○◇ 湯川れい子さん評伝発売~圧倒的な行動力に脱帽

【Yukawa Reiko Biography Released】

新刊。

音楽評論家湯川れい子さんの評伝『評伝★湯川れい子 音楽に恋をして♪』(和田静香著、約15万字、256ページ、四六判・ハードカヴァー)が2012年12月20日、朝日新聞出版から発売される。

その発売を記念して湯川さんと立川直樹さんのトークイヴェントが12月14日(金)夜、代官山の蔦谷三号館二階で行なわれた。

この評伝は湯川さんの生涯を、同じく音楽評論家で長く湯川さんのアシスタントをしていた和田さんが書いたもの。今年週刊朝日で連載されたものをまとめた。

この日は立川さんが聴き手となり、湯川さんが話す形。それぞれが持ち寄った曲などもかけた。(下記セットリスト参照) 湯川さんがどのように洋楽、音楽に惹き付けられていったか、兄との思い出、音楽ライターとしての出発点、エルヴィス、ビートルズ、マイケルと直接会ったときの思い出など実に広範に多岐にわたった。

評伝の中でも触れられているが、こんな話が直接語られた。湯川さんのお兄さんが出征する直前に防空壕を掘りながら、何度も何度も口ずさんでいたメロディーがあった。「これは何という曲」と尋ねると兄が「僕が作った曲だ」と答える。それから何年か経って、湯川さんがラジオで進駐軍放送を聴いていると、なんとそのメロディーが流れてくる。何日か聴いているとまた流れてきて、その曲名とアーティストがわかる。なぜ兄はそれを自作曲と言ったのか。そのとき、兄が宵の明星を指差し「あれが、お兄ちゃまだから。覚えておいてね」と言った。そんな話を活字ではなく、湯川さん本人の口から情感込めて語られると、本当に感動的だ。立川さんがこのシーンをして「まるで映画みたいですね」と感慨深くおっしゃったのがまた印象的だった。

そして、その曲はハリー・ジェームス・オーケストラの「スリーピー・ラグーン」だった。

http://youtu.be/I1yQLPhEGGY



エルヴィス42歳、ジョン40歳、マイケル50歳。みな早死にだ。それぞれの思い出などについて。また、MTV登場と映像と音楽の関連性について。(このテーマだけでひとつ書ける) マイケルの踊りそのものが、ロシアの伝説のバレエ・ダンサー、ニジンスキーの極地と同じようなレベルにあるという立川さんの指摘。多くのダンサーがバックダンサー的だが、マイケルはマイケルというダンサーが主になっていることについて。マイケルがスーパースターになりすぎたので音楽の良さで語られなくなってしまったことが残念ということ、などなど。こういう話を聞いていると知的好奇心がどんどん熱くなっていく。

そして、これで決まった。

「もっともっとハートと耳で聞けばそのすごさは誰にでもわかるはず。それがわかっている人たちは世界中にこれほどたくさんいるのだから」(湯川さん)

このトークでさえも一冊の本になるというか、雑誌の特集記事には充分になる。

そして本書を読んで僕が一番感銘を受けたのは、湯川さんの圧倒的な行動力だ。若い頃から、そして、現役の今この瞬間まですさまじいばかりの行動力を見せつける。本当に脱帽である。つい先日も山本太郎さんの応援演説を行なった。そのユーチューブ映像を見て、僕も感銘を受け、ツイッターなどにすぐに出した。

http://youtu.be/vBClWdGNrfo



やはり、待っててもダメ。こちらから行動を起こさないと、ということを僕は本書から教わった。

■出演

湯川れい子 Reiko Yukawa
立川直樹 Naoki Tachikawa

■セットリスト

talk show started 19:00
01.Bridge Over Troubled Water / Elvis Presley
02.That’s Alright / Elvis Presley
03. That’s Alright / Beatles
04.Heartbreak Hotel / Jacksons
05.Video Killed The Radio Star / Baggles (立川さん選曲)
06.Merry Christmas Baby / Elvis Presley
Talk show ended 20:24

(2012年12月14日金曜、代官山蔦谷3号館二階、湯川れい子・立川直樹・トークショー)
ENT>EVENT>LIVE>Yukawa, Reiko, Tachikawa, Naoki

■ 評伝★湯川れい子 音楽に恋をして♪ (朝日新聞出版、1600円+税、2012年12月30日初版発行)(12月20日発売)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023311421/soulsearchiho-22/ref=nosim/"