◎プリンス・シカゴ・ライヴ(パート3)3日目~壮大なプリンス・エクスぺリンス
2012年10月23日 音楽 コメント (1)◎プリンス・シカゴ・ライヴ(パート3)3日目~壮大なプリンス・エクスぺリンス
【Prince Live At Chicago (Day Three): The Great Prince Experience】
レポート。
プリンスが2012年9月24日から26日まで3日間シカゴのユナイテッド・センターで行なった懇親のライヴ・レポート、そのパート3。本編のライヴ後近くのライヴ・ハウス「ハウス・オブ・ブルース」で行なわれた「アフター・パーティー」の様子もご紹介。プリンス・エヴァンジェリスト、入魂レポート、3日目最終日です。
~~~~~
プリンス・シカゴ・ライヴ・レポート (3日目最終日) by TUNA (ツナ)
2012年9月26日。
前座。
シカゴ3公演の最終日となった今日も会場には早くから多くの客が集まっていた。グッズ売り場には長蛇の列が出来ており、初日にあったモノがいくつか売り切れたようで見当たらない。
今日の座席も1階だが、開演までに3階に上がってプリンスのポスターの前で記念撮影をしたり、友人たちをお互いに撮ったりした。勿論、入口で厳重なカメラとボディーチェックを受けているので撮影は当然携帯だ。
今日の座席はシンボル・マーク先端の前から4列目だ。丁度真正面からバンド・メンバーやその先にいるNPGホーンズやモーリス・ヘイズまで全体が視界に入る場所だ。
プリンスのライヴを見に来る観客は、3:7で女性の方が多い。ほとんどは30代から40代のような感じだ。黒人・白人比率は6:4で若干黒人が多い程度。いわゆるブラック、R&B系の9割以上黒人というコンサートから比べると白人が多い印象だ。スーツを着たり、おしゃれしている人も目立った。プリンスのTシャツを着てる人は多かったが、ジャージ姿はいなかった。少なくとも1階の見える範囲では。
チケット発売時からアナウンスされていた通り、今日のゲストはジャネール・モネイ(Janelle Monae)である。
20時。開演時間通りに客電は消えたがステージにいるのは前座のジャネール・モネイだ。
ジャネールはマイク・スタンドを振り子のように揺らすが、倒れない。ジェームス・ブラウンがかつてやっていたマイク・トリックをそのままやってみせた。このパフォーマンスやダンス・ステップはちょっとカッコいい。
3曲目にジャクソン5の「アイ・ウォント・ユー・バック」を歌ったが、5曲目を歌い終わる頃にはスタッフからマントを肩に掛けられて退場。これでは、そのまんまジェームス・ブラウンのマント・ショーの再現ではないか。そういえば髪型もアップにしていて、姿もまるで若い頃のジェームス・ブラウンのようだ。ジャネールがここまでジェームス・ブラウンに傾注しているとは知らなかった。
20時26分。ジャネールが退場しまた客電が点いた。
ロビーに出てみるとまだ観客は飲食しながら談笑していてまだまだプリンス・ショーが始まる気配はない。
シカゴ。
20時54分。客電が落ち、割れんばかりの歓声が会場内に響き渡る中いよいよプリンスがステージに登場した。今日の衣装も昨日と同じ今ツアー用の洋服に金色のサングラスだ。
「シカゴ! マイ・ネーム・イズ・プリンス!」と言い終わる前には観客から叫び声がかぶさる。そして、プリンスが「アー・ユー・レディ?」と言うとさらに大きな歓声があがる。
そしてイントロが流れてくるが、この日の1曲目は「コントラヴァーシー」だった。
3日間ともセットリストが違う。「レッツ・ゴー・クレイジー」「デリリアス」「1999」など矢継ぎ早にヒット曲を演奏。「テイク・ミー・ウィズ・ユー」では、さきほど前座をしたばかりのジャネール・モネイとデュエットを聞かせた。
そして、この日だけのスペシャル・ゲストが、プリンス本人も大ファンだというサックス奏者、メイシオ・パーカーだ。
「クリーム」ではメイシオが大々的にフィーチャーされステージに彩を添えてくれた。
今回3日間すべてのセットでプレイされたザ・タイムの「クール」では、いつもと同じようにマイケル・ジャクソンの「ドント・ストップ・ティル・ユー・ゲット・イナフ」をうまくマッシュアップし、「ドント・ストップ…」のコーラスをバック・シンガーに歌わせたあと、自身で歌った。そして、その「クール」の曲中のやりとりを、シカゴにあわせていた。
Chicago? (Yes!)
