△マイケル・ジャクソンのリハーサル模様

リハーサル。

昨日(7月3日=金)、CNNなどでマイケル死去2日前のリハーサルの映像が放送されていた。歌われていた曲は、「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」(1996年のヒット)だった。かなり激しい踊りをバックダンサーがやり、それにあわせてマイケルも踊る。特に問題があるようにはとても見えなかった。

この記録映像は、将来的に「メイキング」を作るときのための映像と思われるが、これがまさか遺作映像になるとは、だれも思っていなかったにちがいない。

インタヴューに、ヴォーカル・コーチとしてドリアン・ホリーが出ていた。彼も「特に変わったことはなかった」と言った旨の証言をしていた。ドリアンは、最初の1987年9月来日時にコーラスの一員として来ていた人物だ。

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久しぶりに『ウィ・アー・ザ・ワールド』のDVDを見た。ここには45人のアーティストたちが参加しているが、この中で死去しているのは、レイ・チャールズだけだった。そして、誰がこの中で次に亡くなるがマイケルだなんて思い描いただろうか。マイケルはこのとき26歳だ。

クインシーもまだ若い。ライオネルも、そして、ダイアナも。1985年1月のドキュメントだから、もう24年も前のことになる。

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ワックスポエティックスの第5号の準備が進んでいる。月末に発売されるが、今回は僕はなんとマイルス・デイヴィスの記事を翻訳した。マイルスの1972年から1975年にかけての『オン・ザ・コーナー』からしばらくの期間にスポットを当てた記事。マイケル・ヘンダーソン、エムトゥーメ、ピート・コージーらに、この時期のサウンドについて、実際にマイルスとプレイしてきたアーティストとして話を聞いている。これはおもしろい。

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昨日(7月3日)は、収録の後、ゴスペラーズ@武道館。久々にメンバーに会った。それにしても、武道館、超満員。東・西、ステージの真横までぎっちりファンが座ってる。15年間、やり続けてきた自信と、感謝にあふれていた。好きな歌を歌い、これだけの人たちに支持され愛され続けるということは、シンガーにとってこの上ない幸せだ。そして、今日は、マーチンの千穐楽。

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☆ジョージ・クリントン(Pファンク)、パーラメント/ファンカデリック9月に来日

来日。

ジョージ・クリントンがパーラメント/ファンカデリックをひっさげて2009年9月に来日、NHK主催の『東京ジャズ』の9月5日、昼の部に登場する。同ジャズのホームページで発表された。クリントンの来日はかなり久しぶり。

2009年9月5日(土)午後1時からの部。この部には他に神保彰、ジョン・スコフィールドが出る。クリントンが何番目に登場するかはわからない。果たして、きっちり1時間でライヴを終えることができるのだろうか。メンバーなどはまだ発表されていない。

今年の東京ジャズは、9月4日夜の部から、9月6日の夜まで、金曜から日曜まで5ステージ。

詳細はこちらへ↓
http://www.tokyo-jazz.com/index.html

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マイケルの遺書。

マイケル・ジャクソンの遺書の内容に驚いた。子供の後見人にマイケルの母というのはわかるとしても、もし母キャサリンが引き受けられなくなったら、ダイアナ・ロスに頼むとしていた。これは本当に驚いた。

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◎【オリジナル・アン・ヴォーグもマイケル・ジャクソンへ捧げる】

迫力。

サンフランシスコ、オークランド出身の女性4人組グループとして1990年代に大きな人気を獲得したアン・ヴォーグの2008年2月以来、5回目の来日ライヴ。今回は、シンディー、マキシーン、テリーに加え、オリジナルのドーンが参加。オリジナル・アン・ヴォーグとして登場した。(ちなみに前回はローナが参加、その前はローナなしの3人)

バックはドラムス、ベース、キーボードの3人だが、しっかり厚めのサウンドを作り、多くの曲に4人のセクシーな振り付けをつけ、徹底して観客をエンタテインする。思い切りハイ・エナジーなショー。それぞれがリードを交代に取り、誰がリードを取っても、しっかり歌いこなす。ドーンは、「リスペクト」や「ギヴィング・ヒム・サムシング…」などでリードを取っていた。

この日は最初の立ち位置で左からテリー(MCの中心)、ドーン(迫力、衣装についた黒のヒラヒラが印象的)、マキシーン(唯一の袖ありシャツ)、シンディー(唯一のミニ・スカート)という並び。4人が揃って踊ると相当インパクトがある。

中盤の女性ソウル・シンガーのヒット曲メドレー12曲は、いつもながら強烈だった。そして、「ホールド・オン」に入る前に、確かテリーが「音楽的天才、マイケル・ジャクソンは、体はいなくなってしまいましたが、ソウルはずっと私たちの中に生き続いていきます」と言って、マイケルへ捧げる歌を歌った。これが、奇しくもラファエル・サディークも曲の中に挟みこんで歌っていた「フーズ・ラヴィング・ユー」。アン・ヴォーグのレディー4人は、最初、アカペラで歌い始め、途中からバンド演奏がついた。とてもよかった。

途中から観客はかなり立ち上がっていたが、アンコールでは、1階のアリーナ席は総立ちになっていた。

■ 過去記事

2008年2月13日付け
▽4人のアン・ヴォーグ・ライヴ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080213.html
(前回ライヴ評)

March 01, 2006
En Vogue: Whatta Girl, Whatta Girl
http://32970.diarynote.jp/?day=20060301
http://blog.soulsearchin.com/archives/000857.html
(前々回ライヴ評)

■ メンバー

~アン・ヴォーグ~
テリー・エリス/Terri Ellis(Vocals)
シンディー・ヘロン・ブラッグス/Cindy Herron Braggs(Vocals)
ドーン・ロビンソン/Dawn Robinson(Vocals)
マキシーン・ジョーンズ/Maxine Jones(Vocals)
~バックバンド~
イライジャ・グリーン/Elijah Green(Bass)
ダンテ・ロバーソン/Dante Roberson(Drums)
ウォルター・ホーキンズ/Walter Hawkins(Keyboards)

■セットリスト アン・ヴォーグ @ ビルボード・ライヴ
Setlist : En Vogue @ Billboard Live Tokyo, June 30, 2009

show started 21:32
01. Intro; Does Anybody Hear Me
02. Love Don’t Love You
03. No, No, No, Can’t come Back
04. My Lovin’ (You’re Never Gonna Get It)
05. You Don’t Have To Worry
06. Lies
07. Riddle
08. Diva’s Medley: Ain’t No Mountain High Enough
Got To Be Real
Bad Girls
Ring My Bell
Best Of My Love
I Heard It Through The Grapevine
Respect
Lady Marmalade
Tell Me Something Good
Square Biz
My House
Proud Mary
09. Giving Him Something He Can Feel
10. Whatta Man
11. Don’t Mess With My Man
12. Don’t Let Go (Love)
13. Who’s Loving You (Dedicated To Michael Jackson)
14. Hold On
Enc. Free Your Mind
show ended 22:39

(2009年6月30日火曜、ビルボード・ライヴ東京=アン・ヴォーグ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>En Vogue
2009-71

○【ルーサー・ヴァンドロス逝去から4年】

命日。

あのソング・スタイリスト、ルーサー・ヴァンドロスが2005年7月1日に亡くなってからはや4年。今日は4周年の命日だ。2006年7月1日には、目黒のブルース・アレイで『ソウル・サーチン~トリビュート・トゥ・ルーサー・ヴァンドロス』を行った。あれからでも、もう3年かと思うと、時が経つのは本当にはやい。

2年4ヶ月ぶりのイヴェント『ソウル・サーチン』、今回はみなさんの多くのリクエストに答えてアイズリー・ブラザーズである。そういえば、ルーサーで「ラヴ・ザ・ワン・ユア・ウィズ」をやったが、アイズリーもこの曲をやっている。

