★深町純さんの奥様からのメール

【A Letter From Mrs. Fukamachi Jun】

メール。

2010年11月22日急死したピアニスト、深町純さん。その奥様からご丁寧なメールをいただいた。そこには、純さんと奥様との最期の朝のやりとりが書かれていた。大変、胸を打たれたので、許可を得て、その一部をご紹介したい。

深町さんが急逝されて半年。奥様はなかなか深町さんに関する記事など、目を通せなかったが、メールを送られてきた前日に僕のブログを読んで、メールをくださった。

彼女は、僕の次の文章に打たれたそうだ。

~~ 彼は昨日の夜、「僕の人生は素晴らしい人生だった」と言えただろうか。言えたと僕は信じている。 ~~

奥様が読まれた記事全文はこちら↓。

2010年11月24日(水)
ピアニスト深町純氏急死
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10716152876.html

そして、奥様からのメール(一部)は次の通り。

~~~~~

余談ですが、心情的に、この半年近く純さんに関する記事など、なかなかネットにも目を通す事が出来なかったのですが、昨日、吉岡さんの11月に書かれたブログを読ませて頂きました。

純さんの最期に「僕の人生は素晴らしい人生だった」と彼は言えたと信じている…と書かれたのを読んだとき、思わず涙がこぼれました。

最期の朝、私が仕事に出かける時に、何かの話の流れで、
「音楽家で生涯生き切るなんて恵まれた生き方だね」と言いました。
「この音楽界の中で仕事をするには恵まれているとは思わないけど、
でも、もちろん僕は僕の音楽に誇りを持っているし、仕合せな人生を生きているよ、それは良い人生だと思う」と言いました。

そして「僕は音楽家だ」

そう言って、身体を起こし爪をバチバチと切りました。
その後、ピアノに向かったのが最期でした。

身体の調子が悪い自分が許せず、音楽家だ、僕は音楽をしなければいけないと、奮起して常に自分が在るべき場所に立ち向かった姿でした。

猫のように死に際も見せず、その生き様どおり、潔く旅立ちましたが、ピアノの下に真っ直ぐに倒れたその後ろ姿は、本当に立派な最期の生き様でした。

最期に、深町純は、「良い人生だった」素晴らしい人生だった、吉岡さんの信じているとおりに、彼がそう確信した事は事実です。

それだけを、吉岡さんにお伝えしたく、長々と心情を書きまして失礼しました。

吉岡さんにこのメールを書こうとおもったのは、深町純からのメッセージかも知れないと、そんな事を思いながら、送らせて頂きます。

ご報告まで。

~~~~~

↑メール、ここまで。

とても清々しい文章です。「猫のように死に際も見せず…」。深町さんは猫が大好きだった。よく「うちの猫は、(自分の)音楽を聴いてくれない」とこぼしていたのを思い出す。それにしても、もう半年以上経ったのか。

■過去関連記事

2010年11月25日(木)
ピアニスト 深町純さん急死 (パート2)~これまでに書いたもの一覧
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10716970858.html

2010年11月29日(月)
深町純キーボードパーティー第119回~主なきパーティー
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10720889599.html

OBITUARY>Fukamachi, Jun
ARTIST>Fukamachi, Jun