Is anybody hot? (No!)
U know why? (Why?)
Cuz we’re cool (Cool!)
会場は思い切り盛り上がる。
21時42分。「ジョイ・イン・リペティション」を終えてステージが真っ暗に。
暫く経って「レッツ・ウォーク」から再開したと思ったら個人的なハイライトである「エクストララヴァブル」(Extralovable)を披露した。
この曲は元々1982年4月に「エクストラ・ラヴァブル」(Extra Lovable、表記が2ワードになっている。1ワードにしたのが単に表記ミスかもしれないが)としてレコーディングされたもので、未発表曲として有名だったが昨年(2011年)11月にカナダ・ツアー中に「エクストララヴァブル」として発表されたものである。前日、入場した時にはこの曲をリハーサルしていたので期待していたのだが今日になって演奏してくれた。
イントロはホーンズが盛り上げて本人が歌いながら目の前で踊っているなんて興奮と驚きを隠せない。
そして、「ユー・ガット・ザ・ルック」ではスーパーモデルのダマリス・ルイスがいつものように出てきて一旦暗転。
2分ほどして曲が始まったと思ったら聴き覚えがある曲でまた驚かされた。
「ザ・ダンス・エレクトリック」のイントロが流れてきたからだ。昨夜のアフタージャムで披露されて驚かされたが、その流れと同様に「エヴリデイ・ピープル」に繋がった。
ここで前夜同様サプライズ・ゲストが出てきた。昨日はジェニファー・ハドソンだったが、この夜は女性R&Bシンガー、レデシーだ。プリンスとレデシーでデュエット。そして、「マウンテンズ」に続き、「ダンス・エレクトリック」に戻った。
この夜2曲も懐かしい曲が聴けたことはラッキーだった。
ちなみに、開演までの間にいろんなアーティストのプロモーション用ビデオ・クリップがスクリーンに映されていたが、この「ダンス・エレクトリック」も流れていて久し振りに見たなぁという印象だったが、まさかそこから伏線が張られていたのではないかと思ってしまった。
しかし、このツアー前に発表された新曲「RNRラヴ・アフェア」は3日間に披露されることはなかった。
22時33分。13分にわたる「パープル・レイン」ではいつものように紫と金色の紙吹雪が舞いここで一旦終了。
22時42分。「パープル・レイン」終了から9分。アンコールを待ちわびる観客の前にプリンスが一人で現れた。
アンコール。
両手を合わせて感謝の意を表したり、眠りたいという表現をしたり、投げキスをしながらグルっとステージを一周している。そうしていると段々と観客からの拍手も大きくなり最後にたどりついたのはグランド・ピアノの前。
さらに割れんばかりの大きな拍手の中、椅子に座り静かに弾きだしたのが「ハウ・カム・ユー・ドント・コール・ミー・エニイモア」だ。最近ではアリシア・キーズなどのヴァージョンでも知られるゆったりとした作品だ。そして続いてメリッサ・モーガンでヒットしたバラードの「ドゥ・ミー・ベイビー」。
観客達がもの凄く大きな声で歌詞を合唱する。ユナイテッド・センターすべての空間がこの歌を歌う。真っ暗闇の中、プリンスのところだけスポットライトがあたり、静かに演奏されているが、周りは合唱。そのアンバランスと最終日のアンコールといったことも相まって私も感極まった。実際、思い出しながらこうして書いていてもウルッときてしまいそうな感じである。そしてここで号泣した女性もたくさんいたそうだ。
この後、「アイ・ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」で弾き語りコーナーは終了。
と思ったらその間にバンド・メンバーが準備していてさらなるアンコール。
23時04分。VIP席の観客もステージに上げて大団円で終了した。
もしかすると、その余韻からまた暫くしたらステージに戻ってくるのではないかと思いもしたが、残念ながらプリンスは現れず、これにてユナイテッド・センターでの3公演は名実ともに終了した。
ハウス・オブ・ブルース。
アフター。
「ハウス・オブ・ブルース」に着き、この日は5列目の中央辺りに陣取ることができた。
0時56分。ダマリス・ルイスが出てきて「NPG!NPG!」とコール・アンド・レスポンスをして観客を煽るがまだ始まらない。
1時24分。プリンスがステージの幕の間から顔を出すもののそれでもまだ待ち続けなければならない。
1時35分。先にやってた「NPG!」のチャントを始めると演奏が始まり、1時38分になってようやくステージの幕が開いた。狭いステージにホーン隊も全員揃っているので窮屈な印象だ。
最初の数曲はバック・コーラスに一人ずつ歌わせて、その間のプリンスはステッキを持ってバンドに指示を出している。その姿は真っ黒なスーツにラウンドのサングラスをかけているまるで指揮者のようだ。