準備は順調に進んでいるのでいらっしゃる方はぜひ楽しみにしていただきたい。

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マイケル・ジャクソンの死去に関連して、毎日新聞に追悼文を寄稿した。いま、毎日新聞のサイトを見たのだが、まだアップされていないようだ。明日以降にアップされると思うので、そのとき追記でリンクを張ることにする。

マイケル・ジャクソン関連記事

2009年6月30日付毎日新聞夕刊
「黒人音楽を世界中の音楽にしたスーパースター~マイケル・ジャクソンさんを悼む」

2009年6月29日付け日本経済新聞夕刊
「M・ジャクソンさん、CD黄金期と共に去りぬ」

また、6月29日付け日本経済新聞夕刊の「M・ジャクソンさん、CD黄金期と共に去りぬ」という記事にコメントを寄せた。これも、ネットで読めるかと思いきやまだ見つけられない。

もしそれらの新聞をお持ちでしたら、ごらんください。

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■ ブログについてのお知らせ

メインサイトであるソウル・サーチン・ブログのサーヴァが昨日(2009年6月30日)からダウンしております。ホームページ本体、アーカイブなどは生きていますが、ブログの古いもの2008年1月から最新のものまでが、個々では見られなくなっています。2007年までは、ホームページ→目次→Diary過去分で月ごとに収録されています。

ブログ自体は、ミラー・サイトとして次のところにアップしておりますので、引き続きごらんください。最新の日記もデイリーでアップしています。

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/little_diary.cgi
(過去1000件分=約3年弱分。ここには写真が載せられません。過去1000件分が入っていますが、古い順から消えていきます。ソウル・サーチン・ダイアリーとして、ここから2002年6月スタートしました)

http://32970.diarynote.jp/
(2003年3月21日以降のブログ。ここには2003年3月以降のものがすべて収録されています。写真はほとんどありません。)

http://ameblo.jp/soulsearchin/
(2007年3月27日以降のブログ。前回のソウル・サーチン以降始めたアメブロ。写真なども載せています。コメントもトラックバックも承認制ですが可能です)

本サイトがダウンしている間は、このアメブロがお勧めです。
また、同じアメブロで『マーヴィン・ゲイ物語 引き裂かれたソウル』ブログを始めました。本に関することをアップしています。こちらもよろしく。

http://ameblo.jp/divided-soul/

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◎【メイズ・フィーチャリング・フランキー・ビヴァリー、9月来日決定】

ワンショウ。

日本でもファンク系ソウル・ファンの間で根強い人気を持つ、メイズ・フィーチャリング・フランキー・ビヴァリーの来日が決まった。2009年9月22日(火)から26日(土)まで、24日を除いた4日間、丸の内コットン・クラブ。今回はコットン・クラブ始まって以来初めて、1日ワン・ショーとなる。通常は2ショー入れ替え。今回のメイズには、日本から元々メイズのメンバーであるフィリップ・ウーも参加する。フィリップは、今年、メイズのアメリカでのツアーとイギリスでのツアーの一部に参加している。メイズの来日は、1989年11月、青山のスパイラル・ホール、1994年9月横浜グラマラス以来15年ぶり3度目のことになる。予約開始日など詳細は、コットン・クラブへ。電話03-3215-1555、受付時間 午前11時から午後11時まで。日曜・祝日は午後9時まで。または、http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/

ENT>ANNOUNCEMENT

○【「タッチ・オブ・エレガンス」~往年のソウル・ショーを現代に蘇らせる】

リアクション。

日本在住のソウル・シンガー、ゲイリー・アドキンスとデイヴィッド・キングの2人が仲間のAJとカルヴィンを誘って4人組ソウル・ヴォーカル・グループを結成。その名は「タッチ・オブ・エレガンス」、お披露目ライヴを行った。TBSラジオでの『カキーン』で一緒になったノーナ・リーヴス西寺郷太さんを誘いブルース・アレイに直行。ファーストの途中、「マイ・ガール」あたりで会場入り。なんと、驚いたことに、ステージに木下航志くんが。なんで? (笑) しかも、ものすごく受けていた。

まず何がすごいって、観客の反応だ。(笑) ブルース・アレイには、かなりのブラザー&シスターたちが集まって、まるで基地の中のライヴ・ハウスみたいな雰囲気だ。みんなうるさく騒ぐ。それも楽しんで。東京近辺在住のアフリカン・アメリカンのシンガー、ミュージシャンはほとんど来ていたんじゃないかというほどの集まりぶり。ま、大体「モースト・ノイジエスト・マン・イン・ザ・ハウス」(そのライヴハウスで一番うるさい男)の称号を持つ、我らがソウルメイト、M品より、もっとうるさい。

「タッチ・オブ・エレガンス」は、ファーストが白いスーツ、セカンドが黒のスーツをびしっと着こなし、しかも、振り付けも決めている。選曲は、1960年代から1970年代までのソウル・ヒットばかり。しかも、大体日本で大ヒットしたような「超ベタな」曲ばかり。これは受ける。ダンス・ヒットあり、スロー・バラードあり。観客を巻き込んだコール&レスポンスもたっぷり。まるでパーティーさながらだ。

ゲイリーも声は高いが、デイヴィッドの力強いファルセットには驚いた。特にアース・メドレーでの彼のファルセットは超強力。また、ブルー・マジックの「ホワッツ・カム・オーヴァー・ミー」でのムードたっぷりのファルセットも素晴らしかった。そして、たとえば「ワイルド・フラワー」などでのカルヴィンの声は、バリトン系。AJもリードをとり、結局4人ともしっかりリードを取る。アカペラで歌った「ソー・マッチ・イン・ラヴ」は、もうちょっとベースの声が欲しかったが、雰囲気はよかった。そこから流れて「スタンド・バイ・ミー」「キューピッド」「アンダー・ザ・ボード・ウォーク」そして、また「スタンド・バイ・ミー」に戻るあたりも、オールド・スクールのヴォーカル・グループを彷彿とさせて大受けしていた。

「今日は、われわれのミュージカル・ディレクター、フィリップ・ウーの誕生日だ!」と言って、みんなで「ハッピー・バースデイ」を歌った。そしてアンコールは、ゲイリーが歌ってキムタクのCMで大ヒットした「愛がすべて」。

バンドは歌伴に徹していたが、さらにタイトにすればもっともっとよくなるだろう。初めてのライヴとしては、かなりよかったのではないだろうか。次回10月くらいをメドに第二弾ができそうだ。このブルース・アレイでは「ブレンダ・ヴォーン・ソウル・ショー」が着実に人気を集めるようになっているので、この「タッチ・オブ・エレガンス」も回数を重ね、やり続ければきっと人気アクトになっていくと思う。

■ メンバー

Gary Adkins and David King presents ~ A Touch of Elegance A Night of R&B Soul~

(Vo)Gary Adkins、David King、Calvin Youngblood、A.J. Johnson
(HAMMOND A-100)Philip Woo (Key)Anthony Johnson (Ds)Bert Adams
(B)Clifford Archer (G)Pat Pryor

■セットリスト ア・タッチ・オブ・エレガンス
Setlist : A Touch Of Elegance @ Blues Alley, June 29,2009
[denotes original artist]

