Rahsaan Patterson Japan Live
2007年12月6日【ラサーン・パターソン・ライヴ@ビルボード・ライヴ】
自由度。
東京1日だけのライヴ。1997年にネオ・ソウルの旗手として華々しくデビューしたラサーン・パターソン。すでに10年選手となり、アルバムも4枚目となった。その4枚目の新作『ワインズ・アンド・スピリッツ』がリリースされて、来日。ドラムス(ネオ・ソウル系ドラマー)、ギター(スケルトンのギターがかっこいい)、ベース(いつも確実なグルーヴのレイモンド。まちがいない)、キーボード(ハモンド・オルガンかっこいい)に女性コーラス2人の編成。
ラサーンはけっこう声が高い。マイクスタンドを軸に、腕を前後に上げ下げし、体をくねらせ、曲を歌っていく。1作目から4作目までの作品を適度にちらして歌うが、1曲のパフォーマンスがミュージシャンの自由度も優先させているせいか、けっこう長い。83分ほどで実質8曲なので1曲が平均10分近い。よく言えば、1曲をじっくり歌いこむために「ラサーン・パターソンの世界」が作られる。ちょっと厳しく言うと、みんなタイプが同じなために単調になる。
しかしラサーンという「声を楽器のように使う歌い手」としての魅力はよくでている。その点ではなかなかよかった。シンガーとして、アル・ジャロウ的な雰囲気を少し感じた。アルをもっと若くして、少しR&B色をつけた感じだ。手の動かしかたなどもちょっとアルを思わせた。
ところで、8曲目の最新作からの「ストップ・ブレイキング・マイ・ハート」では曲にあわせてメンバーをじっくり20分以上かけて紹介した。この中でベースのレイモンド・マッキンレーのときに、レイモンドがけっこうファンキーなベースを叩き始めた。僕は、すぐにスライ・ストーンのサウンド・イメージを持った。「サンキュー」でもいくのかなと思った。そうしたら、ラサーンがそれにあわせてスライの「サンキュー」ではなく「イフ・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ステイ」を歌いだした。同じように感じたのだろう。この突然のアドリブが実にいい感じでスリリングだった。ラサーンはジャム・セッションができる自由度の高いシンガーだ。こういうのはライヴを見ないとわからない。
最初、ステージのベース奏者を見て「またレイが来てる」と驚いたのだが、彼と知り合ったのはフランク・マッコムのとき。そこでライヴ後レイと話をした。「あのメンバー紹介のところは、いつもアドリブなの。それとも、事前に決まってるの?」と聞くと、「いや。全部アドリブだ」 「ということは、あなたのソロでスライの曲を歌いだしたのは、まったくのハプニング?」 「そうだよ。何にも決まってない。毎回、あそこは違う」 どうやら、レイのベース・ソロでスライをイメージして適当に歌いだしたということらしい。レイは、12月のフランク・マッコムには来る予定ではないそうだ。ラサーンとはここ3−4年一緒にやっている、という。そういえば、このメンバー紹介と各自ソロのパートでは、キーボードのケネスとヴォーカルの向かって右側の女性シンガーが「上を向いて歩こう(スキヤキ)」をやった。土曜日にもサウンズ・オブ・ブラックネスがそのフレーズをやっていた。
ところでコーラスの女性2人がかなり大きいのでびっくりした。しかし、声がかわいい。『フィラデルフィア美術館展』で飾られているルノワールの「大きな浴女」(1905年)を思わせた。体形ね。
http://www.philamuseum.org/collections/permanent/72391.html
(違うか…)
■メンバー
ラサーン・パターソン/Rahsaan Patterson(Vocals)
ケネス・クラウチ/Kenneth Crouch(Keyboards)(Musical Director)
クレイグ・クーパー/Craig Cooper(Guitar)
レイモンド・マッキンリー/Raymond McKinley(Bass/Guitar)
ゴーデン・キャンベル/Gorden Campbell(Drums)
オクタヴィア・ペース/Octavia Pace(Back Vocals)
トレーシ・ブラウン/Traci Brown(Back Vocals)
■セットリスト ラサーン・パターソン ビルボード・ライヴ
Setlist : Rahsaan Patterson @ Billboard Live, Tokyo, December 5th, 2007/12/06
[ ] indicates the album that song taken from
Show started 21:33
01. Oh Lord [4 - Wines & Spirits]
02. So Fine [1 Rahsaan Patterson]
03. The One For Me [3 - After Hours]
04. Any Other Love [2 Love In Stereo]
05. Feels Good [4 - Wines & Spirits]
06. The Best [3 - After Hours]
07. Stronger Than Pride [Sade]
08. Stop Breaking My Heart (Introducing members) - a riff of Sukiyaki / If You Want Me To Stay / Sukiyaki [4 - Wines & Spirits]
Show ended 22:59
(2007年12月5日水曜、ビルボード・ライヴ=ラサーン・パターソン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Patterson, Rahsaan
