年。
目黒のブルースアレーが15周年を迎え、また、キリン・ラガー・クラブも15周年を迎えるということで、ファンキーなイヴェントが行われた。グループ名は、スピリット・オブ・ザ・ブギー。なんとクール&ギャングのヒット曲をカヴァーするバンドだ。メンバーは、ガッツ、ズーコ、ドラムスにスクープ・オン・サムバディーのコーヘイ、そして、ケイリブ・ジェームスなどなど。実に豪華なラインアップ。
「オープン・セサミ」「ジャングル・ブギー」「ハリウッド・スウィンギン」など多数のクール&ギャングのヒットが流れてきた。
二部ではゲストにリリコが登場。チャカ・カーンの「ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・フォー・ミー」を歌った。なかなかの迫力だ。
会場ブルースアレーは、前方に席を作り後方、入口のあたりは立ち見となり、この立ち見も多かった。
ワンショットではもったいないので、またぜひ再演を希望したい。
メンバーは(B)小松秀行 (G)石成正人 (Key)松本圭司 (Ds)KO-HEY (Per)坂井秀彰
(T.sax)フラッシュ金子 (Tb)河合わかば (A.sax)織田浩司 (Tp)小林太・佐々木史郎
(Vo)Kaleb James、Zooco (G/Vo)GATS 他
(2004年11月17日水、目黒ブルースアレー=スピリット・オブ・ザ・ブギー)
目黒のブルースアレーが15周年を迎え、また、キリン・ラガー・クラブも15周年を迎えるということで、ファンキーなイヴェントが行われた。グループ名は、スピリット・オブ・ザ・ブギー。なんとクール&ギャングのヒット曲をカヴァーするバンドだ。メンバーは、ガッツ、ズーコ、ドラムスにスクープ・オン・サムバディーのコーヘイ、そして、ケイリブ・ジェームスなどなど。実に豪華なラインアップ。
「オープン・セサミ」「ジャングル・ブギー」「ハリウッド・スウィンギン」など多数のクール&ギャングのヒットが流れてきた。
二部ではゲストにリリコが登場。チャカ・カーンの「ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・フォー・ミー」を歌った。なかなかの迫力だ。
会場ブルースアレーは、前方に席を作り後方、入口のあたりは立ち見となり、この立ち見も多かった。
ワンショットではもったいないので、またぜひ再演を希望したい。
メンバーは(B)小松秀行 (G)石成正人 (Key)松本圭司 (Ds)KO-HEY (Per)坂井秀彰
(T.sax)フラッシュ金子 (Tb)河合わかば (A.sax)織田浩司 (Tp)小林太・佐々木史郎
(Vo)Kaleb James、Zooco (G/Vo)GATS 他
(2004年11月17日水、目黒ブルースアレー=スピリット・オブ・ザ・ブギー)
Self-Contained Group:
2004年11月17日自給自足。
BBSで質問があったので、こちらで軽くいきましょう。セルフ・コンテインド・グループという言い方が使われるようになったのは、70年代中ごろのこと。直訳をすると、自給自足ということになります。主として黒人グループで、自分たちで曲を書き、プロデュースし、演奏もし、歌も歌う、つまりすべてを自分たちだけで、「自給自足」しているグループのことを示します。もちろん白人のバンドに対しても使えます。
アース・ウィンド&ファイアー、コモドアーズ、クール&ギャング、オハイオ・プレイヤーズ、SOSバンド、ディール、ミッドナイト・スター、キャメオなどなど、多くのセルフ・コンテインド・グループが登場しました。
こうした言葉が登場した背景はこうです。ブラックミュージックではそれまでのいわゆるヴォーカル・グループは、バックに別のバンドをつけ、曲も専門のソングライターが書くことが多かった。一方、70年代に入って、自分たちで曲を書いたりするグループが登場し、そうしたバンドは演奏も自らするので、従来のヴォーカル・グループとの差別化が必要になってきたわけです。
これらの「セルフ・コンテインド・グループ」は、日本ではしばしば「ヴォーカル&インストゥルメンタル・グループ」などとも呼ばれます。これは、ヴォーカルもやれば、演奏もするグループということです。
BBSで質問があったので、こちらで軽くいきましょう。セルフ・コンテインド・グループという言い方が使われるようになったのは、70年代中ごろのこと。直訳をすると、自給自足ということになります。主として黒人グループで、自分たちで曲を書き、プロデュースし、演奏もし、歌も歌う、つまりすべてを自分たちだけで、「自給自足」しているグループのことを示します。もちろん白人のバンドに対しても使えます。
アース・ウィンド&ファイアー、コモドアーズ、クール&ギャング、オハイオ・プレイヤーズ、SOSバンド、ディール、ミッドナイト・スター、キャメオなどなど、多くのセルフ・コンテインド・グループが登場しました。
こうした言葉が登場した背景はこうです。ブラックミュージックではそれまでのいわゆるヴォーカル・グループは、バックに別のバンドをつけ、曲も専門のソングライターが書くことが多かった。一方、70年代に入って、自分たちで曲を書いたりするグループが登場し、そうしたバンドは演奏も自らするので、従来のヴォーカル・グループとの差別化が必要になってきたわけです。
これらの「セルフ・コンテインド・グループ」は、日本ではしばしば「ヴォーカル&インストゥルメンタル・グループ」などとも呼ばれます。これは、ヴォーカルもやれば、演奏もするグループということです。
Night of Funk ’N Sho’chu Is Just Beginning
2004年11月16日焼酎。
六本木に出向いたので、久々にソウルバー「ワッツ・アップ(What’s Up)」に顔をだした。ここも今ではかなり中堅というか老舗のソウルバーになりつつある。今は、オウナー兼DJのカツミさんが10余坪席数約24のブラック基調のバーをひとりで切り盛りしている。
オープンは1994年4月19日。今年10周年のイヴェントを大々的に行ったのは記憶に新しい。芝浦のディスコでリアル・ブラッドなどを招いてのものだった。
店の選曲コンセプトはベイシックが70年代ファンク。いわゆるエンバシー、アフロレイキ、赤坂ムゲンなどの黒人ディスコの流れをくむ選曲が中心だという。もちろん、そこから派生する様々なソウル、R&Bもかかる。ターンテーブル、CDプレイヤーともにある。お客さんが混んでいなければ、一曲ずつかけるが、混みだすと若干アルバムのプレイになることも。
ちょうど、この時はテレビモニターにブラック・コメディアン、シンバッド主催のソウルショウのライヴを映し出していた。このシンバッドのライヴは、かなりよくて、すでにソウルファンの方でご存知の方も多いかもしれない。90年代半ばに年一度ずつ4-5回行われたが、現在はやっていない。
この日、でていたのはローズ・ロイス、ロジャー、シェリル・リンなどなど。久々にロジャーのトークボックスを見た。ロジャーは99年4月に殺される。ロジャーはオープニングでこんなセリフを言っていた。
Night is just beginning, Funk is just starting! (夜は始まったばかり、ファンクも始動開始だ!)
マスター、カツミさんは、ご存知の方はご存知だが、完璧なブラックファッションに身を包み、六本木を歩いているので、一度見た人は決して彼のことを忘れない。同行ソウルブラザーMにカツミさんを紹介すると、「どっかであったよねえ。どこだっけ。・・・あ、そうだ、地下鉄乗ってない? 見たことあるよ」 「はい、市川のほうから毎日地下鉄で通ってます」とのこと。
また、彼は大の沖縄好きで、年4回ほど行くと言う。そこでお店にはいくつかの沖縄の焼酎がある。ファンクと焼酎。なかなかな組合せである。Night of Funk ’N Sho’chu is just beginning.
ホワッツアップ
What’s Up?
東京都港区六本木3-8-12
イーストビル1階
03-3470-7474
チャージ500円、ドリンク600〜
営業時間 19:00〜4:00
定休 日曜・祝日
六本木に出向いたので、久々にソウルバー「ワッツ・アップ(What’s Up)」に顔をだした。ここも今ではかなり中堅というか老舗のソウルバーになりつつある。今は、オウナー兼DJのカツミさんが10余坪席数約24のブラック基調のバーをひとりで切り盛りしている。
オープンは1994年4月19日。今年10周年のイヴェントを大々的に行ったのは記憶に新しい。芝浦のディスコでリアル・ブラッドなどを招いてのものだった。
店の選曲コンセプトはベイシックが70年代ファンク。いわゆるエンバシー、アフロレイキ、赤坂ムゲンなどの黒人ディスコの流れをくむ選曲が中心だという。もちろん、そこから派生する様々なソウル、R&Bもかかる。ターンテーブル、CDプレイヤーともにある。お客さんが混んでいなければ、一曲ずつかけるが、混みだすと若干アルバムのプレイになることも。
ちょうど、この時はテレビモニターにブラック・コメディアン、シンバッド主催のソウルショウのライヴを映し出していた。このシンバッドのライヴは、かなりよくて、すでにソウルファンの方でご存知の方も多いかもしれない。90年代半ばに年一度ずつ4-5回行われたが、現在はやっていない。
この日、でていたのはローズ・ロイス、ロジャー、シェリル・リンなどなど。久々にロジャーのトークボックスを見た。ロジャーは99年4月に殺される。ロジャーはオープニングでこんなセリフを言っていた。
Night is just beginning, Funk is just starting! (夜は始まったばかり、ファンクも始動開始だ!)
マスター、カツミさんは、ご存知の方はご存知だが、完璧なブラックファッションに身を包み、六本木を歩いているので、一度見た人は決して彼のことを忘れない。同行ソウルブラザーMにカツミさんを紹介すると、「どっかであったよねえ。どこだっけ。・・・あ、そうだ、地下鉄乗ってない? 見たことあるよ」 「はい、市川のほうから毎日地下鉄で通ってます」とのこと。
また、彼は大の沖縄好きで、年4回ほど行くと言う。そこでお店にはいくつかの沖縄の焼酎がある。ファンクと焼酎。なかなかな組合せである。Night of Funk ’N Sho’chu is just beginning.
ホワッツアップ
What’s Up?
東京都港区六本木3-8-12
イーストビル1階
03-3470-7474
チャージ500円、ドリンク600〜
営業時間 19:00〜4:00
定休 日曜・祝日
Kermit The Frog Steal The Show: Til Bronner Live
2004年11月15日カーミット。
「ティル・ブレナー、ブロナー・・・。まあ、なんて呼んでもらってもいいよ」 そう言って彼は自己紹介した。ドイツ出身のトランペット、フルーゲルホーン奏者。歌も歌う。しかも、イケ面ときた。聴きやすいサウンドと甘い雰囲気で、女性を直撃。のはずだが、なぜか観客席には男性のほうが多い。しかもすいぶんと外人比率が高い。ドイツ系のファンが多いのか。
ちょっとばかりマイルスを思わせるミュートで聞かせる憂いのあるトランペット。ジャジーな秋にはいいんではないでしょうか。合間のトークも軽快だ。「次の曲をお送りしましょう。もし、踊りたい人がいたら、(if you wanna dance)、・・・踊らないで(please, don’t)」と笑わせてくれる。
ビリー・ジョエルの「ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー」はギター・ソロも含めて10分以上の熱演だった。
ラテン系、ストレートジャズ系、バラードなど多彩にきめる。一番おもしろかったのは、これからある曲をやりますが、それをやったオリジナルの人をみなさんにご紹介しましょう、と言って登場したのが、なんとあのテレビ番組『セサミ・ストリート』の人気キャラ、カーミット。左腕をそのカーミットのぬいぐるみに通し、右手でトランペットを持ち、腹話術のように両手を操ってのパフォーマンス。
歌の部分は、カーミットの声色でやるのかと思ったが、さすがにそうではなかった。ティルの演奏にカーミットがうなずく。その表情の作り方がうまい。これは使えるネタだ。(笑) きっとずいぶんやってるんだろうなあ。
きわめて、真面目なミュージシャン、きっちりとした、こまやかなミュージシャン、という印象を持った。人間的にもすごくよさそうな人という感じがした。やはり、ドイツ人らしいということか。
アンコールをやる前のMCもしゃれている。「いろいろ、日本に来て、日本語覚えました。まず覚えたのが、これ。『愛してるけれど、ケッコンハデキナイ』」 爆笑をとっていた。なんで、こんなセリフ覚えたんだろう。(笑)
ブルーノートのウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20041111.html
アルバム
『ザット・サマー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00024Z9BY/soulsearchiho-22%22/249-0741768-4060357
『ブルー・アイド・ソウル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005V2H3/soulsearchiho-22%22/249-0741768-4060357
Setlist
show started 21:32
1. Where Do You Start?
2. Your Way To Say Goodbye
3. Ready Or Not
4. Just The Way You Are
5. Little Sunflower
6. Bein’ Green
7. So Right, So Wrong
8. Dr. Bill
Enc. Rising Star
show ended 23.01
(2004年11月11日木曜、ブルーノート東京・セカンド=ティル・ブレナー・ライヴ)
「ティル・ブレナー、ブロナー・・・。まあ、なんて呼んでもらってもいいよ」 そう言って彼は自己紹介した。ドイツ出身のトランペット、フルーゲルホーン奏者。歌も歌う。しかも、イケ面ときた。聴きやすいサウンドと甘い雰囲気で、女性を直撃。のはずだが、なぜか観客席には男性のほうが多い。しかもすいぶんと外人比率が高い。ドイツ系のファンが多いのか。
ちょっとばかりマイルスを思わせるミュートで聞かせる憂いのあるトランペット。ジャジーな秋にはいいんではないでしょうか。合間のトークも軽快だ。「次の曲をお送りしましょう。もし、踊りたい人がいたら、(if you wanna dance)、・・・踊らないで(please, don’t)」と笑わせてくれる。
ビリー・ジョエルの「ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー」はギター・ソロも含めて10分以上の熱演だった。
ラテン系、ストレートジャズ系、バラードなど多彩にきめる。一番おもしろかったのは、これからある曲をやりますが、それをやったオリジナルの人をみなさんにご紹介しましょう、と言って登場したのが、なんとあのテレビ番組『セサミ・ストリート』の人気キャラ、カーミット。左腕をそのカーミットのぬいぐるみに通し、右手でトランペットを持ち、腹話術のように両手を操ってのパフォーマンス。
歌の部分は、カーミットの声色でやるのかと思ったが、さすがにそうではなかった。ティルの演奏にカーミットがうなずく。その表情の作り方がうまい。これは使えるネタだ。(笑) きっとずいぶんやってるんだろうなあ。
きわめて、真面目なミュージシャン、きっちりとした、こまやかなミュージシャン、という印象を持った。人間的にもすごくよさそうな人という感じがした。やはり、ドイツ人らしいということか。
アンコールをやる前のMCもしゃれている。「いろいろ、日本に来て、日本語覚えました。まず覚えたのが、これ。『愛してるけれど、ケッコンハデキナイ』」 爆笑をとっていた。なんで、こんなセリフ覚えたんだろう。(笑)
ブルーノートのウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20041111.html
アルバム
『ザット・サマー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00024Z9BY/soulsearchiho-22%22/249-0741768-4060357
『ブルー・アイド・ソウル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005V2H3/soulsearchiho-22%22/249-0741768-4060357