01. Intro
02. Get Ready [Temptations]
03. I Can’t Get Next To You [Temptations]
04. Papa Was A Rolling Stone [Temptations]
05. Welcome The People (Ohio Players music)
06. I Can’t Help Myself [Four Tops]
07. My Girl (with Kishita Koushi) [Temptations]
08. Ballad Medley: Sideshow ~ You Make Me Feel Like Brand New ~ What’s Come Over Me [Blue Magic, Stylistics, Blue Magic]
09. Backstabbers [O’Jays]
10. Treat Her Like A Lady [Temptations]
show ended 20:38

second set

show started 21:16
01. Earth Wind & Fire Medley: In The Stone ~ September ~ Fantasy  ~ Let’s Groove ~ Boogie Wonderland
--.  Happy Birthday To Philip Woo
02. (Acapella) So Much In Love [Tymes]
03. Stand By Me ~ Cupid  ~ Under The Boardwalk ~ Stand By Me [Ben E King, Sam Cooke, Drifters]
04. (Trouble Man: Instrumental version) (Introducing members)
05. Ain’t No Stopping Us Now [McFadden & Whitehead]
06. Shout [Isley Brothers]
07. Wildflower [Skylark, New Birth]
08. Fantasy (Full Version) [EWF]
Encore. Can’t Give You Anything But My Love [Stylistics]
show ended 22:22

(2009年6月29日月曜、目黒ブルース・アレイ=タッチ・オブ・エレガンス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Touch Of Elegance
2009-70

◆FM東京『ワンス~マイケル特集』がポッドキャストで1週間だけ聴けます

2009年6月26日(金)午前11時半から東京FMで放送された『ワンス』(DJトムセン陽子)がポッドキャストで聴けます。トークだけで音楽部分はありません。1週間限定とのこと。下記サイト、右側のボックスで6月26日を選んでお聴きください。ファイルが11時台、12時台で4つのファイルに分かれています。12時台パート1では、湯川れい子さんと電話をつないで話をしています。

http://www.tfm.co.jp/once/index.php?blogid=38&archive=2009-6-26

★マイケル・ジャクソンの死とマーヴィン・ゲイの死

愛情欠落。

マイケル・ジャクソンの死については何から書いていいか、正直わからない。とりあえず、一昨日、簡単に「マイケルが成し遂げたこと」をまとめたが、書きたいことは山ほどあり、あれはほんの氷山の一角だ。

個人的なマイケルとの接点や思い出についても書いてみたいが、なかなか整理がつかない。

そんな中、金曜日朝から取材を受けたりラジオに出たりする中で、いろいろ話をしているうちに、徐々に少しずつ自分なりの考えがまとまってきた。

そして、昨日(日曜)、『ソウル・ブレンズ』に出ているときに、DJオッシーと「(この番組では)先週のマーヴィンが父の日特集で、父との確執が話題になったけど、このマイケルも父との確執があって、何か因縁めいたものを感じるね」という話しになった。

その通りで、マイケル・ジャクソンも幼少時代に父親から体罰を受け、長い間、マイケル自身が父から愛されていないと感じていた。なぜマイケルの父も、マーヴィンの父も、よりによって兄弟の中で一番才能がある子供に冷たくあたるのだろう。これは解明したい永遠の謎だ。やはり自分にないものを持っていることに嫉妬するのだろうか。

そうした幼少時代の愛情の欠落が、彼をより内向的な性格にした。そして彼は幼い頃からスターだったために、通常の子供が経験する子供時代を経験することができなかった。この十代の「子供時代の欠落」「父からの愛情の欠落」が、彼の後の性格、行動に大きな影を落とすことになる。よって我々通常の人間の常識がまったく通用しない人間になってしまった。そんな彼を我々の尺度にはめ込んで話をしようとしても、土台無理なのだ。そして人は自分と異質のものを排除しようとする。これもまた、別の意味での人種差別と言ってもいい。

マイケル・ジャクソンは生涯、「黒人」と「白人」という人種問題に悩まされ、また、「一般地球人」と「特殊な家庭に生まれ育った特殊な才能を持った異星人」という人種の狭間に悩まされ続けたのだ。

~~~

生贄(いけにえ)。

僕がおととい「マイケル・ジャクソンが成し遂げたこと」の最後に「マイケルはメディアに翻弄されたメディアの最大級の犠牲者でもあった」と書いたのは、フジ・テレビで放送された2時間の特番を見たからだ。もともと同様のことは感じていたが、アメリカのメディアはまだしも、日本のメディアは、マイケルが音楽、エンタテインメントの世界で成し遂げたことをまったくといっていいほど紹介しない、紹介しなければ、評価のしようもない。数字だけ並べればいいというものではない。彼がなぜこれほどの宇宙一のスーパースターになったのかを正しく説明できなくては2時間も番組をやってもまったく意味がない。

この国のメディアは、アート、エンタテインメントに対して口先だけは評価するようなことを言うが、真にその意味を理解していないようだ。次にこの件に関することを書くときには、マイケルはメディアの最大の生贄(いけにえ)になったアーティストとしたい。

昨日、ニューヨークに住む写真家のしおりさんからメールが来た。(僕のブログへリンクを張ったのでその挨拶メールだった) 彼女はマイケルを2002年ごろ(20歳のとき=彼女は1982年生まれ)、「アース・ソング」で知り、衝撃を受けたという。彼女がそれまでテレビなどで見ていたマイケルは、変人のマイケルの姿ばっかりだったと言い、自身のブログでこう書いている。

「不運にもそれまで私の周りには、
彼がこんなにも才能溢れるエンターテイナーだなんて
教えてくれる人はいなかった。

私の世代でそれを知ってる人は実は少ないのかも。

だから20歳の時に初めて「アース・ソング」を聴いた時も、
「ビリー・ジーン」のライブ・パフォーマンスの映像を見た時も、
衝撃が大きすぎて本当に鳥肌がたった。

それと同時に今後はメディアのいう事を鵜呑みにするものか! と
自分の安易さを恥じたのも覚えている」(川崎詩織のブログ=2009年6月28日付けより)

全文の載ってる彼女のブログは、こちら↓
http://shiorikawasaki.blog.shinobi.jp/Date/20090628/1/

~~~

地獄。

昨日の『サンデイ・ソング・ブック~モータウン・アーカイブ』で山下達郎さんは、マーヴィン・ゲイの自伝・伝記『マーヴィン・ゲイ物語』を読了したことを話し、最後にジャクソン5の「アイ・ウォント・ユー・バック」をかける前に、マイケルの逝去のことを「マーヴィン・ゲイ同様にアメリカ芸能界の地獄で燃え尽きてしまいました」と評した。本当にその通りだと思う。

I Want You Backは、世界中の誰もが、マイケルに戻ってきて欲しい、という願いだ。それは前日のラファエル・サディークがライヴでこれを歌ったことにも現れている。そして、僕はマイケルにこの曲を贈りたい。You Are Not Alone.

このYouをマイケルに置き換えて捧げたい。

You Are Not Alone 
(Written by R.Kelly, Song by Michael Jackson)

Another day has gone
I’m still all alone
How could this be
You’re not here with me
You never said goodbye
Someone tell me why
Did you have to go
And leave my world so cold

Everyday I sit and ask myself
How did love slip away
Something whispers in my ear and says
That you are not alone
For I am here with you
Though you’re far away
I am here to stay

But you are not alone
For I am here with you
Though we’re far apart
You’re always in my heart
But you are not alone

’Lone, ’lone
Why, ’lone

Just the other night
I thought I heard you cry
Asking me to come
And hold you in my arms
I can hear your prayers
Your burdens I will bear
But first I need your hand
Then forever can begin

Everyday I sit and ask myself
How did love slip away
Something whispers in my ear and says
That you are not alone
For I am here with you
Though you’re far away
I am here to stay

For you are not alone
For I am here with you
Though we’re far apart
You’re always in my heart
For you are not alone

Whisper three words and I’ll come runnin’
And girl you know that I’ll be there
I’ll be there

You are not alone
For I am here with you
Though you’re far away
I am here to stay
For you are not alone
For I am here with you
Though we’re far apart
You’re always in my heart

For you are not alone
For I am here with you
Though you’re far away
I am here to stay

For you are not alone
For I am here with you
Though we’re far apart
You’re always in my heart

For you are not alone...

