モータウン45。

1983年に行われた歴史的イヴェント『モータウン25』から21年、2004年に『モータウン45』が行われることになった。来る2004年4月4日、ロスアンジェルスのシュライン・オーディトリウムでライオネル・リッチー、ジャスティン・ティンバーレークの司会で収録され、5月にABCテレビ系列で放送される予定。詳細な出場アーティストはまだ発表されていないが、新旧多数のモータウン関連アーティストが出場するものと見られる。

モータウン・レコードは、デトロイト生まれのベリー・ゴーディーが1959年1月に家族から800ドルの資金を借りて始めたインディペンデントのレコード会社。60年にミラクルズの「ウェイ・オーヴァー・ゼア」が初ヒットを記録し、以後徐々にヒットがでるようになり、60年代にはスティーヴィー・ワンダー、シュプリームス、テンプテーションズなどを世界的なスターに育て上げた。

1983年3月にロスアンジェルス郊外シヴィック・オーディトリウムで行われた『モータウン25』では、ジャクソンズ、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、テンプテーションズ、フォー・トップスなど錚々たるメンバーがライヴを見せ大きな話題となった。特にジャクソン5とジャーメイン・ジャクソンの再会、さらに、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」におけるムーンウォークを初めて見せたパフォーマンスは、すでに爆発的に売れていた『スリラー』のアルバムセールスをさらに加速した。同年5月に全米ネットワークで2時間に編集され放送された『モータウン25』は30%以上の視聴率を獲得し、翌年テレビ業界のエミー賞・最優秀ヴァラエティー・プログラム部門を受賞した。

なお、なぜ25周年が83年で45周年が2004年かという点だが、基本的にはモータウンのスタートをどこにするかで変わってくる、ということだ。次のように解釈できる。彼は1957年頃からソングライターとして、曲を書き始めた。しかし、まもなくソングライターでは収入があまりに少ないことに気が付き、いわゆる原盤制作(レコードのマスターテープを作って、それを自身もしくは他のメジャーの販売網で発売すること)に乗り出す。ベリーが原盤制作をしたミラクルズの「ウェイ・オーヴァー・ゼア」は58年2月、チェス・レコードから発売された。そして、59年1月、マーヴ・ジョンソンの「カム・トゥ・ミー」がタムラ・レーベル(ベリー・ゴーディーが最初に作ったレーべル。後のモータウンとともに、タムラ/モータウンとして主要レーベルとなる)から発売された。これが正真正銘のモータウン第一号のレコードとなる。ミラクルズから数えれば83年が25周年。マーヴ・ジョンソンから数えれば04年は45周年ということになる。アメリカは意外とこのあたりは、ルーズである。