Setlist
show started 21:32
1. Where Do You Start?
2. Your Way To Say Goodbye
3. Ready Or Not
4. Just The Way You Are
5. Little Sunflower
6. Bein’ Green
7. So Right, So Wrong
8. Dr. Bill
Enc. Rising Star
show ended 23.01
(2004年11月11日木曜、ブルーノート東京・セカンド=ティル・ブレナー・ライヴ)
"Brother Ray" (Japanese Translation Version) Will Be Published In January Tied With Movie "Ray"
2004年11月14日翻訳。
レイ・チャールズの自伝本『ブラザー・レイ』(デイヴィッド・リッツ著=1978年)の翻訳版が出版されることになった。発売元は、夷出版。来年1月末の映画公開との同時発売をめざす。監修・翻訳は吉岡正晴。
リッツの『ブラザー・レイ』は、78年に発売され現在までレイ・チャールズの自伝として定本となっている作品。これまでに92年に第二版、今年2004年、レイの死去後第三版が発行された。翻訳は、第三版になる。二版では、主とてして初版以降14年分のディスコグラフィーが追加されたが、三版でもディスコグラフィーと、死去後のリッツのエッセイ「ラスト・デイズ・オブ・レイ・チャールズ」が17ページ程度追記されている。
『ブラザー・レイ』は音楽伝記作家として、現在ではその名声を確立しているデイヴィッド・リッツの出発点となる作品。レイの大ファンだった彼はその自伝を書くことを考え、なんとかしてレイと直接話そうとした。しかし、いつもマネージャーなどに門前払いされていた。そこであるとき、点字で長文の手紙を送り、ついにレイ本人から電話がかかってきて、本のプロジェクトが始まった。
この『ブラザー・レイ』は音楽バイオとしては高い評価を獲得、その後、マーヴィン・ゲイの自伝『ディヴァイデッド・ソウル』(日本未発)、スモーキー・ロビンソン、ジェリー・ウェクスラー、エタ・ジェームス、BBキングなど多数のバイオグラフィーを記している。
またレイ・チャールズに関してもっとも詳しい専門家として、関連プロジェクトにもしばしば登場。レイのドキュメンタリー、CDのライナーノーツなども多数てがけている。
+++++
デイヴィッド・リッツ・インタヴュー(94年5月)
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/interview/ritz19940509.html
++++++++++
というわけで、映画の公開が早まったことで、もともと映画公開時期に発売しましょう、という話だったので急遽、翻訳をしあげることになった。当初は来年の6月10日くらいに発売をめざしていた。映画の日本公開が7月以降とされていたからだ。しかし、映画の前評判がすでに何度も書いているようにすばらしく、オスカー・レースにも入ってくるということで、映画の日本公開が一挙にオスカーノミネートにあわせて前倒しとなった。
そこで、本のほうも、それにあわせることになった。これから二月ほど、激多忙になりそう。しばしこもって1日一章を目指してがんばります。本文は42-3章あるので、ぎりぎりということになりますが、果たして、映画公開の1月29日に間に合うか、乞うご期待。僕の出版物としては、2000年7月の『ソウル・サーチン』以来4年半ぶりのものとなります。
++++++++++++++++
レイ・チャールズの自伝本『ブラザー・レイ』(デイヴィッド・リッツ著=1978年)の翻訳版が出版されることになった。発売元は、夷出版。来年1月末の映画公開との同時発売をめざす。監修・翻訳は吉岡正晴。
リッツの『ブラザー・レイ』は、78年に発売され現在までレイ・チャールズの自伝として定本となっている作品。これまでに92年に第二版、今年2004年、レイの死去後第三版が発行された。翻訳は、第三版になる。二版では、主とてして初版以降14年分のディスコグラフィーが追加されたが、三版でもディスコグラフィーと、死去後のリッツのエッセイ「ラスト・デイズ・オブ・レイ・チャールズ」が17ページ程度追記されている。
『ブラザー・レイ』は音楽伝記作家として、現在ではその名声を確立しているデイヴィッド・リッツの出発点となる作品。レイの大ファンだった彼はその自伝を書くことを考え、なんとかしてレイと直接話そうとした。しかし、いつもマネージャーなどに門前払いされていた。そこであるとき、点字で長文の手紙を送り、ついにレイ本人から電話がかかってきて、本のプロジェクトが始まった。
この『ブラザー・レイ』は音楽バイオとしては高い評価を獲得、その後、マーヴィン・ゲイの自伝『ディヴァイデッド・ソウル』(日本未発)、スモーキー・ロビンソン、ジェリー・ウェクスラー、エタ・ジェームス、BBキングなど多数のバイオグラフィーを記している。
またレイ・チャールズに関してもっとも詳しい専門家として、関連プロジェクトにもしばしば登場。レイのドキュメンタリー、CDのライナーノーツなども多数てがけている。
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デイヴィッド・リッツ・インタヴュー(94年5月)
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/interview/ritz19940509.html
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というわけで、映画の公開が早まったことで、もともと映画公開時期に発売しましょう、という話だったので急遽、翻訳をしあげることになった。当初は来年の6月10日くらいに発売をめざしていた。映画の日本公開が7月以降とされていたからだ。しかし、映画の前評判がすでに何度も書いているようにすばらしく、オスカー・レースにも入ってくるということで、映画の日本公開が一挙にオスカーノミネートにあわせて前倒しとなった。
そこで、本のほうも、それにあわせることになった。これから二月ほど、激多忙になりそう。しばしこもって1日一章を目指してがんばります。本文は42-3章あるので、ぎりぎりということになりますが、果たして、映画公開の1月29日に間に合うか、乞うご期待。僕の出版物としては、2000年7月の『ソウル・サーチン』以来4年半ぶりのものとなります。
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"Ray" Include Songs From "Live In Japan"
2004年11月13日神様。
映画『レイ』の試写会にピーター・バラカンさんがいらしていたのでいろいろ話をした。映画が始まる前は、ピーターさんはちょうど出たばかりのボブ・ディラン著の自伝を読んでおられた。これまでディランの著作はいろいろあるが、もちろん、自分で書いたものは初めてなので、ひじょうにおもしろいそうだ。日本のアマゾンで1日で来たという。
レイ・チャールズが死去したあとのジョークを話してくれた。ちょうどブラザー・レイが死去したのは、レーガン元大統領の死去とほぼ同じ頃だった。そこで、二人がほぼ同時に天国に行った。天国に行くと、いろいろな有名人たちの豪邸が立ち並んでいた。エルヴィスや、マーヴィンやら、いろいろだ。そこに立派な家があり、それがレーガンの家だった。すると、さらに丘の一番上にもっと超豪華な邸宅があった。それを見た人が聞いた。「あれは、誰のうちですか? なんであんな上にあって、しかもひときわ大きいんですか」 「なぜなら、あれは神様が住んでいるからだ」 「神様って?」 「レイ・チャールズだよ」
ちょっと、聞き覚えなので、違うかもしれません。違ったらすいません。欧米で出回っているジョークのようで、いくつか違うヴァージョンもあるかもしれないが、要はレイ・チャールズはレイ・チャールズひとりしかいない、ということでもある。レイは天国でも神様だというあたりがおもしろい。(ま、ギャグを解説するのもヤボというものだが)
映画が始まる前には、そういうわけでお話をしていたので、映画についての資料をまったく読まずに見ることになった。さて、映画が終った。僕はなかなか椅子から立ち上がれなかったが、とりあえず、「いやあ〜、よかった」。
ロビーにでると彼も若干興奮気味。こっちもテンション上がっているので、立ち話が止まらない。僕「いやあ、ジェイミーがすごいですねえ」 「ほんと、すごいねえ」 「あと編集が素晴らしい」 「素晴らしいね。彼にとって、あの事件というのはあんなに後をひいていたの」 「そうみたいですねえ。自伝にもそう書かれてるんです」 「曲は何曲か、レイがこの映画のために再録音したそうね」 映画の宣伝担当「そうなんですよ。レイが何曲か録音しています」 ピ「衣装も素晴らしかった」
僕「いやあ、ほんと単なる音楽映画か、ブラックムーヴィー的に思ってたけど、とんでもないですね。言い方悪いけど、いい意味で『ハリウッド映画』ですねえ。これは絶対アメリカで受ける。あとは日本でこういうミュージシャンを扱った映画がどれくらい受けるかですねえ」 ピ「いやあ、そんなネガティヴなこと言っちゃだめだよ(笑) なんてったって、レイ・チャールズなんだから。完璧に文句のない映画だけど、もしひとつだけ文句をつけるところがあるとすれば・・・(しばし考えて) アレンジャーのハンク・クロフォードだっけ、彼がでてこないところかなあ」
「あと、いろんな曲がでてきて、楽しいなあ。曲の使い方、抜群にうまいですね」 「そうだ、でてこなかったけど、『バステッド』が、逮捕されたシーンなんかでかかっていたらよかったね」 「ああ、ほんと、そうですね」
というわけで、このサントラ『レイ』も1月に日本発売される。輸入盤を入手したが、なんとここには『ライヴ・イン・ジャパン』の音が3曲入っていた。「愛さずにはいられない」「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」「我が心のジョージア」という、まさに映画中でもハイライト的に使われる作品だ。このサントラ収録曲と映画で使われたテイクが同じなら(おそらく同じはず=確認しますが)、映画『レイ』には、75年11月の日本人観客の拍手も入っているということになる。ワオ!
映画『レイ』の試写会にピーター・バラカンさんがいらしていたのでいろいろ話をした。映画が始まる前は、ピーターさんはちょうど出たばかりのボブ・ディラン著の自伝を読んでおられた。これまでディランの著作はいろいろあるが、もちろん、自分で書いたものは初めてなので、ひじょうにおもしろいそうだ。日本のアマゾンで1日で来たという。
レイ・チャールズが死去したあとのジョークを話してくれた。ちょうどブラザー・レイが死去したのは、レーガン元大統領の死去とほぼ同じ頃だった。そこで、二人がほぼ同時に天国に行った。天国に行くと、いろいろな有名人たちの豪邸が立ち並んでいた。エルヴィスや、マーヴィンやら、いろいろだ。そこに立派な家があり、それがレーガンの家だった。すると、さらに丘の一番上にもっと超豪華な邸宅があった。それを見た人が聞いた。「あれは、誰のうちですか? なんであんな上にあって、しかもひときわ大きいんですか」 「なぜなら、あれは神様が住んでいるからだ」 「神様って?」 「レイ・チャールズだよ」
ちょっと、聞き覚えなので、違うかもしれません。違ったらすいません。欧米で出回っているジョークのようで、いくつか違うヴァージョンもあるかもしれないが、要はレイ・チャールズはレイ・チャールズひとりしかいない、ということでもある。レイは天国でも神様だというあたりがおもしろい。(ま、ギャグを解説するのもヤボというものだが)
映画が始まる前には、そういうわけでお話をしていたので、映画についての資料をまったく読まずに見ることになった。さて、映画が終った。僕はなかなか椅子から立ち上がれなかったが、とりあえず、「いやあ〜、よかった」。
ロビーにでると彼も若干興奮気味。こっちもテンション上がっているので、立ち話が止まらない。僕「いやあ、ジェイミーがすごいですねえ」 「ほんと、すごいねえ」 「あと編集が素晴らしい」 「素晴らしいね。彼にとって、あの事件というのはあんなに後をひいていたの」 「そうみたいですねえ。自伝にもそう書かれてるんです」 「曲は何曲か、レイがこの映画のために再録音したそうね」 映画の宣伝担当「そうなんですよ。レイが何曲か録音しています」 ピ「衣装も素晴らしかった」
僕「いやあ、ほんと単なる音楽映画か、ブラックムーヴィー的に思ってたけど、とんでもないですね。言い方悪いけど、いい意味で『ハリウッド映画』ですねえ。これは絶対アメリカで受ける。あとは日本でこういうミュージシャンを扱った映画がどれくらい受けるかですねえ」 ピ「いやあ、そんなネガティヴなこと言っちゃだめだよ(笑) なんてったって、レイ・チャールズなんだから。完璧に文句のない映画だけど、もしひとつだけ文句をつけるところがあるとすれば・・・(しばし考えて) アレンジャーのハンク・クロフォードだっけ、彼がでてこないところかなあ」
「あと、いろんな曲がでてきて、楽しいなあ。曲の使い方、抜群にうまいですね」 「そうだ、でてこなかったけど、『バステッド』が、逮捕されたシーンなんかでかかっていたらよかったね」 「ああ、ほんと、そうですね」
というわけで、このサントラ『レイ』も1月に日本発売される。輸入盤を入手したが、なんとここには『ライヴ・イン・ジャパン』の音が3曲入っていた。「愛さずにはいられない」「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」「我が心のジョージア」という、まさに映画中でもハイライト的に使われる作品だ。このサントラ収録曲と映画で使われたテイクが同じなら(おそらく同じはず=確認しますが)、映画『レイ』には、75年11月の日本人観客の拍手も入っているということになる。ワオ!
(映画『レイ』の感想文です。ネタばれは最小限にしてありますが、事前の先入観なしに見たい方は、ご注意ください)
オスカー。
今まで見たミュージシャンを描いた映画の中でも最高のものだった。感心し、感動もした。これはすごい。全米で10月29日に公開されたレイ・チャールズの生涯を描いた『レイ』。日本では2005年1月29日から公開される。例えば、『ベニー・グッドマン物語』、『バード』、『パープル・レイン』、『ローズ』などのミュージシャンにスポットをあてた傑作作品のリストに、この『レイ』もまちがいなくはいる。それだけでなく、そのトップに君臨する。
まず、何が素晴らしいといえば、ジェイミー・フォックスが素晴らしい。映画が始まってすぐに、もうジェイミー・フォックスではなく、そこには若き日のレイ・チャールズがいた。本当に生き写しだ。姿も、ふるまいも、そして、しゃべり方まで。声を聴いているだけで、レイ・チャールズだ。まちがいなく、俳優ジェイミー・フォックスの最高傑作であり、名刺代わりの一作になった。前評判が高くなっているのもうなずける。
そして、編集が素晴らしい。彼のキャリアとひとつの出来事をフラッシュバックさせる手法が、じわじわきて、見事としかいいようがない。2時間半の映画にもかかわらずまったくその時間を感じさせない。編集の妙だろう。テンポよく物語がうまく語られる。
脇役陣も素晴らしい。クインシー・ジョーンズ役、アーメット・エルテガン役、ジェリー・ウェクスラー役、ジョー・アダムス役、みないい。そして、僕がもっとも感動したのはレイの実母アリーサ役(シャロン・ウォーレン)だ。オスカー助演女優賞をどうぞ。自伝を読んで知っていた(と言っても見たわけではないが)アリーサのイメージにどんぴしゃのキャスティングに言葉を失った。盲目になっていくレイを力強く育てる母親の姿には胸を打たれずにはいられない。しかも、これが映画デビュー作だって? 信じられない!
そして、音楽の使い方がまた憎らしいほど素晴らしい。レイ・チャールズのファンであれば誰でも知っているであろうヒット曲の数々が、彼の実際の人生とこれほどつながっていたとは。新たな発見で、これ以後、ここでかかった曲をラジオなどで聴いたら、『レイ』のシーンが思い出されることになるだろう。しかし、それを知らずとも、ストーリーの中で歌われる作品にはぐいぐいと引き込まれる。
ロケーション、衣装、映像が美しい。彼が育った深南部にある家。その周辺。裸足で走り回る子供時代のレイ・チャールズ。何かを暗示するかのような風鈴ならぬ風ビンと、それがかすかにぶつかる音。
そして、脚本が見事だ。もちろん、このエピソードも入れて欲しいというようなものは多々あるが、可能な限りエッセンスを抽出し、起承転結をバランスよくまとめた。ゴスペルからR&Bへ転じるシーン、ドラッグ中毒になっていくシーン、彼の稼ぎをくすねようとする連中との対決など、うまくドラマが書き込まれている。
当初はR&Bシンガーの音楽映画かと思っていた。だが、これは単なるブラック映画ではない。単なる音楽映画、ミュージシャンの自伝映画でもない。失明、人種差別、貧困。想像以上の苦労と苦難を乗り越え、70余年を生きてきたひとりの男のドラマを見事に描いた作品だ。こういう話はアメリカ人はもともと大好きだが、これはアメリカだけでなく、世界中で受けるだろう。一点のケチもつけようがない作品だ。
映画『RAY/レイ』
2005年1月29日からみゆき座、シネマライズなどでロードショー。
オスカー。
今まで見たミュージシャンを描いた映画の中でも最高のものだった。感心し、感動もした。これはすごい。全米で10月29日に公開されたレイ・チャールズの生涯を描いた『レイ』。日本では2005年1月29日から公開される。例えば、『ベニー・グッドマン物語』、『バード』、『パープル・レイン』、『ローズ』などのミュージシャンにスポットをあてた傑作作品のリストに、この『レイ』もまちがいなくはいる。それだけでなく、そのトップに君臨する。
まず、何が素晴らしいといえば、ジェイミー・フォックスが素晴らしい。映画が始まってすぐに、もうジェイミー・フォックスではなく、そこには若き日のレイ・チャールズがいた。本当に生き写しだ。姿も、ふるまいも、そして、しゃべり方まで。声を聴いているだけで、レイ・チャールズだ。まちがいなく、俳優ジェイミー・フォックスの最高傑作であり、名刺代わりの一作になった。前評判が高くなっているのもうなずける。
そして、編集が素晴らしい。彼のキャリアとひとつの出来事をフラッシュバックさせる手法が、じわじわきて、見事としかいいようがない。2時間半の映画にもかかわらずまったくその時間を感じさせない。編集の妙だろう。テンポよく物語がうまく語られる。
脇役陣も素晴らしい。クインシー・ジョーンズ役、アーメット・エルテガン役、ジェリー・ウェクスラー役、ジョー・アダムス役、みないい。そして、僕がもっとも感動したのはレイの実母アリーサ役(シャロン・ウォーレン)だ。オスカー助演女優賞をどうぞ。自伝を読んで知っていた(と言っても見たわけではないが)アリーサのイメージにどんぴしゃのキャスティングに言葉を失った。盲目になっていくレイを力強く育てる母親の姿には胸を打たれずにはいられない。しかも、これが映画デビュー作だって? 信じられない!