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毎日新聞に筆者のコメントが掲載されています。(2009年6月26日付け夕刊)↓
http://mainichi.jp/enta/music/news/20090626dde041200032000c.html
(時間の経過とともにリンクが消える可能性があります)

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告知。

今日、『カキーン』(TBS954hz=関東地区)(月曜午後6時~9時)ゲスト出演します

マイケル・ジャクソン特集。ノーナ・リーブスの西寺郷太さんやホフディラン・小宮山さんらとともに「マイケルが私たちに残したもの」を探ります。6時から登場する予定。時間がたっぷりあるので、西寺さんらとじっくりとマイケル談義ができると楽しみにしています。

番組ホームページ
http://www.tbsradio.jp/kakiiin/
番組へのメールは、 kakiiin@tbs.co.jp  まで。

ENT>ARTIST>Jackson, Michael
ENT>ANNOUNCEMENT>Jackson, Michael

▲【ラファエル・サディーク~マイケルへ捧げて】

トリビュート。

メンバーがステージに上がり、いきなり始まったのが、ジャクソン・ファイヴのヒット曲「アイ・ウォント・ユー・バック(帰って欲しいの)」。(ラファエルも同名異曲を歌っているが、今回はジャクソン5のカヴァー) 

ラファエル・サディークとしては初ライヴ。かつて、トニ・トニ・トニで横浜の関内ホールで90年代初めに見た。その後、トニ・トニ・トニが大阪ブルーノートに来たが、ラルフはいなかったという。2000年ごろ、お台場のソウル・トレイン・キャフェでトニ・トニ・トニとして来日。そのときもラルフはいなかったのかな。はっきり覚えていない。ラファエルは最近はすっかりプロデューサーとして売れっ子。

もはやトニ・トニ・トニは卒業か。全曲、トニ時代を封印し、ラファエルのソロ活動をメインにした選曲。特に、最近でた最新作『ザ・ウェイ・アイ・シー・イット』を中心にしたステージ。これも、このところの1960年代、1970年代の古き良きソウルを彷彿とさせるCDのサウンドをステージで再現しようという、実にごきげんなものだった。結論から言えば、めちゃくちゃ楽しい、そしてバンドがうまく、いい感じだ。ドラムス、ギター、ベース、キーボードに2人のコーラス&ダンス担当。

2人のバックコーラスの踊りっぷりが最高だ。そしてそれにラファエルをあわせた3人の振り付けもいい。エイミー・ワインハウスの「リハブ」のライヴ映像で見たような、激しいダンスだ。それにしてもここまでテンプス(下記セットリスト12あたりは、テンプスの「オンリー・ザ・スキン・ディープ」あたりを彷彿)、フォー・トップス、ミラクルズ(スモーキー・ロビンソン)、オーティス・レディングらのオールド・スクールを彷彿とさせるとは。また12曲目の後半でマイケル・ジャクソンへの追悼コメントも出た。

全員黒のスーツに白いシャツにネクタイ、というこれまた渋いスタイリッシュなスタイルでクール。また、途中で歌った女性シンガー、エリカ・ジェリーがとてもよかった。歌も迫力あり、踊りも最高だ。いきなり歌い出したときにはこちらがのけぞったほど。ラファエルの歌自体は普通なのだが、全体的なパッケージのプロデュース力が素晴らしい。やはりプロデューサーだからなのかな。

ブレンダ・ヴォーンが客席に。彼女は、地元オークランドでラファエルやアン・ヴォーグの先輩。彼らがまだ無名の頃、地元オークランドで彼らとよく一緒にやっていたという。彼らがブレンダを頼ってきていた。ラファエルは途中で彼女の名前を挙げていた。この日のショーを見てブレンダは「ソー・オークランド・ショー! あの、ブレイクしたり、激しく踊ったりは、まさにオークランド・ソウルよ」と興奮気味に言う。

ところでRaphaelの発音なのだが、みんな「ラフィエール」と「エ」のところにアクセントが来るように発音するようだ。

■メンバー

ラファエル・サディーク(ヴォーカル)Raphael Saadiq(Vo)
ビリー・ケンプ(バック・ヴォーカル)Billy Kemp(back vo)
エリカ・ジェリー(バック・ヴォーカル)Erika Jerry(back vo)
チャールズ・ジョーンズ(キーボード)Charles Jones(key)
ロブ・ベーコン(ギター)Rob Bacon(g)
カルヴァン・ターナー(ベース)Calvin Turner(b)
カール・カーター(ドラムス)Carl Carter(ds)

■アルバムRaphael Sadique

1)Instant Vintage (2002)
2)All Hits At The House Of Blues (2003)

3)Ray Ray (2004)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002T24HG/soulsearchiho-22/ref=nosim/

4) 最新作 The Way I See It (2008) denotes *

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001LWJZIE/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■セットリスト ラファエル・サディーク
Setlist : Raphael Saadiq @ Blue Note Tokyo, June 26, 2009

show started21:32
01. I Want You Back [Jackson Five]
02. Keep Marchin’ * =(CD "The Way I See It"-2008)
03. Love That Girl *
04. 100 Yard Dash *
05. Dance Tonight / Lala (Lucy Pearl)
06. Be Here (CD "Instant Vintage"-2002)
07. Doing What I Can (CD "Instant Vintage")
08. Don’t Mess With My Man (Lucy Pearl)
09. Never Give You Up *
10. Just One Kiss *
11. Let’s Take A Walk *
12. Sure Hope You Mean It *
13. Staying In Love *
14. Outro 1
Enc. Skyy, Can You Feel Me (CD "Instant Vintage")
Enc. Big Easy *(CD"The Way I See It")
Enc. Outro 2 (Let The Sunshine In/Aquarius)
show ended 22:50

(2009年6月26日金曜、青山ブルーノート東京=ラファエル・サディーク・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sadiq, Raphael


■(お知らせ) マイケル・ジャクソン特番~出演情報

【マイケル・ジャクソン特番~出演情報】

緊急出演。

マイケル・ジャクソンの急死に伴い、各地で特別番組、番組内のコーナー特集などが続々行われている。その中で、吉岡正晴が次の2本に出演する。

1)『ソウル・ブレンズ』(インターFM76.1mhz=東京地区)(日曜午後3時~5時) 

マイケル・ジャクソン特集。この2時間のどこかでコメントします。
質問、リクエストなどはmarvin@interfm.jp まで。

2)『カキーン』(TBS954hz=関東地区)(月曜午後6時~9時)

マイケル・ジャクソン特集。ノーナ・リーブスの西寺郷太さんやホフディラン・小宮山さんらとともに「マイケルが私たちに残したもの」を探ります。6時から登場する予定。

番組ホームページ
http://www.tbsradio.jp/kakiiin/
番組へのメールは、 kakiiin@tbs.co.jp  まで。

■マイケル・ジャクソン エッセンシャル (1枚買うなら)↓

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001QL35M2/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ANNOUNCEMENT>Jackson, Michael





●マイケル・ジャクソンが成し遂げたこと

【マイケル・ジャクソン~世紀のスーパースター】

追悼。

昨日(6月26日=金)は朝から電話やメールがひっきりなしだった。「キング・オブ・ポップ」「ポップ・アイコン」マイケル・ジャクソンが2009年6月25日(木曜日)午後2時26分(アメリカ・ロスアンジェルス時間。日本時間26日、午前6時26分)に、ロス・アンジェルスの病院で死亡が宣告された。50歳だった。

すでに各方面から追悼の言葉が寄せられている。マイケルの3部作(『オフ・ザ・ウォール』1979年、『スリラー』1982年、『バッド』1987年)をプロデュースしたクインシー・ジョーンズが言う。

「私はこのまったく予期せぬ悲劇に完璧に打ちのめされています。マイケルにはすべてがあった。才能、優雅さ、プロフェッショナリズム、そして、献身の心だ。私は今日、小さな弟を失った。私のソウルのひとかけらが彼とともにどこかに飛んでいってしまったようだ」

