◎デイヴィッド・フォスター&フレンズ~シャリースがすべてを持っていった夜
2010年10月21日 音楽◎デイヴィッド・フォスター&フレンズ~シャリースがすべてを持っていった夜
【Charice Steal The Show : David Foster & Friends Live】
盗む。
たくさんのヒット曲を生み出しているスーパー・プロデューサー、デイヴィッド・フォスターがそのフレンズを率いて、16年ぶりの来日コンサート。前回はJTスーパープロデューサー・シリーズの第1回で、セリーヌ・ディオンやピーボ・ブライソンが登場した。デイヴィッドとゆかりのあるアーティスト、今回は、ナタリー・コール、カナディアン・テナーズ、ルーベン・スタッダード、ピーター・セテラ、そして、シャリースが参加。この順番ででてきた。観客はかなり年齢層が高かった。40代から50代、60代も。朝のテレビ番組『とくダネ』で紹介されたことなども影響しているのかもしれない。
ナタリーがトップバッターというのも驚いたが、若干18歳のシャリースがトリというのももっと驚いた。
いずれもが基本的にはデイヴィッドが書いたりプロデュースしている曲を歌ったが、この夜の最大の衝撃は最後に登場したシャリースだ。フィリピン出身で、すでにユーチューブなどでにも画像がでていて、話題にはなっていたが、生歌を見るのは初めて。その歌力、声の力、歌唱に圧倒させられた。英語でSteal the show ショーを盗むという表現をよく使うが、シャリースのこの夜は、まさにそれだった。すべてを持っていってしまった。それまで出た先輩をすべてのみこんでしまった。こんなことが起こるんだなあ。
彼女がデイヴィッドに紹介されてステージ中央にでてきたときは、まだ子供じゃないか、と思ったが、ひとたび口を開いて歌いだすと、これがとんでもなかった。ものすごい歌。歌い上げ系の楽曲がよかったせいもあるが、ホイットニー、マライア、セリーヌ・ディオンといった王道女性シンガーの直球ど真ん中のシンガーだった。しかも、まだ18歳。ステージでの動きはまだぎこちない、ちょっとタレント・ショーにでてきたシンガーといった佇まい。背の高さも150センチ台か、デイヴィッドと並ぶと親子という感じがするが、歌は間違いない。そして、将来大スター間違いない。この歌を生で見せられたらどんなプロデューサーだってプロデュースしたくなる。小さなライヴハウスで圧倒されても、大きな会場で聴くと、それほどでもなかったりすることがあるが、彼女の場合はこの国際フォーラムAが小さく感じられた。場慣れしている。
デイヴィッドは元々歌がうまいシンガーをプロデュースするのがひじょうにうまいプロデューサーだが、彼にどんぴしゃのシンガーだ。ホイットニーやマライア、セリーヌが出てきたときの衝撃と同じものがあった。これから10年、20年後もきっと見たり、聴いたりしている息の長いシンガーとなるだろう。
もう一点。彼女は1992年5月10日フィリピン生まれだが、これまでのフィリピン・シンガーの英語にはいわゆる「フィリピンなまり」があるのに対して、彼女の英語はとても綺麗で普通にアメリカン・イングリッシュという印象を持った。これもアメリカですでにデビュー・アルバムがベスト10入りするほどの支持を受けている理由のひとつだろう。
もちろんまだ若いせいか、ちょっとシロートっぽいシンガーという雰囲気が残っているが、これは年とともに消えていくだろう。そして、素朴で垢抜けないところも、どんどん綺麗に洗練されていくに違いない。ちょっとだけ、デイヴィッドとしゃべりで絡んだのだが、そのしゃべりは普通の18歳の女の子という感じだが、歌うと立派なシンガー。そのギャップがじつにおもしろい。
シャリースが歌い終えると、それまではただの拍手だった観客の反応がスタンディング・オヴェーションになった。そして、最後の曲ホイットニーの「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー」のあとは、全員が総立ちになり拍手を送った。このホイットニーのメドレーは、2月にやってきたホイットニー本人のものより100倍も素晴らしかった。
その他のアーティストについて一言ずつ。ナタリー、元気になってよかった。カナディアン・テナー、みんなイケメンで歌もうまく、人気者になりそう。ルーベン・スタッダード。この歌声はいつも癒される。ソロ・ライヴ見たい。客席からミーシャがサプライズで登場、堂々と歌った。ピーターはナルシストぶりがおもしろかった。そして、シャリース。この夜のシャリースは、のちのちまで語り続けられるだろう。彼女の伝説が始まった。
最後のマイケル・ジャクソンの「アース・ソング」では、全員がステージに集まり少しずつ歌うのだが、シャリース、ナタリー、ルーベンとソロをとるが、シャリースの声が一番大きいような気がした。もともと地声が大きいのかもしれない。歌手としては最大の武器だ。シャリースはここ10年見た数多くのシンガーの中でも歌手力という点でずば抜けて1番の存在だ。
(この項、つづく)