そして、音楽の使い方がまた憎らしいほど素晴らしい。レイ・チャールズのファンであれば誰でも知っているであろうヒット曲の数々が、彼の実際の人生とこれほどつながっていたとは。新たな発見で、これ以後、ここでかかった曲をラジオなどで聴いたら、『レイ』のシーンが思い出されることになるだろう。しかし、それを知らずとも、ストーリーの中で歌われる作品にはぐいぐいと引き込まれる。
ロケーション、衣装、映像が美しい。彼が育った深南部にある家。その周辺。裸足で走り回る子供時代のレイ・チャールズ。何かを暗示するかのような風鈴ならぬ風ビンと、それがかすかにぶつかる音。
そして、脚本が見事だ。もちろん、このエピソードも入れて欲しいというようなものは多々あるが、可能な限りエッセンスを抽出し、起承転結をバランスよくまとめた。ゴスペルからR&Bへ転じるシーン、ドラッグ中毒になっていくシーン、彼の稼ぎをくすねようとする連中との対決など、うまくドラマが書き込まれている。
当初はR&Bシンガーの音楽映画かと思っていた。だが、これは単なるブラック映画ではない。単なる音楽映画、ミュージシャンの自伝映画でもない。失明、人種差別、貧困。想像以上の苦労と苦難を乗り越え、70余年を生きてきたひとりの男のドラマを見事に描いた作品だ。こういう話はアメリカ人はもともと大好きだが、これはアメリカだけでなく、世界中で受けるだろう。一点のケチもつけようがない作品だ。
映画『RAY/レイ』
2005年1月29日からみゆき座、シネマライズなどでロードショー。
次回。
我らがベイビーフェイスのアンタイムリーな来日公演。新譜発売が延期になっており、新作も話題もなにもない時期の来日。やはり来日公演は、いいタイミングでやらないとだめということを如実に表すライヴだった。
お台場ゼップの1階すべてに席を作り約1200人のキャパ。会場に向かう通路がすきすきなので、今日本当にライヴがあるのか心配になったほど。中はほぼ満員だが、空席もまだあった。よほどのベイビーフェイス・ファンしか来ていない感じだ。ショウが始まる前の期待感というか、どきどき感というのがまるでないのだ。これは一体なぜなんだろう。
さて、約1時間半にわたってベイビーフェイスは、ヒット曲の数々を歌った。しかし、今回のライヴはいかにもちょっとファーイーストに「営業」にやってきました、軽く一本ライヴをやりましょう、的な、お気軽、お手軽ライヴだった。まあ、ヒット曲が次々でるから、ある程度は観客は沸くが、こういう手抜きライヴは数々の名曲がむなしくなる。もともと裏方で、ライヴ・パフォーマンスは得意なほうではないが、前回までのショウはそれなりに演出などを考え、作りこまれていた感じがあった。しかし、今回のはあまりにやっつけ。
初来日(94年)のNKホールは実によくできたステージだったし、2001年も新作がでていたこともあって、フェイスのモチベーションもひじょうに高く、すばらしいライヴを見せてくれた。なので、ある程度のものを期待したが、この時期には何もないからか、やる曲もこれまでのものの繰り返し。新しい物は何もなかった。しかも値段も高い。
結論は、この程度のライヴをやるくらいなら、来ないほうがいい。まあ、一度も見ていなければ、とりあえず1回見ておいてもいいんじゃない、という雰囲気か。しかし、逆に初めて見たベイビーフェイスのライヴがこれだと、印象悪くするのではないか。
それでも、ヒット曲メドレーのところは、さすがにいい曲がワンツーパンチで登場するので、聞ける。だが、「マイ・マイ・マイ」などはもっと聴きたいところだがほんの1分少々で次に行ってしまうので、ものたりない。一方で、「チェンジ・ザ・ワールド」は16分もやる。長すぎる! これを5分にまとめて、メドレーの中の何曲かをもう少し聴かせたほうがいい。
ただのワンナイト・ギグ(一夜興行)だった。ベイビーフェイスは大好きなアーティストだけに次回の来日公演はきちんとしたものを期待したい。ベイビーフェイス様、君に1回いいライヴ貸しだよ。次はお願いしますよ。
ベイビーフェイスの記事
http://www.barks.jp/feature/?id=52256021
Setlist @Zepp Tokyo
show started 19:43
1. Intro/It’s No Crime
2. Where Will You Go
3. Sunshine
4. For The Cool In You
5. Every Time I Close My Eyes
6. Never Keeping Secrets
7. What If
8. Whip Appeal
(Medley)
9. Two Occasions
10. Don’t Be Cruel
11. Every Little Step
12. Rock Witcha
13. Roni
14. Can We Talk
15. My My My
16. Ready Or Not
17. I’ll Make Love To You
18. End Of The Road
19. Change The World
Enc. When Can I See You Again
show ended 21:20
(2004年11月9日火・ゼップ東京=ベイビーフェイス・ライヴ)
我らがベイビーフェイスのアンタイムリーな来日公演。新譜発売が延期になっており、新作も話題もなにもない時期の来日。やはり来日公演は、いいタイミングでやらないとだめということを如実に表すライヴだった。
お台場ゼップの1階すべてに席を作り約1200人のキャパ。会場に向かう通路がすきすきなので、今日本当にライヴがあるのか心配になったほど。中はほぼ満員だが、空席もまだあった。よほどのベイビーフェイス・ファンしか来ていない感じだ。ショウが始まる前の期待感というか、どきどき感というのがまるでないのだ。これは一体なぜなんだろう。
さて、約1時間半にわたってベイビーフェイスは、ヒット曲の数々を歌った。しかし、今回のライヴはいかにもちょっとファーイーストに「営業」にやってきました、軽く一本ライヴをやりましょう、的な、お気軽、お手軽ライヴだった。まあ、ヒット曲が次々でるから、ある程度は観客は沸くが、こういう手抜きライヴは数々の名曲がむなしくなる。もともと裏方で、ライヴ・パフォーマンスは得意なほうではないが、前回までのショウはそれなりに演出などを考え、作りこまれていた感じがあった。しかし、今回のはあまりにやっつけ。
初来日(94年)のNKホールは実によくできたステージだったし、2001年も新作がでていたこともあって、フェイスのモチベーションもひじょうに高く、すばらしいライヴを見せてくれた。なので、ある程度のものを期待したが、この時期には何もないからか、やる曲もこれまでのものの繰り返し。新しい物は何もなかった。しかも値段も高い。
結論は、この程度のライヴをやるくらいなら、来ないほうがいい。まあ、一度も見ていなければ、とりあえず1回見ておいてもいいんじゃない、という雰囲気か。しかし、逆に初めて見たベイビーフェイスのライヴがこれだと、印象悪くするのではないか。
それでも、ヒット曲メドレーのところは、さすがにいい曲がワンツーパンチで登場するので、聞ける。だが、「マイ・マイ・マイ」などはもっと聴きたいところだがほんの1分少々で次に行ってしまうので、ものたりない。一方で、「チェンジ・ザ・ワールド」は16分もやる。長すぎる! これを5分にまとめて、メドレーの中の何曲かをもう少し聴かせたほうがいい。
ただのワンナイト・ギグ(一夜興行)だった。ベイビーフェイスは大好きなアーティストだけに次回の来日公演はきちんとしたものを期待したい。ベイビーフェイス様、君に1回いいライヴ貸しだよ。次はお願いしますよ。
ベイビーフェイスの記事
http://www.barks.jp/feature/?id=52256021
Setlist @Zepp Tokyo
show started 19:43
1. Intro/It’s No Crime
2. Where Will You Go
3. Sunshine
4. For The Cool In You
5. Every Time I Close My Eyes
6. Never Keeping Secrets
7. What If
8. Whip Appeal
(Medley)
9. Two Occasions
10. Don’t Be Cruel
11. Every Little Step
12. Rock Witcha
13. Roni
14. Can We Talk
15. My My My
16. Ready Or Not
17. I’ll Make Love To You
18. End Of The Road
19. Change The World
Enc. When Can I See You Again
show ended 21:20
(2004年11月9日火・ゼップ東京=ベイビーフェイス・ライヴ)
インプロヴィゼーション。
20分弱で終ったシアラのショーケース。ライヴが終って、関係者を集めたミート&グリート(アーティストが来た人と会って、挨拶をする会)があるというので、しばし待っていたが、なかなかでてきそうもなく、人もたくさんいたので、途中ででることにした。ちょうどそのとき会ったソウルメイトKが、「今から六本木のアルフィーでトクのライヴがあるから行きませんか」というので、行くことに。トクと会うのも久々。
この日はピアノの秋田慎治さんとの二人だけのパフォーマンス。ちょうどライヴが始まる前、入口でトクとマネジャー氏たちに会う。しばし雑談中に、オッシーから電話。横浜にいるという。そこで、急遽呼びつける。というか、打ち合わせ案件がひとつ残っていたこともあった。
セカンドセットが10時過ぎから始まることになっていた。トクに「何を歌うの」と聞くと、マネジャーM氏「さすが、よしおかさん、よくそんな質問を」と苦笑いしている。そう、彼らはまったくやる曲を決めていなかったのだ。ピアノの秋田さんに「何、やろうか」と言っている。
一曲目は「ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト」だった。ピアノと歌、そして、フルーゲル、時にトランペットと、しっとりとゆったりとした時間が流れた。
「ちょっとインプロヴィゼーション、やってみようか」と言って始めた3曲目。ピアノと歌、ピアノとトランペットなどをそれぞれ交互に演奏して、楽しませる。途中でオッシーが会場に到着した。
6曲目が終ったとき、「リクエストしていい?」と声を出した。僕がリクエストしたのは、今週のマイブーム「スターダスト」。トク自身も録音しているので軽くできるかと思った。しばし考えた後、その前の曲の流れから、彼が選んだのはシャーデーの「キス・オブ・ライフ」。これも10分以上にわたる熱演。途中のピアノとのやりとりなど、なかなかおもしろい。お互い気心もしている二人だけだとやはり即興もやりやすいようだ。
そして、拍手を受けて、アンコールに登場。トクが店の人に、マイクをすべてきってくれと言った。彼はマイクを使わず、いきなり歌いだした。あの「スターダスト」を。冒頭の部分、アカペラから、徐々にピアノが入り、後半またトクが盛り上げる。いやあ、なかなかよかった。後で聞くと、このスタイルではけっこうやっているという。
この後、マネジャーM氏がミスティーに行かなければならないというので、後からちょっと顔をだすことにした。そこにつくと、なんとその日の出番であった新進気鋭のサックス奏者小林香織さんという人がちょうど帰り支度をしていた。すると、その彼女を見つけて、オッシーがびっくり仰天。なんと、先日モーションブルーのソイソウルのライヴで彼女と挨拶をしていた、という。しかも、席の奥にはゴンザレス鈴木さんも。彼はこの小林さんのサックスを見に来たという。ゴンザレスさんから、彼の新プロデュース作品ヌーンの新作の白盤のCDをいただいた。この彼女は彼がてがけているアン・サリーのいとこだという。
その後、三宿に移動し、打ち合わせしつつ軽くゴハン。打ち合わせは煮詰まる。テーブルには豚の煮込み。予想外に時間を取られた。そんなこんなしていると、トクが合流してきた。しばらく前のジョージ・デュークのライヴ話などで盛り上がった。
Setlist (incomplete)Second Set@Alfie
show started 22;09
1. Don’t Let Me Be Lonely Tonight
2. She Belongs To Me
3. Improvisation
4. I Get Lost In Your Eyes
5. Roberta
6. If You Don’t Know Now
7. Kiss Of Life
Enc. Stardust
show ended 23.30
(2004年11月8日月・六本木・アルフィー=トク(TOKU)・秋田慎治ライヴ)
20分弱で終ったシアラのショーケース。ライヴが終って、関係者を集めたミート&グリート(アーティストが来た人と会って、挨拶をする会)があるというので、しばし待っていたが、なかなかでてきそうもなく、人もたくさんいたので、途中ででることにした。ちょうどそのとき会ったソウルメイトKが、「今から六本木のアルフィーでトクのライヴがあるから行きませんか」というので、行くことに。トクと会うのも久々。
この日はピアノの秋田慎治さんとの二人だけのパフォーマンス。ちょうどライヴが始まる前、入口でトクとマネジャー氏たちに会う。しばし雑談中に、オッシーから電話。横浜にいるという。そこで、急遽呼びつける。というか、打ち合わせ案件がひとつ残っていたこともあった。
セカンドセットが10時過ぎから始まることになっていた。トクに「何を歌うの」と聞くと、マネジャーM氏「さすが、よしおかさん、よくそんな質問を」と苦笑いしている。そう、彼らはまったくやる曲を決めていなかったのだ。ピアノの秋田さんに「何、やろうか」と言っている。
一曲目は「ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト」だった。ピアノと歌、そして、フルーゲル、時にトランペットと、しっとりとゆったりとした時間が流れた。
「ちょっとインプロヴィゼーション、やってみようか」と言って始めた3曲目。ピアノと歌、ピアノとトランペットなどをそれぞれ交互に演奏して、楽しませる。途中でオッシーが会場に到着した。
6曲目が終ったとき、「リクエストしていい?」と声を出した。僕がリクエストしたのは、今週のマイブーム「スターダスト」。トク自身も録音しているので軽くできるかと思った。しばし考えた後、その前の曲の流れから、彼が選んだのはシャーデーの「キス・オブ・ライフ」。これも10分以上にわたる熱演。途中のピアノとのやりとりなど、なかなかおもしろい。お互い気心もしている二人だけだとやはり即興もやりやすいようだ。
そして、拍手を受けて、アンコールに登場。トクが店の人に、マイクをすべてきってくれと言った。彼はマイクを使わず、いきなり歌いだした。あの「スターダスト」を。冒頭の部分、アカペラから、徐々にピアノが入り、後半またトクが盛り上げる。いやあ、なかなかよかった。後で聞くと、このスタイルではけっこうやっているという。
この後、マネジャーM氏がミスティーに行かなければならないというので、後からちょっと顔をだすことにした。そこにつくと、なんとその日の出番であった新進気鋭のサックス奏者小林香織さんという人がちょうど帰り支度をしていた。すると、その彼女を見つけて、オッシーがびっくり仰天。なんと、先日モーションブルーのソイソウルのライヴで彼女と挨拶をしていた、という。しかも、席の奥にはゴンザレス鈴木さんも。彼はこの小林さんのサックスを見に来たという。ゴンザレスさんから、彼の新プロデュース作品ヌーンの新作の白盤のCDをいただいた。この彼女は彼がてがけているアン・サリーのいとこだという。
その後、三宿に移動し、打ち合わせしつつ軽くゴハン。打ち合わせは煮詰まる。テーブルには豚の煮込み。予想外に時間を取られた。そんなこんなしていると、トクが合流してきた。しばらく前のジョージ・デュークのライヴ話などで盛り上がった。
Setlist (incomplete)Second Set@Alfie
show started 22;09
1. Don’t Let Me Be Lonely Tonight
2. She Belongs To Me
3. Improvisation
4. I Get Lost In Your Eyes
5. Roberta
6. If You Don’t Know Now
7. Kiss Of Life
Enc. Stardust
show ended 23.30
(2004年11月8日月・六本木・アルフィー=トク(TOKU)・秋田慎治ライヴ)
クランク&B。
動く動く、その腰つき。そのダンスを見て、マイケル・ジャクソン直系だと感じた。そして、ジャネットも入っている。彼女は元々ダンサーなのか。二人のダンサーを従えて、かなり激しく挑発的な踊りを見せた。今人気沸騰中のアトランタから登場した女性シンガー、シアラのショーケースが渋谷デュオ(DUO)であった。
首都圏のいくつかのラジオ番組のリスナーや雑誌読者などを招待したもので、デュオは席を取り払い、スタンディングでほとんど満員。20時44分、まず二人のジーパン姿のダンサー(ちょっと太め)が登場、それから一息おいてシアラ(同じくちょっと太め)登場。
いきなり激しいダンスではじける。「イントロ」に続いて、「サグス・スタイル」、「オー」、そしてちょっとおしゃべりがあって、大ヒット中「グッディーズ」。バックはカラオケで、コーラスもカラオケに入っているので、シアラの生歌と彼女のコーラスが重なる。しめて16分のショーケースは瞬く間に終った。
「グッディーズ」は、ホットプロデューサー、リル・ジョンが開発した「クランク&B」というサウンド。一足先に、アッシャーの「イエー」で世界的に認知されたあのいけいけのリズムだ。「クランク」は、「ゲット・クランク」で「はじける」「大騒ぎする」といったニュアンスらしい。
R&Bではなく、クランク&Bということで、最近のR&B業界の話題の新語である。シンセがはいり、リズムが軽くどんどんのれるサウンドだ。シアラの「グッディーズ」などは、まさに今が最高に旬のサウンドだ。
シアラ、85年生まれで、今年19歳になる。デビューアルバム『グッディーズ』(BMGジャパン)http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002RN9XG/soulsearchiho-22";は、日本でもすでに7万枚以上売れ、この手の作品としては爆発的なセールスを記録中。