そして、何かあると必ずコメントを出すアル・シャープトン牧師。

「マイケル・ジャクソンは先駆者であり、歴史的人物だ。マイケル・ジャクソンは、タイガー・ウッズ以前に、オプラ・ウィンフリー以前に、バラク・オバマ以前に、黒人が受け入れられる文化を作り上げたのだ。そうした人々が、スポーツの世界、政治の世界、テレビの世界で成し遂げてきたことを、マイケルは音楽の世界で成し遂げた。どんな議論も彼が成し遂げた歴史的インパクトを消すことはできない」

功績。

ここでは、マイケル・ジャクソンが成し遂げたことに的を3点に絞って書いてみたい。

最大の功績はそれまで黒人音楽と白人音楽の間にあった厳然たる垣根を乗り越え、黒人音楽を黒人だけのものではなく、白人の、世界中の音楽にしたことだ。ゴスペルとブルーズから生まれた黒人大衆音楽は、当初白人アーティストに何度も搾取されてきた。それが、マイケルの登場によって、搾取されることなく、対等の地位を築き、それだけでなく、今度は白人音楽をも搾取するほどの勢いを見せたのだ。アメリカのポピュラー音楽史上においてこれは歴史的転換点だ。

2番目に、彼の歌が天才的にうまいというだけでなく、踊り(ダンス)も天才的にうまいということがあった。それまでも歌がうまい、踊りがうまいというエンタテイナーはいた。だがひとりでその2つの要素を天才的に見せることができるアーティストはいなかった。これもポップス史上における歴史的な転換点だ。それまでもダンスとシンギング(歌うこと)は常に大衆音楽の中で密接なつながりを持っていた。だが、マイケルほどそれを徹底してうまく見せたアーティストはいなかった。

3番目に、彼が音楽と映像を効果的に融合させ、それを成功させた初めてのアーティストということがある。1981年MTVの登場によって、音楽業界は、否が応にもヴィジュアルの影響を受けることになる。そんな中、「ビリー・ジーン」「ビート・イット」、そして、ショートフィルム「スリラー」の映像のヒットは、続くプロモーション・ビデオの発展へ最大級の影響を与えた。音楽と映像の融合もまた、音楽界における歴史的転換点だった。

もう一点、これは功績ではないが、指摘しておきたいのが、彼はメディアによって誰もが想像し得ないほどのスーパースターになった最大の人物だが、同じくメディアによって誰もが想像し得ないほどの地獄へ落とされたエンタテイナーである、ということだ。スターにしたのもメディア、しかし、スターの座から引きずり降ろそうとしたのもメディア。諸刃の剣であるメディアの残虐性がもっとも顕著に出た例であり、マイケル・ジャクソンはメディアに翻弄されたメディアの最大級の犠牲者でもあった。そこには黒人であるマイケル・ジャクソンと白人メディアという対立軸も見え隠れする。

マイケルが音楽、エンタテインメントの世界で成し遂げたこと、それはあまりに大きい。彼の影響を現在の音楽界で排除することは不可能だ。その影響はエンタテインメントの世界だけにとどまらず、マイケル・ジャクソンという名の世界的な「文化(カルチャー)」「社会現象」となった。そして、2009年6月25日、彼は真の伝説となった。

(明日以降でマイケルの項、評伝なども)

■『マイケル・ジャクソン観察日誌』 マイケルの徹底した年表、データ資料事実の積み重ねからわかるマイケル・ジャクソンの真実

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093860130/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■『マイケル・ジャクソン裁判』 マイケルの裁判詳細。いかにメディアが彼を貶めようとしたか。無罪への全記録。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860203208/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ARTIST>Jackson, Michael
ENT>OBITUARY>Jackson, Michael (August 29, 1958 ~ June 25, 2009 - 50)

⊿(速報)マイケル・ジャクソン死亡
Michael Jackson Dies At 50

訃報。

マイケル・ジャクソンが、2009年6月25日(木)午後(日本時間=26日午前)、ロス・アンジェルスで死去した。全米メディアなどの報道によると、25日午後12時21分(LA時間=日本時間午前4時21分)救急車がマイケル・ジャクソンの自宅に呼ばれた。救急車が到着した時点で心肺停止になっており、その後蘇生を試みたが、亡くなった、と伝えている。死因などはまだ発表されていない。来月からロンドンで50本のライヴを行う予定になっていた。

マイケル・ジャクソンは1958年(昭和33年)8月29日、インディアナ州ゲイリー生まれ。兄弟とともにジャクソン・ファイヴのリード・シンガーとして、モータウン・レコードから1969年に11歳でメジャー・デビュー。天才シンガーとして、瞬く間にスーパースターとなった。1975年、モータウンを離れエピック・レコードへ移籍。1979年、ソロ・アルバム『オフ・ザ・ウォール』を発表。世界的ヒットに。さらに、1982年12月『スリラー』を発表。アメリカだけで2000万枚以上を売る未曾有の大ヒットになった。

(詳細は後ほど)


△(速報)アリ・オリ・ウッドソン来日中止

2009年7月4日、5日に丸の内コットン・クラブで行われる予定だった元テンプテーションズのリード・シンガー、アリ・オリ・ウッドソンのライヴが体調不良のため急遽中止になった。6月25日、同クラブから発表された。4日は、元々アリ・オリのバックを務める予定だったフィリップ・ウー・バンドがそのまま登場、5日は休演するという。

+++

アリ・オリは前回のデニス・エドワーズのテンプスも体調不良で来日をキャンセル、代わりにGCキャメロンが来日しており、ファンとしては心配がつのるところだ。

☆【ソウル・サーチン~アイズリー・ブラザーズ準備進む】

準備。

『マーヴィン・ゲイ物語 引き裂かれたソウル』のプロモーションもしつつ、『ソウル・サーチン』のイヴェントの準備も進めなければならない。よくよくカレンダーを見ると、なんともう一月を切っている。昨日ケイリブと会っていろいろと打ち合わせをした。候補曲を絞り込み、あとは誰がどれを歌うかを決めていく。それぞれのシンガーが歌いたい、得意な曲のリクエストを募り、曲とシンガーの組み合わせは、まるでパズルをはめていくようだ。でも、この曲にこのシンガーだとどんぴしゃだなんてことを考えながら、パズルを作っていくのは想像以上に楽しい。

ケイリブが言う。「僕が『ソウル・サーチン』次は、アイズリーだっていったら、友達がみんな、あれを聴きたい、これをやってくれ、っていうリクエストがすごいんだ。マイスペースなんかで書き込まれてるんだよ」

一方、今回アイズリーについていろいろ調べているが、思ったほど、ロナルドに関する情報などがでてこない。そういえば、アイズリーって基本的にインタヴュー嫌いだったなあ、というのを思い出した。

昔からのブラック・アーティストは、白人メディアのインタヴューを受ける時に、どうしても「つっぱる」というか、「背伸びする」傾向がある。それは、マーヴィン・ゲイの伝記でも出てくるが、それによって、白人ライターはそれをおもしろおかしく脚色して書いたりする。すると、しゃべった本人はへそを曲げる。どんどんメディアへの不信感が大きくなる。そこであるとき、「もう一切、インタヴューは受けない」なんてことになる。マイケル・ジャクソンなんてその最たる例だ。

また、「インタヴューを受けて、何か得することがあるのか」「それでレコードが売れるのか」と考えるアーティストもいる。となると、わざわざ貴重な時間を費やしてインタヴューなんかしなくてもいい、と思う者もでてくる。特にある程度毎回レコードが売れているアーティストなどは、インタヴューなんか受けなくたって、ラジオでかかってレコードが売れて、コンサートに人が来ればいい、と考える。アイズリーズなんか、まさにそうだ。時々インタヴューは出ていたが、彼らのレコードはアメリカのソウル・ステーションではヘヴィー・ローテーションでかかる。そしてレコードが売れるから、インタヴューによる露出などさして必要もない。

さてそういうわけで、アイズリーズのインタヴューがあまりないので、一生懸命レコードを聴いて、イメージを膨らますことにしている。フライヤーを配っていると、「僕(わたし)、アイズリー、大好きなんです」という声をものすごくよく聞く。そんなにアイズリー、人気だったのか、と改めて思わせられている今日この頃。

■ 「ソウル・サーチン」いよいよ間近に7月に開催

毎回一組のソウル・アーティストをピック・アップし、トークとライヴ・ミュージックでそのアーティストの魅力に迫る音楽ファンから大好評のイヴェント「ソウル・サーチン」 2年4ヶ月ぶり通算8回目はアイズリー・ブラザーズにスポット! 「ソウル・サーチン」でのグループは初。

2009年7月14日(火)、15日(水)目黒ブルース・アレー
詳細は http://blog.soulsearchin.com/archives/002928.html
ソウルを知りたい、楽しみたい人はブルース・アレーに直行!