4曲目にようやく自身のアルバム『3121』に収録されている「サティスファイド」を演奏した。
2時28分。無事終了。
全員が引っ込んで改めて3分後にバンド・メンバーが出てきたが、なんとこれはジャネール・モネイのバンドでこんどは彼らが演奏を始めた。
3時03分。約30分ほど熱演をして、ジャネールたちは退き、その2分後には幕が閉まって本当に終了。
なんと、最後の最後はプリンスではなく、ジャネール・モネイであった。不満の声をあげるのは酔ってる白人ばかりであったがお店側に促されて皆早急に帰ることになる。
そんな中でもバンド・メンバーは客席に来てくれてモーリス・ヘイズやカサンドラ・オニールと少し話しをすることができた。
カサンドラはシーラEとともに来日したこともあり、その時に観に行ったことやマサ小浜さんの話しをすると喜んでくれた。
お店を出たのは4時前でまだ外は暗く寒い。本編の最後が感動的で少しだけ放心状態であったが、これでリスニング・パーティー1本、本編3本、アフター3本、計7本のライヴは全て終了。この3日間は夢のようなライヴ三昧だった。
朝食。
それを惜しむように皆とハグをして記念撮影をして別れた。
それでも、地元シカゴの人達とはその後ファミレスまでドライヴに行って早過ぎる朝食とコーヒーを飲みながらライヴの感想を語りあった。
どの日のライヴが一番良かったかとかあれはどうだったかとか、これはどう思うかとか他愛もない会話を楽しんで6時頃にホテルまで送ってもらって本当にこれでお別れ。
この4日間、7公演を演るほうも観るほうも大変な体力がいる。だが、すべてを観て感じたのは、7公演全部をひっくるめて、「ウェルカム・トゥ・シカゴ」という一つのプリンスの大きな作品だったのではないかということだ。毎日ゲストも入れ替わり、セットリストも変わる。全部を見てひとつ。そこまで思えるほど壮大なものだった。プリンス・ファンの仲間と興奮冷めやらぬ中、シカゴのダウンタウンで徹夜明けの朝食を食べながらそれを改めて痛烈に感じたライヴだった。そして今回そんなプリンス・エクスペリエンス(プリンス体験)が出来たことにも感謝だ。
(文責・吉岡正晴)
■メンバーズ
初日メンバーにMaceo Parker が加わりました。
■ Setlist : Prince @ Chicago United Center, October 26, 2012
Show Started 20:54
01. Controversy (Incl. Housequake Chants)
02. Let’s Go Crazy
03. Delirious - Let’s Go Crazy (Reprise)
04. 1999
05. Little Red Corvette
06. Take Me With U (With Janelle Monae)
07. Raspberry Beret
08. Cream (With Maceo Parker)
09. Cool (Incl. Don’t Stop ’Til You Get Enough)
10. Joy In Repetition (With Maceo Parker)
11. Let’s Work
12. Extraloveable
13. U Got The Look (With Damaris Lewis)
14. Everyday People (With Ledisi & Andy Allo)
15. Mountains
16. The Dance Electric
17. Purple Rain
18. Piano Set : How Come U Don’t Call Me Anymore - Do Me, Baby - I Wanna Be Your Lover
19. The Bird
20. Jungle Love
21. The Glamorous Life (With Ledisi)
Show ended 23:04
-----------------------------------------------------
Setlist : Prince @ House Of Blues, Chicago
27th September 2012 (am)
[ ] denotes original acts
show started 01:38
01. When Stars Collide (Andy Allo & The People Pleasers)
02. We’re A Winner (Shelby J. Lead Vocal)