2007-173
自由度。
東京1日だけのライヴ。1997年にネオ・ソウルの旗手として華々しくデビューしたラサーン・パターソン。すでに10年選手となり、アルバムも4枚目となった。その4枚目の新作『ワインズ・アンド・スピリッツ』がリリースされて、来日。ドラムス(ネオ・ソウル系ドラマー)、ギター(スケルトンのギターがかっこいい)、ベース(いつも確実なグルーヴのレイモンド。まちがいない)、キーボード(ハモンド・オルガンかっこいい)に女性コーラス2人の編成。
ラサーンはけっこう声が高い。マイクスタンドを軸に、腕を前後に上げ下げし、体をくねらせ、曲を歌っていく。1作目から4作目までの作品を適度にちらして歌うが、1曲のパフォーマンスがミュージシャンの自由度も優先させているせいか、けっこう長い。83分ほどで実質8曲なので1曲が平均10分近い。よく言えば、1曲をじっくり歌いこむために「ラサーン・パターソンの世界」が作られる。ちょっと厳しく言うと、みんなタイプが同じなために単調になる。
しかしラサーンという「声を楽器のように使う歌い手」としての魅力はよくでている。その点ではなかなかよかった。シンガーとして、アル・ジャロウ的な雰囲気を少し感じた。アルをもっと若くして、少しR&B色をつけた感じだ。手の動かしかたなどもちょっとアルを思わせた。
ところで、8曲目の最新作からの「ストップ・ブレイキング・マイ・ハート」では曲にあわせてメンバーをじっくり20分以上かけて紹介した。この中でベースのレイモンド・マッキンレーのときに、レイモンドがけっこうファンキーなベースを叩き始めた。僕は、すぐにスライ・ストーンのサウンド・イメージを持った。「サンキュー」でもいくのかなと思った。そうしたら、ラサーンがそれにあわせてスライの「サンキュー」ではなく「イフ・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ステイ」を歌いだした。同じように感じたのだろう。この突然のアドリブが実にいい感じでスリリングだった。ラサーンはジャム・セッションができる自由度の高いシンガーだ。こういうのはライヴを見ないとわからない。
最初、ステージのベース奏者を見て「またレイが来てる」と驚いたのだが、彼と知り合ったのはフランク・マッコムのとき。そこでライヴ後レイと話をした。「あのメンバー紹介のところは、いつもアドリブなの。それとも、事前に決まってるの?」と聞くと、「いや。全部アドリブだ」 「ということは、あなたのソロでスライの曲を歌いだしたのは、まったくのハプニング?」 「そうだよ。何にも決まってない。毎回、あそこは違う」 どうやら、レイのベース・ソロでスライをイメージして適当に歌いだしたということらしい。レイは、12月のフランク・マッコムには来る予定ではないそうだ。ラサーンとはここ3−4年一緒にやっている、という。そういえば、このメンバー紹介と各自ソロのパートでは、キーボードのケネスとヴォーカルの向かって右側の女性シンガーが「上を向いて歩こう(スキヤキ)」をやった。土曜日にもサウンズ・オブ・ブラックネスがそのフレーズをやっていた。
ところでコーラスの女性2人がかなり大きいのでびっくりした。しかし、声がかわいい。『フィラデルフィア美術館展』で飾られているルノワールの「大きな浴女」(1905年)を思わせた。体形ね。
http://www.philamuseum.org/collections/permanent/72391.html
(違うか…)
■メンバー
ラサーン・パターソン/Rahsaan Patterson(Vocals)
ケネス・クラウチ/Kenneth Crouch(Keyboards)(Musical Director)
クレイグ・クーパー/Craig Cooper(Guitar)
レイモンド・マッキンリー/Raymond McKinley(Bass/Guitar)
ゴーデン・キャンベル/Gorden Campbell(Drums)
オクタヴィア・ペース/Octavia Pace(Back Vocals)
トレーシ・ブラウン/Traci Brown(Back Vocals)
■セットリスト ラサーン・パターソン ビルボード・ライヴ
Setlist : Rahsaan Patterson @ Billboard Live, Tokyo, December 5th, 2007/12/06
[ ] indicates the album that song taken from
Show started 21:33
01. Oh Lord [4 - Wines & Spirits]
02. So Fine [1 Rahsaan Patterson]
03. The One For Me [3 - After Hours]
04. Any Other Love [2 Love In Stereo]
05. Feels Good [4 - Wines & Spirits]
06. The Best [3 - After Hours]
07. Stronger Than Pride [Sade]
08. Stop Breaking My Heart (Introducing members) - a riff of Sukiyaki / If You Want Me To Stay / Sukiyaki [4 - Wines & Spirits]
Show ended 22:59
(2007年12月5日水曜、ビルボード・ライヴ=ラサーン・パターソン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Patterson, Rahsaan
2007-173