イヴェント名 『ブルース・アレー・ジャパン・プレゼンツ~ソウル・サーチン: ザ・セッションVol.3 ~ア・トリビュート・トゥ・アイズリー・ブラザーズ』
日時 2009年07月14日(火曜) July 14 (Tuesday), 2009
日時 2009年07月15日(水曜) July 15 (Wednesday), 2009
出演 ケイリブ・ジェームス&ザ・ソウル・サーチャーズ・フィーチャリング・フィリップ・ウー
[ケイリブ・ジェームス=キーボード・ヴォーカル、フィリップ・ウー=キーボード、ゲイリー・スコット=サックス&パーカッション、高田真=ドラムス、原武=ベース、マサ小浜=ギター、中澤信栄(Gatz)=ギター・ヴォーカル、ロビー・ダンジー=コーラス、タイロン・デイヴィス=コーラス、ユリ=コーラス]
ゲスト 木下航志、シャンティ ブレンダ・ヴォーンほか
トーク・パネリスト 司会 吉岡正晴、松尾潔(予定)、尾臺順子、岡伸昭
(出演アーティストはさらに増える見込みです)

開場 18時
セッション 第一部 19時半~20時45分 第二部 21時~22時15分 (予定)
会場  目黒・ブルース・アレー http://www.bluesalley.co.jp/
住所  〒153-0063 東京都目黒区目黒1-3-14
ホテルウィング・インターナショナル目黒B1F
予約専用電話  03-5740-6041
当日のお店の番号 03-5496-4381
料金  5500円(チケット代)+525円(席料)+ドリンクなど、立ち見は5000円 当日券は各料金\500UP (各税込)
主催・制作  ソウル・サーチン実行委員会
お問い合わせ先 
soul_searchin_the_session@yahoo.co.jp

内容  トーク・パネリストが、アイズリー・ブラザーズについて縦横無尽に語り、ケイリブ&ソウル・サーチャーズとゲストたちがアイズリーズの作品群を自由自在に再現します。アイズリーを知らない人にはわかりやすく、よく知っている人にはマニアックなネタを、歌と演奏とトークで、アイズリーの魅力をたっぷりご紹介する、アイズリー三昧な夜です。

■ アイズリー・ブラザーズ ~予習に1枚~エッセンシャル

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002T22UU/soulsearchiho-22/ref=nosim/

これは名盤『3+3』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005G8SD/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『ハーヴェスト・フォー・ザ・ワールド』これも名盤

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005G8SF/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT>

◎名刺入れ忘れて、翌日取りに行くの巻

【バーに名刺入れを忘れた】

忘れ物。

前日(6月23日)、トクズ・ラウンジが行われたバーになぜか名刺入れを忘れてしまった。何人かの知り合いと久しぶりに偶然会ったり、そこで別の人を紹介されたりで名刺を何枚か交換したのでそのとき忘れてしまったのだろう。そうそう、元レコード会社のY氏から紹介され名刺交換したひとりI氏は、なんとソウル好きで、毎週のようにインターFMの『ソウル・ブレンズ』を聴いているという。「この前の回、よかったですよ、マーヴィン・ゲイの特集」 紹介してくれた方が、「それでしゃべってますよ」と言い、僕がしゃべってると、「ああ、あのラジオの声だ」と言われた。(笑) で、もちろん、『マーヴィン・ゲイ物語』のフライヤーを渡した。

そして、名刺入れがなくなっていたのに気づいたのが翌日夕方。バッグの中やズボンのポケットなどを見るがどうしてもない。そこで、バーに電話してみると、「ありました!」との答え。夜、取りに行った。ちなみにこの名刺入れ、失くすのは2度目で、前回も発見されて無事戻ってきていたもの。あのときは、どこかで落として丸の内警察に届けられた。

さて、いきなり入口でバーの最高責任者賢志さんが、「あ~昨日はどうも」。名刺入れを取りに来たというと、すぐに出してくれた。そして、僕がたまたま着てたセヴィアン・グローヴァーの『ノイズ&ファンク』のTシャツを見て、「(タップ・ダンサーの)セヴィアン最高ですよね」と話し始めた。

「赤坂のブリッツにこれを見に行ってね、本当に打ちのめされたんですよ。その前に『ストンプ』を見たときは、エンタテインメントっていう感じで『イエー』とか言って楽しめたんですけど、このセヴィアンのには、もう口あんぐりで、逆に何も声が出なくなってしまいましたね。あまりのすごさに」 

「わかるわかる。あれは強烈だったよね。3人のタップの先輩にトリビュートして、その先輩のスタイルをやってみせたりしてね。セヴィアンは、言ってみれば、(映画監督の)スパイク・リーなんかと同じジャンルだから、強烈なブラックネスがあるよね」

「あの(リーが監督した)『バンブーズレッド(Bamboozled)』(2000年)が大好きなんですけど、あれ、日本語版がないんですよね。向こうの奴を見てるんですけど。字幕とかないんでしょうか」

セヴィアン直系のオマー・エドワーズが来月横浜ランドマークで行われる『ハーレム・ナイツ』で来日するというと、「ええっ、本当ですか、それは絶対行きます、行きます。ユーチューブとかでは見たことあるんですけど、本物の生は見たことないです」と興奮気味。彼は仕事が日曜しか休みではないので、日曜しか行けない、とのことだったが、『ハーレム・ナイツ』は日曜もある。「あ、でも確か日曜は午後2時くらいからだったような気がする」 「うーむ、起きられるかなあ」と彼は不安気味。

しかし、彼もブラックネス濃いなあ。(笑)

■ 過去関連記事

2003/03/22 (Sat)
Bring In ’Da Noise, Bring In ’Da Funk: Soul explosion!
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200303/diary20030322.html
オマーの従兄弟で師匠的存在のセヴィアン・グローヴァーのタップが登場する『ノイズ・アンド・ファンク』ライヴ評

ということは、このTシャツ、6年前のかな。(笑) 部屋着です、部屋着。

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『ハーレム・ナイツⅧ(8)』開催概要 

【日時】
2009年7月29日(水)30日(木)31日(金)開場18:00 開演19:00
2009年8月 1日(土)昼の部 開場13:00 開演14:00
2009年8月1日(土) 夜の部 開場18:00 開演19:00
2009年8月 2日(日)開場13:00 開演14:00
(パフォーマンスは約2時間半の予定です)

【会場】
横浜ランドマークタワー5階 ランドマークホール
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1
http://www.landyou.jp/event/hall/index.html

【出演者】
ロン・グラント(ヴォーカル)
キンバリー・ニコール(ヴォーカル)
オマー・A・エドワーズ(タップ)
アーロン・スウィナトン(キーボード)
ナザニエル・タウンスレイ・サード(ドラムス)
トニー・スティーブンソン(ベース)
レジー・ハインズ(サックス)
コーリー・ヘンリー(ハモンドオルガン)