いやあ、それにしてもよく腰、動くなあ。
Setlist, Ciara @ Shibuya Duo
show started 20:44
1. Intro/Intro(Problems)
2. Thug Style
3. Oh
4. Goodies
show ended 21:00
(2004年11月8日月・渋谷デュオ(DUO)=シアラ・ライヴ)
動く動く、その腰つき。そのダンスを見て、マイケル・ジャクソン直系だと感じた。そして、ジャネットも入っている。彼女は元々ダンサーなのか。二人のダンサーを従えて、かなり激しく挑発的な踊りを見せた。今人気沸騰中のアトランタから登場した女性シンガー、シアラのショーケースが渋谷デュオ(DUO)であった。
首都圏のいくつかのラジオ番組のリスナーや雑誌読者などを招待したもので、デュオは席を取り払い、スタンディングでほとんど満員。20時44分、まず二人のジーパン姿のダンサー(ちょっと太め)が登場、それから一息おいてシアラ(同じくちょっと太め)登場。
いきなり激しいダンスではじける。「イントロ」に続いて、「サグス・スタイル」、「オー」、そしてちょっとおしゃべりがあって、大ヒット中「グッディーズ」。バックはカラオケで、コーラスもカラオケに入っているので、シアラの生歌と彼女のコーラスが重なる。しめて16分のショーケースは瞬く間に終った。
「グッディーズ」は、ホットプロデューサー、リル・ジョンが開発した「クランク&B」というサウンド。一足先に、アッシャーの「イエー」で世界的に認知されたあのいけいけのリズムだ。「クランク」は、「ゲット・クランク」で「はじける」「大騒ぎする」といったニュアンスらしい。
R&Bではなく、クランク&Bということで、最近のR&B業界の話題の新語である。シンセがはいり、リズムが軽くどんどんのれるサウンドだ。シアラの「グッディーズ」などは、まさに今が最高に旬のサウンドだ。
シアラ、85年生まれで、今年19歳になる。デビューアルバム『グッディーズ』(BMGジャパン)http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002RN9XG/soulsearchiho-22";は、日本でもすでに7万枚以上売れ、この手の作品としては爆発的なセールスを記録中。
いやあ、それにしてもよく腰、動くなあ。
Setlist, Ciara @ Shibuya Duo
show started 20:44
1. Intro/Intro(Problems)
2. Thug Style
3. Oh
4. Goodies
show ended 21:00
(2004年11月8日月・渋谷デュオ(DUO)=シアラ・ライヴ)
共振。
我らがベニーKが『ソウルブレンズ』に凱旋。彼らが『ソウルブレンズ』で毎週コーナーを持っていたのは2002年度のことだったか。あれ以来着実に成長してきて、最新作『シンクロニシティー』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002YD7UY/soulsearchiho-22からはシングル「オアシス」がオリコンのベスト3に入った。見事なブレイクぶりだ。そんな彼女たちが久々にゲストでやってきた。
新作はずっと仲間として一緒にやってきたサウンドメイカーたちなどと手を組み、今風のかっこいいサウンドで自分たちの音楽を作り上げた。アウトキャスト風でハッピーでのりのいい「オアシス」は、キャッチーで彼女たちの新たな側面をうまく出したと思う。
ジャケットの2人の目の中に太陽と月が描きこまれている。その説明を彼女たちにされた時は、スタジオにいる全員がジャケットを覗き込み「お〜〜」と歓声をあげた。向かって左、ユキの目に太陽が、右側、チコの目に月がある。なかなかなジャケットだ。月も太陽もある。夜も明ければ必ず太陽がやってくる。
今作では多才なゲストたちを集めているが、その中のトゥーバッカ(2Backka)のハマーくんにはしばらく前に目黒のソウルバーで偶然会った。ちょうどその時、新しいベニーKのアルバムにトラックを提供したという話になり、その曲がここに収められている。また、そのトゥバッカも、11月5日にアルバム『ターン』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000657P2K/soulsearchiho-22をリリースした。
ベニーKたちは、自分たちが出会った中で、一緒に何かをやりたいと思ったアーティストたちに自分たちから声をかけてコラボレーションを実現させた。そして、そうしたできごとや出会いも偶然ではなく、必然ではない、そんな考えが発展してアルバムのタイトル「シンクロニシティー」につながっていった、という。
「シンクロニシティー」はかつてスティングがアルバムタイトルに使ったが、一般的には「同時性、共時性」と訳される。たとえば2人の友人がなんの打ち合わせもせずに待ち合わせたところ、まったく同じ色の洋服を着てきた。これがシンクロニシティー。あるいは、世界のどこかで、まったく同じような発明がほぼ時を同じくしてなされた。あるところで、飛行機を作ろうとした人がいて、また別のところで同じように空を飛ぶ機械を作ろうとしている人がいた。これも同時性。
ベニーKのニューアルバムは、チコとユキの同時性を描いているのかもしれない。そして、それが時代との共振(シンクロ)を狙う。
ベニーKのホームページ
http://www.forlife.co.jp/bennie_k/pc/index.html
トゥーバッカのホームページ
http://www.2backka.com/
我らがベニーKが『ソウルブレンズ』に凱旋。彼らが『ソウルブレンズ』で毎週コーナーを持っていたのは2002年度のことだったか。あれ以来着実に成長してきて、最新作『シンクロニシティー』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002YD7UY/soulsearchiho-22からはシングル「オアシス」がオリコンのベスト3に入った。見事なブレイクぶりだ。そんな彼女たちが久々にゲストでやってきた。
新作はずっと仲間として一緒にやってきたサウンドメイカーたちなどと手を組み、今風のかっこいいサウンドで自分たちの音楽を作り上げた。アウトキャスト風でハッピーでのりのいい「オアシス」は、キャッチーで彼女たちの新たな側面をうまく出したと思う。
ジャケットの2人の目の中に太陽と月が描きこまれている。その説明を彼女たちにされた時は、スタジオにいる全員がジャケットを覗き込み「お〜〜」と歓声をあげた。向かって左、ユキの目に太陽が、右側、チコの目に月がある。なかなかなジャケットだ。月も太陽もある。夜も明ければ必ず太陽がやってくる。
今作では多才なゲストたちを集めているが、その中のトゥーバッカ(2Backka)のハマーくんにはしばらく前に目黒のソウルバーで偶然会った。ちょうどその時、新しいベニーKのアルバムにトラックを提供したという話になり、その曲がここに収められている。また、そのトゥバッカも、11月5日にアルバム『ターン』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000657P2K/soulsearchiho-22をリリースした。
ベニーKたちは、自分たちが出会った中で、一緒に何かをやりたいと思ったアーティストたちに自分たちから声をかけてコラボレーションを実現させた。そして、そうしたできごとや出会いも偶然ではなく、必然ではない、そんな考えが発展してアルバムのタイトル「シンクロニシティー」につながっていった、という。
「シンクロニシティー」はかつてスティングがアルバムタイトルに使ったが、一般的には「同時性、共時性」と訳される。たとえば2人の友人がなんの打ち合わせもせずに待ち合わせたところ、まったく同じ色の洋服を着てきた。これがシンクロニシティー。あるいは、世界のどこかで、まったく同じような発明がほぼ時を同じくしてなされた。あるところで、飛行機を作ろうとした人がいて、また別のところで同じように空を飛ぶ機械を作ろうとしている人がいた。これも同時性。
ベニーKのニューアルバムは、チコとユキの同時性を描いているのかもしれない。そして、それが時代との共振(シンクロ)を狙う。
ベニーKのホームページ
http://www.forlife.co.jp/bennie_k/pc/index.html
トゥーバッカのホームページ
http://www.2backka.com/
質問。
映画『ソウル・サヴァイヴァー(原題Only The Strong Survive)』の試写会が昨日、銀座山野楽器のジャムスポットホールで行われました。大勢の方にお集まりいただきありがとうございました。この『ソウル・サヴァイヴァー』、いよいよ正式に公開日が決まりました。今年12月25日(土)から、ヴァージン東宝シネマズ六本木ヒルズです。試写で気に入られた方、まだご覧になられていない方、ぜひどうぞ。
さて、映画をご覧になった方から若干の質問をいただいたので、簡単に説明してみたいと思います。もちろん、僕にもわからないこともありますが。
途中で「これが、モータウンに対する回答だ」というナレーションが入っていましたが、これはどういう意味ですか、というご質問。目黒区のNさんからいただきました。
アメリカの60年代から70年代にかけての音楽シーンは、特にソウルミュージックの世界では、地域性というものが特徴的にでていました。デトロイトのサウンド(たとえばモータウン・サウンド)、フィラデルフィアのフィラデルフィア・サウンド、南部テネシー州メンフィスのメンフィス・サウンド(ハイ・レコード、スタックス・レコードなどからの作品)、シカゴのシカゴ・サウンド(ブランズウィック・レコード、チェス・レコードなどからの作品)などなどです。
そうしたソウル作品は、現在ではロスト・ソウル(失われしソウル)などと呼ばれ、昔を懐かしむために聞かれたりしています。
この映画でフォーカスしているのは、これらのソウルのうち、主にメンフィスのソウルとシカゴのソウルです。その頃、ソウルミュージックシーンで一番ホットだったのは、やはりベリー・ゴーディー率いるモータウン・レコードでした。ここから登場するアーティストは、次々とヒットをだし、その波はアメリカのみならず、イギリス、ヨーロッパ、日本など世界的に広がりました。
そんな北部デトロイトのモータウンに対抗して、南部メンフィスから登場したソウル・アーティストたちが、次々とヒットを放ち、ソウル・ミュージック・シーンはあたかも南北戦争のような形になりました。しかし、それは両者にとって有益な切磋琢磨であり、向上でした。そうしたこと全体を指して、メンフィスからのソウルは、デトロイト・ソウルへの回答だ、という表現をしたわけです。
既存の物や現象に対して、新たな勢力や者が、それに対抗するように登場するときに、しばしば、「〜〜に対する回答(英語ではanswers to ...) などという言い方がされます。
さて、アレサ・フランクリンのことについて、ウィルソン・ピケットがコメントしているところの意味がよくわからなかった、というご意見がありました。調布市のSさんからのご質問。
あのシーンは、おそらくアレサは料理するのがとても好きで、ホームパーティーかなにかをしたときに、ずっと料理を作っていて、いざ歌を歌うときに、本当だったらシンガーらしくドレスでも着て、ステージに上がればいいのに、ほとんどジーンズにTシャツのような普段着で登場し、わからなかった、というニュアンスだと思います。それこそ、普通のおばさんがいきなりでてきて、わからなかったよ、ははは、みたいなのりでしょう。
また冒頭のルーファス・トーマスとのやりとりがどこがおもしろいのか、まったくわからない、という声もありました。ここまでくると、僕にもわかりません。おそらく、たとえば、オヤジギャグを若い人がまったく理解しないというか、受けないというのと同じように、おそらく、ルーファスが何か言っていて、もちろんおもしろいのかもしれませんが、ひょっとしたら、字幕にしたらおもしろくないのかもしれません。
アイザック・へイズとルーファス・トーマスとのやりとりもむずかしいところがありました。ある意味、内輪受け的なやりとりなのではないかと思います。
何人かの人たちからは、ライヴシーンののりのいい曲になると、座ってられず本当は立ち上がって踊りたかった、というご意見もいただきました。おっしゃる通りだと思います。僕もそう思いました。前回僕が見たのは比較的小さな試写室だったのですが、今日の場所は100人以上入るところだったので、音も大きく、なかなかライヴ感がよかった。
以上、若干の『ソウル・サヴァイヴァー』についての質問コーナーでした。
+++++
『ソウル・サヴァイヴァー』(2003年)
2004年12月25日(土)から、ヴァージン東宝シネマズ六本木ヒルズで公開。96分。
+++++
オリジナル・サウンドトラック盤『ソウル・サヴァイヴァー』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002ZF15C/soulsearchiho-22";
ソウル・サヴァイヴァー、収録曲
Soul Survivor(Wilson Pickett)
Gee Whiz(Carla Thomas)
Soul Man(Sam Moore)
For Your Precious Love(Jerry Butler)
Someday We’ll Be Together(Mary Wilson)
Have You Seen Her(Chi-Lites)
Walking the Dog(Rufus Thomas)
Breaking Up Somebody’s Home(Ann Peebles)
In the Midnight Hour(Wilson Pickett)
When Something Is Wrong With My Baby(Sam Moore)
Night Time Is the Right Time(Carla Thomas,Rufus Thomas)
Only the Strong Survive(Jerry Butler)
Don’t Let Go(Isaac Hayes)
+++++
映画『ソウル・サヴァイヴァー』公式サイト
http://www.s-survivor.com/
映画『ソウル・サヴァイヴァー(原題Only The Strong Survive)』の試写会が昨日、銀座山野楽器のジャムスポットホールで行われました。大勢の方にお集まりいただきありがとうございました。この『ソウル・サヴァイヴァー』、いよいよ正式に公開日が決まりました。今年12月25日(土)から、ヴァージン東宝シネマズ六本木ヒルズです。試写で気に入られた方、まだご覧になられていない方、ぜひどうぞ。
さて、映画をご覧になった方から若干の質問をいただいたので、簡単に説明してみたいと思います。もちろん、僕にもわからないこともありますが。
途中で「これが、モータウンに対する回答だ」というナレーションが入っていましたが、これはどういう意味ですか、というご質問。目黒区のNさんからいただきました。
アメリカの60年代から70年代にかけての音楽シーンは、特にソウルミュージックの世界では、地域性というものが特徴的にでていました。デトロイトのサウンド(たとえばモータウン・サウンド)、フィラデルフィアのフィラデルフィア・サウンド、南部テネシー州メンフィスのメンフィス・サウンド(ハイ・レコード、スタックス・レコードなどからの作品)、シカゴのシカゴ・サウンド(ブランズウィック・レコード、チェス・レコードなどからの作品)などなどです。
そうしたソウル作品は、現在ではロスト・ソウル(失われしソウル)などと呼ばれ、昔を懐かしむために聞かれたりしています。
この映画でフォーカスしているのは、これらのソウルのうち、主にメンフィスのソウルとシカゴのソウルです。その頃、ソウルミュージックシーンで一番ホットだったのは、やはりベリー・ゴーディー率いるモータウン・レコードでした。ここから登場するアーティストは、次々とヒットをだし、その波はアメリカのみならず、イギリス、ヨーロッパ、日本など世界的に広がりました。
そんな北部デトロイトのモータウンに対抗して、南部メンフィスから登場したソウル・アーティストたちが、次々とヒットを放ち、ソウル・ミュージック・シーンはあたかも南北戦争のような形になりました。しかし、それは両者にとって有益な切磋琢磨であり、向上でした。そうしたこと全体を指して、メンフィスからのソウルは、デトロイト・ソウルへの回答だ、という表現をしたわけです。
既存の物や現象に対して、新たな勢力や者が、それに対抗するように登場するときに、しばしば、「〜〜に対する回答(英語ではanswers to ...) などという言い方がされます。
さて、アレサ・フランクリンのことについて、ウィルソン・ピケットがコメントしているところの意味がよくわからなかった、というご意見がありました。調布市のSさんからのご質問。
あのシーンは、おそらくアレサは料理するのがとても好きで、ホームパーティーかなにかをしたときに、ずっと料理を作っていて、いざ歌を歌うときに、本当だったらシンガーらしくドレスでも着て、ステージに上がればいいのに、ほとんどジーンズにTシャツのような普段着で登場し、わからなかった、というニュアンスだと思います。それこそ、普通のおばさんがいきなりでてきて、わからなかったよ、ははは、みたいなのりでしょう。
また冒頭のルーファス・トーマスとのやりとりがどこがおもしろいのか、まったくわからない、という声もありました。ここまでくると、僕にもわかりません。おそらく、たとえば、オヤジギャグを若い人がまったく理解しないというか、受けないというのと同じように、おそらく、ルーファスが何か言っていて、もちろんおもしろいのかもしれませんが、ひょっとしたら、字幕にしたらおもしろくないのかもしれません。
アイザック・へイズとルーファス・トーマスとのやりとりもむずかしいところがありました。ある意味、内輪受け的なやりとりなのではないかと思います。
何人かの人たちからは、ライヴシーンののりのいい曲になると、座ってられず本当は立ち上がって踊りたかった、というご意見もいただきました。おっしゃる通りだと思います。僕もそう思いました。前回僕が見たのは比較的小さな試写室だったのですが、今日の場所は100人以上入るところだったので、音も大きく、なかなかライヴ感がよかった。
以上、若干の『ソウル・サヴァイヴァー』についての質問コーナーでした。
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『ソウル・サヴァイヴァー』(2003年)