■シャリース 早くも単独ライヴ決定
シャリース・ジャパン・ツアー2011
2011年2月22日(火)、23日(水)
ゼップ東京 18時開場、19時開演
1階スタンディング 8000円、2階8500円 ドリンク代500円別
問い合わせ キョードー東京0570-064-708
2月21日(月)、ゼップ名古屋、052-972-7466
2月25日(金)、ゼップ大阪、06-7732-8888
http://www.kyodotokyo.com
2010年11月26日18時まで先行予約 0570-064-708
http://www.kyodotokyo.com/charice
■DVD付き、シャリースも
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001J8NR84/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■デイヴィッド・フォスター・プロデュース曲をレーベルを超えて収録
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003TYKGZS/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■驚異の新人 シャリース
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003JEHCZK/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■2010年10月18日放送フジテレビ「トクだね」デイヴィッド・フォスター、社ニース、ピーター・セテラ・ゲスト出演
http://www.youtube.com/v/CO22iT20i48&hl=ja_JP&feature=player_embedded&version=3
http://www.youtube.com/v/Z49PnuX6KK0&hl=ja_JP&feature=player_embedded&version=3
■メンバー
Members:
David Foster (piano)
Vocalists:
Natalie Cole
The Canadian Tenor
Ruben Studdard
Peter Cetera
Charice
John Robinson (drums)
Mo Pleasure (keyboards)
Boh Cooper (keyboards)
Tariqh Akoi (guitar)
Ian Martin (bass)
■ セットリスト デイヴィッド・フォスター&フレンズ
Setlist: David Foster & Friends @ Kokusai Forum A, October 19, 2010
[ ] denotes original artists
Show started 19:18
00.Video Flash
01.Theme : Love Theme From St. Elmo’s Fire
Natalie Cole
02.Fever
03.Unforgettable
04.This Will Be
Canadian Tenors
05.Because We Believe
06.Hallelujah [Leonard Cohen]
07.Adagio
Ruben Studdard
08.Mornin’ [Al Jarreau]
09.I Swear [All-4-One]
10.After The Love Has Gone [Air Play, Earth Wind & Fire]
11.Home [Michael Buble]
12.When I Fall In Love (duet with Natalie Cole) [Nat King Cole]
Misia
13.Life In Harmony
Peter Cetera
14.Hard To Say I’m Sorry
15.You’re The Inspiration
16.If You Leave Me Now
17.Glory Of Love
Charice
18.Power Of Love [Celine Dion]
19.To Love You More [Celine Dion]
20.All By Myself [Celine Dion, Eric Carmen]
21.I Have Nothing [Whitney Houston]
22.I Will Always Love You [Whitney Houston, Dolly Parton]
All
23.Earth Song [Michael Jackson]
Show ended 21:21
(2010年10月19日火曜、国際フォーラムA=デイヴィッド・フォスター&フレンズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Foster, David & Friends