【チケット料金】 5500円(税込み)チケットぴあ、ローソン、イープラス、ランドマークプラザ3階インフォメーション・カウンターなどで発売

【お問合せ】ランドマークホール 045-222-5050 (平日10:00~17:00)

ENT>ESSAY>Tap

○【トクズ・ラウンジ~ロイ・ハーグローヴ・グループが参加】

乗っ取り。

昨年(2008年)9月からずっと月1回のペースで西麻布のバーで行われている「トクズ・ラウンジ」。ミュージシャンのトクがDJをして、仲間たちと気軽にセッションをするというもの。先月初めて観戦したが、これが実に楽しかったのでまた今月も深夜だが、参加。

ちょうど、店に入ろうとしていたところ、見るからにミュージシャンというブラザー軍団がバーに入ろうとしていた。誰かと思えば、ロイ・ハーグローヴのメンバーたちだった。ちょうど、ブルーノートで今週ライヴをやっていて、それを終えてやってきたようだ。メンバーの一人に「プレイするの?」と聞くと、「ハングアラウンドするだけだよ」。

トクの親しいメンバー柴田さん(キーボード)、藤井さん(ドラムス)に、安田さん(ベース)にトクという4人編成で、まずはハービーの「バタフライ」から。客席はほぼ満員。徐々にミュージシャンも観客も暖まると、1曲目後半から、いきなり、ロイ・ハーグローヴがトランペット持参でジョイン。特にリハーサルなんかも必要なく、そこに流れている音に、リズムに合わせて自由自在のパフォーマンスが繰り広げられる。しかし、このゆるい感じながら、熱が帯びてくるとみんなムキになるところがすばらしい。そして、そのセッションぶりを見ていたら、他のメンバーも参加したくなったようで、次々とステージに向かい始める。

1曲でほぼ全員にスペースのあるソロを回すために、曲が長くなるが、長さを感じさせない。おそらく各個人のミュージシャンとしてのレヴェルがひじょうに高いところにあるからなのだろう。

2曲目「ロック・ウィズ・ユー」は、もちろん、マイケルの曲だがトクの最新作でもカヴァーしているヴァージョン。サビのところ「ロック・ウィズ・ユ~~」とトクが歌うと、客席、特にロイ・ハーグローヴ・チームあたりから大声で「オールナイト~~」とコーラスがつく。最高にいい雰囲気。3曲目「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」では、曲の途中でドラムスが藤井さんからロイのバンドのモンテスへ交代。さらに4曲目では、ベースもロイ・グループからのメンバーに交代、ドラムスにトミー・キャンベルが入り、そして、ロイも再度参加、さらにサックスのジャスティン、キーボード奏者までセッションに参加。いつの間にか、ほぼロイ・ハーグローヴたちにステージは乗っ取られていた。

観客も一応ライヴがあるのは知っている風だが、ただそれを知らずに店に来た客もいるよう。だが、音楽への反応はすこぶるいい。こういうところでライヴ・アルバムを録音するとすごく雰囲気がいい作品が録れるだろう。

ファーストが終わった後、トクちゃんや、トミー、ロイ・ハーグローヴなどにマーヴィンの本を持ってもらい写真を撮った。最高責任者、賢志さんにも写真撮らせてと言ったら、「あ、ぼく、写真、ほんとにだめなんすよ、勘弁してください」と丁重に断られた。(笑) 「あ、でもね、今、家で風呂入りながら聴いてるの、『ヒア・マイ・ディア(離婚伝説)』ですから。(マーヴィン)本、必ず買います。ちょうど今読んでるのが、クインシー・トゥループのマイルスの本。その次にマーヴィン行きます! 吉岡さん、チラシ、なんでも置いてってください」 ありがとうございます。しっかり置きました。

■ メンバー トクズ・ラウンジ @ 西麻布 2009年6月23日(木)深夜

トク(TOKU)(トランペット、フルーゲルホーン)Toku
柴田敏弥(キーボード)Shibata Toshiya (k)
藤井伸昭(ドラムス) Fujii Nobuaki
安田 幸司 (ベース)Yasuda Kouji
トミー・キャンベル(ドラムス)Tommy Campbell

ロイ・ハーグローヴ(トランペット)Roy Hargrove(tp)
ジャスティン・ロビンソン(サックス、フルート)Justin Robinson(sax,fl)
サリヴァン・フォートナー(ピアノ)Sulivan Fortner(p)
アミーン・サリーム(ベース)Ameen Saleem(b)
モンテス・コールマン(ドラムス)Montez Coleman(ds)

■ セットリスト
Setlist : Toku & Friends @ Nishiazabu, June 23, 2009

show started 0:43
01. Butterfly [Herbie Hancock]
02. Rock With You [Michael Jackson, Toku’s version]
03. Fly Me To The Moon [Frank Sinatra]
04. Strasbourg / Saint Denis [Roy Hargrove]
show ended 01:37

(2009年6月23日火曜深夜、西麻布=トクズ・ラウンジ)
ENT>MUSIC>LIVE>Toku’s Lounge
2009-68
◆シャンティ・ライヴ@コットン・クラブ

バンド編成。

シンガー・ソングライター、シャンティの久々のバンド編成でのライヴ。ドラムス、ギター、ベース、キーボードをバックにシャンティが歌う。いろいろ『マーヴィン物語』などでお世話になっているJウェイヴの持田さん、いつも『ソウル・サーチン』イヴェントの写真を撮っていただく長渡さんと鑑賞。

やはり、2人や3人の編成とは違いバンド編成になると音の幅が広くなる。ドラムとベースが入るとぜんぜん違う。この日印象に残ったのは、エレクトリック・シタールを使用した6曲目「アンティーク・フェアー」という新曲。今年、シャンティがフランスに遊びに一週間ほど行ったときに、アンティークの店などを見ていて思いついた楽曲だという。このシタールの音と、シャンティのアコースティック・ギターがなかなかいい味を出していた。

また本編最後では、ジョー・サンプル作リズ・ライトが歌っていた「ノー・ワン・バット・マイセルフ・トゥ・ブレイム」。シャンティは、「今年ジョーに会う機会があって、勇気を出して彼に私のこのヴァージョンを聴いてもらったんです。そうしたら気に入ってくれたみたいで。そこで、これを今日はジョーに捧げます」と言って歌い出した。アコースティック・ピアノは、フィリップ・ウー。フィリップはまだ慣れないせいか、ジョーのようにはいかなかったようだが、いい雰囲気を出していた。しかし、この曲はシャンティに向いているなと改めて思った。アンコール1曲目はフィリップがハーモニカを吹き、シャンティがキーボードをプレイして、しかも日本語で歌った「らしく」という曲。それまで英語曲でこれだけ日本語となれば、ほとんどの人はこれに一番反応するだろう。

初めてシャンティを見たという持田さんは、「誰にも似ていない、誰みたいって言えないところがいいよね」とずばり。「ちょっとリッキー・リー・ジョーンズとか、初期のマライアを思わせるところがあったけど。シャーデー、ジョニ・ミッチェルほど黒くなくて白い。でも、やっぱり誰にも似てない…。ユニーク」という感想だった。

たまたま隣にいた友人のくらら(ソウル・サーチン手伝ってもらえることになりました)&かんのさん&友人に『ソウル・サーチン:ザ・セッション~トリビュート・トゥ・アイズリー・ブラザーズ』と『マーヴィン・ゲイ物語』のフライヤーを何枚も手渡して、あちこちに配ってくれるよう頼んだ。僕は、この後、FM横浜の生放送があったので、あんまりゆっくりできずにコットンを後にした。横浜への首都高は、『レッツ・ゲット・イット・オン』のアルバムをチョイス。

■ メンバー

Shanti(vo), Philip Woo(key), 西山"HANK"史翁(g), Cliff Archer(b), 白根佳尚(ds)