03. I Never Loved A Man (The Way I Love You) (Shelby J. Lead Vocal) [Aretha Franklin]
04. Satisfied
05. I Don’t Want Nobody To Give Me Nothing (Open Up The Door, I’ll Get It
Myself) (Maceo Parker) [James Brown]
06. Housequake (Incl. The Jam)
07. People Pleaser (Andy Allo)
08. Brown Skin (Shelby J. Lead Vocal)
09.Instrumental Jam (With Maceo Parker)
Janelle Monae’s Arch Orchestra
Members:
Janelle Monáe (vox)
Kellindo Parker (guitar)
Calvin Parmer (bass)
Terrence Brown (keyboards)
Mike P. Phillips (drums)
10. Intro – The Electric Lady (ft. Maceo Parker)
11. Giving You What You Love (new??)
12. Chameleon [Herbie Hancock & The Headhunters]
13.Tightrope
14.Outro
show ended 03:05
(2012年9月26日水曜、シカゴ・ユナイテッド・センター、プリンス・ライヴ)
(2012年9月27日木曜、シカゴ・ハウス・オブ・ブルース、プリンス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Prince
■メイシオ・パーカー 最新作 (日本盤)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007BHFVBI/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ザ・タイム・ファースト 「クール」など収録 (輸入盤)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KMT/soulsearchiho-22/ref=nosim/
+++++++++++
ENT>MUSIC>LIVE>Prince, Monáe, Janelle, Parker, Maceo
2012-
【Prince Live At Chicago (Day Three): The Great Prince Experience】
レポート。
プリンスが2012年9月24日から26日まで3日間シカゴのユナイテッド・センターで行なった懇親のライヴ・レポート、そのパート3。本編のライヴ後近くのライヴ・ハウス「ハウス・オブ・ブルース」で行なわれた「アフター・パーティー」の様子もご紹介。プリンス・エヴァンジェリスト、入魂レポート、3日目最終日です。
~~~~~
プリンス・シカゴ・ライヴ・レポート (3日目最終日) by TUNA (ツナ)
2012年9月26日。
前座。
シカゴ3公演の最終日となった今日も会場には早くから多くの客が集まっていた。グッズ売り場には長蛇の列が出来ており、初日にあったモノがいくつか売り切れたようで見当たらない。
今日の座席も1階だが、開演までに3階に上がってプリンスのポスターの前で記念撮影をしたり、友人たちをお互いに撮ったりした。勿論、入口で厳重なカメラとボディーチェックを受けているので撮影は当然携帯だ。
今日の座席はシンボル・マーク先端の前から4列目だ。丁度真正面からバンド・メンバーやその先にいるNPGホーンズやモーリス・ヘイズまで全体が視界に入る場所だ。
プリンスのライヴを見に来る観客は、3:7で女性の方が多い。ほとんどは30代から40代のような感じだ。黒人・白人比率は6:4で若干黒人が多い程度。いわゆるブラック、R&B系の9割以上黒人というコンサートから比べると白人が多い印象だ。スーツを着たり、おしゃれしている人も目立った。プリンスのTシャツを着てる人は多かったが、ジャージ姿はいなかった。少なくとも1階の見える範囲では。
チケット発売時からアナウンスされていた通り、今日のゲストはジャネール・モネイ(Janelle Monae)である。
20時。開演時間通りに客電は消えたがステージにいるのは前座のジャネール・モネイだ。
ジャネールはマイク・スタンドを振り子のように揺らすが、倒れない。ジェームス・ブラウンがかつてやっていたマイク・トリックをそのままやってみせた。このパフォーマンスやダンス・ステップはちょっとカッコいい。