【Charice Steal The Show : David Foster & Friends Live】
盗む。
たくさんのヒット曲を生み出しているスーパー・プロデューサー、デイヴィッド・フォスターがそのフレンズを率いて、16年ぶりの来日コンサート。前回はJTスーパープロデューサー・シリーズの第1回で、セリーヌ・ディオンやピーボ・ブライソンが登場した。デイヴィッドとゆかりのあるアーティスト、今回は、ナタリー・コール、カナディアン・テナーズ、ルーベン・スタッダード、ピーター・セテラ、そして、シャリースが参加。この順番ででてきた。観客はかなり年齢層が高かった。40代から50代、60代も。朝のテレビ番組『とくダネ』で紹介されたことなども影響しているのかもしれない。
ナタリーがトップバッターというのも驚いたが、若干18歳のシャリースがトリというのももっと驚いた。
いずれもが基本的にはデイヴィッドが書いたりプロデュースしている曲を歌ったが、この夜の最大の衝撃は最後に登場したシャリースだ。フィリピン出身で、すでにユーチューブなどでにも画像がでていて、話題にはなっていたが、生歌を見るのは初めて。その歌力、声の力、歌唱に圧倒させられた。英語でSteal the show ショーを盗むという表現をよく使うが、シャリースのこの夜は、まさにそれだった。すべてを持っていってしまった。それまで出た先輩をすべてのみこんでしまった。こんなことが起こるんだなあ。
彼女がデイヴィッドに紹介されてステージ中央にでてきたときは、まだ子供じゃないか、と思ったが、ひとたび口を開いて歌いだすと、これがとんでもなかった。ものすごい歌。歌い上げ系の楽曲がよかったせいもあるが、ホイットニー、マライア、セリーヌ・ディオンといった王道女性シンガーの直球ど真ん中のシンガーだった。しかも、まだ18歳。ステージでの動きはまだぎこちない、ちょっとタレント・ショーにでてきたシンガーといった佇まい。背の高さも150センチ台か、デイヴィッドと並ぶと親子という感じがするが、歌は間違いない。そして、将来大スター間違いない。この歌を生で見せられたらどんなプロデューサーだってプロデュースしたくなる。小さなライヴハウスで圧倒されても、大きな会場で聴くと、それほどでもなかったりすることがあるが、彼女の場合はこの国際フォーラムAが小さく感じられた。場慣れしている。
デイヴィッドは元々歌がうまいシンガーをプロデュースするのがひじょうにうまいプロデューサーだが、彼にどんぴしゃのシンガーだ。ホイットニーやマライア、セリーヌが出てきたときの衝撃と同じものがあった。これから10年、20年後もきっと見たり、聴いたりしている息の長いシンガーとなるだろう。
もう一点。彼女は1992年5月10日フィリピン生まれだが、これまでのフィリピン・シンガーの英語にはいわゆる「フィリピンなまり」があるのに対して、彼女の英語はとても綺麗で普通にアメリカン・イングリッシュという印象を持った。これもアメリカですでにデビュー・アルバムがベスト10入りするほどの支持を受けている理由のひとつだろう。
もちろんまだ若いせいか、ちょっとシロートっぽいシンガーという雰囲気が残っているが、これは年とともに消えていくだろう。そして、素朴で垢抜けないところも、どんどん綺麗に洗練されていくに違いない。ちょっとだけ、デイヴィッドとしゃべりで絡んだのだが、そのしゃべりは普通の18歳の女の子という感じだが、歌うと立派なシンガー。そのギャップがじつにおもしろい。
シャリースが歌い終えると、それまではただの拍手だった観客の反応がスタンディング・オヴェーションになった。そして、最後の曲ホイットニーの「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー」のあとは、全員が総立ちになり拍手を送った。このホイットニーのメドレーは、2月にやってきたホイットニー本人のものより100倍も素晴らしかった。
その他のアーティストについて一言ずつ。ナタリー、元気になってよかった。カナディアン・テナー、みんなイケメンで歌もうまく、人気者になりそう。ルーベン・スタッダード。この歌声はいつも癒される。ソロ・ライヴ見たい。客席からミーシャがサプライズで登場、堂々と歌った。ピーターはナルシストぶりがおもしろかった。そして、シャリース。この夜のシャリースは、のちのちまで語り続けられるだろう。彼女の伝説が始まった。
最後のマイケル・ジャクソンの「アース・ソング」では、全員がステージに集まり少しずつ歌うのだが、シャリース、ナタリー、ルーベンとソロをとるが、シャリースの声が一番大きいような気がした。もともと地声が大きいのかもしれない。歌手としては最大の武器だ。シャリースはここ10年見た数多くのシンガーの中でも歌手力という点でずば抜けて1番の存在だ。
(この項、つづく)
■シャリース 早くも単独ライヴ決定
シャリース・ジャパン・ツアー2011