■ セットリスト シャンティ コットン・クラブ
Setlist : Shanti @ Cotton Club, June 22, 2009

show started 21:31
01. Color Me (Hiram Bullock)
02. Let’ Live In The Light
03. I Got You
04. Home
05. (No title yet=composition with Onuma Yousuke)
06. Antique Fair (with Sitar)
07. Closing Time - a riff of "Keep That Same Old Feeling"
08. No One But Myself To Blame (Joe Sample)
Enc. らしく
Enc. Wake Up To The Sun
show ended 22:47

(2009年6月22日月曜、丸の内コットン・クラブ=シャンティ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shanti
2009-67

★北欧のブルーアイド・ソウル・シンガー、トゥオモ登場

ブルーアイド・ソウル。

北欧フィンランド出身のシンガー・ソングライター、トゥオモの2007年12月以来の2度目のライヴ。僕は前回見ていないので、今回が初体験。

編成はドラムス、ギター、ベース、パーカッションにキーボード&ヴォーカルでトゥオモ本人の計5人。トゥオモは、途中ギターもプレイするのでなかなか器用だ。さすがに、「北欧のスティーヴィー・ワンダー」とキャッチをつけられるだけあって、1970年代ソウルの申し子という雰囲気はたっぷりあり、生音系のネオ・ソウル風サウンドだった。僕の第一印象としては、「ネクスト・フランク・マッコム」という感じ。マッコムよりソウル度を薄くし、若干ポップ、ロック度を高めるとトゥオモになる。リリースした2枚のアルバムからの曲で構成。

観客もかなり若い、ちょっとおしゃれ系学生風。トゥオモのライヴを渋谷あたりでやれば、デュオでやっていたロイ・エヤーズ的にスタンディングで若い世代にかなり受けそう。そういう意味で、すごく渋谷っぽいアーティストに思えた。

全体的には、70年代ソウル、60年代モータウン風、スティーヴィーにダニー・ハザウェイをベースとして、アル・グリーン的歌唱、カーティス・メイフィールド的歌唱、そして、ロック色をまぶすという感じだ。下記セットリスト7曲目はとてもスティーヴィー・イッシュ、8曲目、9曲目あたりは、アイザック・ヘイズの「シャフト」風のギター・リフが印象的、そしてカーティス風メロディーだ。11曲目はロックぽい。そして、12曲目は、「タイトン・アップ」(アーチー・ベル&ドレルス)風のリズム。~~と60年代~70年代ソウルのいいとこどりである。

ライヴ後、サイン会にでてきたので、ほんの一言、二言。「スティーヴィーのアルバムの中でどれが一番好きですか」と尋ねると、一生懸命考えて、「うーん、『トーキング・ブック』かなあ…」。どうも、スティーヴィーが一番影響を受けた風ではなかったので、「誰に一番影響を受けたの?」と聴くと、「一番はプリンスだよ」との答え。いきなり納得した。あの11曲目の「ザ・グラント」は、まさにプリンス・イッシュだ! ギター・フレーズ聴くと、なるほどと思える。

来日は通算3度目だそうで、1度、プロモーションで来ているという。ライヴとしては2度目。また、彼の名前、Prattala(aの上にチョンチョンがつく)はどう発音するのか尋ねると、「プラッタラ」と教えてくれた。プラの「ラ」のところを思い切り、巻き舌にする。(ちょっと文字にしづらい) 誕生日は、1979年4月30日、ということで現在30歳だ。昭和54年生まれで未年(ひつじどし)です。

彼のライヴは、もう1日、2009年6月23日(火曜)横浜モーション・ブルーで行われる。フランク・マッコム系が好きな方は、要チェックだ。

■ マイスペースで数曲、聴けます。
http://www.myspace.com/organkane

■ モーション・ブルー
http://www.motionblue.co.jp/schedule/
045-226-1919(11am 10pm)
6時半、9時半、入れ替え制。

■ 過去記事
June 14, 2009
トゥオモ~北欧のスティーヴィー・ワンダー~来日
http://blog.soulsearchin.com/archives/002953.html

■ 2作目『リーチズ・アウト・フォー・ユー』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00209WK7U/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー

Tuomo(vo,key), Aki Haarala(g), Heikki Laine(b), Mikko Kaakkuriniemi(ds), Abdissa Assefa(per)

■セットリスト トゥオモ@コットン・クラブ 2009年6月21日
Setlist : Tuomo @ Cotton Club

show started 20:00
01. Firsts
02. Ordinary
03. Since Or Before
04. Love & Friendship
05. Sweet With Me
06. Cry To The Moon
07. So Surreal
08. Ballroom Girl
09. 26
10. Head Above The Water
11. The Grant
12. Don’t Take It Too Hard
Enc. I Won’t Worry
Enc. Good Night
show ended 21:18

(2009年6月21日日曜、丸の内コットン・クラブ=トゥオモ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Tuomo
2009-66

▲【マーヴィン・ゲイを取り巻く人たち】

相関図。

『マーヴィン・ゲイ物語 引き裂かれたソウル』は、登場人物が多い。マーヴィンを取り巻く人が多いのでしょうがないのだが、本文を読み進めていく上では確かにややこしい。本文の冒頭に「登場人物一覧」を作ったが、これが意外と役にたつと言われた。そこで、よく最近のテレビ番組や映画の紹介で、登場人物、相関図というのを試しに作ってみた。現在進行形で読書中の方への参考資料ということでごらんください。

人間の一生に関わる知人、友人は、その人生のいくつかのステージ(段階)で、徐々に変わる。マーヴィンもその例に漏れない。マーヴィンの初期の頃は、ハーヴィー・フークワが第一の師匠、さらにベリー・ゴーディーが第二の師匠となる。この2人は、マーヴィンにとってどちらも「父性」を求めた対象だった。その後、彼は一時期「父性」に相当する人物がいない時期に突入する。それが1979年から1984年までの間の一時期だ。ただこの時期、ハーヴィー・フークワが戻ってきて、寄りを戻すのだが。

そして、2人の妻の存在。それによって、引き裂かれるソウルの真実…。

(図)は↓を参照

http://blog.soulsearchin.com/archives/002961.html

■ 『マーヴィン・ゲイ物語 引き裂かれたソウル』ブログ
http://ameblo.jp/divided-soul/

■ 『マーヴィン・ゲイ物語 引き裂かれたソウル』アマゾンへのリンク
(最近順位に一喜一憂)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860203186/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■今日は『ソウル・ブレンズ』(日曜午後3時~インターFM76.1mhz)、2時間マーヴィン・ゲイ特集。

ENT>ARTIST>Gaye, Marvin

■土日月、お近くのFMをチェック

告知。

今週末から来週にかけて3本のラジオ番組でマーヴィン・ゲイ関連のお話をします。お聴きになれる方はぜひどうぞ。

1) 湘南ブルーFM(横須賀・コミュニティーFM) 2009年6月20日土曜午後2時~3時『人見欣幸(ひとみよしゆき)の音楽三昧』 (横須賀地区のみ)

マーヴィン・ゲイの『アイ・ウォント・ユー』のアルバムを全てかけます。

メールなどは http://www.yokosukafm.com/request/  のフォームから。

2)インターFM(東京地区76.1mhz) 2009年6月21日日曜午後3時~5時『ソウル・ブレンズ』 (東京地区)(生放送)

2時間マーヴィン・ゲイ特集。吉岡正晴がゲストとして4時から登場。4時半からは『山野ミュージック・ジャム』でマーヴィン・ゲイの紙ジャケットから紹介します。

メール、リクエスト、質問などは marvin@interfm.jp までどうぞ。

3)FM横浜(神奈川地区84.7mhz) 2009年6月22日月曜24時~
『ダンシング・グルーヴ』(神奈川地区)(生放送)

深夜0時30分頃から約30分程度ゲスト出演。

メール、リクエスト、質問などは show-g@fmyokohama.co.jp までどうぞ。


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