3曲目にジャクソン5の「アイ・ウォント・ユー・バック」を歌ったが、5曲目を歌い終わる頃にはスタッフからマントを肩に掛けられて退場。これでは、そのまんまジェームス・ブラウンのマント・ショーの再現ではないか。そういえば髪型もアップにしていて、姿もまるで若い頃のジェームス・ブラウンのようだ。ジャネールがここまでジェームス・ブラウンに傾注しているとは知らなかった。
20時26分。ジャネールが退場しまた客電が点いた。
ロビーに出てみるとまだ観客は飲食しながら談笑していてまだまだプリンス・ショーが始まる気配はない。
シカゴ。
20時54分。客電が落ち、割れんばかりの歓声が会場内に響き渡る中いよいよプリンスがステージに登場した。今日の衣装も昨日と同じ今ツアー用の洋服に金色のサングラスだ。
「シカゴ! マイ・ネーム・イズ・プリンス!」と言い終わる前には観客から叫び声がかぶさる。そして、プリンスが「アー・ユー・レディ?」と言うとさらに大きな歓声があがる。
そしてイントロが流れてくるが、この日の1曲目は「コントラヴァーシー」だった。
3日間ともセットリストが違う。「レッツ・ゴー・クレイジー」「デリリアス」「1999」など矢継ぎ早にヒット曲を演奏。「テイク・ミー・ウィズ・ユー」では、さきほど前座をしたばかりのジャネール・モネイとデュエットを聞かせた。
そして、この日だけのスペシャル・ゲストが、プリンス本人も大ファンだというサックス奏者、メイシオ・パーカーだ。
「クリーム」ではメイシオが大々的にフィーチャーされステージに彩を添えてくれた。
今回3日間すべてのセットでプレイされたザ・タイムの「クール」では、いつもと同じようにマイケル・ジャクソンの「ドント・ストップ・ティル・ユー・ゲット・イナフ」をうまくマッシュアップし、「ドント・ストップ…」のコーラスをバック・シンガーに歌わせたあと、自身で歌った。そして、その「クール」の曲中のやりとりを、シカゴにあわせていた。
Chicago? (Yes!)
Is anybody hot? (No!)
U know why? (Why?)
Cuz we’re cool (Cool!)
会場は思い切り盛り上がる。
21時42分。「ジョイ・イン・リペティション」を終えてステージが真っ暗に。
暫く経って「レッツ・ウォーク」から再開したと思ったら個人的なハイライトである「エクストララヴァブル」(Extralovable)を披露した。
この曲は元々1982年4月に「エクストラ・ラヴァブル」(Extra Lovable、表記が2ワードになっている。1ワードにしたのが単に表記ミスかもしれないが)としてレコーディングされたもので、未発表曲として有名だったが昨年(2011年)11月にカナダ・ツアー中に「エクストララヴァブル」として発表されたものである。前日、入場した時にはこの曲をリハーサルしていたので期待していたのだが今日になって演奏してくれた。
イントロはホーンズが盛り上げて本人が歌いながら目の前で踊っているなんて興奮と驚きを隠せない。
そして、「ユー・ガット・ザ・ルック」ではスーパーモデルのダマリス・ルイスがいつものように出てきて一旦暗転。
2分ほどして曲が始まったと思ったら聴き覚えがある曲でまた驚かされた。
「ザ・ダンス・エレクトリック」のイントロが流れてきたからだ。昨夜のアフタージャムで披露されて驚かされたが、その流れと同様に「エヴリデイ・ピープル」に繋がった。
ここで前夜同様サプライズ・ゲストが出てきた。昨日はジェニファー・ハドソンだったが、この夜は女性R&Bシンガー、レデシーだ。プリンスとレデシーでデュエット。そして、「マウンテンズ」に続き、「ダンス・エレクトリック」に戻った。
この夜2曲も懐かしい曲が聴けたことはラッキーだった。
ちなみに、開演までの間にいろんなアーティストのプロモーション用ビデオ・クリップがスクリーンに映されていたが、この「ダンス・エレクトリック」も流れていて久し振りに見たなぁという印象だったが、まさかそこから伏線が張られていたのではないかと思ってしまった。
しかし、このツアー前に発表された新曲「RNRラヴ・アフェア」は3日間に披露されることはなかった。
22時33分。13分にわたる「パープル・レイン」ではいつものように紫と金色の紙吹雪が舞いここで一旦終了。
22時42分。「パープル・レイン」終了から9分。アンコールを待ちわびる観客の前にプリンスが一人で現れた。
アンコール。
両手を合わせて感謝の意を表したり、眠りたいという表現をしたり、投げキスをしながらグルっとステージを一周している。そうしていると段々と観客からの拍手も大きくなり最後にたどりついたのはグランド・ピアノの前。