2011年2月22日(火)、23日(水)
ゼップ東京 18時開場、19時開演
1階スタンディング 8000円、2階8500円 ドリンク代500円別
問い合わせ キョードー東京0570-064-708
2月21日(月)、ゼップ名古屋、052-972-7466
2月25日(金)、ゼップ大阪、06-7732-8888
http://www.kyodotokyo.com
2010年11月26日18時まで先行予約 0570-064-708
http://www.kyodotokyo.com/charice
■DVD付き、シャリースも
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001J8NR84/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■デイヴィッド・フォスター・プロデュース曲をレーベルを超えて収録
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003TYKGZS/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■驚異の新人 シャリース
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003JEHCZK/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■2010年10月18日放送フジテレビ「トクだね」デイヴィッド・フォスター、社ニース、ピーター・セテラ・ゲスト出演
http://www.youtube.com/v/CO22iT20i48&hl=ja_JP&feature=player_embedded&version=3
http://www.youtube.com/v/Z49PnuX6KK0&hl=ja_JP&feature=player_embedded&version=3
■メンバー
Members:
David Foster (piano)
Vocalists:
Natalie Cole
The Canadian Tenor
Ruben Studdard
Peter Cetera
Charice
John Robinson (drums)
Mo Pleasure (keyboards)
Boh Cooper (keyboards)
Tariqh Akoi (guitar)
Ian Martin (bass)
■ セットリスト デイヴィッド・フォスター&フレンズ
Setlist: David Foster & Friends @ Kokusai Forum A, October 19, 2010
[ ] denotes original artists
Show started 19:18
00.Video Flash
01.Theme : Love Theme From St. Elmo’s Fire
Natalie Cole
02.Fever
03.Unforgettable
04.This Will Be
Canadian Tenors
05.Because We Believe
06.Hallelujah [Leonard Cohen]
07.Adagio
Ruben Studdard
08.Mornin’ [Al Jarreau]
09.I Swear [All-4-One]
10.After The Love Has Gone [Air Play, Earth Wind & Fire]
11.Home [Michael Buble]
12.When I Fall In Love (duet with Natalie Cole) [Nat King Cole]
Misia
13.Life In Harmony
Peter Cetera
14.Hard To Say I’m Sorry
15.You’re The Inspiration
16.If You Leave Me Now
17.Glory Of Love
Charice
18.Power Of Love [Celine Dion]
19.To Love You More [Celine Dion]
20.All By Myself [Celine Dion, Eric Carmen]
21.I Have Nothing [Whitney Houston]
22.I Will Always Love You [Whitney Houston, Dolly Parton]
All
23.Earth Song [Michael Jackson]
Show ended 21:21
(2010年10月19日火曜、国際フォーラムA=デイヴィッド・フォスター&フレンズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Foster, David & Friends