2004年12月25日(土)から、ヴァージン東宝シネマズ六本木ヒルズで公開。96分。
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オリジナル・サウンドトラック盤『ソウル・サヴァイヴァー』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002ZF15C/soulsearchiho-22";
ソウル・サヴァイヴァー、収録曲
Soul Survivor(Wilson Pickett)
Gee Whiz(Carla Thomas)
Soul Man(Sam Moore)
For Your Precious Love(Jerry Butler)
Someday We’ll Be Together(Mary Wilson)
Have You Seen Her(Chi-Lites)
Walking the Dog(Rufus Thomas)
Breaking Up Somebody’s Home(Ann Peebles)
In the Midnight Hour(Wilson Pickett)
When Something Is Wrong With My Baby(Sam Moore)
Night Time Is the Right Time(Carla Thomas,Rufus Thomas)
Only the Strong Survive(Jerry Butler)
Don’t Let Go(Isaac Hayes)
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映画『ソウル・サヴァイヴァー』公式サイト
http://www.s-survivor.com/
来年度。
ロッド・スチュワートの新作『グレイト・アメリカン・ソングブックVOL.3』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000666QVU/soulsearchiho-22%22/249-0741768-4060357が11月6日付ビルボードホットアルバム・チャートに1位で初登場した。前作は2位、前々作(第一作)は4位が最高位だったから、3度目の正直でナンバーワンを獲得したことになる。
前2作ともひじょうに年齢の高い層を中心によく売れている。アメリカではすでにエルダー層(たとえば45歳以上の年齢層)が、ひんぱんにCDを買ったり、ライヴに行ったりするようになっているが、日本も徐々にそうなっていくのだろう。たとえば、先日のイーグルスやエリック・クラプトンなどはまさにそうした人たちもこぞってライヴ会場に足を運ぶ。
とはいうものの、アメリカのその層と比べ、日本はまだ絶対数はそれほどでもないのかもしれない。 このロッドのアルバムがアメリカで100万枚以上、売れるというのは、エルダー層が間違いなく購入している。そして、日本でこれが10万枚から20万枚売れるかというと、まだまだ微妙だ。前作はせいぜい1万5000枚くらいだというから、これからだ。
しかし、ノラ・ジョーンズがアメリカで300万枚以上売れ、日本でも50万枚を越えるとなれば、ロッドもアメリカ200万、日本で20万売れてもなんら問題ない。要は的確なプロモーションが、購買するであろう層に到達するか、ということになる。何もしないでそこそこ売れるものは、きちんと宣伝するともっと売れる。このロッドのアルバムは、まさにそんなアルバムだ。前2作は日本ではまったくの宣伝なしで埋もれてしまった。今作はぜひ、しっかり宣伝してたくさんの人に知ってもらいたい。
ノラ・ジョーンズ、あるいは、ナタリー・コールを買う人にこんどのロッドのアルバムはどんぴしゃだ。だから20代の人にもアピールしてもいいのだ。
ずっとロックンロールを激しく歌ってきたシンガーが、ふと自分が子供の頃聴いたスタンダードを歌う。すると、シンガーとともに年輪を重ねてきたリスナーがまた熱い声援を送る。シンガーはスタイルを変化させ、リスナーをあきさせることなく、その心をつかんだ。たとえば、日本では矢沢永吉が今、日本のスタンダードを歌うようなものだ。
そして、もうひとつ、このアルバムが1位になったのを機に、グラミーをぜひとってもらいたい。ロッドはこれまで7回ノミネートされているが、一度も受賞していない。同じイギリスのスティングの多数回受賞に比べると、雲泥の差だ。8度目の正直というか、スタンダード作3作目で、まさに3度目の正直か。91年のナタリー的な成功になるような予感がする。
と、思ったのだが、よくよく考えてみるとグラミーの今年度の締め切りは9月末日だったか。それ以降は来年度以降の扱いで、発表は2006年2月だ。あああ・・・。来年2月分も、無理ってことですね。それまでみんな覚えているかなあ。半年くらい売れつづければいいけどね。
+++
アルバム『グレイト・アメリカン・ソングブックVOL.3』に関しては、明日日曜の『ソウルブレンズ』内「ソウル・サーチン」(インターFM76.1、午後2時頃から)でも紹介します。
アルバムは11月24日に日本盤が発売されます。
ロッド・スチュワートの新作『グレイト・アメリカン・ソングブックVOL.3』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000666QVU/soulsearchiho-22%22/249-0741768-4060357が11月6日付ビルボードホットアルバム・チャートに1位で初登場した。前作は2位、前々作(第一作)は4位が最高位だったから、3度目の正直でナンバーワンを獲得したことになる。
前2作ともひじょうに年齢の高い層を中心によく売れている。アメリカではすでにエルダー層(たとえば45歳以上の年齢層)が、ひんぱんにCDを買ったり、ライヴに行ったりするようになっているが、日本も徐々にそうなっていくのだろう。たとえば、先日のイーグルスやエリック・クラプトンなどはまさにそうした人たちもこぞってライヴ会場に足を運ぶ。
とはいうものの、アメリカのその層と比べ、日本はまだ絶対数はそれほどでもないのかもしれない。 このロッドのアルバムがアメリカで100万枚以上、売れるというのは、エルダー層が間違いなく購入している。そして、日本でこれが10万枚から20万枚売れるかというと、まだまだ微妙だ。前作はせいぜい1万5000枚くらいだというから、これからだ。
しかし、ノラ・ジョーンズがアメリカで300万枚以上売れ、日本でも50万枚を越えるとなれば、ロッドもアメリカ200万、日本で20万売れてもなんら問題ない。要は的確なプロモーションが、購買するであろう層に到達するか、ということになる。何もしないでそこそこ売れるものは、きちんと宣伝するともっと売れる。このロッドのアルバムは、まさにそんなアルバムだ。前2作は日本ではまったくの宣伝なしで埋もれてしまった。今作はぜひ、しっかり宣伝してたくさんの人に知ってもらいたい。
ノラ・ジョーンズ、あるいは、ナタリー・コールを買う人にこんどのロッドのアルバムはどんぴしゃだ。だから20代の人にもアピールしてもいいのだ。
ずっとロックンロールを激しく歌ってきたシンガーが、ふと自分が子供の頃聴いたスタンダードを歌う。すると、シンガーとともに年輪を重ねてきたリスナーがまた熱い声援を送る。シンガーはスタイルを変化させ、リスナーをあきさせることなく、その心をつかんだ。たとえば、日本では矢沢永吉が今、日本のスタンダードを歌うようなものだ。
そして、もうひとつ、このアルバムが1位になったのを機に、グラミーをぜひとってもらいたい。ロッドはこれまで7回ノミネートされているが、一度も受賞していない。同じイギリスのスティングの多数回受賞に比べると、雲泥の差だ。8度目の正直というか、スタンダード作3作目で、まさに3度目の正直か。91年のナタリー的な成功になるような予感がする。
と、思ったのだが、よくよく考えてみるとグラミーの今年度の締め切りは9月末日だったか。それ以降は来年度以降の扱いで、発表は2006年2月だ。あああ・・・。来年2月分も、無理ってことですね。それまでみんな覚えているかなあ。半年くらい売れつづければいいけどね。
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アルバム『グレイト・アメリカン・ソングブックVOL.3』に関しては、明日日曜の『ソウルブレンズ』内「ソウル・サーチン」(インターFM76.1、午後2時頃から)でも紹介します。
アルバムは11月24日に日本盤が発売されます。
Song Of Heart, Gag Of Soul: Comedian/Musician Poca Ska Jan Will Show Their Performer’s Soul
2004年11月5日芸人魂。
世の中にはさまざまな芸を披露する人たちがいる。『フィールン・ソウル』のゲストにポカスカジャンの3人がやってきた。僕もテレビでしかその存在を知らなかったが、いやあ、スタジオでちょっとだけライヴをやってくれたが、おもしろかった。笑い転げた。
というより、すごかった。ギター2本に、いろんなものがついたドラムス。これらを持参しつつスタジオ入り。いつでもご要望があれば、すぐ音をだします、という感じ。まさに芸人だ。
津軽弁でボサノヴァの「イパネマの娘」のメロディーに乗せた曲を、前説付きで演奏。いやあ、めちゃくちゃ、おもしろい。しかも、ハモったりする。笑える。
話を聞くとなんと、ネタには「JB」というのもあり、あのジェームス・ブラウンの「セックス・マシン」をベースにした曲というか、歌といおうか、ネタをやるという。
ポカスカジャンは、大久保乃武夫(おおくぼ・のぶお)さん、玉井伸也(たまい・しんや)さん、中山省吾(なかやま・しょうご)さんの3人。楽器を使ったお笑いネタを試行錯誤して作り出すようになった。元々それぞれバンドマン、ミュージシャンだったという。だから歌とかハモルんだ。
ゴスペラーズはミュージシャンがトークばりばりで笑いを取る方向に行くが、ポカスカジャンはお笑いベースながらミュージシャンとしての方向性に近づきつつある、というので両者は歩みよっているんだ、ということになる。
それにしても、音楽でこれだけ笑わせてくれるのは嬉しい限り。これはびっくり、じっくりライヴでその芸を見てみよう。10月はかなりのライヴを日本全国でやっていた。11月、その凱旋ライヴがあるという。お笑い系お好きな方は、チェキ。きっと芸人魂を存分に見せてくれるだろう。
+++++
ポカスカジャン・『心の歌&魂のネタ』全国ツアー東京凱旋ライヴ
2004年11月12日(金)、19時半開演
六本木・センセーション
東京都港区六本木3−8−15日拓ビル1階
03−3479−7771
問い合わせ・ワハハ本舗 03−3406−4472
http://www.wahaha-hompo.com
ポカスカジャンのゲストの模様は、今週土曜日11月6日に『フィールン・ソウル』(東京FM系列、午後10時から)で放送されます。
世の中にはさまざまな芸を披露する人たちがいる。『フィールン・ソウル』のゲストにポカスカジャンの3人がやってきた。僕もテレビでしかその存在を知らなかったが、いやあ、スタジオでちょっとだけライヴをやってくれたが、おもしろかった。笑い転げた。
というより、すごかった。ギター2本に、いろんなものがついたドラムス。これらを持参しつつスタジオ入り。いつでもご要望があれば、すぐ音をだします、という感じ。まさに芸人だ。
津軽弁でボサノヴァの「イパネマの娘」のメロディーに乗せた曲を、前説付きで演奏。いやあ、めちゃくちゃ、おもしろい。しかも、ハモったりする。笑える。
話を聞くとなんと、ネタには「JB」というのもあり、あのジェームス・ブラウンの「セックス・マシン」をベースにした曲というか、歌といおうか、ネタをやるという。
ポカスカジャンは、大久保乃武夫(おおくぼ・のぶお)さん、玉井伸也(たまい・しんや)さん、中山省吾(なかやま・しょうご)さんの3人。楽器を使ったお笑いネタを試行錯誤して作り出すようになった。元々それぞれバンドマン、ミュージシャンだったという。だから歌とかハモルんだ。
ゴスペラーズはミュージシャンがトークばりばりで笑いを取る方向に行くが、ポカスカジャンはお笑いベースながらミュージシャンとしての方向性に近づきつつある、というので両者は歩みよっているんだ、ということになる。
それにしても、音楽でこれだけ笑わせてくれるのは嬉しい限り。これはびっくり、じっくりライヴでその芸を見てみよう。10月はかなりのライヴを日本全国でやっていた。11月、その凱旋ライヴがあるという。お笑い系お好きな方は、チェキ。きっと芸人魂を存分に見せてくれるだろう。
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ポカスカジャン・『心の歌&魂のネタ』全国ツアー東京凱旋ライヴ
2004年11月12日(金)、19時半開演
六本木・センセーション
東京都港区六本木3−8−15日拓ビル1階
03−3479−7771
問い合わせ・ワハハ本舗 03−3406−4472
http://www.wahaha-hompo.com
ポカスカジャンのゲストの模様は、今週土曜日11月6日に『フィールン・ソウル』(東京FM系列、午後10時から)で放送されます。
連鎖。
あれは、ミュージカル『ビッグ・リヴァー』を見た後(9月28日=http://diarynote.jp/d/32970/20040929.html)の帰り、ちょうど上大崎のミッドナイト・アワーに向かう途中だったと思う。カーラジオからは『ソウル・トレイン』が流れていた。その時ゲストで出ていたのが、ソイソウルで、なんとそこで彼らは「上を向いて歩こう」をキーボードとズーコの歌で披露していた。思わず、車を止めそうになるほど、聴き入ってしまった。もちろん、曲もいいのだが、ズーコのその曲の解釈力にうなってしまった。すぐに、マネジャーのT氏にメールした。これは、いつかCDにして欲しいな。
そんなソイソウルが、横浜モーション・ブルーに初登場。オープニングDJはオッシーということで、なかなか気分を盛り上げる。ショウは相変わらず絶好調のトークとともに繰り広げられるジャパニーズ・ブラック・ミュージックの数々。「ソウル・パワー」から始まり、5曲目にその「上を向いて歩こう」を、この日はサックスをいれたしっとりしたヴァージョンで聴かせた。ズーコの、スローにした「上を向いて歩こう」を聴いていると、車の中で『ソウル・トレイン』を聴いていたその場所が思い出された。ちょうど高速2号線が上を走る上大崎のあたりだ。あの時1回しか聴いていないのに、景色とともに記憶されていた事実に僕は驚いた。
この日はファーストとセカンドの入れ替えなし、ということで、ずいぶんと長居してしまったが、セカンドの頃になるといつしか満席になり、会場内の気温も上がっていた。それぞれのソロパートなど、見せ場も各自に作っており、ソウルバンドとしてのサウンドもまとまってきている。ファーストでバンドサウンドにうもれがちだったズーコやケイズのヴォーカルもセカンドセットではよく聴こえていた。
結局、ファースト1時間10分余、セカンド1時間半、曲目はダブルなしだから、一本にしたら2時間40分ライヴをやったことになる。やはり、ズーコのポジションは、ルーファスと一緒にやってる時のチャカ・カーン的な雰囲気が、僕には感じられる。日本のチャカ・カーンを目指してみてください。ルーファスって、ファンクだけど、ロック的な要素もあったんで、そのあたりでも似たもの同士。あるいはロータリー・コネクションのミニー・リパートンか。
セットの合間に、偶然来ていたプロデューサーNさんから、元フォルダーのダイチくんを紹介された。今、プリプロをやっているところだという。すごいらしいといううわさを聞いていたので、こんど音を聴かせてもらうことになった。と思えば、なんと、ガッツTKBのガッツが来てるではないか。久々。たまたま前日、恵比寿のブラウンシュガーでガッツの噂話をしていたところだったからびっくり。彼はセカンドでちょこっとステージに上げられ、ギターソロを弾かされた。しかし、そこで披露したのが、強烈なカッティングのリズムギターだった。ギターソロでこういうのを見せるというのはすごい。ガッツは、11月20日(土)、21日(日)、モーションブルーでライヴがある。
かと思えば、バンドメンバーの中で、野球選手の新庄くんによく似ているサックスの渡辺ファイアーさんは、自らのバンド、グー・パンチ(Goo Punch!)を持っていて、彼らも12月16日横浜サムズアップでライヴがある。実にファンキーなバンドらしいので、これは楽しみ。「ファンキーなインストのCDです。全員、一発録音で・・・」と渡辺さんは説明したくれた。家に戻ってCDを聴いたが、メイシオ・パーカー風のファンキーな作品でめちゃくちゃかっこいい。このライヴ感はすごい。一発録りの威力だ。
さらにダイチ君も11月20日(土)、渋谷オンエア・ウェストでライヴをやるという。この日は出演4アーティストのひとつ。それから、なんと11月17日に目黒のブルーズアレーで行われるスピリット・オブ・ザ・ブギーというバンドにゲストでズーコとガッツが登場する。いろいろ話を聞くと、要するにクール&ギャングの作品を中心に70年代ファンクをやろうというバンドらしい。バンド名はまさにクール&ギャングのヒットから取っている。楽屋でガッツが彼らのMDをちょろっと聴かせてくれた。ヴォーカルがどこかで聴いたことがある声だな、と思って尋ねると、なんと、我らがケイリブ・ジェームスではないか! これは何をおいても行かねばなるまい。と思ってブルーズアレーのウェッブにきたら、お〜〜っと満席で予約できないという。すごい・・・。
ズーコたちのライヴに1回きただけで、一挙に見たいライヴが増えてしまった。(笑) まあ、こういうのをチェインリアクションというのでしょうか。それとも芋づる式かなあ。あるいは友達の輪ですか。チェイン・オブ・ファンク・ギャングかな。
ソイソウル・デビューCD
I
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000AVTKT/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357
ソイソウル・移籍第一弾マキシシングル
Can’t Stop [MAXI]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002L4E86/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357