さらに割れんばかりの大きな拍手の中、椅子に座り静かに弾きだしたのが「ハウ・カム・ユー・ドント・コール・ミー・エニイモア」だ。最近ではアリシア・キーズなどのヴァージョンでも知られるゆったりとした作品だ。そして続いてメリッサ・モーガンでヒットしたバラードの「ドゥ・ミー・ベイビー」。
観客達がもの凄く大きな声で歌詞を合唱する。ユナイテッド・センターすべての空間がこの歌を歌う。真っ暗闇の中、プリンスのところだけスポットライトがあたり、静かに演奏されているが、周りは合唱。そのアンバランスと最終日のアンコールといったことも相まって私も感極まった。実際、思い出しながらこうして書いていてもウルッときてしまいそうな感じである。そしてここで号泣した女性もたくさんいたそうだ。
この後、「アイ・ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」で弾き語りコーナーは終了。
と思ったらその間にバンド・メンバーが準備していてさらなるアンコール。
23時04分。VIP席の観客もステージに上げて大団円で終了した。
もしかすると、その余韻からまた暫くしたらステージに戻ってくるのではないかと思いもしたが、残念ながらプリンスは現れず、これにてユナイテッド・センターでの3公演は名実ともに終了した。
ハウス・オブ・ブルース。
アフター。
「ハウス・オブ・ブルース」に着き、この日は5列目の中央辺りに陣取ることができた。
0時56分。ダマリス・ルイスが出てきて「NPG!NPG!」とコール・アンド・レスポンスをして観客を煽るがまだ始まらない。
1時24分。プリンスがステージの幕の間から顔を出すもののそれでもまだ待ち続けなければならない。
1時35分。先にやってた「NPG!」のチャントを始めると演奏が始まり、1時38分になってようやくステージの幕が開いた。狭いステージにホーン隊も全員揃っているので窮屈な印象だ。
最初の数曲はバック・コーラスに一人ずつ歌わせて、その間のプリンスはステッキを持ってバンドに指示を出している。その姿は真っ黒なスーツにラウンドのサングラスをかけているまるで指揮者のようだ。
4曲目にようやく自身のアルバム『3121』に収録されている「サティスファイド」を演奏した。
2時28分。無事終了。
全員が引っ込んで改めて3分後にバンド・メンバーが出てきたが、なんとこれはジャネール・モネイのバンドでこんどは彼らが演奏を始めた。
3時03分。約30分ほど熱演をして、ジャネールたちは退き、その2分後には幕が閉まって本当に終了。
なんと、最後の最後はプリンスではなく、ジャネール・モネイであった。不満の声をあげるのは酔ってる白人ばかりであったがお店側に促されて皆早急に帰ることになる。
そんな中でもバンド・メンバーは客席に来てくれてモーリス・ヘイズやカサンドラ・オニールと少し話しをすることができた。
カサンドラはシーラEとともに来日したこともあり、その時に観に行ったことやマサ小浜さんの話しをすると喜んでくれた。
お店を出たのは4時前でまだ外は暗く寒い。本編の最後が感動的で少しだけ放心状態であったが、これでリスニング・パーティー1本、本編3本、アフター3本、計7本のライヴは全て終了。この3日間は夢のようなライヴ三昧だった。
朝食。
それを惜しむように皆とハグをして記念撮影をして別れた。
それでも、地元シカゴの人達とはその後ファミレスまでドライヴに行って早過ぎる朝食とコーヒーを飲みながらライヴの感想を語りあった。
どの日のライヴが一番良かったかとかあれはどうだったかとか、これはどう思うかとか他愛もない会話を楽しんで6時頃にホテルまで送ってもらって本当にこれでお別れ。
この4日間、7公演を演るほうも観るほうも大変な体力がいる。だが、すべてを観て感じたのは、7公演全部をひっくるめて、「ウェルカム・トゥ・シカゴ」という一つのプリンスの大きな作品だったのではないかということだ。毎日ゲストも入れ替わり、セットリストも変わる。全部を見てひとつ。そこまで思えるほど壮大なものだった。プリンス・ファンの仲間と興奮冷めやらぬ中、シカゴのダウンタウンで徹夜明けの朝食を食べながらそれを改めて痛烈に感じたライヴだった。そして今回そんなプリンス・エクスペリエンス(プリンス体験)が出来たことにも感謝だ。
(文責・吉岡正晴)
■メンバーズ
初日メンバーにMaceo Parker が加わりました。
■ Setlist : Prince @ Chicago United Center, October 26, 2012
Show Started 20:54
01. Controversy (Incl. Housequake Chants)
02. Let’s Go Crazy
