▲ボブ・ディラン最新作の中川五郎さんの訳詞

【「ライフ・イズ・ハード」の訳詞】

感銘。

先日、「山野ミュージック・ジャム」で、ボブ・ディランの最新作『トゥゲザー・スルー・ライフ』を紹介した。僕にとっては、かなり「アウェイ」なアーティスト(笑)なので、いろいろライナーを読んだり、歌詞を読んだりして勉強したのだが、その中で、2曲目の「ライフ・イズ・ハード」の訳詞に衝撃を受けた。

日本語はこうだ。

~そよともしない黄昏の風 
わたしは手だても望みもなくしてしまった…~

「そよともしない黄昏の風」って英語で何なんだ? 左側の英語を見る。すると~

The evening winds are still. I’ve lost the way and will.

となっている。う~~む。

この英語からせいぜい思いつくのは、「黄昏の風が止まっている…」(直訳調)あたりか。でも、止まっていたら、風ではなくなる…。つまり、ほとんど吹いていない風だ。そこで、「そよともしない…」がでてくる。

いやあ、感激しましたね。これを訳したのは、中川五郎さん。彼自身がシンガー・ソングライターでもあるから、元々詩心がある。hats off to Goro-san.って感じだ。

今回のボブ・ディランの音を聴いたら、ずいぶんとブルーズっぽいなあ、と思った。そうしたら、ディラン本人はライナーノーツの中で紹介されているインタヴューで、「チェス・レコードとか、サン・レコードのサウンドが好きだ」と言っている。そうしたものに影響を受けたようだ。

ボブ・ディランの曲だと、僕はオージェイズがカヴァーした「エモーショナリー・ユアーズ」のゴスペル・ヴァージョンがなんといっても一番好きだ。ボブ・ディランの曲もいいが、これを黒くゴスペルにしたオージェイズの解釈力は筆舌に尽くしがたい。

■ ボブ・ディラン 『トゥゲザー・スルー・ライフ』

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■ オージェイズ 『エッセンシャル』 ゴスペル・ヴァージョンはいってます

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ENT>ARTIST>Dylan, Bob
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