Setlist
Soysoul Live At Motion Blue
2004.11.3
First Stage
show started 18:32
1. Soul Power
2. True Color
3. I Know Me
4. Talkin’ To You
5. Sukiyaki (上を向いて歩こう)
6. You Are So Beautiful
7. Super Fly
8. Can’t Stop
show ended 19:42
Second Stage
show started 21:01
1. Sustain
2. I’m On My Way (with Aja, Aja’s Original Song)
3. とこしえの花
4. Wake Me Up
5. K-On’s Medley
6. Baby You
7. Why Don’t You...?
8. Soysoul
Enc. I Wish
show ended22.31
(2004年11月3日・水、横浜モーションブルー=ソイソウル・ライヴ)
あれは、ミュージカル『ビッグ・リヴァー』を見た後(9月28日=http://diarynote.jp/d/32970/20040929.html)の帰り、ちょうど上大崎のミッドナイト・アワーに向かう途中だったと思う。カーラジオからは『ソウル・トレイン』が流れていた。その時ゲストで出ていたのが、ソイソウルで、なんとそこで彼らは「上を向いて歩こう」をキーボードとズーコの歌で披露していた。思わず、車を止めそうになるほど、聴き入ってしまった。もちろん、曲もいいのだが、ズーコのその曲の解釈力にうなってしまった。すぐに、マネジャーのT氏にメールした。これは、いつかCDにして欲しいな。
そんなソイソウルが、横浜モーション・ブルーに初登場。オープニングDJはオッシーということで、なかなか気分を盛り上げる。ショウは相変わらず絶好調のトークとともに繰り広げられるジャパニーズ・ブラック・ミュージックの数々。「ソウル・パワー」から始まり、5曲目にその「上を向いて歩こう」を、この日はサックスをいれたしっとりしたヴァージョンで聴かせた。ズーコの、スローにした「上を向いて歩こう」を聴いていると、車の中で『ソウル・トレイン』を聴いていたその場所が思い出された。ちょうど高速2号線が上を走る上大崎のあたりだ。あの時1回しか聴いていないのに、景色とともに記憶されていた事実に僕は驚いた。
この日はファーストとセカンドの入れ替えなし、ということで、ずいぶんと長居してしまったが、セカンドの頃になるといつしか満席になり、会場内の気温も上がっていた。それぞれのソロパートなど、見せ場も各自に作っており、ソウルバンドとしてのサウンドもまとまってきている。ファーストでバンドサウンドにうもれがちだったズーコやケイズのヴォーカルもセカンドセットではよく聴こえていた。
結局、ファースト1時間10分余、セカンド1時間半、曲目はダブルなしだから、一本にしたら2時間40分ライヴをやったことになる。やはり、ズーコのポジションは、ルーファスと一緒にやってる時のチャカ・カーン的な雰囲気が、僕には感じられる。日本のチャカ・カーンを目指してみてください。ルーファスって、ファンクだけど、ロック的な要素もあったんで、そのあたりでも似たもの同士。あるいはロータリー・コネクションのミニー・リパートンか。
セットの合間に、偶然来ていたプロデューサーNさんから、元フォルダーのダイチくんを紹介された。今、プリプロをやっているところだという。すごいらしいといううわさを聞いていたので、こんど音を聴かせてもらうことになった。と思えば、なんと、ガッツTKBのガッツが来てるではないか。久々。たまたま前日、恵比寿のブラウンシュガーでガッツの噂話をしていたところだったからびっくり。彼はセカンドでちょこっとステージに上げられ、ギターソロを弾かされた。しかし、そこで披露したのが、強烈なカッティングのリズムギターだった。ギターソロでこういうのを見せるというのはすごい。ガッツは、11月20日(土)、21日(日)、モーションブルーでライヴがある。
かと思えば、バンドメンバーの中で、野球選手の新庄くんによく似ているサックスの渡辺ファイアーさんは、自らのバンド、グー・パンチ(Goo Punch!)を持っていて、彼らも12月16日横浜サムズアップでライヴがある。実にファンキーなバンドらしいので、これは楽しみ。「ファンキーなインストのCDです。全員、一発録音で・・・」と渡辺さんは説明したくれた。家に戻ってCDを聴いたが、メイシオ・パーカー風のファンキーな作品でめちゃくちゃかっこいい。このライヴ感はすごい。一発録りの威力だ。
さらにダイチ君も11月20日(土)、渋谷オンエア・ウェストでライヴをやるという。この日は出演4アーティストのひとつ。それから、なんと11月17日に目黒のブルーズアレーで行われるスピリット・オブ・ザ・ブギーというバンドにゲストでズーコとガッツが登場する。いろいろ話を聞くと、要するにクール&ギャングの作品を中心に70年代ファンクをやろうというバンドらしい。バンド名はまさにクール&ギャングのヒットから取っている。楽屋でガッツが彼らのMDをちょろっと聴かせてくれた。ヴォーカルがどこかで聴いたことがある声だな、と思って尋ねると、なんと、我らがケイリブ・ジェームスではないか! これは何をおいても行かねばなるまい。と思ってブルーズアレーのウェッブにきたら、お〜〜っと満席で予約できないという。すごい・・・。
ズーコたちのライヴに1回きただけで、一挙に見たいライヴが増えてしまった。(笑) まあ、こういうのをチェインリアクションというのでしょうか。それとも芋づる式かなあ。あるいは友達の輪ですか。チェイン・オブ・ファンク・ギャングかな。
ソイソウル・デビューCD
I
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000AVTKT/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357
ソイソウル・移籍第一弾マキシシングル
Can’t Stop [MAXI]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002L4E86/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357
Setlist
Soysoul Live At Motion Blue
2004.11.3
First Stage
show started 18:32
1. Soul Power
2. True Color
3. I Know Me
4. Talkin’ To You
5. Sukiyaki (上を向いて歩こう)
6. You Are So Beautiful
7. Super Fly
8. Can’t Stop
show ended 19:42
Second Stage
show started 21:01
1. Sustain
2. I’m On My Way (with Aja, Aja’s Original Song)
3. とこしえの花
4. Wake Me Up
5. K-On’s Medley
6. Baby You
7. Why Don’t You...?
8. Soysoul
Enc. I Wish
show ended22.31
(2004年11月3日・水、横浜モーションブルー=ソイソウル・ライヴ)
Studying Miles
2004年11月3日研究。
ウルフマン・ジャックのことを徹底的に調べ、スターダストを学んで一段落したと思ったら、こんどはマイルスである。一難去ってまた一難。(笑) ウルフマンはしゃべり足りなかった。スターダストは、ハロウィンに書かれた作品という事実を盛り込むことができなかった。さて、あのジャズの帝王、マイルス・デイヴィスを「山野ミュージックジャム」で2週に渡ってとりあげる。
この「ミュージック・ジャム」のコーナーは、基本的には、山野楽器が選んだ約700枚近くの「定盤」と呼ばれるアルバムから選んで紹介している。その他にも、旬なもので同店がプッシュするもの、あるいは番組的に僕たちが押したい物などを紹介する。マイルスは、もちろん定盤にはいっている。秋口にはジャズがいいということで、前々から予定されていたのだ。
マイルスの作品で、定盤に入っているのは次の作品だ。『死刑台のエレベーター』、『クッキン』、『リラクシン』、『スティーミン』、『ワーキン』、『バグス・グルーヴ』、『ウォーキン』、『クールの誕生』、『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』、『カインド・オブ・ブルー』、『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』、そして『ビッチズ・ブリュー』。以上12作も定盤になっているのだ。これはもちろん、山野楽器のアーティストの中で最多だ。
自分のホームグラウンドのソウル、R&Bだったらすらすらしゃべれるが、さすがにマイルスとなるといわゆる「マイルスおたく」も多数いるだろうから、下手なことはいえない。ということで、たくさんお勉強して、結局は僕なりの感想と切り口で紹介するしかないのだが、それでも最近は周囲から興味本位でかなりのプレッシャーをかけられている。マイルスは、さすがに僕からすればホームではなくアウェイである。
オッシーなどは、「アウェイのマイルスを吉岡さんがどうやるか、今から見ものですなあ」などと人事のようにてぐすねひいているのだ。
マイルスも膨大な自伝がある。いろんな書物もある。CDもそろえた。とりあえずかなりそろえたが、読むのにえらく時間がかかる。ここのところ、うちでは今、朝起きてから、寝るまでマイルスのCDがかかっている。すると、これがまた気持ちがいい。マイルス、いいんですよねえ。
ニューヨーク在住のソウルメートKからマイルスの秘蔵映像なども取り寄せた。彼は実はマイルスに関しては世界的なコレクターだ。正規盤だけでなく、いわゆるブートレッグなども膨大な量を持っている。そういう人が近くにいると、心強い。いろいろ話もきいた。
しかし、よく考えるとマイルスをテーマにしたら2時間でも4時間でも番組はできるだろうが、そこを「20分、2曲、トークは10分以内」を2週というひじょうに限定されたところでやる点がまあ、すごい。というか、無謀というか。(笑) 4分なんて雑談したら、それでぱっと終ってしまいますからねえ。気をつけないと。たださえのりのいいマーヴィンと僕とちーちゃんですからねえ。
ま、どうなるか、僕も楽しみだ。それにしてもこんな機会でもなければこう徹底してマイルスを聞くこともないので、ひじょうに喜ばしいチャンスを与えていただいて嬉しい。とはいうものの、このところ立て続けに勉強が続いて辛い辛い。(笑) 一夜漬けならぬ2週間漬けくらいかな。一夜漬けじゃできないのよ。
目標としては、まったくマイルス・デイヴィスを知らない人が番組を聴いて、「ほ〜〜、マイルスというのはそういう人間か、おもしろそうだ、一枚CD買ってみよう」と思っていただければ、とりあえずよしとしよう。
ウルフマン・ジャックのことを徹底的に調べ、スターダストを学んで一段落したと思ったら、こんどはマイルスである。一難去ってまた一難。(笑) ウルフマンはしゃべり足りなかった。スターダストは、ハロウィンに書かれた作品という事実を盛り込むことができなかった。さて、あのジャズの帝王、マイルス・デイヴィスを「山野ミュージックジャム」で2週に渡ってとりあげる。
この「ミュージック・ジャム」のコーナーは、基本的には、山野楽器が選んだ約700枚近くの「定盤」と呼ばれるアルバムから選んで紹介している。その他にも、旬なもので同店がプッシュするもの、あるいは番組的に僕たちが押したい物などを紹介する。マイルスは、もちろん定盤にはいっている。秋口にはジャズがいいということで、前々から予定されていたのだ。
マイルスの作品で、定盤に入っているのは次の作品だ。『死刑台のエレベーター』、『クッキン』、『リラクシン』、『スティーミン』、『ワーキン』、『バグス・グルーヴ』、『ウォーキン』、『クールの誕生』、『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』、『カインド・オブ・ブルー』、『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』、そして『ビッチズ・ブリュー』。以上12作も定盤になっているのだ。これはもちろん、山野楽器のアーティストの中で最多だ。
自分のホームグラウンドのソウル、R&Bだったらすらすらしゃべれるが、さすがにマイルスとなるといわゆる「マイルスおたく」も多数いるだろうから、下手なことはいえない。ということで、たくさんお勉強して、結局は僕なりの感想と切り口で紹介するしかないのだが、それでも最近は周囲から興味本位でかなりのプレッシャーをかけられている。マイルスは、さすがに僕からすればホームではなくアウェイである。
オッシーなどは、「アウェイのマイルスを吉岡さんがどうやるか、今から見ものですなあ」などと人事のようにてぐすねひいているのだ。
マイルスも膨大な自伝がある。いろんな書物もある。CDもそろえた。とりあえずかなりそろえたが、読むのにえらく時間がかかる。ここのところ、うちでは今、朝起きてから、寝るまでマイルスのCDがかかっている。すると、これがまた気持ちがいい。マイルス、いいんですよねえ。
ニューヨーク在住のソウルメートKからマイルスの秘蔵映像なども取り寄せた。彼は実はマイルスに関しては世界的なコレクターだ。正規盤だけでなく、いわゆるブートレッグなども膨大な量を持っている。そういう人が近くにいると、心強い。いろいろ話もきいた。
しかし、よく考えるとマイルスをテーマにしたら2時間でも4時間でも番組はできるだろうが、そこを「20分、2曲、トークは10分以内」を2週というひじょうに限定されたところでやる点がまあ、すごい。というか、無謀というか。(笑) 4分なんて雑談したら、それでぱっと終ってしまいますからねえ。気をつけないと。たださえのりのいいマーヴィンと僕とちーちゃんですからねえ。
ま、どうなるか、僕も楽しみだ。それにしてもこんな機会でもなければこう徹底してマイルスを聞くこともないので、ひじょうに喜ばしいチャンスを与えていただいて嬉しい。とはいうものの、このところ立て続けに勉強が続いて辛い辛い。(笑) 一夜漬けならぬ2週間漬けくらいかな。一夜漬けじゃできないのよ。
目標としては、まったくマイルス・デイヴィスを知らない人が番組を聴いて、「ほ〜〜、マイルスというのはそういう人間か、おもしろそうだ、一枚CD買ってみよう」と思っていただければ、とりあえずよしとしよう。
ファンク。
「さあ、ここからはみんなのリクエストでやろうじゃないか。みんな、何がいい? バラード、ブラジル、ソウル、ファンク、ジャズ?」 ハッピーなジョージが観客に尋ねる。すると、観客席からは「ファンク! ファンク!」の掛け声が。そして、「シャイン・オン!」。 ジョージは笑いながら、「わかったシャイン・オンだな」と言い、キーボードのスイッチで音色を調整しながら、カウントを始めた。
そして、「シャイン・オン」のイントロへ。ほぼ満員の客席が一気に熱くなる。
ベースがじつにのりがよく、いい感じ。徐々にチョッパーにしていくところなど、うまい。ギターも渋い。明るくハッピーで、気のいいジョージ・デューク。彼のライヴを見ているとなんとなく楽しくなる。
やはり、ジョージ・デュークはファンクが似合う。最後のアンコールでもファンクを求められて、ジョージ・クリントン(Pファンク)の「マザーシップ・コネクション」を演奏した。同じジョージでもジョージ違いだ。
そして、前半『アフターアワーズ』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HGOS/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357からのスロー系の作品に続いて登場したのは、なんとジェームス・ブラウンの「エイント・イット・ファンキー・ナウ」。これをぐっとテンポを落して、それでもグルーヴ感たっぷりに演奏した。この曲の途中ではオハイオ・プレイヤーズの「フーチークー」のフレーズをいれていた。
ところで、今回のライヴについての評価は賛否両論。ネガティヴなものとしては、流してやってるだけで、おもしろみに欠ける、ピークはすぎてるなあ、サウンドが荒いなど。ポジティヴ評価は、昔のヒットがいろいろ聴けて懐かしい、ジョージのキャラクターが楽しくていい、彼のファンクの部分が嬉しい、など。
それぞれ別の日に見たソウルメイトM1は、「今回のはオレはだめだったな」と言い、M2は「サイン会やってたんだ。そこで売ってたDVD買ってサインもらったんだよ。そしたら、そのDVDがずっと自分が欲しかったDVDでさ、めちゃくちゃ嬉しくなった」と興奮していた。そのDVDは、なんと20年以上前の日本でのライヴ映像だということだ。別のソウルメイトLは、初日に行って僕の携帯にジョージと一緒に映ってる写真を送ってきた。なんやかんやいいつつ、みんなちゃんと見に行ってるのよね。
George Duke First Set
show started 19:02
1. Diamonds
2. (From "After Hours" CD)
3. Ain’t It Funky Now (James Brown Song)
4. Anticipation
5. 6’O Clock In The Morning
6. Brazilian Love Affair
7. Shine On
ENC. Mothership Connection (Parliament song)
show ended 20:33
(2004年10月20日・水、ブルーノート・ファースト=ジョージ・デューク・ライヴ)