03. Delirious - Let’s Go Crazy (Reprise)
04. 1999
05. Little Red Corvette
06. Take Me With U (With Janelle Monae)
07. Raspberry Beret
08. Cream (With Maceo Parker)
09. Cool (Incl. Don’t Stop ’Til You Get Enough)
10. Joy In Repetition (With Maceo Parker)
11. Let’s Work
12. Extraloveable
13. U Got The Look (With Damaris Lewis)
14. Everyday People (With Ledisi & Andy Allo)
15. Mountains
16. The Dance Electric
17. Purple Rain
18. Piano Set : How Come U Don’t Call Me Anymore - Do Me, Baby - I Wanna Be Your Lover
19. The Bird
20. Jungle Love
21. The Glamorous Life (With Ledisi)
Show ended 23:04
-----------------------------------------------------
Setlist : Prince @ House Of Blues, Chicago
27th September 2012 (am)
[ ] denotes original acts
show started 01:38
01. When Stars Collide (Andy Allo & The People Pleasers)
02. We’re A Winner (Shelby J. Lead Vocal)
03. I Never Loved A Man (The Way I Love You) (Shelby J. Lead Vocal) [Aretha Franklin]
04. Satisfied
05. I Don’t Want Nobody To Give Me Nothing (Open Up The Door, I’ll Get It
Myself) (Maceo Parker) [James Brown]
06. Housequake (Incl. The Jam)
07. People Pleaser (Andy Allo)
08. Brown Skin (Shelby J. Lead Vocal)
09.Instrumental Jam (With Maceo Parker)
Janelle Monae’s Arch Orchestra
Members:
Janelle Monáe (vox)
Kellindo Parker (guitar)
Calvin Parmer (bass)
Terrence Brown (keyboards)
Mike P. Phillips (drums)
10. Intro – The Electric Lady (ft. Maceo Parker)
11. Giving You What You Love (new??)
12. Chameleon [Herbie Hancock & The Headhunters]
13.Tightrope
14.Outro
show ended 03:05
(2012年9月26日水曜、シカゴ・ユナイテッド・センター、プリンス・ライヴ)
(2012年9月27日木曜、シカゴ・ハウス・オブ・ブルース、プリンス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Prince
■メイシオ・パーカー 最新作 (日本盤)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007BHFVBI/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ザ・タイム・ファースト 「クール」など収録 (輸入盤)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KMT/soulsearchiho-22/ref=nosim/
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ENT>MUSIC>LIVE>Prince, Monáe, Janelle, Parker, Maceo
2012-