「さあ、ここからはみんなのリクエストでやろうじゃないか。みんな、何がいい? バラード、ブラジル、ソウル、ファンク、ジャズ?」 ハッピーなジョージが観客に尋ねる。すると、観客席からは「ファンク! ファンク!」の掛け声が。そして、「シャイン・オン!」。 ジョージは笑いながら、「わかったシャイン・オンだな」と言い、キーボードのスイッチで音色を調整しながら、カウントを始めた。
そして、「シャイン・オン」のイントロへ。ほぼ満員の客席が一気に熱くなる。
ベースがじつにのりがよく、いい感じ。徐々にチョッパーにしていくところなど、うまい。ギターも渋い。明るくハッピーで、気のいいジョージ・デューク。彼のライヴを見ているとなんとなく楽しくなる。
やはり、ジョージ・デュークはファンクが似合う。最後のアンコールでもファンクを求められて、ジョージ・クリントン(Pファンク)の「マザーシップ・コネクション」を演奏した。同じジョージでもジョージ違いだ。
そして、前半『アフターアワーズ』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HGOS/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357からのスロー系の作品に続いて登場したのは、なんとジェームス・ブラウンの「エイント・イット・ファンキー・ナウ」。これをぐっとテンポを落して、それでもグルーヴ感たっぷりに演奏した。この曲の途中ではオハイオ・プレイヤーズの「フーチークー」のフレーズをいれていた。
ところで、今回のライヴについての評価は賛否両論。ネガティヴなものとしては、流してやってるだけで、おもしろみに欠ける、ピークはすぎてるなあ、サウンドが荒いなど。ポジティヴ評価は、昔のヒットがいろいろ聴けて懐かしい、ジョージのキャラクターが楽しくていい、彼のファンクの部分が嬉しい、など。
それぞれ別の日に見たソウルメイトM1は、「今回のはオレはだめだったな」と言い、M2は「サイン会やってたんだ。そこで売ってたDVD買ってサインもらったんだよ。そしたら、そのDVDがずっと自分が欲しかったDVDでさ、めちゃくちゃ嬉しくなった」と興奮していた。そのDVDは、なんと20年以上前の日本でのライヴ映像だということだ。別のソウルメイトLは、初日に行って僕の携帯にジョージと一緒に映ってる写真を送ってきた。なんやかんやいいつつ、みんなちゃんと見に行ってるのよね。
George Duke First Set
show started 19:02
1. Diamonds
2. (From "After Hours" CD)
3. Ain’t It Funky Now (James Brown Song)
4. Anticipation
5. 6’O Clock In The Morning
6. Brazilian Love Affair
7. Shine On
ENC. Mothership Connection (Parliament song)
show ended 20:33
(2004年10月20日・水、ブルーノート・ファースト=ジョージ・デューク・ライヴ)
残り香。
金曜日にライヴを見てとても気に入ったファータイル・グラウンドからメンバー2人が『ソウルブレンズ』のスタジオにやってきた。リード・シンガーのナヴァーシャ・ダーヤと夫でもありキーボード奏者、バンドの音楽ディレクターも兼任のジェームス・コリンズだ。ナヴァーシャを近くで見るととてもエキゾチックな雰囲気が漂っていた。すると、彼女の血の中にはネイティヴ・アメリカン(インディアン)の血がはいっていると聞きなんとなく、ワイルド・マグノリアスと同一線上で捉えてしまったことを納得した。
ひじょうに音楽的に真面目な人たちで、人柄もとても親しみ易かった。放送になる前、軽く話をした。ナヴァーシャとジェームスはかなりストリクトなヴェジタリアンだという。ジェームスに勧められて、ナヴァーシャもそうなった。以来、すっかり体調面、精神面で変わったという。あまりいらいらしなくなるようだ。彼らの音楽を聴くと、とてもオーガニック(自然)でナチュラルな雰囲気が漂う。いかにも自然派だ。ただし、メンバーは赤い肉もどんどん食べるそうだ。
ちょうど『ソウルブレンズ』のキューシート(かかる曲名が書かれている一覧リスト)を見ながら、「これはいい選曲だ。あらゆるタイプの音楽がかかっている。アメリカのラジオはこうじゃないんだ」という話になり、しばしアメリカのラジオ局の話が盛り上がった。
ジェームスが言う。「ボルティモアのラジオは、ひとつの会社、一人があらゆる大きなラジオ局を持っていて、メインストリームでヒットしている10曲くらいを繰り返しかけて、他の曲をほとんどかけないんだ。だから、つまらないんで、僕たちはほとんどラジオを聴かない。まあ、いつも車に乗ってもみんなCD聴いてると思うよ」
ナヴァーシャが付け加える。「だからそういうところでは私たちの音楽はかからないわね。もしかかるところがあるとすれば、小さなカレッジ・ラジオかしら。CMがなく、音楽が好きな人たちが運営しているラジオね」
彼らは現在アメリカ国内、イギリスなどで年間約70本前後のライヴを行うという。また地元では毎週火曜日に「オーガニック・ソウル・テューズデイ」というイヴェントをやって、若手ミュージシャンとのコラボレーションや発掘をしている。
彼らは打ち込みをしない。すべてがリアル・ミュージシャンによるリアル・ミュージックだ。ジェームスが言う。「レコーディングとライティング(作曲)は別物だ。家で曲を書いても、レコーディングスタジオではどんどん変わったりする」 生音中心の彼らの新作『ブラック・イズ』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002YD844/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357を聴いて、一体どんなスタジオで何チャンネルくらい使っているのか興味を持ったので尋ねた。
「曲によって違うな。『リヴ・イン・ザ・ライト』は、37チャンネル使った。『ブラック・イズ』ではドラムスだけで18チャンネルを使ったよ。『アナザー・デイ』は16チャンネルだったかな」 「ドラムスだけで18チャンネル?」 「そうなんだ。エンジニアが友人で、とても音にこだわる男でね」
彼らの音楽をどのように一言で言うのか、DJマーヴィンが迷っていた。そこで、僕はライヴを見た感想を述べて、「アフリカン、ファンク、ジャズ、スピリチュアルなグループ」と言った。「つまり、全部ってことだね(笑)」 そして、彼らに彼らの音楽をジャンル分けではなく、一言で言うとどうなるかと尋ねるとジェームスはこう答えた。「僕たちはあらゆる音楽を聴くよ。リー・モーガン、コルトレーン、フェラ(・クティー)、アース・ウィンド&ファイアー、ダニー・ハザウェイから最近のものまで。ロックも聴くよ、最近はジョン・メイヤーがいいね。自分たちはラップはやらないけど、聴くことは聴く。僕たちがインスピレーションを受けられるものはなんでもね。かつてデューク・エリントンが言った。音楽には二種類しかない。いい音楽と悪い音楽だ。僕たちはいい音楽をやっていたいな」
ナヴァーシャは「チャカ・カーン、スティーヴィー・ワンダーなどなど。父親がレゲエバンドをやっていて、そこに13歳から21歳くらいまで入っていたので、そこでも影響を受けたわ」と言う。
彼らはとても音楽的な人物だった。オンエアが終って、雑談をしていると、なんとナヴァーシャがフランク・マッコムと同じハイスクールの先輩だということがわかった。「彼が覚えているかどうかはわからないけど、同じ高校だった。一度だけなんかの音楽フェスティヴァルで会ったことがある。そう、彼もとても音楽的な人よね。いつか何か一緒にやってみたいわね」
ライヴを見ていて、ソウルメイトM、Nらと彼女たちは一体いくつなのだろうかとしばし話題になった。僕はナヴァーシャは若く見えるが、意外と30代半ばではないだろうかと思った。なにより、その音楽的豊潤さ、肥沃から70年代の音楽をよく聴いていることが見てとれたからだ。すると、25くらい、いや、27くらいなどの声があがった。そしてでた結論は「外国人の年齢はほんとにわからない。年齢不詳だ」というもの。
最後、そこをはっきりさせねばならないと、帰り際にナヴァーシャとジェームスに生年月日を尋ねた。別にためらうこともなくナヴァーシャは教えてくれた。「私は、4月25日、1975年。いま29歳よ」 ちょうどジェームスに聞こうとしたら、彼が別の人と話をしていた。すると、ナヴァーシャが「ああ、ジェームスは2月12日、1976年、28歳、アクエリアス・・・」とすらすらと教えてくれた。「彼のほうが若いのよ(笑)」
こうしたまじめなミュージシャンが登場すると音楽番組的な香りがさらにぷんぷんしてきていい。そして彼らが去った後も、彼女の香水の匂いか、インドレストランあたりで香るような不思議な残り香がスタジオ内にあった。
金曜日にライヴを見てとても気に入ったファータイル・グラウンドからメンバー2人が『ソウルブレンズ』のスタジオにやってきた。リード・シンガーのナヴァーシャ・ダーヤと夫でもありキーボード奏者、バンドの音楽ディレクターも兼任のジェームス・コリンズだ。ナヴァーシャを近くで見るととてもエキゾチックな雰囲気が漂っていた。すると、彼女の血の中にはネイティヴ・アメリカン(インディアン)の血がはいっていると聞きなんとなく、ワイルド・マグノリアスと同一線上で捉えてしまったことを納得した。
ひじょうに音楽的に真面目な人たちで、人柄もとても親しみ易かった。放送になる前、軽く話をした。ナヴァーシャとジェームスはかなりストリクトなヴェジタリアンだという。ジェームスに勧められて、ナヴァーシャもそうなった。以来、すっかり体調面、精神面で変わったという。あまりいらいらしなくなるようだ。彼らの音楽を聴くと、とてもオーガニック(自然)でナチュラルな雰囲気が漂う。いかにも自然派だ。ただし、メンバーは赤い肉もどんどん食べるそうだ。
ちょうど『ソウルブレンズ』のキューシート(かかる曲名が書かれている一覧リスト)を見ながら、「これはいい選曲だ。あらゆるタイプの音楽がかかっている。アメリカのラジオはこうじゃないんだ」という話になり、しばしアメリカのラジオ局の話が盛り上がった。
ジェームスが言う。「ボルティモアのラジオは、ひとつの会社、一人があらゆる大きなラジオ局を持っていて、メインストリームでヒットしている10曲くらいを繰り返しかけて、他の曲をほとんどかけないんだ。だから、つまらないんで、僕たちはほとんどラジオを聴かない。まあ、いつも車に乗ってもみんなCD聴いてると思うよ」
ナヴァーシャが付け加える。「だからそういうところでは私たちの音楽はかからないわね。もしかかるところがあるとすれば、小さなカレッジ・ラジオかしら。CMがなく、音楽が好きな人たちが運営しているラジオね」
彼らは現在アメリカ国内、イギリスなどで年間約70本前後のライヴを行うという。また地元では毎週火曜日に「オーガニック・ソウル・テューズデイ」というイヴェントをやって、若手ミュージシャンとのコラボレーションや発掘をしている。
彼らは打ち込みをしない。すべてがリアル・ミュージシャンによるリアル・ミュージックだ。ジェームスが言う。「レコーディングとライティング(作曲)は別物だ。家で曲を書いても、レコーディングスタジオではどんどん変わったりする」 生音中心の彼らの新作『ブラック・イズ』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002YD844/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357を聴いて、一体どんなスタジオで何チャンネルくらい使っているのか興味を持ったので尋ねた。
「曲によって違うな。『リヴ・イン・ザ・ライト』は、37チャンネル使った。『ブラック・イズ』ではドラムスだけで18チャンネルを使ったよ。『アナザー・デイ』は16チャンネルだったかな」 「ドラムスだけで18チャンネル?」 「そうなんだ。エンジニアが友人で、とても音にこだわる男でね」
彼らの音楽をどのように一言で言うのか、DJマーヴィンが迷っていた。そこで、僕はライヴを見た感想を述べて、「アフリカン、ファンク、ジャズ、スピリチュアルなグループ」と言った。「つまり、全部ってことだね(笑)」 そして、彼らに彼らの音楽をジャンル分けではなく、一言で言うとどうなるかと尋ねるとジェームスはこう答えた。「僕たちはあらゆる音楽を聴くよ。リー・モーガン、コルトレーン、フェラ(・クティー)、アース・ウィンド&ファイアー、ダニー・ハザウェイから最近のものまで。ロックも聴くよ、最近はジョン・メイヤーがいいね。自分たちはラップはやらないけど、聴くことは聴く。僕たちがインスピレーションを受けられるものはなんでもね。かつてデューク・エリントンが言った。音楽には二種類しかない。いい音楽と悪い音楽だ。僕たちはいい音楽をやっていたいな」
ナヴァーシャは「チャカ・カーン、スティーヴィー・ワンダーなどなど。父親がレゲエバンドをやっていて、そこに13歳から21歳くらいまで入っていたので、そこでも影響を受けたわ」と言う。
彼らはとても音楽的な人物だった。オンエアが終って、雑談をしていると、なんとナヴァーシャがフランク・マッコムと同じハイスクールの先輩だということがわかった。「彼が覚えているかどうかはわからないけど、同じ高校だった。一度だけなんかの音楽フェスティヴァルで会ったことがある。そう、彼もとても音楽的な人よね。いつか何か一緒にやってみたいわね」
ライヴを見ていて、ソウルメイトM、Nらと彼女たちは一体いくつなのだろうかとしばし話題になった。僕はナヴァーシャは若く見えるが、意外と30代半ばではないだろうかと思った。なにより、その音楽的豊潤さ、肥沃から70年代の音楽をよく聴いていることが見てとれたからだ。すると、25くらい、いや、27くらいなどの声があがった。そしてでた結論は「外国人の年齢はほんとにわからない。年齢不詳だ」というもの。
最後、そこをはっきりさせねばならないと、帰り際にナヴァーシャとジェームスに生年月日を尋ねた。別にためらうこともなくナヴァーシャは教えてくれた。「私は、4月25日、1975年。いま29歳よ」 ちょうどジェームスに聞こうとしたら、彼が別の人と話をしていた。すると、ナヴァーシャが「ああ、ジェームスは2月12日、1976年、28歳、アクエリアス・・・」とすらすらと教えてくれた。「彼のほうが若いのよ(笑)」
こうしたまじめなミュージシャンが登場すると音楽番組的な香りがさらにぷんぷんしてきていい。そして彼らが去った後も、彼女の香水の匂いか、インドレストランあたりで香るような不思議な残り香がスタジオ内にあった。
特典映像。
今日の『ソウル・ブレンズ』(午後1時から5時・インターFM、76.1mhz)の「ソウル・サーチン」のコーナーで、プリンスの4枚組DVDセットを紹介することになった。そのためにそのDVDを見たのだが、これが大変なヴォリュームだった。映画3本で約5時間。まあ、映画は一度は見ていたのでちょっと他のことをやりながら再見という感じだったが、特典映像がすごい。これがまた3時間弱ある。監督のインタヴューなど初めて見るものなども多く、これは片手間に見るわけにはいかなかった。そして、いわゆるプロモーション・ヴィデオ・クリップもある。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002UOR3Y/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357
ちょっと内容を紹介してみよう。プリンスは1982年、2枚組のアルバム『1999』をリリース、大ヒットさせていた。そして、その次の作品として彼がしばらく前から構想を練っていた映画を作る。それが世界的大ヒットとなる『パープル・レイン』だ。映画は公開されて瞬く間に興行収入1位に、サントラも、ヒットシングルも1位になった。『パープル・レイン』は、プリンスにとっても最大のヒット作となった。
以後、彼は『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』(1986年)と『グラフィティー・ブリッジ』(1990年)という映画を作る。これらプリンス主演作3本をひとつのDVDパッケージにまとめたのが、『プリンス・フィルムズ・コンプリートBOX』(ワーナーホームビデオ、10290円税込み)である。
特典映像などには、映画『パープル・レイン』が公開された時の、ハリウッドでのプレミアパーティーの模様をライヴで中継したMTVの映像なども貴重でおもしろい。
84年初夏のことだが、当時の話題のスターたちが次々とでてくる。エディー・マーフィー、アル・ヤンコビック、シーラE、ライオネル・リッチー、ジョン・クーガー・メロンキャンプなどなど。20年前の『ベストヒットUSA』でも見ているかのようなラインアップだ。実際、そうなのだが。(笑)
その中で、メロンキャンプがちょうど『1999』がリリースされたとき、自分のライヴで、自らの演奏の間にラジカセをとりだし「リトル・レッド・コルヴェット」をかけ、観客に聴かせたというエピソードを語っていた。知らなかった。ジョン・クーガー、すばらしい。(笑)
また、『パープル・レイン』の映画監督アルバート・マグノーリの作品解説はひじょうにわかりやすく映画を見た後に見ると、作品の理解が深まる。彼の言葉によると撮影はわずか10日だったという。またプリンスが多くの曲をすでにこの映画のために用意していたこと、また、制作時点では「パープル・レイン」などの曲はまだできていなかったことなどを明かしている。
この中では、やはりプリンスと父との確執という点が興味深かった。あるいは、ミネアポリスのライヴハウス、映画の舞台となった「ファースト・アヴェニュー」についての関係者のインタヴューもおもしろかった。
『グラフィティー・ブリッジ』のテヴィン・キャンベル、実に若い。メヴィス・ステイプル、迫力ある。ジョージ・クリントン、なんで明日、日本に来ない?
プリンスファンの人は、パープルのジャケットとともに本作は必携品になりそうだ。ただ唯一残念なのは、日本語の解説がないこと。いわゆるライナーノーツがない。これら3作品がプリンスのキャリアの中でどのような位置にあるのか、プリンスがなぜ映画にここまで固執したのか、プリンスの映像へのこだわりはどれほどのものか、映画に隠される秘密などを文章で読みたかった。(依頼があればいつでも書きます。(笑)) それにしても、すごい量なので、一日では見切れないかもしれない。でも、ゆっくりお楽しみあれ。
『プリンス・フィルムズ・コンプリートBOX』(ワーナーホームビデオ、10290円税込み)
今日の『ソウル・ブレンズ』(午後1時から5時・インターFM、76.1mhz)の「ソウル・サーチン」のコーナーで、プリンスの4枚組DVDセットを紹介することになった。そのためにそのDVDを見たのだが、これが大変なヴォリュームだった。映画3本で約5時間。まあ、映画は一度は見ていたのでちょっと他のことをやりながら再見という感じだったが、特典映像がすごい。これがまた3時間弱ある。監督のインタヴューなど初めて見るものなども多く、これは片手間に見るわけにはいかなかった。そして、いわゆるプロモーション・ヴィデオ・クリップもある。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002UOR3Y/soulsearchiho-22/249-0741768-4060357
ちょっと内容を紹介してみよう。プリンスは1982年、2枚組のアルバム『1999』をリリース、大ヒットさせていた。そして、その次の作品として彼がしばらく前から構想を練っていた映画を作る。それが世界的大ヒットとなる『パープル・レイン』だ。映画は公開されて瞬く間に興行収入1位に、サントラも、ヒットシングルも1位になった。『パープル・レイン』は、プリンスにとっても最大のヒット作となった。
以後、彼は『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』(1986年)と『グラフィティー・ブリッジ』(1990年)という映画を作る。これらプリンス主演作3本をひとつのDVDパッケージにまとめたのが、『プリンス・フィルムズ・コンプリートBOX』(ワーナーホームビデオ、10290円税込み)である。
特典映像などには、映画『パープル・レイン』が公開された時の、ハリウッドでのプレミアパーティーの模様をライヴで中継したMTVの映像なども貴重でおもしろい。
84年初夏のことだが、当時の話題のスターたちが次々とでてくる。エディー・マーフィー、アル・ヤンコビック、シーラE、ライオネル・リッチー、ジョン・クーガー・メロンキャンプなどなど。20年前の『ベストヒットUSA』でも見ているかのようなラインアップだ。実際、そうなのだが。(笑)
その中で、メロンキャンプがちょうど『1999』がリリースされたとき、自分のライヴで、自らの演奏の間にラジカセをとりだし「リトル・レッド・コルヴェット」をかけ、観客に聴かせたというエピソードを語っていた。知らなかった。ジョン・クーガー、すばらしい。(笑)
また、『パープル・レイン』の映画監督アルバート・マグノーリの作品解説はひじょうにわかりやすく映画を見た後に見ると、作品の理解が深まる。彼の言葉によると撮影はわずか10日だったという。またプリンスが多くの曲をすでにこの映画のために用意していたこと、また、制作時点では「パープル・レイン」などの曲はまだできていなかったことなどを明かしている。
この中では、やはりプリンスと父との確執という点が興味深かった。あるいは、ミネアポリスのライヴハウス、映画の舞台となった「ファースト・アヴェニュー」についての関係者のインタヴューもおもしろかった。
『グラフィティー・ブリッジ』のテヴィン・キャンベル、実に若い。メヴィス・ステイプル、迫力ある。ジョージ・クリントン、なんで明日、日本に来ない?
プリンスファンの人は、パープルのジャケットとともに本作は必携品になりそうだ。ただ唯一残念なのは、日本語の解説がないこと。いわゆるライナーノーツがない。これら3作品がプリンスのキャリアの中でどのような位置にあるのか、プリンスがなぜ映画にここまで固執したのか、プリンスの映像へのこだわりはどれほどのものか、映画に隠される秘密などを文章で読みたかった。(依頼があればいつでも書きます。(笑)) それにしても、すごい量なので、一日では見切れないかもしれない。でも、ゆっくりお楽しみあれ。
『プリンス・フィルムズ・コンプリートBOX』(ワーナーホームビデオ、10290円税込み)
肥沃(ひよく)。
3本の羽根を頭につけ、ユニークな民族衣装に身を包んだリードシンガーは、ナヴァーシャ・ダーヤ。そしていかにもローカルバンドらしいメンバーがステージで準備を整える。ライヴを見るのは初めてだが、これは期待できそう。
ドラムス、ギター、パーカッション、トランペットとサックス、キーボードにコーラス2人、そして、ナヴァーシャの計9人のステージ。なぜかベースがいない。ベース部分はほとんどキーボードが担当している。日本ではほとんど無名のボルティモア出身のロウ(生の)・ジャズ・ファンク・グループ、ファータイル・グラウンドのライヴ。グループ名の「ファータイル・グラウンド」とは、肥沃な土地、といった意味。グループ名は中身を表していた。
一言で言えば、ものすごく70年代的なバンド。まさにオールドスクールな土着的ファンク系のバンドだ。最初に思い出したのが、ちょっとラテン系もはいっていたマンドリルというファンク・バンド。ファータイルたちもファンクをベースにジャズ、ラテン、アフリカ、レゲエ、ニューオーリンズ的なサウンドをまぶす。音楽的多様性がじつにある。それもかなりのオールドスクールスタイルで。この音楽的多様性をしてファータイル・グラウンド(肥沃な土地)と名乗るのはひじょうに納得がいく。
ゆったりとしたグルーヴ感のある1曲目「チェンジング・ウーマン」から、アップテンポの2曲目「リヴィング・イン・ザ・ライト」あたりで、充分このバンドのコンセプトはわかった。ヴォーカルのナヴァーシャの声は、エリカ・バドゥ、あるいはレイラ・ハザウェイのような低い落ち着いた声で魅力的。
曲によって、それぞれの楽器のソロを聴かせる部分もある。ちょっとチャーリー・パーカー似のサックスに、エディー・マーフィーかアイザック・へイズ似のトランペットの2人のホーンセクションがかなりのアクセントをつけている。各個人がとりたてて凄腕のミュージシャンということではないが、サウンドとしてひとつになると方向性がしっかりして、バンドのコンセプトが見事に浮かび上がる。70年代にジャズ・ファンク・グループという言葉で表されるバンドがあれば、こんな形になっていただろう。
70年代のジャズ・ファンク・バンド。もっとプロモーションすれば人気がでてもまったくおかしくない。少なくともワイルド・マグノリアスくらいまでは行くのではないか。メンバー紹介でキーボードのジェームス・コリンズが彼女の夫だと言っていた。なるほど夫婦ファンクバンドか。
途中でのインストになり、ナヴァーシャがそのリズムにあわせて踊っているところなど、何かヴードゥーの儀式かと思わせるような独特の雰囲気を醸し出していた。
アンコール手前の曲が終った後、彼女は叫んだ。「ピース、ビー・ナチュラル!(ピース、自然にふるまいましょう)」 それにしてもこのナチュラルなファンクをベースとした肥沃な音楽的土壌はいい。
Setlist (2nd) (At Tokyo Blue Note, 10/29)
show started 21:33
1. Changing Woman
2. Living In The Light
3. Spirit World
4. Yesterdays
5. Black Is...
6. Yellow Daisies
7. You
8. Being Natural
Enc. Let The Wind Blows
show ended 23:11
ブルーノートのウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20041029.html
グループのオフィシャルサイト(英語)
http://blackoutstudios.com/
ファータイル・グラウンドのメンバーが、31日(日曜)『ソウルブレンズ』(インターFM76.1mhz=午後1時から5時)で2時台にゲスト出演します。残るライヴは、ブルーノートは土曜日(30日)、日曜(31日)と月曜(1日)は横浜モーションブルーへ出演。
(2004年10月29日・金・ブルーノート東京・セカンドセット=ファータイル・グラウンド・ライヴ)
3本の羽根を頭につけ、ユニークな民族衣装に身を包んだリードシンガーは、ナヴァーシャ・ダーヤ。そしていかにもローカルバンドらしいメンバーがステージで準備を整える。ライヴを見るのは初めてだが、これは期待できそう。
ドラムス、ギター、パーカッション、トランペットとサックス、キーボードにコーラス2人、そして、ナヴァーシャの計9人のステージ。なぜかベースがいない。ベース部分はほとんどキーボードが担当している。日本ではほとんど無名のボルティモア出身のロウ(生の)・ジャズ・ファンク・グループ、ファータイル・グラウンドのライヴ。グループ名の「ファータイル・グラウンド」とは、肥沃な土地、といった意味。グループ名は中身を表していた。
一言で言えば、ものすごく70年代的なバンド。まさにオールドスクールな土着的ファンク系のバンドだ。最初に思い出したのが、ちょっとラテン系もはいっていたマンドリルというファンク・バンド。ファータイルたちもファンクをベースにジャズ、ラテン、アフリカ、レゲエ、ニューオーリンズ的なサウンドをまぶす。音楽的多様性がじつにある。それもかなりのオールドスクールスタイルで。この音楽的多様性をしてファータイル・グラウンド(肥沃な土地)と名乗るのはひじょうに納得がいく。
ゆったりとしたグルーヴ感のある1曲目「チェンジング・ウーマン」から、アップテンポの2曲目「リヴィング・イン・ザ・ライト」あたりで、充分このバンドのコンセプトはわかった。ヴォーカルのナヴァーシャの声は、エリカ・バドゥ、あるいはレイラ・ハザウェイのような低い落ち着いた声で魅力的。
曲によって、それぞれの楽器のソロを聴かせる部分もある。ちょっとチャーリー・パーカー似のサックスに、エディー・マーフィーかアイザック・へイズ似のトランペットの2人のホーンセクションがかなりのアクセントをつけている。各個人がとりたてて凄腕のミュージシャンということではないが、サウンドとしてひとつになると方向性がしっかりして、バンドのコンセプトが見事に浮かび上がる。70年代にジャズ・ファンク・グループという言葉で表されるバンドがあれば、こんな形になっていただろう。
70年代のジャズ・ファンク・バンド。もっとプロモーションすれば人気がでてもまったくおかしくない。少なくともワイルド・マグノリアスくらいまでは行くのではないか。メンバー紹介でキーボードのジェームス・コリンズが彼女の夫だと言っていた。なるほど夫婦ファンクバンドか。
途中でのインストになり、ナヴァーシャがそのリズムにあわせて踊っているところなど、何かヴードゥーの儀式かと思わせるような独特の雰囲気を醸し出していた。
アンコール手前の曲が終った後、彼女は叫んだ。「ピース、ビー・ナチュラル!(ピース、自然にふるまいましょう)」 それにしてもこのナチュラルなファンクをベースとした肥沃な音楽的土壌はいい。
Setlist (2nd) (At Tokyo Blue Note, 10/29)
show started 21:33
1. Changing Woman
2. Living In The Light
3. Spirit World
4. Yesterdays
5. Black Is...
6. Yellow Daisies
7. You
8. Being Natural
Enc. Let The Wind Blows
show ended 23:11
ブルーノートのウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20041029.html
グループのオフィシャルサイト(英語)
http://blackoutstudios.com/
ファータイル・グラウンドのメンバーが、31日(日曜)『ソウルブレンズ』(インターFM76.1mhz=午後1時から5時)で2時台にゲスト出演します。残るライヴは、ブルーノートは土曜日(30日)、日曜(31日)と月曜(1日)は横浜モーションブルーへ出演。
(2004年10月29日・金・ブルーノート東京・セカンドセット=ファータイル・グラウンド・ライヴ)